EC受注管理システムの開発は、要件整理から運用改善まで、6つのフェーズを順に進みます。この順番を守ると、在庫ずれや二重出荷を抑えられます。
システムの全体像については、完全ガイドもあわせてご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・EC・通販業向けEC受注管理システム開発の完全ガイド
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EC・通販業向けEC受注管理システムの全体像

EC受注管理システムは、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピング、自社EC、Shopifyなどの注文を取り込みます。受注確認から出荷、顧客通知、返品・返金までを管理する、バックオフィスの基盤です。
2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円で、前年比5.1%増となっています(出典: 経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」、2025年)。販路が増えるほど、チャネル間の在庫ずれや手作業の重複を抑える仕組みが欠かせません。
OMSとWMSの違いと一体化の範囲
OMSはOrder Management Systemの略で、注文受付と支払い確認を担います。そのうえで、在庫引当やステータス更新、顧客通知も扱います。
一方で、WMSはWarehouse Management Systemの略で、倉庫内のロケーションやピッキング、検品を管理します。さらに、梱包や出荷実績までを担います。
注文情報をOMSに集めても、倉庫への出荷指示や実績の戻し方が曖昧なままだと、Excelやメールでのやり取りが残ります。そこで、自社倉庫ならWMSとの連携を、物流代行なら受注から出荷実績まで、どこまでを誰が受け持つかを要件に含めます。
受注管理に必要な機能
受注管理に必要な機能は、注文から出荷・返品までの処理と、例外注文を適切に扱うための機能です。
- 注文・在庫:注文取込、ステータス管理、決済確認、在庫引当。
- 出荷・返品:出荷指示、送り状・納品書、出荷結果、キャンセル、返品、返金の処理。
- 管理・監査:権限管理と操作ログを設け、処理履歴を確認できるようにします。
- 例外条件:定期購入、予約、ギフト、複数配送先、温度帯、同梱不可、配送日時指定への対応。
まず実際の注文を「通常」「保留」「手動確認」に分けます。そのうえで、どの条件で誰が処理するかを、画面とデータの両面から確かめます。
SaaS・パッケージ・スクラッチの使い分け
標準業務を短期間で整えたい企業には、SaaSが候補になります。既存業務とのずれが限られ、拡張性も求める企業には、パッケージが合います。独自の引当や価格、物流の仕組み、会計連携が競争力になる企業には、個別開発が候補になります。
SaaSは更新や障害対応を自社で抱えにくい一方、標準仕様に業務を合わせる必要があります。スクラッチは自由度が高い反面、保守やセキュリティ更新、連携先の変更への対応も自社の責任になります。そのため、差別化に直結しない業務は標準化する考え方が安全です。
EC・通販業向けEC受注管理システム開発の進め方

開発は、受注・在庫・出荷の業務を組み直し、データを正しく渡せるようにするプロジェクトです。製品の契約と設定は、その一部にあたります。6つのフェーズを、この順番で進めます。
選定の前からテストデータを用意し、稼働後の運用責任者を決めておくと、手戻りを減らせます。また、通常注文が流れただけで成功と判定しないことも大切です。
フェーズ1:要件整理と現行業務・例外注文の洗い出し
要件整理では、業務量と連携先を把握し、今の作業の流れを一覧にします。業務量から手作業までをそろえておくと、必要な機能と移行範囲を決めやすくなります。
- 業務量:月間平均・繁忙期の受注件数、店舗数、SKU数、倉庫数、出荷締め時刻、担当者数。
- 連携先:楽天市場やAmazonなどのモール、自社EC、定期購入サービス、決済、送り状、WMS、販売管理・会計。
- 現行作業:注文取込、入金確認、不正・保留判定、在庫引当、出荷指示、顧客通知、返品・返金。
- 手作業:担当者が開く画面の回数や、CSVを加工する回数。
成果物は、業務フローとデータ項目一覧、例外ケース一覧です。KPIとMust・Wantの優先順位も、成果物に含めます。
