施工体制台帳システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

施工体制台帳システムの費用は、初期数万円から5,000万円超まで幅があります。金額を左右するのは、現場数、帳票の独自性、外部連携の範囲です。

費用の内訳は本文後半で料金例とあわせて説明します。全体像は施工体制台帳システム開発の完全ガイドもご覧ください。

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・施工体制台帳システム開発の完全ガイド

施工体制台帳システムの全体像

共通情報を中心に、施工体制台帳、再下請負通知書、施工体系図、作業員名簿がつながる図。
同じ情報を複数の帳票へ反映する構成です。

施工体制台帳システムは、元請会社と協力会社の情報を工事ごとに集め、施工体制台帳や再下請負通知書、施工体系図、作業員名簿の作成と確認、保管を支えます。

法定帳票をPDFで出力できることに加えて、会社情報や許可情報を再利用でき、変更履歴も追跡できる点に価値があります。

管理する対象と機能

管理する対象は、会社情報から資格証まで幅広くなります。

  • 会社・現場情報:会社、現場、契約、工種の情報。
  • 許可・人員情報:建設業許可、配置技術者、作業員。
  • 証憑・権限情報:社会保険、資格証、操作権限の管理。

協力会社が入力した情報は、元請が確認して承認するか差し戻します。その情報は施工体制の階層に沿って帳票へ反映され、許可期限や資格の更新日を知らせる機能もあります。

証憑保管やPDF・Excel出力も含め、操作ログと役割別の権限設定まで備えると、帳票作成ソフトより業務システムに近い構成です。

料金に差が出る理由

施工体制台帳は工事ごとに会社の階層や契約条件が変わり、関係者も入れ替わります。その違いが、料金の差につながります。

  • 課金単位:支店、現場、協力会社、ユーザーのどれを数えるかで料金が決まります。
  • 連携範囲:法定帳票だけを対象にするか、CCUSや原価管理までつなぐか。
  • 導入負担:データ移行や教育を含めるかどうかで、導入後の総額が変わります。

安全書類や入退場、電子契約まで連携対象に含めると、設計と保守の内容が変わります。ただし、初期費用の安さだけで比べると、導入後にデータ移行や教育費が膨らむことがあります。

施工体制台帳システム開発の進め方

現行業務の洗い出しから要件定義、設計・開発、テスト、段階導入へ進む流れ図。
導入範囲を順に確かめながら進む手順です。

施工体制台帳システムの開発は、現行業務を洗い出すところから段階導入まで順に進めると、費用を見通しやすくなります。

  1. 現行業務を洗い出す
  2. 要件を定義する
  3. 設計と開発を行う
  4. テストする
  5. 段階導入する

全支店・全工種を最初から対象にせず、1支店や1工事で検証します。そのうえで、協力会社の入力率や差し戻し件数を確認してから、対象を広げるのが現実的です。

要件定義・現場ヒアリングの確認事項

ヒアリングでは、どの立場の誰がどの書類を扱うかを整理します。

  • 対象者・書類:本社、支店、現場代理人、協力会社の4者について、書類ごとの入力者・時期・確認者。
  • 現行フロー:紙、Excel、メール、共有フォルダが混在する場合の、入力と承認の経路、差し戻し理由、保管期間。
  • 項目区分:法令上必要な項目、発注者指定、社内管理用に分けて整理する。
  • データ再利用:会社情報を複数現場で使うか、許可証の更新を全現場へ反映するか。
  • 変更管理:契約変更の履歴と、再下請負の追加・解除の扱い。

項目を分けておくと、法改正時に影響範囲を絞れます。一方で、この点が曖昧なまま開発を進めると、帳票ごとに個別修正が発生し、見積もりも膨らみます。

設計・開発におけるデータ構造の先行整備

施工体制台帳などの帳票は、同じ会社・契約・作業員の情報を別々の形式で表示します。

  • 共通データ:会社、契約、工事、施工体制を共通の形で持つ。
  • 人員・証憑:作業員と証憑を、再利用できる形で持つ。
  • 帳票管理:法定様式と独自様式を分けたうえで、版を管理する。

