備品管理システムの発注・外注は、機能の多さではなく、管理対象と現場の運用を定義してから、クラウド利用・パッケージ導入・個別開発を選ぶことが成功の近道です。特に台帳移行、ラベル貼付、初回棚卸し、会計や購買との連携までを見積もりに含めることが重要です。
「Excelの台帳と現物が合わない」「拠点ごとに管理方法が違う」「退職者のPCや貸出品が戻ってこない」といった悩みから、備品管理システムの導入を検討する企業が増えています。本記事では、発注形態の選び方、RFP・要件整理、契約形態、2026年時点の費用相場、委託先の比較方法、導入後の定着までを、外注・委託の実務に沿って解説します。
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備品管理システムを発注・外注する前に決めること

発注前に決めるべきなのは、システム名や画面のデザインではなく、何を、誰が、どの単位で管理するかです。備品、消耗品、固定資産、PCなどのIT資産は似ていても、必要な項目や責任部署が異なります。最初に業務の境界を決めると、不要なカスタマイズを減らし、見積もりの比較もしやすくなります。
管理対象と導入目的を一つの表にまとめます
まず、机・椅子・モニター・工具・撮影機材・社用端末などの備品、数量と補充点を管理する消耗品、取得価額や減価償却を扱う固定資産、OSや脆弱性まで見るIT資産を区分します。実際には一つのシステムで横断管理することもありますが、目的は「所在管理」「貸出・返却」「棚卸し」「購買抑制」「会計・税務」「セキュリティ」のように分けて書き出します。例えば情シスはPCの利用者と端末状態を重視し、経理は固定資産番号や除却履歴を重視します。両者を同じ項目として扱うと、責任範囲が曖昧になります。
RFPに載せる対象数は、現在の台帳にある件数だけでは不十分です。未登録品、廃棄済みのまま残っている品、重複した管理番号、退職者が保有する品、拠点間を移動する品も概算します。管理点数が200点なのか2,000点なのか1万点なのかで、ラベル作成、データクレンジング、棚卸し設計、費用の前提が変わるためです。
現行業務と困りごとを実際の作業単位で確認します
Excel、紙台帳、購買データ、固定資産台帳、PC管理表、貸出簿を集め、購入申請から納品、ラベル発行、配布、貸出、移動、返却、棚卸し、修理、更新、廃棄までを時系列で描きます。ここで「誰が登録するか」「異動時に誰が承認するか」「所在不明の品をどう扱うか」「退職時の返却をどう確認するか」まで決めることが大切です。
課題は「棚卸しが大変」のような抽象語ではなく、「年末に3人が5日かけて確認している」「拠点別のExcelが6ファイルあり、管理番号が重複している」「保証期限をメールで管理している」のように記録します。導入後に棚卸し日数、台帳と現物の一致率、所在不明件数、貸出返却の遅延件数を測れば、システム導入の成果を検証できます。
発注形態はクラウド・パッケージ・スクラッチから選びます

発注形態は、導入スピード、独自業務への適合度、運用を自社で担えるかの3点で選びます。標準機能で足りる企業がスクラッチ開発を選ぶと費用と保守負担が膨らみ、特殊な連携が必要な企業が安価なSaaSだけで済ませようとすると、手作業が残る可能性があります。候補を一つに絞る前に、標準利用、設定変更、追加開発の境界を確認します。
クラウド・SaaSは標準業務を早く始めたい場合に向いています
クラウド型は、サーバーの調達やバージョンアップを自社で抱えず、スマートフォンで棚卸しを始めやすい点が特徴です。専任のIT担当者が少なく、まず一部門や一拠点で運用を試したい企業に適しています。一方で、登録アイテム数、ユーザー数、拠点数、API、データエクスポート、権限の細かさ、オフライン時の動作、カスタマイズ上限を確認する必要があります。
株式会社アストロラボの備品管理クラウドは、公開ページで200アイテムのスタートプランを月額5,000円と案内し、アカウント数・拠点数を無制限としています。QRコード、棚卸し、貸出・返却、修理・点検履歴などを含む一例ですが、登録代行、現地でのラベル貼付、既存Excelの移行、追加連携は別途確認が必要です(出典: 株式会社アストロラボ「備品管理クラウドの料金体系」、2026年確認)。公開価格は判断材料になりますが、自社の導入総額を示すものではありません。
