施工体制台帳システムの開発会社を選ぶなら、法定帳票を出力できるだけでなく、協力会社から集まる情報を確認し、変更履歴まで管理できる会社を選ぶことが重要です。この記事では、既製クラウドの導入から個別開発・SIまでを含め、施工体制台帳システムの開発・導入相談先をタイプ別に紹介します。
施工体制台帳システムには、施工体制台帳、再下請負通知書、施工体系図、作業員名簿、建設業許可証などを工事単位で一元管理する役割があります。大規模元請向けの業界ネットワーク型から、専用帳票に絞って低コストで始めるクラウド、BPOを組み合わせられるサービスまで、6社の違いと選定時の確認ポイントをまとめます。
▼全体ガイドの記事
・施工体制台帳システム開発の完全ガイド
施工体制台帳システムのパートナー選びが重要な理由

施工体制台帳は、入力された情報を帳票に並べ替えるだけの業務ではありません。元請会社、一次下請、二次下請以降の会社情報や契約内容を正しくつなぎ、資格・許可・保険情報の期限を確認し、変更があった場合には過去の状態も追跡する必要があります。そのため、製品の機能数だけでなく、建設業務への理解と導入後の運用支援を含めて比較する必要があります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
施工体制台帳システムでは、元請側の管理画面だけを整えても運用は定着しません。協力会社がスマートフォンで会社情報や作業員情報を登録できること、過去工事のマスターを再利用できること、未提出や差戻しを追いかけられることが必要です。現場担当者、本社の安全管理部門、協力会社という立場の異なる利用者が同じデータを扱うため、権限設計と画面の分かりやすさが導入効果を左右します。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、施工体制台帳と施工体系図、再下請負通知書、作業員名簿のどこまでが標準機能かを確認します。さらに、CCUSとの連携方向、CSVやAPIの有無、独自帳票の追加費用、協力会社の利用料、既存の工事台帳や原価管理との連携、データ移行の範囲を質問します。システムが帳票を出力しても、記載内容の正確性や作成義務の判断まで自動で保証するわけではないため、最終確認者と責任分界も契約前に決めておくことが大切です。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
施工体制台帳システムの導入では、紙やExcelをそのままクラウドへ移すだけではなく、どの情報を一度登録し、どの帳票や承認に再利用するかを整理する必要があります。riplaは、現場ヒアリングから業務整理、要件定義、画面設計、開発、導入後の改善までを一つの流れで相談しやすい点が強みです。既製SaaSの導入だけでは自社の承認や既存システムとの連携が合わない企業に対して、必要な範囲のカスタマイズや個別開発を検討できます。
得意領域・相談に向いている企業
元請・協力会社・現場代理人・本社管理部門で異なる入力や確認を一つの業務フローにまとめたい企業に向いています。たとえば、施工体制台帳の情報を工事台帳、原価管理、受発注、勤怠、CCUSなどと連携したい場合は、システム単体ではなく業務全体の設計が必要です。法定項目と社内独自項目を分け、1支店・1工種などの小さな範囲からPoCを行い、提出率や差戻し率を測って段階展開したい企業に適しています。
エムシーディースリー株式会社|業界横断のネットワークを活かすグリーンサイト

エムシーディースリー株式会社は、旧株式会社MCデータプラスから事業統合を経た建設クラウドの事業者です。中核サービスの建設サイト・シリーズには、グリーンファイルをインターネット上で作成・提出・管理するグリーンサイトが含まれています。元請会社と協力会社の双方が同じネットワーク上で情報を扱うため、協力会社数が多い企業の標準化候補になります。
特徴と強み
グリーンサイトは、施工体制台帳や作業員名簿などの労務安全関係書類を電子化し、元請と協力会社の間で提出・確認する業務に強みがあります。公式情報では、建設サイト・シリーズの契約企業数が10万社以上、登録企業数が73万社以上、登録作業員数が180万人以上と案内されています(出典:エムシーディースリー株式会社「建設クラウド事業」、確認日:2026年8月6日)。規模の大きなネットワークを活用したい場合に、協力会社への展開方法を検討しやすい点が魅力です。
得意領域・向いている企業
大規模な元請会社や、全国の支店・現場で協力会社を共通運用したい企業に向いています。ISO/IEC 27001:2022とプライバシーマークの取得を公式に掲げているため、作業員情報や資格証を扱う際のセキュリティ確認でも一つの判断材料になります(出典:エムシーディースリー株式会社「建設クラウド事業」、確認日:2026年8月6日)。ただし、料金は現場数や契約形態で変わるため、自社の協力会社が既存ネットワークに登録済みか、追加の帳票や連携に費用がかかるかを確認する必要があります。
株式会社リバスタ|施工管理・労務安全・CCUSをまとめるBuildee