帳票は、共通データから生成する形にします。API連携では、CCUS、工事台帳、ERPのどれを正とするかを決めます。原価管理、電子契約、入退場についても、正とする先を決めておきます。

国土交通省は、法令上の記載事項を網羅していれば、作成例以外の様式も利用でき、CCUSや民間システムの情報も活用できると案内しています(出典:国土交通省「施工体制台帳、施工体系図等」、2026年8月確認)。

国土交通省の案内は、連携の自由度を示すものであり、記載内容の確認責任まで自動化されるという意味ではありません。

テスト・リリースでの例外ケースの確認

テストでは、正常な帳票出力に加えて、現場で起こる例外も見ます。

  • 変更ケース:再下請負と、契約金額・工期・会社の変更。
  • 期限・資格:許可期限切れと、資格証の更新。
  • 利用ケース:同じ作業員の複数現場登録、権限、スマートフォン操作。

協力会社が証憑を撮影し、途中保存して再開できるかも、テストで確かめます。

このテストを省くと、現場では紙やメールに戻る可能性があります。元請と一次下請では見える情報が違うため、権限のテストも欠かせません。

リリース後は、KPIとして台帳作成時間や差し戻し率を測定します。未提出会社数と許可期限切れの見逃し件数も、あわせて追います。

現場から本社への確認回数と二重入力の時間も測定し、その結果を運用設計や問い合わせ対応の見積もりに含めます。

施工体制台帳システムの費用相場とコストの内訳

専用の施工体制台帳システムに限った公的な市場平均価格は、確認できません。そこで、公開料金から見える既製クラウドと、類似する建設業務システムから推定する個別開発に分けて考えます。

金額は税抜の目安で、現場数や利用期間によって変わります。連携、導入支援、データ移行の有無でも変動します。

既製クラウド・パッケージの初期費用と月額料金

既製クラウドは、初期費用3万〜10万円程度、月額1万〜5万円程度から始められる商品があります。

  • 標準利用:法定帳票の標準機能を小規模に使う場合の目安です。
  • 追加機能:支店・現場の追加やAPI、独自帳票は別料金になることがあります。
  • 導入支援:説明会や移行支援を依頼すると、追加費用が発生する場合があります。

Buildeeの料金は、基本使用料が月額3万円/支店、労務安全が月額6,000円/現場、入退場管理が月額2,000円/現場です。

初回の支店登録料は5万円です。1支店・1現場で基本使用料と労務安全だけを使う場合、初年度は5万円+(3万円+6,000円)×12か月で、税抜約48万2,000円です。

APIやCSV出力、機器、説明会は別途です。上の金額は料金表をもとにした試算で、契約額を断定するものではありません(出典:Buildee公式「料金体系」、2026年8月確認)。

KENTEMの施工体制クラウドは、5ライセンス年額6万円、初期登録料3万円、KSデータバンク10GB年額1万円です。

最低構成を単純に合算すると、初年度は税抜10万円相当になります。5ライセンス単位で、データバンクの導入も必須です。

容量やライセンスを追加する場合は、別に費用がかかります(出典:KENTEM「施工体制クラウド プラン」、2026年8月確認)。

個別開発・段階導入の開発費用

個別開発は、要件整理から本番開発までの段階ごとに、費用の目安が異なります。

  • 要件整理:現場ヒアリングと画面プロトタイプで50万〜300万円です。
  • PoC:1工事と少数の協力会社で300万〜1,500万円です。
  • 本番開発:複数支店や連携を含め1,500万〜5,000万円程度です。

周辺システムを含む類似業務システムの推定では、フルスクラッチで3,000万〜2億円程度となるケースもあります。その範囲は、工事台帳やERPに加えて、原価管理と請求まで一体化したものです。

これは専用市場の統計ではなく、NotebookLMによる類似案件の調査と、建設業務システムの一般的な工数から整理した推定レンジです。

要件整理やPoCの段階に分けて見積もると、投資判断がしやすくなります。パイロットと全社展開も、同じ区切りで見積もります。AI支援開発で期間短縮を提案されても、短縮率を保証値とは受け取らないようにします。

