電子帳簿保存システムの費用は、初期費用が0〜40万円、連携・移行・個別開発を含む総額は100万円〜4,000万円以上が目安です。
金額を左右するのは、書類量や利用人数、連携の範囲です。法令やセキュリティの要件によっても変わります。全体像は、電子帳簿保存システム開発の完全ガイドもご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・電子帳簿保存システム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
電子帳簿保存システムの費用相場

法令対応のために電子取引データを保管するだけなら、低価格のクラウドサービスで小さく始められます。一方で、紙書類のスキャンやAI-OCRを対象にすると、初期設計と開発の工数が増えます。さらに、承認や仕訳連携、複数拠点の監査まで含めると、工数はいっそう膨らみます。
費用のレンジは、2026年8月時点で確認できる公開料金と、会計・文書管理システムの類似案件から整理した推定です。
保存中心のクラウドSaaSの費用は初期0〜40万円、月額900円〜5万円程度
保存中心のSaaSでは、初期費用と月額料金を分けて確認します。
- 初期費用:0円で始められる公開例があります。
- 保存量:ファイル数に応じて月額が変わる料金体系があります。
- データ化:AI-OCRやオペレーター入力は別料金の例があります。
公開料金では、初期費用0円、月額900円から利用できます。
NTTファイナンスの「楽々クラウド電子帳簿保存サービス by ClimberCloud」は、月額基本料が900円(税抜)です。
電子取引・スキャナ保存は100ファイルまで基本料金のみで、250ファイルまでなら5,000円、500ファイルまでなら10,000円、1,000ファイルまでなら20,000円です(出典:NTTファイナンス公式料金表、2026年確認)。
毎月の保存量が少ない企業ほど、利用量に応じて支払う方式のメリットを受けやすいです。
invox電子帳簿保存では、初期費用0円で、ミニマム月額2,178円(税込)です。ベーシック月額10,780円(税込)、プロフェッショナル月額32,780円(税込)という公開例もあります。
AI-OCRは1件22円(税込)、オペレーター入力は1件110円(税込)です。なお、契約プランとは別にデータ化料金が発生します(出典:株式会社invox公式料金ページ、2026年確認)。
保存だけなら月額1,000円〜1万円台が一つの目安です。
ワークフローやAPIまで使う場合は、月額1万〜5万円程度です。
連携・移行・個別開発を含む場合の総額は100万円〜4,000万円以上
連携や個別開発を含む場合は、SaaSの利用料だけでなく作業範囲を分けて見積もります。
- 既存サービス導入:設定と連携を含む案件は100万〜500万円程度です。
- パッケージ・オンプレミス:独自承認や基幹連携で200万〜1,500万円超です。
- スクラッチ開発:業務全体を対象にすると1,500万〜4,000万円以上です。
会計・販売管理とのAPI連携や過去データの移行は、追加作業です。
独自の承認経路や複数拠点の権限設定も、追加の工数になります。
スクラッチ開発の費用が大きくなるのは、要件定義や画面・権限設計に加え、電子データの保管基盤や検索エンジンも作る必要があるためです。さらに、監査ログや会計連携、法改正対応の仕組みも、開発範囲に含まれます。
この金額は専用システムの公定価格ではなく、業務内容や利用人数、連携数が近い業務システム案件からの推定です。保存年数や可用性要件も、金額を見るときの前提になります。ただし、書類量や要件が少なければ下がり、独自性や厳格なSLAが増えれば上がります。
電子帳簿保存システムの費用内訳
見積書は、初期費用と月額基本料、従量料金に分けて確認します。連携費用や移行費用も、それぞれ分けて見ます。
教育・運用支援費用と保守費用も分けると、年間の支払額を比べやすくなります。
初期費用に含まれる要件整理・設定・移行準備
初期費用の中心は、契約料金よりも、自社で使える状態に整える作業です。
