電子帳簿保存システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

導入は、要件整理から定着までの6フェーズで進めるのが基本です。保存区分の整理と業務要件の明確化を先に行い、段階的に選定と実装を進めると、登録漏れと確認の負担を抑えられます。

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電子帳簿保存システムの全体像

電子帳簿保存システムを中心に、電子帳簿・電子書類、スキャナ保存、電子取引の3つの保存区分を示した図。
保存区分を分けると、要件を照合する単位が明確になります。

電子帳簿保存システムは、国税関係書類と電子取引データを保管し、検索・閲覧・監査できるようにする業務システムです。

対象書類には、請求書、領収書、注文書、契約書、見積書、納品書などがあります。PDFをファイルサーバーに置くだけでは、保存後の管理が足りなくなりがちです。

  • 検索項目:日付、金額、取引先などで検索できること
  • 履歴と権限:訂正削除の履歴、アクセス権限、入力責任者の管理
  • 調査時の出力:税務調査に必要なデータを出力する手順の決定

保存要件を満たしても、書類が登録されなければ運用は成り立ちません。そのため、開発では法律上の保存要件と業務運用を分けて確認します。

電子帳簿・スキャナ保存・電子取引の区分

対象書類は、作成方法と受領経路に応じて三つの保存区分に分けて考えます。区分ごとに要件が異なるので、製品表示だけでは適合を判断しきれません。

  • 電子帳簿・電子書類:パソコンで作成した帳簿や書類
  • スキャナ保存:紙で受け取った書類の画像データ
  • 電子取引:メール添付、Web請求書、EDIなどのデータ

区分によって、入力期限や検索要件、訂正削除の扱いが変わります。

国税庁は、2025年度税制改正に関連して、請求書などのデジタルデータを自動保存し、帳簿へ自動連携する制度の概要を公開しています(出典:国税庁「電子取引関係」、2025年)。

将来の制度変更に備えて、保存区分や法令要件を設定値として管理しておきます。こうしておくと、改正時に影響範囲を確かめられます。

保存の前後の業務を基準にした必要機能

機能は、業務の前後にどう流れるかを見ながら、取り込みから会計連携まで分けて検討します。

  • 取り込みと検索:メール、共有フォルダ、複合機、スマートフォン、EDI、APIからの取り込みと、検索・一括出力
  • 管理機能:タイムスタンプまたは訂正削除履歴、部門別の権限、監査ログ、バックアップの有無
  • 会計連携:仕訳ID、請求書番号、取引先コードを共通キーにできるか

検索では、日付・金額・取引先に加えて、範囲検索や全文検索の可否も見ておきます。さらに、保存期間の管理と退職者アカウントの無効化も必要です。

共通キーで結べると、転記が減り、照合作業の効率化につながります。

AI-OCRを使う場合は、読み取り精度の数字だけでなく、誤読した項目の確認者と修正履歴の残し方も決めておきます。信頼度の低いデータは自動で確定させず、人が確認するHuman-in-the-loopを基本にします。こうすると、誤りを見つけやすくなります。

JIIMA認証は比較材料の一つですが、認証の対象区分と自社の業務運用が合うかは、別に確かめる必要があります。JIIMAの認証製品一覧は、2026年7月24日現在として公開されています(出典:JIIMA「電子取引ソフト法的要件認証製品一覧」、2026年)。

ポイント

製品を比べる前に、書類ごとの受領経路と保存区分を台帳にできているかが判断の目安です。台帳があれば、どの機能が必要かを製品ごとに照らし合わせられます。

電子帳簿保存システムの導入の流れ

6つのフェーズを順に進めると、判断の抜けを抑えられます。前の段階で決めた内容が次の段階の前提になるので、書類と業務の流れを先に押さえておくと、途中で判断をやり直す回数が減ります。

小規模な会社でクラウド設定だけを行う場合でも、発注側は書類の受領経路と確認担当を先に決めておきます。連携や過去データ移行を含む場合は、各段階の成果物を承認してから次へ進みます。

フェーズ1:要件整理での書類と業務の流れの洗い出し

要件整理では、機能一覧より先に、請求書を受け取ってから検索するまでの流れを描きます。仕訳、支払、承認、保存の各段階も、この流れの中で確かめます。受領漏れを防ぐため、受領経路と件数も記録します。

