CIMシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

CIMシステムの導入は、要件整理、システム選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6段階で進めると、工場全体を一度に変えずに改善できます。

CIMの全体像、6段階の進め方、費用相場と見積もりの確認項目を順に見ていきます。全体像は、CIMシステム開発の完全ガイドもご覧ください。

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・CIMシステム開発の完全ガイド

CIMシステムの全体像

全社・工場層、生産管理層、設備層に分け、各層のシステムを示した図。
役割の異なる3層を連携させる構成です。

CIMシステムは、受注から出荷、原価、経営分析までを共通データと連携基盤でつなぐ仕組みです。実現には、ERP、PLM、MESなどを組み合わせます。さらに、SCADA、IoT、倉庫や物流の仕組みも加わります。

大塚商会は、経営から開発、販売、物流、設計、生産までの合理化を図る企業情報システムとしてCIMを説明しています。また、CIMは単一のソフトウェア製品を指すとは限りません。

CIMの位置づけ:データ連携の構想

CIMの核心は、販売や受注の情報を生産量・調達・在庫に反映し、工場の実績を原価・品質・納期・経営判断へ戻す「閉ループ」です。

  • 設計情報:PLMで部品表の版数を管理し、生産管理やMESへ連携する情報
  • 現場実績:作業実績と検査結果を、製品番号やロット番号にひも付けた記録

この連携によって、設計・生産・品質が同じ情報を参照できるようになります。

ただし、MESだけを先に導入しても、ERPやPLMとの間で定義がずれると、経営や品質保証の場でデータを使えない可能性があります。そろえておきたい定義には、品目コード、単位、BOM、工程番号、ロットなどがあります。

このずれを防ぐため、発注側と開発会社は、機能一覧より先に共通ID、データの所有者、更新タイミングを決めておきます。保持期間や、エラーが出たときにどこまでを誰が受け持つかも、決めておく必要があります。

全社・工場・設備の3層での整理

CIMの全体像は、全社・工場をまたぐ層、工場の生産管理層、設備に近いOT層の3つに分けて整理できます。

  • 全社・工場層:受注・計画・原価・在庫を扱うERP、SCM、PLM
  • 生産管理層:作業指示・実績・品質を扱う生産管理システムやMES
  • 設備層:設備状態や計測値を扱うPLC、センサー、SCADA、ロボット

層に分けて考えると、既存の会計システムを残してMESを追加したり、重要なラインだけにゲートウェイを設置したりできます。

優先順位は工場の生産形態によって変わります。多品種少量や個別受注では製番、工程、負荷を、量産工場では品質、設備稼働、トレーサビリティを優先します。まずは、自社の損失が大きい箇所から着手するのが現実的です。

ポイント

CIMは単一製品ではなく、受注から原価までの情報をつなぐ構想として見るのが出発点です。判断に迷ったときは、共通IDや更新タイミングがそろっているか、全社・工場・設備のどの層の話かを基準にします。

CIMシステムの進め方の流れ

要件整理・選定から設計・開発・テストを経て、稼働・定着へ進む流れ図。
各段階の合否条件が次へ進む判断を支えます。

進め方は、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6段階に分かれます。各段階に合否条件を決めておき、KPIの改善を次の段階へ進む判断材料にします。

経済産業省の工場セキュリティ資料も、工場の現状やリスクを把握してから、具体策を段階的に始める考え方を示しています。また、進捗は機能数ではなく、KPIが改善したかどうかで捉えます。

1. 要件整理:現場の損失と目標KPIの設定

発注側と開発会社で、受注から出荷までの業務フローを描きます。部門別ではなく、製品・注文・ロットの流れに沿って整理します。

  • 情報の流れ:注文が帳票になる流れ、設計変更が製造へ伝わる時点、材料入荷と検査結果の記録場所、出荷後の追跡時間
  • 記録の場所:紙、Excel、メール、設備画面、既存システムの一覧
  • 判断のルール:担当者の経験に頼っている作業を含む業務ルール

