commercetoolsのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

commercetoolsのシステム開発は、要件整理から定着までの6段階を順に進めます。最初に業務とデータを定義し、周辺サービスを選んでから段階的に進めると、業務に合わせて運用しやすい形になります。

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・commercetoolsのシステム開発の完全ガイド

commercetoolsのシステム開発の全体像

commercetoolsを中央に置き、フロントエンドやPIM、ERPやOMS、決済サービスを周辺に示した構成図
接続先ごとに役割を見渡すと、導入時の設計範囲を整理しやすくなります。

commercetoolsは、商品、価格、カート、注文、顧客、販促機能をAPIで組み合わせるコマース基盤です(出典: commercetools公式「Architecture」、2026年)。

そのため、APIファーストの独立サービスを必要に応じて使い、フロントエンドやPIM、ERP、OMS、決済サービスを別々に選べます。

commercetoolsの特徴

従来型のECパッケージは、画面・業務ロジック・データベースを一体で提供します。一方でcommercetoolsは、これらをAPIで組み合わせて使う基盤です。

  • 基盤の機能:APIで商品・価格、カート・注文、顧客・法人の機能を組み合わせる構成です。
  • 複数の接点:Web、アプリ、店舗、営業向けポータルに、同じ業務ルールを届けられます。
  • 導入時の設計範囲:フロントエンド、検索、コンテンツ、在庫、配送、税計算、決済、メール、監視、データ移行のうち、どこまでを各社が受け持つかという範囲です。

一般的なシステム構成

一般的な構成では、接続経路、データの配置、システム間の同期方法の3点を決めます。

  • 接続経路:ReactやNext.jsなどをCDNやクラウドで運用し、BFFまたはAPIゲートウェイ経由で接続する形です。
  • データの配置:商品説明・画像はPIM、会計・顧客・在庫の正本はERPやOMS、決済情報はPSPに置く構成が考えられます。
  • システム間の同期:API、Webhook、イベント、バッチ、ミドルウェアを使った同期方式です。

機能の一覧よりも先に、データの正本を決めておくことが大切です。たとえば、商品属性はPIM、在庫と受注後の処理はOMS、請求と会計はERPに置きます。カートと注文の受付はcommercetoolsに置き、そのうえで、更新頻度、連携方式、障害時の扱いを文書に明記します。

正本が曖昧なまま連携すると、更新の競合や二重計上、在庫ずれが起きやすくなります。加えて、価格が食い違う不整合も生じます。

ポイント

周辺システムとの役割分担に迷ったら、商品、在庫、注文、決済などのデータの正本をどこに置くかを基準に決めてください。正本が決まれば、連携の範囲も定まります。

commercetoolsのシステム開発の進め方

開発は6段階で、要件整理、選定、設計・開発の順に進みます。そのあとに、テスト、稼働、定着が続きます。各段階で成果物と判断基準を定め、未決事項を次の工程へ残さないことが、追加費用や納期遅延の抑制につながります。

1. 要件整理フェーズでの業務とデータの定義

要件整理では、事業規模と業務データに加えて、成果物と、標準機能・独自開発の境界を確かめます。

  • 規模と目標:事業規模の把握と、目標・KPIの設定。
  • 業務とデータ:業務の流れの整理と、データ項目ごとの管理方法の確認。
  • 成果物:業務・データ・連携・非機能・移行の各要件の確定。
  • 開発範囲:標準機能と独自開発の境界の検討。

規模を示す数字は、商品数・SKU数、国・通貨、販売チャネルを押さえます。加えて、会員数や月間注文数、繁忙期のピークも把握しておきます。さらに、返品率、取引先別価格、承認・見積の有無も確認します。