  • 受領経路:メール、Webサイト、EDI、紙、FAX、営業担当の持ち込み。
  • 書類と体制:月間件数、書類の種類、拠点、保存年数、入力担当、確認担当。
  • 成果物:書類台帳、現状業務フロー、保存区分判定表、MUST・WANT要件、権限一覧、移行対象一覧。

PDFを経理へ転送して処理している場合は、転送されない請求書や、個人メールに残ったままの書類がないかを調べます。

要件は、必ず満たすMUSTと、あれば望ましいWANTに分けます。MUSTには法定検索項目や訂正削除履歴を入れ、ダウンロード、監査ログ、バックアップも含めます。WANTには全文検索、スマートフォン登録、ダッシュボードなどを置きます。

法令上の最終判断は、税理士や所轄税務署に確認します。そのうえで、システム担当だけで保存の可否を決めないことが安全です。

フェーズ2:自社の実データによる選定

方式は、クラウドSaaS、パッケージ・オンプレミス、個別開発を同じ軸で比べます。それぞれ、優先する条件によって候補が変わります。標準機能で満たせない要件の重要度も、判断の材料になります。

  • クラウド:法改正への追従と短期導入を優先する場合
  • パッケージ:既存ERPや厳格な社内統制との一体運用を優先する場合
  • 個別開発:独自承認や特殊連携が業務上の競争力に直結する場合

自社の担当者が、実際の請求書、領収書、注文書を使い、取り込みから一括出力までを操作します。

費用面では、AI-OCRの従量課金や保存件数の上限を確かめます。加えて、API・メール取り込みの追加費用と、解約時のデータ形式も見ておきます。

サポート時間や障害時の復旧目標について、各社に質問します。再委託先やJIIMA認証の対象区分も、質問に含めます。最後に、自社の例外ケースに対応できるかを見ます。

フェーズ3:設計・開発での例外処理までの設計

登録画面だけでなく、登録後の確認と承認、差戻しや再提出まで設計します。項目と例外時の扱いを先に決めておけば、稼働後の手戻りを減らせます。

  • 必須項目:日付、金額、取引先、書類種別。
  • 追加項目:請求書番号、部門、プロジェクト、仕訳ID。
  • 例外処理:OCRの手入力、重複検知、金額が一定以上の場合の追加承認、未登録取引先の扱い。

個別開発では、Webアプリ、オブジェクトストレージ、RDBまたは検索エンジンを組み合わせる構成が一般的です。OCR、APIゲートウェイ、監査ログ基盤も、その一部として組み込まれます。

法令要件はソースコードに直接埋め込まず、要件マスタに置きます。あわせて、バージョン管理したテストケースを用意します。

訂正削除履歴は、管理者でも不用意に消せない設計にします。さらに、暗号化やバックアップ、復旧テストも非機能要件に含めます。多要素認証、SSO、ログ保存期間も、非機能要件の一部です。

フェーズ4:法定要件と業務品質のテスト

画面が表示されるかを見るだけでは、テストとして不十分です。法定要件と実際の業務を確かめられるシナリオを用意します。

  • 機能・連携:単体テスト、連携テスト、業務シナリオテスト。
  • 運用・性能:権限テスト、負荷テスト、障害復旧テスト。
  • 調査対応:税務調査を想定した検索・出力テスト。

代表的なシナリオでは、メール添付の請求書を取り込み、担当者がOCR結果を修正して、上長が承認するところまで通します。

続けて、会計ソフトの仕訳と照合し、取引先・日付・金額で検索して一括出力します。

検索は、日付・金額・取引先に加えて範囲検索も見ます。さらに、保存漏れ、訂正削除履歴、ダウンロード要求への対応も確かめます。

アクセス権限や退職者の無効化、バックアップからの復旧も、チェックリストに含めます。

OCRは正解率だけで評価せず、1件あたりの確認時間や差戻し率、手入力率も測ります。

テストデータには、複数ページの書類、傾いた画像、旧字体を含めます。あわせて、外貨や値引き、消費税内訳を含む請求書と、同一請求書の再送も用意します。

フェーズ5:対象部門を絞った段階的な稼働

一度に全社で始めるより、書類の種類や部門を絞って段階的に導入します。最初は受領請求書だけを対象にする方法もあります。

  • 初月の確認:1か月分の登録率、OCR確認時間、検索成功率、未登録件数。
  • 次の展開:問題がなければ領収書、注文書、契約書へ広げる。
  • 切り替え準備:切り替え日、旧サーバーの参照専用化、紙原本、問い合わせ窓口、障害時の代替手段。

