飼料管理システムの発注・外注は、配合計算、在庫・発注、TMR製造、給餌実績、設備連携のうち、どこまでを対象にするかを決めることから始まります。そのうえで、発注形態、RFPと要件整理、契約形態、費用、委託先の順に検討し、同じ要件で複数社を比べて決めるのが基本です。
▼全体ガイドの記事
・飼料管理システム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
発注・外注の始め方

まず考えたいのは、システムに何をさせるかより、飼料業務のどこを改善したいかです。飼料の現場では、ソフトウェアだけでなく、秤量機、タンク、給餌機、既存の牛群管理や会計データまで関係します。そのため、機能一覧だけで発注すると、後から追加費用が発生しやすくなります。
飼料管理システムは、原料を受け入れて保管し、配合を決め、計量・混合し、家畜へ給与し、残飼や乳量・増体を確認するまでの一連の情報をつなぐ仕組みです。発注前に対象範囲を決めておくと、必要な委託先の種類と見積もりの比較軸がはっきりします。
配合計算型・TMRセンター型・自動給餌型の3タイプ
飼料管理システムは、対象業務に応じて主に次の3タイプに分かれます。
- 配合計算型:原料情報や栄養成分の登録と、目標栄養量・原料コストを踏まえた配合案の作成
- TMRセンター型:構成員の注文から配合指示、計量、混合、配送、作業日報、請求までの一連の業務
- 自動給餌・IoT型:秤量機、タンク、給餌機、個体センサーなどとの連携と、計画値・実績値の記録
配合計算型は、Excelで配合を管理する農場や、原料価格に合わせてレシピを見直したい事業者に向いています。ただし、3タイプには重なる部分もあるものの、対象によって発注規模は大きく異なります。
ソフト・機器・現地導入支援の発注範囲の分け方
見積もりは、ソフト開発費だけでなく、機器の購入・改修、通信回線、ゲートウェイ、現地工事を分けて書いてもらいます。データ移行、教育、保守についても、別の項目として並べてもらいます。
ソフト開発会社だけでは、秤量機の設置やPLCの改修は担当の外になることがあります。そのため、設備会社、飼料運用に詳しい会社、システム会社の役割分担も、発注前に確認しておきます。たとえば、配合計算だけならソフトベンダーへの依頼で足りますが、TMRセンターの配送計画や請求まで含めるなら、業務設計を理解できるSI会社との協業が必要になります。
発注の責任を一社にまとめるか、複数社に分けて契約するかも、初期段階で決めておくと調整が容易です。
発注形態の選び方:パッケージ・クラウド・スクラッチ

発注形態は、標準機能に業務を合わせられるか、独自の配合ルールや設備と連携する必要があるかで判断します。
導入の早さと初期費用を重視するなら、パッケージ・クラウドが候補になります。既存業務との差分が限られるなら、カスタマイズやAPI連携で補えます。業務そのものを変えたい場合や、複数拠点を統合する場合は、スクラッチ開発を考えることになります。
ただし、最初から全機能を個別開発する必要はありません。小さな範囲で効果を検証してから、必要な差分だけを追加していく進め方が、飼料現場ではリスクを抑えやすい方法です。
標準機能で足りる場合のパッケージ・クラウド
配合計算、原料マスタ、在庫、発注、給餌実績などが標準機能に含まれ、自社の業務をあまり変えずに使えるなら、パッケージやクラウドが現実的です。その理由は、サーバーの保守、バックアップ、機能更新を自社で抱えずに済み、導入までの期間も短くなりやすいからです。
配合設計を中心に比較するなら、インタージャパンのLCx FeedPlanのように、畜産向けの配合設計を明示する製品を候補にします。対象畜種、栄養成分表、価格シミュレーション、データ出力の範囲を確認します。
契約前には、月額料金に含まれるユーザー数、拠点数、サポート、データ保存量、解約時のデータ返却の範囲を見ておくことが大切です。
差分が限られる場合の設定変更・カスタマイズ・API連携
