是正処置管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

是正処置管理システムの発注・外注は、機能一覧を見て製品を決めるのではなく、自社の「不具合発生から原因分析、対策、効果確認、クローズまで」の業務と証跡を整理し、標準導入・QMSパッケージ・既存システムへの追加開発・スクラッチ開発を比較して選ぶことが重要です。

是正処置管理システムを導入すると、Excelやメールに分散しやすい担当者、期限、承認、根拠資料、再発防止の効果確認を一つの流れで管理できます。一方で、要件が曖昧なまま外注すると、使われない入力項目が増えたり、見積書の範囲外として連携・データ移行・教育費が後から加算されたりします。本記事では、発注形態の選び方、RFPと要件整理、契約形態、費用相場、委託先の見極め方、見積比較のポイントを、2026年時点の公開情報と導入事例を交えて解説します。

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・是正処置管理システム開発の完全ガイド

是正処置管理システムの発注・外注とは何ですか?

是正処置管理システムの発注と外注の全体像

是正処置管理システムの発注・外注とは、品質問題や顧客クレーム、監査指摘などを受け付け、原因分析から対策の承認、実施、効果確認までを記録できる仕組みを、製品ベンダーやシステム開発会社に委託することです。単なる案件台帳ではなく、後から「誰が、いつ、何を根拠に判断したか」を説明できる状態をつくることが目的です。

修正・応急処置と是正処置を分けて管理します

たとえば製品の不良が見つかったとき、出荷を止める、対象ロットを隔離する、顧客へ連絡するといった対応は、被害を抑えるための修正や暫定処置です。これに対して是正処置は、不良を生んだ工程条件、作業手順、教育、設備、設計、購買などの原因を取り除き、同じ問題を繰り返さないための処置です。予防処置は、まだ発生していない問題のリスクを見つけて対策する活動として整理できます。

システムでは、受付時の事象と暫定処置、原因分析の方法と根拠、恒久対策の担当者・期限、承認履歴、実施記録、効果確認の判定を別の項目として持たせます。これらを一つの「対応済み」欄にまとめると、目の前の不具合が直っただけでクローズされ、再発防止の確認が抜けるため注意が必要です。

なぜExcelやメールから外注システムへ移行するのですか?

Excelやメールは小規模な運用を始めるには便利ですが、案件数や関係部門が増えると、最新版の報告書が分からない、期限超過に気付けない、承認者が不在で止まる、添付資料の所在が分からないといった問題が生じます。さらに、監査の直前に紙や個人フォルダから記録を集める状態では、記録の完全性を説明しにくくなります。

外注の価値は、入力画面を電子化することだけではありません。受付からクローズまでの責任分界を明確にし、期限通知や承認ルートを自動化し、製品・ロット・工程・拠点・顧客情報で検索できるようにすることです。2026年時点では、過去事例の類似検索や要約をAIで支援する製品もありますが、AIの提案をそのまま原因や対策として採用せず、根拠文書を確認した担当者が承認する運用を最初から設計します。

発注形態はどの方式を選べばよいですか?

是正処置管理システムの発注形態の比較

発注形態は、業務を製品に合わせられるか、既存システムとの連携がどれほど必要か、規制対応の証跡が必要かで決めます。価格の安さだけで選ぶと、後からカスタマイズが増え、標準クラウドの短期導入という利点を失うことがあります。まずは、標準導入、QMS/CAPAパッケージ、既存システムへの追加開発、スクラッチ開発の4方式を同じ要件で比較します。

標準クラウド導入が向いている企業

受付、分類、担当割当、期限通知、承認、添付、効果確認といった共通機能を早く整えたい企業は、標準クラウドから検討します。拠点やユーザーが限定され、独自帳票や複雑な連携が少ない場合は、要件定義と開発を最小限に抑えられます。TOPPANデジタルのNAVINECT「クレーム管理DX」は、公開料金表で初期費用10万円から、月額利用料金10万円から、100ユーザー・20GBの条件を示しており、申込みから最短2週間で利用開始できると案内しています(出典: TOPPANデジタル「NAVINECTラインビルド料金プラン」、2026年確認)。

