保管振替システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

保管振替システムの発注は、制度と接続の範囲を整理したうえで、RFIとRFPによって委託先を比べる流れで進みます。要件定義から試験、運用移行までを発注に含めると、どこまでを誰が受け持つかを明確にできます。

システムの全体像は、保管振替システム開発の完全ガイドでも確認できます。

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保管振替システムの概要と全体像

保管振替システムの主要機能を4枚のカードで示した図。
残高管理から日次業務まで、機能の範囲を並べて確認できます。

保管振替システムは、株式・債券・短期社債・投資信託などの権利を口座簿上で管理する業務基盤です。紙の証券を保管せず、残高の更新や移転を処理します。

発注範囲には、銘柄・口座・顧客のマスタから監査までの一連のつながりを含めます。たとえば、約定照合や決済指図、資金決済がその中に入ります。

JASDECとの接続範囲の決め方

JASDECとの接続範囲を決めるには、まず利用する振替制度と、自社の業務上の立場を整理します。対象商品は、一般債、短期社債、投資信託などに分けて考えます。

  • 参加者区分:機構加入者、間接口座管理機関、発行・支払代理人のいずれか
  • 接続方式:JEXGW接続、ファイル伝送、統合Web接続、加入者情報Web接続のいずれか
  • 責任分担:JASDEC側と自社側の機能範囲の線引き

一般振替DVPは、決済照合と口座振替を連動させ、証券の振替と資金決済を条件付きで進めます。証券保管振替機構の公式説明では、実務は「決済照合と口座振替の連動」「証券の振替」「資金の決済」の3段階です。

資金決済には日銀ネットを使います(出典:証券保管振替機構「一般振替DVP制度を利用した決済実務」、2026年確認)。RFPでJASDEC接続だけを求め、照合差異や日銀ネット連携を外すと、後から追加開発が発生しやすくなります。

主要機能と異常系の定義

機能要件は、個々の画面ではなく、証券の記録から照合、決済、報告までを一続きの業務として書き出します。

  • 残高とマスタ:銘柄・口座・参加者・顧客のマスタと、保有・担保・利用可能残高の管理
  • 証券イベント:新規記録、抹消、振替、償還、利払、配当の処理
  • 決済・照合:約定と決済条件の照合、承認、決済番号の採番、APIやメッセージングによる連携
  • 日次業務:日次照合、残高証明、規制・経営向けレポートの作成

異常系には、通信断やタイムアウト、重複電文のほか、片側だけ成功した処理も含まれます。残高不足や照合不一致、日付をまたぐ再送も対象です。

処理IDと冪等キーを使うと、二重実行を防ぎ、再送後も同じ結果に収まります。また、手動で介入する場合は権限と承認を求め、復旧後は外部と内部の残高を突き合わせます。

平常時の画面デモを見ても、異常系の品質は判断できません。異常系の確認は費用と時間がかかるため、発注の段階で確認の範囲を決めておく必要があります。

ポイント

発注範囲は、JASDECとの接続だけで区切らず、残高や決済から日次業務までを一続きにして決めます。接続だけを外に出すと、照合や日銀ネット連携を後から別契約で足すことになりかねません。

保管振替システムの発注・外注の進め方

発注前の業務整理から要件定義、設計と試験、運用移行までを矢印でつないだ図。
試験と移行準備を含めて、稼働までの工程を見渡せます。

外注がうまくいくかどうかは、開発会社を探す前に、発注する仕事の範囲をどこで区切るかで決まります。まずは、自社に残す業務と委託する業務を分けておきます。

標準機能に合わせる範囲や、将来の制度追加、運用を社内で行うかどうかも、あわせて整理します。RFIとRFPを使い、要件定義から運用移行までを段階に分けると、提案を比較しやすくなります。

パッケージ・クラウド・スクラッチの選び方

JASDEC接続と業務コアのどこを自社に残すかを決めるため、発注形態ごとの役割を比べます。

  • パッケージ型:完成品を導入し、制度仕様の変更を製品側で吸収できる場合にスクラッチの範囲を抑えられる
  • 部分外注型:接続や周辺機能を委託し、業務コアは自社に残す
  • 一括請負型:業務基盤の構築を一式で委託する
  • 分離発注型:企画・要件定義と開発を別々に発注する