目標は、売上向上や受注処理の削減、海外展開などから選びます。そのうえで、KPIは3〜5個に絞ります。

業務は商品から問い合わせまでを分け、業務ごとに現行システムと正本を洗い出します。さらに、更新頻度、連携方式、障害時の扱いを一覧にします。

成果物には、業務フロー、データ項目表、外部連携一覧を含めます。また、非機能要件と移行対象も含めます。MVPの範囲と受入基準も、成果物に加えます。

商品・価格・カート・注文には標準APIを活用します。そのうえで、競争力に直結する価格計算、承認、配送ルールを独自に拡張するかを検討します。

独自実装は自由度を高めますが、テストの範囲と保守の負担も増えます。そのため、差別化に必要かどうかで判断します。

2. commercetoolsと開発パートナーの選定

選定では、commercetoolsの機能に加え、要件を実現する周辺構成と開発パートナーを比べます。

  • 方式と総費用:事業要件に合う方式と、中長期のTCOの比較。
  • パートナーの体制:導入経験と、連携・移行・試験・保守への対応力の確認。
  • 契約と引き継ぎ:日本語対応者の有無、再委託先、ソースコード・IaCの納品範囲、他社への保守移管可否の確認。
  • 段階導入案:全体置換案と機能単位の導入案を、RFPで比べる。

単一ブランド・単一チャネルを短期間で始める場合は、EC SaaSや一体型パッケージも候補になります。

複数ブランド、多地域、B2B、既存基幹連携を進化させる場合は、TCOを比べます。その際は、3〜5年分のライセンスとクラウド費を含めます。加えて、外部サービス、改修、保守の費用も見ます。

導入実績、データ移行、性能試験、セキュリティを確認します。加えて、稼働後保守の体制と、同規模の事例、担当予定者の経験も見ます。連携先は、PIM・ERP・OMS・PSPの実績を確かめます。高ランクでも、担当チームに日本語対応者がいるとは限りません。

2026年7月に発表された、Core Commerceと商品カタログのモジュール型提供も踏まえると、全体置換とボトルネックから始める案を比べられます(出典: commercetools公式「Modular Commerce Offerings」、2026年)。

3. 設計・開発フェーズでの連携と拡張範囲の確定

設計・開発では、連携、画面、業務シナリオのそれぞれについて、必要な条件を固めます。

  • システム設計:構成図、データモデル、API境界、権限、エラー処理、ログ、監視、リトライ、冪等性を定めます。
  • フロントとSEO:サーバーサイドレンダリング、静的生成、キャッシュ、CDNを使い分けるとともに、URLやcanonicalを移行設計に含めます。
  • 業務シナリオ:商品登録から通知までを一つの単位として開発し、B2B条件はB2Cと分けて受入条件とします。
  • 将来の自動化:AIやagentic commerceを追加するなら、データ品質、権限、監査ログ、上限値を先に整える必要があります。

注文連携では、二重送信を防ぐキー、タイムアウト時の再送条件、順序が逆転したときの復旧方法を設計書に書いておきます。PIMやERPのデータが不完全な場合は、公開を止めるか前回の値を保つかも、発注側と開発会社で合意しておきます。

商品ページ、会員画面、カート・決済画面は、それぞれ要件が異なります。デザインを刷新するときも、検索流入と購入導線を守るために、ページごとに移行の優先度を決めます。

B2Bでは、法人階層、顧客別価格、購買権限を、B2C機能とは分けて設計します。加えて、承認、見積、請求書払いも分けて扱います。自由な自動実行は、先行させないほうが安全です。

4. テストフェーズでの業務・連携・非機能の検証

テストでは、画面の表示だけでなく、業務の開始から完了まで通して確かめます。

  • 業務と連携:業務を通しで実行し、各システムの状態を照合すること。
  • 負荷とセキュリティ:ピーク時の性能と、アクセス・データ保護の確認。
  • 移行とSEO:移行リハーサルの実施と、検索流入の基準値の保存。

テストデータを使い、商品登録、価格更新、在庫引当を実行します。さらに、注文、決済、キャンセルの流れと、返品、返金、通知の流れも通します。

PIM、ERP、OMS、PSPとの状態を照合します。価格順位、国・通貨、顧客グループを組み合わせ、割引コードや在庫切れの場合も確かめます。

平常時に加えて、セールやキャンペーンのピークも想定します。検索、商品詳細、ログイン、カート投入、注文確定のそれぞれで目標応答時間を定めます。そのうえで、API制限、外部遅延、キャッシュを確認します。

