配車/物流管理システムのパッケージ/クラウド製品一覧

配車/物流管理システムは、配車計画の自動化、基幹業務との連携、配送ルート最適化のどれを重視するかで、適した製品が変わります。

確認できるクラウド製品は6つあり、パッケージ型との違いや課題別の選び方とあわせて取り上げます。各テーマの詳細は、下のリンクにある関連記事やホワイトペーパーで確認できます。

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・配車/物流管理システム開発の完全ガイド

パッケージ型とクラウド型配車/物流管理システムの違い

パッケージ型は、自社サーバーへの導入や個別構築を含めた広い意味で使われる言葉です。一方、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式です。

現在、具体的な配車/物流管理製品として比べやすいのはクラウド型が中心です。そのため、この記事も確認可能なSaaSを対象にしています。

パッケージ型の自社運用と個別要件への対応

従来型のパッケージは、配車管理ソフトを買い切りで導入し、自社サーバーで運用する形が一般的です。そのぶん、自社固有の運賃計算ルールや基幹システムとの深い連携に対応しやすい可能性があります。

一方で、サーバー監視やバックアップ、更新を自社で担う範囲が大きくなります。2024年問題のような法改正にも追随する必要があるため、改修を続ける体制と費用を確認します。

クラウド型の短期導入と法改正への追随

クラウド型は、サーバーを調達せずに始めやすく、ベンダーによる機能や地図・交通情報の更新を受けられます。

トラックドライバーの時間外労働の上限規制のように法改正の影響を受けやすい拘束時間管理は、クラウド型では標準機能が更新されやすい傾向です。

導入するだけで法令順守が保証されるわけではありません。自社の勤怠ルールや承認フローを、システムのワークフローに反映する必要があります。

ポイント

自社サーバーで運用するか、ベンダーに運用を任せるかは、保守や法改正への改修を社内で続けられるかで判断します。判断に迷うときは、運用を担う範囲を先に書き出すと整理しやすくなります。

製品を比較するときの共通軸

候補製品を比較する4つの共通軸をカードで示した図解。
同じ軸を使うと、候補ごとの回答を並べて確認できます。

自社業務への適合は、製品ページの機能一覧より、実際の業務の流れに当てはめて判断します。

そのうえで、同じ質問を候補すべてに当てて比べます。質問は、業務範囲や拠点間共有を軸に、法令対応や料金体系も含めて組み立てます。

受注から実績登録までのカバー範囲の比較

受注取込から実績登録までの各工程のうち、標準機能がどこまで対応するかを確認します。「配車計画対応」と書かれていても、手動作成とAIによる複数案の自動算出では作業量が異なります。

発注側は、自社の車両台数や拠点数、荷物の制約条件を使い、実際の案件を通すと判断しやすくなります。

ドライバー側の操作性、拠点間共有、セキュリティの確認

管理画面が使いやすくても、運行指示の確認や日報入力が難しければ、問い合わせが増えます。そこで、スマートフォン対応や通知方法、拠点間での車両・荷物情報の共有を確認します。

連携面では、基幹システムやWMSとのAPI・CSV連携を確認します。そのうえで、拠点別の権限や操作ログを見て、データ出力や解約時の返却条件も比べます。詳しくは、配車/物流管理システムの選定ポイント・選び方・種類をご覧ください。

ポイント

候補を比べるときは、機能の数より、自社の受注から実績登録までの業務を通せるかを基準にすると迷いにくくなります。同じ質問を全候補に当てると、比較条件もそろいます。

配車/物流管理システムの主要クラウド製品6選

2026年7月時点で、現行の公式ページと対象業務を確認できた6製品を取り上げます。掲載順は、順位を示すものではありません。

製品ごとに得意業務や料金体系が異なるため、自社の課題と利用条件をそろえて比較します。

LYNA 自動配車クラウド(株式会社ライナロジクス)

「LYNA 自動配車クラウド」は、独自AIを使う完全クラウド型の自動配車システムです。

  • 配車機能:AI「ライナメタヒューリスティクス」で、積載率最適化と配送ルート計画を行います
  • データ共有:複数拠点間でデータを相互に扱えます
  • 導入業種:一般貨物輸送、食品物流、LPガス配送、リサイクル、医療検体配送などの現場で導入されています
  • 導入実績:2026年7月時点の公式サイトによると、累計1,000事業所以上の実績があるとされています
  • 料金・トライアル:基本価格は月額60,000円から。拠点数・車両台数・利用人数で変動し、30日間の無料トライアルもあります

一番星 クラウド配車(システムギア株式会社)

「一番星 クラウド配車」は、運送業界向けのクラウド型配車管理システムです。

  • 配車操作:ドラッグ&ドロップに対応し、乗務員基準と運行基準の2つの画面があります
  • 管理機能:事業所や部署ごとのグループ管理に加え、点呼・休憩状況をリアルタイムで確認できます
  • 基幹システム連携:「一番星運送業システムVer.8」とつなぐと、受注から請求、給与計算までを一体で扱えます
  • 料金:2026年7月時点の公式サイトには月額12,000円からと記載。プラン内容は見積時に確認が必要です

