CQRSのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

CQRSのシステム開発は、要件整理から運用定着までを6つのフェーズに分けて行います。

業務要件を整理し、小さな範囲で検証してから段階的に稼働させる順で進めると、業務ルールと参照の使いやすさを両立しやすくなります。

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・CQRSのシステム開発の完全ガイド

CQRSのシステムの全体像

同じアプリとRDB内からEvent Sourcingまで、CQRSの4段階の構成を小さい順に並べた図。
まず小さな構成から始め、必要な範囲で分散構成へ進めます。

CQRSは、変更の意図をCommandで受け取り、画面や帳票に見せる形をQueryで最適化する設計パターンです。データベースを分けること自体が目的ではなく、更新と参照の役割を分けて考える点に特徴があります。

書き込み側では、入力検証や認証・認可、トランザクションを優先します。そのうえで、在庫や与信などの業務ルールを確実に守ります。一方、読み取り側では、検索条件や集計、表示速度を重視し、帳票の形も使う場面に合わせて設計します。

CommandとQueryを分ける理由

CommandとQueryでは、重視する処理そのものが違います。そのため、それぞれを分けて設計の対象にします。

  • Command:業務ルールに沿ったデータの変更
  • Query:画面や帳票で使う形でのデータの提供

注文確定では、顧客の権限を確かめたうえで、在庫、価格や割引、決済結果を確認します。整合性を重視するため、Command Handlerと書き込み用モデルで注文の状態を変更します。

注文一覧では、顧客名や商品名、配送状況、合計金額を検索します。そこで、画面に必要な項目をRead Modelにまとめておくと、複雑な結合や毎回の集計を減らせます。

AWS Prescriptive Guidanceでは、Command側で作成・更新・削除を行った後、イベントを使ってQuery側のデータを更新する流れが示されています(出典: AWS Prescriptive Guidance「CQRS pattern」、2026年確認)。

Read Modelの更新は、書き込みと同時に完了しない場合があります。そのため、画面に「反映中」などの状態を表示する設計も必要になります。

4段階の構成からの選び方

CQRSは、書き込み用と読み取り用のDBを最初から分ける構成だけを指すわけではありません。要件に応じて、4段階から選べます。

  • 第1段階:同じアプリとRDB内で、Command HandlerとQuery Handlerを分ける構成
  • 第2段階:Read Replicaや検索インデックスを加える構成
  • 第3段階:イベントとメッセージブローカーで、書き込みDBと読み取りDBを分ける構成
  • 第4段階:Event Sourcingを組み合わせ、状態変化からRead Modelを再構築する構成

Event Sourcingは、状態ではなく状態変化を保存する方式です。CQRSと組み合わせて使えますが、それ自体がCQRSになるわけではありません。

Microsoft LearnのCQRSパターンでも、モデルだけを分ける段階から、データストアを分ける段階までが選択肢として整理されています(出典: Microsoft Learn「CQRS パターン」、2025年更新)。

単純なマスタ管理や参照量の少ない業務では、第1段階で足りることが多くあります。そのため、分散構成は、効果を確認できた業務範囲に限って採用すると安全です。

ポイント

CQRSを採用するかは、書き込みと読み取りで重視する処理が違うかで判断します。違いが小さい業務では、同一アプリとRDB内の分離から始めるほうが進めやすいです。

CQRSのシステム開発の進め方

技術の選定から始めると、CQRS開発は失敗しやすくなります。先に業務シナリオと許容条件を決め、効果を測れる範囲で検証してから、必要な領域を分けていきます。

開発は6つのフェーズで進めます。最初に要件を整理して構成を選び、設計と実装、テストを行ってから、稼働と定着に進みます。

フェーズ1:要件整理と適用範囲の決定

最初に、業務シナリオを「誰が、どの操作を、どの条件で行い、何が変わるか」に分解します。操作は、CommandとQueryに分けて候補を整理します。

  • Command候補:受注登録、注文確定、在庫引当、決済確定、申請承認。
  • Query候補:検索、一覧表示、ダッシュボード、帳票出力、集計分析。
  • 許容条件:応答時間、反映遅延、失敗時の再実行可否。

各シナリオの許容条件は、業務責任者と合意しておきます。たとえば、応答は1秒以内が必要か、反映遅延は数秒まで許容できるかを確かめます。

要件整理では、負荷や更新ルール、検索パターンを確かめます。また、複数画面へのデータ提供やピーク時の同時実行数も見ておきます。さらに、監査証跡や個人情報の複製先、障害時の復旧目標も対象に含めます。