- 要件整理:電子帳簿、スキャナ保存、電子取引のどれを対象にするか。
- 設定:権限、検索項目、承認経路、取り込み方法の定義。
- 移行準備:過去データの整理と索引付け。
部署・役職ごとの権限範囲は、初期設計で定めます。
メール・共有フォルダからの取込や、マニュアル作成も、初期設定の作業に含まれます。
過去データは、ファイル名や保存場所の見直しに手間がかかります。移行では索引付けと重複・欠損の確認も必要です。全件か直近データかで費用が変わり、初期費用0円のSaaSでも、業務設計やデータ整備は別料金になります。
月額基本料と従量料金の課金単位
月額料金は、標準機能と利用量に応じた料金を分けて確認します。
- 基本料:ユーザー数、保存領域、検索、権限管理、監査ログが含まれます。
- 従量料金:AI-OCR、入力代行、タイムスタンプ、APIなどが対象です。
- 課金単位:登録月、保存容量、累積保存件数などが基準になります。
ユーザー数無制限のサービスもあれば、利用者・管理者数でプランが分かれるものもあります。登録月や保存容量、累積件数で課金されるため、請求書・領収書・注文書の月間件数を実数で試算します。なお、メール取り込みや容量超過も、対象になる場合があります。
invoxの公開料金では、セルフ入力は0円、AI-OCRは1件22円(税込)です。
オペレーター入力は1件110円(税込)で、月500件なら月5万5,000円(税込)です。
ただし、この金額は月500件と仮定した試算です。OCRの精度や確認方法によって、適切な選択は変わります。
連携・移行・教育・保守にかかる別建ての費用
追加費用は、連携方式と導入後の支援範囲を分けて見積もります。
- システム連携:仕訳IDや取引先コードの連携は、追加開発になる場合があります。
- 導入支援:研修、マニュアル、問い合わせ窓口の範囲。
- 保守:法改正の設定確認や復旧テストも対象です。
請求書受領サービスとのAPI連携は、標準機能の範囲を超えると追加開発になります。CSVで月次連携するなら比較的抑えやすい一方、リアルタイムAPIでは費用が増えます。
エラー時の再送や認証に加えて、監視や障害通知まで求める場合も、追加費用が生じます。
連携1本ごとに、送受信項目や処理タイミング、失敗時の責任者を見積書へ記載してもらいます。
導入研修と操作マニュアル、問い合わせ窓口に加えて、運用代行も継続費用に影響します。法改正時の設定確認とバックアップ復旧テストも、継続費用に含めて確認します。
NECの2024年公開資料では、ReportFilingとタイムスタンプオプションが300万円です。年間保守は60万7,200円です。
タイムスタンプなしの構成は235万円で、年間保守は50万8,800円です。
EXPLANNER/FLⅡの電子帳簿保存対応オプションは、製品価格100万円、年間保守34万5,600円の例です(出典:NEC「EXPLANNER/FLⅡ 電子帳簿保存法対応」資料、2024年)。特定製品の価格であり、導入SI費用などは別です。総額ではなく、内訳の参考として使います。
電子帳簿保存システムの費用が変動する要因

企業規模や書類の種類が違えば、同じシステムでも必要な機能は変わります。
見積額に影響するのは、月間の書類数や紙と電子の比率、OCRの利用量です。ユーザーと拠点の数も影響します。承認段階や既存システムとの連携数、セキュリティ・可用性の要求も確認します。
書類の量とOCR・確認方法による従量料金の違い
書類量と確認工程がはっきりしていれば、自社に合う料金体系を選べます。
- 少量処理:基本料と少額の従量課金が向いています。
- 大量処理:月額固定やボリュームディスカウントが候補になります。
- 確認方法:OCR費用と担当者の確認工数を合わせた比較。
月に数十件の電子取引データと、数千枚の請求書や領収書とでは、最適な料金体系が異なります。繁忙期だけ書類が増える企業は、月ごとの利用量で課金されるサービスを選ぶと費用を抑えやすいです。
AI-OCRは入力を速くできますが、読み取り誤りを人が確認する工程が必要です。
請求書のレイアウトが取引先ごとに異なる場合は、金額や日付の確認フローが重要です。