過去データは、全件を移すか、法定保存期間のうち直近分だけにするかを判断します。

移行する場合は、件数や日付、金額、取引先をサンプルで照合します。ファイルの開閉と検索結果も、あわせて確かめます。一方で、移行しないデータは、保管場所と参照責任者を文書に残します。

稼働初月は、開発会社の問い合わせ対応を厚くしておきます。エラーを個人の操作ミスで片付けず、画面や業務ルールの改善候補として記録します。

フェーズ6:毎月の数字と責任者による定着の確認

導入が済んだ時点で終わりにせず、利用状況と業務品質を月次で確かめます。

  • 書類登録:受領書類の登録割合と、登録から確認までの時間。
  • 処理品質:差戻し率、検索時間、会計連携エラー件数。
  • 運用体制:問い合わせ件数、代理承認、異動・退職時の権限更新。

登録率が低いときは、操作研修だけでなく受領経路の設計も見直します。メール転送や共有フォルダ連携などが、その候補になります。

法改正や製品アップデートへの対応を、定期的に点検します。認証の有効期限やバックアップ復旧、解約時の出力可否も、同じ周期で確かめます。

個人PCや別のファイルサーバーに保存する抜け道が残ると、漏れを防ぐにはシステムの外側の運用も必要になります。

経理や現場、情報システムなどの代表者が運用会議に加わり、改善内容と判断理由を記録します。これにより、制度変更にも継続して対応できます。

ポイント

段階をまたぐ判断の迷いを減らすには、要件整理で作る書類台帳と業務フローを、選定の前提として固めておくのが目安です。前提が曖昧なままだと、後の段階で手戻りが増えます。

電子帳簿保存システムの費用相場とコストの内訳

NTTファイナンスとinvoxのクラウドSaaS月額料金例4件を、金額に応じた長さの横棒で比較した図。
掲載されたプラン例の間にも月額料金の幅があります。

費用は、保存だけを行うSaaS、会計・請求・ワークフロー連携を含む導入、個別開発によって変わります。

月額だけで比べると、OCRやオペレーター入力、保管件数、APIの費用を見落としがちです。移行、教育、運用支援も、費用として見ておく必要があります。この先の金額は、公開料金と類似システムの情報をもとにした、検討初期の目安です。

クラウドSaaSの初期0〜40万円、月額0.1万〜5万円程度の目安

保存に絞ったクラウド型は、初期費用0円から40万円程度、月額900円から5万円程度が検討の入口です。

  • ClimberCloud:登録件数に応じた従量課金
  • invox電子帳簿保存:初期費用0円、ミニマム税込月額2,178円、ベーシック税込月額10,780円(出典:invox公式料金ページ、2026年確認)
  • 上位プラン・入力:プロフェッショナル税込月額32,780円、AI-OCRは1件税込22円、オペレーター入力は1件税込110円

NTTファイナンスは、月額900円からと案内しています(出典:NTTファイナンス公式サービスページ、2026年確認)。ただし、メール取り込み、タイムスタンプ、複数段階承認が別料金の場合があります。API、容量超過、移行、初期設定も、別料金になることがあります。

月間300件を登録する会社は、基本料金に、OCRや入力の単価を掛けた月次費用を足して計算します。保管期間が7年など長期に及ぶ場合は、累積件数と削除履歴が課金対象かを確かめます。

連携・移行を含む導入の費用の目安

方式ごとに費用の目安を比べます。見積もりでは、作業範囲と変動要因を分けて見ます。

  • 連携・移行導入:総額100万〜500万円程度が仮置きの目安
  • 変動要因:連携数、拠点数、書類件数、移行対象、個別承認の複雑さ
  • オンプレミス:基幹システムとの深い連携では200万〜1,500万円超の例も
  • 個別開発:全体改修での1,500万〜4,000万円以上の可能性

連携導入の想定には、会計・請求・販売管理との連携や権限設計が入ります。さらに、過去データの移行や教育、運用規程の整備も含みます。

ここで挙げた金額は、専用システムの公定価格ではありません。社内調査の会計・文書管理・ワークフロー案件からの推定です。個別開発の金額も、類似業務システムからの推定で、確定額ではありません。