パッケージを検討するときは、Fit & Gapで標準機能と自社の要件を照らし合わせます。対象制度や参加者区分、独自の残高管理が標準機能に合うかを確かめます。さらに、業務量や権利イベントも見ます。

独自商品や独自勘定処理がある場合、業務コアのスクラッチ開発や段階的な作り替えも選択肢になります。海外連携や大量取引が競争力に直結する場合も、この判断に含めて考えます。

クラウドは、照会画面や監視、開発・検証環境に使いやすい一方で、本番接続では確認事項が増えます。特に本番接続では、専用線や閉域網、冗長化の有無を確かめます。鍵管理やデータの所在、委託先の管理も合わせて見ます。

JASDECや日銀ネットへの接続を含む環境では、全面的なクラウド化を前提にせず、接続基盤と業務コアを組み合わせたハイブリッドで比べます。

金融業務の知見が社内に少ない場合は、第三者による要件定義の支援を先に頼む方法があります。また、接続部分と業務部分を分けて見積もると、提案どうしを並べて見られます。

RFIとRFPの記載内容

RFIは方式と候補企業の適合性を把握するための資料で、RFPは同じ条件で提案を比べるための資料です。このため、各書面に含める内容を分けて整理します。

  • RFI:対象制度、接続方式、対応商品、本番接続実績、パッケージ、概算期間、必要な社内体制
  • RFPの要件:業務フロー、制度、決済、電文・ファイル、ピーク件数、締切時刻、利用者・権限、既存システム
  • RFPの品質条件:移行データ、テスト環境、SLA、RTO・RPO、監査ログ、セキュリティ、保守、制度変更の責任
  • 提案書の指定:見積内訳、前提・除外事項、再委託先、体制、納品物、受入基準、終了時のデータ返却

RFIの段階では、詳細な画面仕様よりも、自社の条件に合う方式と追加で必要な情報を把握することが大切です。接続実績も、金融案件全般ではなく、同じ制度・方式・参加者区分まで確かめます。

RFPでは「高速」や「安全」だけで済ませず、ピーク時の処理件数や応答時間を書きます。何分以内にどのデータまで復元するかも記載します。

提案書の形式をそろえておくと、価格だけでなく、どの要件が含まれ、どの要件が別途扱いになるかも比べられます。

発注から稼働までの流れ

発注から稼働までは、関係部門の業務整理から運用移行まで、段階を追って進めます。

  1. 業務、システム、リスク管理、経理、法務、運用の担当者で、現行の処理を洗い出す
  2. 制度・接続・データ・非機能要件を定め、必要に応じて接続方式や電文のPoCを行う
  3. 基本設計、詳細設計、実装を経て、各試験と移行試験を行う
  4. 稼働前のリハーサルを経て、旧システムと並行稼働させ、運用へ移す

試験には、単体試験と結合試験、接続試験を含めます。加えて、総合試験や障害試験、性能試験のほか、セキュリティ試験と移行試験も行います。稼働前には、休日や締切時刻も含めてリハーサルします。

切り戻しの条件と残高照合を確かめ、問い合わせ窓口や障害時の連絡網も決めておきます。開発の完了で終わらせず、継続運用まで発注の範囲に含めます。

稼働後に起きる制度変更や証明書の更新、OS・ミドルウェアの更改にも備えます。また、脆弱性への対応や災害復旧訓練も、契約と年間計画に含めます。

ポイント

発注形態を選ぶときは、業務コアを自社に残すか委託するかを先に決めると比べやすくなります。候補企業には、RFIで方式と実績を確かめてから、同じ条件でRFPを示します。

契約形態と保管振替システムの費用相場

JASDEC接続の標準価格表や、金融機関ごとの個別開発費は、ほとんど公開されていません。そのため、ここに示すのは、2026年時点の公開情報とリサーチノートをもとにした税別の推定レンジです。

推定では、対象制度と接続、照合、決済の工数を組み合わせています。セキュリティ、移行、試験の工数も加えています。RFIで前提をそろえ、要件定義後の見積もりに置き換えます。

