DtoC通販/ECサイトの必要機能や標準機能の一覧について

必要な機能を一覧にすると、DtoC ECはフロント、バックオフィス、CRM・定期購入、外部連携の4つに分かれます。DtoCは中間流通を介さず、ブランドが直接顧客へ販売するモデルです。楽天やAmazonに出すBtoC型ECとは、必要な機能の優先順位がまったく異なります。だからこそ、汎用的な「ECの標準機能一覧」をなぞるだけでは不十分で、DtoC固有の必須機能を見極めることが成否を分けます。

自社に必要な機能と独自開発の判断軸は、DtoC・D2C ECの完全ガイドとあわせて確認できます。

ブランド世界観を表現するフロント機能

DtoCのフロント機能は、商品を並べるカタログの役割を超えて、ブランドを語る場です。店頭の販売員の役目を、サイトそのものが担います。そのため、カート・決済といった汎用機能に加えて、ブランドの世界観を伝え、顧客の心を動かすフロント機能が必要になります。フロント機能は、購入の意思決定を左右する部分でもあります。

世界観を伝えるコンテンツ・LP機能

DtoCのフロント機能では、ブランドへの共感と購入のしやすさを両立させることが求められます。

  • ブランドストーリー:思想や商品の背景を伝える特集ページ
  • 使い方の記事:商品の用途やこだわりを、コンテンツで説明する
  • 世界観の表現:統一したビジュアルをトップページで見せる
  • フォーム一体型LP:ページ移動を抑えて、広告流入から購入まで案内する

「このブランドだから買う」という指名買いには、表現力が欠かせません。なお、ささげ(撮影・採寸・原稿)は1点500円〜2,000円、撮影は約1,500円/点が相場です。

フォーム一体型LPは、汎用カートに標準で備わっていないことが多いため、定期通販では専用カートや独自開発で実装します。

カート・決済・会員の標準フロント機能

カート、決済、会員などの基本機能が、購入を完了させ、会員との関係を育てて継続購入につなげます。

  • カート:複数商品の購入、数量変更、定期と都度の選択に対応
  • 決済:クレジットカード、コンビニ払い、後払い、スマホ決済を揃える
  • 会員:登録、ログイン、購入履歴、お気に入りを利用できるようにする
  • 継続購入:会員ランクや特典で再購入を促す

決済手数料の目安は3〜5%で、0.5%の差でも月商1,000万円規模では年約60万円の利益差になるとされています。さらに、自社サイトの会員データは、後述するCRMで活用する一次データの源泉です。

ポイント

フロント機能は、ブランドへの共感と購入のしやすさを両立できるかを基準に選びます。指名買いを狙うなら、撮影や原稿などの表現にも費用をかける必要があります。

注文・在庫・顧客を扱うバックオフィス機能

注文管理、在庫管理、顧客管理、商品管理の4機能を並べたバックオフィスの図解。
受注後の仕事は、4つの管理機能に分かれています。

フロントが集客と購入を担うのに対し、バックオフィス機能は、注文管理・在庫管理・顧客管理・商品管理の4つの機能群で受注後の業務を支えます。これらの機能が弱いと、売れるほど出荷ミスや在庫の食い違いが増え、運用が崩れてしまいます。

DtoCは直販のため、受注から出荷、顧客対応までを自社で回す必要があります。そのため、バックオフィスの作り込みが事業のスケールを左右します。

受注・在庫管理と定期注文の扱い

受注後の作業と定期注文は、注文数の増加に合わせて管理できるようにしておきます。

  • 受注管理:注文確認、出荷指示、配送状況の更新、キャンセルへの対応
  • 定期注文:次回お届け日、スキップ、数量変更、休止、解約の管理
  • 在庫管理:定期分の引き当てを考慮し、欠品を防ぐ
  • 省力化の判断:システム化する業務と、人手・外注に頼る業務の切り分け

定期注文の自動生成は、注文件数が増えたときの人的ミスを抑えます。なお、相場は配送・梱包が1件あたり400〜2,500円、ささげやデータ登録が1点500円〜2,000円です。さらに、受注処理を1件あたり数分短縮しても、月数百件・数千件あれば年間の工数削減につながります。

分析・レポート機能とデータの見える化

直販データを利益につなげるには、見る指標と判断に使う比率を先に決めておきます。

  • 販売状況:売上、受注数、リピート率、定期継続率の確認
  • 獲得効率:広告チャネル別ROIと顧客のLTVを比較する
  • 顧客動向:初回購入から離脱までの日数を把握する
  • 採算性:LTVとCACの比率を継続的にモニタリングする

GA4などの計測基盤の構築は5〜20万円、SEOの初期設計は10〜30万円が目安です。また、新規獲得コスト(CAC)は既存顧客の維持コストの5倍高く、LTV:CAC=3:1以上が健全な目安とされています。

ポイント

バックオフィス機能は、注文・在庫・顧客の管理が売上の増加に追いつくかどうかで判断します。定期分の引き当てを含め、欠品と出荷ミスが増えない形で回るかを、事業の拡大前に確かめておきます。