レビュー、セキュリティ検査、受入テストの工数が、見積もりに含まれているかを確かめてください。

保守・運用・教育にかかるランニングコスト

見積もりでは、初期開発費以外の運用費も分けて示してもらいます。

  • 基盤費:クラウド利用料、ストレージ、バックアップ、監視の費用。
  • 対応費:問い合わせ、帳票更新、API仕様変更、脆弱性対応。
  • 定着費:操作研修、現場説明会、データ移行。

個別開発では、月額固定、年間保守、改修ごとのスポット費用のどれにあたるかを明確にしておきます。

Buildeeは、協力会社の利用料とユーザー登録を無料にしており、1現場から使える料金体系を公開しています(出典:Buildee「大林組、全現場導入を決定」、2026年2月発表)。

一方で、アカウント数や協力会社数に応じて課金するサービスもあります。そのため、元請の月額だけでなく、協力会社の参加費、代理入力費、説明会費まで確かめる必要があります。

ポイント

既製クラウドは公開料金から初期費用と月額の目安を確かめられますが、個別開発は類似案件からの推定です。どちらも税抜の目安として扱い、保守や運用、教育の費用も含めた総額で比べてください。

料金体系・価格帯の比較方法

料金は、初期費用と月額だけでなく、課金単位や機能まで同じ条件でそろえて比べます。

元請の利用者数が少なくても、現場数や協力会社数が増えると、総額が変わることがあります。

支店・現場・ID・協力会社の課金単位

料金例を比べるときは、課金単位と適用条件をそろえて見ます。

  • 課金単位:支店、現場、元請ユーザー、協力会社、作業員、容量、API接続数のうち、何を数えるか。
  • 拠点料金:支店基本料に現場ごとの機能料が加わる場合は、現場数に応じた年間費用を計算する。
  • ID料金:本社管理者、現場代理人、協力会社の職長、閲覧専用者の数え方。

TAKUMIの料金例では、協力業者向けの初期費用は8万円からです。電子受発注に、施工体制台帳作成支援を追加できます。最大100IDで月額1万9,800円、以降はID数に応じた従量課金です。

単純に計算すると初年度は約31万7,600円ですが、これは協力業者向けの特別価格です。

一般建設業者向けの料金とは異なるため、この条件を他社の料金に当てはめてはいけません(出典:大東建託「TAKUMI Builders Connect」、2026年8月確認)。

標準機能と追加機能の切り分け

見積書で標準出力と追加項目を分けておくと、価格差の理由が見えます。

  • 標準出力:施工体制台帳、再下請負通知書、施工体系図、作業員名簿。
  • 追加機能:独自帳票、発注者別様式、ワークフロー、電子署名、証憑OCRの有無。
  • その他:通知、検索、監査ログ、CSV・APIを追加項目として並べる。

会社階層が深い場合や、複数のJV、契約変更があると、追加設定が必要になることがあります。閲覧権限の設定や過去工事からのコピーも、そのぶん設定が増えることがあります。

グリーンファイル、入退場、CCUSは、一体化するか連携だけにするかを決めます。工事台帳と原価管理も、同じ方針で整理します。

目的のない連携は、費用が増えるだけでなく、障害時の切り分け負担も増やします。

ポイント

課金単位は、支店や現場、ID、協力会社のどれを数えるかで変わり、同じ機能でも総額が違ってきます。標準機能と追加機能を分けて、課金単位と適用条件を同じ前提にそろえてから比べてください。

施工体制台帳システムの見積もり金額が変動する要因

見積もり金額の変動要因として、CCUS・基幹システムとの連携、権限・個人情報・監査ログ、独自帳票を並べた図。
各論点の範囲が広いほど、見積もりの内訳も変わります。

1支店の標準運用と、全国の支店をまたぐ基幹システムでは、見積もりが大きく異なります。金額差を生む項目を先に把握すると、必要な投資と不要な要望を分けやすくなります。