株式会社リバスタのBuildeeは、建設現場の施工管理を中心に、労務安全、入退場管理、進捗・歩掛などをまとめて扱えるクラウドサービスです。Buildee公式サイトでは、協力会社の利用料が無料で、ユーザー登録数にも制限がないと案内されています。施工体制台帳だけでなく、現場の日々の連絡調整や安全管理まで一体化したい企業に適しています。
特徴と強み
Buildee労務安全では、会社情報、建設業許可情報、作業員情報をマスターとして登録し、現場ごとの安全書類を作成・保管できます。期限切れのチェックや再提出時の変更箇所の確認にも対応し、登録情報を複数現場で再利用できる設計です。さらに、Buildee入退場管理では入退場履歴からCCUSへの就業履歴連携までを扱えるため、施工体制と入退場を別々に管理している企業は二重入力の削減を検討できます。
料金と導入事例から見る向き不向き
公式の料金表では、基本使用料が月額3万円/支店、労務安全が月額6,000円/現場、初回の支店登録料が5万円です。基本使用料と労務安全だけを1支店・1現場で使う場合、単純計算の初年度は5万円+3万6,000円×12か月で税抜48万2,000円となります(出典:株式会社リバスタ「Buildee料金体系」、確認日:2026年8月6日)。実際には調整会議、入退場、CSV出力、説明会などの追加料金が変わるため、利用する機能を決めて見積もります。
2026年2月には、大林組がBuildeeを土木・建築部門の全現場へ導入する方針を発表しました。発表では、労務安全書類、入退場、CCUS連携などを一元運用できることや、協力会社無料・ユーザー登録無制限の料金体系が導入判断に寄与したと説明されています(出典:株式会社リバスタ「大林組、Buildeeの全現場導入を決定」、2026年)。大規模元請の全社標準化を目指す場合に参考になる事例ですが、小規模企業は必要なサービスだけで費用を試算することが大切です。
株式会社建設システム(KENTEM)|専用の施工体制クラウドを始めやすい

株式会社建設システムが提供する施工体制クラウドは、施工体制に関するデータをクラウドに蓄積し、書類の作成から保管までを一元管理するWebアプリです。会社情報や協力会社の添付資料をマスター化し、次の工事で再利用できます。施工体制台帳に機能を絞って、現場とバックオフィスで書類作成を分担したい企業に向いています。
特徴と強み
施工体制クラウドでは、ダッシュボードで必要書類の登録状況を確認でき、施工体制台帳や再下請負通知書などの帳票を選択して出力できます。変更時の履歴管理や添付書類の一括出力にも対応しているため、書類が複数の担当者やフォルダに分散している企業の整理に向いています。公式の機能ページでは、作業員名簿や建設業許可証のPDF・画像をAIが解析し、情報を自動入力する機能も案内されています。
料金公開と向いている企業
公式の料金ページでは、5ライセンス年額6万円、初期登録料3万円、KSデータバンク10GB年額1万円と案内されています。最低構成を単純合算すると初年度は税抜10万円相当ですが、KSデータバンクの導入が必須であり、5ライセンス単位での契約となります(出典:株式会社建設システム「施工体制クラウドの価格」、確認日:2026年8月6日)。料金を比較しやすい一方、利用人数、容量、関連製品、導入支援の費用は別に確認する必要があります。
中小から中堅の建設会社で、施工体制台帳の作成・保存・提出状況をまず整えたい場合に候補になります。既存の工事データを移行したい場合や、元請独自の帳票を追加したい場合は、標準機能でできる範囲と個別対応の範囲を分けて確認します。料金だけで決めず、協力会社を招待する流れと、現場担当者がスマートフォンやタブレットでどこまで入力できるかもデモで確かめます。
大東建託株式会社|受発注と施工体制台帳を取引網向けに統合