請負・準委任・パッケージ契約の使い分け

検討工程と実装工程では成果の確定度が異なるため、責任範囲に合わせて契約を使い分けます。

  • 請負契約:要件と完成条件が固まった実装を、納品物と受入基準を定めて委託する
  • 準委任契約:現行調査、RFI支援、要件定義、Fit & Gap、PoC、PMOなど検討工程向け
  • 二段階契約:企画・要件定義を準委任とし、その後の開発を請負とする

二段階契約にすると、不確かな検討部分と開発の完成責任を切り分けられます。

パッケージ契約では、ライセンスと初期設定、追加開発、接続モジュールを見積書と契約書で分けます。保守やバージョンアップ、制度改定対応も、別の項目として扱います。

標準機能であっても、JASDEC接続環境や勘定・会計連携は別費用になることがあります。また、ソースコードや設定値、データモデルの利用権と返却条件を確かめます。試験成果物や運用手順書についても、利用権と返却条件を含めます。

開発規模ごとの費用相場

必要な予算と期間は、接続、移行、試験の範囲によって変わります。

  • 限定連携:1制度のファイル対応、帳票追加、接続試験が中心で3,000万〜8,000万円、4〜9か月程度
  • 中規模連携:JASDECゲートウェイと自社の残高・照合・決済・会計をつなぎ、5,000万円〜3億円、6〜18か月程度
  • 複数制度の中規模更改:DVP、日銀ネット、STP、会計、二重化、移行、総合試験を含み、3億〜10億円、18〜36か月程度
  • 証券会社・信託銀行向け一体刷新:有価証券管理、決済、会計、災害対策、複数拠点を刷新し、10億〜数十億円以上、3〜5年の可能性

費用は、対象商品やピーク時の取引量によって変わります。既存システムの状態や接続方式も、費用を動かす要因になります。ここに挙げた金額は、公開された個別案件の価格ではなく、初期予算を検討するための仮置きです。

費用は人月単価と工数から見積もります。JUAS「ソフトウェア・メトリクス調査2025」は、開発工数と工期の関係を232件の分析対象データで整理しています(出典:日本情報システム・ユーザー協会「ソフトウェア・メトリクス調査2025」、2025年)。

同調査では、総費用や全体工数、人材区分別の単価などを、見積もりの妥当性を見る指標として扱います。本記事の推定では、外注開発の参考値として、1人月単価をスクラッチ約96万円、パッケージ・SaaS約144万円としています。

金融分野の上級人材や接続環境を加えると、見積もりは上振れします。監査や夜間試験も含めると、さらに上振れします。そのため、単価の高さだけで判断しないことが大切です。

ランニングコストと5年TCOの比較

初期費用だけでなく、制度変更や日々の基盤運用に必要な費用も5年TCOに含めます。

  • 維持・更新:JASDEC仕様変更への対応、OS・ミドルウェア、HSM、証明書の更新
  • 基盤・安全対策:専用線、監視、脆弱性診断、バックアップ、DRサイト
  • 運用対応:夜間・休日の障害対応、制度改定テスト

保守費は、初期開発費の年10〜20%程度を仮置きできます。24時間監視や厳格なSLAがあると、保守費は上振れします。また、複数拠点や外部サービスの従量課金も、上振れの要因になります。

5年の比較では、まず初期開発とライセンス、導入・教育を並べます。次に、年間保守やクラウド・通信、追加開発を加えます。さらに、制度対応と障害対応、移行を入れ、監査と終了時のデータ搬出も含めます。

監視や制度改定が除外されていないかを確かめます。また、「標準保守」の時間帯や重大障害の一次対応を、金額と同じ表で比べます。復旧目標と再委託先との連絡経路も、この表に含めます。

ポイント

初期費用だけで比べると、制度改定や保守の負担が後から効いてくるため、5年の総額で見ます。契約は、検討工程を準委任、実装を請負に分けると、完成責任の範囲がはっきりします。

委託先の選定と見積比較で確認すべきポイント

委託先の提案評価に使う5観点と配点を横棒で比較した図。
価格以外の実績、要件、保守体制にも配点が割り当てられています。

委託先は、まず同じ制度や商品、接続方式での実績を見ます。参加者区分も一致しているかを確かめます。そのうえで、障害時の責任分界と制度改定への対応力を比べ、既存システムとの連携力や運用継続性も見ます。