CCUS・基幹システム・外部サービスとの連携

CCUS連携は、どの情報を送受信するかで開発量が変わります。

  • 対象情報:現場、契約、施工体制、技能者の情報。
  • 連携仕様:API、認証、再送、更新順序。
  • 運用処理:手動補正と、失敗時の対応。

国土交通省の資料でも、CCUSの登録情報を使って施工体制台帳などを作成できる民間システムがあると説明されています(出典:国土交通省の施工体制台帳案内、2026年8月確認)。

連携できる項目や方向は、製品ごとに異なります。

既存の工事台帳やERPから会社・契約情報を取り込み、承認結果を戻す場合は、データマッピングとマスター統合が必要です。過去データの品質が低いと、移行前の名寄せだけで追加工数が生じます。要件書には、対象項目と更新頻度、失敗時の運用、ログの保存期間を記載してください。

権限・個人情報・監査ログの要件

作業員名簿や資格証には個人情報が含まれるため、閲覧範囲を分けて設定します。

  • 閲覧範囲:元請、本社、現場、一次下請、二次下請ごとの区分。
  • 安全対策:暗号化、MFA、最小権限、アカウント停止。
  • 監査対応:バックアップ、復旧テスト、ダウンロード履歴。

退職者や協力会社の離脱時にアカウントを停止する要件も含めると、初期費用と保守費用が増える可能性があります。

クラウドでは、ISMSやプライバシーマークに加えて、データの保管地域と委託先を確認します。脆弱性対応と障害時の連絡体制も、あわせて確かめます。

エムシーディースリーは、契約企業数10万社以上、登録企業数73万社以上、登録作業員数180万人以上を掲げています。

認証としては、ISO/IEC 27001:2022とプライバシーマークも掲載しています(出典:エムシーディースリー「建設クラウド事業」、2026年8月確認)。

導入規模や認証は判断の材料になりますが、自社の契約・権限要件を満たすかは、別途確かめる必要があります。

発注者・支店・工種ごとの独自帳票

発注者や社内から追加項目を指定されると、帳票開発の範囲が広がります。

  • 様式:発注者ごとの様式や押印、承認、提出方法。
  • 出力:掲示方法、テンプレート、出力条件。
  • 更新:履歴管理と、法改正時の更新範囲。

自社様式を残す場合は、ExcelをPDF化する方法と、システムのデータから自動生成する方法を分けて見積もります。

独自帳票は、一枚の制作費だけでは済みません。入力項目と入力チェック、権限、承認の流れも検討します。再提出や検索も対象になり、出力と法改正時の更新も、あわせて見ます。

法定帳票と不可欠な帳票を優先し、補助帳票や分析レポートは第2段階へ回すと、初期投資を抑えられます。

ポイント

金額差は、連携の範囲、独自帳票、権限や監査の要件によって広がります。見積もりを受けたら、どの要望がどれだけ費用を押し上げているかを切り分けてください。

施工体制台帳システムのコストを最適化するポイント

コスト最適化は、機能を削ることではなく、使われる機能と効果に直結する機能を分けることです。法令対応と入力負担を優先し、データ再利用、期限管理、監査性は、小さな範囲で効果を測りながら扱います。

初期リリースの対象:法定帳票と入力負担の改善

初期リリースでは、法定帳票と入力負担の改善を優先します。

  • 基本情報:会社、現場、契約、施工体制、作業員。
  • 申請処理:提出、承認、差し戻し、帳票出力。
  • 定着機能:証憑保管、期限通知、権限管理。

チャットやAI自動判定は、課題と費用対効果を確かめてから追加します。高度なBIや外部システムとのリアルタイム連携も、同じ順で追加します。

スマートフォン入力や会社情報の呼び出しは、定着に直結します。証憑撮影や差し戻し理由の表示、未提出通知も、定着を支える機能です。

利用者が入力しない機能を作り込むよりも、提出率を上げる設計に投資するほうが、効果を測れます。

1支店・1工事のPoCによる総額と効果の確認

PoCでは、本番に近い工事と協力会社を組み合わせ、再下請負や書類も含めて試します。

  • 対象構成:工事種類、協力会社規模、再下請負の有無をそろえる。
  • 業務検証:提出、差し戻し、承認、出力まで通す。
  • 効果測定:作成時間の短縮分、差し戻しの減少数、期限切れ発見数を記録する。