大東建託株式会社のTAKUMI Builders Connectは、建築工事の受発注と施工体制台帳の電子化を扱う自社開発の電子施工管理システムです。見積書、注文書、請求書、作業員名簿の管理に加え、下請契約台帳や施工体系図の作成支援を備えています。一般的な施工体制台帳専用ソフトというより、受発注から書類管理までをつなぐ垂直統合型の選択肢として見ると特徴が分かりやすいです。
特徴と強み
大東建託は20年以上にわたり改良してきた自社システムをベースに、建設会社の導入ハードルを下げることを狙ってサービスを販売しています。公式発表では、基本機能の電子受発注と、オプションの施工体制台帳作成支援を分けて選べる設計です。受注・契約・請求と施工体制を別システムで管理している企業にとって、契約情報の二重入力を減らす考え方を参考にできます。
料金と利用範囲の注意点
2025年1月の公式発表では、協力業者向けの施工体制台帳作成支援について、初期費用8万円から、1アカウントで最大100社・100IDまで月額1万9,800円という料金が示されています(出典:大東建託株式会社「TAKUMI Builders Connect」、2025年1月20日)。この価格は協力業者向けの特別価格で、一般建設業者向けとは異なると明記されています。したがって、自社に適用される料金や販売条件は必ず最新の見積もりで確認します。
大東建託のDXページでは、2025年9月時点で100社以上の契約があったことも案内されています。大東建託の協力会員に限らず購入できるとされている一方、複雑なJV管理、発注者ごとの帳票、既存ERPとのAPI連携まで同じように対応できるとは限りません。自社の契約・受発注プロセスに近い企業ほど比較しやすいサービスです。
株式会社アンドパッド|現場管理とBPOで定着まで支援

株式会社アンドパッドのANDPADは、工程表、写真、図面、資料、報告などをクラウドで管理する建設プロジェクト管理サービスです。施工体制台帳だけに絞った製品ではありませんが、現場情報を一つに集約したい企業には比較対象になります。さらに、現場経験のある専門スタッフが事務作業を代行するANDPAD BPOを組み合わせられる点が特徴です。
特徴と強み
ANDPAD施工管理では、案件ごとに工程表、資料、写真、報告をまとめ、関係者が最新情報を確認できます。施工管理、図面、写真、検査、受発注、入退場などの周辺機能を組み合わせることで、施工体制台帳を作る前後の業務も同じ基盤に寄せられます。施工体制台帳の情報をどの製品・機能で管理するかは契約前に確認し、標準機能とBPOの代行範囲を分けて整理することが重要です。
ANDPAD BPOが向いている企業
ANDPAD BPOは、写真台帳、施工計画書、新規入場者教育動画、施工体制台帳、労務安全書類などの作成業務を、施工管理経験のあるスタッフが代行するサービスです。公式発表では、リモートや現場での支援、若手技術者・協力会社の育成、生産性向上のコンサルティングにも対応すると説明されています(出典:株式会社アンドパッド「建設業向けにBPOサービス『ANDPAD BPO』の提供開始」、2024年10月24日)。
システムを導入しても、現場監督が入力や差戻し対応に追われて定着しない企業には有力な選択肢です。一方で、BPOは自社の責任で確認すべき法定情報を外部へ丸投げするものではありません。どの資料を誰が準備し、誰が最終確認し、修正依頼を何営業日で返すのかを業務設計に落とし込んでから導入します。
施工体制台帳システムのパートナー選びのポイント

