Cassandraのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Cassandraのシステム開発費は、PoCなら100万〜500万円、大規模構成なら5,000万円〜2億円以上が目安です。金額を左右するのは、データ量、アクセス量、可用性の目標、移行範囲です。

費用の内訳やクラウド料金についての全体像は、下記の完全ガイドにまとめています。

▼全体ガイドの記事
・Cassandraのシステム開発の完全ガイド

Cassandraの開発費用の幅が大きい理由

Cassandraを中央に置き、データモデル設計やアプリ開発、監視・バックアップ、障害対応を周囲に示した図解
製品の導入後にも、設計から日々の運用まで作業が続きます。

Cassandraは、製品を導入しただけでは業務システムとして完成しません。開発では、アプリのアクセスパターンを分析し、分散配置を前提にデータモデルを設計します。さらに、障害時の復旧や監視まで含めるため、検証用の小構成と24時間稼働の業務基盤では費用が異なります。

オープンソースでも発生する開発費と運用費

Apache Cassandraはオープンソースのため、ライセンス費用を抑えやすい製品です。ただし、無料であっても業務システムの開発と運用は無料になりません。

  • 開発作業:要件整理、CQL・データモデル設計、アプリ開発、クラスタ構築
  • 運用作業:監視、バックアップ、障害対応、セキュリティ、バージョンアップ
  • 自社運用:ノード、ストレージ、ネットワークに加えて、担当者の確保が必要です

データ量より効くアクセスパターン

費用を左右するのは、保存量よりも、1秒あたりの読み書き数、1回の返却行数、ピークの集中度です。

  • 書き込み集中:少量のデータでも、短時間にイベントが集中すると負荷試験やパーティション設計に工数がかかります。
  • 安定したアクセス:データ量が大きくても、アクセスが安定し保持期限を設定できれば、標準化しやすい場合があります。
  • 見積もり条件:容量の「何GB」に加えて、クエリの種類と実行回数を示します。

ポイント

費用は、保存量より読み書きの集中の仕方と、復旧や監視まで含むかで変わります。無料の製品でも開発と運用はかかるため、比べる前に含まれる作業をそろえてください。

Cassandraのシステム開発費用相場の目安

ここに示す金額は、NotebookLMリサーチで整理した業務システム全般の相場をもとにした推定レンジで、Cassandra単体の公定価格ではありません。金額には、分散データ基盤の設計と性能検証、移行、監視も加味しています。

見積もりでは、対象範囲と非機能要件を分けて考えます。あわせて、金額の税込・税別も会社ごとに確認してください。

PoC・小規模検証の費用目安(100万〜500万円)

1〜3か月程度のPoCでは、CQLの基本確認と代表的なデータモデルの作成を行います。さらに、APIからの読み書きと、単一リージョンでの負荷試験も含めます。

  • 基本確認:単にテーブルを作ってデータを入れるだけなら、費用は下限に近づきます。
  • 本番相当の試験:本番相当のデータ分布でp95・p99レイテンシーを確認し、ノード障害や再送時の挙動まで検証すると上限に近づきます。
  • 目的の設定:採用判断か、本番へ移せる基盤づくりかで必要工数が変わります。

費用は100万〜500万円程度が目安です。検証で使うデータ分布と合否条件は、見積もりを取る前に決めておきます。

小規模本番の費用目安(300万〜1,000万円)

開発期間は3〜6か月程度を想定し、初期費用は300万〜1,000万円程度が目安です。

  • 業務連携:アプリAPI、認証・権限、既存RDBやメッセージング基盤と接続します。
  • 運用整備:開発・本番環境、監視、ログ、バックアップ、復元手順を用意します。
  • 受入確認:データ連携処理と整合性の検証も見積もりに含めます。