OAuth 2.0による権限分離や管理画面を検証します。個人情報のログ出力、入力値検証、脆弱性も確かめます。カード情報を保持しない設計も、あわせて検証します。

商品、画像、価格、会員、注文履歴の移行は、複数回リハーサルします。ポイント、クーポン、URLも対象に含めます。

確認では、件数に加えて旧・新システムの代表レコードを照合します。欠損や文字化け、重複、タイムゾーンのずれも見ておきます。

主要ページの順位と流入を監視するため、切り替えの前後で基準値を保存します。

5. 稼働フェーズでの切り替えと切り戻しの管理

稼働時は、切り替えと切り戻しを次の手順で管理します。旧ECはすぐに止めず、商品カタログ、会員、カート、注文などの機能単位で段階的に移行します。

  1. 切り替えを準備する:公開日時、担当者、連絡先、判断者、切り戻し条件を決めます。
  2. 段階的に公開する:社内確認を経て、公開範囲を少しずつ広げます。
  3. 切り戻しを検証する:注文・在庫・会員データを含む復旧手順を、事前に試しておくこと。

社内ユーザーだけで本番環境を確認してから、1%、5%、10%と段階的に公開範囲を広げる方法もあります。

L.L.Bean事例では、約28か月の移行中も機能改善を続けながら、段階的なトラフィック移行を実施しました。移行したのは25万SKUと550万顧客アカウントで、大規模企業の事例です。ただし、同じ期間や成果を保証するものではありません(出典: commercetools公式「L.L.Bean Customer Story」、2025年)。

切り戻しの際は、注文を旧システムへ戻す条件、切り替え中の注文の再連携先、在庫と会員情報の同期を決めておきます。DNSやCDNだけで戻せるとは限りません。そのため、データの逆流や二重注文を防ぐ手順を、実環境に近い条件で試し、作業記録も残します。

6. 定着フェーズでの運用と改善の仕組み化

稼働後は、障害対応に加えて、業務担当者が商品や価格を自ら更新できる状態をつくります。

  • 教育と引き継ぎ:運用手順とシステム情報の、担当者への伝達。
  • 業務KPI:稼働率に加えて、業務と利用状況を月次で確認すること。
  • 改善と保守:要望の優先順位と、契約上の対応範囲の決定。

担当者には、Merchant Centerなどの登録ルールと承認の流れを教えます。公開前の確認や、誤更新時の戻し方も伝えます。

APIクライアント、権限、ジョブを文書にまとめます。監視、ログ、障害連絡手順も書き残します。

稼働率に加えて、商品登録時間や価格変更のリードタイムを月次で確認します。さらに、受注処理の手作業、在庫差異、問い合わせも見ます。表示速度、リリース頻度、コンバージョン率も、あわせて確認します。

要望は、緊急障害や法令・決済と、売上影響、業務効率、将来投資に分類します。限られた予算は、優先度の高いものへ配分します。

契約には、監視、障害一次対応、脆弱性への対応を記載します。さらに、APIや外部サービスの変更対応、定例レビュー、追加開発、保守移管も含めます。

機能追加や周辺サービスの変更に追随できる体制を用意します。特定の担当者だけが仕組みを理解する状態を避けることが、長期運用の重要な条件です。

ポイント

判断に迷ったら、各段階で成果物と判断基準を定めたかを確かめてください。未決事項を次の工程に残さないことが、追加費用や納期遅延を抑えることにつながります。

commercetoolsのシステム開発にかかる費用相場と内訳

PoC、単一ブランドB2CのMVP、標準的なリプレース、大規模B2B・多地域の推定費用と開発期間を比較した図
ケースごとの費用と期間を並べると、規模による差を把握できます。

