日報管理システムは、パッケージ型かクラウド型かで大きく分かれます。製品ごとの得意領域と料金、課題ごとの選び方を押さえると、自社に合う候補を絞りやすくなります。
まず方式の違いを確かめ、次に主要7製品を見たうえで、比較と選定の進め方を順にたどります。各テーマの詳細は、関連記事もご覧ください。
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パッケージ型とクラウド型日報管理システムの違い
パッケージ型は、自社サーバーへの導入や個別構築まで含む広い意味で使われます。一方、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で使う方式です。
比べやすい日報管理製品は、クラウド型が中心です。そこで、この一覧では確認可能なSaaS・クラウドサービスを取り上げます。
パッケージ型の論点:自社運用と独自ルールへの対応
パッケージ型の特徴は、独自ルールへの対応と日々の運用の両面から見ると分かります。
- 独自ルール:自社サーバー導入型の従来型パッケージや独自開発は、固有のセキュリティ基準やExcelで続けてきた入力項目・承認フローを再現しやすい
- 自社運用:サーバー、監視、バックアップ、バージョンアップを自社側で担う範囲が大きい
日報管理は現場の利用者が多くなりやすいため、導入時の自由度だけでなく、運用を続けられる体制と費用も確かめておく必要があります。
対象人数が数百名規模になると、クラウド型の月額利用料の総額が、長期的にはパッケージ型の初期費用を上回る場合もあります。このため、単年度ではなく、複数年の総額で比べることが望まれます。
クラウド型の向く場面:短期導入と現場への定着
クラウド型は、サーバーを調達せずに始められるのが特徴で、モバイルアプリやテンプレートの更新も、ベンダーから受けられます。
ただし、導入しただけで現場に定着するとは限りません。入力項目や承認ルールを業務に合わせて整え、段階的に広げていく運用が必要です。
製品比較の共通の観点

自社の運用に合うかを見極めるには、機能一覧に加えて、業務範囲や料金を同じ条件で比べることが欠かせません。特に、入力から集計までの範囲と、モバイル・外部連携は、次の見出しで項目ごとに確かめます。
入力から集計・活用までのカバー範囲をそろえた比較
製品の標準機能は、入力・承認から集計・連携までの流れに沿って確かめます。
- テンプレート作成:日報フォームの形を用意できるか
- モバイル入力:現場から日報を入力できるか
- 上長の確認:コメントや承認に対応するか
- 集計・分析:レポートや集計の切り口を選べる範囲
- 外部連携:他システムと連携できるか
「集計機能あり」と書かれていても、固定レポートだけの場合と、担当者・期間・案件などの切り口で自由に集計できる場合があります。
自社の管理に使う切り口は、実際の案件で試すと判断しやすくなります。また、入力フォームを自社でどこまで変えられるかも、運用を始めてからの改善に関わります。
モバイル操作性と外部連携の確認
スマートフォンでの入力が難しいと提出が滞るおそれがあるため、通知や入力の簡略化、音声入力への対応を確かめておきます。
勤怠管理やSFA、カレンダーとの連携では、APIかCSVかに加えて、対象データと同期方法を比べることが大切です。
特に、直行直帰が多い業態では、電波が弱い場所でも入力を失わず再送できるかを試しておきます。詳しい評価の手順は、日報管理システムの選び方と選定ポイントでまとめています。
日報管理システムの主要クラウド製品7選
2026年7月時点で公式ページと対象業務を確認できた7製品を、それぞれ見ていきます。製品ごとに得意領域や料金が異なるため、掲載順は順位ではなく、課題と利用条件をそろえて比べるための並びとして見てください。
kintone(サイボウズ)
kintoneはサイボウズのノーコード業務アプリ基盤で、公式の用途一覧に「日報・報告書」があります。専門知識がなくても、現場の担当者が主導して入力フォームを作成・改善できます。
2026年7月時点の年額契約料金は、ライト月額1,000円、スタンダード月額1,800円、ワイド月額3,000円です。いずれも1ユーザーあたりの金額です。ただし、契約人数の下限やオプションで総額が変わるため、見積もり時に最新の条件を確かめます。
