不具合管理システムの費用は、SaaSなら無料〜月額8万円程度、自社向け開発なら300万〜4,000万円超が目安です。金額を左右するのは、SaaSか自社開発かという方式と、管理する対象や連携先、権限・監査などの要件です。
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不具合管理システムの費用相場

費用は、既製サービスの月額料金と、導入・移行・連携にかかる初期費用の二つに分けて考えます。標準機能だけで始めるのか、既存業務までつなぐのかによって、予算は変わります。
SaaS・パッケージの料金相場
SaaSの料金は、試行段階で使うか複数チームで使うかによって大きく変わります。製品ごとに料金の決め方も異なるため、プランごとの金額を並べて確認します。
- SaaSの目安:試行段階は無料〜月額3万円、複数チームは月額1万〜8万円。
- Backlog:スターター2,700円、スタンダード16,000円、プレミアム27,000円、プラチナ75,000円(月額)。
- Lychee Redmine:無料プランは0円。スタンダード900円、プレミアム1,400円、ビジネス2,100円(1ユーザー月額、10ユーザー単位)。
- Lycheeの10ユーザー例:スタンダードはクラウド利用料込みで月額14,000円。
Backlogの各プランは税抜で、年払いにすると月払いより5%安くなります(出典: 株式会社ヌーラボ「Backlog料金プラン」、2026年8月確認)。また、Lychee Redmineでは2026年7月から、有料プラン共通のクラウド利用料が加わりました。
たとえば、Lycheeの10ユーザー例では、プラン料金9,000円と利用料5,000円が内訳になります(出典: 株式会社アジャイルウェア「Lychee Redmine料金プラン」、2026年8月確認)。
自社向け開発の料金相場
小規模なMVPから統制要件を含む大規模開発まで、機能の範囲によって費用は大きく変わります。その目安を、3段階に分けて示します。
- 小規模MVP:起票、検索、担当者、状態、通知、簡易集計で300万〜800万円。
- 中規模:複数部門、顧客ポータル、監視・テスト連携、権限監査、移行で800万〜2,000万円。
- 大規模:複数連携、冗長化、オンプレミス、24時間運用まで含むと、2,000万〜4,000万円超になる可能性があります。
この開発費は、類似業務システムの費用や月額単価80万〜120万円程度を参考にした推定です。なお、不具合管理専用の公開統計に基づく確定相場ではありません。
さらに、算出では開発期間の目安として、パッケージは数か月、スクラッチは半年〜1年以上を使っています。見積書では、金額に加えて人月と工程、連携・テスト・運用設計の範囲も確認します。
不具合管理システムの費用内訳

見積もりでは、ライセンスや開発費だけでなく、データ整備、既存業務との連携、クローズ条件の設計も確認します。画面以外の費用は見落とされやすいため、発注側も開発会社と一緒に洗い出しておく必要があります。
要件定義・運用設計にかかる費用
費用を左右する要件は、管理対象の範囲、状態設計、標準機能と個別対応の境界です。
- 管理対象:開発不具合、障害、問い合わせ、改善要望、脆弱性。
- 運用設計:重大度と緊急度の基準、未対応・調査中・修正中・テスト待ち・差し戻し・クローズの状態、SLA、エスカレーション。
- 費用範囲:標準機能を超える部門別の項目や承認経路があると、設定と権限設計の作業が増えます。
移行・権限・ワークフロー・教育・連携を含む初期設定・導入支援だけで、50万〜300万円程度になることがあります。この金額は公開定価ではなく、類似業務システムからの推定です。
データ移行・外部連携にかかる費用
移行と連携では、データの整え方と接続先の多さが費用を左右します。費用に関わる項目は、4つに分けて整理します。
- データ整備:重複、担当名の揺れ、古い課題、個人情報付き添付を整理。
- 移行範囲:CSVか項目変換・添付再配置かを決め、保存年数、完了課題の検索、不要ログ削除を選ぶ。
- 接続先・方式:Git、CI/CD、監視、メール、Slack・Teams、ヘルプデスク、テスト管理との接続方式。
- 自動起票:項目対応、重複防止、重大度、通知先の設計。