パッケージ・ローコードは独自項目と標準機能のバランスで選びます
パッケージ製品は、備品台帳、棚卸し、貸出、ラベル発行などの業務知識が組み込まれているため、要件定義を短くしやすい選択肢です。ローコード・ノーコードは、項目や承認フローを自社で変更したい場合に有効です。ただし、RFIDの一括読み取り、大量データ、複雑な権限、オフライン対応、会計連携の性能が標準で足りるかは、デモではなく実データに近いサンプルで確認します。
パッケージに合わせて業務を見直せるなら、カスタマイズを最小限にすることができます。逆に、現場固有の貸出予約、製品番号と社内番号の複雑な対応、複数法人の承認、既存ERPとのリアルタイム連携が競争力に直結する場合は、追加開発の範囲と費用を早めに切り分けます。標準機能を使う範囲と、変えてはいけない業務ルールを分けることがポイントです。
スクラッチ開発は連携と独自運用の優先度が高い場合に検討します
スクラッチ開発や大規模な受託開発は、複数拠点・複数法人をまたぐ管理、独自の貸出・予約、現場機器、購買・会計・ERP・人事・MDMとの連携を一つの業務基盤にまとめたい場合に向きます。自由度が高い反面、要件定義、画面設計、データ移行、テスト、教育、障害対応、セキュリティ更新、将来の法令変更までを継続的に負担します。
QRコードやバーコードは、ラベルが見える備品をスマートフォンで読み取る運用を始めやすく、初期費用を抑えやすい方法です。RFIDは大量の資産を一括で読み取りたい場合に有効ですが、タグ、リーダー、電波環境、貼付場所、現場調整が必要です。日立システムズエンジニアリングサービスは、RFIDとスマートデバイスを使った棚卸しで従来比約10分の1への改善を紹介していますが、これは特定環境・同社比の事例です(出典: 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス「棚卸管理」、2026年確認)。全社導入の前に、一拠点でPoCを実施します。
RFPと要件整理は現物・台帳・業務フローから始めます

RFPは、ベンダーに希望を伝えるだけの資料ではなく、同じ条件で提案と見積もりを比較するための基準です。機能一覧だけを書くと、委託先ごとに前提が変わり、安い提案が移行や教育を含まない可能性があります。現状、目的、対象範囲、データ、制約、納期、評価方法を一つの資料にまとめます。
RFPには目的・対象・業務フロー・非機能要件を入れます
RFPの冒頭には、導入目的を「棚卸しを5日から2日に短縮したい」「所在不明を月10件以下にしたい」「退職時の返却確認を標準化したい」のように書きます。次に、管理点数、拠点数、利用者数、管理対象、現行システム、データ形式、希望時期を記載します。業務フローでは、購入申請、納品、登録、配布、貸出、移動、返却、棚卸し、修理、廃棄の各担当と承認者を示します。
非機能要件には、権限、MFA、操作ログ、バックアップ、復旧目標、可用性、データ暗号化、障害時の連絡、再委託先、データ所在地、解約時の返却形式を入れます。利用者名、部署、設置場所、PCのシリアル番号、貸出履歴を扱うため、個人情報と機密情報の範囲も定義します。2026年3月にIPAが公開した中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版では、バックアップやサプライチェーン、人材不足を踏まえた対策が拡充されています(出典: IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年)。発注先のセキュリティ体制を評価する際の基準にできます。
MUST・WANT・将来対応を分けて過剰発注を防ぎます
要件は、初回リリースに欠かせないMUST、できれば実現したいWANT、将来の拡張候補に分けます。MUSTには、台帳登録、管理番号、所在・利用者、貸出・返却、棚卸し、権限、履歴、CSV入出力などを置きます。WANTには、予約、写真認識、通知の細分化、購買・会計連携などを置き、RFID、AI、複数法人統合はPoCや第2段階に分ける判断も必要です。