Mazrica Sales(旧Senses)
自社の営業管理に合うかは、機能と用途の両面から確かめます。
- 活動記録:訪問や商談をモバイルから入力し、顧客・案件・行動を管理できる機能
- 向く用途:案件進捗と行動記録をあわせて管理する業務
2026年7月時点の月額は、Starterが6,500円、Growthが12,500円、Unlimitedが18,500円です。いずれも1IDあたりの料金で、初期費用は無料です。ただし、最低契約ID数によって月額の総額が変わるため、確認が必要です。
GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)
この製品では、営業日報の入力支援と、活動履歴の管理範囲を確かめます。
- AI入力:商談内容や名刺情報を自動で入力し、日報入力の負荷を下げる機能
- 向く用途:商談状況や活動履歴を時系列で管理する業務
2026年7月時点の月額は、スタンダード3,450円、プロ9,000円、エンタープライズ12,000円、プレミアム32,000円です。いずれも1IDあたりの料金で、最低10IDが必要です。ただし、プランごとに機能の範囲が異なるため、必要な集計機能とAI機能を確かめておきます。
日報アプリgamba!
日報アプリgamba!は、投稿へのコメントやリアクションを備えた、社内SNSに近い日報専用のクラウドアプリです。案件管理よりも、日々の活動報告を通じたチーム内のコミュニケーションを重視する企業に合った製品です。
2026年7月時点の料金は、年払いで月額898円、月払いで月額1,078円です。1ユーザーあたりの単価は、最小5ユーザーから適用されます。さらに、15日間の無料トライアルもあります。
desknet’s NEO
desknet’s NEOはネオジャパンのグループウェアで、AppSuiteに「日報・月報」テンプレートがあります。全社の情報基盤に日報を組み込みたい企業が候補になります。
クラウド版とパッケージ版があり、2026年7月時点では公式サイトに具体的な金額が載っていません。そのため、料金はシミュレーションまたは個別見積もりで確かめます。
サイボウズOffice
サイボウズOfficeは、機能一覧に「報告書」があるグループウェアです。スケジュール共有や掲示板と一緒に日報を運用したい企業が候補になります。
2026年7月時点の年額契約単価は、スタンダード月額600円、プレミアム月額1,000円です。いずれも1ユーザーあたりの料金で、5ユーザーから利用できます。なお、カスタムアプリを使う場合は、プレミアムコースが対象です。
Knowledge Suite
Knowledge Suiteは、SFA・CRM・グループウェアを一体にした製品です。運営会社は、顧客管理から商談・案件・日報まで一つの基盤で扱えると説明しています。
営業管理と日報の運用をまとめたい企業が候補になります。2026年7月時点では、ユーザー数無制限の定額制で、月額55,000円からです。
利用人数が多い企業ほど、1人あたりの単価を抑えやすい料金体系です。
自社の課題別に候補を絞る方法
7製品を細部まで一度に比べるより、最も大きな課題を決めて必須要件で絞り込む方が効率的です。
課題によって、適した製品タイプは異なります。入力・共有の遅れや集計工数、交流の活性化を課題とする場合と、営業案件管理との一体運用を課題とする場合では、比べる製品が違います。
入力負荷と共有の遅れの解消
外出先から入力できずに提出が滞る場合や、上長のコメントがメールに埋もれる場合は、モバイルと交流機能を重視します。
そのうえで、gamba!のような専用アプリや、kintoneのようなノーコード型を優先候補にします。また、テンプレートを現場の担当者が改善できるかも確かめます。
案件管理・行動分析の一体運用
商談の進捗や受注確度を行動記録と合わせて分析したい場合は、Mazrica SalesやGENIEE SFA/CRMなどのSFA型を優先します。一方、すでにグループウェアを運用している企業は、既存の基盤に備わるサイボウズOfficeやdesknet’s NEOの報告書機能を生かせるかを先に確かめます。
