電力料金計算システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

電力料金計算システムの費用は、方式・需要家数・連携範囲によって変わります。標準クラウドは初期50万〜200万円程度からで、富士通E3CISは1万需要家向けライセンスが1,260万円からです。

取り上げるのは株式会社riplaを含む計6社で、riplaのほかに公式情報で確認できる5社を加えています。全体像は、電力料金計算システム開発の完全ガイドもご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・電力料金計算システム開発の完全ガイド

電力料金計算システムのパートナー選びが重要な理由

CISを中心に申込・契約、使用量取得、料金・請求、顧客・収納の担当範囲を示す図解。
料金計算の前後にある業務も同じ範囲で見渡せます。

電力料金計算は、顧客管理よりも料金の正確性と制度変更への追従性が求められる基幹業務です。知名度で選ぶと、メニュー追加や請求訂正、外部連携、移行の場面で想定外の費用が生じやすくなります。

料金計算だけでなくCIS全体を見渡す必要性

料金計算の結果を請求・収納まで正確につなぐには、CIS内の担当範囲を先に整理しておく必要があります。

  • 申込・契約:申込受付、供給地点の管理、スイッチング
  • 使用量取得:一般送配電事業者から受け取る確定使用量
  • 料金・請求:料金計算と請求書発行
  • 顧客・収納:入金・未収の管理から顧客ポータルまで

料金は、基本料金と電力量料金に、燃料費調整額、再エネ賦課金、託送料金相当額を組み合わせて決まります。割引や日割りも加わります。

電気料金は基本料金・電力量料金・再エネ賦課金を基本とし、契約に応じて調整項目が加わります(出典: 資源エネルギー庁「電気料金の仕組み」、2025年)。そのため、計算結果を後から再現できる履歴と監査証跡が欠かせません。

同じ質問票での候補会社の比較

各社の見積条件をそろえるため、発注側は対象業務と規模に加え、連携、移行、保守の前提を同じRFPに記載します。

  • 対象範囲:低圧・高圧・特別高圧・FIT/FIPのどこまでか
  • 業務規模:需要家数と料金メニュー数
  • 外部連携:OCCTO・送配電・決済・会計との接続
  • 運用・移行:月次締めの処理時間、再計算・訂正方法、旧システムとの並行稼働、移行対象データ
  • 保守:制度改定時の対応範囲

導入社数は各社の自己申告のため、掲載時点、対象機能、最大需要家数まで確かめてください。

ポイント

電力料金計算は、料金の正確さと制度変更への追従が求められる基幹業務です。知名度だけで選ぶと後から費用が膨らみやすいため、料金計算の前後にある請求・収納まで含めて担当範囲を比べます。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。また、IT事業会社として社内DXを推進した経験を活かします。

ビジネスの成果創出とシステム定着に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など幅広い基幹システムを構築・導入し、企業の業務要件に柔軟に対応できる体制です。

業務整理から料金計算要件の具体化

画面や機能から作り始める前に、料金計算エンジンだけを導入するか、顧客・契約・請求までCISを刷新するかを決めておきます。導入する範囲によって、対象となる業務が変わるためです。

riplaには、部署へのヒアリングを含む現状整理から、要件定義、開発、導入後の定着支援まで一連で相談できます。このため、業務側と開発側の認識差を減らしやすい点が強みです。

既存基幹との連携や段階導入を相談したい企業向け

顧客管理や会計、請求、データ分析基盤といった既存の基盤を残したまま、料金計算や申込の部分を段階的に改善したい場合に向いています。

進め方は業務単位で優先順位をつけるのが有効です。外部連携や、低圧・高圧・再エネ関連の料金ルールは、初期相談の段階で対象範囲を明確にしておきます。

標準製品を採用する場合でも、不足機能を追加開発する場合でも、見積もりの前提を細かく確認してください。

ポイント

業務整理から開発、定着支援まで一連で相談できるかが判断の目安です。既存の基盤を残して料金計算だけを段階的に改善したい場合は、初期相談で導入範囲を決めておきます。

BIPROGY株式会社|大規模な電力小売と周辺サービスを見据えたEnability CIS

BIPROGY株式会社は、電力小売向けクラウド型ソリューション「Enabilityシリーズ」を提供しています。Enability CISを中心に、申込・業務処理を支援するOrderや顧客向けPortalを組み合わせられます。このため、顧客管理、料金計算、見える化を業務に合わせて構成できます。