各要件には、優先度だけでなく受入条件を付けます。例えば「スマートフォンで棚卸しできる」ではなく、「iOSとAndroidでQRを読み取り、所在不明をその場で登録し、通信復旧後に同期できること」と書きます。「会計連携」では、管理番号、取得日、取得価額、除却状態、拠点コードのどちらが正となるか、エラーを誰が再送するかまで定義します。
データ移行と初回棚卸しをRFPの中心に置きます
備品管理システムの導入で最も見落とされやすいのが、既存データの整備です。Excelにある品名の表記ゆれ、同じ物品への複数番号、空欄の購入日、旧社員の名前、廃棄済みのレコードをそのまま移行すると、新システムでも台帳と現物が一致しません。移行前に、重複、廃棄済み、未登録、所在不明、シリアル番号欠損を分類し、残すデータと確認するデータを分けます。
見積もりでは「データ移行一式」ではなく、対象ファイル数、クレンジングの範囲、変換ルール、検証方法、登録代行、ラベル印刷、現地での貼付、初回棚卸しの立会いを項目化してもらいます。サンプル100件を先に移行し、管理番号・所属・所在・状態・写真・履歴が正しく表示されるかを確認してから全件移行に進むと、手戻りを抑えられます。
契約形態は請負と準委任を工程ごとに使い分けます

契約形態は、価格の安さだけでなく、要件の確定度と成果物の定義で選びます。要件が曖昧なまま開発全体を請負にすると、変更のたびに追加費用や納期延長の協議が必要になります。反対に、完成条件が明確な工程まで準委任にすると、責任範囲や予算上限が分かりにくくなるため、工程を分けて契約する方法が現実的です。
請負契約は成果物と完成条件を明確にできる工程に使います
請負契約は、受託者が定められた成果物を完成させ、発注者が検収する形に向いています。確定した画面一覧、機能、データ項目、連携仕様、テスト項目、納品物、検収期限がある場合は、責任と支払い条件を整理しやすくなります。備品管理システムでは、基本設定済みのパッケージ導入、確定した追加機能、決められた帳票やAPIなどが候補です。
ただし、請負でも「使える状態」の定義を曖昧にしてはいけません。ラベル発行、権限設定、移行データの精度、スマートフォンの読み取り、会計連携のエラー処理、マニュアル、教育、障害修正、瑕疵対応の期間まで契約書や仕様書に記載します。検収後の追加変更をどの単価で扱うかも、あらかじめ決めておきます。
準委任契約は要件整理や伴走型の改善に使います
準委任契約は、一定期間の業務遂行や専門知識の提供を受ける形に向いています。現状調査、RFP作成支援、製品比較、Fit to Standardの確認、プロトタイプ、現場ヒアリング、運用改善など、作業を進めながら要件が固まる工程で使いやすい契約です。発注者側に専門知識が足りない場合は、要件定義だけを準委任で支援してもらい、その後の開発を請負で契約する方法もあります。
準委任では、稼働時間、担当者、作業範囲、定例会、成果物の扱い、報告方法、予算上限を具体化します。作業した時間だけでなく、意思決定を誰が行うのか、発注者の確認遅れが納期にどう影響するのかも合意します。リサーチノートでは、仕様固定型の請負は準委任より1.3〜1.5倍程度高くなる傾向が示されていますが、契約条件やリスク分担によって変動する目安です。単純な価格比較ではなく、変更リスクを含めて判断します。
要件定義・開発・運用支援を分けて契約します
おすすめは、最初からすべてを一括発注するのではなく、現状調査と要件定義、開発・設定、移行と導入支援、保守・改善を工程として分けることです。最初の工程で、管理対象、業務フロー、MUST要件、データ品質、連携方式、受入条件を固めます。その結果をもとに、開発工程の請負見積もりを取り直せば、仕様変更による予算のぶれを抑えられます。
契約書には、知的財産権、第三者ソフトウェア、データの所有権、個人情報の取扱い、秘密保持、再委託、障害時の責任、サービス終了時のデータ返却、契約終了後のサポートを記載します。クラウド利用では、システムそのものの納品ではなく継続利用のためのサービス契約になるため、SLA、バックアップ、復旧、解約時のエクスポート形式を特に確認します。
費用相場と見積もりは初期費用・運用費・3年総額で見ます

備品管理システムの費用は、管理点数、拠点数、ユーザー数、ラベル方式、データ移行、現地作業、連携、カスタマイズ、保守によって変わります。備品管理だけの全国統一統計は確認できないため、以下はリサーチノート、公開料金、類似する業務システムの費用構造から組み立てた目安です。発注時は必ず同じ前提を提示し、個別見積もりで確定させます。
