通関システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

通関システムの開発会社は、NACCS接続方式、通関業務への理解、既存システムとの連携力で比べると選びやすくなります。

今回の6社から自社の業務に合う会社を選べば、導入後の手戻りを抑えやすくなります。全体像は、通関システム開発の完全ガイドもご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・通関システム開発の完全ガイド

通関システムのパートナー選びが重要な理由

通関システム開発の検討範囲として、委託通関、自社通関、NACCS接続、切替準備を4枚のパネルで示した図。
委託範囲と接続・移行の条件を並べると、各社の提案を同じ前提で見比べられます。

通関システムは、税関手続き、輸送、倉庫を一つの業務フローで扱い、請求や監査も同じ流れに含まれます。そのため、一般的な販売管理システムとは異なる設計が必要です。

NACCSへ接続する場合は、画面だけでなく、業務コードや電文も設計の対象になります。応答やエラーの処理、再送、保存資料も、あわせて設計する必要があります。

業務知識の差と開発の成否

通関を委託するか自社で行うかで範囲が変わるため、それを見極める業務知識の差が成否を分けます。

  • 書類管理:インボイス、パッキングリスト、B/LまたはAWB、原産地証明書を案件単位で扱う
  • 委託通関:荷主は書類共有と進捗確認が中心
  • 自社通関:申告データ作成、関税・消費税計算、許可通知の取得、訂正・更正の履歴管理が必要

委託と自社の違いを要件定義の初めに整理しておかないと、不要な機能に予算を使い、重要な例外処理が後回しになるおそれがあります。

NACCS更改と運用保守の範囲

第7次NACCSは2025年10月12日午前5時に稼働を開始しました(出典: NACCSセンター「第7次NACCSの稼働開始について」、2025年)。そのため、開発会社を選ぶ段階で、移行の準備と稼働後の担当範囲を確かめておく必要があります。

  • 開発仕様:新規開発は第7次仕様を前提とする
  • 切替準備:接続試験、デジタル証明書、テスト環境、並行運用の進め方
  • 接続方式:「NACCS対応」の説明に加えて、具体的な方式まで確かめる
  • 運用担当:電文仕様の変更や障害時の切り分けを、誰が受け持つかを決める

ポイント

委託通関か自社通関か、NACCS接続が必要か、稼働後の運用を誰が担うかを先に決めておくと、各社の提案を同じ条件で比べられます。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援しています。IT事業会社として社内DXを推進した経験を活かし、成果の創出とシステムの定着まで支援します。

営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。また、riplaは業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制です。

特徴と強み

導入では、まず紙・Excel・メールで行っている業務を整理します。そのうえで、標準化する範囲を決めます。画面や機能は、そのあとで組み立てていきます。

riplaは業務課題の整理の段階から関わります。荷主と通関業者、倉庫、運送会社の間にある二重入力や承認の滞留を洗い出しやすい点が強みです。

NACCSとの直接接続が必要な案件では、専門のゲートウェイや既存製品との役割分担も検討できます。そのため、過不足のない構成を目指せます。

得意領域・実績

riplaは、幅広い基幹システムの構築・導入経験を、通関業務との連携にも生かせます。相談の際は、連携範囲を先に決めておくと、提案内容を比較しやすくなります。

  • 適する企業:通関業務を受発注や在庫、請求、顧客管理とつなぎたい企業
  • 既存システム:通関専用パッケージでは難しいERPやWMSとの連携の相談
  • 社内機能:社内ポータルに許可情報を反映する仕組みや、部門ごとの権限設計
  • 問い合わせ情報:月間申告件数、対象拠点、委託・自社通関、NACCS接続の新設有無

ポイント

業務整理の段階から相談したい場合は、紙やExcel、メールで行っている業務を先に洗い出しておくと、提案の内容を比べやすくなります。

NTTデータ|NACCS接続ゲートウェイを大規模業務へ展開

NTTデータは、国際物流事業者向けにNACCSと企業システムをつなぐゲートウェイソフトウエア「SimGate」を提供しています。2025年7月には、NTTデータとNTTデータ アイが第7次NACCS準拠のSimGate新バージョンを発表しました。

SimGate新バージョンは、海上小口貨物の簡易通関制度などにも対応しています(出典: NTTデータ「増加する越境ECに迅速対応、第7次NACCS準拠のSimGate新バージョンを提供開始」、2025年)。