標準製品に足りない部分が、帳票の項目、承認フロー、取引先のコード、会計システムとの連携などに限られるなら、全面的なスクラッチ開発は避けられます。そのうえで、標準機能と追加開発を分けて見積もり、どこまでを製品のバージョンアップで維持し、どこからを自社専用の保守にするのかを確かめます。
TMR総合管理システムのように、注文、配合指示、作業、請求をまとめて扱う製品を検討する場合も、既存の秤量機や配送管理との接続方法を先に確認します。APIがない機器については、CSV連携、ゲートウェイ、手動インポートなどの代替方式と、その運用負担まで比べる必要があります。
独自性が高い場合のスクラッチとPoC
独自の配合ロジック、複数農場の統合、特殊な秤量設備、24時間稼働する給餌制御などが必要なら、スクラッチ開発や大規模なカスタマイズが候補になります。ただし、実際の現場では通信断、砂埃、振動、計量誤差、夜間作業、担当者の交代といった条件が影響します。
そのため、成功の判断は現場での検証を踏まえて行う必要があります。まず1農場、1畜舎、1配合ラインを対象に、配合指示から計量実績の記録までを検証するPoCを行います。
PoCの費用は、リサーチノートと一次産業向け個別開発の目安から、50万〜300万円程度が一つの推定レンジです。ただし、対象機器や現地作業の有無で変わるため、固定価格とは考えず、推定として扱うことが大切です。
RFPと要件整理の進め方

RFPは、開発会社やベンダーへ提案を依頼するための資料です。仕様書を最初から完成させる必要はありません。まず現状の業務と解決したい課題をそろえ、そのうえで、対象範囲、制約、希望時期、予算の考え方、評価基準を示すと、各社の提案を同じ条件で比べられます。
飼料管理では、画面の数よりも、原料の受入から給与実績、残飼、家畜成績、請求までのデータが、どの順番で生まれ、誰が確認するかを整理することが重要です。
現状フローと改善KPIの整理
まず、飼料の発注、納品、受入検査、保管、配合、計量を時系列で書き出します。続けて、混合、運搬、給与、残飼確認、廃棄、請求までを書き加えます。各工程について、担当者、使っている帳票やExcel、入力のタイミング、確認者、例外処理、現在の困りごとを記録します。
次に、入力時間、在庫差異、計量ミス、欠品回数などから、導入後に測定するKPIを3〜5個に絞ります。候補には、飼料費、飼料費を頭数で割った値、乳量や増体、残飼量なども含まれます。
提案を評価するには、「業務を効率化したい」を、「日次の在庫集計を何分短縮したい」「計量誤差をどの方法で確認したい」のように置き換えます。こうすると、PoCと本番の合否を決めやすくなります。
データの流れと利用者ごとの機能要件
機能要件には、飼料マスタ、原料ロット、仕入先、単価、乾物率、栄養成分を含めます。さらに、使用期限、保管場所、配合レシピ、発注点、入荷量、在庫残量も対象です。製造ロット、投入順、混合時間、給与量、残飼、作業者も、要件に入れます。
加えて、配送先、請求、個体や群の体重・乳量・増体などを対象にします。ただし、すべてを必須にせず、「初期導入で必須」「将来追加」「対象外」に分けます。
利用者は、経営者、飼料担当、現場作業者に加えて、次の立場の人も含めて整理します。
- 獣医師や栄養担当
- TMRセンターの構成員
- 請求担当
そのうえで、誰が閲覧し、誰が登録し、誰が承認するかを決めておきます。スマートフォンで片手入力する人と、PCで集計する人では、必要な画面と操作が異なります。
通信・権限・保存期間・障害時の非機能要件
非機能要件には、通信が不安定な場所でも入力できるオフライン対応、再接続時の同期、スマートフォンやタブレットの耐候性を含めます。停電やセンサー故障時の手動運転、バックアップ、復旧時間も記載します。さらに、操作履歴、権限、データ出力、契約終了時の返却形式を入れます。