方式別の費用レンジを発注予算の初期目安にします
小規模クラウドの標準利用は、初期費用0万〜20万円程度、月額5,000円〜3万円程度が一つの目安です。200〜2,000点の台帳移行、ラベル、初期設定を含める場合は、初期10万〜100万円程度、月額1万〜10万円程度、導入期間1〜3か月程度を見込みます。複数拠点、貸出、棚卸し、CSV連携を含む場合は、初期50万〜300万円程度、月額3万〜20万円程度、2〜6か月程度が目安になります。
QR・バーコード機器を含む現場導入では30万〜150万円程度の追加、RFID、大規模棚卸し、専用アプリ、API連携では100万〜500万円超の追加を見込むケースがあります。備品・固定資産・会計・購買を個別開発する場合は300万〜1,500万円程度、複数法人・多拠点・ERP/MDM連携を含むスクラッチ開発では1,000万〜4,000万円以上となる可能性もあります。いずれも市場全体を保証する価格ではなく、対象範囲と要件による推定レンジです。
3年総額に移行・ラベル・教育・保守を加えます
月額だけで比較すると、導入後に予算が膨らみます。初期設定、データクレンジング、登録代行、ラベル発行・貼付、スキャナやRFIDリーダー、現地棚卸し、操作研修、マニュアル、追加ユーザー、API利用料、問い合わせ対応、バックアップ、保守、機器更新、データ返却を分けて計算します。SaaSの利用料と個別開発費は、同じ価格表に並べず、導入方式ごとの3年総額で比較します。
例えば月額5,000円のプランを36か月利用すると利用料は18万円ですが、これは公開された一つの料金例にすぎません。初期設定やデータ整備を10万〜50万円と仮置きする場合、単純合計は28万〜68万円程度になります。複数拠点で月額1万〜10万円、初期10万〜100万円程度なら、3年総額は46万〜460万円程度です。人件費、機器、消費税、追加連携などを含むかで変わるため、見積書の範囲を必ず確認します。
見積書は作業項目と前提条件の粒度を揃えて比較します
見積書では、要件定義、設計、設定・開発、テスト、移行、ラベル、機器、教育、導入支援、保守を分けてもらいます。数量、単価、期間、担当者、含まれる回数、対象拠点、データ件数、除外事項が書かれているかを確認します。「連携対応一式」「導入支援一式」のような項目は、何をどこまで行うのか質問します。
業務システムの人件費は、リサーチノートで月額80万〜120万円程度のエンジニア単価を目安として整理していますが、職種、経験、契約期間、会社の体制によって変動します。開発費の40〜60%程度を人件費とする考え方もありますが、備品管理システム固有の公的統計ではありません。これらを予算の上限設定に使う場合も、複数社の提案と作業工数を照合して妥当性を判断します。
委託先選定と見積比較は実績・体制・運用支援を見ます

委託先は、会社の知名度や最安値だけでなく、備品管理の現場を理解し、導入後の運用まで支援できるかで選びます。提案書に書かれた機能を採点するだけでなく、実際のExcelサンプル、ラベル、スマートフォン、現場の棚卸しシナリオを使って、導入後の作業を再現してもらうことが有効です。
自社に近い管理対象・拠点数・導入規模の事例を確認します
実績は「導入社数」だけでなく、何を何点、何拠点で管理したかを確認します。総務備品、固定資産、PC、工具、撮影機材では、必要な運用が異なります。例えば日立システムズエンジニアリングサービスは、2025年3月時点で民間70社、公共6団体、資産数75万件以上の導入実績を公開しています。またJ:COMの事例では、全国28拠点・9,000点以上の撮影機材を管理し、棚卸し時間を約50%短縮したとしています(出典: 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス「物品管理システム」「J:COM株式会社導入事例」、2025年・2026年確認)。同じ規模・同じ効果が自社で保証されるわけではないため、前提条件を聞きます。