目標KPIは、納期遵守率や仕掛在庫日数、初回合格率などの候補から、3〜5個に絞ります。候補には、計画対実績の差、原価差異、実績入力工数なども含まれます。

目標は、実績の当日登録率やロット追跡時間を測るなど、測定できる形で決めます。「見える化する」のような表現は、測定可能な目標とはいえません。

完了時には、対象の工場・製品・ラインとKPIを一枚で説明できる状態にします。現状値と目標値、対象外の範囲も、同じ一枚に入れます。

2. 選定:パッケージ・クラウド・スクラッチの比較

製品名や画面の多さよりも、対象の生産形態に合うかを見て選びます。方式ごとの特徴を整理し、設備接続や保守の条件も比べます。

  • クラウドSaaS:初期費用を抑えやすく、更新や拠点展開の場面で扱いやすい方式
  • パッケージ:業種テンプレートや導入実績を活用できる方式
  • スクラッチ開発:独自工程や特殊な原価計算に合わせやすい方式

クラウドでは、設備接続と通信断時の運用に加えて、特殊工程やデータ保管場所を確かめます。パッケージでは、標準機能に業務を合わせるFit to Standardの判断を、どこまで受け入れるかが問われます。

スクラッチ開発では、要件変更や保守人材、将来のOSやブラウザ更新も自社の負担になります。一方で、ERPや生産管理パッケージを中核にし、独自工程だけをAPIやアドオンで補う構成も候補になります。

候補会社には、機能ごとに標準、設定、追加開発、運用のどれで対応するかを分けて回答してもらいます。

3. 設計・開発:業務とデータの境界の確定

画面や帳票を作る前に、業務プロセスとデータモデルを定義し、連携方式、権限、例外処理も決めておきます。意味がずれると修正が大きくなるため、データ項目の意味は先に確認します。

  • 基礎データ:品目コード、BOM、工程、設備、作業者、ロットの定義
  • 単位と状態:単位、時刻、在庫状態の意味をそろえること
  • 連携ルール:正データの保有先、連携時期、失敗時の再送担当の取り決め

設備連携では、PLCやセンサーの通信方式に加えて、停止中のデータとオフライン時のバッファーを確かめます。時刻同期、計測単位、設備交換時の設定も、あわせて確認します。

設計レビューには、製造技術や保全、品質に加えて、情報システムや現場の班長も加わります。代表的な受注を選んで、受注から原価まで一連の流れを追えることを合否条件にします。実績や品質、在庫が途切れずに見えることも含めます。

4. テスト:正常系と現場の例外の再現

開発会社の画面確認だけで済ませず、実際の業務シナリオでテストします。テストは種類ごとに分け、データにも現場の例外を含めます。

  • テストの種類:単体、連携、業務受入、性能、セキュリティ
  • 業務の例外:設計変更、分納、仕掛戻し、再作業、欠品、設備停止の再現
  • 現場環境:返品、ロット混在、端末、バーコード、帳票、ラベルの試行と、通信断時に業務が止まらないかの確認

受入の合格条件は、KPIの測定に必要なデータが正しく登録され、担当者が定めた時間内に処理できることです。

重大障害の定義と未解決課題の扱いのほか、切戻しの判断者、旧システムとの照合期間も決めておきます。経営層、工場責任者、現場代表がテスト結果と課題一覧を確認してから、稼働の判定へ進みます。

5. 稼働:小さな切替と、戻せる計画

稼働の対象は、範囲と改善効果を基準に選び、切替の準備を進めます。

  • 対象範囲:1ライン、1製品群、1工場などに絞り、全工場を同時には切り替えません。
  • 選定条件:課題が明確で、協力者がいる場所

重要性が低すぎず、責任者がいて改善効果を測りやすい場所も、対象として適しています。

CIM株式会社の導入事例では、黒崎播磨の装置・金型製造事業部が2023年1月に導入しました。約4か月の準備を経て、同年5月に本格運用を開始しています。

期間は企業によって異なりますが、この事例は、準備、教育、データ整備を工程に含める必要があることを示しています。

  1. 切替前の確認項目は、マスタの最終更新日、未処理注文、仕掛品、在庫残高、ロット、権限、バックアップです。
  2. 並行稼働での差分の確認と、切戻し条件の決定
  3. 工場停止の可能性がある場合に備え、設備メーカーや保全会社を含む連絡網を用意しておきます。

旧システムをすぐに止めず、一定期間並行稼働させる方法もあります。その場合は、重大障害、出荷処理への影響、実績データの欠損などについて、誰が見ても判断できる条件を決めておきます。

6. 定着:業務成果の測定

ログイン数や入力件数だけでなく、導入の前後で業務成果を比べます。入力件数が増えても意思決定が速くならないときは、承認ルール、マスタ、KPIの設計が合っていない可能性があります。