障害通知や復元手順を整える場合は、運用設計の比重がPoCより高まります。

中規模は1,000万〜5,000万円、大規模は5,000万円以上の費用目安

規模ごとの費用と期間を見るとともに、構成範囲によって増える作業も確認します。

  • 中規模:複数サービスと連携し、期間は6〜12か月、初期費用は1,000万〜5,000万円が目安です。
  • 大規模:複数リージョンと厳格なSLAを含み、災害対策、24時間監視、大量移行も加わります。
  • 大規模の費用・期間:5,000万円〜2億円以上となる可能性があり、期間は12〜24か月を見込みます。段階リリースにすることも少なくありません。
  • 追加作業:二重書き、冗長化、運用設計、セキュリティレビューが範囲により加わります。
  • 価格:金額はいずれも個別要件から算出する推定値です。

ポイント

検証(PoC)か本番かで目安の金額は大きく変わるため、まず見積もりの目的を決めてください。金額は推定値なので、税込・税別と対象範囲をそろえて比べます。

Cassandraの費用内訳

Cassandraの費用を要件定義とデータモデリング、アプリケーション開発と外部連携、移行・試験、クラウド利用料・監視・保守の4パネルに分けた図解
工程費用と継続的な運用費用を分けて見積もれます。

見積書を「Cassandra構築一式」とまとめず、工程と運用項目に分けてもらうと、費用を抑えたいときにどの作業を削るかが明確になります。さらに、初年度と2年目以降の総額も比べます。

要件定義とデータモデリングの費用

見積もりを取る前に、発注側が要件とアクセスパターンを確かめ、データモデルの設計条件を決めておきます。

  • 要件:イベント発生源、読み書き比率、ピークRPS、保持期間を整理します。
  • 性能と復旧:許容レイテンシー、整合性、RTO・RPOを定めます。
  • データモデル:業務上の正規化より、実際のクエリを成立させるアクセスパターンから設計します。
  • キー設計:パーティションキーやクラスタリングキーを誤ると、ホット・巨大パーティションや不要なスキャンが発生します。

初期設計の費用を削りすぎると、本番後の再設計にかかる費用が大きくなりがちです。

アプリケーション開発と外部連携の費用

アプリ内のCassandra処理と、外部連携の作業を分けて確認します。

  • アプリ開発:CQLを発行するAPI、認証、再試行、タイムアウト、ページング、重複イベントへの対応。
  • 外部連携:Kafkaなどのメッセージング基盤、RDB、検索エンジン、DWHとの連携には非同期処理が必要です。重複・欠損の検知も見積もります。
  • データ配置:強い整合性が必要な処理はRDBなどに置きます。

受注や決済の確定値は、Cassandraだけで管理しないようにします。一方で、イベント受付や高速参照に使うと、要件と費用のバランスを取りやすくなります。

移行・負荷試験・受入試験の費用

移行工程と性能確認の作業を分けて見積もります。

  • 移行計画:データの洗い出し、形式変換、欠損・重複確認、初回ロード、差分同期、切替、ロールバックを計画します。
  • 大規模移行:一括停止より、旧・新環境への二重書き、整合性照合、段階切替の方が安全で、その分の開発費が必要です。
  • 負荷試験:平均値だけでなく、p95・p99レイテンシー、compaction、tombstone、ディスクI/O、ノード障害時の復旧時間を確認します。
  • 試験費:試験データの作成と結果分析も見積もりに含めます。

クラウド利用料・監視・保守の費用

運用形態ごとのインフラ費と保守体制を分けて確認します。

  • 自社運用:仮想マシン、ディスク、バックアップ先、ロードバランサー、監視、ログ、転送を積み上げます。
  • マネージド:ノード管理を減らせますが、読み書き、容量、バックアップ、転送、リージョンの従量課金を確認します。
  • 保守の目安:リサーチノート上の業務システム相場では、保守費は初期開発費の年10〜20%です。
  • 追加体制:24時間365日の障害対応、セキュリティパッチ、性能改善、月次レポートを含む場合は、別の体制費用になることがあります。

ポイント

費用は工程と運用に分けて見積もり、初年度と2年目以降の総額で比べます。初期設計を削りすぎると、本番後の再設計で費用がかさむ点に注意してください。

クラウドのCassandra料金の決まり方

クラウドはサーバー購入の初期投資を抑えます。一方、従量料金は、アクセス量の見積もりが外れると月額が増える可能性があります。そのため、開発、検証、本番環境を分け、通常時とピーク時の費用をそれぞれ試算します。