料金は、企業規模と注文数によって変わります。加えて、サポート、追加リージョン、B2B機能の有無でも変わります。Checkoutや監査ログも、料金に影響します。

公式の料金ページでは、注文ベースの料金体系やアドオンが案内されています。一方で、企業向けの一律の月額や年額は公開されていません(出典: commercetools公式「Composable Commerce Pricing Plans」、2026年)。

以下の金額は公式価格ではありません。業務システム開発の一般的な相場と、フロントエンド、連携、移行の工数から整理した推定レンジです。

規模別の費用相場と開発期間の目安

規模ごとの推定費用と期間は、次の4つのケースで異なります。

  • PoC:500万〜1,500万円、2〜4か月程度。
  • 単一ブランドB2CのMVP:1,500万〜3,000万円、4〜8か月程度。
  • 標準的なリプレース:3,000万〜8,000万円、8〜14か月程度。
  • 大規模B2B・多地域:8,000万〜2億円超、12〜24か月以上の可能性。

PoCでは、代表的な商品と価格、カートを使います。決済連携と簡易フロントも試し、API、性能、データモデルの妥当性を確かめます。

60日無料トライアルは評価に使えます。ただし、本番の設計・開発費や契約後の利用料は無料になりません。

MVPは、商品、会員、カート、注文を想定します。基本決済、配送、管理画面、SEOも含みます。最低限の移行と監視も入ります。

ライセンスや決済手数料は、別に確認します。加えて、クラウド費と外部サービス費も別に確認します。

標準リプレースは、数万〜数十万件の移行を含む想定です。PIM・ERP・OMSとの連携や、在庫・配送・PSP連携も入ります。加えて、多言語・多通貨、権限、検索、負荷試験も含みます。

大規模案件では、法人階層、顧客別価格、承認・見積を含む場合があります。24時間運用や災害対策も、含まれることがあります。

ここに示す金額は、特定企業への発注額を断定するものではありません。金額は、商品数、注文数、ピークアクセス、データ品質で変わります。さらに、連携先APIの有無、国内業務への適合、B2Bの複雑さ、移行方式でも変わります。

commercetoolsの利用料と、実装会社への開発費は、別々に見積もります。

費用を5つの費目に分けた比較

見積もりでは、利用料から保守までを5つの費目に分けて確認します。

  • プラットフォーム利用料:契約プラン、注文数、追加リージョン、Premium Support、Audit Log Premium、B2B APIと増減条件。
  • 実装費:要件定義、業務設計、UX、フロントエンド、BFF、API連携、管理画面、検索、決済、税・配送、CI/CD、監視。
  • 移行費:データクレンジング、マッピング、変換、移行スクリプト、リハーサル、切り替え、旧システムとの並行運用。
  • 外部サービス・クラウド費:PIM、OMS、検索、CDN、メール、監視、税計算、PSP、データ連携基盤、バックアップ。
  • 運用保守:監視・障害対応と、毎月の改善開発を分けて計上します。

移行の見積もりには、件数に加えて、変換ルールと欠損時の扱いを記載します。

保守費は、初期開発費の年15〜25%、または月額数十万〜数百万円を仮置きできます。ただし、SLA、対応時間、追加開発の範囲で変わるため、相場をそのまま契約額とみなしてはいけません。

ポイント

費用は、規模別の相場を見たうえで、利用料、実装費、移行費、外部サービス・クラウド費、運用保守の5つに分けて比べてください。相場を契約額とみなさないことが大切です。

commercetoolsの見積もりを取る際のポイント

見積もり前に確認する規模と業務、連携、非機能と納品物の3項目を並べたチェックリスト
条件を3つの観点でそろえると、各社の提案範囲を比べやすくなります。

同じ機能名でも、前提条件によって工数は変わります。そのため、RFPや要件資料には画面一覧に加えて、データ量と連携先を明記します。ピーク、移行、運用、受入基準も含めます。

