備品管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

備品管理システムの発注は、対象と業務の整理、方式と要件の選定、小規模な導入と棚卸しの順に進めます。この順に進めると、現場で使える運用につながります。

全体像は、備品管理システム開発の完全ガイドでも確認できます。

▼全体ガイドの記事
・備品管理システム開発の完全ガイド

発注・外注前に決めておく事項

発注前にまず決めたいのは、管理対象と業務の範囲です。

システム名や画面デザインは、その後に決めても遅くありません。

発注側は、何を、誰が、どの単位で管理するかを先に決めておきます。備品、消耗品、固定資産、PCなどのIT資産では、必要な項目や責任部署が異なるため、対象ごとに整理します。業務の境界を先に決めておくと、不要なカスタマイズを減らせます。さらに、見積もりも同じ前提で比べやすくなります。

管理対象と導入目的の一覧表

管理表には、対象の種類、導入目的、件数を分けて書き出します。

  • 備品:机、椅子、モニター、工具、撮影機材、社用端末が対象です。
  • 消耗品・固定資産:数量と補充点、取得価額と減価償却を押さえます。
  • IT資産:OSや脆弱性、利用者と端末の状態。
  • 管理目的:所在、貸出・返却、棚卸し、購買抑制、会計・税務、セキュリティの目的を分けて扱います。
  • 対象件数:未登録、廃棄済み、重複番号、退職者保有、拠点間移動の数も概算します。

一つのシステムで横断して管理する場合もありますが、目的は分けて書き出します。たとえば経理は、固定資産番号と除却履歴を重視します。

件数が200点、2,000点、1万点のいずれかによって、ラベル、データ整備、棚卸し設計、費用の前提が変わります。

現行業務と困りごとの作業単位での確認

業務の流れと担当は、資料と実作業の両面から一覧にします。

  1. Excel、紙台帳、購買データ、固定資産台帳、PC管理表、貸出簿を集めます。
  2. 購入申請、納品、ラベル発行、登録、配布、貸出、移動、返却の流れを描きます。
  3. 棚卸し、修理、更新、廃棄までを加えて、登録者と承認者を決めます。
  4. 所在不明品と、退職時の返却確認の扱い。

課題は、実際の作業を記録して把握します。年末に3人が5日かけている、拠点別のExcelが6ファイルある、保証期限をメールで管理している、といった状況です。

導入後の成果は、棚卸し日数、台帳との一致率、所在不明数、返却遅延数で検証できます。

ポイント

迷ったときは、管理対象と現行業務の範囲を、資料と実作業の両方で押さえられているかを基準にします。押さえていない部分が多いほど、見積もりの前提はそろいにくくなります。

発注形態の選択肢:クラウド、パッケージ、スクラッチ

発注形態は、導入速度、独自業務への適合度、自社で運用できるかで選びます。たとえば、標準機能で足りる企業がスクラッチを選ぶと、費用と保守の負担が増えます。

反対に、特殊な連携が必要な企業が安価なSaaSだけを選ぶと、手作業が残る可能性があります。

標準利用、設定変更、追加開発の境目は、候補を選ぶ前に確かめます。

クラウド・SaaSが向いているケース

クラウド型は、サーバーの調達や更新を自社で抱えず、スマートフォンで棚卸しを始めやすい方式です。

専任のIT担当者が少なく、一部門や一拠点で試したい企業に合います。

比較では、利用規模、機能、運用条件を分けて確認します。

  • 利用規模:登録数、利用者数、拠点数の上限があるかを見ます。
  • 機能:API、データ出力、権限、オフライン動作の有無。
  • 変更範囲:カスタマイズの上限と、標準機能の範囲。

株式会社アストロラボは、200アイテムのスタートプランを月額5,000円と案内しています。

アカウント数と拠点数は無制限で、QR、棚卸し、貸出・返却、修理・点検履歴を含む一例です(出典: 株式会社アストロラボ「備品管理クラウドの料金体系」、2026年確認)。