ただし、公開価格は標準条件の目安です。既存の帳票を完全に再現する改修、紙やExcelの過去データ移行、API連携、権限の追加、教育、個別のSLAは別見積もりになりやすいため、問い合わせ時には初年度総額を確認します。まず一つの工場や品質保証部門で試し、運用ルールを固めてから拠点を広げる段階導入にも向いています。

QMS/CAPAパッケージが向いている企業

医薬品、医療機器、臨床検査など、文書管理、変更管理、逸脱、苦情、教育、監査、電子署名を一つの品質基盤でつなぎたい企業は、QMS/CAPAパッケージを選びやすいです。製品に組み込まれた規制業界向けの機能や導入手順を利用できる一方、自社の例外処理をすべてカスタマイズするのではなく、業務を標準機能へ合わせるFit to Standardの判断が必要です。

日立産業制御ソリューションズのTrackWise導入事例では、紙ベースの品質情報を電子的な記録・承認へ移行し、複数業務を一つに集約して統計・傾向分析を行った例が紹介されています。また、21 CFR Part 11への対応やバリデーション環境の整備を課題として扱った事例もあります(出典: 日立産業制御ソリューションズ「TrackWise導入事例」、2026年確認)。このような企業は、単価よりも導入パートナーのCSV支援、監査対応、業務設計力を比較します。

既存システムへの追加開発・スクラッチが向いている企業

ERP、MES、製造実行システム、CRM、文書管理システムなどに製品・ロット・設備・顧客・出荷の情報が蓄積されているなら、既存システムへの追加開発で二重入力を減らせる可能性があります。既存マスタを活用できる反面、連携先の仕様変更、データ品質、権限の共通化、障害発生時の責任分界が複雑になるため、連携方式と保守範囲をRFPに明記します。

独自の品質判定、特殊な承認、複数拠点の異なる規程、閉域網、特殊帳票が競争力に直結する場合だけ、スクラッチ開発を候補にします。自社固有の業務が少しあるだけなら、標準クラウドに設定や小規模な追加開発を組み合わせるほうが、初期費用と将来保守のバランスを取りやすいです。作ること自体を目的にせず、期限切れ率、平均クローズ日数、再発率、効果確認完了率を改善できるかで判断します。

発注前にRFPと要件をどう整理しますか?

是正処置管理システムのRFPと要件整理

RFPは「この機能を作ってください」という機能リストだけでなく、業務上の課題、対象範囲、データ、制約、評価基準を委託先へ同じ条件で伝える資料です。作成前に、品質保証、製造、現場、情報システム、法務、監査の代表者で、現在の業務を一つの流れとして確認します。代表案件を10〜20件ほど選び、通常ケースだけでなく、差し戻し、期限延長、再オープン、複数部門の共同対応まで確認すると、実装後の手戻りを減らせます。

現行業務を8段階の流れで可視化します

最初に「不適合・苦情・監査指摘の受付」「重大度、製品、ロット、拠点、工程による分類」「暫定処置と影響範囲の記録」「原因分析」「是正処置・予防処置のタスク化」「承認と実施」「効果確認」「クローズと集計」の8段階に分けます。各段階で、入力者、確認者、承認者、期限、差し戻し条件、必要な添付資料を定義します。

特に曖昧になりやすいのが、原因分析と効果確認です。5Why、特性要因図、なぜなぜ分析などの方法をどこまで必須にするか、原因を一つに限定するか、複数原因を登録できるかを決めます。効果確認では、再発がないことだけでなく、工程能力、検査結果、教育完了、監査サンプルなど、何を根拠に有効と判定するかをRFPへ書きます。

MUSTとWANTを分けて優先順位を付けます

MUSTには、案件受付、担当・期限管理、承認ルート、監査証跡、証拠資料の添付、検索、権限管理、バックアップ、データ出力を置きます。業界によっては電子署名、監査証跡、権限分離、CSV、ER/ES対応も初期要件です。WANTには、AIによる類似事例検索、BIダッシュボード、モバイル入力、予測分析、多言語対応などを置き、初回リリースの必須条件と混ぜないようにします。