PoCでは、1件あたりの確認時間や差戻し率、修正履歴の記録方法を測ります。そのうえで、入力費用と担当者の人件費を合わせて、AIに任せる件数を判断します。
ユーザー数・拠点数・承認経路による設計工数の増減
利用者と拠点の広がりは、権限設計だけでなく教育や問い合わせの工数にも影響します。
- 権限設計:閲覧範囲、代理承認、差戻し履歴の決定。
- 拠点運用:登録方法、ネットワーク、確認責任の統一。
- 教育対応:説明会、マニュアル、問い合わせ対応の見積もり。
経理担当者だけが使う場合と、営業や購買、拠点責任者、監査担当者まで使う場合では、権限設計が違います。
退職者のアカウント無効化などの要件が増えるほど、設定やテスト、運用教育の費用は大きくなります。
複数拠点で紙をスキャンする場合は、拠点ごとに手順がばらつかないよう、事前に決めておくことが欠かせません。
ユーザー数無制限のサービスでも、運用設計まで無制限になるわけではありません。
法令対応・セキュリティ・連携要件の高度さと費用
法令、セキュリティ、連携のどこまでを対象にするかで、標準機能と追加対応の範囲が変わります。
- 法令対応:電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引の区分。
- セキュリティ:認証、暗号化、ログ、復旧目標の設定。
- 連携保守:APIの仕様変更に対応する費用。
国税庁は令和7年度税制改正に関する制度の概要を公開しており、請求書等を帳簿へ自動連携する仕組みに対応した制度も含まれます。将来の帳簿連携まで見据えるなら、データの相互関連性や訂正・削除の管理も検討対象になります(出典:国税庁「電子帳簿・電子書類関係」、2026年確認)。
JIIMA認証も比較材料になります。ただし、認証だけで、自社の受領経路や責任分担まで自動的に整うわけではありません。
SSOや多要素認証、IP制限を求めると、追加対応が必要です。暗号化やバックアップのリージョン指定も、個別の対応が求められる項目です。ログ保存期間や障害時の復旧目標も、標準SaaSの上位プランや個別設定に影響します。
会計・販売・請求・EDIをAPIでつなぐ場合は、連携先の仕様変更に対応する保守費用も発生します。
法対応を最低限にとどめるか、業務統制と将来の自動化まで含めるかを先に決めておく必要があります。
電子帳簿保存システム開発・導入の進め方

既存クラウドの契約と初期設定だけなら、導入期間は数日〜1か月が目安です。
業務整理や権限設計、テスト、教育まで行う場合は、1〜3か月が目安になります。
API連携、過去データ移行、複数拠点のワークフローを含める場合は3〜6か月です。
オンプレミスやスクラッチ開発では、6か月〜1年以上を見込むことがあります。
期間を短くしたい場合でも、テストと運用訓練を省くと、保管漏れや検索不備につながります。
受領経路と保存区分の整理と要件の区分
最初に、対象書類と受領経路を洗い出し、法令上の保存区分と業務要件を分けます。
- 対象書類:請求書、領収書、注文書、契約書、見積書、納品書など。
- 受領経路:メール、Web請求書、EDI、紙、FAXの別。
- 要件区分:MUSTとWANTに分けたうえでの費用対効果の検討。
月間件数や保管年数、承認者を整理します。
会計計上までの作業も押さえたうえで、電子帳簿等保存やスキャナ保存、電子取引のどの区分に当たるかを確認します。
MUST要件にするのは、検索や訂正削除履歴、権限です。ダウンロードとバックアップも、MUST要件に入れます。
AI-OCRや全文検索は、WANT要件として整理します。
スマートフォン登録や分析ダッシュボードもWANT要件に含めます。
承認の自動化は、費用対効果を見極めてから判断します。特に、現状のファイルサーバー運用をすべて置き換えず、目的から始めると見積もりが明確になります。
方式の選定と、実データを使ったPoCによる料金・精度の確認
優先する目的に応じて方式を選び、候補を同じ質問票で比べます。
- クラウドSaaS:法改正への追従と短期導入を優先する場合の候補。