注文確定や決済確定では、即時の整合性が欠かせません。一方で、売上集計では数分の遅延を許容できる場合があります。また、CQRSを採用しない業務も明示しておくと、過剰な設計を防げます。

フェーズ2:構成と技術の選定

構成は、検索の遅さを解消する構成から、読み書きを別ストアで処理する構成まで、要件に合わせて選びます。

  • 論理分離:同一アプリ内でCommandとQueryを分ける構成
  • 読み取り強化:Read Replicaや検索エンジンを加える構成
  • 分散構成:別データベースやイベントブローカーを使う構成

選定では、許容遅延やデータ量・更新量、可用性を見ます。加えて、復旧時間、運用人員、既存クラウドとの適合性も基準になります。たとえば、既存RDBで検索の遅さだけが課題なら、インデックスやRead Replicaの検証から始める方が安全です。

クラウド構成では、AWSならRDSやAurora、DynamoDBが候補です。LambdaやSQS、EventBridgeも候補に入ります。

Azureでは、SQL DatabaseやCosmos DBに加え、Service BusやFunctionsなどが候補になります。

AWSの公式ガイダンスは、RDB同士やRDBとNoSQL、NoSQL同士などの組み合わせを示しています。ReadとWriteで、スループットやレイテンシー、整合性が異なる場合にCQRSを検討すると説明しています(出典: AWS Prescriptive Guidance、2026年確認)。

採用する技術ごとに、障害時のリトライやDLQ、冪等性を確かめます。また、順序制御と再処理の担当者も、あわせて決めておきます。

フェーズ3:モデル設計と実装

設計では、CommandとQueryのそれぞれの役割を決めたうえで、イベント連携の形も定めます。

  • Command:業務上の意図を受け取り、更新を扱う役割
  • Query:画面や帳票の目的に合わせて、読み取りを扱う役割
  • イベント連携:二重書き込みを防ぎ、Read Modelを再構築できる形にすること

Command側には、認証・認可や入力検証、楽観的排他を組み込みます。トランザクションと重複排除も、そこに含めます。

一方、Query側には、検索別のインデックスや画面用DTO、集計値を持たせます。更新日時と反映状態も、あわせて持たせます。

Read Modelは参照用に作るもので、業務データの正本にはしません。別ストアへイベントを渡すときは、DB更新とイベント発行のどちらか片方だけが成功する二重書き込みを避ける必要があります。そのため、Transactional Outboxなどで発行待ちのイベントを管理します。

イベントの扱いでは、イベントIDによる冪等性や順序キー、リトライ回数を設計します。さらに、スキーマのバージョンやDLQへの退避、再生手順も決めます。

Projectionは、初期データとイベントから再構築できる形にしておきます。そのうえで、再構築中に画面へ何を表示するかも決めておきます。

フェーズ4:分散を前提にしたテスト

正常時にCommandが成功し、Queryに表示されることを確かめるのは、テストの一部です。障害や遅延が起きたときにも業務を続けられるかを確かめます。

  • イベントの異常:重複や順序の入れ替わり、Projection停止の再現
  • 通信と反映の遅れ:ネットワーク遅延やRead Modelの一部更新の確認
  • 再処理の運用:古い一覧の表示方法、再読み込みで解決するか、手動再処理の要否

テスト計画には、機能や契約、整合性、負荷の観点を含めます。さらに、障害注入や再処理、権限、監査ログも対象にします。個人情報の削除と訂正の確認も欠かせません。

Read Modelの再生成が目標時間内に終わらない場合は、対策を検討します。スナップショットや分割処理、バックアップ、画面の縮退運転などが候補です。検証結果は、採用を続けるか、構成を縮小するか、中止するかを判断する材料として記録します。

フェーズ5:段階稼働と監視

稼働の方法は、利用範囲と正本の置き方に応じて選びます。

  • 段階リリース:利用者、拠点、機能を分けて切り替えること
  • Queryを先行:既存システムを正本に保つ方式
  • 対象を限定:一部利用者への画面公開や、Commandの限定的な切り替え

切り戻しの条件は、測定できる数値で定めます。たとえば、不整合件数やRead Modelの遅延、エラー率を指標にできます。処理時間や問い合わせ件数も、測れる項目として加えられます。

稼働後は、Commandの成功率やQueryのレイテンシー、イベントの滞留数を監視します。加えて、Projectionの遅延やDLQ件数を見ます。再処理件数とデータ不一致件数も、あわせて監視します。

