通関管理システムの開発会社は、業態、社内連携、導入後の運用支援の3点で比べると選びやすくなります。
株式会社riplaに加え、公式情報を確認できる5社を含む計6社を紹介します。全体像は、通関管理システム開発の完全ガイドもご覧ください。
▼全体ガイドの記事
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通関管理システムのパートナー選びが重要な理由

通関管理システムは、案件受付から事後調査までの業務をつなぐ仕組みです。税関への申告画面だけを置き換えるものではありません。
対象業務は、書類の回収や品目・税率の確認から、申告、検査、許可、配送、請求まで広がります。業務の範囲が広いぶん、導入後の使いやすさはベンダーの業務理解と連携力に左右されます。機能の数が多くても、現場の画面や例外処理に合わなければ、結局Excelやメールに戻ってしまうおそれがあります。
NACCSと社内システムの役割の違い
NACCSと社内システムは、担う範囲が次のように分かれています。
- NACCS:船舶・航空機や輸出入貨物に関する行政手続きと民間業務のオンライン処理
- 社内システム:案件管理、書類承認、営業・経理との情報共有
NACCSは、輸出入手続きや貨物情報の登録・管理、管理統計資料の配信を扱います(出典: NACCS「NACCSとは」、2026年8月確認)。そのため、社内業務のすべてをNACCSで代替できるわけではありません。
NACCSの情報を社内業務につなげば、二重入力や書類の分散を減らせます。
発注前の業務範囲と費用の整理
各社の提案を同じ条件で比べるには、比較の前に自社の業務と規模を整理しておく必要があります。
- 業態:通関業者か荷主かの区別
- 輸送方式:海上と航空のどちらが中心か
- 利用規模:月間申告件数、拠点数、担当者数
見積書は、NACCS接続とライセンス、導入設定を分けて見ます。データ移行から法改正対応まで、残りの項目も同じ考え方で切り分けて確認します。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かしています。
ビジネス成果の創出とシステムの定着支援に強みがあり、営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績もあります。
企業ごとの業務要件に合わせて、柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
現場業務と経営上の成果を先に確認し、システムの範囲を設計します。製品の機能に業務を後から当てはめる進め方とは違います。
通関管理では、担当者が情報を何度入力しているか、許可後に営業・倉庫・経理へどう連絡しているかを一覧にします。そのうえで、標準機能と個別開発の境界を整理します。
必要に応じて、NACCS周辺のデータ連携や書類保管から、会計・販売管理との連携まで、一つの計画にまとめられます。
得意領域・実績
既存システムが複数あり、通関だけを入れ替えるとデータが分断される企業に向いています。業務全体から伴走する開発会社が候補になります。
申告や許可の情報を販売管理や請求へ渡し、営業や荷主が貨物の状況を確認する場合は、通関担当者以外の要件も欠かせません。
費用や期間は要件によって変わるため、業務フローや連携先、月間件数を示したうえで、段階導入を含む提案を受けると比べやすくなります。
キヤノンITソリューションズ株式会社|NACCSデータと許可情報を業務に活用
キヤノンITソリューションズ株式会社は、貿易業務管理ソリューション「TradeWise」を提供するITベンダーです。
TradeWise通関データベースは、NACCSの輸出入許可通知情報を自動で蓄積・検索します。
通関後のデータ活用を重視する企業に向いています。
特徴と強み
TradeWise通関データベースは、NACCSの許可情報を社内業務で活用する機能を備えています。
- NACCS:第7次NACCSへの対応
- 帳簿・許可証:電子帳簿保存法に対応した関税帳簿の自動作成と、許可証PDFの生成
- システム連携:基幹システムとの連携
Standard Editionのライセンス費用は税別500万円からです。
提供開始日は2025年10月31日です(出典: キヤノンITソリューションズ「TradeWise 通関データベース Standard Editionの新バージョン」、2025年)。