連携は、標準コネクタやWebhookで済む場合もあれば、API・ETLを個別に開発する場合もあります。連携が1〜2個であれば初期費用は抑えやすい一方、複数の環境や部門にまたがると、テストと保守の費用が増えます。
権限・監査・テストにかかる費用
不具合票には顧客情報や脆弱性情報が含まれることがあるため、権限・監査・脆弱性管理の要件を先に定めておく必要があります。
- 情報と権限:顧客情報、画面キャプチャ、ログ、ソースコード、脆弱性情報の閲覧権限を分け、顧客向けと開発者向けの情報も分離する。
- 認証・監査:SSO、多要素認証、IP制限、操作ログ、バックアップ、データ出力。
- 脆弱性対応:発見から開示までの責任者と証跡を限定し、通常の不具合とは別に扱う。
IPAの製品開発者向け・製品利用者向けガイド(2026年3月公開、同年6月更新)は、自社開発・委託開発を含むシステムやサービスの脆弱性対処を段階的に示しています(出典: IPA「製品開発者向け・製品利用者向けガイド」、2026年)。
テスト計画、権限レビュー、監査ログの確認まで要件に含めると、標準的なチケット管理より費用は上がります。一方で、後から作り直すリスクは抑えられます。
保守・教育を含むランニングコスト
運用方式によって、ランニングコストの中身は変わります。
- SaaSの運用費:月額・保守、利用者・容量・アプリ追加、API、バックアップ、監視、窓口、教育、ワークフロー見直し。
- 自社開発の運用費:障害、OS・ミドルウェア更新、脆弱性修正、ブラウザ対応、担当交代時の引き継ぎ。
導入時に安く見える方式でも、運用担当者を確保できない場合は、SaaSの導入支援を選んだほうが総額を抑えられることがあります。
比較するときは、初期費用だけでなく、3年間の総保有コスト(TCO)を試算します。たとえば、Backlogのスタンダードを月額16,000円で36か月使うと、ライセンスは57万6,000円(税抜)です。
さらに、移行・初期設定・教育・連携・追加アプリ・データ出力の費用も加えます。料金改定や利用者の増加を複数のパターンで見ておくと、SaaSと開発費を同じ条件で比べられます。
不具合管理システムの開発・導入の進め方

導入前には、チケットに集める情報、更新の担当者とタイミング、クローズ条件を決めておきます。そのうえで実データに近い課題で試してから本番に展開すると、費用と手戻りを抑えられます。
要件定義・企画フェーズで決める内容
企画では、管理対象と起票項目を決めます。そのうえで、対象範囲の確定から運用後の測定まで、要件定義と運用確認の流れに沿って固めます。
- 開発中のバグ、リリース後の障害、問い合わせ、改善要望、脆弱性の対象範囲を決める。
- 件名、再現手順、期待結果と実際結果、環境、OS・ブラウザ、版、ログを定義する。
- 影響範囲、重大度、優先度、担当者、期限を起票項目に含める。
- 代表的な不具合10〜20件を使い、入力しやすさと検索結果を確認する。
- 必須項目は原因分析と再現に必要な範囲に絞り、KPIを定める。
- 未解決件数、滞留日数、平均解決時間、再オープン率、重大障害の初動時間を測る。
入力項目が多すぎると、現場がメールやチャットに戻るおそれがあります。そのため、使う人が無理なく入力できる量に項目を整えます。
設定・設計・開発フェーズで作るもの
作る内容は方式によって異なります。SaaS・パッケージでは設定を、自社開発では設計を行います。
- SaaS・パッケージ:プロジェクト、権限、項目、状態遷移、通知、ダッシュボード、テンプレートを設定。
- 自社開発:課題データ、検索・一覧、添付、監査ログ、通知、API、管理画面を設計。
- 共通:標準機能と独自の承認・顧客ポータル・統制要件を分けて整理する。
連携では、Gitのプルリクエストから、CI/CDのテスト結果、監視アラートを経て、問い合わせフォームまでの情報の流れを整理します。
東急の導入事例では、Backlogを障害対応と不具合管理に使っています。重要な監視アラートを自動で起票し、メーリングリストに埋もれていた問い合わせや不具合を一か所に集めています(出典: 株式会社ヌーラボ「東急の導入事例」、2026年8月確認)。また、自動化では、重複起票と誤った重大度を防ぐルールも設計します。
テスト・リリース・定着フェーズでの確認事項
リリース前後には確認する項目が多く、導入期間も方式によって大きく違います。確認事項と期間の目安を、項目ごとにまとめます。