登録代行、現地でのラベル貼付、Excel移行、追加連携は、別途確認が必要です。そのため、公開価格だけでは自社の導入総額は分かりません。

パッケージ・ローコードの選び方:独自項目と標準機能のバランス

両方式の向き不向きと、導入前に確かめる点を分けて見ます。

  • パッケージ:備品台帳、棚卸し、貸出、ラベル発行が備わっており、要件定義を短くできます。
  • ローコード・ノーコード:項目や承認フローを自社で変えたい場合に有効です。
  • 標準機能の検証:RFID、大量データ、権限、オフライン、会計連携を、実データに近いサンプルで試します。
  • 追加開発:独自予約、複雑な番号対応、複数法人承認、ERP連携のうち、どこまでを標準で扱うか。

現場固有の要件が競争力に直結する場合は、追加開発の範囲と費用を早い段階で切り分けます。

パッケージに業務を合わせられるなら、カスタマイズを抑えられます。そのためには、標準機能を使う範囲と、変えてはいけない業務ルールを発注前に決めておきます。

スクラッチ開発を検討する場面:連携と独自運用

独自運用が必要かどうかと、現場で使う読取方式は、分けて検討します。

  • 開発の対象:複数拠点・法人、独自の貸出・予約、現場機器や各種システムとの連携を含みます。
  • QR・バーコード:見えるラベルをスマートフォンで読み取る方式で、初期費用を抑えやすい。
  • RFID:大量資産を一括で読み取れますが、タグやリーダー、電波環境、貼付場所の調整が要ります。

自由度が高い一方で、要件定義や移行から、障害対応、セキュリティ更新、法令変更への対応までを、継続して誰かが担う必要があります。

日立システムズエンジニアリングサービスは、RFIDとスマートデバイスの棚卸しで従来比約10分の1への改善を紹介しています。ただし、特定環境での同社比の事例です(出典: 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス「棚卸管理」、2026年確認)。

全社に広げる前に、一拠点でPoCを実施します。

ポイント

迷ったときは、標準機能で業務を回せるか、独自の連携や運用が欠かせないかで判断します。独自性が低いのにスクラッチを選ぶと、費用と保守の負担が増えます。

RFPと要件整理の出発点:現物・台帳・業務フロー

RFPに記載する目的、対象と業務、非機能要件、委託・データ条件を4つのパネルで示した図解。
各項目を揃えると提案の前提を合わせやすくなります。

RFPは、同じ条件で提案と見積もりを比べるための基準です。

機能一覧だけを渡すと、委託先ごとに前提がずれ、移行や教育を含まない提案が出ることもあります。

まず、現状と目的を資料にまとめます。そのうえで、対象範囲、データ、制約を記載し、納期と評価方法も加えます。

RFPの記載項目:目的・対象・業務フロー・非機能要件

提案条件を揃えるには、RFPに入れる内容を具体的に書くことが欠かせません。

  • 目的:棚卸しを5日から2日に短縮、所在不明を月10件以下、返却確認を標準化など。
  • 対象と業務:点数、拠点、利用者、現行システム、データ形式、希望時期、担当と承認者。
  • 非機能要件:権限、MFA、ログ、バックアップ、復旧、可用性、暗号化、障害連絡。
  • 委託・データ条件:再委託先、所在地、解約時の返却形式、個人情報と機密情報の範囲。

扱う情報には、利用者名や部署、設置場所のほか、PCのシリアル番号と貸出履歴も含まれます。

IPAの中小企業向け情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版は、2026年3月に公開されています。

バックアップ、サプライチェーン、人材不足を踏まえた対策が拡充されています(出典: IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年)。

IPAのガイドラインは、発注先評価の基準としても使えます。

MUST・WANT・将来対応の切り分け

要件は、初回に必須のMUST、できれば実現したいWANT、将来の拡張候補に分けて整理します。初回に必要な機能は、次の3つにまとめます。

  • 台帳管理:登録、管理番号、所在、利用者、履歴を扱う範囲。
  • 日常運用:貸出・返却、棚卸し、権限の管理。
  • データ連携:CSVを使った入出力。

WANTには、予約や写真認識を置きます。通知の細分化や購買・会計連携も、できれば実現したい要件です。また、RFID、AI、複数法人統合は、PoCや第2段階に分ける方法もあります。