飼料を製造・輸入・譲受・譲渡する事業者では、一定事項を帳簿に記載する制度があります。FAMICは、飼料安全法に基づく帳簿について、電磁的記録による作成・保存が可能だと説明しています。また、帳簿は8年間保存する必要があるとしています(出典: 独立行政法人農林水産消費安全技術センター、飼料安全法の運用通知)。
まず、自社が対象事業者に該当するかを確認します。そのうえで、必要な項目、変更履歴、検索性、出力性を要件に組み込みます。
納品物と評価基準の記載
RFPには、背景と目的、対象拠点、対象畜種、利用者数、対象業務を記載します。さらに、既存機器とシステム、連携したいデータ、移行対象、希望する導入時期、予算の前提を書きます。
納品物、保守の希望、提案書の提出期限も示しておきます。特に、画面一覧だけでなく、業務フロー図、データ項目一覧、連携方式、テスト計画を、提案に含めてもらいます。教育計画、障害時の連絡体制、データ返却方法についても、提案に入れてもらいます。
評価基準は、価格だけでなく、畜産・飼料業務の理解、同種設備との連携実績、現地対応、担当者の体制に配点します。さらに、提案の具体性、運用開始後の支援、契約条件の透明性も評価に含めます。RFPの作成段階で候補会社に現地確認を依頼し、現場を見ずに出された概算と、現地条件を踏まえた見積もりを分けて考えることも大切です。
請負と準委任の契約形態

契約形態は、納品物と完成条件を定められる範囲は請負、要件整理や伴走支援など作業の進め方を重視する範囲は準委任と考えると、分けて判断できます。飼料管理システムでは、現場ヒアリングやPoCの段階で要件が変わりやすい一方、正式な開発では納品と検収が必要です。
発注側は、要件定義から本番稼働までを一つの契約に詰め込まず、フェーズごとに契約と成果を区切ると、追加変更と責任の範囲を管理しやすくなります。
完成物と検収条件が決まる開発の請負契約
請負契約は、合意した成果物を完成させ、発注者が検収する開発に向いています。たとえば、原料マスタ、配合レシピ、在庫・発注画面、製造実績、給与実績の機能を納品し、指定したテストケースを満たしたら検収する、といった形です。
発注時には、納品物、検収期間、検収基準、瑕疵や不具合の修正範囲、追加要望の扱い、納期変更の条件を、契約書や仕様書に記載します。「現場で使えること」のような抽象的な表現では、完成したかどうかをめぐって争いになりがちです。そのため、発注側は、オフライン入力、計量値の取り込み、帳票出力、権限、バックアップ復元など、確認できる条件に置き換えます。
要件整理・現場伴走・改善支援の準委任契約
準委任契約は、専門家が一定の業務を行うことを目的とする契約です。現状分析、RFP作成支援、現場ヒアリング、プロトタイプの検討、データ移行の計画、導入後の運用改善など、成果物の形や要件が途中で変わる業務に適しています。
作業時間や担当者の役割が中心になるため、稼働範囲、定例会議、報告内容、対応時間、作業記録、成果物の扱いを明確にします。
準委任は、成果を約束しなくてよいという意味ではありません。そのため、合意した作業を実施したかを確認できるよう、議事録、課題一覧、設計メモ、検証結果などを残しておくことが大切です。
要件定義と開発で契約を分ける段階的な進め方
実務では、最初の現状分析とPoCを準委任または小規模な請負で行い、要件と検証結果が固まったら本開発を請負で契約します。保守・改善は準委任で継続する、という組み合わせが使いやすいです。契約を分ける場合は、発注側が各フェーズの終了条件と、次へ進む判断者を決めておきます。
PoCの成果が本開発へ引き継がれるか、プロトタイプのソースコードや設計資料を誰が使えるか、途中解約時にデータと成果物をどこまで返すかも、あらかじめ確認しておきます。また、設備会社とシステム会社が別々の場合は、通信仕様、障害対応、保証の範囲、現地作業の責任者を三者間で合意しておくことで、原因の押し付け合いを防げます。
データ所有権・変更管理・SLAの契約条項