相関IDを使うと、CommandからイベントとProjectionを経てQueryまで追跡できます。異常時には、影響を受けた業務データを特定できる状態にしておきます。

Runbookには、担当者と通知先、一次対応を記載します。エスカレーションの流れや、復旧後の照合方法も載せておきます。

フェーズ6:運用定着と継続改善

開発会社だけが復旧できる状態を避けるため、担当ごとに必要な運用を教育します。

  • 業務担当者:反映遅延の見方と、再試行の方法
  • 運用担当者:イベントの再処理とRead Modelの再構築
  • 開発担当者:イベントスキーマの変更と後方互換性のルール

月次または四半期ごとに、分離によって削減できた応答時間や運用工数を振り返ります。障害件数や問い合わせ内容も、あわせて見直します。

個人情報をイベントログやRead Modelに複製する場合は、保存期間とアクセス権を決め、暗号化とマスキングも手順に含めます。削除や訂正、バックアップの消去、再委託先の扱いも、あわせて定めます。

個人情報保護委員会のガイドラインは、委託先の安全管理措置を事前に確かめることや、取扱状況を把握できる契約、必要に応じた監査を示しています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」、2026年確認)。イベントを残すかどうかだけで判断せず、法令や契約、業務上の保存目的から保持期間を決めます。

ポイント

どのフェーズでも、許容遅延と復旧方法が決まっているかを、次へ進む前の判断材料にします。分離の範囲は、効果が確認できた業務に限るのが安全です。

CQRSのシステム開発にかかる費用相場と内訳

小〜中規模から大規模・高可用性まで、CQRS本番導入の費用レンジを3本の横棒で比較した図。
構成規模が上がるほど、見積もりの上限も広がります。

CQRSだけを対象にした国内の公開見積統計は少ないため、ここで示す金額は市場価格を断定するものではありません。リサーチノートに基づく、2026年時点の計画用の推定です。

金額は、対象業務や既存システムとの接続数、データ移行によって変わります。可用性や監査、イベント量、24時間運用の有無も、金額を左右します。また、別DBやブローカー、非同期処理を採用するほど、テストや運用設計の工数も増えます。

PoC・技術検証の費用と期間

PoCは、1つの業務ユースケースに絞って技術検証します。費用と期間、検証範囲、確かめる点は、下のとおり押さえます。

  • 費用と期間:150万〜400万円程度、1〜2か月程度が計画目安です。
  • 検証範囲:Command受付、書き込み、イベント発行、Projection、Query表示。
  • 確かめる点:イベント重複・Projection停止・再処理・許容遅延・ピーク負荷。

PoCは、分離による効果が得られるかを判断するための検証です。本番機能の縮小版を作ることが目的ではありません。

画面を大量に含めると、肝心のリスク検証に予算を使えなくなります。そこで、注文一覧検索や注文確定、在庫反映など、WriteとReadの差が表れる1シナリオに絞ります。

成功条件は、応答時間や反映遅延、復旧時間、再構築時間で数値に定めます。本番化する場合は、PoCのコードを流用できる部分と作り直す部分を分けて、開発会社に説明してもらいます。

本番開発の費用レンジ

本番導入の推定レンジは、規模と構成によって異なります。

  • 小〜中規模:500万〜1,200万円程度、4〜7か月程度。
  • 中規模クラウド:1,200万〜3,000万円程度、6〜12か月程度。
  • 大規模・高可用性:3,000万〜1億円超、12〜24か月以上の可能性。

小〜中規模は、1つの業務領域を対象にし、RDBを中心とした構成を想定しています。Read Modelは1〜数個で、基本的なリトライと監視を含みます。

中規模クラウドは、CommandとQueryを別サービスに分け、ブローカーや別DB、検索基盤を備える想定です。外部APIやCI/CDも含みます。

大規模の想定には、基幹刷新や複数ドメイン、既存データ移行が含まれます。さらに、高可用性や災害復旧、監査、Event Sourcingも含まれます。

いずれも対象範囲を定めた推定で、CQRSの導入だけでこの金額になるわけではありません。見積もりの組み立てでは、人月単価を50万〜200万円程度と仮置きし、役割ごとの工数を積み上げます。

クラウド料金と保守運用費

小規模なマネージド構成では、運用費を月10万〜50万円程度とする推定があります。内訳は、クラウドやDBなどの基盤、ブローカー、ログと監視です。中規模以上では、月50万〜300万円以上を初期予算に置く場合があります。