特徴と強み

SimGateは、接続機能と対応範囲を確かめたうえで、既存基盤や貨物量に合うかを検討できます。

  • NACCS連携:企業内システムの情報をつなぎ、同じ内容の重複入力を減らすゲートウェイ
  • 貨物・接続:海上貨物と航空貨物を扱い、複数のインターフェースを備える
  • 既存基盤:国際物流基盤を大きく変えず、接続部分を整えたい企業向け
  • 越境EC:小口貨物を短時間で大量処理する場合、重複入力の削減効果を評価しやすい

得意領域・実績

SimGateは2004年から国際物流事業者向けに提供されています。NTTデータの発表によると、大手事業者を中心に数十社が導入しているとされます。

大規模な輸出入業務、既存基幹システムとの連携、NACCS更改への継続対応を重視する企業に適しています。一方で、数件の通関書類の共有だけから始めたい企業には、構成が大きくなりやすい面もあります。そのため、必要な接続範囲と運用体制を先に切り分けてください。

ポイント

大規模な輸出入業務や既存基幹システムとの連携を重視するなら候補に入れやすく、数件の書類共有から始めたい場合は、構成の大きさを先に確認してください。

NTTデータ アイ|NACCSゲートウェイの導入・運用を支援

NTTデータ アイは、NTTデータとともにSimGateを提供しており、NACCS接続を業務システムへ組み込む際の導入支援や運用設計を比較できます。なお、導入時には、社内の案件情報をどの時点で電文に変換するか、NACCSから返る結果をどの部門へ戻すかまで設計しておく必要があります。

特徴と強み

既存システムとのファイル連携から、NACCS接続、電文の送受信まで、エラー確認や管理資料の保管も含めて一つの運用として検討できます。また、通関担当者に加えて情報システム部門や物流企画部門が参加する場合、専門用語の違いを埋めながら役割分担を決める支援が役立ちます。

第7次NACCSでは、旧環境をそのまま使えるとは限りません。そのため、現在の接続方式と移行対象を一覧にして相談してください。

得意領域・実績

越境EC物流で件数増加と制度対応を進めたい企業や、複数拠点からNACCSを利用する企業は、比較の候補に入れられます。導入後の監視と障害時の連絡経路、バージョンアップ時の試験、バックアップと復旧手順を重視する場合に適しています。

見積もりでは、製品費と、接続設定や既存システムの改修、テストデータ作成、運用引き継ぎの費用を分けて確認してください。

NEC|第7次NACCS対応ゲートウェイとAI-OCR事例

中央のAI-OCRを、インボイスのデータ化、関税計算、申告書作成、読み取り結果の確認、誤読時の差戻しの項目が囲む図。
読み取り後の確認と差戻しを、書類のデータ化とあわせて設計します。

NECは、第7次NACCS対応のゲートウェイサーバ「NISMAIL/N7」を提供しています。NACCS接続の機能をひとまとめにしたパッケージです。

NISMAIL/N7は、既存業務システムとの連携や、管理資料の取得・保存にも対応しています(出典: NEC「NACCS業務対応ゲートウェイサーバ NISMAIL/N7」、2026年確認)。

特徴と強み

NISMAIL/N7は、NACCS関連業務をまとめて管理できます。汎用的なファイル転送インターフェースにより、直接接続できない業務システムとも自動で連携できるよう支援します。

専用回線やメールボックスを集約して、維持コストを抑える構成もあります。接続拠点が増えた企業は、現状を整理して相談すると、効果を見積もりやすくなります。

相談の際は、回線数、メールボックス数、端末数を伝えてください。

得意領域・実績

NECは、日本通運向けの通関デジタル化ソリューションを公開しています。インボイスなどをAI-OCRでデータ化し、関税計算や申告書作成を支援する事例です。

書類の画像化から基幹システムとの連携、通関事務所ごとの運用までを検討したい大手企業に適した候補です。

AI-OCRを使う場合は、人による読み取り結果の確認と誤読時の差戻しを要件に含めます。学習データの管理や原本保管のルールも、あわせて決めておきます。

ポイント

既存業務システムとの連携や管理資料の保存を重視する場合は、AI-OCRを使うときの確認と差戻しの方法を要件に含めて比べてください。

株式会社エクサ|クラウド型eGATEでNACCS接続を支援

株式会社エクサは、NACCS対応のゲートウェイサービス「eGATE」を提供しています。エクサのクラウド型SaaSやASPサービスとNACCSをつなぐ仕組みです。自社でゲートウェイサーバーを持つ構成のほか、接続部分をクラウドで利用したい企業も比較の対象になります。