複数社から同じ粒度の提案を受けます。そのうえで、価格差が要員単価によるのか、作業範囲の違いによるのかを分けて確認します。

見積もり前に作るチェックリスト

依頼の前に、規模と業務、外部連携、非機能要件、納品物を整理します。

  • 規模と業務:データ量、販売形態、取引条件の整理。
  • 連携:接続先、連携方式、データの流れを明らかにすること。
  • 非機能と納品物:性能・安全要件と、成果物の決定。

商品、バリエーション、カテゴリの件数と、価格表を整理します。通貨、国、顧客グループも、あわせて整理します。

会員・法人アカウントや月間注文数、ピーク同時アクセスも確認します。チャネル、店舗、ブランドの数も見ておきます。

B2Bでは、法人階層、購買担当者、承認段階を確認します。さらに、見積、契約価格、請求書払いも見ておきます。

PIM、ERP、OMS、WMSの製品名と方式を記載します。検索、配送、税計算、PSP、メール、CDPも記載します。

送信元と送信先、頻度、正本をそろえます。再送、担当部署、テスト環境も含めます。

応答時間、可用性、RTO・RPOを決めます。ログ保存や監査、権限、暗号化、脆弱性も含めます。障害通知、ピーク負荷、個人情報とカード情報の扱いも決めておきます。

ソースコード、IaC、移行スクリプトについて、納品対象かを定めます。API・テスト仕様書と運用手順書も対象に含めるかを決めます。

連携情報が不足すると、後から調査や追加開発が発生しやすくなります。

工程別・責任別の開発会社の比較

提案範囲、責任分担、契約条件をそろえたうえで、開発会社を比べます。

  • 工程と見積範囲:工程ごとの成果物、工数、前提、除外、追加料金の比較。
  • 責任と担当者:会社間の分担と、担当者の実務知識の確認。
  • 契約条件:工程の性質に合う契約方式と、必要な条項の決定。

要件整理、選定支援、設計、開発の各工程では、成果物と担当者を確認します。移行、テスト、稼働、定着についても、同じ観点で見ます。

「連携一式」「移行一式」「保守一式」といった書き方では、範囲が分かりにくくなります。そのため、作業項目、想定工数、前提を比べます。除外事項と追加料金の条件も、あわせて比べます。

契約先と、実装・移行・運用を担う会社は異なる場合があります。そのため、製品サポート、SIパートナー、社内ITの分担を整理します。業務部門との分担と障害連絡先も、RACIなどで明確にします。

担当者がデータモデルや障害運用を説明できるかも、確認しておきます。

固まった工程は請負、探索や段階改善は準委任とするなど、工程に合わせて契約します。契約には、変更管理、受入、遅延、再委託を含めます。個人情報、海外データ、監査、データ返却、保守移管も盛り込みます。

後から膨らみやすい範囲を見える形にしておくと、総額を予測しやすくなります。会社の規模やパートナーランクだけで判断しないことも大切です。

失敗しやすいリスクと対策

導入時には、周辺業務との不整合、移行の遅れ、セキュリティの見落としに注意します。

  • 周辺業務との不整合:機能と各業務の責任範囲を、先にすり合わせること。
  • 移行の遅れ:移行対象の早期の整理と、段階的な検証。
  • セキュリティの見落とし:自社と委託先を含めた統制の評価。

商品と価格の正本、注文後の処理を決めます。在庫引当、返品と返金の責任も、あわせて決めます。標準機能と追加開発は、業務シナリオで確かめます。

デモでは、在庫切れ、決済失敗、連携遅延の場面を実演してもらいます。返品と権限不足の場面も、実演の対象にします。

データクレンジング、マッピング、リハーサルは、早めに確認します。URLの維持や会員ログインも、早い段階で確かめます。注文履歴、ポイント、クーポンも確かめます。

大規模移行では、停止日の数か月前から、トラフィックとデータを段階的に検証します。

認証や監査をプラットフォーム側に任せきりにせず、自社でも対策を持つことが重要です。たとえば、commercetoolsの2025年Security White Paperが示す統制を確認します。