飼料管理システムでは、配合レシピ、原料単価、給与実績、乳量・増体、作業ノウハウなどが重要な事業データになります。契約書には、データの所有権と利用範囲、機械学習への利用可否、第三者提供を定めます。
加えて、バックアップ、削除、契約終了時の返却形式、APIやCSVの仕様も決めておきます。クラウドを利用する場合は、稼働率の目標、障害時の連絡、復旧目標時間、メンテナンス通知、個人情報や認証情報の管理も確認します。
農業分野のデータ契約では、提供者と利用者の権利・責任を契約で整理する考え方が示されています。そのため、農林水産省の「農業分野におけるAI・データに関する契約ガイドライン」も確認材料になります。
飼料管理システムの費用相場

飼料管理システムの費用は、標準クラウドの利用から、複数拠点・設備・個体データを統合する開発まで幅があります。公開されている2026年の一般的なシステム開発相場では、小規模な業務システムが100万〜300万円、中規模が500万〜1,000万円、大規模が1,000万円〜数千万円以上とされています。
人月単価は60万〜200万円程度と示されています(出典: SIA株式会社「システム開発の費用・相場 2026年版」、2026年7月更新)。
これは飼料管理専用製品の平均価格ではありません。ただし、要件の大きさを見積もる際の基準にはなります。
ここで示す金額は、リサーチノートと公開相場をもとにした編集部の推定です。実際の見積もりを保証するものではありません。
対象範囲ごとの初期費用の目安
配合計算と原料マスタを中心に、標準クラウドやパッケージを導入する場合は、初期費用100万〜300万円程度が一つの目安です。在庫・発注・給餌実績を加えて、小規模から中規模の農場向けにカスタマイズする場合は、300万〜800万円程度が推定レンジになります。
TMRセンターの受注、配合指示、製造、配送、請求を一体化する場合は、500万〜1,200万円程度が検討のレンジです。複数拠点で秤量機、タンク、自動給餌機、牛群管理、会計まで連携する場合は、800万〜2,000万円程度が検討の幅になります。
独自の配合ロジック、全社データ基盤、設備制御、監査要件を含むスクラッチ開発では、2,000万円を超え、数千万円規模になる可能性もあります。
機器・工事・移行・教育・保守の費用
飼料管理システムでは、センサー、産業用秤、タンク、給餌機、ゲートウェイといった機器の費用が発生します。ネットワークや電源、現地工事も、ソフトウェアとは別の費用として見積もりに現れます。これらは構成によって100万円未満から1,000万円を超える場合まであり、公開定価を一律に置ける費用ではありません。
加えて、紙やExcelからのデータ移行、原料マスタの整備、現場教育、マニュアル作成、出張が発生します。ほかにも、通信費、クラウド利用料、ライセンス、バックアップ、監視、機器保守がかかります。見積書に「一式」とだけ書かれている場合は、ソフト、機器、工事、移行、教育、保守へ分解してもらいます。
追加変更も、別の項目として示してもらいます。年間保守は、初期開発費の15〜20%程度を見込む見積もりもありますが、対応時間や現地訪問の回数で変わるため、率だけで判断しないことが大切です。
人月・期間・成果物をそろえた費用の妥当性
見積もりは、金額の大小だけでなく、何人月で、何か月かけて、何を納品するかを見ます。人月単価が60万円の会社と200万円の会社では、単価だけで大きな差が出ます。
一方で、要件定義、プロジェクト管理、設計、開発、テストの担当範囲は、会社によって異なる場合があります。現地調整や保守まで含むかどうかも、見積もりごとに確かめる必要があります。
配合計算中心なら1〜3か月、在庫・発注・給餌実績までなら3〜6か月、TMRセンターの業務一体化なら4〜9か月、複数拠点や設備連携を含む場合は8〜18か月程度が目安になります。これも機能と現地条件から整理した推定で、補助金の公募時期や繁忙期によって実施時期は変わります。安い見積もりを選ぶ前に、抜けている作業と本番稼働後の費用を確認します。