営業管理も一体で行う場合は、Knowledge Suiteのような統合型も比較の対象になります。
料金・契約前の確認事項

人数が増えたり、オプションを付けたりすると、公開されている価格より費用が増えることがあります。そのため、月額だけでなく、導入準備や移行、教育、日常運用まで含めた総保有コストで判断します。
課金単位の確認
課金単位は、ユーザー数、ID、定額無制限など、製品によって異なります。そのため、見積もりを依頼する際は、現在の人数に加えて、1年後・3年後の想定人数を伝えます。
また、初期費用、最低契約人数、セキュリティやストレージ増設などのオプションも、同じ条件で確認します。公開されていない具体的な金額は、推測で埋めないようにします。
最低利用期間とデータ移行条件の契約書での確認
最低契約期間や途中解約の条件、Excelや旧システムからの移行支援は、契約前に確かめておきます。
解約時にデータを受け取れる形式も確認します。また、活動履歴を長期にわたって参照するため、将来の乗り換えに備えて、過去データを出せるかを契約前に質問しておきます。
デモとPoCによる製品の最終候補への絞り込み

資料での比較で2〜3製品に絞ったら、実際の入力条件でデモまたはPoCを行います。管理者だけでなく、日々入力する現場の担当者にも参加してもらうと、導入後の行き違いを減らせます。
入力から集計までを一連の流れで確認
テンプレートへの入力から上長のコメントや承認、集計・分析までを、実際に近い案件で確かめます。また、担当者には、スマートフォンの操作性や通知、集計の切り口の柔軟さを試してもらいます。
提出率と集計時間の実測と稟議での活用
PoCの前に、提出率や入力時間、集計時間を記録し、実施後の結果と比べます。
他社の公開事例はそのまま当てはめず、自社の人数と業務量に応じた削減見込みを算出します。また、現場の操作感も記録しておくと、稟議で定量と定性の両面から説明しやすくなります。
日報管理システムの製品比較で押さえておきたいポイント
無料版の有無やおすすめ順位だけでなく、運用規模と目的を同じ条件で比べます。
無料プランでの本格運用の難しさ
多くの製品に無料トライアルがあります。一方で、無制限に無料で利用を続けられる本格運用向けのプランは限られます。そのため、トライアル後の料金と、人数が増えた後の総額も比べます。
最優先課題に応じたおすすめ製品
おすすめ製品は、自社の最優先課題によって変わります。入力・共有、案件管理との一体運用、交流の活性化など、課題ごとに選びます。そのうえで、必須要件で2〜3製品に絞り、同じシナリオでデモかPoCを比べます。
3年間の総保有コストによる料金比較
同じ利用人数、想定案件数、連携条件を各社に伝え、3年程度の総保有コストを比べます。さらに、初期費用と月額費用に加えて、オプションやデータ移行、社内運用の費用も含めます。
まとめ
選定では、まずパッケージ型かクラウド型かを見極め、製品を共通の観点で比べます。見る観点は、入力から集計・活用までの範囲やモバイル対応、外部連携、料金体系です。さらに、7製品の型は、ノーコード型、SFA一体型、交流特化型のほか、グループウェア内包型と統合型に分かれます。
課題診断から2〜3製品への絞り込み
入力・共有の遅れや集計工数、案件管理との一体化、交流活性化のなかから、最優先課題を決めます。そのうえで、業務範囲やモバイル、連携、料金を同じ質問で比べると、知名度に左右されず候補を絞れます。
実際の担当者によるPoCでの確認
実際の担当者によるPoCでは、自社の業務で使えるかを試し、導入後の姿を確かめます。
- 業務の流れ:自社の日報を入力から集計・活用まで処理できるか
- 現場の操作性:実際に入力する担当者が操作しやすいか
- 導入効果:提出率や集計時間の変化
既製のクラウド製品で独自の承認フローや基幹連携を満たせない場合は、個別開発やハイブリッド構成も候補になります。また、riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、不足機能の整理や業務に合わせた構築を支援しています。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