利用量と冗長化で金額は大きく変わるため、固定費とは断定できません。

AWS Auroraでも、料金は構成と利用量で変わります。対象になるのは、インスタンスやストレージ、I/Oです。バックアップや転送も、同じように費用に関わります(出典: AWS「Amazon Aurora Pricing」、2026年確認)。

Read ReplicaやMulti-AZを増やすと費用項目が増えます。

  • 利用量:Command数、Query数、イベント数、1イベントのサイズ。
  • 保存と負荷:Read Modelの保存期間、ピーク同時実行数。
  • 保管・転送:ログ・バックアップ期間、リージョン間転送量。
  • 運用作業:再処理資源、監視対応、保守契約、診断、定期訓練。

これらを月額費用に加えておくと、導入後の予算不足を防げます。

ポイント

費用は、PoCで分離の効果を確かめてから本番の規模を決めると見通しを立てやすくなります。金額の幅は、構成と規模、運用の範囲で大きく変わります。

CQRSのシステム開発で見積もりを取る際のポイント

見積もりの確認観点として、要件と成果物、複数社、リスクと追加費用をカードで示した図。
3つの観点をそろえると、提案内容を並べて見やすくなります。

見積もりでは、画面数やAPI数に加えて、CommandとQueryの境界を確認します。さらに、イベントの流れや整合性の条件、障害時の運用も見ます。

「CQRS対応一式」とだけ書かれた見積もりでは、作る範囲や本番運用、追加費用の条件が分かりません。そのため、RFPや要件メモには、業務シナリオと非機能要件を具体的に書いておきます。

要件と成果物の明確化

見積依頼と成果物の範囲は、項目ごとに分けて明確にします。

  • 業務・規模:対象業務、利用者数、データ件数、1日あたりのCommand数とQuery数、ピーク時間。
  • 性能・復旧:許容応答時間、反映遅延、RPO・RTO。
  • 連携・移行:外部連携とデータ移行の範囲。
  • 設計成果物:業務フロー、Command・Query、ドメイン、データ、イベント、API、インフラ。
  • 運用成果物:監視設計、テスト計画、Runbook、操作マニュアル。

たとえば、注文確定から一覧表示までの秒数や、決済後に在庫表示が古い場合の正、イベント重複時の自動復旧件数を決めます。数値が未確定なら、仮定値と確定期限を記載します。

仮定が変わった場合の増減ルールも、見積書に明記してもらいます。

複数社の同条件での比較

知名度よりも、CQRSを適用しない領域まで説明できるかを見ます。各社に同じ観点で確認すると、提案の違いが比べやすくなります。

  • 性能と復旧:Read Modelの遅延SLOとProjectionの再構築時間。
  • イベントとデータ:重複・欠落・順序逆転、削除・訂正への対処。
  • 体制と費用:障害時の責任分界、コード・IaCの引き渡し、料金試算。

提案は、金額や期間、担当者の経験、PoCの範囲を同じ形式で並べてもらいます。そのうえで、運用体制やSLA、保守時間、追加変更の単価も、同じ項目で比べます。実績に加えて、スキーマ変更履歴や障害対応、再処理訓練も確かめます。

プラットフォームベンダーと受託開発会社では、役割が異なります。そのため、設計や実装、運用を誰が担うのかを、契約前に分けて確認してください。

リスクと追加費用の事前確認

CQRSでは、Read Modelの遅延やイベント再送が主なリスクになります。データ二重化や監視対象の増加、開発者不足も、見積もりの前に確かめておきたい点です。そのため、見積もりに含まれる作業を確認します。

  • 復旧と照合:Projection再処理、データ照合、バックアップ復旧。
  • 検証と訓練:障害訓練、性能試験、セキュリティ診断。

見積もりに含まれない作業は、どの条件で追加になるかを示してもらいます。金額だけでなく、追加作業の発生条件も確認します。

個人情報をイベントログやRead Model、ログ基盤へ複製する場合は、複製先ごとに確認を分けます。確認するのは、利用目的や権限、保存期間、削除方法です。さらに、委託・再委託やバックアップも確かめます。

イベントを物理削除できない場合は、暗号鍵の破棄や識別子の分離、Read Modelの再生成などを検討します。法務や情報システム、業務部門、開発会社の間で合意内容を記録しておくと、追加費用と手戻りを抑えられます。

ポイント

見積もりは、CommandとQueryの境界や整合性の条件、障害時の運用が書かれているかで比べます。「一式」とだけの提案は、追加費用の条件を確かめてから判断します。

CQRSのシステム開発でよくある質問

導入の判断では、業務上の整合性と、参照側の負荷や検索要件を分けて考えます。まずは小さな範囲から始めることが重要です。

CQRSは通常のCRUDシステムより優れていますか?