要件によって費用は変わります。そのため、見積書では作業範囲を分解して確かめます。

NECの公開資料には、対応製品とタイムスタンプオプションで235万円、タイムスタンプ付きで300万円の例があります。年間保守は、50万円台から60万円台の例です(出典:NEC「EXPLANNER/FL II 電子帳簿保存対応」資料)。これは製品価格の事例で、サーバーや設定、移行、連携、教育を含む総額ではありません。

導入期間の目安と要件による違い

期間と費用は、方式や対象範囲によって変わります。見積もりを比べるには、条件を各社にそろえて渡すことが欠かせません。

  • クラウド設定:契約と設定だけなら数日〜1か月。業務整理、権限、テスト、教育を含めると1〜3か月
  • 連携・個別開発:API、複数拠点の承認、過去移行を含むと3〜6か月。オンプレミスやスクラッチ開発は6か月〜1年以上
  • 期間短縮:対象書類を絞ったPoCでOCR確認率と検索性を検証してから、全社へ展開
  • 初年度費用:初期設定、月額基本料、従量課金、移行、教育、規程整備、連携開発、保守の合算
  • 3年総額:値上げ条件、保存件数、利用者数、API料、法改正対応、解約時の出力費用も含めて算出

公開料金と自社の件数が合わないときは、同じ前提で複数社に試算を頼みます。

ポイント

月額の安さだけで決めず、初年度と3年総額、OCRや連携、移行の費用を同じ前提で並べて比べるのが判断の目安です。前提の違う金額同士では、どちらが適正かを判断できません。

電子帳簿保存システムの見積もりを取る際のポイント

見積もり前に確認する業務条件、運用条件、統制条件、作業範囲を4枚のチェックカードで示した図。
条件をそろえるほど、各社の見積範囲を比べやすくなります。

見積もりの質は、機能数よりも前提条件のそろえ方で決まります。RFPに対象書類や受領経路を書いておくと、追加開発や追加料金を抑えやすくなります。

  • 業務条件:対象書類、月間件数、受領経路、利用者数、拠点数、保存期間
  • 運用条件:承認段階、既存システム、移行対象、必要な検索項目
  • 統制条件:セキュリティ基準と「電帳法対応システム一式」の範囲

曖昧な依頼のままでは、後から追加開発や追加料金が発生するおそれがあります。

要件と見積範囲の一覧表

各社には、見積項目ごとに、標準機能、設定、追加開発、利用者側の作業のどれに当たるかを明記してもらいます。

  • 開発・導入:要件整理、環境設定、画面・ワークフロー、OCR、検索、権限、監査ログ
  • 移行・連携:会計連携、API、データ移行、テスト、教育、運用規程、保守
  • 一式項目:「移行支援一式」「導入サポート一式」の件数、期間、照合方法、修正回数

料金表では、初期費用と月額基本料を確かめます。ユーザー課金や保管の容量・件数、AI-OCRの料金も、同じ表で見ます。

オペレーター入力やタイムスタンプは、比べる項目に入れます。APIやメール取り込み、超過料金も、比べる項目に含めます。特に、請求単位がファイル、ページ、書類、データ化件数のどれかによって、同じ300件でも金額が変わります。

無料トライアルの対象範囲と、本番環境へ移す際にかかる費用も確かめます。

2〜3社への同じ条件の提示と実データでのPoC

価格帯だけでなく得意な領域で分けて、候補を2〜3社に絞ると、方式の違いが見えてきます。

  • 候補の種類:保存中心のSaaS、会計一体型、文書管理基盤
  • 連携・開発:企業間連携に強いSIer、既存ERP導入会社、個別開発会社

各社には、同じ書類サンプルと月間件数、承認フローを渡します。連携対象と3年利用の前提も、条件に含めて伝えます。初年度と3年総額は、各社とも同じ形式で提出してもらいます。

PoCでは、OCRの読み取り率だけでなく、誤読の修正時間や差戻し、権限変更を確かめます。監査ログの検索、一括出力、障害からの復旧も、あわせて確認します。

開発会社には、要件変更の見積ルールと検収条件、瑕疵対応を質問します。さらに、法改正対応の範囲やデータの所有権、契約終了後の出力形式も尋ねます。

導入責任者と運用サポート担当にも尋ねておくと、稼働後の体制を具体的に描けます。

漏れ・追加費用・定着失敗のリスクと対策

リスクは三つあり、いずれも導入前に見つけておくと、後から大きな問題になりにくくなります。

  • 登録漏れ:電子取引の受領経路を把握せず、データがシステムへ入らない。
  • 確認責任:AI-OCRを過信し、誤読を誰が確認するか決まっていない。
  • 費用・定着:従量課金や保管料の見落とし、現場の入力負担増加。