6社を比較すると、同じ施工体制台帳システムでも、得意な導入形態が異なります。大規模な協力会社ネットワークを重視するならグリーンサイト、現場管理やCCUSまで統合するならBuildee、専用クラウドを低コストで始めるならKENTEM、受発注と一緒に管理するならTAKUMI Builders Connect、入力や書類作成の負担まで減らすならANDPAD BPO、既存業務に合わせて設計するならriplaという整理ができます。
実績と経験の確認方法
実績を確認するときは、「建設業向けの導入実績があるか」だけでなく、自社と似た工事種別、支店数、協力会社数、元請・下請の関係を扱った実績があるかを確認します。導入社数が多い会社でも、自社が必要とする発注者独自帳票やJVの承認フローを扱えるとは限りません。可能であれば、現場担当者と協力会社の双方が参加するデモを依頼し、提出、差戻し、再提出、承認、出力までを一連の流れで見せてもらいます。
技術力と専門性の評価
機能一覧では、施工体制の階層管理、会社・現場・契約・工種のマスター、建設業許可や資格の期限管理、帳票出力、検索、監査ログ、権限、CCUS連携を確認します。特に重要なのは、法定項目と自社項目を別々に管理できること、帳票様式が変わったときに既存データへ影響を与えず更新できることです。API連携を使う場合は、片方向のCSV出力なのか、既存システムとの双方向同期なのか、エラー時に誰が復旧するのかまで確認します。
プロジェクト管理体制の確認
導入プロジェクトでは、現状業務の棚卸し、法定項目と社内項目の整理、協力会社を含む要件定義、PoC、帳票・権限・連携テスト、1支店での本番運用、全社展開という順番が現実的です。担当者が一人だけの体制では、現場の例外処理や法改正時の判断が属人化します。プロジェクト責任者、現場代表、本社の安全管理担当、情報システム担当、協力会社代表を決め、台帳作成時間、差戻し率、未提出会社数、許可期限切れの見逃し件数などのKPIを導入前後で比べます。
よくある質問

施工体制台帳システムの選定では、料金や機能だけでなく、作成義務、協力会社の負担、法令対応、CCUS連携まで確認する必要があります。ここでは、導入前に特に質問されやすい点を回答します。
施工体制台帳システムは何を自動化できますか?
会社・現場・契約・作業員情報の再利用、施工体制台帳や施工体系図などの帳票作成、提出状況の確認、許可・資格の期限通知、履歴管理などを自動化できます。ただし、入力された情報が正しいか、工事が作成義務の対象か、最終的な記載内容に問題がないかは人が確認する必要があります。
施工体制台帳システムの導入費用はいくらですか?
公開料金のあるクラウドでは、初期費用数万円、月額または年額数万円から始められるサービスがあります。たとえばKENTEMは5ライセンス年額6万円、初期登録料3万円、データバンク年額1万円を公開しています。一方、支店・現場・協力会社をまたぐ統合やAPI、独自帳票、データ移行を含めると個別見積もりになるため、1現場の試算と全社展開の試算を分けて比較します。
CCUSと施工体制台帳システムは連携できますか?
連携できる製品はありますが、連携する情報と方向はサービスごとに異なります。事業者・技能者情報、現場・契約情報、施工体制情報、就業履歴のどこを連携するのか、API連携なのかCSVなのか、エラー時の再送や照合を誰が行うのかを確認します。CCUSとつながることだけで選ばず、二重入力がどれだけ減るかを実際の業務フローで検証します。
まとめ

施工体制台帳システムの開発会社・ベンダー選びでは、製品名や導入社数だけで順位を決めるのではなく、自社の導入目的と協力会社の運用負担を照らし合わせることが大切です。大規模ネットワークならエムシーディースリー、現場管理とCCUSまでまとめるならリバスタ、専用台帳を始めやすくするならKENTEM、受発注と一体化するなら大東建託、BPOまで含めて定着させるならアンドパッド、個別要件や既存システム連携まで設計するならriplaが候補になります。
導入前に決めるべきこと
まずは現状の紙・Excel・メール運用を棚卸しし、台帳作成時間、未提出会社数、差戻し回数、許可期限の確認方法を記録します。そのうえで、法定項目、社内独自項目、発注者独自様式、CCUS連携項目を分け、1支店または1工事で小さく試します。最終確認者を置き、システムが支援する範囲と人が判断する範囲を明確にすると、導入後の責任分界も整理できます。
比較相談を始めるときのポイント
資料請求や相談では、「施工体制台帳を作れますか」と聞くだけでなく、協力会社の招待から入力、差戻し、承認、帳票出力、保管、法改正対応までの実演を依頼します。料金は1現場だけの初年度と、全支店・全協力会社へ広げた場合の2パターンで見積もり、導入支援、教育、データ移行、API、独自帳票、BPOの費用を分けて比較します。自社の業務に合う施工体制台帳システムを選び、現場と本社の確認負担を継続的に減らしていくことが重要です。
▼全体ガイドの記事
・施工体制台帳システム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