- パッケージ・オンプレミス:既存ERPや社内統制との一体運用を重視する場合の候補。
- 個別開発:独自の商流や複雑な承認が競争力に直結する場合の候補。
質問票には、JIIMA認証の対象区分や会計連携、解約時のデータ出力を入れます。障害時のサポートや法改正時の対応範囲も確認します。
候補を2〜3社に絞ったら、実際の請求書・領収書・注文書を使ってPoCを行います。OCRの読み取り精度だけでなく、誤読時の修正しやすさと修正履歴も確認します。
日付・金額・取引先の複合検索や、権限変更の監査、税務調査を想定したダウンロードを確かめます。
PoC期間中には、月間件数を入れた料金シミュレーションも行います。
定価と実際の利用料の差を把握してから、導入方式を決めます。
設計・テスト・リリース後の運用計画
設計では、取り込みから廃棄までを一続きにとらえ、担当者と例外処理を決めます。
- 業務フロー:取込、OCR、確認、承認、計上、保存、検索、廃棄。
- 例外テスト:二重登録、誤読、権限外閲覧、連携エラーへの備え。
- 段階リリース:1部門・1種類の書類から始める対象の拡大。
取り込みと確認の担当、差し戻しの担当、そして廃棄の時期を決めておきます。
退職者のアカウント無効化やバックアップ復旧の手順も、文書にまとめます。
スクラッチ開発では、要件マスタ、変更履歴、改正時のテストケースを用意します。
法令要件をプログラムへ直接埋め込まないようにすると、将来の保守費用を抑えやすくなります。
テストでは、訂正・削除の動作や、停電・通信障害時の挙動も確認します。
運用を始めたら1〜2か月は、検索性やOCR確認率を見ます。あわせて、保管漏れや差戻し率、月額実績も確認します。
段階的に広げると、全社一括導入に比べて初期費用を分散でき、運用上の問題も早期に見つけられます。
電子帳簿保存システムのコストを抑えるポイント
費用を抑えるには、必要な法令対応を削らず、対象範囲と自動化レベルを段階的に決めます。
初年度総額と3年総額で比べる際は、月額料金や初期費用に加えて、社内工数と保守費用も合わせて見ます。
電子取引データから始める段階的な対象拡大
初年度にすべての書類・拠点・連携を対象にせず、優先順位をつけて導入します。
紙のスキャンや電子取引を一度に進めない方法があります。帳簿連携や全社承認も、段階を分けて広げられます。
- 開始対象:保管漏れが起きやすい電子取引データ。
- 運用単位:請求書と1部門から検証。
- 拡張判断:実績を見た、領収書や注文書への展開。
対象書類を請求書に絞り、検索と権限が問題なく動くことを確かめてから広げます。NTTファイナンスの公式説明でも、電子取引の書類だけを保存して始め、自動化や連携へ広げる考え方が示されています(出典:NTTファイナンス公式サービス説明、2026年確認)。導入後は、月間件数やAI-OCRの利用率を測ります。確認時間と登録漏れ件数も、あわせて押さえます。
上位プランやAPI連携が必要かは、実際の利用状況から判断します。
法令上の対象範囲は勝手に狭めず、税理士や所轄税務署への確認を踏まえて進めます。
標準機能の優先と、運用ルールの事前統一
個別開発を増やす前に、標準機能で業務をどこまで合わせられるかを確認します。
- 標準化:ファイル名や書類種別、取引先コード、保存年限の統一。
- 確認設計:信頼度の低い項目に限った、人による確認。
- 効果測定:自動化率ではなく、確認時間と差戻し率。
確認責任者も標準化すると、カスタマイズと保守の範囲を小さくできます。一方で、現場ごとに異なる申請経路をそのままシステム化すると、画面や権限が増えます。
テストケースやマニュアルも増え、導入費用と将来の変更費用が膨らみます。
取引先コードや税額など、会計処理へ影響する項目は確認を必須にします。また、重要度の低い項目は段階導入にすると、人件費と精度のバランスを取りやすくなります。
初年度総額と3年総額の同条件での比較
月額の安さだけでなく、導入から継続利用までの費用を同じ条件で比べます。
- 初年度総額:設定、移行、教育、月額、従量課金の合計。
- 3年総額:保守、追加容量、法改正、出力費用を加えて計算。