確認したい質問は、「初期登録を誰が担当したか」「台帳と現物の不一致をどう整理したか」「現場が使わない機能は何だったか」「導入期間はどの工程にかかったか」「運用開始後の問い合わせ件数はどう変わったか」です。可能であれば、同業または同じ拠点構成のユーザーに、提案書に書かれていない導入負担を聞きます。
同じシナリオのデモと比較表で評価します
候補先には、同じシナリオでデモを依頼します。例えば「納品したノートPCを登録し、社員へ貸し出し、拠点を移動させ、返却後に棚卸しし、故障履歴を登録して廃棄する」という流れです。操作回数、スマートフォンでの読み取り、権限変更、履歴の確認、CSV出力、エラー時の復旧を比較すると、カタログ上の機能差より現場適合度が見えます。
比較表の共通項目には、対象物、管理点数、拠点階層、貸出・予約、棚卸し方式、QR・バーコード・RFID、スマートフォン、オフライン、会計・購買・MDM連携、移行支援、教育、MFA、操作ログ、バックアップ、障害対応、解約時のデータ返却を入れます。評価は機能の有無だけでなく、標準か追加開発か、追加費用はいくらか、誰が運用するかまで書きます。
セキュリティと導入後の責任分界を見積もりに含めます
クラウド型では、サービス提供者と利用企業の責任分界を確認します。MFA、最小権限、暗号化、操作ログ、バックアップ、脆弱性対応、監視、障害時の復旧目標、再委託先、データ所在地、契約終了時の消去証明を質問します。政府調達や高い統制が必要な場合は、ISMAP登録の有無も候補評価の材料にします。ただし、登録の有無だけで自社のリスクがなくなるわけではありません。
固定資産を扱う場合は、国税庁の主な減価償却資産の耐用年数表などを参照し、社内の経理ルールとシステム項目を合わせます。耐用年数や償却区分をシステムが保持できても、税務上の判断を自動処理に任せきりにしないことが大切です(出典: 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」、2026年確認)。発注先には、経理・総務・情シスのどの部署がどの項目を正とするかを整理してもらいます。
発注後は小さく導入し、テストと初回棚卸しで定着させます

契約後は、いきなり全社展開せず、一拠点または一部門で試します。現状調査、MUST・WANT整理、製品デモ、台帳項目と権限設計、サンプル移行、設定・開発、単体・連携・受入テスト、初回棚卸し、教育、並行運用、本番切替、KPI確認の順に進めると、問題を早期に発見できます。
受入テストは実際の備品と利用者で行います
受入テストでは、管理者だけでなく、拠点担当者、貸出を受ける社員、経理、情シスなどが参加します。実際のスマートフォンでラベルを読み取り、登録、移動、貸出、返却、所在不明、修理、廃棄、権限のない操作、CSV連携エラーを確認します。テスト結果は、合格条件、再テスト日、担当者、残課題、追加費用の扱いまで記録します。
本番切替前には、旧台帳を凍結する日時、最終差分を移行する方法、ラベルの再発行、未確認品の扱い、問い合わせ窓口を決めます。初回棚卸しを導入作業の終わりにせず、運用ルールが現場で通用するかを検証する機会と捉えます。導入初月は、登録漏れ、読み取り失敗、所在不明、貸出返却の遅延を毎週確認します。
運用KPIと改善会議でシステムを使い続けます
導入後は、棚卸し日数、台帳と現物の一致率、所在不明件数、登録完了までの時間、貸出返却の遅延件数、重複購入額、保証・点検期限の見落とし件数、廃棄処理の完了日数、監査指摘件数を測ります。「使われているか」だけでなく、導入前の基準値と導入後の数値を比較します。現場が登録しない場合は、画面や項目を増やす前に、誰の作業として登録するかを見直します。
月次または四半期ごとに、総務、経理、情シス、現場代表、委託先で改善会議を開きます。追加開発を依頼する場合も、問い合わせの多い作業やKPIに影響する作業から優先します。AIによる画像・ラベル入力補助やAPI連携を追加する場合は、人の確認、変更履歴、誤登録時の修正手順を残すことが大切です。
よくある質問(FAQ)

ここでは、備品管理システムの発注・外注を検討する担当者から寄せられやすい疑問に回答します。費用や方式に唯一の正解はありませんが、判断に必要な前提を整理すると、委託先との会話が具体的になります。
備品管理システムはクラウドとスクラッチのどちらを選ぶべきですか?