各要件には受入条件も付けておきます。たとえば、スマートフォンで棚卸しをする場合は、iOSとAndroidでQRを読み、所在不明を登録し、通信が復旧した後に同期できることを定義します。

会計連携では、管理番号、取得日、取得価額のほか、除却状態と拠点コードについて、正となる側を決めます。

エラーを再送する担当者も定義します。

RFPにおけるデータ移行と初回棚卸し

移行と初回棚卸しは、範囲を分けて、見積もりと確認手順に反映します。

  • データ確認:表記ゆれや重複番号、購入日の空欄、旧社員名、廃棄済みを洗い出します。
  • 分類:重複、廃棄済み、未登録、所在不明、番号欠損に分けて、移行対象を決めます。
  • 見積もり:ファイル数、整備範囲、変換ルール、検証、登録代行、ラベル、立会いを項目化します。
  • 先行検証:サンプル100件で管理番号、所属、所在、状態、写真、履歴を確認してから全件移行します。

品名の表記ゆれや廃棄済みレコードを残したままだと、新システムでも台帳と現物が合わず、手戻りにつながります。

契約形態:工程ごとに使い分ける請負と準委任

現状調査・要件定義から開発・設定、移行・導入支援・保守へ進む工程を矢印で示した図解。
完成条件が固まる段階に合わせて契約を切り分けます。

契約は価格だけでなく、要件がどこまで固まっているかと、成果物をどう定義するかで選びます。

要件が曖昧なまま全体を請負にすると、変更のたびに追加費用や納期の協議が必要になります。

完成条件が明確な工程まで準委任にすると、責任範囲や予算の上限が見えにくくなります。そのため、工程ごとに契約を分ける方法が現実的です。

請負契約が向く工程:成果物と完成条件が明確な作業

完成条件が定まった工程では、成果物と検収の内容を契約書に記載します。

  • 対象工程:設定済みパッケージ、確定機能、帳票、APIなど。
  • 成果物と検収:画面、機能、データ項目、連携仕様、テスト、納品物、期限。
  • 受入条件:ラベル、権限、移行精度、読取、会計連携のエラー処理。
  • 契約後の対応:マニュアル、教育、障害修正、瑕疵期間、変更単価。

請負は、受託者が成果物を完成させ、発注者が検収する形です。

「使える状態」とは何かを契約の段階で具体的に決めておくと、責任の整理につながります。

準委任契約が向く工程:要件整理と伴走型の改善

作業を進めながら要件を固める工程では、準委任の作業範囲と進め方をはっきりさせます。

  • 対象業務:現状調査、RFP、製品比較、Fit to Standard確認、試作、ヒアリング、改善。
  • 契約条件:稼働時間、担当者、作業範囲、定例会、成果物、報告方法、予算上限。
  • 役割分担:意思決定者を決め、発注者の確認が遅れた場合の影響も合意しておきます。

要件定義を準委任で支援し、その後の開発を請負にする方法もあります。

リサーチノートでは、仕様固定型の請負は準委任より1.3〜1.5倍程度高い傾向です。ただし、契約条件やリスク分担で変わる目安なので、変更リスクも含めて比べます。

要件定義・開発・運用支援を分けた契約の組み合わせ

契約は、不確実な工程と完成条件が固まった工程を分けて、段階ごとに結びます。

  • 現状調査・要件定義:管理対象、業務フロー、MUST、データ品質、連携、受入条件を固めます。
  • 開発・設定:確定した要件で請負見積もりを取り、予算のぶれを抑えます。
  • 移行・導入支援・保守:作業範囲と支援期間を工程別に決めます。