JASDECの公式一覧は、2026年6月1日現在で機構システムの本番環境に接続実績がある代行会社・計算会社のうち、公表希望企業を掲載しています(出典:証券保管振替機構「代行会社・計算会社一覧」、2026年)。

委託できるインタフェースや業務は、会社ごとに異なります。ただし、一覧に載っているからといって、品質や適合性が保証されるわけではありません。

接続実績と業務知識の検証

実績が自社の案件に当てはまるかを見極めるため、制度、接続方式、委託範囲を分けて確かめます。

  • 制度・方式:一般債のJEXGW接続か、投信のファイル伝送か
  • 決済範囲:DVPと日銀ネットを含むか
  • 担当業務:代行・計算業務か、受託開発か

顧客名を開示できない場合も、対象制度や方式、取扱量を匿名化して説明してもらいます。稼働年数や障害対応、担当範囲も示してもらい、現在の保守体制も併せて確かめます。

可能であれば、本番接続までの試験項目と、直近の制度改定への対応事例も確かめます。

NTTデータ ルウィーブは「JASDEC接続(FIJAC)」で、ほふり統合ネットワーク上のJEXGW接続方式を使います。

同社は、IBM MQのチャネル制御やヘッダー付与を提供すると説明しています。制御メッセージの作成や、条件に応じた振り分けも含まれるとしています(出典:NTTデータ ルウィーブ「JASDEC接続(FIJAC)」、2026年確認)。

製品名だけでなく、接続方式と実装範囲も確かめると、自社システムに必要な追加開発を見積もりやすくなります。

見積書の項目のそろえ方

総額の差を正しく比べるには、開発から稼働支援まで、同じ工程区分で見積もりを依頼します。

  • 工程・構築:要件定義、基本・詳細設計、接続開発、業務機能、外部連携
  • 基盤・移行:インフラ、セキュリティ、データ移行、テスト
  • 稼働支援:教育、運用移行、保守

工程ごとに、人月と単価を示してもらいます。役割や期間、前提も明示してもらい、除外事項や予備費も記載を求めます。上流工程や試験の工数が削られていないか、開発と保守の責任が途切れていないかを確かめます。

提案評価は、たとえば価格を30%、JASDEC・金融決済の実績を25%と置く形で設定できます。残りは、要件適合性と例外処理が20%、セキュリティ・監査が15%、体制・保守が10%です。

事故リスクを重く見る場合は、価格の配点を下げ、障害リハーサルや責任分界の説明に加点します。そのうえで、各社に同じ異常シナリオへの対応を求めます。

シナリオには、通信断や重複電文、片側成功を含めます。さらに、残高不一致や復旧後の再照合も入れます。

セキュリティ・再委託・ベンダーロックインへの対策

安全性、委託先の管理、契約終了後の移行性を分けて確かめると、運用上のリスクを抑えられます。

  • 認証と暗号化:権限の分離、強固な認証、通信と保存データの暗号化
  • 基盤保護:HSMや証明書、改ざんに強い監査ログ、脆弱性管理
  • 継続性:バックアップと災害復旧の取り決め
  • 再委託管理:二次・三次請け、海外アクセス、連絡経路、ログ・データの保管場所の確認
  • 契約・体制:返却物、移管費、接続部品の更新責任、担当者の交代条件と引き継ぎ期間の取り決め

金融庁は2025年7月4日、NISCの組織改組に伴う技術的修正として、金融分野のサイバーセキュリティガイドラインを一部改正しました(出典:金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドラインの一部改正」、2025年)。

委託先の対策に加えて、自社が委託先を管理・監督する手続きも確かめます。提案担当者が継続して関わるか、業務と技術の意思決定者は誰か、夜間や休日の体制はどうかも評価します。

契約終了時には、ソースコードや設定、データの返却可否を確かめます。テスト証跡や運用手順の扱い、他社への移管支援費用も確認します。また、プロプライエタリな接続部品の制度変更時の更新責任と、代替製品への移行条件も契約書に残します。

契約後に経験の浅い要員へ交代するリスクに備えて、重要ポジションの交代条件と引き継ぎ期間を合意しておきます。

ポイント

委託先は、同じ制度・接続方式での本番実績を最初の条件にして絞り込みます。価格は工程区分をそろえた見積もりで比べ、異常時のシナリオへの対応も同じ条件で求めます。

よくある質問

外注では、費用に加えて、制度や接続方式、運用責任を整理できているかを確かめることが欠かせません。発注前によくある4つの疑問に答えます。

保管振替システムの開発費用は最低いくらですか?