- 比較条件:書類数、OCR件数、利用者数、連携数の固定。
初年度総額には、APIやタイムスタンプのオプションも含めます。
3年総額では、保守やプラン変更、追加容量、法改正対応を見ます。解約時のデータ出力費用も、長期利用の費用として確認します。
月額だけで安いサービスでも、社内で手入力を続けるために高くなる場合があります。逆に、高機能なサービスが書類量に対して過剰になる場合もあります。
比較表では、月間書類数やAI-OCR件数、オペレーター入力件数を固定します。利用者数や保管年数、連携数、サポート時間も、同じ前提で各社へ渡します。
たとえば、月500件、AI-OCR300件、オペレーター入力50件、API連携1本とします。前提の数字がずれた見積もりは、単純に比べるのではなく、含まれる作業まで確認します。
特に、含まれない作業を確認することが、最も確実なコスト管理になります。
電子帳簿保存システムの見積もりで確認する項目
見積もりを依頼する際は、対象書類や受領経路、月間件数、現行システムを具体的に伝えます。必要な検索項目や承認者、保存年数に加えて、連携要件も示します。
「電子帳簿保存法に対応したシステムがほしい」という伝え方では、要件を比べられません。要件が曖昧なままだと、安い初期見積もりのあとに追加開発や従量課金が発生します。その結果、予算と納期の両方がずれる可能性があります。
見積もり依頼書に記載する書類量・連携・運用責任
依頼書では、書類量と連携条件に加えて、運用責任者まで明確にします。
- 書類量:種類、月間件数、受領形式、OCR件数、保存年数。
- 連携要件:製品名、方式、項目、頻度、エラー時の再処理。
- 責任分担:取込、確認、承認、監査ログの担当者。
紙やPDF、メール、EDIの比率のほか、確認者や承認段階も記載します。部署や拠点の数、利用者数も、料金を試算する前提として示します。
過去データを移行する場合は、対象期間やファイル数、索引情報の有無を示します。重複除外の方法まで示すと、移行作業の範囲を比べやすくなります。
税務調査時の検索条件と出力形式、解約時のデータ持ち出し形式も、契約前に確認します。
2〜3社への同条件の提示と、公開価格・個別費用の比較
比較先は、料金体系と導入支援の違いが出るように組み合わせます。
- 比較先:低価格SaaS、会計一体型、文書管理基盤の組み合わせ。
- 個別費用:非公開部分は要件書をもとに見積もる。
- 評価軸:削減できる作業とサポート体制。
ワークフロー型や導入支援に強いSIerも、候補に加えます。公開価格のあるサービスは、基本料や無料枠を確認します。従量課金やオプションも、あわせて見ます。
JIIMA認証の有無や対象区分、法改正対応の責任範囲も確認します。認証だけで自社運用の適合を判断しないことが大切です。
見積書は、業務のどの作業が減るかで比べます。機能の数ではなく、減る作業を見るほうが比較しやすいです。保存・検索までの時間や手入力の件数を評価します。差戻し率や二重入力も、評価に含めます。
問い合わせ対応時間や導入実績も、価格と同じ基準で確認します。ただし、安価でも運用が定着しなければ、追加の教育費や再導入費が発生します。
契約前に確認する追加費用・法改正・データ所有権
初期見積もりに出にくい条件を契約前に確認し、長期利用の費用を見通します。
- 追加費用:容量超過、OCR、API、移行、導入支援の単価。
- 法改正:改正時の対応範囲。
- データ管理:所有者、保管場所、出力形式、削除証明。
メール取込やオペレーター確認、個別帳票の扱いも、確認しておきたい項目です。
単価や無料枠に加えて、課金のタイミングや最低利用期間、プラン変更の条件も記載してもらいます。特に、繁忙期に書類が増える企業は、最大月の料金も試算します。
電子帳簿保存法の改正時に、標準の更新で済むか、設定変更や追加開発が必要かも、契約前に確かめます。委託先や障害時の復旧目標も確認します。
これらは長く使うほど、総コストと事業継続性に影響します。
電子帳簿保存システムのよくある質問
費用は、法対応だけを目的にするか、経理業務全体を効率化するかで変わります。
電子帳簿保存システムは無料で導入できますか?