標準的な備品台帳、棚卸し、貸出・返却を早く始めたい企業はクラウドが候補です。複数法人や独自の承認・連携が業務上不可欠で、将来の保守体制と予算を持てる企業はスクラッチや追加開発を検討します。まずクラウドの標準機能でMUSTを満たせるか確認し、差分だけを開発する進め方が現実的です。
備品管理システムの発注費用はいくらかかりますか?
小規模クラウドの標準利用は初期0万〜20万円程度、月額5,000円〜3万円程度が目安ですが、移行、ラベル、教育、現地棚卸し、連携を含めると増えます。個別開発は300万〜1,500万円程度、複数法人やERP連携を含む場合は1,000万〜4,000万円以上のレンジもあります。備品管理固有の公的統計ではないため、対象点数と作業範囲を揃えた相見積もりで確認します。
RFPにはどこまで詳しく書けばよいですか?
管理対象、点数、拠点、利用者、現行業務、導入目的、MUST・WANT、データ形式、連携先、非機能要件、希望時期、予算の考え方、提案・見積もりの評価基準まで書きます。すべての画面仕様を決める必要はありませんが、受入条件と「何を見積もりに含めるか」は明確にします。現場のExcelや業務フローをサンプルとして添付すると、提案の前提が揃います。
請負と準委任はどのように使い分ければよいですか?
現状調査、RFP作成支援、要件整理、プロトタイプなど変更が多い工程は準委任、仕様と完成条件が固まった設定・開発・納品は請負が候補です。契約を一括にせず、工程ごとに分けると、要件の不確実性と成果物の責任を整理しやすくなります。契約書には検収、変更管理、データの権利、再委託、障害対応、解約時の返却を記載します。
まとめ

備品管理システムの発注・外注では、最初に備品、消耗品、固定資産、IT資産の範囲と導入目的を整理します。そのうえで、クラウド・パッケージ・スクラッチの適合性を確認し、RFPに業務フロー、MUST・WANT、データ移行、ラベル、連携、セキュリティ、受入条件を書きます。
発注前に確認する5つのポイント
確認するポイントは、(1)管理対象・点数・拠点と目的が定義されていること、(2)初期費用だけでなく月額・移行・ラベル・教育・保守を含む3年総額で比較すること、(3)要件の確定度に合わせて請負と準委任を使い分けること、(4)自社に近い実績を同じシナリオで検証すること、(5)導入後の初回棚卸しとKPIまで委託先の支援範囲に含めることです。月額の安さや機能数だけで決めず、現場で使い続けられる運用を基準にします。
まずは現行台帳と初回棚卸しの範囲を整理します
最初の一歩は、既存のExcelや紙台帳を集め、重複・廃棄済み・所在不明・未登録・欠損項目を洗い出すことです。管理点数と拠点数が見えれば、標準SaaSで始めるのか、移行支援付きのパッケージを選ぶのか、専門会社にRFP作成から相談するのかを判断できます。要件を整理した段階で複数社に同じ条件を渡し、比較可能な提案を受けます。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