1制度の限定連携や既存パッケージへの接続でも、接続試験や残高照合、例外処理は含まれます。セキュリティや運用設計も対象に入るため、費用は3,000万〜8,000万円程度からが推定の目安です。

画面の追加だけであれば、費用は下がる可能性があります。ただし、JASDECや日銀ネットとの接続範囲、既存データの品質、受入試験の条件によって変わるため、見積もりの対象外も確かめておきます。

パッケージ導入とスクラッチ開発はどちらがよいですか?

制度仕様や接続部分を標準化しやすく、短期間で稼働させたい場合は、パッケージや接続ゲートウェイが向いています。

独自商品や独自勘定、特殊な業務フローが競争力に直結する場合は、スクラッチやパッケージ拡張を検討します。比較は、初期費用だけでなく、制度改定や保守、障害対応まで含めた5年TCOで行います。移行や終了時の可搬性も、同じ比較に入れます。

開発会社に必ず確認すべき質問は何ですか?

自社と同じ制度や接続方式、参加者区分での本番実績を尋ねます。DVPや日銀ネットを含む場合は、責任分界がどこにあるかも質問します。重複電文や片側成功の復旧方法も確かめます。

制度改定の費用と納期、二次請けの範囲、稼働後の担当者も尋ねます。匿名化した設計書や試験計画を見せてもらうと、実現性を比べやすくなります。障害報告の形式や運用体制も、併せて確かめます。

RFPを作れない場合はどう発注すればよいですか?

完成形のRFPを作れない場合は、短期の要件定義支援を先に発注する方法があります。その支援では、現行調査や業務整理、制度確認を行い、接続方式の比較も対象に入れます。

成果物には、業務フローや対象制度表、データ項目とインターフェースの一覧を含めます。さらに、非機能要件や異常シナリオ、概算費用を入れ、次工程のRFP案も加えます。

調査会社が本開発も受注する場合は、選定の中立性をどう保つかを確かめます。

ポイント

費用は制度と接続範囲、既存データの品質で変わるため、最低額の目安だけで予算を決めると、後から差が出やすくなります。RFPを作れない段階では、要件定義の支援を先に発注する方法もあります。

まとめ

発注前には、対象制度と参加者区分、JASDEC接続方式を決めておきます。あわせて、DVPや日銀ネットの範囲、既存システムとの責任分界も明確にします。

次に、発注形態を比べます。候補は、パッケージ型、部分外注型、一括請負型、分離発注型の4つです。クラウドは、この4形態とは別に、本番接続の確認項目として比べます。RFIで実績と方式を確かめたうえで、同じ条件のRFPを複数社に示します。特に、制度と接続、異常時対応、運用責任を発注条件に含めることが重要です。

発注前に優先すべきこと

最初に作るのは、機能一覧だけでなく、制度と接続を含むスコープ表です。データや異常系、非機能の範囲も、同じ表に書き込みます。

二重振替や重複電文、通信断を条件に含めます。残高不一致や制度改定、災害復旧も、条件に加えます。

見積もりは、価格と実績、要件適合性で比べます。セキュリティや保守体制も、あわせて評価します。開発費に保守や制度対応を足した5年TCOを確かめると、発注後の予算超過を防ぎやすくなります。

最初の一歩

初動では、関係者で現行業務の流れを洗い出し、制度と接続、取引量、運用条件をまとめてRFIで確かめます。

  1. 証券業務、システム、会計、リスク管理、運用の担当者を集め、現状の処理を業務フローに描く
  2. 対象制度、接続方式、取引量、ピーク、SLA、RTO・RPO、移行対象、制度変更の想定を整理し、RFIで質問する

発注条件が明確になるほど、見積もりの差が前提の違いによるのか、提案力の差なのかを見分けられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。