初期費用0円や月額数百円台から利用できるクラウドサービスはあります。ただし、完全に無料で運用できるとは限りません。
費用がかかる項目を分けて確認すると、無料に見えるプランの実負担を判断できます。
- 追加機能:OCR、オペレーター入力、保存件数超過にかかる費用。
- 導入運用:導入支援やデータ移行、社内教育の費用。
月額基本料だけでなく、初年度総額で判断します。
電子帳簿保存システムを個別開発するといくらかかりますか?
保存機能だけを追加するなら、数百万円規模に収まる可能性があります。ただし、追加する機能と連携範囲によって、推定レンジは変わります。
会計・販売・請求・ワークフロー連携や複数拠点を含めると、200万〜1,500万円超になります。
- 追加要件:監査ログや独自承認、バックアップ、法改正対応による幅の広がり。
- 価格条件:書類量、利用者数、連携数、セキュリティ要件による変動。
業務全体のスクラッチ開発では、1,500万〜4,000万円以上の推定レンジになります。
保守体制も確認できるよう、要件書を作成して複数社から提案を受けます。
JIIMA認証があれば自社の電子帳簿保存法対応は完了しますか?
JIIMA認証だけでは対応は完了しません。認証は対象ソフトの要件を示すものです。
認証だけで、自社の受領経路や入力・確認責任者が整うわけではありません。そのため、運用規程や保存対象、税務調査時の出力手順は、自社で整える必要があります。
- 認証の役割:対象ソフトの法的要件を見るための比較材料。
- 自社運用:受領経路、責任者、運用規程、保存対象の整備。
- 確認方法:出力手順と対象区分を、業務フローに照らして見る。
認証の対象区分を見たうえで、業務フローと、税理士・所轄税務署への確認を組み合わせて判断します。
まとめ
電子帳簿保存システムは、保存中心なら初期0〜40万円、月額900円〜5万円程度が入口です。連携や移行を含むと総額100万〜500万円程度、独自要件では200万〜1,500万円超です。
スクラッチ開発では、1,500万〜4,000万円以上まで広がる推定です。いずれも公定相場ではなく、書類量・利用人数・連携数・保管年数などを前提にしたレンジです。
初年度総額と3年総額による比較
初年度総額と3年総額では、毎月の利用料と導入後の継続費用を分けて確認します。
- 基本・従量:基本料金、AI-OCR、入力、保存量、API。
- 導入・継続:移行、教育、保守、タイムスタンプ。
- 個別開発:要件定義・設計・テスト・連携それぞれの工数。
解約時のデータ出力と運用支援の費用も、確認しておきます。
費用を下げるために、必要な確認工程やバックアップを削らないことが重要です。
実データを使ったPoCと同条件の相見積もり
まず、月間書類数や受領経路、保存区分を1枚の資料にまとめます。会計連携や利用者数、承認段階、移行範囲も、同じ資料に含めます。
発注側は、2〜3社へ同じ条件で見積もりを依頼します。
- 前提整理:書類数、保存区分、連携、利用者、移行範囲の統一。
- 相見積もり:金額だけでなく、含まれる作業も比べる。
- 実データ検証:請求書や領収書での検索性とOCR確認時間。
PoCでは、保管漏れや月額実績も合わせて確認します。
電子帳簿保存法の最終判断は、最新の国税庁資料を踏まえ、税理士または所轄税務署への確認も組み合わせて行います。
▼全体ガイドの記事
・電子帳簿保存システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