Mustには、受注取込と在庫同期を入れます。また、出荷と返品、権限と監査ログもMustに含めます。
AIによる問い合わせ要約や高度な分析は、Wantに分けます。担当者が、どの注文が自動で進み、どの注文が保留になるかを説明できれば、要件整理は完了です。
フェーズ2:製品・開発会社の選定と連携範囲の比較
候補選びでは、機能数や導入社数より、自社の代表的な注文が最後まで流れるかを比べます。そのため、各社に同じ条件を示し、注文取込から出荷実績までの処理を実演してもらいます。
- 連携条件:対応チャネル、API・CSV・Webhookの方式、取込頻度、失敗時の再実行。
- 業務条件:在庫引当の優先順位、定期便・予約・ギフト・返品、WMS・基幹連携。
- 契約条件:移行対象、SLA、サポート時間、追加開発の単価。
- 実演内容:同じサンプル注文を使い、取込から出荷実績の反映までを確かめます。
OMSとWMSを一体化する製品を選ぶと、受注管理と倉庫管理の境界を一度に見直せます。
たとえば、LOGILESSは公式サイトで、2026年4月末時点の導入社数1,700社、自動出荷率90%以上、年間4,000万件以上の受注・出荷を掲げています(出典: 株式会社ロジレス公式サービス情報、2026年)。
これらの数値は、導入を決める根拠そのものではありません。自社の規模や自動化率の目標と比べる材料として使います。
フェーズ3:設計・開発でのIDとステータスの決め方
設計では、データごとにどのシステムの情報を正とするかを決めます。モールの商品コードと倉庫のSKUが異なる場合は、対応をつなぐ変換テーブルと、その変更を管理する担当者が必要です。
- 対象ID:注文ID、明細ID、商品ID、SKU、顧客ID、配送先。
- 業務状態:在庫ロケーション、決済状態、出荷状態の管理。
- 注文ステータス:受付、入金待ち、出荷待ち、出荷済み、完了、キャンセル、返品、返金の各状態に整理します。
チャネルごとの呼び方を、そのまま混在させないよう統一しておきます。連携では、APIの送受信項目と失敗時の再試行を決めます。さらに、重複取込を防ぐ冪等性や、タイムアウト時の確認方法まで定義します。
売り越しの影響が大きい在庫や決済結果は、リアルタイム連携が必要です。一方、分析用データは一定間隔のバッチでも運用できます。
すべてをリアルタイムにすると、費用と障害時の複雑さが増します。そこで、業務への影響を基準に優先順位を付けます。
フェーズ4:実データに近い条件での通常注文と異常系のテスト
テストでは、正常な処理だけでなく、例外注文と障害時の動きも確かめます。期待する結果には、注文ステータスと在庫数、顧客メールと送り状を含めます。さらに、倉庫指示と外部チャネルへの反映も書いておきます。
- テストの種類:単体、連携、業務シナリオ、負荷、権限・セキュリティ、受入テスト。
- 注文の例外:決済失敗、住所不備、在庫不足、同梱不可、予約と通常商品の混在。
- 注文後の変更:定期便の次回注文、配送先変更、キャンセル後の再注文、返品・交換・返金。
- 障害・負荷:繁忙期の集中、API停止、CSV欠損、注文再送、出荷結果の遅延。
負荷試験では、平均件数だけでなく、セール開始直後やテレビ・SNSで紹介された直後の集中も再現します。また、障害時の復旧手順も文書にしておきます。
担当者が再取込しても二重出荷にならないことまで確かめられれば、本番移行のリスクを大きく下げられます。
フェーズ5:段階移行と照合期間の設定
段階移行では、一つのチャネルや限られたSKU、少数の倉庫から稼働させると安全です。移行前に、商品と顧客のデータ、在庫、未出荷注文を抽出し、旧システムと新システムの間で照合します。
- 照合項目:件数、金額、SKU、配送先、在庫数。
- 切替範囲:注文取込を止める時刻、旧システムと新システムで処理する範囲。
- 切り戻し:問題が起きた場合に戻す条件を、事前に決めておくこと。
稼働直後は、少なくとも数営業日のハイパーケア期間を設けます。その間は、注文件数と保留件数、在庫差異を日次で確認します。出荷遅延と問い合わせ件数も、あわせて見ます。
長期間の二重運用は入力が分かれるため、照合期間と終了条件を明確にします。受注から出荷実績まで正しくつながり、担当者が例外を処理できれば、切替を判定できます。
フェーズ6:KPIと運用ルールによる定着と改善
導入効果は、受注件数だけでなく、導入前後のKPIを比べて評価します。経営向けの月次指標と、現場が毎日確認する運用指標に分けると、改善につながります。