数社だけでは入力上の問題を見逃すため、現場担当者と複数の協力会社を含めます。

見積もりは、ライセンスや初期設定、会社マスターの登録を分けて示してもらいます。移行や説明、問い合わせ、検証の費用も、それぞれ別に分けます。撤退条件も、見積もりの中で明らかにしておきます。

PoC後に採用しない場合は、データの返却と削除を確かめておきます。採用する場合は、本番への移行を確認します。段階導入なら、初期費用を抑えつつ、要件の優先順位を実績で見直せます。

会社マスターと証憑の再利用による二重入力の削減

会社の基本情報のほか、建設業許可、社会保険、資格証も工事ごとに入力すると、負担と誤記が増えます。

  • マスター化:会社名、住所、代表者、許可、保険を共通化する。
  • 証憑管理:資格証などを現場間で再利用する。
  • 更新承認:一度の承認を対象の現場に反映する。

過去の会社情報をそのまま移行すると、重複や古い許可情報が混ざります。そのため、名寄せと期限確認の工数を先に見積もる必要があります。

データは、安全書類と作業員名簿にも活用できます。また、入退場やCCUS連携にも使えます。

Buildeeの公式説明でも、会社情報や作業員情報を一度マスターに登録し、複数の現場で使う機能が示されています(出典:Buildee「労務安全」、2026年8月確認)。

自社開発でも、同じ情報を何度も入力させない方針を基本にすると、定着と運用効率を両立しやすくなります。

ポイント

最初から全機能をそろえず、法定帳票と入力負担の改善に絞って1支店・1工事で効果を測りながら進めます。会社マスターの再利用も、早い段階から検討の対象に含めます。

施工体制台帳システムの見積もりを取る際のポイント

各社へ同じ要件を渡したうえで、初期費用と月額・年額を分けて示してもらいます。オプションや連携、移行の費用も、別に提示を求めます。教育と保守も、それぞれ分けて書いてもらいます。

法改正対応と解約時のデータ返却も、見積もりの段階で確かめます。「システム一式」とだけ書かれた見積もりは、作業範囲と成果物を確認する必要があります。

要件書に最低限記載する項目

要件書には、規模と機能、連携、運用の前提を記載します。

  • 規模:支店、現場、工事種類、協力会社、役割。
  • 帳票・業務:帳票、証憑、通知、承認、検索、出力を分類する。
  • 管理要件:監査ログ、権限、保管、バックアップ。

施工体制台帳、施工体系図、再下請負通知書は、標準・必須・将来候補に分類します。作業員名簿と技術者台帳も、この区分に当てはめて整理します。

連携対象は、CCUSや既存システムを含めて書きます。移行件数と形式、保管期間、セキュリティ基準も記載します。

スマートフォン対応や法改正時の期限も、要件書に入れておきます。説明会回数や問い合わせ窓口、導入後のKPIも、必要な項目です。

複数社比較で見る価格以外の観点

法令対応と長期運用のリスクを、同じ条件にそろえた観点で比べます。

  • 帳票:法定帳票の網羅性とカスタマイズ。
  • 連携:CCUSの方向・範囲、API・CSVの扱い。
  • 協力会社:費用とアカウント数。
  • 導入支援:導入支援・BPOの範囲。
  • 安全性:ISMSや個人情報への対応。

上の観点に、サポート時間、障害時のSLA、データ返却、将来の料金改定条件も加えると、長期運用を評価できます。

専用クラウドは早く始めやすく、施工管理クラウドは安全書類や入退場との統合に向いています。個別開発は、独自の承認や既存システムとの深い連携が必要な場合に合っています。