契約書には、知的財産、第三者ソフト、データ所有権を記載します。

個人情報と秘密保持、再委託、障害責任、終了時の返却と支援も定めておきます。

クラウドは継続利用のサービス契約です。そのため、SLAやバックアップ、復旧の条件、解約時の出力形式を確認します。

ポイント

迷ったときは、完成条件がどこまで固まっているかで、請負と準委任を分けます。固まっていない工程を請負にすると、変更のたびに追加費用や納期の協議が必要になります。

費用相場と見積もりの見方:初期費用・運用費・3年総額

備品管理システムの費用は、管理点数、拠点数、利用者数で変わります。ラベルやデータ移行、現地作業も、費用を左右します。さらに、連携、カスタマイズ、保守も費用の要素です。

備品管理の費用について、全国統一の統計は確認できません。

金額の目安は、リサーチノート、公開料金、類似業務システムの費用構造をもとにしています。

発注時は、同じ前提を提示したうえで、個別見積もりで金額を確定させます。

方式別の費用レンジと予算の初期目安

費用と期間は方式と作業範囲で変わるため、推定レンジは対象の規模と含まれる作業ごとに、次の4区分で示します。

  • 小規模クラウド:初期0万〜20万円程度、月額5,000円〜3万円程度。
  • 200〜2,000点の台帳移行・ラベル・初期設定を含む場合:初期10万〜100万円程度、月額1万〜10万円程度、導入期間1〜3か月程度。
  • 複数拠点・貸出・棚卸し・CSV連携を含む場合:初期50万〜300万円程度、月額3万〜20万円程度、2〜6か月程度。
  • 機器・個別開発:機器や開発の費用は、方式と連携範囲によって変わります。

QR・バーコード機器は30万〜150万円程度です。一方で、RFIDや大規模棚卸しは、100万〜500万円超の追加例があります。専用アプリやAPI連携も、同じ100万〜500万円超の追加例です。

個別開発は、備品と固定資産、会計と購買のいずれも、300万〜1,500万円程度です。

複数法人、多拠点、ERP・MDM連携では、1,000万〜4,000万円以上の可能性があります。

これは、対象範囲と要件に基づく推定値です。備品管理に固有の公的統計や、市場全体の価格を示すものではありません。

3年総額の内訳:移行・ラベル・教育・保守

月額だけで比べると、導入後に予算が膨らみやすくなります。そこで、費用を作業やサービスごとに分けて確認します。

  • 導入作業:設定、データ整備、登録代行、ラベル発行・貼付の費用。
  • 現場対応:機器、現地棚卸し、操作研修、マニュアルの費用。
  • 運用費:追加利用者、API、問い合わせ、バックアップ、保守の費用。
  • 更新・終了:機器更新とデータ返却にかかる費用。

SaaS利用料と個別開発費は、価格表の形が違うため、方式別の3年総額で比べます。

月額5,000円のプランを36か月使うと、利用料は18万円です。これは公開された料金例の一つです。

初期設定やデータ整備を10万〜50万円と仮定すると、単純合計は28万〜68万円程度です。

人件費や機器、税、追加連携は、この合計に含めていないため、別途確認します。

複数拠点で月額1万〜10万円、初期10万〜100万円なら、3年総額は46万〜460万円程度です。ただし、見積書に含む範囲によって金額は変わります。

見積書の比較ポイント:作業項目と前提条件

見積書は、作業内訳と金額の前提を同じ粒度にそろえて照合します。

  • 作業項目:要件定義から保守まで、区分して示されているか。
  • 見積もり条件:数量、単価、期間、担当、回数、拠点、件数、除外事項がそろっているか。
  • 一式項目:「連携一式」「導入支援一式」が含む作業範囲。

リサーチノートの業務システムのエンジニア単価は、月額80万〜120万円程度です。ただし、職種や経験、期間、体制によって変動します。

開発費の40〜60%程度を人件費とする考え方もあります。この考え方は備品管理に固有の公的統計ではないため、複数社の提案と工数を照合して確かめます。

ポイント

迷ったときは、月額だけでなく、移行や教育、保守を含めた3年総額で比べます。前提がそろわない見積もりは、同じ土俵で比べられません。

委託先の選定と見積比較:実績・体制・運用支援

同じシナリオのデモと比較表で確認する業務再現、操作確認、運用条件、責任と費用の4項目を並べたチェックリスト。
同じシナリオで確かめると候補間の差を見つけやすくなります。