要件の優先順位は、機能名ではなく解決したい業務課題で表現します。たとえば「ダッシュボードが欲しい」ではなく、「月次会議の前に未完了案件、期限超過率、平均クローズ日数、再発件数を自動集計したい」と書きます。この書き方なら、製品の標準レポートで足りるのか、追加開発が必要なのかを複数社で公平に比較できます。

RFPに必ず入れる確認項目

RFPには、対象部門・拠点・ユーザー数・同時利用者数・案件件数・添付容量・保存期間・対応言語・利用端末を記載します。業務面では、重大度の判定、承認者の決め方、期限延長、エスカレーション、再オープン、関連案件の紐付け、他拠点への横展開を質問します。技術面では、API、CSV入出力、SSO、バックアップ、復旧目標、ログ保存、暗号化、データセンター、再委託先、障害通知を確認します。

データ移行は、件数だけでは足りません。過去のExcelや紙記録を何年分移すか、欠損や重複を誰が直すか、旧番号と新番号の対応表を残すか、移行後に原本をどう保管するかを決めます。AI機能を使う場合は、学習利用の有無、入力データの保存場所、他社への再利用、回答の根拠表示、利用ログ、誤提案時の訂正手順もRFPで確認します。

契約形態と開発の進め方はどう選びますか?

是正処置管理システム開発の契約形態

契約形態は、要件が固まっているか、成果物を明確に定義できるか、発注側が業務判断にどれだけ参加できるかで選びます。最初から全工程を一つの請負契約に押し込むより、業務整理と検証を準委任で進め、範囲が固まった開発部分を請負にする段階契約が、是正処置管理のように現場要件が見えにくい案件では現実的です。

準委任契約で業務整理とPoCを進める場合

準委任契約は、稼働した時間や役務に対して報酬を支払う形態で、業務ヒアリング、現行分析、画面プロトタイプ、標準機能の適合確認、データ移行の試行に向いています。現場ごとに「是正処置」の定義が違う、承認者が決まっていない、既存マスタが整理されていないといった場合に、要件を確認しながら進められます。

一方、作業時間が膨らみやすいため、月ごとの上限工数、成果物、会議体、意思決定者、未消化時間の扱いを契約書や個別発注書に明記します。PoCの終了条件は「画面が動いた」ではなく、代表案件を登録して、承認、差し戻し、期限超過、効果確認、帳票出力まで現場が評価できることにします。

請負契約で設計・開発・テストを進める場合

請負契約は、合意した成果物を完成させることを目的とするため、基本設計、詳細設計、プログラム、テスト仕様書、操作マニュアルなどを明確にできる段階で使います。納品物、受入条件、検収期限、瑕疵への対応、仕様変更の手続き、遅延時の扱いを曖昧にしないことが重要です。

発注側が「見積に含まれると思っていた」作業と、受託側が「追加作業だと考えていた」作業が衝突しやすいのが、請負契約の注意点です。特に、データクレンジング、旧帳票の再現、外部システム連携、ユーザー教育、バリデーション、稼働後の問い合わせ対応は、成果物と費用を分けて記載します。契約締結前に、要件定義書と見積書の項目を一つずつ照合します。

データ所有権と保守終了時の移行条件を契約します

クラウドを外注する場合は、データ所有権、利用終了時の全データ出力、出力形式、保存期間、削除証明、再委託、障害時のSLA、バックアップ、復旧目標、脆弱性対応、サービス終了時の移行支援を契約へ入れます。開発会社へ委託する場合は、ソースコード、設計書、API仕様書、テスト結果、運用手順書の引き渡し条件と、第三者ライセンスの扱いも確認します。

顧客クレームや従業員情報が含まれる場合は、個人情報や営業秘密の扱いを、システム機能だけでなく委託先との契約と運用で管理します。個人情報保護委員会のガイドラインは、取得、利用、保存、提供、削除・廃棄の段階ごとに取扱方法や責任者を定める考え方を示しています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年確認)。

是正処置管理システムの費用相場はいくらですか?