ライセンス以外にも、要件に応じた費用が生じます。そのため、NACCS接続と環境構築から、移行、帳票追加、基幹連携まで、項目ごとに分けて確認します。
得意領域・実績
通関後の許可情報を検索し、関税計算、取引実績分析、関税関係書類の保存に使いたい企業に向いています。
許可書を紙や担当者のPCに分散させず、事後調査に備えて検索しやすくしたい場合も候補になります。ただし、標準機能でどこまで対応できるかは、個別に確認します。
複雑な業務要件の場合は、Enterprise Editionや個別設計が合うかを相談するとよいでしょう。
株式会社NTTデータ|貿易帳票と通関許可情報を一元管理
株式会社NTTデータは、貿易帳票管理ソフト「TradeBook」や、NACCSと企業システムを接続する「SimGate」を展開しています。海貨業者向けの業務システムも提供します。
インボイスやパッキングリストから輸出入許可証まで、貿易に関する書類と情報を業務全体で扱いたい企業に適した選択肢です。
特徴と強み
TradeBookはNACCSから輸出入許可データや許可帳票を自動取得して管理できます。電子帳簿保存法の電子取引に関するJIIMA認証も取得しています。
対象業務には、荷主・物流企業の貿易業務とコンプライアンスがあります。さらに、物流業者への手配、請求、実績管理も含まれます(出典: NTTデータ「TradeBook」、2026年8月確認)。
書類を探す時間や、許可データを手作業で転記する工程を減らせる点が強みです。
得意領域・実績
複数の物流会社やフォワーダーと取引し、貿易書類、通関許可、請求をまとめたい荷主企業で候補になります。
海貨業務システムには、輸出入、通関、保税倉庫を対象にする構成があります。さらに、見積や債権・債務まで対象にする構成もあります。
導入時は、既存ERP・会計との連携方式と保存帳票を明確にしておく必要があります。権限と検索条件、グループ会社・海外拠点への展開単位も、事前に決めておきます。
株式会社バイナル|通関申告とHSコード・関税管理を支援

株式会社バイナルは、輸出入の貿易管理システム・通関業務管理ソフト「TOSS」シリーズを提供しています。
通関業者や荷主、物流会社など、申告実務を日常的に扱う企業が候補になります。過去実績や許可情報を活用して業務を標準化したい場合にも、検討の対象になります。
特徴と強み
「TOSS-CUSTOM/D」は、取引時期や品目名から過去実績を検索し、HSコードの確認を支援します。関税・消費税をInvoice明細へ按分する機能も備えています。
許可情報や請求データを取り込んで通関台帳を作成できます。NACCS直接連携ゲートウェイとの併用も案内されています。
担当者の経験に頼っていた品目確認や、荷主への原価情報の提供を整えたい企業は、業務に合うかを確認できます。
得意領域・実績
HSコード・税率の確認、通関台帳、AEOや事後調査向けの証跡を重視する通関業者・荷主に向いています。
導入時は、移行できる過去データの範囲、他拠点の検索実績を参照できるか、税率・マスタの更新担当を確認します。
標準機能が業務に合えば期間を抑えやすい一方で、独自の料金計算や会計連携がある場合は、追加開発の範囲を先に見積もる必要があります。
関西総合システム株式会社|海貨・通関・保税倉庫を一体管理
関西総合システム株式会社は、海貨・通関業務パッケージ「Forwarder-PRO」を提供しています。対象は、海貨・通関業者や保税倉庫業者です。NVOCCやフォワーダー、ロジスティクス業者向けでもあります。
通関だけでなく、港湾物流の前後工程まで扱いたい企業に適しています。
特徴と強み
公式情報では、必要なNACCSデータを活用して二重入力を減らす連携と、第7次NACCSへの対応を挙げています。
CSV・テキストで荷主や会計システムと接続するDataBridgeや、Webシステムによる運用も特徴です。
海貨業務では、船社、税関、NACCS、倉庫をつないで、請求や進捗も管理します。業務の境界をまたぐ情報連携が、選定時に見るべき点になります。
得意領域・実績
港湾物流を標準化し、複数の担当者や拠点で案件の進捗、請求、帳票を共有したい企業に向いています。
拠点が多い会社では、Web運用によって端末ごとの設定を抑えられる点も確かめておくとよいでしょう。