TUMIX配車計画(株式会社TUMIX)

鈴与グループの株式会社TUMIXが提供する、中小運送会社向けの運送業専用クラウドです。

  • 連動する業務:配車から請求・支払明細、依頼書・受領書などの帳票までがつながります
  • 乗務員アプリ:運転日報を自動作成できます
  • ID料金:2026年7月時点の公式サイトでは、配車係用は月額16,800円、事務員用は月額3,000円です
  • アプリ料金:乗務員向けスマホアプリは月額700円/人、最低7,000円です
  • 契約条件:2ID目以降の割引があり、初期費用は別途必要です

ハコベル 配車計画(ハコベル株式会社)

「ハコベル 配車計画」は、配車計画業務を半自動化するサービスです。

  • 自動算出:AIが、必要な輸送モードやチャーター台数を求めます
  • 制約条件:営業時間や車格制限などの軒先条件、路線会社の集荷重量制限に対応します
  • 車両・導入例:固定車両や自社車両も考慮でき、日本ロジテム株式会社の導入事例があります
  • 料金:月間出荷件数や卸先数などによる個別見積もりです。2026年7月時点で公式サイトに具体額はありません

Loogia(株式会社オプティマインド)

「Loogia(ルージア)」は、ラストワンマイル配送向けのAIルート最適化クラウドです。走行実績を学習した自動ルート計算に加え、リアルタイムの車両動態管理にも対応します。

物流コンサルティングも組み合わせて提供しており、郵便、食品製造、商社など、業種を問わない導入事例が紹介されています。

料金は拠点数と車両台数に応じた月額制で、初回契約は3カ月単位です。4カ月目以降は1カ月単位でも契約できます。ただし、具体額は2026年7月時点の公式サイトに記載がなく、個別見積もりになります。

車楽クラウド(株式会社オーユーシステム)

「車楽クラウド」は、運送業向けのクラウド基幹システムです。

  • 管理機能:配車・車両・運行管理を中心とした機能を備えます。配車登録や運転日報に加え、修理・入金伝票、経費管理、収支実績表も扱えます
  • 動態管理と実績:デジタコ連携に対応しています。2026年7月時点の公式サイトによると、1,000社以上の導入実績があるとされています
  • プラン・料金:Basic・Standard・Premiumの3プランです。価格は公式サイトに記載がなく、プラン内容とあわせて見積時に確認が必要です

自社の課題別に候補を絞る方法

最優先課題を中心に、配車表の属人化・積載効率など4つの課題を放射状に並べた図解。
まず課題を一つ定めると、比較する製品の方向が見えてきます。

6製品を一度に細かく比べるより、最も大きな課題を決めて必須要件で絞るほうが効率的です。また、課題によって適した製品タイプも異なります。

配車計画の属人化・積載効率を改善したい場合

配車表を特定の担当者に頼っていて、積載計画も手作業なら、AI自動配車と積載シミュレーションに強い製品が候補になります。

  • LYNA自動配車クラウド:積載率最適化と配車計画を重視する場合
  • Loogia:ラストワンマイルのルート最適化を重視する場合

複数拠点でチャーター便を多く使う企業は、輸送モードやチャーター台数を算出するハコベル配車計画も比較対象です。既存の基幹システムを残して配車だけを効率化したい場合は、配車特化型サービスが合う傾向です。

受注から請求・給与計算まで一体で管理したい場合

請求書発行や給与計算まで紙・Excelから移行したい中小運送会社では、一番星クラウド配車やTUMIX配車計画が候補です。

発注側は、既存帳票に近い形で運用できるか、乗務員向けアプリを使いやすいかを、実画面で確認します。

ポイント

最も大きな課題が配車表の属人化や積載効率なら、AI自動配車に強い製品から候補を絞るのが目安です。複数拠点の共有や基幹業務との一体化が課題なら、基幹連携を重視する製品から見ると進めやすくなります。

料金・契約前の確認事項

車両台数の増加や拠点追加、地図・交通情報APIの利用で、運用費が膨らむことがあります。そのため、判断する際は、月額費用だけでなく、導入準備、教育、日常運用も含めて見ます。さらに、将来の解約やデータ移行まで含めた総保有コストを確認します。

課金単位の確認

課金単位は製品ごとに異なり、車両台数や利用ID数、拠点数、機能単位などが対象になります。たとえば、LYNAは拠点数・車両台数・利用人数に応じた月額制です。

一方、TUMIXは配車係、事務員、乗務員アプリごとのID課金です。一番星は月額基本料からのプラン制です。

現在の車両台数だけでなく、1年後や3年後の車両台数も伝えておきます。そのうえで、初期費用や最低利用期間、API利用料を含め、導入支援やサポート費も同じ条件で見積もります。

