飼料管理システム開発は、要件整理から定着までの6フェーズで進め、原料の受入から家畜の成績までのデータをつなぎます。対象になるのは5つの業務です。受入から成績まで、前段の記録と結びつけて確認できるようにします。
- 原料の受入:仕入れた原料の情報を記録
- 在庫管理:原料の在庫情報をつなげる
- TMR製造:配合計算と製造情報の管理
- 給餌実績:現場での給餌情報の記録
- 家畜の成績:前段の記録と結びつけて確認
このあと、費用相場、見積書の確認項目、現場で使えるチェックリスト、導入後に効果を測るKPIについても順に説明します。
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飼料管理システム開発の全体像

飼料管理システムは、飼料に関わる情報を記録・計算・連携し、適切な量と品質で家畜に給与するための業務システムです。
配合設計ソフト、TMRセンターの受発注システム、自動給餌機の制御・記録システムは、目的がそれぞれ異なります。そのため、開発の前に対象範囲を分けて考えることが大切です。最初から「畜産のすべてをデジタル化する」と考えると、費用も現場の負担も膨らみやすくなります。
導入目的の3つのタイプ
導入の目的は、大きく3つのタイプに分けられます。
- 配合計算型:原料名、単価、乾物率、栄養成分、畜種やステージ別の要求量を使い、配合案を作ります。価格変動の試算や配合表の出力が中心です。
- TMRセンター連携型:構成員からの注文から請求まで、一つの流れにまとめます。在庫・発注、配合指示、製造ロット、配送も含みます。
- 設備連携型:秤量機や飼料タンク、給餌車・給餌ロボットから、牛群管理や会計システムまで連携します。
たとえば、株式会社インタージャパンのLCx FeedPlanは、公式サイトで線形計画法による最適化、価格シミュレーション、複数畜種への対応を案内しています。このタイプは、計算の属人化や配合検討にかかる時間を減らしたい農場に向いています。
目的が「計算の効率化」なのか、「センター業務の一元化」なのか、「設備を含む省力化」なのかで、要件も費用も大きく変わります。
飼料データのつながりと現場条件
管理対象は、原料の入荷から給与まで、三つの段階で広がります。
- 入荷:原料のロットや仕入先、入荷量、保管場所
- 製造:配合条件、計量値、混合時間、製造日時
- 給与:給与先、給与量、残飼、廃棄、担当者
原料ロットから製造ロット、給与先まで追跡できれば、品質問題が起きたときに影響範囲を確認しやすくなります。
飼料等のGMPガイドラインも、原料から最終製品までの全段階でハザードを管理する考え方を示しています。このため、飼料を製造・販売する事業者では、単なる在庫表ではなく、変更履歴と証跡を残せる設計が必要です。
現場では、砂ぼこりや温度などの環境、通信や電源、作業の条件があると想定して設計します。
- 環境:砂ぼこり、温度、振動
- 通信・電源:通信断、停電
- 作業:夜間作業、手袋をしたままの操作
スマートフォンやタブレットで入力できても、通信が切れた瞬間に業務が止まるようでは、現場では使えません。
要件には、通信や端末に関わる対応まで含めることが大切です。
- オフライン入力と後同期:通信が切れても端末に一時保存し、回復後に重複なく取り込む
- 手動計量への切り替え:秤量機が使えない場合の手順
- センサー:故障時に記録をどう残すか
- 端末の電源:充電方法
ここまで含めるかどうかで、机上のシステムと現場で使われるシステムに分かれます。
飼料管理システム開発の進め方と6フェーズ

開発は、要件整理から定着まで、6つのフェーズを順に進めます。
- 要件整理
- 製品・開発会社の選定
- 設計開発
- テスト
- 稼働
- 定着
順番を飛ばして先に製品を契約したり機器を購入したりすると、既存業務と合わず、追加開発が起きやすくなります。
各フェーズでは、成果物と判断基準を決め、次へ進む条件をはっきりさせてください。
フェーズ1:要件整理と現状業務・KPIの把握
最初に、原料の発注から請求までの流れを現状図にします。工程は、大きく三つにまとめられます。
- 受発注:発注、納品・受入、保管
- 配合・製造:配合設計、計量、混合、運搬
- 給与以降:給与、残飼確認、棚卸、請求