デモでは、輸出入受付からNACCS電文、倉庫、請求までを代表案件で通して見せます。入力回数を実際に数えておくと、自社に合うかを判断しやすくなります。
株式会社サム|申告・許可データ・通関書類を実務に合わせて管理
株式会社サムは、実務に即した通関業務支援パッケージソフトを提供しています。輸出入申告や他省庁申請に加え、許可データや通関書類の電子ファイリングを扱う専門パッケージもあり、比較したい企業に適しています。
特徴と強み
公式サイトでは、輸出申告と輸入申告を案内しています。輸出入マニフェスト申告や他省庁申請データの作成も、あわせて案内されています。
海貨ドキュメントの作成や輸出入通関実績諸表に加えて、許可データ管理と通関書類の電子ファイリングも案内されています。
申告や書類業務の抜け漏れを減らし、許可後のデータを社内で検索できる状態に整えたい企業に向いています。公式サイトで業務ごとの機能が案内されており、具体的な業務画面を確認しやすい候補です。
得意領域・実績
申告業務を中心に許可データと書類を電子化したい通関業者や、範囲を限定して導入を始めたい企業に向いています。
比較時は、NACCS接続方法と、輸出・輸入・マニフェストのどこまでを扱うかを確認します。他省庁申請の種類や書類の保存期間も、あわせて見ておきます。
バックアップや複数拠点での利用条件も確かめておきます。会計や顧客ポータルとの連携を後から広げられるかも、見積もりに含めます。
通関管理システムのパートナー選びのポイント

6社はいずれも通関管理システムを扱いますが、得意とする業務の範囲は異なります。そのため、知名度や機能数で順位をつけず、自社の条件をそろえて提案とデモを比べます。
比較の基準には、業務量と利用者の規模を含めます。連携範囲や、将来の法令・制度対応も基準に入れます。
自社に近い条件での実績と経験の確認
導入実績の件数だけでは、自社に合うかを判断しにくいものです。似た業態や規模の事例で、実際の業務範囲を確かめます。
- 通関業者:申告、訂正、許可、請求
- 荷主:Invoice、Packing List、原価、承認
- 海貨・フォワーダー:倉庫、船社、作業進捗
申告件数や拠点数が近い事例ほど、参考になります。利用者数や既存システム、導入後の成果指標も、近いかどうかを見ておくとよいでしょう。
技術力と専門性の評価(連携・証跡まで)
技術面では、接続や更新、障害対応の方法を確認します。あわせて、管理すべきデータと証跡の範囲も見ておきます。
- NACCS対応:対応時期、更新方法、接続環境の責任分界、障害時の代替運用
- RFPの記載:HSコード・税率マスタ更新、許可通知取得、帳票保存、操作ログ、権限、バックアップ、API・CSV・EDI連携
- AEOの証跡:審査対象を踏まえた、システムに残す記録の定義
AEOでは、税関が法令遵守規則や業務手順、情報共有を審査します。内部監査や教育、貨物のセキュリティも審査の対象です(出典: 税関「AEO承認(認定)を受けるには」、2026年8月時点)。
プロジェクト管理体制と費用の総額の確認
要件定義の責任者と現場ヒアリングの担当を確認します。データ移行やテスト計画、教育、稼働後の問い合わせ窓口も、誰が担うかを見ておきます。
ここで示す費用の幅は本稿の推定で、導入規模や連携内容によって変わります。
- 1拠点の標準導入:300万〜800万円
- 複数拠点・会計連携を含む標準的刷新:800万〜2,000万円
- 荷主向けERP・原価連携:1,000万〜3,000万円
- 大規模な個別開発:2,000万円超
上の金額は市場統計の確定値ではありません。業務システムの一般的な工数と、通関特有の連携・帳票・証跡の要件をもとにした推定です。
導入期間は標準パッケージなら2〜4か月、連携や移行を含む場合は4〜8か月が目安です。
全社刷新や個別開発では、9〜18か月以上が一つの目安になります。
初期費用のほかに、クラウド利用料やNACCS接続環境、保守も分けて比べます。法改正対応、バックアップ、追加帳票も個別に見積もります。利用者や件数が増えたときの費用も、あわせて確認します。
よくある質問
比較の際によく聞かれるのは、NACCSとの違いと費用です。製品と個別開発の選び分けも質問に挙がります。発注前の判断に役立つ回答を次に示します。
通関管理システムとNACCSは何が違いますか?