特徴と強み

クラウド接続では、企業側で準備するサーバーや回線、証明書、監視環境を減らせる可能性があります。

海貨事業者や船社など複数の組織で情報を扱う場合は、代理店やNVOCCも含めて、システムの境界と権限を明確にします。そのうえで、eGATEで連携する情報の範囲も決めてください。

発注側は、SaaS・ASPの可用性や障害時の窓口、データの保管場所を、契約前に確認します。

得意領域・実績

港湾や海貨業務の個別のニーズに合わせて、クラウドサービスとNACCSを連携させたい企業の候補になります。申告に加えて、搬入・搬出や船積み、在庫、関係会社とのデータ共有も扱う場合は、eGATEの対象範囲を確認してください。

既存業務システムを残したまま接続部分を刷新する場合は、既存インターフェースとデータ変換の範囲を示して見積もりを取ります。

日本ソフトウェアコンサルタンツ株式会社|通関業務を一気通貫で管理

日本ソフトウェアコンサルタンツ株式会社(NSC)は、通関業務システム「G-FLEXS DS」を提供しています。公式情報では、受注や運送手配、NACCS申告から、請求・立替・支払い管理までを扱います。書類共有やCyberPortとのWeb API連携にも対応しています。

案件受付から許可、請求までを一つのシステムで管理したい通関業者に適した候補です。

特徴と強み

G-FLEXS DSは、見積・受注から輸出入の手配、NACCS申告までを連携します。進捗と請求、立替金、支払も、一つにまとめて管理できます。

輸出ではS/Iや申告依頼書、輸入ではB/Lや申告依頼書の情報をもとに処理します。また、許可書の出力や申告履歴の活用もできます。

営業や配車、倉庫、経理でも同じ案件情報を使いたい場合は、業務の分断を減らしやすい構成です。

得意領域・実績

通関業者、海貨業者、保税倉庫を運営する企業や、CyberPortを含めて港湾物流を電子化したい企業の候補になります。さらに、CyberPortに取引を作成し、NACCS連携を自動化する機能も案内されています。

導入時には、帳票や既存会計システムとの連携、過去のHSコードや申告履歴の移行を確認します。拠点別の権限設定が標準機能で可能かどうかも、あわせて確かめてください。

通関システムのパートナー選びで確認するポイント

通関システムの選定時に確認する業務実績、技術方式と費用、プロジェクト管理と運用保守を3枚のチェックカードで示した図。
3領域をそろえて確認すると、各社の提案を共通の観点で比べやすくなります。

6社は得意分野がそれぞれ異なります。そのため、接続や案件管理、貿易管理、基幹システム連携のうち、どれを重視するかを先に決めておくと、比較対象を絞れます。

業務単位での実績確認

実績は、自社の業務と同じ条件に当てはめて確かめます。比較の際は、輸出入や航空・海上、直取引・委託の違いを各社に伝えてください。

  • 申告規模:月間申告件数が近いか
  • 接続経験:NACCSの接続方式や業務コード
  • 例外対応:エラー再送、訂正・取消の履歴
  • 社内連携:許可情報を社内の各部門へ届けた経験

可能であれば、代表的なインボイスを1件示し、登録するデータと画面の説明を受けます。そのうえで、業務単位で実績を評価できます。

技術方式と費用の境界

費用は構成によって変わります。次に示すのは、公開料金と類似案件をもとにした企画段階の目安で、正式な相場ではありません。

  • 周辺業務のクラウド:初期数十万円、月額数万円から
  • NACCS接続済みパッケージ:初期130万〜300万円程度
  • 既存ERP・WMSとの連携:300万〜1,500万円程度
  • ゲートウェイと自社システムの連携:500万〜2,000万円の範囲

見積書では、要件定義やNACCS接続、データ移行を分けて示してもらいます。テストや教育、保守も別の項目にすると、比べやすくなります。さらに、追加費用が発生する条件も明記してください。