AWS Amazon Keyspacesの読み書きと容量の計算方法

料金は、利用モードと従量単位を確認してから試算します。

  • 容量モード:AWS公式料金ページでは、オンデマンドとプロビジョンドを選べます。
  • オンデマンド計測:読み取りはRRU、書き込みはWRUで計測します。
  • 単位数:読み取りはデータ量と整合性レベル、書き込みは1行のデータ量で変わります。
  • 複数リージョン:書き込みは各リージョンで計上され、リージョンを増やしても同じ比率で増えるとは限りません。増額を見込んで試算します。

無料枠ではなく本番時の総額での比較

比べるときは、無料枠の適用条件と、本番利用時に加わる費用を分けて確認します。

  • 無料枠:適用期間、月間上限、対象容量を確認します。
  • 本番との違い:無料枠は開発や小規模検証の参考値で、本番環境の月額を示すものではありません。
  • 総額:本番費用に含める項目をそろえ、月額と年額を試算します。

無料枠は初回リソース作成後の3か月、月3,000万オンデマンドWRU、3,000万オンデマンドRRU、ストレージ1GBです(出典: AWS「Amazon Keyspaces for Apache Cassandra pricing」、2026年確認)。

本番費用には、バックアップ、ポイントインタイムリカバリ、データ転送を含めます。さらに、複数リージョン、監視、ログ、サポート契約も加えます。

Azureの互換性と料金モデル

移行費用や運用範囲を見積もるには、製品の対応仕様を確認します。

  • API:Azure Cosmos DB for Apache CassandraはCQL v3.11 APIに対応します。
  • 提供機能:グローバル分散、オートスケール、暗号化、バックアップを組み合わせられます。

機能の差や制限によって、移行時に重要な機能が未対応となる場合があります。

Microsoftは、移行の選択肢として、Azure Managed Instance for Apache Cassandraの検討を案内しています(出典: Microsoft Learn「Apache Cassandra features supported by Azure Cosmos DB for Apache Cassandra」、2026年確認)。

互換APIであっても、移行費用がゼロになるとは限りません。そのため、移行費用を見るときは、CQL、整合性、パーティション上限、運用ツールの差を検証します。

ポイント

クラウドは初期投資を抑えられますが、従量料金は見積もりが外れると増えるため、通常時とピーク時を分けて試算します。無料枠は本番の月額を示しません。

Cassandraの費用を左右する変動要因

非機能要件が厳しくなるほど、設計・試験・運用の費用は増えます。そのため、見積もりの前に、各条件を数字で整理しておきます。

データ量・RPS・データ保持期間

容量設計では、データ量の見通しとアクセスの変動を押さえます。

  • 確認項目:初期データ量、1日あたりの増加量、ピーク時の読み書き数、1行の平均サイズ、保持期間です。
  • TTL:古いイベントを自動削除できる場合、ストレージの増加を抑えられます。
  • 削除負荷:削除が集中するとtombstoneやcompactionの負荷が高まるため、設定だけで費用が下がるとは限りません。
  • 容量モード:時間帯で負荷が大きく変わるなら、オンデマンドとプロビジョンドのどちらが適切かを実測します。

リージョン数・SLA・RTOとRPO

必要な可用性の水準を決めたうえで、リージョン構成や復旧目標、SLAを見積もりに反映します。

  • リージョン構成:単一か複数かで構成費とクラウド料金が変わります。
  • 復旧目標:RTOは復旧までの時間、RPOは復元するデータの時点を示します。
  • 目標水準:RTO・RPOが厳しいほど、レプリケーション、バックアップ、復旧試験が必要です。
  • SLA:通常時の費用に加え、リージョン障害時の切替とデータ整合性の検証費も見積もります。

自社運用とマネージドサービスの選択

自社運用は構成の自由度が高く、Apache Cassandraの機能を細かく使えます。その代わり、クラスタ設計、ノード追加、compaction、修復、アップグレード、障害対応は自社で担います。

マネージドサービスは運用作業を減らせますが、使える機能やCQL互換性、データの持ち出し方法は確認が必要です。特に担当者が少ない企業では、月額利用料に採用・教育・夜間対応の人件費も加えて比べます。