是正処置管理システムの費用相場と見積内訳

是正処置管理システムの費用は、方式と要件によって大きく変わります。全国統計として確立した「是正処置管理システム専用の相場」は公開されていないため、公開価格と類似する業務・コンプライアンス管理システムの推定を分けて見る必要があります。初期費用だけでなく、月額・保守、移行、教育、連携、バリデーション、追加改修を含めた3年間の総額で比較します。

方式別の費用レンジと期間の目安

標準クラウド導入は、初期費用10万〜100万円、月額5万〜30万円、導入期間2週間〜3か月程度が一つの比較レンジです。QMS/CAPAパッケージは200万〜800万円程度、期間2〜6か月程度が目安です。既存ERPやMESへの追加開発は300万〜1,000万円程度、期間3〜6か月程度、規制対応や複数システム連携を含む大規模なスクラッチ開発は500万〜1,500万円以上、期間6〜12か月以上を見込むことがあります。

これらは是正処置専用の全国統計ではなく、リサーチノートで整理した公開価格と類似業務システムの相場からの推定レンジです。たとえば、TOPPANデジタルの公開料金は標準クラウドの具体例として初期10万円から、月額10万円からですが、個別連携や移行は別条件です。一方、2026年版の類似コンプライアンス管理システムの相場情報では、SaaS月額5万〜30万円、カスタム開発500万〜1,500万円というレンジが示されています(出典: GXO「コンプライアンス管理システム開発の費用相場」、2026年確認)。見積時には「推定」「公開価格」「自社向け確定見積」を混同しません。

見積書で分けて見るべきコスト

見積書では、ライセンスまたは利用料、要件定義、設定・開発、テスト、データ移行、教育、導入支援、バリデーション、クラウド基盤、保守、問い合わせ対応、追加改修を別行にします。単価の低い会社でも、移行と教育が別途で、保守契約が高ければ初年度総額は上がります。反対に、初期費用が高く見える会社でも、標準機能、操作教育、マニュアル、運用設計が含まれている場合があります。

コストを押し上げやすいのは、ユーザー数だけではありません。多段階の承認、拠点ごとの規程、ロット・設備・顧客情報との連携、紙・Excelデータのクレンジング、電子署名、監査証跡、CSV、多言語、AI検索が主な増加要因です。見積比較では、機能数の多さではなく、どの要件が標準で、どこから追加費用になるかを確認します。

初年度費用と3年TCOを分けて試算します

初年度は、初期構築、利用開始、移行、教育が重なるため高くなります。2年目以降は月額利用料や保守費、ユーザー追加、問い合わせ、法令や社内規程の変更に伴う改修が中心になります。クラウドの場合は、契約更新率、料金改定、データ容量の増加、解約時の出力費用を確認し、オンプレミスの場合は、サーバー更新、バックアップ、脆弱性対応、運用担当者の工数を含めます。

3年TCOは、同じユーザー数・同じ拠点数・同じデータ保存期間で、初期費用、利用料、保守、移行、教育、追加改修、社内運用工数を足して比較します。費用に差があるときは、安い理由や高い理由を機能一覧ではなく、運用負担と将来の変更しやすさで説明できる状態にします。

委託先選定と見積比較のポイントは何ですか?

是正処置管理システムの委託先選定と見積比較

委託先は、製品を提供するベンダー、導入を支援するSIer、個別開発を担う会社、業務整理を支援するコンサルティング会社で役割が異なります。「開発会社」と一括りにせず、自社の業界に近い導入事例、要件定義の体制、データ移行、教育、保守、障害対応まで誰が担当するかを確認します。

業界・規制・連携の実績を確認します

製造業なら、製品・ロット・工程・設備との連携、現場入力、品質異常やクレームの横断検索を確認します。医薬品・医療機器なら、電子署名、監査証跡、権限分離、CSV、ER/ES、21 CFR Part 11に対応した導入実績を見ます。食品ならロット追跡と衛生記録、建設なら現場・協力会社・検査記録、ITサービスならインシデント・変更管理・サービスデスクとの接続を評価します。