- 作業・時間:受注1件あたりの手作業時間、受注から出荷までのリードタイム。
- 処理品質:在庫差異率、保留注文の処理時間、メール送信漏れ。
- 出荷・返品:返品処理の完了時間、出荷自動化率。
運用ルールには、商品マスターの登録者とSKU変更の承認者、在庫調整の権限者を載せます。連携エラーの一次対応者と障害時の連絡先も、同じルールに加えます。さらに、返金の承認者と月次の権限見直しも書きます。
モールや配送会社を追加するときは、既存フローへの影響を確かめてから接続します。なお、AIで問い合わせの要約や異常検知を行う場合は、返金や注文変更を自動で確定させず、人の承認と監査ログを残します。
EC・通販業向けEC受注管理システムの費用相場とコストの内訳

費用は、製品利用料と初期設定・移行、APIやCSV連携に分けて考えます。そのほか、帳票・自動処理、教育・テスト、保守・監視も見ておきます。
公開料金は比較の出発点ですが、総額は連携先と注文量、倉庫数で変わります。さらに、例外ルールやサポート範囲によっても差が出ます。
後に示す個別開発費の数字は、リサーチノートで整理した導入範囲と、一般的な業務システム開発の範囲から推定したレンジです。公開価格を断定するものではありません。
SaaSの月額料金の目安
SaaSの料金は、運用規模や受注件数によって幅があります。
- 小規模:初期0万〜5万円、月額0万〜4.5万円程度。
- 中規模・多店舗:初期5万〜50万円、月額5万〜30万円程度。
- 大規模・高負荷:月額20万円以上となることもあります。
たとえば、GoQSystemは無料プランや、受注管理・在庫連携を含む複数プランを公式料金で公開しています。
受注件数や機能範囲に応じて選べます。ネクストエンジンは、初期費用0円、基本料金は月額3,000円で、受注件数に応じた従量課金を案内しています。公式料金例では、月間400件で1万円、1,000件で2万8,000円です(出典: Hamee株式会社「ネクストエンジン料金」、2026年確認)。
CROSS MALLは、受注件数による課金がない月額固定制を掲げています。店舗数や商品点数を見たうえで、自社サイトの追加設定や実店舗システム連携を確認します。
月額だけでなく、アプリ利用料とAPIオプション、電話サポートの費用も比べます。年間保守と物流サービスの費用も、あわせて確かめます。
個別開発の初期費用と期間の目安
個別開発の費用と期間は、連携数や業務範囲が広がるほど大きくなります。
- SaaS標準導入:30万〜150万円程度、2〜6週間。
- API・CSV連携を追加:2〜4本の連携で150万〜500万円程度、1.5〜4か月程度。
- 中規模の個別開発:500万〜1,500万円程度、4〜9か月程度。
- 大規模拡張:1,500万〜5,000万円以上、9〜18か月程度。
SaaS標準導入には、初期設定と権限設定、商品・顧客・在庫データの移行が含まれ、操作研修も入ります。連携を追加するときは、帳票や自動処理も調整します。
中規模の個別開発は、複数モールと自社EC、WMSを含む想定です。基幹や決済、返品・定期便も、その範囲に入ります。
大規模拡張では、複数倉庫と店舗受取、複雑な引当を含みます。さらに、基幹刷新や高負荷への対応も入ります。
上に挙げた金額と期間は、いずれも案件の条件で動く推定で、確定した価格ではありません。また、保守・監視・セキュリティ対応を、初期費用の15〜25%程度として年間で見込む考え方もあります。
この割合は、SaaSの契約条件や開発会社のSLAによって異なります。そのため、見積書では保守費を別項目として確認します。
5年TCOでの比較項目
5年TCO(総所有コスト)では、費用と導入効果、運用後に残る作業を同じ期間で比べます。
- 総費用:初期費用、60か月分の月額、従量課金、連携オプション、保守、監視、移行、教育、追加開発、社内人件費。
- 導入効果:受注処理時間、在庫差異・誤出荷の損失、繁忙期の臨時人員、販路追加の開発期間の削減。
- 残る作業:CSV加工、返品の別管理、在庫差異の手直し、毎月の手作業時間。
受注件数が増えると従量課金も上がりますが、手作業が比例して増えなければ、成長に伴うコストとして許容できる場合があります。
安い製品でも、CSV加工や返品の別管理、在庫差異の手直しが残れば、実質的なTCOは高くなります。そのため、見積もりでは、導入後に毎月何時間の手作業が残るかを確認します。