複数の電力事業モデルと大規模需要家への対応

公式サイトは、2025年4月時点で累計27社の導入実績と、約50万件の需要家規模に対応した事例を紹介しています(出典: BIPROGY「電力CIS・クラウド型小売システム Enabilityシリーズ」、2025年4月時点)。

大手都市ガス、大手ハウスメーカー、大手電力系事業者などの事例があります。また、低圧小売のほか、低高圧小売や卒FIT余剰買取を含む構成も検討できます。

将来のEV・環境価値・VPPまで比べたい場合の候補

BIPROGYは、CISに加えて、EV充放電、環境価値、VPPのソリューションや実証経験も案内しています。特に、請求の安定に加え、非化石価値・蓄電池・エネルギーマネジメントとの将来連携を考える企業に向きます。

個別の導入費用や追加開発費は公開されていません。そのため、ベンダーとのFit&Gapの中で、必要なモジュール、連携、移行を分けて見積もります。

富士通株式会社|公開価格を基準に検討しやすいE3CIS

富士通株式会社の「FUJITSU Intelligent Society Solution E3CIS」は、電力小売事業者向けのCISです。電力自由化を契機に小売へ参入する企業向けの構築経験を基礎にしています。

顧客・使用量管理、料金計算、請求・収納などをパッケージ化しています。また、標準機能と個別要件を組み合わせて導入できます。

1万需要家向けライセンス1,260万円からという基準

富士通の2025年版資料は、1万需要家向けのパッケージライセンス価格を1,260万円からと案内しています。

導入費用は別途個別見積もりです(出典: 富士通「E3CIS 電力小売自由化CISソリューション」、2025年版資料)。

1,260万円はライセンス価格で、導入の総額ではありません。導入の段階ごとに、費用が別に生じる可能性があります。

  • 準備:要件定義と環境構築
  • 接続・移行:外部連携とデータ移行
  • 導入:テストと教育
  • 継続:保守

公開価格は比較の出発点とし、ライセンスと導入サービスを分けて確かめてください。

標準化と既存システム連携をバランスよく進めたい企業向け

標準機能で品質と導入手順を安定させ、自社固有の料金メニューや会計・決済連携を追加したい場合に比較しやすい製品です。

発注時には、料金単価の適用期間と、燃料費調整・再エネ賦課金の更新を確認します。さらに、締め後の訂正、計算ログ、ピーク時のバッチ処理時間も確かめます。

大規模刷新では移行・連携・並行稼働の工数が膨らむことがあります。そのため、ライセンス費だけでなく5年TCOで評価してください。

ポイント

公開されたライセンス価格は比較の出発点で、導入関連費用や保守は別に見積もられます。ライセンスと導入サービスを分けて金額を並べ、5年TCOで比べると差が分かりやすくなります。

株式会社スリート|地域電力・中小新電力が短期間で始めやすいPowerCIS

株式会社スリートの「PowerCIS」は、地域電力や中小小売事業者向けの電力CISです。顧客情報や契約、料金メニューを扱い、確定使用量取得から請求書作成、顧客ポータルまでを一つにまとめています。

クラウドを前提に、OCCTOのスイッチング支援システムや一般送配電事業者の確定使用量との連携を案内しています。さらに、収納代行や会計システムとの接続についても紹介しています。

標準パッケージで掲げる本格稼働まで約5か月

公式サイトは、カスタマイズなしで最低2か月のテスト運用を行う条件で、決定から本格稼働まで約5か月と案内しています(出典: 株式会社スリート「PowerCIS」、2026年確認)。

独自の料金計算や特殊な請求締め、既存データの名寄せがある場合は、期間が変わります。複雑な連携がある場合も、期間を見直す必要があります。

約5か月をそのまま自社案件の納期にせず、標準機能との差分を先に洗い出してください。

小規模で始めて運用負荷を抑えたい事業者向け

申込受付から請求書作成までを自動化し、少人数で電力小売を運営したい企業は候補にできます。

まず、標準パッケージ費用と月額・従量課金の仕組みを確認します。そのうえで、オプションの需給管理や顧客ポータルの範囲も確かめ、需要家数の増加を踏まえて5年分を試算します。