既存データ移行と周辺システムの数

まず、移行元と接続先を調べ、互換性の確認と切替作業を見積もります。

  • 移行費:新規開発より、既存のCassandraクラスタやRDBからの移行で、データ品質の確認や差分同期に費用がかかる場合があります。
  • 互換性確認:ドライバ、CQLのバージョン、TTL、バッチ、セカンダリインデックス、整合性レベルを調べ、移行後の挙動を確かめます。
  • 切替調整:接続先が多いほど切替調整も増えます。システム構成図とインターフェース一覧をRFPに添付すると、見積もりの精度が上がります。

ポイント

費用は、データ量や読み書き量、可用性の目標、運用の形態、移行範囲によって変わります。見積もりの前に各条件を数字にしておくと、比べやすくなります。

費用を抑えながらCassandra開発を進める手順

Cassandra開発の工程を、業務要件とクエリ、本番相当のPoCと負荷試験、二重書きと段階切替、運用手順と納品物の順に並べた図解
先に要件と検証を固めることで、後工程の不確実性を抑えます。

費用を抑える近道は、後戻りが高額になりやすいデータモデルと運用要件を先に検証することです。そのうえで、本番で必要な範囲だけを段階的に実装します。

業務要件とクエリの確定

まず、発注側と開発会社で、Cassandraに保存するデータと、RDB・DWHに残すデータを分けます。そのうえで、画面やAPIのクエリ、毎秒の回数、返却件数、許容遅延、保持期限を記載します。

受注・在庫・決済など強い整合性が必要な処理は、Cassandraの特性だけに頼らず、どのシステムが責任を持つかを明確にします。

本番相当のPoCと負荷試験

PoCでは、実際に偏りが出るデータを使い、均一な理想データだけで確かめないようにします。性能の合否は、平均値ではなくp95・p99レイテンシーとエラー率で判定します。

  • 偏り:顧客や地域への集中によるホット・巨大パーティションを確認します。
  • 再送と削除:イベント重複やTTLによる削除の挙動を調べます。
  • 障害復旧:ノード障害時に復旧できるかを試験します。

採用を見送る判断も、数千万円規模の作り直しを防ぐ点では、費用を抑える判断になります。

移行の基本は二重書きと段階切替

案件ごとの切替工程は、事例を参考にしながら整理します。

  • 移行事例:AWSが公開するIntuitの移行事例を参考にします。
  • 適用範囲:この事例は全案件に同じ方式を求めるものではなく、停止時間を抑える設計例です。
  • 見積もり工程:二重書き、照合、差分修正、切替、ロールバックを工程として見積もります。

AWSのIntuit事例では、Apache Cassandraの66ノードクラスタからAmazon Keyspacesへ120TB超を移行しました。

移行では、旧環境へ書き込みながら新環境へ非同期で二重書きし、実ワークロードで検証したと説明されています(出典: AWS「Intuit Migrates Apache Cassandra Workloads to Amazon Keyspaces」、2026年確認)。

本番前に整える運用手順と納品物

本番リリース前には、障害通知、ログ確認、バックアップ復元の手順をRunbookにまとめておきます。さらに、証明書更新、ノードの追加と削除、バージョンアップ、セキュリティパッチ、性能劣化時の切り分けも記しておきます。

納品物には、ソース、CQL、データモデル、Infrastructure as Code、試験仕様、監視項目、復旧手順を含めます。加えて、引き継ぎと教育も見積もります。

Cassandraのシステム費用を最適化するポイント

費用は、初期費用だけでなく3年程度のTCOで見ます。安価な構成でも、障害対応やデータ再設計で高額になる場合があります。一方で、マネージドサービスの月額は、人件費とリスクを含めると合理的になる場合もあります。

削減できる項目と、削ってはいけない品質項目は、分けて考えます。

最初のリリース範囲の絞り込み

すべての業務データを一度にCassandraへ移さず、高頻度イベント受付や時系列参照など、Cassandraの強みが出る領域から始めます。

たとえば、管理画面の複雑な集計や低頻度検索まで同じデータベースに詰め込むと、テーブルと連携処理が増えます。そのため、本番では利用頻度と事業効果を確かめた機能から広げ、初期投資を抑えます。