- テスト:起票からクローズまでの基本操作に加え、権限境界、通知遅延、添付ログ、検索性能、CSV、連携失敗、重複アラートを確認。
- 導入期間:SaaS標準設定は数日〜1か月、移行・SSO・連携込みは1〜3か月。
- 自社開発:要件定義、試作、開発、テスト、並行運用を含み、半年以上。
- 定着確認:一つのプロジェクトで試し、入力率や対応漏れなどを導入前と比較。
NTT DATAの品質保証事例では、機能のリスク評価に応じて、探索的テストとリスクベースドテストを組み合わせています(出典: NTT DATA「システムの特徴に応じた品質保証」、2026年8月確認)。
試験運用で平均解決時間と再オープン率を比べると、どの追加開発を先に進めるかを判断できます。
不具合管理システムの費用を抑えるポイント
費用を抑えるには、将来使わない機能や連携を初期費用に含めず、現場の入力負担と対応漏れを減らすことが出発点になります。そのうえで、運用を続けられる範囲で段階的に投資します。
標準機能での開始と追加開発の絞り込み
追加開発を抑えるには、まず標準機能で始める範囲を決めます。
- 起票・検索:課題を登録し、必要な情報を探せるようにする。
- 担当・期限・状態:対応責任と進捗の管理。
- 通知・簡易集計:更新の通知と、状況の把握。
Excel様式や部門別の承認フローを最初から再現すると、画面、権限、テスト、教育の作業が増えます。使い始めてから必要な項目を追加すれば、将来の更新費やベンダーロックインも抑えられます。
脆弱性や顧客情報の公開範囲、監査ログ、SSOなど、後から変えにくい統制要件は、初期設計の段階で確認しておきます。
個人情報保護委員会のガイドラインでは、委託先の安全管理措置や、再委託先での業務・データの扱いを確認し、必要に応じて監査することが示されています。参照先は、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」で、2026年8月に確認しました。
月額ではなく3年TCOでの比較
3年費用を比べる前に、利用人数やプロジェクト数、保存期間などの前提をそろえ、セキュリティ要件も同じにしておきます。また、3年費用に含める項目は、SaaS、パッケージ、自社開発で異なります。
- SaaS:月額・年額、追加ユーザー、容量、アプリ、導入支援。
- パッケージ・オンプレミス:ライセンス、サーバー、バックアップ、パッチ適用、監視。
- 自社開発:開発、保守、脆弱性対応、担当交代、追加機能、将来移行。
SaaSでは移行や教育も含め、パッケージでは障害対応の人件費も加えて比べます。
請負契約は要件変更のリスクを含み、準委任より1.3〜1.5倍程度高くなる傾向があるという一般的な目安もあります。契約範囲と責任分界を確認して比較します。
運用ルールと入力テンプレートの事前準備
入力、優先順位付け、定例確認に使う運用ルールを、先にそろえておきます。
- 入力テンプレート:再現、期待・実際結果、環境、影響、重大度、優先度、担当、期限。
- 対応記録:原因、修正コミット、テスト結果、リリース、再発防止。
- 定例確認:未対応件数、滞留、再オープン、原因・リリース別の偏り、同じ原因の再発。
重大度は影響の大きさ、優先度は対応の順番として定義しておきます。こうして分けておくと、緊急ではなくても重大な問題を見落としにくくなります。
KPIを見て通知量や必須項目、権限の細かさを調整すれば、追加開発を急がずに定着を進められます。
不具合管理システムの見積もりで確認すべき点
候補会社には同じ情報を渡し、見積もりの前提をそろえます。「不具合管理システム一式」の依頼では、移行やテストの有無が分からず、契約後の追加費用につながりやすいためです。
要件・データ・利用者数をまとめた資料
候補会社が同じ前提で見積もれるよう、要件メモには3つの観点で情報をまとめておきます。
- 利用・データ量:利用者と役割、プロジェクト数、月間件数、添付容量、保存期間。
- 既存環境:データ件数・形式、連携先、通知、権限、監査、SLA、希望納期。
- サンプルと業務範囲:例を匿名化し、障害と不具合を同じ流れにするか、顧客ポータルや脆弱性用権限を明記。
Excel、メール、問い合わせフォーム、監視アラートの例を渡すと、候補会社が実際の工数を見積もりやすくなります。
要件が曖昧なままだと、想定外の連携や承認、監査の要件が後から増え、追加開発や納期の延長につながります。