委託先選定と見積比較のポイント

委託先は、会社の知名度や見積総額だけでなく、飼料業務を理解し、現場で使える仕組みとして定着させられるかで選びます。ソフト開発会社、配合設計ソフトのベンダー、給餌設備会社、飼料・TMR運用の支援会社は、それぞれ得意な範囲が異なります。
たとえば、配合最適化が中心なら、飼料成分や畜種への知見が必要です。TMRセンターなら、受注、配送、請求の業務を理解していることが欠かせません。自動給餌なら、秤量、PLC、通信、安全停止の実績が求められます。
RFPを同じ形式で渡し、提案内容と見積項目をそろえて比較します。
同じ畜種・規模・設備条件の実績
実績は、「農業向け」「IoT対応」といった大きな分類より、対象畜種、頭数、拠点数、設備、利用者、導入後の運用まで近い事例を見ます。事例の説明では、何を作ったかに加えて、導入前の課題、現場の入力方法、既存機器との接続を質問します。さらに、データ移行、教育、稼働後の支援、成果の測り方についても、聞いておきます。
可能であれば、担当者から導入先を2〜3社紹介してもらい、現場で使われているか、障害時にどれくらいで対応するか、追加費用がどのように発生したかを確認します。実績を開示できない場合は、守秘義務の範囲で匿名化した画面、工程、テスト項目、体制図を示せるかを確かめます。それによって、提案の具体性を判断する材料になります。
同じRFPによる比較と見積の前提・除外項目
相見積もりは、各社に同じ条件を示して依頼します。具体的には、RFP、データ項目、対象拠点、連携条件をそろえます。
比較する項目は、要件定義、UI設計、開発、ライセンス、APIです。機器、工事、データ移行、テスト、教育も、比べる対象に入れます。さらに、旅費、クラウド、保守、追加変更も含めます。
見積書の「含む」「含まない」「条件付き」を並べ、最安値の会社が最も安いとは限らないことに注意します。特に、現地調査、既存機器の接続試験、通信障害への対応、手動運転、データの8年保存、契約終了時の返却が除外されていると、後から予算が膨らみます。価格だけでなく、初期費用と5年間の運用費を合わせた総保有コストで比較します。
現地PoCと障害時の運用
候補会社を絞ったら、実データと実際の端末を使って、入力、計量値の取り込み、同期、帳票出力、異常値の確認、手動切替を試します。さらに、通信を切った状態、秤量機から誤った値が届いた状態、担当者が交代した状態、停電から復旧した状態も検証対象にします。
PoCでは、作業者の入力時間、計量ミス、在庫差異、欠品、残飼の記録率、問い合わせ件数を導入前と比較します。自動制御を含む場合は、システム障害が家畜や作業者の安全に影響しないよう、設備側の停止手順と手動運転を確認します。
サポート窓口の時間、現地訪問の条件、交換部品、復旧目標、保守費に含まれる範囲は、担当営業の説明に加えて、契約書と運用設計で確かめます。
補助事業の対象とデータ返却条件
農林水産省では、2026年度当初予算の飼料備蓄・増産流通合理化事業など、飼料の生産や流通合理化に関係する公募が行われています。
2026年の公募ページでは、事業ごとに実施要領、対象者、対象経費、応募期間、提出書類が定められています(出典: 農林水産省「国産飼料生産・利用拡大緊急対策事業等の公募」、2026年)。そのため、システム費用が必ず補助対象になるとは決めつけず、自治体や事業事務局へ確認します。
申請する場合は、採択後に発注する必要があるか、ソフト・機器・工事のどこが対象か、見積書の要件、実績報告の方法を先に把握します。そのうえで、補助金の採択を前提に機能を増やすより、採択されなくても運用できる最小構成と、採択後に追加する構成を分けて提案してもらいます。
よくある質問

飼料管理システムの発注では、規模、現場の通信環境、既存設備、対象事業者としての記録義務によって、最適な方法が変わります。依頼前に特に多い疑問を、判断の基準とともに簡潔に取り上げます。
小規模な農場でも飼料管理システムを外注できますか?