ただし、短期導入を優先しても、料金計算のサンプルと本番同期計算は省かないことが、請求ミスの防止につながります。

TIS株式会社|料金・請求・代理店業務まで広げられるエネLink

TIS株式会社の「エネLink」は、電力小売の顧客管理、料金計算、請求・収納を支える基幹業務ソリューションです。低圧・高圧小売と太陽光買取に加え、BtoBtoCモデルや顧客・販売パートナー向けポータルも構成できます。

クラウドからオンプレミスまでの提供形態

TISは、迅速な開始に対応するクラウドから、将来の大規模化を見据えたオンプレミスまで提供形態を案内しています。

公式サイトは2025年8月時点で累計31社の実績を示し、低圧200万件や高圧3万件の検証済み性能事例も掲載しています(出典: TIS「電力CIS・小売基幹業務ソリューション エネLink」、2025年8月時点)。

特に大規模案件では、検証済み件数が自社のピーク処理条件と一致するかを確認します。

料金メニューの組み合わせと代理店販売を重視する企業向け

エネLinkは、基本料金と従量料金を、電力量の段階に応じて組み合わせられます。さらに、季節、時間帯、曜日などを重ね、800パターン以上に対応すると説明しています。

代理店別の卸単価、請求金額、キャンペーン設定を扱いたい事業者や、自社で料金メニューを変えたい事業者は候補になります。

料金設定で自社が変更できる範囲と、ベンダーへの依頼が要る範囲を分けて確認します。導入実績は参考になります。ただし、費用や構築期間は対象機能と連携数で変わるため、公開実績だけで判断しません。

株式会社スマートエナジー|新電力の立ち上げから移行・運用まで支援するESP

株式会社スマートエナジーの「ESP」は、新電力小売専用のクラウドサービスで、顧客・代理店管理や高圧見積、需給・経営管理を連携できます。新規参入や既存運用に課題を抱える事業者を想定し、電力CIS単体ではなく新電力事業全体を支援します。

市場連動・PPA・代理店など複雑な事業モデルへの相談範囲

公式サイトは、市場連動プランやPPA、非化石証書に対応する例を示しています。さらに、代理店管理、容量拠出金、調整費・割引の例も掲載しています(出典: 株式会社スマートエナジー「電力CIS ESP」、2026年3月9日時点)。

料金に時間帯区分、上限・下限単価、契約容量に応じた調整がある場合、標準設定で扱える計算範囲を確認しやすい候補です。

移行後の運用支援の受け持ち範囲

既存システムから移行する場合は、データ変換や名寄せ、過去請求の保持を含め、どこまで支援してもらえるかを確かめることが重要です。料金訂正、問い合わせ、制度変更時の更新も、支援の範囲に入るかを見ます。

ESPの構成に含まれる機能と、別途契約する運用支援を分けて確認します。そのうえで、障害時の一次受付や再計算、請求差額の補正、顧客通知について、どこまでを誰が担うかを契約書に記します。

機能が広い製品では、使わない機能に費用が発生しないかを確かめると、過剰投資を抑えられます。

電力料金計算システムのパートナー選びのポイント

電力料金計算システムの選定視点として、実績の対象範囲と規模、料金ルールの変更範囲、5年TCOと運用体制を並べた図解。
提案を比べる前に、確認する観点を同じ条件にそろえます。

6社を比べるときは、規模や実績だけでなく、需要家数や料金メニュー数、外部連携数、移行難易度を同じ計算例とRFPで比べます。公開価格は、ライセンスだけか、導入・連携・保守まで込みかを確かめます。

実績の社数だけでなく対象範囲と規模の確認

実績については、低圧・高圧の別や稼働中か過去かを尋ねます。あわせて、CISのみか請求・ポータルまで含むか、最大需要家数も確認します。

なお、掲載時点付きのBIPROGY27社、TIS31社の数字も、自社要件への適合を保証するものではありません。可能であれば、同じ事業モデルの導入事例、障害対応、制度改定時の更新実績も確認します。

料金ルールを自社で変更できる範囲の確認

料金マスタでは、単価と適用期間、契約区分を管理します。地域や季節、時間帯、休日などの区分も含みます。燃料費調整や再エネ賦課金、割引や日割り、延滞利息まで、料金に関わる項目が並びます。

たとえば、2025年度の再エネ賦課金は3.98円/kWhで、2025年5月検針分から2026年4月検針分まで適用されました(出典: 経済産業省・資源エネルギー庁、2025年)。そのため、年度や適用期間のある単価を承認付きで登録できるか、過去月の結果を変えずに再計算できるかを、デモで確かめます。