契約書で確認するデータ保持・法令対応・解約条件

クラウドサービスでは、配車実績やドライバーの拘束時間データ、荷主・取引先情報を扱うため、契約書で扱い方を確かめておく必要があります。

  • 情報保護:権限管理や操作ログ、通信・保存時の保護、障害時の復旧、データ保管場所を確認します
  • 解約時のデータ:解約時に受け取れるデータの出力形式を確認します
  • 法令対応:トラックドライバーの時間外労働の上限規制など、法改正の取り扱い方針を確認します
  • 標準機能:ベンダーが法改正にどこまで追随するか、契約前に確認します
  • 追加費用:契約前に確認すると、導入後の想定外の出費を避けられます

ポイント

月額費用だけで比べると、データ移行や解約時の費用が後から効いてきます。各社の見積もりは、車両台数を1年後・3年後の見込みで揃え、初期費用や最低利用期間を含めて同じ条件で依頼することが目安です。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

1日分の配車業務を、受注データの取り込みから実績登録まで4段階で示したフロー図。
例外処理も各工程に通すと、引き継ぎ箇所を確かめられます。

資料比較で2〜3製品に絞ったら、実際の配車条件でデモまたはPoCを行います。その際、配車担当者やドライバー、情報システム部門のほか、可能なら荷主側の担当者も参加します。関係者が加わっておくと、導入後の行き違いを減らせます。

1日分の配車業務を通したテスト

まず、受注データの取り込みから配車計画、運行指示、実績登録までを確認します。そのうえで、実在に近い1日分のデータを使い、正常系だけでなく例外処理も試します。

  • 急な欠車:発生した場合の再配車を試します
  • 積付制約:積み付けの条件が反映されるかを見ます
  • 拠点間共有:車両融通を試します

ドライバー役にも運行指示アプリを操作してもらい、説明なしで使えるかを確認します。そうすると、導入後のマニュアルや問い合わせ窓口に必要な準備が分かります。

導入効果の実測と稟議への活用

PoCの前に各項目を記録しておき、PoC後と比べます。

  • 配車表作成:配車表を組み立てるのにかかる時間
  • 積載効率:車両ごとの積載率
  • 拠点間の空車:どの拠点で、どの程度発生しているか
  • 急な欠車:発生時の対応時間

他社事例の効果は参考にとどめ、自社の車両台数や配送条件をもとに削減見込みを算出します。クラウド製品でも、アカウント管理や地図・交通情報API、問い合わせ対応の運用工数は残ります。そのため、これらの工数を差し引いて投資効果を判断します。

配車/物流管理システムの製品比較で押さえておきたいポイント

製品一覧から候補を選ぶ際は、車両台数と拠点構成をそろえて比べます。おすすめ順位は参考にとどめます。買い切り型が要るかどうかや料金も、選定を左右します。

買い切り型が必要な場合の個別開発の比較

具体的な機能や料金を確認しやすい製品は、現在クラウド型が中心です。一方、自社サーバー運用や独自の運賃計算が欠かせない場合は、業務要件を整理して個別開発も比べます。

クラウドサービスと基幹システムを組み合わせるハイブリッド構成も比較対象になります。

最優先課題に合わせた製品の決め方

企業ごとに最優先課題が異なるため、最適な製品も変わります。全企業に共通する1位の製品はありません。属人化の解消や積載効率、基幹業務との一体化、ラストワンマイル最適化など、課題に合う製品が候補になります。

発注側は、必須要件から2〜3製品に絞り、同じ受注データを使ったデモまたはPoCで比べます。

複数年の総保有コストによる料金比較

発注側は、同じ条件を各社に提示し、複数年程度の総保有コストで比べます。具体的には、車両台数や拠点数、利用ID数、連携条件を含めます。

初期費用と月額費用に加え、地図・交通情報API、データ移行、サポート費も含めます。さらに、解約時のデータ出力にかかる費用も忘れずに含めてください。

まとめ

買い切り型を無理に探すより、継続して更新されるクラウド型を課題と運用に合わせて比べるのが現実的です。取り上げた6製品には、自動配車、基幹業務との一体化、ラストワンマイル最適化などの違いがあります。

課題診断から2〜3製品への絞り込み

まず、属人化、積載効率、複数拠点管理、急な欠車対応のうちから最優先課題を決めます。次に、候補を同じ質問で比べ、業務範囲や拠点間共有、操作性を確かめます。法令対応と料金も、同じ条件で比べます。

広告的な順位より、課題と要件を基準にすると、合う候補を絞り込めます。

実案件のPoCによる最終確認

製品選定では、実案件での確認を判断材料にし、資料上の機能数は参考に留めます。

  1. 自社の受注から実績登録までを一貫して処理できるかを確認します。
  2. ドライバーを含む関係者で例外処理を試し、現場で使えるかを見ます。
  3. 削減時間と残る運用工数を測ったうえで、導入の可否を決めます。

既製クラウドで独自の積付制約や取引先別のEDI連携を吸収できない場合、個別開発やハイブリッド構成も検討します。

riplaはフルスクラッチ開発の立場から、製品比較で明らかになった不足機能を整理します。自社業務に合わせたシステム構築も支援しています。

選定の観点をさらに詳しく知りたい場合は、配車/物流管理システムの選定ポイント・選び方・種類もご覧ください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。