LTVを伸ばすCRM・定期購入の固有機能

CRMを中心に、シナリオ配信、タイミング調整、顧客分類、施策の出し分けを示す図解。
顧客の状態や購入時期に合わせて、案内の内容を変えられます。

DtoCを汎用ECから分ける固有機能は、CRM(顧客関係管理)と定期購入(サブスク)です。どちらも直販データを使って繰り返し買ってもらい、LTVを最大化するための中心となります。汎用ECの標準機能では足りなくなり、専用カートや独自開発に踏み切るブランドが多いのも、この領域です。

ステップメール自動化とCRM機能

CRM機能は、顧客の状態に合わせた接点を自動で届け、継続購入を支えます。

  • シナリオ配信:購入や会員登録をきっかけとした、メールの自動送信
  • タイミング調整:初回購入の翌日、1週間後、定期2回目などの案内
  • 顧客分類:購入回数、購入金額、最終購入日によるセグメント分け
  • 施策の出し分け:優良顧客には先行販売、離脱懸念層には特典を案内

こうした自動化は、解約を防ぎ、リピートとファン化を促します。ただし、汎用ECでは簡易配信にとどまることが多く、本格的な設計には専用ツールや独自開発が必要になります。また、既存顧客の継続率を1%上げる効果が、新規広告より大きい場合もあります。

定期購入と専用カートの必須機能

定期購入では、継続購入の条件を顧客と事業側の双方で扱える機能を選びます。

  • 購入条件:初回割引、回数縛り、お届け周期の設定
  • 変更手続き:スキップ、休止、解約を顧客が行えるようにする
  • 顧客特典:定期会員向けの特典の付与
  • 実装方式:専用カートと独自開発を、商品・ブランド要件で比べる

専用カートは、フォーム一体型LPやステップメール、広告別ROI・LTV分析を備えており、初期5〜15万円・月額約49,800円〜が相場です。一方で、イージーマイショップは月5,550円〜とされています。

会員ランクや既存システム連携のような固有の要件があれば、独自開発も選択肢に入ります。riplaはフルスクラッチ受託と国内開発の立場から、定期購入・CRM機能の実装を得意としています。

ポイント

CRMと定期購入は、直販データで繰り返し買ってもらえる仕組みになるかで判断します。専用カートで足りない固有要件があれば、独自開発も選択肢に入ります。

SNS・基幹システムと連携する外部連携機能

SNSから自社サイトの会員化を経て、基幹や分析基盤へつながる流れの図解。
顧客との接点から得たデータが、社内の仕組みへ渡ります。

DtoC ECは単独では完結せず、SNSや物流、基幹システムと連携して初めて力を発揮します。とりわけDtoCでは、SNSで認知を得て、自社サイトで会員にし、データを基幹や分析基盤へ流す循環を作ります。そのため、外部連携機能の設計が事業全体の効率を左右します。

SNS・コンテンツ連携とコミュニティ機能

SNSの機能は、顧客を自社サイトへつなぎ、会員との関係を育てます。

  • SNS導線:Instagramやショート動画から商品ページへの誘導
  • 会員化:ソーシャルログインで自社サイトへの登録につなげる
  • UGC活用:ユーザー投稿をサイトに表示して顧客の声を伝える
  • ファン交流:会員限定配信、交流の場、先行案内の提供

SNSは仕様変更でリーチが減る可能性があるため、会員やメールなど自社の資産へ顧客を移す導線を、あらかじめ設けておく必要があります。また、ファンコミュニティは帰属感を育て、離脱を防ぎます。既存ファンの紹介は、CACを抑える獲得経路となり、LTVの向上にもつながります。

物流・基幹システムとの連携機能

注文量が増えるにつれて、物流や基幹システムとの連携を段階的に進めます。

  • 連携先:物流倉庫(WMS)、在庫、会計などの基幹システムの確認
  • 自動化:受注データをシステム間で連携し、転記負荷とミスを抑える
  • 導入時期:年商フェーズと手作業の限界から、投資時期を決める
  • 拡張方法:標準機能や専用カートから始め、必要に応じて連携を追加

一次データでは、規模が拡大したときにERP・在庫・物流とリアルタイムで連携することが、売り越しや欠品の防止に不可欠とされています。また、年商3億円以上では、基幹システム連携に800万円〜を投資するのが目安です。

riplaは、既存の基幹システムや物流に合わせた連携機能を支援しています。

ポイント

外部連携は、SNSや物流、基幹システムとの連携が、データの循環と手作業の削減につながるかで判断します。導入時期は、年商フェーズと手作業の限界を見て決めます。

まとめ

ここまで見てきた機能は、フロント、バックオフィス、CRM・定期購入、外部連携の4層に分かれます。汎用ECの標準機能を土台にしつつ、「データを握りファンを育てる」DtoC固有の機能を独自に作り込むことが、繰り返し購入によるLTV最大化に直結します。とりわけ、一次データを取得・分析・活用するデータ循環の機能が、DtoCの利益の中核となります。

機能の数を揃えるより、必要な機能を適切なタイミングで導入することが成功の条件です。具体的には、自社ブランドの戦略と年商フェーズに合わせて、標準ツール、専用カート、独自開発を使い分けます。

riplaは、フルスクラッチ受託と国内開発を組み合わせ、ブランドの世界観とデータ活用を両立させるDtoC ECの機能設計・実装を、一貫して支援します。全体像を確認するには、完全ガイドをご活用ください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。