ユニオンシンクのサラヤ導入事例では、品質情報の電子化を進め、CAPAの運用開始に向けて準備する段階的な取り組みが紹介されています(出典: ユニオンシンク「サラヤ株式会社導入事例」、2025年公開情報を2026年確認)。このように、完成した製品の導入実績だけでなく、紙やExcelからの移行、部門展開、運用定着までの過程を聞くと、自社の発注後を具体的に想像できます。

見積は同じRFPと同じ評価軸で比べます

複数社へRFPを渡すときは、対象範囲、ユーザー数、拠点数、案件件数、保存期間、連携先、移行対象、希望納期をそろえます。そのうえで、初期費用、月額・保守、追加改修単価、導入期間、社内工数、標準機能の範囲、データ出力、SLA、セキュリティ、サポート体制を比較します。提案資料の見栄えやデモの派手さより、代表案件で例外処理まで動かせるかを重視します。

評価表では、価格だけを100点満点の中心にしません。業務適合性、監査・規制対応、連携性、移行計画、運用定着、拡張性、ベンダーの継続性を項目化し、必須条件を満たさない提案は価格が安くても候補から外します。可能であれば、品質保証担当、現場責任者、情報システム、購買、法務がそれぞれ採点し、差が大きい項目だけ再質問します。

避けたい見積と提案の特徴

要件を聞かずに総額だけを提示する提案、標準機能と追加開発の区別がない見積、移行・教育・保守が「別途」としか書かれていない見積は注意が必要です。AI機能についても、精度や効果だけを強調し、入力データの利用目的、学習への利用、根拠表示、誤回答の訂正手順を説明できない場合は、品質業務への適用を急がないようにします。

提案会社が再委託する場合は、再委託先の会社名、担当範囲、データアクセス、障害時の連絡経路を確認します。契約前に、設計書やAPI仕様書を誰が所有するのか、解約時にデータをどの形式で返してもらえるのか、サービス終了時の移行支援があるのかまで質問すると、ベンダーロックインのリスクを抑えられます。

発注後の導入と定着を成功させるにはどうしますか?

是正処置管理システムの導入と定着

システムの稼働はゴールではなく、是正処置が期限内に進み、効果確認まで完了し、再発防止の知見が次の案件で使われることが成果です。発注時点で、導入後3か月、6か月、12か月に確認するKPIを決め、システムに登録されるデータを経営・品質会議で使う流れまで設計します。

導入効果を期限・再発・効果確認で測定します

代表的なKPIは、未完了件数、期限超過率、平均クローズ日数、再発率、効果確認完了率、原因分類別の件数、監査指摘の是正完了率です。たとえば、導入前の3か月分を基準値として記録し、導入後の同じ期間と比較します。単に登録件数が増えた場合は、問題が増えたのではなく、これまで見えなかった案件を記録できるようになった可能性もあるため、数値の意味を現場と共有します。

効果確認の完了率を高めるには、処置の実施だけで自動的にクローズできない状態にし、確認日、確認者、判定、根拠資料を必須にします。ただし入力項目を増やしすぎると現場が使わなくなるため、重大度に応じて必須項目を変える設計も有効です。

2026年のセキュリティと品質動向を要件に反映します

2026年3月にIPAが公開した「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版では、従来の対策に加えてバックアップを含む情報セキュリティ6か条や、サプライチェーンを意識した対策が示されています(出典: IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年3月)。是正処置の記録をクラウドへ預ける場合も、バックアップ、復旧、委託先管理、アクセス権、ログ、インシデント発生時の報告をRFPと契約で確認します。

ISO公式サイトのISO 9001:2026では、リーダーシップ、品質文化、説明責任、リスクと機会の管理、要求事項の理解を助けるAnnex Aなどが更新点として紹介されています(出典: ISO「ISO 9001:2026」、2026年確認)。システムにも、単なる記録保管ではなく、責任者が判断し、リスクを評価し、継続的改善へつなげるための承認・分析・レビュー機能を組み込みます。

よくある質問(FAQ)

是正処置管理システムの発注に関するよくある質問

ここでは、発注前に特に相談されやすい質問へ回答します。自社の業界や規制、既存システム、案件数によって適切な答えは変わるため、回答をそのまま要件へ写すのではなく、RFPの確認項目へ置き換えてください。

是正処置管理システムはクラウドとオンプレミスのどちらがよいですか?