NACCSは、税関など関係行政機関への手続きや、貨物情報の登録・管理をオンラインで処理する基盤です。
通関管理システムはNACCSの情報を受け取り、企業側の業務を補う仕組みです。案件や書類、社内承認に加えて、請求、原価、権限、監査証跡も扱います。
NACCSを利用していても二重入力や書類の分散が残るなら、周辺システムの導入を検討する価値があります。
通関管理システムの費用はいくらですか?
公表価格の一例は、キヤノンITソリューションズのTradeWise 通関データベース Standard Editionです。ライセンス費用は税別500万円からです。
導入設定やNACCS接続は、別に費用がかかることがあります。データ移行や基幹連携、追加帳票でも費用が生じ得ます。総額は個別見積もりで確認します。
申告件数や利用者数、拠点数を各社へ同じ条件で示すと、見積書を比べやすくなります。保存期間や連携先も、あわせて伝えておきます。
パッケージとスクラッチ開発はどちらが向いていますか?
パッケージとスクラッチのどちらを選ぶかは、共通業務と独自要件のどちらを優先するかで見極めます。
- パッケージ:NACCS連携、標準帳票、申告、許可管理などが共通し、業務を標準機能に合わせられる場合
- 個別開発:独自業務が競争力に直結する場合
独自の料金計算や海外拠点、複雑なERP・WMS連携が挙げられます。独自の審査フローもその一例です。これらが競争力に直結する場合は、パッケージを基盤にした個別開発や、段階的なスクラッチ開発を検討します。
どちらの場合も、最初からすべてを作り込まず、MUST機能を先に稼働させます。利用状況を見ながら拡張していくと、リスクを抑えられます。
まとめ
会社選びでは、NACCS接続だけでなく、申告前後の書類と許可情報を見ます。請求や原価、会計、AEO・事後調査の証跡も、一つの業務フローの中で確認します。
紹介した6社には、業務全体を柔軟に設計するripla、許可情報の活用に強いキヤノンITソリューションズ、貿易帳票と基幹連携を扱うNTTデータがあります。
バイナルは通関実務とHSコード・関税を支援し、関西総合システムは海貨・港湾物流に強く、サムは申告と書類管理に特化しています。
業務適合性と総額による比較の結論
候補を3社程度に絞ったうえで、代表的な輸出・輸入案件のデモを依頼します。書類受付から申告、許可、請求までの流れを確かめます。
導入前後で入力回数と許可までの時間を測れるようにしておきます。書類検索時間や訂正件数、請求締めの作業時間も、あわせて測ると比べやすくなります。
価格だけでなく、法改正やNACCS更改への追従も評価します。障害時の支援や、データ返却の条件も含めて見ておきます。
RFPへ入れる項目の決め方
RFPは、業務条件と既存環境を整理してから、見積項目を分けて作ります。
- 通関業者か荷主かの区別と、海上・航空の比率、月間申告件数、拠点数の整理
- 既存の会計・ERP・倉庫システム、保存帳票、承認と権限の洗い出し
- 標準導入、データ移行、連携、教育、保守を分けたRFPの作成と、各社への同じ条件での相談
業務の流れを一覧にするところから始め、現場に定着したシステムへ段階的に広げていくことが、通関業務の品質とスピードを両立させる近道になります。
▼全体ガイドの記事
・通関管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