担当者への聞き取りだけでなく、実際の作業を一度は観察します。そのうえで、同じ情報が何度も入力されていないかを、記録の種類ごとに確かめます。
- 紙帳票・Excel:手書きや表計算で残している記録
- 秤量機のログ:計量値が機器側に残る履歴
- 会計・牛群管理:既存システム側に残っている記録
入力者、入力タイミング、承認者、後から参照する人を並べると、必要な画面と不要な二重入力が見えてきます。
次に、導入効果を測るKPIを3〜5個に絞ります。候補は、作業の精度、コスト、成績と問い合わせの3つに分けられます。
- 作業の精度:配合設計にかかる時間、計量・投入ミスの件数、帳簿と実棚の在庫差異
- コスト:飼料費の1頭当たり金額、残飼率
- 成績と問い合わせ:給与作業の人数・時間、乳量・増体、問い合わせや請求修正の件数
導入前の2〜4週間を基準値として記録したうえで、目標値と測定方法を決めます。目標は、「配合作成を担当者1人で完了できる時間を基準値から何割短縮する」のように具体的に書きます。そうすると、開発会社との認識がそろいます。
この段階では、対象の範囲から現場の代替手順まで押さえます。
- 対象の範囲:畜種・ステージ・頭数、拠点数、飼料の種類
- 在庫:在庫単位、ロットの持ち方
- 既存の仕組み:既存機器や連携したい外部システム、通信状況、権限
- 運用:帳簿出力、保存期間、現場の代替手順
特に「誰が、どの端末で、何分以内に、どのデータを入力するか」を決めると、使われない高機能の作り込みを防げます。
フェーズ2:方式に応じた製品・開発会社の選定
方式は、大きく三つに分けられます。
- 既製品の導入:既製の配合計算ソフトやクラウドサービスを導入する
- 標準製品の拡張:標準製品に帳票・権限・APIなどを追加する
- スクラッチ開発:独自システムをスクラッチ開発する
配合計算が主目的で業務を標準化できるなら、既製製品を先に比較すると、短期間で始められます。一方で、TMRセンター固有の受注・配送・請求や、古い秤量機との接続が競争力に直結するなら、カスタマイズや個別開発を検討します。
比べるときは、デモ画面の印象より、同じ畜種・規模・設備条件での導入実績を確かめます。
候補先には、担当範囲や仕様、データの扱いを質問してください。
- 担当範囲:要件定義から保守まで、どこを受け持つか
- 実績の開示:導入先を紹介してもらえるか、現地対応にかかる時間
- APIとCSV:連携に使う仕様
- データの返却:出力形式と、契約終了時の扱い
- 障害時の復旧目標:機器メーカーが変わった場合の接続方針も含めて確認
ソフト会社、機械・設備会社、飼料運用の専門会社では、得意な領域が違います。そのため、一社ですべてを担うか、複数社で分担するかを、早い段階で決めておきます。
候補を絞ったら、同じ要件一覧を渡して相見積もりを取ります。価格だけでなく、標準機能や設定、追加開発を分けた提案を求めます。機器、現地工事、データ移行、教育、保守も、分けて示してもらいます。
要件の解釈が会社ごとに違う場合は、見積額を比べる前に前提条件をそろえる必要があります。
フェーズ3:設計・開発と記録・制御の切り分け
設計では、現場画面と管理画面、データベース、外部連携を定義します。権限、バックアップ、障害時の運用も、この段階で決めます。
最初に作る中核データは、大きく二つのまとまりに分けられます。
- マスタと配合:原料マスタや仕入先、単価履歴、ロット、飼料配合
- 実績と担当:製造実績、給与実績、残飼、個体・群、担当者、変更履歴
マスタを誰が承認するか、単価や栄養成分をいつ更新するかを決めておきます。そうすると、過去の配合をどの時点の情報で再現できるかが明確になり、後から説明できるシステムになります。
設備連携は、記録系と制御系を分けて、段階的に導入します。まずは秤量値や給餌実績を読み取り、計画と実績を比べられる状態を作ります。その後、条件が整った機器に、投入指示や給餌指示を連携します。
設備を直接動かすなら、通信断や異常時への備えを設計に含めます。
- 通信断時:端末や制御側だけで動かせる範囲
- 許可するコマンド:送れる指示を必要なものに限る
- 異常時:安全側への停止と手動モードへの切り替え
- 緊急連絡先:障害時に誰へ連絡するか
IT側の都合で飼料給与が止まらないことが、何より優先されます。
画面は、入力項目を減らし、選択式やバーコード・QRコードを使うと、現場の負担を下げられます。オフライン時は端末内に一時保存し、通信回復後に重複なく同期できる仕組みが必要です。