クラスタと環境の適切なサイズ

開発環境に本番同等のクラスタを常時置かなければ、検証時だけ起動したり、データ量を縮小したり、不要な環境を停止したりできます。

ただし、ノードを減らしすぎると、本番の複製や障害耐性を検証できません。環境ごとに必要なSLAと負荷を定義したうえで、開発、ステージング、本番で構成を使い分けます。

利用量の監視と予算アラート

月末の請求を見てからでは、対策が遅れることがあります。そのため、読み書き単位、容量、バックアップ、転送、リージョン別の利用量を監視します。

予算アラートを設定しておき、利用が増えたときは、不要な再試行、過大な応答、非効率なクエリを調べます。

プロビジョンド容量や割引は、実績をもとに選びます。特に、利用の変動が大きい初期は、過剰な契約を避けます。

移行可能性と運用の担当範囲

移行先を選ぶ前に、互換性や運用分担に関わる条件を確認します。

  • 運用条件:料金だけでなく、CQL互換範囲、バックアップ持ち出し、データ出力、サポート時間、障害時の担当範囲を確認します。
  • 新機能:Cassandra 5.0の新機能が移行先で使えるかを見ます。
  • 納品物:新機能を使う場合は、移行先の対応を確かめます。将来の選択肢を残すため、データモデル、IaC、テストも自社に納品してもらいます。

Apache Cassandra 5.0では、SAI、JDK 17、Unified Compaction Strategy、ベクトル型などが追加されています(出典:Apache Cassandra「Announcing Apache Cassandra 5.0」、2026年確認)。

見積もりを取るときの確認ポイント

見積もりでは、金額だけでなく、含まれる作業と対象外の作業を確認します。設計や性能・障害試験が抜けていると、本番後の追加費用につながります。また、複数社には同じ情報を渡し、同じ前提で提案を受けます。

RFPに書くべき情報

RFPには、業務目的や対象、初期データ量、年間増加量を記します。加えて、ピークRPS、読み書き比率、行サイズ、保持期間も盛り込みます。

見積もりの前提になる条件として、許容レイテンシーや利用者数、連携先をRFPに明記します。あわせて、運用に関わる条件も項目ごとに整理します。

  • リージョン:単一か複数かで、構成費とクラウド料金が変わります。
  • RTO・RPO:RTOは復旧までの時間、RPOは復元するデータの時点を示します。
  • 稼働時間:24時間稼働かどうかで、費用と運用体制が変わります。
  • セキュリティ:TLSや認証、権限管理など、求める対策の範囲です。
  • 個人情報の有無:扱う場合は、鍵管理や監査ログの確認が加わります。

希望するクラウド、予算上限、公開希望日も伝えます。なお、不明な値は仮定として示し、前提が外れた場合の増減幅を求めます。

初期費用とランニング費用の比較

初期費用と運用費を分け、同じ期間で比べます。

  • 初期費用:要件定義、モデリング、アプリ開発、構築、移行、試験、教育に分けます。
  • 運用費:クラウド、容量、バックアップ、転送、監視、保守、障害対応に分けます。
  • 費用例:初期費用と月額費用を合わせて比較します。
  • TCO:初年度、3年目、5年目で比較します。

初期開発が数百万円でも、月額運用が数十万円なら年間数百万円が加わります。一方で、初期開発が高くても、自動化やマネージド化によって、月額や夜間対応の費用を抑えられる場合があります。

ベンダーへ確認する質問

実績の有無だけでなく、担当者が設計・移行・運用のどこを経験したかを確認します。

Cassandra版、ピークRPS、データ量、障害対応、移行方式も尋ねます。

自社運用かマネージドか、CQL互換性、データの持ち出し、24時間対応、追加費用の条件は、見積もりの前に聞いておきます。

個人情報を扱う場合は、TLSや認証、RBACの対応を確かめます。さらに、管理と委託に関わる点も、ベンダーに答えてもらいます。

  • 監査ログ:操作の記録を残せるかどうか。
  • 鍵管理:暗号化の鍵を、誰がどこで管理するか。
  • 復元試験:バックアップから実際に戻せるかを、試しているか。
  • 委託先と再委託先の担当範囲:どこまでを各社が受け持つか。

よくある質問(FAQ)

相場は判断の出発点です。ただし、最終的にはデータ量、アクセス、可用性、移行範囲を反映した個別見積もりで確認します。

Cassandraは無料なので開発費も無料ですか?