小規模な農場でも外注はできます。規模の小さい農場では、最初から自動給餌機や個体センサーまで含めず、配合計算、原料在庫、発注、給与記録のいずれか一つに絞るとよいです。そのうえで、標準クラウドや小規模なPoCから始める方法が向いています。
作業時間、在庫差異、飼料費などのKPIを測り、効果が確認できた範囲から順に追加していけば、過大な初期投資を避けられます。
飼料管理システムの発注に補助金は使えますか?
使える可能性はありますが、制度、年度、事業主体、対象経費によって異なります。ただし、2026年度にも飼料生産や流通合理化に関係する公募がありますが、システム単体が対象になるとは限らず、ソフト、機器、工事、実証、導入支援の区分を公募要領で確認する必要があります。
発注側は、申請前に開発会社へ見積内訳を分けてもらい、採択前の発注禁止、対象期間、実績報告、自己負担額を、自治体や事務局へ確認します。
既存の秤量機や給餌機をそのまま使って連携できますか?
連携できるかどうかは、機器のメーカー、型式、通信仕様、出力できるデータ、改修の可否によって決まります。APIや標準プロトコルがあれば連携は進めやすい一方で、古い機器ではCSV出力、ゲートウェイ、手動入力を組み合わせることがあります。
発注前に、機器一覧、型式、設置年、通信ポート、取得できるログ、現地写真をそろえておき、候補会社に実機確認を依頼します。さらに、見積もりには、連携費用に加えて、データが欠けたときの再送、通信断、機器交換時の責任範囲も含めてもらいます。
社内にIT担当者がいなくても発注・運用できますか?
社内にIT担当者がいなくても運用はできますが、発注者側には業務責任者と意思決定者が必要です。開発会社へ任せきりにすると、現場の例外処理や入力の負担が要件から抜け落ち、導入後に使われない機能が残りやすくなります。
IT専門家でなくても、現状フロー、優先KPI、対象データ、現場の代表者、承認者、障害時の連絡先を決めておき、候補会社との定例会議に参加できれば、進められます。
導入後は、マスタ更新、ユーザー追加、バックアップ確認、機器交換、問い合わせの担当者を決め、保守契約に含まれない作業も把握しておきます。
まとめ

飼料管理システムの発注・外注では、まず機能を増やすより、配合計算型、TMRセンター型、自動給餌・IoT型のどこを対象にするかを決めることが大切です。
パッケージ・クラウドで足りる範囲、設定やAPIで補う範囲、個別開発が必要な範囲を分けておくと、過剰なスクラッチ開発を避けやすくなります。
発注前に決めておく現状・要件・予算
RFPには、現状の業務フロー、対象畜種・頭数・拠点、飼料マスタ、既存設備を記載します。さらに、連携データ、オフライン対応、権限、帳簿保存、KPIを書きます。希望時期、保守、データ返却も示します。
費用は、配合計算中心なら100万〜300万円程度、在庫や給餌実績を加えるなら300万〜800万円程度、TMRセンターや設備連携を含めるなら500万〜2,000万円程度まで広がる推定です。そのため、ソフト・機器・工事・移行・教育・保守の内訳を分けて確認します。
金額は公開相場と機能構成からの目安であり、専用製品の定価や発注額を断定するものではありません。
同じ要件での比較と小さな検証
委託先は、飼料業務、既存設備、データ連携、現地導入、保守の実績を確認し、同じRFPで相見積もりを取ります。契約は、要件整理やPoCは準委任、完成条件を定められる開発は請負、稼働後の改善は準委任とするなど、フェーズに合わせて分けます。
最後に、1農場や1配合ラインでPoCを行い、作業時間、計量ミス、在庫差異、飼料費、乳量・増体などを測定します。現場で毎日使われ、必要な記録を残し、障害時も業務を止めないことを確認できてから、本格的な飼料管理システムを発注することが成功への近道です。
▼全体ガイドの記事
・飼料管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