拠点展開、バックアップ、アップデート、短期導入を重視するならクラウドが向いています。閉域網、社内規程、特殊な連携、データ保管要件を重視するならオンプレミスや専用環境も候補ですが、サーバー更新や脆弱性対応の負担が増えます。データ保管場所、再委託、SLA、エクスポート、障害時の復旧目標を同じ質問票で比較することが大切です。

是正処置管理システムの発注費用を安くする方法はありますか?

最初から全社・全機能を作らず、受付、担当、期限、承認、証跡、効果確認に絞って1拠点で段階導入すると、初期費用と要件の不確実性を抑えられます。過去データをすべて移行せず、現行案件と参照頻度の高い事例から始める方法もあります。ただし、将来のデータ出力や拡張を妨げないよう、データ項目とID設計は初期段階で確認します。

AIによる原因分析や類似事例検索を発注要件に入れてもよいですか?

AIは、過去の報告書を探す、長い記録を要約する、類似案件の候補を示すといった検索補助から始めると導入しやすいです。AIが提案した原因や対策を自動承認する要件は避け、参照元の表示、回答の利用ログ、機密情報の学習利用の有無、誤提案を訂正する担当者と手順を必須にします。品質保証責任者が最終判断を担う設計なら、AIを業務の補助として安全に評価できます。

発注先は何社に見積を依頼すればよいですか?

少なくとも方式の異なる候補を含めて2〜4社へ、同じRFPで依頼する方法が現実的です。標準クラウド、QMSパッケージ、個別開発などを比較すると、自社が本当に必要としているカスタマイズの範囲が見えます。社数を増やしすぎると提案評価の負担が増えるため、実績、業界適合性、要件定義の体制、保守・移行条件で一次選考してから、代表案件のデモと最終見積を依頼します。

まとめ

是正処置管理システムの発注・外注のまとめ

発注前に確認すること

発注前は、対象業務と責任者、MUST要件、代表案件、移行範囲、連携先、セキュリティ、初年度費用、3年TCO、契約終了時のデータ出力を一枚のチェックリストにまとめます。候補会社からの回答を同じ基準で比較できれば、価格だけでは見えない導入リスクも判断できます。

発注後に確認すること

発注後は、稼働したかどうかだけでなく、期限超過率、平均クローズ日数、再発率、効果確認完了率、監査対応の時間が改善したかを確認します。現場の入力負担と品質上の効果を定期的に見直し、必要な追加改修を優先順位付きで委託先と協議します。

是正処置管理システムを発注するときは、最初に「不適合・苦情・監査指摘の受付から、原因分析、対策、承認、効果確認、クローズまで」の業務を可視化します。そのうえで、標準クラウド、QMS/CAPAパッケージ、既存システムへの追加開発、スクラッチの順に、自社の規模、業界、連携、規制、運用体制に合う方式を比較します。

RFPではMUSTとWANTを分け、代表案件で例外処理まで確認し、見積書では初期構築、利用料、移行、教育、連携、バリデーション、保守、追加改修を分離します。公開価格や相場は条件付きのレンジとして扱い、初年度費用だけでなく3年TCO、社内運用工数、解約時のデータ移行まで比較することが大切です。

委託先は、製品を持つ会社か、導入SIerか、個別開発会社かを区別し、業界実績、要件定義、データ移行、教育、SLA、セキュリティ、AIのデータ利用条件を確認します。機能数の多さではなく、期限切れが減り、効果確認まで閉じ、監査で説明でき、過去の知見が次の改善に使われることを選定の基準にしてください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。