初期費用ではなく5年TCOと運用体制による判断

初期費用だけでなく、継続費用と運用条件を含めて比較します。

  • 初期費用:標準クラウドは50万〜200万円程度から
  • ライセンス:富士通E3CISは1万需要家向けに1,260万円から
  • 継続・導入費:月額・従量課金、導入費用は別途
  • 追加作業:開発、連携、移行、テスト、教育、保守、制度改定
  • 運用条件:内製人件費、追加変更単価、責任範囲、SLA

需要家数などの前提をそろえ、3年・5年・10年のTCOを作ります。見積書には、「含む・含まない」の区分と前提需要家数の記載も求めます。

ポイント

実績の社数や公開価格だけでは前提がそろわないため、需要家数や料金メニュー数、外部連携数、移行条件を同じRFPと計算例で比べます。料金ルールを自社で変えられる範囲も、早い段階で切り分けておきます。

よくある質問

電力料金計算システムは、業務範囲と制度対応を確かめないと価格比較を誤りやすい分野です。そのため、問い合わせ前の疑問には判断基準を添えて簡潔に回答します。

電力料金計算システムの開発費用はいくらですか?

標準クラウドは初期50万〜200万円程度から、パッケージは1万需要家向けライセンス1,260万円からが目安です。いずれも総額ではありません。

連携や移行、追加開発に加え、テスト、保守、従量課金まで含めた5年TCOで比べます。正式な金額は、要件を提示したうえで見積もりを取得します。

クラウドとスクラッチ開発はどちらを選ぶべきですか?

短期立ち上げと標準業務を優先するならクラウドやパッケージ、独自料金や複数事業の統合を優先するならスクラッチを比較します。

スクラッチでは、制度改定、回帰テスト、運用要員を自社が継続して担います。そのため、初期費用だけでなく保守と人材確保も含めて判断します。

ベンダーへの問い合わせ前に何を準備すればよいですか?

まずは需要家数と低圧・高圧の割合、料金メニューを整理します。そのうえで、請求締めや外部連携、既存データ量、希望稼働時期を洗い出します。

匿名化した使用量・請求実績のサンプルも用意します。契約変更や日割りの計算例に加え、燃料費調整、再エネ賦課金、訂正請求の計算例があると比較しやすくなります。

ポイント

開発費用は総額ではなく、方式や需要家数、連携範囲で前提が変わります。問い合わせ前に需要家数や料金メニュー、連携の範囲を整理しておくと、見積もりを同じ条件で比べやすくなります。

まとめ

比較候補は6社です。株式会社ripla、BIPROGY株式会社、富士通株式会社に加え、株式会社スリート、TIS株式会社、株式会社スマートエナジーを挙げています。

riplaは業務整理・開発・定着、BIPROGYは大規模小売・周辺サービスに強みがあり、富士通は公開ライセンス価格を基準に比較しやすい点が特徴です。また、スリートは短期導入、TISは料金請求・代理店業務、スマートエナジーは新電力全体の連携が中心です。

同じRFPと計算サンプルによる比較

業務条件と安全性を提案比較に含めるため、前提と確認項目をそろえます。

  • 業務前提:需要家数、料金メニュー数、外部連携数、移行難易度
  • 費用・運用:標準機能、追加開発、期間、月額・従量課金、保守、制度改定、SLA
  • 情報保護:暗号化、MFA、権限分離、監視、脆弱性管理、委託先対策

個人情報や使用量から生活・事業パターンが推測されるため、安全対策も確認します。なお、経済産業省は2025年にERAB向けガイドラインや電力制御システムのサプライチェーン対策ガイドを公表しています(出典: 経済産業省、2025年)。

EV・蓄電池・DRと連携する場合は、料金システム単体の安全性だけで判断しないことが重要です。

開発会社への相談前の要件の分解

まず、料金計算エンジンだけか、顧客・契約・請求・収納まで刷新するかを決めます。そのうえで、現行業務と将来構想を整理してから相談します。

複数社の提案を比べるときは、価格だけでなく、料金改定時の自社運用や請求訂正の扱いも確かめます。並行稼働や障害時の再実行、データ移行についても、どこまでを誰が担うかを確認します。

▼全体ガイドの記事
・電力料金計算システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。