  • 生産と在庫:納期遵守率、在庫日数、OEE
  • 品質と原価:初回合格率、原価差異
  • 運用負荷:問い合わせ対応時間、紙帳票の削減量

週次で現場の困りごとを集めて、改善の優先順位を決めます。チェックリストには、教育資料の更新者と一次窓口を入れます。障害時の連絡先やマスタ変更の承認者も、同じリストに含めます。

稼働後の運用では、月次のKPIレビューや権限の見直し、バックアップ復元訓練も行います。

2025年4月に経済産業省が公開した、中小規模製造事業者向けの工場セキュリティ解説書は、規模にかかわらず、サプライチェーンに含まれる企業は対策が必要だと示しています。

サプライチェーンに含まれる企業は規模を問わず対策が必要なため、CIMの定着には、アカウント管理、リモート保守、ネットワーク分離、復旧手順の運用も欠かせません。

ポイント

判断の目安は、各段階の合否条件を先に決め、KPIが改善したかどうかで次の段階へ進むことです。機能数の多さではなく、KPIの改善を進捗として見ます。

CIMシステム開発の費用相場とコストの内訳

3つの導入パターンを並べ、限定クラウド導入、パッケージ中心の中核構築、多拠点・フルスクラッチの初期費用推定レンジを示した横棒図。
対象範囲の違いが初期費用の幅に表れています。

CIM全体に共通する標準価格表はありません。金額は、工場数やユーザー数、設備数で変わります。対象業務や連携本数、移行量、クラウドかオンプレミスかによっても差が出ます。

24時間稼働や高い可用性が必要かどうかも、費用に影響します。ここで示す金額は、2025〜2026年に公開された生産管理システムの相場をもとに、MES、設備連携、教育、導入支援を加味した推定です。

CIM専用の公表統計ではないため、初期予算の検討に使い、同じ前提条件で見積もりを比べてください。

公開相場から見た導入パターン別の目安

対象範囲ごとの初期費用と期間の推定レンジを把握して、予算の検討に使います。

  • 限定クラウド導入:初期100万〜500万円程度の目安
  • パッケージ中心の中核構築:1〜2工場で、初期2,000万〜8,000万円程度、期間12〜24か月程度
  • 多拠点・フルスクラッチ:初期5,000万円〜2億円超、期間18〜36か月以上の可能性

クラウド型の生産管理システムは、公開情報で初期費用10万〜100万円程度、月額2万〜20万円程度と紹介されています(出典:キッセイコムテック「生産管理システムとは」、2025年掲載)。

この相場は、標準的な生産管理機能の目安です。ただし、設備ゲートウェイや複数連携、現場端末、移行、教育を加える場合は、PoCや小規模導入でも初期100万〜500万円程度を見込むことがあります。

パッケージ型は初期200万〜800万円程度、年間保守費は導入費の10〜15%程度という公開相場があります(出典:キッセイコムテック「生産管理システムとは」、2025年掲載)。

中核構築の金額は、類似する生産管理、MES、ERPの公開レンジをもとにした推定です。製品価格やSI費を一律に示したものではありません。

複数工場や海外拠点、多言語、多通貨があると、費用や期間が増えることがあります。24時間のOT連携や全社標準化、独自工程が加わる場合も、費用や期間が増える可能性があります。

フルスクラッチ型の生産管理システムは、公開相場で1,000万円〜数千万円とされる例があります(出典:キッセイコムテック「生産管理システムとは」、2025年掲載)。

CIM全体では、設備工事やネットワーク、端末、センサー、保守が別に計上されます。そのため、アプリケーションだけの価格で判断しないことが大切です。

見積書の内訳:ライセンス・開発・連携・運用

見積書は、ライセンス、SI費、連携費、移行・切替費の4つに分けて読むと、対象範囲に漏れがないかを確かめやすくなります。

  • ライセンス:製品、ユーザー・設備・拠点単位の利用料
  • SI費:要件整理、Fit to Standard、設計、開発、テストの作業費
  • 連携費:ERP、PLM、MES、設備、EDI、BIとの接続にかかる費用
  • 移行・切替費:データ移行、教育、本番切替の費用