開発中は、現場の担当者に実機で画面を触ってもらうレビューを毎回行います。確認するのは、片手で操作できるか、訂正方法が分かるか、計量値を読み間違えないかです。
フェーズ4:通常時と異常時のテスト
テストでは、原料受入から請求までの業務シナリオを、実データに近い条件で通します。シナリオには、配合・計量・製造、給与・残飼、棚卸が含まれます。画面が開くかだけでなく、業務が流れるかを見ます。
計画量と実績量が違う場合や、ロットが切り替わる場合、同じ原料を複数人が同時に登録する場合を確認します。訂正や取消をする場合も、確認の対象にします。過去の記録を検索し、誰がいつ変更したかを追えることも、受入条件に含めます。
農場では、機器や人に関わる異常が起こります。
- 通信断や停電:業務を止めずに続けられるか
- センサーの異常値:外れた値が出たときの扱い
- 秤量機の故障:手動計量へ切り替えられるか
- 端末の紛失:業務への影響と対応
- 担当者の交代:引き継ぎ後も記録が続けられるか
異常時には、通信を切った状態で記録できるか、代替の帳票から復旧できるか、同期後に二重計上されないかを試します。
設備制御を含む場合は、異常時に安全側へ停止し、手動運転へ切り替えられるかも確かめます。テスト結果や未解決事項は、回避策、責任者、期限と合わせて一覧に残します。未解決のまま本番へ進めない基準は、開発会社と合意してください。
品質・安全面では、ロット追跡、帳簿出力、権限、バックアップからの復元、ログの改ざん防止を重点的に確認します。FAMICの飼料安全法運用に関する資料では、対象となる帳簿を8年間保存する考え方が示されています。保存期間を満たすには、必要な項目を検索・出力でき、データを復元できる仕様が要ります。
フェーズ5:1拠点・1ラインからの稼働
本番稼働では、いきなり全農場・全畜種へ展開せず、1農場、1畜舎、1配合ラインなど範囲を絞ります。先行拠点は、現場責任者が協力的で、通信や機器の状態を確認しやすく、導入前のKPIを取れる場所が適しています。
最初の期間は、既存の紙やExcelをすぐに廃止せず、システム記録と照合しながら在庫差異、計量ミス、作業時間、入力漏れを確認します。
稼働前には、準備と取り決めを済ませておきます。
- 利用者と端末:アカウントや権限、ネットワークの準備
- 初期データ:マスタや初期在庫、過去データの移行
- 連絡体制:問い合わせ窓口と障害時の連絡網の決定
データ移行では、原料名の表記ゆれや単位の違い、古いロット、重複した取引先を整理します。移行後は、件数とサンプルを現場責任者が確認します。「データが入っているように見える」段階で終わらせないことが重要です。
導入初期は、開発会社が現場からの問い合わせに対応できる体制を置きます。画面の使い方に加えて、例外処理や手動切り替えの訓練も行い、短い動画や1枚の手順書にまとめます。利用者が困ったときに誰へ連絡し、何を確認してから報告するかまで決めておくと、障害が長期化しにくくなります。
フェーズ6:90日単位のKPI見直しと定着
稼働後は、入力率だけでなく、作業と成果に関わる指標を、導入前の数値と週次または月次で比べます。
- 作業:作業時間、配合設計時間
- 在庫と飼料費:在庫差異、飼料費
- 成果:残飼、乳量・増体
数値が改善しないときは、原因がシステムにあるのか、マスタや計量方法にあるのか、現場の手順が変わっていないのかを切り分けます。導入から90日を一つの区切りとして、使われていない項目を削る判断もします。
運用では、担当を三つに分けて決めます。
- データ管理:原料マスタや栄養成分、配合条件を更新する人
- アカウント管理:利用者を追加・停止する人
- 判断役:障害時に判断する人
毎月の改善会議では、現場の要望を「法令・安全」「業務停止の回避」「効果向上」「便利機能」に分類し、優先順位を決めます。現場の声は、まず標準運用へ戻せるか、設定で解決できるかを先に検討します。個別開発は、その後の選択肢にします。
2026年時点では、スマート農業技術の活用を促進する制度や、畜産ICT・省力化に関する支援策が続いています。農林水産省は、スマート農業技術活用促進法に基づく取組や畜産農家向けの情報を公開しています。ただし、対象経費や公募時期は年度・地域によって変わります。