常に優れているわけではありません。更新ルールが単純で、検索量も多くなく、一つのRDBで強い整合性を扱える業務であれば、通常のCRUDのほうが、安価で保守もしやすいです。

一方で、書き込みと読み取りで負荷やデータ形状、拡張要件が大きく異なる業務では、CQRSの価値を出しやすくなります。また、複数のRead Modelが効果を生む業務も、CQRSが向く場面です。

Query側の表示遅延は業務で許容できますか?

許容できる表示遅延は、業務シナリオによって変わります。

  • 遅延を許容できる場合:売上分析や検索結果の集計では数秒から数分。
  • 即時判定が必要な場合:決済結果、在庫引当、二重申請の防止。

Read Modelは、書き込み後に遅れて更新される場合があり、これをeventual consistencyと呼びます。Microsoft LearnやAWSの公式資料でも、この整合性モデルが扱われています。

そのため、反映中の表示や再確認の導線も、要件に含めてください。

CQRSとEvent Sourcingは一緒に導入すべきですか?

CQRSの構成とEvent Sourcingでは、検討する条件が異なります。

  • CQRS単独:CommandとQueryの責務分離で成立し、Command側は通常のRDBに置ける場合
  • Query側:Read Replicaや検索用DBを置く方法
  • Event Sourcing:履歴からの状態再構築、重要な監査性、複数利用者によるイベント利用が検討条件
  • PoCでの確認:イベントスキーマや再生時間、個人情報の削除・訂正

CQRSの開発会社には何を確認すればよいですか?

開発会社の説明と支援体制を、観点ごとに確かめます。

  • 設計理由:適用しない領域も含めて説明でき、Read Modelの遅延SLOを定義できるか。
  • イベント処理:重複・欠落・順序逆転や再処理をテストできるか。
  • 所有権と引き渡し:ソースコード、インフラ定義、イベントスキーマ、監視設定、障害対応手順の範囲。
  • 運用支援:稼働後の運用まで支援できる体制か。

ポイント

CQRSが合うかは、業務上の整合性と参照側の負荷・検索要件を分けて判断します。即時の整合性が要る処理と、遅延を許容できる処理が混在するかが目安です。

CQRSのシステム開発の進め方まとめ

CQRSは、CommandとQueryを分けること自体が目的ではありません。業務ルールを正しく更新し、検索や一覧、帳票、分析を用途に合う形で提供することが目的です。

まずは同一アプリ・同一RDB内での論理分離から始めます。効果を確かめられた領域に限って、Read Modelや別DB、イベント連携へ段階的に広げていきます。

採用判断のチェックポイント

採用の判断では、負荷やデータ形状の違い、業務が許容する表示遅延、イベント再処理の運用可否を確かめます。条件が曖昧なままなら、同一DB内での責務分離と計測から始めます。

参照負荷が高く、画面ごとに必要なデータが異なり、業務ルールと検索性能を別々に伸ばす必要がある場合は、PoCで分離の効果を確かめる価値があります。

次に進める具体的な一歩

次に、業務責任者と1つのシナリオを選び、検討から導入までを順に進めます。

  1. Command・Query・許容遅延・障害時の復旧方法を1枚にまとめ、開発会社へ提示します。
  2. 要件整理で整合性と遅延を数値化し、選定で運用負荷と復旧方法を確かめます。
  3. 設計開発で冪等性・Outbox・イベントスキーマを定め、テストで障害と再処理を検証します。
  4. 稼働後は遅延・滞留・不一致を監視し、担当者が判断・復旧できる状態を目指します。

PoCの成功条件や対象外の範囲、費用の前提を、複数社に伝えます。成果物や運用体制も、同じ条件で示してもらいます。業務上の成果を測れる状態から始めると、技術選定と見積もりの判断が進めやすくなります。

PoCは150万〜400万円程度、1〜2か月程度が目安です。小〜中規模の本番導入は、500万〜1,200万円程度、4〜7か月程度と推定しています。

中規模クラウドは1,200万〜3,000万円程度、6〜12か月程度です。大規模は3,000万〜1億円超、12〜24か月以上の可能性があります。

複数ドメインや高可用性を含む場合もあります。データ移行や分散テストを含めて比べてください。監視や保守、個人情報管理も、同じ条件で比べます。

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株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。