委託先は、知名度や最安値だけでなく、現場理解と導入後の支援で選びます。たとえば、Excelからの移行、ラベル、スマートフォンでの棚卸しという実例で、作業を再現してもらいます。

自社に近い事例の確認:管理対象・拠点数・導入規模

実績を見るときは、対象物、規模、導入負担をそろえて確認します。管理対象によって、必要な運用も異なります。

  • 日立システムズエンジニアリングサービス:2025年3月時点で民間70社、公共6団体、資産75万件以上。
  • J:COM事例:全国28拠点、撮影機材9,000点以上を管理し、棚卸し時間を約50%短縮。
  • 導入負担:登録担当、不一致データの整理、未使用機能、工程期間、問い合わせ件数を、導入先に尋ねます。

事例が、総務備品や固定資産、PCなど自社の対象物に近いかを確かめます(出典: 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス「物品管理システム」「J:COM株式会社導入事例」、2025年・2026年確認)。

ただし、同じ規模や効果が保証されるわけではありません。近い業種や拠点構成の利用者にも、前提条件と導入負担を聞いておきます。

同じシナリオのデモと比較表による評価

候補先には、同じ業務シナリオでデモを依頼し、比較表に結果を記録します。

  • 業務再現:ノートPCの登録、貸出、移動、返却、棚卸し、故障履歴、廃棄を、実際に試してもらいます。
  • 操作確認:操作回数、スマートフォン読取、権限、履歴、CSV、エラー復旧を比べます。
  • 運用条件:対象、点数、拠点、貸出、棚卸し、読取方式、連携、移行、教育の各項目。
  • 責任と費用:MFA、ログ、バックアップ、障害、解約時返却、標準と追加開発、担当を記録します。

比較表には、会計・購買・MDM連携、スマートフォン、オフラインも含めます。そのうえで、カタログ上の機能差よりも、現場適合度を見ます。

見積もりに含めるセキュリティと責任の分け方

見積もりには、情報管理、外部委託、固定資産の責任範囲を含めます。

  • クラウド管理:提供者と利用企業の責任の分け方。
  • セキュリティ:MFA、最小権限、暗号化、ログ、バックアップ、脆弱性対応、監視、復旧目標。
  • 委託と終了:再委託先、データ所在地、終了時の消去証明を確認します。
  • 資産と責任部署:耐用年数表を参照しながら、経理・総務・情シスの項目責任を整理します。

政府調達や高い統制が必要な場合は、ISMAP登録も評価材料になります。ただし、登録があっても、自社のリスクがなくなるわけではありません。

固定資産の税務判断は、システムに任せきりにせず、自社で確認します(出典: 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」、2026年確認)。

ポイント

迷ったときは、自社に近い事例を、同じシナリオのデモで確かめられた候補を基準にします。事例の成果は、同じ条件で再現されるとは限りません。

発注後の小規模導入、テスト、初回棚卸し

契約後は、一拠点か一部門で試します。次の順に進めると、問題を早く見つけられます。

  1. 現状調査とMUST・WANT整理
  2. 製品デモ、台帳項目、権限の設計
  3. サンプル移行、設定・開発
  4. 単体・連携・受入テスト
  5. 初回棚卸し、教育、並行運用
  6. 本番切替とKPI確認

受入テストの進め方:実際の備品と利用者

受入から本番切替までは、実際の利用者と備品を使って確かめます。

  1. 管理者、拠点担当者、貸出を受ける社員、経理、情シスが参加します。
  2. 実機でラベル読取、登録、移動、貸出、返却、所在不明、修理、廃棄を試します。
  3. 権限外操作とCSV連携エラーを確認し、合格条件、再テスト日、担当、残課題、追加費用を記録します。
  4. 旧台帳の凍結、最終差分、ラベル再発行、未確認品、問い合わせ窓口の決定が必要です。
  5. 初回棚卸しで運用を検証し、導入初月は登録漏れ、読取失敗、所在不明、返却遅延を毎週確認します。