導入前後の工数を測る基準を先に決めておくと、価格と効果を同じ条件で判断できます。
EC受注管理システムの見積もりを取る際のポイント
見積もりの差は、開発会社の単価だけでなく、前提条件と含まれる作業の違いから生まれます。そのため、比較表では費用と作業範囲を分け、除外業務や導入後に自社へ戻る作業を確認します。
- 費用項目:初期費用、月額、従量課金、連携開発、追加変更の単価。
- 導入作業:データ移行、テスト、教育、保守。
- 対象範囲:見積もりから除外された業務と、導入後に自社で行う作業。
RFPとサンプル注文の準備
RFPには、事業の前提と必要機能を記載します。連携と非機能要件も、あわせて書きます。そのため、候補会社が同じ条件で見積もり、処理を実演できます。
- 事業前提:月間平均・最大受注件数、チャネル数、SKU数、倉庫数、受注締め時刻、配送エリア、定期便・予約・ギフトの有無。
- 機能・連携:注文取込、在庫引当、出荷指示、帳票、通知、返品・返金、権限、ログ、レポート、API仕様、CSV項目、同期頻度、エラー再処理、認証方法。
- 非機能:稼働時間、性能、バックアップ、障害連絡、復旧目標、個人情報の取扱い。
サンプル注文には、通常注文と複数商品、割引・クーポンを用意します。予約や定期便、ギフトを加え、複数配送も入れます。
さらに、欠品や決済失敗、住所不備の注文を用意します。キャンセルと返品・返金も含めます。
候補会社には、注文取込から在庫引当、保留までを示してもらいます。出荷指示と出荷結果、顧客通知まで、続けて見せてもらいます。画面に表示できるかだけでなく、どのデータがどのシステムへいつ戻るかを確認します。
複数社の見積もりを同じ条件で比較する方法
候補は、SaaSベンダーやパッケージ提供会社、個別開発会社を含めて、2〜4社程度に絞ります。そのうえで、同じRFPを渡し、評価項目と、どこまでを誰が受け持つかをそろえて比べます。
- 機能・導入:機能適合、連携実績、データ移行、テスト支援、導入期間。
- 運用・費用:保守体制、セキュリティ、5年TCO、担当者との相性。
- 契約責任:障害時の一次窓口、追加開発の責任と費用の負担者。
導入事例は、社名や社数だけでなく、何人・何時間の作業が減ったかを読みます。あわせて、出荷リードタイムや例外注文の処理方法も見ておきます。
たとえば、LOGILESSの公式事例には、出荷リードタイムを3営業日から最短当日発送へ短縮した事例などがあります。
事例の結果が、自社の倉庫や商品特性、締め時刻に当てはまるとは限りません。そこで、前提条件を確かめ、数値を自社の目標に置き換えて考えます。
セキュリティ・法令・障害対応の見積もりへの含め方
見積もりには、個人情報や決済に関する作業を含めます。通販表示や障害対応の管理作業も、加えておきます。
- 個人情報:氏名、住所、電話番号、メール、購買履歴などを扱います。
- 情報管理:保存期間、アクセス権限、委託先、ログ、削除・訂正手順を定めます。
- 決済・障害:カード情報の保管先、トークン方式、権限、監査ログ、障害時の連絡と復旧。
- 通販表示:販売価格、送料、支払時期・方法、引渡時期、返品・解除事項などの表示。
個人情報保護委員会の「個人情報保護法についてのガイドライン(通則編)」(出典: 個人情報保護委員会、2026年確認)は、個人の購買履歴が個人情報に該当し得る事例を示しています。購買履歴や配送先を一律に要配慮個人情報として扱わず、法的な分類を確認して管理します。
PCI SSC(出典: PCI Security Standards Council、2025年)は、2025年3月に、PCI DSS要件6.4.3と11.6.1に関する補足情報を公表しています。その内容は、決済ページのスクリプト認可や完全性確認、改ざん監視です。認証の仕組みだけで安心せず、決済画面や外部タグ、委託先も見積もり・契約に含めます。
消費者庁の特定商取引法ガイド(出典: 消費者庁「通信販売広告について」、2026年確認)は、通信販売の広告で販売価格や送料などを表示する必要があると説明しています。定期購入の次回金額や返品受付を正しく表示・通知できるかを確かめるため、法務担当と業務担当も受入テストに参加します。
よくある質問(FAQ)
開発前によく質問される内容を、判断の基準とともに回答します。受注件数だけでなく、チャネルやSKU、倉庫の数も合わせて考えます。例外処理や既存システムとの責任範囲も、見ておきます。
EC受注管理システムはいつ開発・導入すべきですか?