順位をつけるより、自社の導入目的と運用体制に合う選択肢を残しておくことが重要です。

契約前の法令対応と責任分界の確認

帳票を出力できても、入力情報の正確さや作成義務の判断まで、システムが自動で保証するわけではありません。

  • 法令・仕様:最新様式、発注者仕様、CCUS仕様の区分。
  • 責任分界:確認者と更新者、障害時の提出方法。
  • 契約条件:復旧、ログ、退会時のデータ形式を質問する。

法改正対応の範囲と期限、標準外帳票の改修費、API仕様変更の費用は、契約前に確かめます。セキュリティ事故時の連絡体制も、事前に質問しておきます。

実際の工事と協力会社の代表的なケースでデモを行い、受入条件を設定してください。

ポイント

要件書で規模や連携の前提をそろえ、各社に同じ要件を渡します。そのうえで、初期費用と月額、連携、移行を分けて示してもらい、法改正対応とデータ返却も契約前に確かめます。

よくある質問(FAQ)

費用を検討するときは、料金表だけでなく、現場の運用と協力会社の参加条件まで見ておく必要があります。

発注前によく寄せられる質問に、順に答えます。

施工体制台帳システムの導入費用はいくらですか?

既製クラウドは初期数万円、月額1万〜5万円程度から始められる商品があります。

個別開発は要件整理50万〜300万円、PoC300万〜1,500万円、本番開発1,500万〜5,000万円程度が目安です。

専用市場の平均価格ではないため、現場数や帳票、連携の範囲に加えて、移行と教育も含めた総額で比べてください。

協力会社にも利用料やアカウント費用がかかりますか?

サービスによって異なります。Buildeeのように、協力会社の利用料とユーザー登録を無料とするサービスもあります。

協力会社のID数や作業員数を課金する製品もあります。代理入力や説明会を課金する製品もあります。元請の契約料金だけでなく、協力会社の参加費用と入力負担も確かめてください。

CCUS連携を入れると費用はどのくらい増えますか?

一律の追加額はありません。費用は、項目やAPI、送受信の方向で変わります。認証やエラー処理も、影響します。

  • マスター統合:既存システムとの統合の有無。
  • 見積もり項目:初期費用と月額、仕様変更、手動補正を分けて示す。
  • 導入範囲:施工体制情報や技能者情報から段階的に始める。

法改正や様式変更の対応費用は誰が負担しますか?

標準帳票の法改正対応を、月額や保守に含めるサービスもあります。

  • 独自帳票:追加費用の契約にするか、責任分界と対応期限を決める。
  • 既存データ:影響の確認と、テスト環境の提供。
  • 最終確認:自社責任者と、行政庁・発注者の案内を基準にする。

まとめ

既製クラウドでは、初期数万円・月額1万〜5万円程度から始められる商品があります。

個別開発は要件整理50万〜300万円、PoC300万〜1,500万円、本番開発1,500万〜5,000万円程度まで幅があります。

フルスクラッチや周辺システムとの連携を含む場合は、さらに大きな投資になる可能性があります。いずれも、要件と類似案件に基づく目安として扱ってください。

公開料金と個別開発の相場

公開料金は、初期費用と月額、課金単位、標準機能の範囲を把握する材料です。

個別開発の推定レンジは、投資計画の材料として使います。計画には、要件定義やPoCに加えて、連携、帳票、保守を含めます。両者を同じ価格表として比べず、業務範囲と将来の変更費用まで含めて判断します。

料金の安さだけでなく、課金単位や協力会社の参加条件を比較します。帳票や連携、移行、教育も、同じ条件でそろえて見ます。また、法改正対応とセキュリティも、この条件で見比べます。

小さな範囲での開始と成果の測定

段階導入では、最初から全機能を入れず、効果を測れる範囲に絞って始めます。始め方と広げ方は、次の2点です。

  • 法定帳票と入力負担に絞り、1支店・1工事のPoCで提出率や作成時間を測ります。
  • 効果を確認した機能から段階的に広げ、投資と定着のバランスを取ります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。