サーバーやクラウド、ネットワークに加えて、端末やセンサーも含まれるかを確かめます。バーコード機器や現場の電気・制御工事も、含まれるかを確認します。

ランニング費用には、クラウド利用料、年間保守、監視、バックアップ、通信が含まれます。さらに、端末更新、セキュリティ対応、追加教育、制度や製品更新への対応も、継続して発生します。

設備接続の保守やAPI変更が別契約になっている場合、初期費用が安くても、3〜5年の総保有コストは高くなる可能性があります。年次更新や価格改定、最低利用期間、データ出力費用の条件も、見積もりで確かめます。

ポイント

費用は、対象範囲と前提をそろえた見積もりで比べ、初期費用だけでなく、ランニング費用や別計上の工事、保守を含めた3〜5年の総保有コストで判断します。

CIMシステムの見積もりを取る際のポイント

CIMの見積もりは、機能数の一覧では比べられません。前提をそろえることが先決です。対象範囲と現場の制約、データ品質をそろえ、設備接続と稼働停止の許容時間も共有したうえで、候補会社から提案を受けます。

RFPでは、必須要件と希望要件を分けて書きます。そのうえで、実現方法が標準、設定、追加開発、運用のどれに当たるかも、候補会社に回答してもらいます。

要件定義前の現状・対象範囲・KPIの整理

RFPと移行条件をそろえるには、現行の状況を文書に書き出しておく必要があります。項目は5点あり、データ移行では、修正の担当者と移行後の照合方法まで書きます。

  • 対象範囲:工場・ライン、製品・製番・ロット、現行システム、設備、利用者、連携先
  • 稼働条件:データ量、稼働時間、可用性、セキュリティ上の制約
  • 業務フロー:受注、設計、購買、生産計画、製造、品質、在庫、出荷、原価の順序と、各工程の入力者・時期・データ・帳票
  • KPI:納期遵守率、仕掛在庫、初回合格率、計画対実績差、原価差異などから選んだ指標と、現状値の取得方法
  • データ移行:品目、BOM、工程、取引先、在庫、仕掛、過去品質データの移行年数と、欠損・重複の修正担当、移行後の照合方法

目標を設定できないKPIは、その理由を課題として扱います。また、現場の写真や帳票サンプルを添えると、候補会社との想定違いを減らせます。

複数社の比較:価格より同じ条件と体制

同じRFPへの提案を、価格以外の適合性と支援体制から比べます。

  • 提案範囲:要件定義の範囲、標準機能の適合率、追加開発の前提
  • 導入体制:設備連携の経験、データ移行の責任者、教育方法
  • 運用支援:稼働後の保守窓口と、運用改善の支援範囲

提案会社が製品を持っていても、現場ヒアリングから運用改善まで担えるとは限りません。そのため、個別受注、量産、プロセス製造のどれに強いかを確かめます。

国内1工場か多拠点か、既存のSAPやERPとの連携実績があるかも、比べる材料になります。

契約前には、データの所有権、API仕様、設計書や設定情報の引き渡し、ソースコードを確かめます。SLA、障害時の責任の分け方、脆弱性への対応、製品終了時の移行支援も、あわせて確認します。

2025年10月に経済産業省が半導体デバイス工場向けOTセキュリティガイドラインを公表しました。設備停止につながるOT領域には、一般的な業務システムとは異なるリスクがあります。

OT領域のリスクを踏まえ、リモート保守の特権ID、ネットワーク分離、バックアップ、復旧訓練は、RFPと契約の両方に含めます。

費用超過と定着不足のリスク管理

費用超過の原因と、現場で定着しない原因は分けて管理します。変更の承認者を決め、追加要件が費用や納期に与える影響も記録しておきます。

  • 費用超過:要件確定前の追加開発、マスタの不備、設備調査の不足、部門ごとに別の正解を求めること
  • 定着不足:入力価値の理解不足、端末や通信、例外処理、問い合わせ先

追加要件は、費用や納期、KPIへの影響を記録したうえで、優先順位を更新します。予備費を設ける場合は、契約上で使い道をはっきりさせておきます。

稼働前に現場のキーユーザーを選び、必要なデータが納期や品質の判断とどうつながるかを説明します。操作研修だけでなく、入力の目的も共有します。

稼働後は、30日、60日、90日などの節目でKPIと課題を見直し、改善を続けます。

ポイント

見積もりは、同じRFPへの提案を価格以外の適合性と支援体制で比べるのが基本です。契約前には、データの所有権や障害時の責任の分け方まで条件をそろえているかを、判断の目安にします。

よくある質問(FAQ)

導入時期、費用、既存システムとの関係は、計画の初期によく生じる疑問です。それぞれ、判断の基準とあわせて回答します。

CIMシステムは中小企業でも導入できますか?