運用KPIと改善会議

導入前後を比較する指標を定め、改善会議で運用を見直します。

  • 棚卸し・台帳:日数、台帳との一致率、所在不明数を測ります。
  • 作業・費用:登録時間、返却遅延、重複購入額、期限見落としを測ります。
  • 統制:廃棄完了までの日数と、監査指摘の数も見ます。
  • 改善運用:月次または四半期ごとに、関係部署と委託先で会議し、影響の大きい作業から手を入れます。

導入前後の数値を比べ、登録が進まない場合は、項目を増やす前に担当を見直します。

AIの画像・ラベル入力補助やAPI連携では、人が確認する手順と、変更履歴、誤登録の修正手順を残しておきます。

よくある質問(FAQ)

発注・外注でよく出る疑問を取り上げます。費用や方式に唯一の正解はありませんが、前提を整理しておくと、委託先との話が具体的になります。

備品管理システムはクラウドとスクラッチのどちらを選ぶべきですか?

標準的な台帳、棚卸し、貸出・返却を早く始めたい企業は、クラウドが候補になります。

独自の承認や連携が不可欠で、保守体制と予算がある企業は、スクラッチを検討します。

まずクラウドの標準機能でMUSTを満たせるかを確かめ、足りない部分だけを開発する方法が現実的です。

備品管理システムの発注費用はいくらかかりますか?

小規模クラウドは、初期0万〜20万円程度、月額5,000円〜3万円程度が目安です。移行やラベル、教育を含めると費用は増えます。現地棚卸しや連携を加える場合も、同様に増えます。

個別開発の場合は、300万〜1,500万円程度です。複数法人やERP連携では、1,000万〜4,000万円以上のレンジもあります。

この金額は目安にとどまります。対象点数と作業範囲をそろえた相見積もりで、確かめます。

RFPにはどこまで詳しく書けばよいですか?

管理対象、点数、拠点を書き、利用者と現行業務も加えます。目的、MUST・WANT、データ形式を書き、連携先や非機能要件、時期も含めます。予算の考え方と評価基準も、RFPに書いておきます。

全画面の仕様は書き切らなくても構いません。

受入条件と見積もり範囲は明確にし、Excelや業務フローを添えると、提案の前提が揃います。

請負と準委任はどのように使い分ければよいですか?

現状調査やRFP支援、要件整理など、変更が多い工程は準委任が候補です。仕様と完成条件が固まった設定、開発、納品は、請負が候補です。

工程ごとに契約を分けると、不確実な要件と成果物の責任を整理しやすくなります。そのうえで、契約書には、検収や変更管理、データ権利を記載します。さらに、再委託や障害対応、解約時の返却も、契約書に盛り込みます。

まとめ

備品管理システムの発注では、管理対象の範囲と目的を整理します。対象には、備品や消耗品、固定資産とIT資産が含まれます。次に、クラウド、パッケージ、スクラッチのどれが合うかを確かめます。

RFPには、業務フローとMUST・WANT、移行を書きます。ラベルや連携、セキュリティ、受入条件も含めます。

発注前に確認する5つのポイント

発注前に確認する内容を5点にまとめます。

  • 対象と目的:管理対象、点数、拠点、導入目的を定めます。
  • 3年総額:月額に移行、ラベル、教育、保守を加えて比べます。
  • 契約形態:要件の確定度に合わせ、請負と準委任を選びます。
  • 導入実績:近い事例を、同じシナリオで確かめます。
  • 定着支援:初回棚卸しとKPIまでを、支援範囲に含めます。

判断の基準にするのは、月額の安さや機能数より、現場で使い続けられる運用です。

現行台帳と初回棚卸しの範囲の整理

最初に、Excelや紙台帳を集めます。そのうえで、重複や廃棄済み、所在不明のほか、未登録や欠損項目も洗い出します。

管理点数と拠点数が見えれば、標準SaaSや移行支援付きパッケージ、RFP作成支援から、候補を選びやすくなります。さらに、要件をそろえ、複数社から提案を受けます。

▼全体ガイドの記事
・備品管理システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。