要件整理やPoC、見積もりの分解、KPIの設定を通じて、これらの問題を事前に見つけます。

セキュリティ面では、保存データの暗号化や通信経路、保管するリージョンを確かめます。バックアップの世代と復旧時間も、あわせて見ておきます。

管理者権限やログ監視、再委託先も確かめます。契約では、停止時の通知、障害時にどこまでを誰が受け持つか、データの返却と削除、解約後の閲覧期間を確認します。

法令対応をベンダー任せにせず、自社の運用規程や責任者、教育記録を整えます。

ポイント

見積もりを比べる前に、業務条件、運用条件、統制条件を各社へ同じ形で渡せているかが目安です。前提がそろっていない金額は、そのまま並べても比べられません。

電子帳簿保存システムのよくある質問

制度の適用は、最新の国税庁資料と自社の税務専門家への確認をもとに判断します。

電子帳簿保存システムでは何を保存しますか?

主な対象は、電子的に作成した帳簿・書類、紙で受け取ってスキャナ保存する書類、電子取引データです。

請求書や領収書、注文書などは、受領経路と保存区分を確かめます。契約書、見積書、納品書も同じように確かめ、その結果を台帳にまとめて、製品の機能と照らし合わせます。

クラウドSaaSと個別開発はどちらを選ぶべきですか?

短期導入や法改正への追従、標準的な保存・検索を重く見るなら、クラウドSaaSが候補になります。

既存ERPとの深い連携や独自承認、特殊な商流、厳格な社内統制が成果に直結する場合は、パッケージ拡張や個別開発を検討します。

機能数だけで決めず、標準機能で満たせない要件の重要度や3年総額、社内の保守体制も含めて判断します。

電子帳簿保存システムの開発費用はどのくらいですか?

保存を中心にしたSaaSは、初期0〜40万円、月額900円〜5万円程度が入口です。OCRや保管、API、移行、教育などで、追加の費用が発生します。

会計・請求・ワークフロー連携を含む導入は100万〜500万円程度、オンプレミスや複数拠点、独自連携は200万〜1,500万円超を仮置きの目安とします。

個別開発の1,500万〜4,000万円以上は、類似業務システムからの推定であり、確定した金額ではありません。

JIIMA認証があれば自社の要件を満たせますか?

JIIMA認証は比較材料の一つですが、それだけで自社の運用要件を満たすとは限りません。まずは、認証された区分と保存方式を確かめます。

受領経路、承認フロー、検索、出力、権限設定をPoCで検証します。認証の有効期限と製品バージョンは、契約時に公式の一覧で確かめます。

ポイント

保存中心のSaaSか、既存ERPや独自承認を含む開発かは、標準機能で満たせない要件の重さで選ぶのが目安です。JIIMA認証は、その判断を支える材料の一つにとどめます。

まとめ

導入では、電子帳簿・スキャナ保存・電子取引の保存区分に分けたうえで、受領経路や書類件数、保存年数、担当者、既存システムを洗い出します。

その後は、6フェーズを順に進めます。登録漏れやOCRの誤読、会計連携は、各段階で確かめます。

初年度と3年総額による費用の比較

初年度の費用は、初期設定、従量課金、保管を合算します。3年総額と並べて比べるため、残りの項目も同じ合計に入れます。

  • 移行
  • 教育
  • 連携
  • 保守

そのうえで、解約時の出力や法改正対応、復旧体制、現場の確認時間も含めて、総コストを判断します。

まずは1部門か1種類の書類でPoCを行い、登録率や確認時間、検索性を測ってから、範囲を広げます。

最初に作る成果物:書類台帳と現状業務フロー

製品を選ぶ前に、業務フローと法令上の前提を資料にまとめておきます。

  • 業務フロー:書類の受領経路、確認者、連携先、検索・出力の時点を一枚に整理したもの
  • 見積条件:同じ条件で依頼し、標準機能と追加開発の差を比べる
  • 責任範囲:国税庁資料で要件を確かめ、自社ルールとシステムの責任を定期的に見直す

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。