製品会社と開発会社の比較
発注先は、ツールを導入したいのか、品質プロセスを改善したいのかで適性が変わります。そのため、各社に確認する内容を分けて比較します。
- SaaS製品会社:標準機能、料金、更新、支援、データ出力、セキュリティ。
- 開発会社・SIer:要件定義、業務フロー、移行、連携、テスト、教育、保守。
同規模の事例や移行方法のほか、追加開発の単価、準委任・請負の条件も確認します。障害時の責任分界やSLA、保守時間も確かめます。
再委託先や、AI機能に入力したデータの扱いも質問しておきます。機能数や最低価格より、導入後の運用支援を見極めます。
追加費用と契約上のリスクの確認
見積書では、作業範囲に含まれるものと別料金になるものを分けて確認する必要があります。契約方式によって、確認すべき条件も変わります。
- 作業範囲:設定、設計、開発、移行、テスト、教育、リリース支援、保守と対象外作業。
- 追加費用:移行データの整理、添付、SSO、監視連携、アプリ、アクセスログ、性能テスト、受入テストの再実施。
- 請負:要件変更、検収、遅延、瑕疵対応、第三者サービス変更の条件。
- 準委任:月ごとの稼働範囲、成果物、レビュー方法、終了条件。
契約方式は、要件の確定度と自社のプロジェクト管理力に合わせて選びます。
不具合管理システムに関するよくある質問
料金表だけでは判断しにくい移行費や開発費、セキュリティ、導入期間について、質問ごとに答えます。
不具合管理システムは無料のSaaSで十分ですか?
少人数で、起票・担当・期限・状態の管理、検索、通知を使う程度なら、無料プランや月額数千円〜数万円のSaaSで始められる可能性があります。
顧客情報や脆弱性情報を扱う場合は、SSO・IP制限・監査ログ・データ保管・権限分離が必要になることがあります。その場合は、有料プランや導入支援が必要になることもあります。
自社開発にはどのくらいの期間がかかりますか?
起票・検索・担当・状態・通知・簡易集計に絞ったMVPは、2〜4か月程度が推定の目安です。複数部門や顧客ポータル、連携、移行、監査を含む中規模開発は、4〜8か月程度です。
期間は、要件定義やデータ品質、外部仕様、受入テストの範囲によって延びます。開発だけでなく、並行運用の期間も見積もっておきます。
不具合票に個人情報や脆弱性情報を記載しても安全ですか?
不具合票に記載する前に、画面キャプチャやログを匿名化します。そのうえで、閲覧権限、保存期間、エクスポートを確認します。バックアップや再委託先の扱いも確かめ、データ保管場所と漏えい時の連絡体制まで押さえておきます。
脆弱性は、通常の不具合とは別のプロジェクトや限定した権限で管理します。修正の確認と開示判断の証跡も残しておきます。
費用を抑えたい場合はSaaSと自社開発のどちらがよいですか?
標準的な流れで短期間に導入するなら、SaaSやパッケージが有力な選択肢になります。
独自の承認や顧客ポータル、厳格なデータ保管、既存基幹システムとの深い連携が成果に直結する場合は、自社開発も比べます。
自社開発では、保守やセキュリティ、将来の改修も必要になります。そのため、初期費用だけでなく3年TCOで判断します。
まとめ
SaaSなら無料〜月額8万円程度、自社向け開発なら小規模MVPで300万〜800万円程度が目安です。金額は要件や利用規模によるレンジであり、確定した金額ではありません。
見積もりでは、移行と連携の範囲を確認したうえで、権限と監査の要件を比べます。テストや教育、保守の費用も、同じ前提にそろえます。
初期費用と3年TCOを分けた費用判断
月額の安い製品でも、移行・追加アプリ・SSO・教育・支援を加えると総額が変わります。一方、自社開発にも保守・脆弱性対応・引き継ぎ・将来改修が必要です。
発注側は、同じ条件で3年間のTCOを計算し、候補ごとの費用と効果を比べます。
対象範囲と代表課題の整理と比較
導入方法を比べる前に、対象業務と判断材料を次のとおりそろえます。
- 対象範囲:開発中の不具合、運用障害、問い合わせ、改善要望、脆弱性から決める。
- 代表課題:10〜20件を匿名化し、サンプルにする。
- 導入条件:標準機能、追加開発、セキュリティ、移行の範囲の整理。
- 比較・相談:前提をそろえて複数社に相談し、導入方法と予算を判断する。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