いいえ。ソフトウェアが無償でも、設計と開発には費用がかかります。ほかに費用がかかるのは次の作業です。

  • 構築:クラスタの構成と環境の用意。
  • 監視:利用量やノードの稼働状態の把握。
  • バックアップ:データの保存と、復元手順の整備。
  • 障害対応:ノード障害が起きたときの復旧。
  • 保守:セキュリティパッチとバージョンアップの適用。

また、クラウドの無料枠には期間、容量、リクエスト数の上限があります。そのため、本番利用量でTCOを試算します。

RDBよりCassandraの方が安くなりますか?

一概には言えません。大量書き込みや水平拡張、複数地域での高可用性が必要で、データモデルが合う場合には、合理的になる可能性があります。

複雑なJOIN、集計、強い整合性が中心なら、補助基盤や再設計が必要になり、費用はRDB併用より高くなる場合があります。

そのため、初期費用に加え、習熟、監視、障害対応、将来の変更費用も比べます。

既存Cassandraからクラウドへ移行するといくらかかりますか?

データ量、停止可能時間、接続アプリ数、CQL互換性、二重書きの有無で変わり、一律の金額はありません。

小規模な検証であれば、PoCの費用内に収まる場合もあります。一方で、大規模なデータを止めずに移す場合は、設計、同期、試験、照合、切替、戻しの工数が増えます。

AWSが公開しているIntuitの事例では、66ノードから120TB超を移しました。ただし、これは個別の事例で、自社案件の価格を示すものではありません。

予算を決めるとき、最初に何を伝えればよいですか?

見積もりには、業務条件、既存環境、未確定の値を整理して伝えます。

  • 業務・運用条件:業務目的、ピーク読み書き数、データ量と増加量、保持期間、リージョン、RTO・RPO、許容遅延、連携先を伝えます。
  • 既存環境:個人情報の有無と希望納期を示します。既存のシステムがあれば、構成図、テーブル定義、CQL、ドライバ、移行対象、停止可能時間を共有します。
  • 未確定値:現状の推定値と想定の幅を示し、追加費用が発生する条件も見積書に明記してもらいます。

まとめ

Cassandraの費用相場は、PoC・小規模検証で100万〜500万円です。小規模本番は300万〜1,000万円が目安です。

中規模は1,000万〜5,000万円で、大規模・マルチリージョンは5,000万円〜2億円以上です。

これは公開されている統一価格ではなく、一般的な業務システムの相場に、データモデリングや分散構成を加味し、移行、負荷試験、監視も加えた推定値です。

規模と非機能要件を合わせた費用相場の読み方

金額は、データ量やピークRPS、リージョン数、SLA、RTO・RPOによって変わります。移行の難しさや24時間監視の有無も、金額を左右します。

マルチリージョンや無停止に近い切替では、複製、照合、復元試験、障害訓練の費用が加わります。そのため、前提と対象外の作業を確認しておきます。

最初に整理するクエリと運用条件

発注の前には、システム要件と比較条件をそろえておきます。

  • 要件整理:保存対象、クエリ、読み書き量、保持期間、連携先、セキュリティ、復旧目標を決めます。
  • PoC:本番相当の条件でCassandraの採用可否を確かめます。
  • 費用比較:初期費用と運用費を分け、複数社の提案を3年程度のTCOで比べます。
  • 運用条件:読み書き、容量、バックアップ、転送、保守、人件費を含め、必要なRTO・RPOとリージョン数を定めます。

性能と復旧の検証結果も比較に使うと、予算と運用負荷を見通しやすくなります。

本番相当のPoCで性能と障害復旧を確かめ、必要なRTO・RPOやリージョン数に絞ることが、長期的な費用の抑制につながります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。