導入できます。ERP、PLM、MES、全設備を一度に統合せず、損失が大きいテーマから1工場や1ラインで扱うと、進めやすくなります。

納期遅延、在庫、品質、原価などから対象を選びます。そのうえで、クラウド型の一部機能やPoCでデータ登録とKPI測定を始め、効果と現場の負荷を確かめてから、範囲を広げます。

CIMシステムの開発期間はどのくらいですか?

期間は対象範囲によって異なります。限定したPoCや1工場の一部機能であれば3〜6か月、パッケージ中心の導入では6〜12か月が初期の目安です。

ERP・PLM・MES・設備連携を含む中核構築は12〜24か月程度です。多拠点やグローバル展開では、18〜36か月以上になる可能性があります。さらに、要件整理やマスタ整備、教育、並行稼働、切替後の安定化まで含めた全体の期間で計画します。

既存のERPや設備を残したままCIM化できますか?

既存システムを残したまま連携できます。そのうえで、既存側を正とするデータと、新しいCIM側で管理するデータの境界を決めます。

たとえば、ERPを受注や会計の正、MESを現場実績の正とします。データ項目ごとに、所有者と更新のタイミングを定めておきます。

古い設備はすべて接続せず、KPIの改善に必要な設備からゲートウェイや手入力を組み合わせます。通信断時の運用も設計しておきます。

2026年時点でAIやクラウドをCIMに使うときの注意点は何ですか?

AIやクラウドを使う場合は、機能と運用上の条件を、5つの面から確かめる必要があります。

  • 活用領域:KPI分析、需要予測、異常検知、作業手順の支援での活用
  • データ:分析に使う情報の品質と、その責任者を先に決めること
  • クラウド:SAP Digital Manufacturingは、SAP Business Technology Platform上での導入を掲げています
  • 機能:AIによるKPI・分析、計画・物流連携、S88またはS95の生産モデルが示されています
  • 運用:AIの精度、人の承認、保管場所、権限、ログ、障害時の代替運用

まとめ

CIMシステムは、ERP、PLM、MES、設備、物流などを共通マスタと連携でつなぐ構想です。開発は要件整理から定着まで6段階に分け、各段階でKPIと合否条件を確かめます。

まずは、納期、在庫、品質、原価など、自社の損失が大きいボトルネックから始めます。全社一括の導入は避けます。

着手前の確認項目

着手前には、対象範囲、最初に改善するテーマ、現状値の測定方法を決めておきます。そのうえで、納期、在庫、品質、原価のうち何を優先するかを明確にします。

ERP、PLM、MES、設備の変更範囲や、現場キーユーザー、経営側の責任者、切戻しと復旧の判断者も、一枚にまとめます。

次の一歩:小さなPoCと同条件の見積もり

PoCの計画から見積もりの比較、稼働後の判断基準まで、5つの段取りで具体化します。

  1. 課題が明確で協力者がいる1ラインまたは1製品群を選び、実績収集や在庫・品質のKPIを測るPoCを計画します。
  2. 同じRFPを複数社に示し、標準機能、追加開発、設備接続、移行、教育、保守を分けた見積もりを比べること
  3. 導入パターンごとの公開相場を、初期費用の検討材料として使う
  4. 費用の前提と内訳を確かめたうえで、3〜5年の総保有コストで判断する
  5. 現場入力と共通データによる判断を支える運用体制づくり

公開相場をもとにした推定では、限定クラウド導入は初期100万〜500万円程度、CIMの中核構築は2,000万〜8,000万円程度です。多拠点やフルスクラッチは、5,000万円〜2億円超が検討のレンジになり得ます。

これらはCIM専用の定価ではなく、設備数、連携数、移行、教育、セキュリティなどを含む推定です。

成功には、現場が正しく入力し、経営や品質、生産計画が同じデータで判断できる状態が必要です。そのため、設計から現場まで、製造技術や保全、品質、情報システムを巻き込みます。

OTセキュリティ、切戻し、復旧訓練、稼働後のKPIレビューまで計画に入れます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。