補助金の対象になる場合に備えて、申請書類、導入期限、保守費の扱いを、自治体や事業事務局へ確認してください。要件は、補助金の有無にかかわらず成り立つ形で決めておきます。
飼料管理システム開発の費用相場とコストの内訳

飼料管理システムの費用は、配合計算だけか、TMRセンター業務まで含むか、設備制御や複数拠点連携まで行うかで変わります。
専用システムの公開価格は限られています。そのため、金額はリサーチノートにある2026年の一般的な業務システム開発相場、一次産業向け個別開発の目安、機器連携の規模をもとにした編集部推定です。
特定の会社が出す定価ではありません。
予算計画の初期レンジとして使い、最終判断は同じ要件による見積もりで行ってください。
導入パターン別の初期費用と期間
導入の範囲ごとに、初期費用と期間の目安を示します。
- 配合計算と原料マスタ中心:クラウドやパッケージの導入で、初期費用100万〜300万円、導入期間1〜3か月が目安です。
- 小〜中規模の農場:在庫、発注、給餌実績まで追加する場合で、初期費用300万〜800万円、期間3〜6か月程度が目安です。
- TMRセンター業務の一体化:受注、配合指示、製造、配送、請求を一体化する場合で、初期費用500万〜1,200万円、期間4〜9か月程度が目安です。
- 機器連携を含む複数拠点:秤量機、タンク、自動給餌機、牛群・会計システムと連携する構成で、800万〜2,000万円、期間8〜18か月程度を想定します。
- スクラッチ開発:独自の配合ロジック、IoT、全社ERP、監査基盤まで含む場合で、2,000万〜5,000万円以上、12〜24か月程度になる可能性があります。
対象拠点数、データ移行、既存機器との接続によって、この範囲を超えることもあります。これらは、機能範囲を置いた場合の推定レンジで、市場の公開定価ではありません。
費用を比べるときは、「システム一式」の金額だけで判断しないでください。
見積もりでは、規模と作業の両面を確認する必要があります。
- 規模:作業範囲、利用者数、拠点数、機器台数
- 作業:現地訪問回数、データ移行件数、保守時間
月額費用・機器費用・PoCの切り分け
運用費は、項目ごとに分けて考えます。
- 利用料:クラウド利用料、ユーザー・拠点課金
- 保守と支援:サポート、バックアップ、通信
- 機器と現地対応:センサーの保守、機器の校正、現地対応
リサーチノートの目安では、配合計算中心の月額は5万〜30万円、農場業務を含む構成は月10万〜40万円、TMRセンターは月10万〜50万円、複数拠点や機器連携は月20万〜100万円程度です。
ソフトウェア費用とは別に、機器や工事が100万〜1,000万円超となる可能性があります。
- 計測機器:センサー、産業用秤
- 設備:タンク改修、給餌機
- 通信:ゲートウェイ、ネットワーク工事
年額契約や保守契約で提示されることもあるため、月額に換算し、契約期間もそろえて比べます。導入先の建屋や電源、通信環境で差が大きくなるため、現地調査をしないと正確な金額は出せません。
見積書では、ソフト、機器、工事、移行、教育、保守を分けてもらい、故障時の交換費や校正費も確認してください。
不確実性が高いときは、1農場・1畜舎・1配合ラインで、50万〜300万円程度のPoCを行う考え方があります。これは、リサーチノートに基づく検証予算の目安で、専用システムの定価ではありません。PoCでは、本番化の判断条件を先に決めておきます。測る項目は、大きく二つに分けられます。
- 精度と効率:計量精度、入力時間、在庫差異、飼料費、乳量・増体
- 運用の安定性:通信断からの復旧
検証で分かった追加要件を本開発の見積もりに反映できるように、成果物とデータの返却条件も契約に書いてください。
飼料管理システムの見積もりを取る際のポイント

見積もりでは、機能名の数より、どの業務をどの精度で変えるかを伝えることが重要です。「在庫管理を付けたい」と伝えても、ロットや単位、棚卸、発注点、承認まで含むのかは分かりません。
発注前に、現状・理想・対象外を一枚にまとめ、候補会社へ同じ資料を渡してください。
要件表に書く業務・データ・例外
要件表には、業務の範囲から非機能の条件まで書き込みます。
- 業務と利用者:対象業務、利用者、入力項目、承認者
- 出力と検索:出力帳票、検索条件
- 保存と権限:データ保存期間、権限