自社フロントエンドやBFF、外部連携を評価します。管理者端末、ログ、委託先も、評価の対象に含めます。

PSPのトークン化やホスト型UIを使い、生のカード情報を自社のバックエンドに保存しない設計を基本にします。

個人情報保護法上の委託先監督やPCI DSSの適用範囲は、法務・セキュリティ担当者や専門家と確認してください。

ポイント

見積もりを比べるときは、まず同じ粒度の提案になっているかを確かめてください。前提条件や作業範囲がそろっていない見積もりは、価格だけでは比べられません。

commercetoolsのシステム開発でよくある質問(FAQ)

導入を検討する担当者からよくある質問をまとめます。条件によって答えが変わる場合は、判断に必要な確認事項も示します。

commercetoolsのシステム開発は何か月かかりますか?

開発期間は案件規模で異なり、次の期間が推定目安です。

  • PoC・単一ブランドMVP:PoCは2〜4か月、MVPは4〜8か月が推定目安です。
  • リプレース・大規模展開:複数基幹連携のリプレースは8〜14か月、大規模B2Bや多地域展開は12〜24か月以上です。

期間は、要件の確定度、移行件数、連携先の数で変わります。さらに、意思決定の速さや並行稼働の有無も影響します。機能数だけで判断しないことが大切です。

小規模なECでもcommercetoolsを導入できますか?

導入はできます。ただし、単一店舗を安く早く始めることが最優先なら、EC SaaSや一体型パッケージが合理的な場合があります。

複数チャネルや多地域、B2Bを進めたい場合は、変更のしやすさや将来のTCOも比べます。既存基幹連携や独自体験を進化させる場合も、比較の対象です。初期費用だけで判断しないようにします。

既存ECを止めずにcommercetoolsへ移行できますか?

可能です。ただし、段階・並行の移行方式と、機能フラグ、段階的なトラフィック投入を設計する必要があります。

商品、会員、注文、在庫の同期や切り戻しを、事前に検証します。SEO用のURL維持と、決済・返品の二重処理も確かめます。

公開当日に初めてデータを移す計画は避けてください。

開発会社を選ぶときに最も重視すべき点は何ですか?

最も重視すべきなのは、商品・価格・在庫・注文・決済を含む全体設計と、稼働後までの責任体制です。commercetools単体の知識は、その土台として確かめます。

名称付きの導入事例、担当予定者、移行件数を確認します。負荷・セキュリティ試験、工程別見積もり、日本語の運用窓口も確かめます。ソースコードやIaCの引き渡しも確認し、自社の業務シナリオで説明を受けてください。

ポイント

期間や導入の可否は、案件規模、要件の確定度、移行件数、連携先の数によって変わります。初期費用だけでなく、変更のしやすさや将来のTCOも比べて判断してください。

まとめ

開発は6工程で進みますが、データの正本を設計の初期に決めることが成功の鍵になります。正本は、商品、価格、顧客、注文、在庫ごとに置き場所を決めます。そのうえで、標準と独自開発の境界と連携の責任も決めます。

自社に合う進め方の選び方

単一チャネルを短期間で立ち上げる企業は、SaaSやパッケージを含めて比較します。一方で、複数ブランド、多地域、B2B、基幹連携、継続的なチャネル追加を重視する企業は、commercetoolsの段階導入とTCOを比べます。さらに、2026年時点では、全体置換のほかに、商品カタログ、カート、注文管理などを機能単位で刷新する選択肢も示されています。

最初の業務・データ・非機能の整理

開発計画の出発点として、現状の規模と実行範囲、稼働後の体制を整理します。

  • 業務・データ・非機能:商品数、注文数、国・通貨、ブランド、チャネル、連携先、ピーク負荷、移行対象、KPIを整理し、業務部門とIT部門で合意します。
  • 実行範囲:PoCやMVPの範囲と、工程別の成果物の決定。
  • 稼働後までの計画:段階移行と切り戻し、稼働後の保守・改善を、見積もりに反映すること。

これらがそろうと、現実的な開発計画を始められます。

▼全体ガイドの記事
・commercetoolsのシステム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。