複数チャネルの注文確認や在庫更新を人手で繰り返し、出店先やSKUが増えるほどミスと残業が増えるなら、早めに要件整理を始める時期です。
受注件数が少なくても、定期便や予約、ギフトなどの例外が多ければ、後回しにするほど移行が難しくなります。複数倉庫や基幹連携が絡むときも、早めに整理しておく必要があります。
まず一つのチャネルでPoCを行い、効果と不足要件を確かめてから段階的に広げる方法が現実的です。
APIがない連携先やCSV中心の業務でも導入できますか?
導入できる可能性はあります。要件には、CSVの形式や取込頻度、文字コードを含めます。必須項目やエラー行の扱い、再取込方法も加えます。
APIがない連携先では、誰がCSVを出力し、いつ取り込むか、失敗時に誰が確認するかを決めます。手作業を残す場合は、迷わない画面とチェック手順を設けます。
将来APIが提供されたときに置き換えられるよう、連携の境界を設計しておきます。
既存の販売管理・ERP・倉庫システムは残せますか?
既存システムを残せるケースは多いものの、どのシステムを正とするか決める必要があります。商品と顧客、在庫のデータごとに、マスター管理者と更新の方向を定めます。注文と売上も、同じ考え方で決めます。
双方向連携では、データが競合した場合の優先順位を設けます。古いCSVや個別マクロが業務で必要なら、移行するものと廃止するものを洗い出します。
廃止する仕組みには、代わりの手順を用意し、移行後にテストします。
SaaSに足りない機能だけ個別開発できますか?
APIや外部連携、Webhookで拡張できるSaaSがあります。CSVやアプリ、追加モジュールでも拡張できる製品がありますが、範囲は製品ごとに異なります。
個別開発の可否に加えて、アップデート時の影響や追加機能の保守費を確認します。障害時の連絡先が、ベンダーか開発会社かも確かめます。
独自機能が事業の差別化に直結しない場合は、標準機能に業務を合わせると、将来の運用負担を抑えやすくなります。
まとめ
EC受注管理システムの開発では、注文を一つの画面に集めるだけでなく、業務の流れ全体を組み直す必要があります。具体的には、通常注文と例外注文を分け、連携とどこまでを誰が受け持つかを比べます。そのうえで、IDとステータスをそろえ、異常系をテストします。
段階移行とKPIによる定着まで進めると、在庫ずれや二重出荷を抑えながら販路を増やせる基盤になります。
まず確認するチェックリスト
着手時には、業務量と現行の例外処理を一枚にまとめ、候補会社に同じ条件を示します。下の項目を整理しておくと、要件と見積もりの比較を進められます。
- 業務把握:月間・繁忙期の受注件数、チャネル、SKU、倉庫、定期便・予約・ギフト。
- 運用課題:現在の手作業、在庫差異、返品・返金の流れ。
- 要件整理:Must要件、連携先、データの正、エラー再処理、権限、ログ、障害復旧、法務・セキュリティ。
- 見積もり比較:同じRFPと異常系のサンプル注文を使い、初期費用・月額・追加開発・保守を含む5年TCOで比べます。
小さく検証してから全社へ広げる進め方
まず小さく検証し、成果を見ながら段階的に対象を広げます。最初から完璧なスクラッチ開発を目指さず、検証で分かった不足要件を見て次の範囲を決めます。
- 小さく検証:一つのチャネルと代表SKUで、注文取込、在庫同期、出荷、キャンセル、返品、障害復旧を確かめます。
- 対象を拡大:成果と不足要件を見て、成長に合わせて標準機能、連携開発、独自機能の範囲を見直します。
担当者が変わっても運用できるよう、ルールとログを残しておくことが、長く使えるEC受注管理システムにつながります。
▼全体ガイドの記事
・EC・通販業向けEC受注管理システム開発の完全ガイド
▼開発を相談する前に読みたい無料ホワイトペーパー
・Webサービス開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