プロジェクト管理と運用保守の評価

通関システムには、現場や情報システム部門が関わります。通関業者や倉庫、運送会社、NACCS接続事業者も関係者になります。

  • 要件定義で残す資料:業務フロー、権限表、電文一覧、外部連携一覧、移行計画
  • 障害時の手順:システムが止まったときに手作業で行う内容も資料に含めておく
  • 開発後の保守:法改正、NACCS更改、証明書更新、脆弱性対応、バックアップ復元テスト
  • 契約内容:保守窓口の時間帯、SLA、緊急時の連絡経路

ポイント

実績は業務単位で、費用と保守体制は接続や連携の範囲ごとに分けて見ると、各社の提案を同じ基準で比べられます。

よくある質問

通関システムの発注では、NACCSの利用料と開発会社への費用を分けて考えます。比較検討の初期によく寄せられる質問を、業務範囲を踏まえて回答します。

通関システムを開発するとNACCSへ直接接続できますか?

直接接続は可能ですが、自社システムからの接続が必須とは限りません。接続済みパッケージやゲートウェイ、クラウド型サービスを介する方法もあります。

申告主体や処理件数、既存基幹システム、運用保守体制を比べたうえで、接続方式を選んでください。

通関システムの開発費用はいくらかかりますか?

書類共有や案件管理だけなら、初期数十万円から始められる場合があります。NACCS接続やAI-OCR、ERP・WMS連携を含めたり、複数拠点や24時間監視を加えたりすると、数百万円から数千万円まで広がります。

NACCSセンターのプランAは、基本料金が月額5,000円です。別途、従量料金などが発生します(出典: NACCSセンター「システム利用料金プラン等について」、2025年)。

NACCSの利用料は、開発会社への費用とは別に扱います。そのため、見積もりも分けて管理してください。

自社通関と委託通関では選ぶシステムが変わりますか?

変わります。自社通関では、申告データの作成や関税計算、電文の送受信に加えて、訂正・更正や監査ログも必要になります。

通関を委託する荷主は、書類収集や案件進捗、差戻し、許可情報の共有が中心です。また、請求や在庫との連携も検討します。

発注の前に、申告を行う人、最終承認者、原本とログを保管する会社を決めておきます。

まとめ

6社を比較する際の結論

今回の6社は、NACCS接続ゲートウェイに強みを持つ会社、通関業務を一体で管理する会社、業務整理から柔軟に支援する会社の3つに分けると、比較しやすくなります。ただし、特定の会社がすべての企業に最適とは限りません。自社の業務範囲と将来の拡張方針に合うかを確認してください。

まず整理したい項目

問い合わせから導入後の評価まで、順に準備すると比較条件をそろえられます。

  1. 問い合わせの前に、月間申告件数と輸出入区分を整理し、貨物の種類や拠点数、ユーザー数も書き出しておきます。
  2. 入力時間や差戻し件数などの現状値を記録しておくと、導入後に改善効果を測れるようになります。
  3. 自社通関か委託通関か、月間申告件数と拠点数、ERP・WMS連携、NACCS接続の要否を決めておきます。
  4. NACCS接続、通関業務の案件管理、既存基幹システムとの連携のうち、重視する観点を絞ります。
  5. 今回取り上げた6社(株式会社ripla、NTTデータ、NTTデータ アイ、NEC、エクサ、NSC)を、通関・NACCSに関する製品や支援内容で比べます。
  6. 制度や物流現場の変化を踏まえ、書類共有や案件管理から始めて、最初からすべてを作り込まないことも有効です。
  7. 代表品目や代表航路でPoCを行い、必要な接続と自動化を段階的に広げます。
  8. 導入後は、1件あたりの入力時間や二重入力数、差戻し件数、申告から許可までの時間を測り、投資効果を継続して確かめます。

現在の入力方法や利用中のERP・WMS、NACCS接続方式も一覧にしてください。

候補各社は、同じ条件のもとで実績や接続方式、第7次NACCS対応を比べます。障害時の運用と費用内訳、保守体制も、あわせて確かめます。

業務を理解し、現場への定着まで伴走してくれるパートナーを選ぶことが、開発後の成果につながります。

▼全体ガイドの記事
・通関システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。