- 連携と非機能:外部連携、非機能要件
用途によって、書く内容が変わります。
- 配合設計:畜種・ステージや栄養成分、原料の上下限を明記し、価格履歴、配合の版管理、感度分析も含めます
- TMR製造:投入順、計量許容差、混合時間、製造ロットを含めます
- 配送と後処理:配送先、残飼、返品・廃棄を含めます
例外も必ず書いてください。たとえば、原料が欠品した場合や、同じ原料のロットが混在する場合、配合を途中で変える場合があります。
秤量値が許容差を超えた場合や、通信が切れた場合、担当者が交代した場合も含みます。
通常時のデモが問題なくても、例外処理が曖昧なままだと、現場は紙に戻ってしまいます。特に設備を動かす処理では、異常値の扱いと手動切り替えを受入条件にしてください。
見積もりの作業範囲と責任分界
見積書では、作業を項目ごとに分け、対応の区分も記載してもらいます。
- 開発:要件定義、画面・データ設計、開発、機器連携、テスト
- 導入:データ移行、現地設置、教育、稼働支援、保守
- 対応の区分:標準機能で対応する部分、設定で対応する部分、追加開発する部分、対象外の部分
機器会社、通信会社、クラウド会社、開発会社のうち、どこが責任を持つかを決めておかないと、障害が起きたときに原因調査が止まってしまいます。
契約では、成果物と検収条件、仕様変更の扱い、納期と遅延時の対応を確認します。さらに、データの扱いや支援の条件も確かめます。
- データの権利:所有権や学習・分析への利用可否
- データの後始末:返却形式、削除方法、バックアップ
- SLA:障害時の連絡時間
- 契約終了後:移行支援の内容
農業データやノウハウの契約については、農林水産省がガイドラインを公開しています。この点は、そのガイドラインを参考に決めてください。データを誰が利用できるかを「運用で何となく決める」状態は避けてください。
候補会社への共通の質問と比較
候補会社へは、実績と対応範囲、現地調査の有無を質問します。
- 実績:同じ畜種・頭数・拠点数での導入があるか
- 業務範囲:配合・在庫・TMR・給餌・請求のどこまで対応できるか
- 現地調査:実施するかどうか
秤量機やPLC、タンク、給餌機、牛群管理、会計との接続実績があれば、接続方式を確認します。障害時の責任分界も、あわせて確かめてください。
公式サイトに製品や事例が掲載されていても、自社の環境で同じ効果が出るとは限らないため、実際の画面や運用を確認できる機会を求めます。
サポートは、体制と支援内容の両方を確認の対象にします。
- 問い合わせ窓口:受付時間や現地対応の地域
- 初期教育:回数と、マスタ更新の支援
- 保守対応:機器交換、バージョンアップ、データ出力
海外製設備や特定メーカーに依存すると、将来の交換時に費用や納期が増える可能性があります。
標準API、CSV、汎用的な通信方式があるか、データを自社で取得できるかを確認しておくと、長期運用の選択肢を残せます。
飼料管理システム開発でよくある質問(FAQ)

飼料管理システムの最適な進め方は、農場の規模や既存設備によって変わります。ここでは、導入前によく出る疑問に答えます。
飼料管理システムはパッケージとスクラッチのどちらがよいですか?
配合計算や原料マスタが中心で業務を標準化できるなら、パッケージやクラウドを先に比較する方法が現実的です。
TMRセンター独自の受注・配送・請求、特殊な配合ルール、古い機器との連携が重要なら、設定・カスタマイズ・個別開発を組み合わせます。
スクラッチを選ぶ場合も、最初は記録と見える化から始めるのが安全です。設備制御は、十分なテストを経てから追加する段階導入にします。
飼料管理システムの開発費用はどのくらいですか?
配合計算中心なら初期費用100万〜300万円、在庫・発注・給餌実績まで含む小〜中規模構成なら300万〜800万円、TMRセンター全体なら500万〜1,200万円程度が初期検討のレンジです。
設備や複数拠点連携を含めると800万〜2,000万円、独自ロジックやERPまで含めると2,000万〜5,000万円以上になる可能性があります。
いずれも、専用システムの公開定価ではありません。リサーチノートに基づく編集部推定なので、機器費・工事費・移行費・保守費を分けて見積もる必要があります。
補助金や帳簿保存を前提に設計できますか?
補助金の対象になる可能性はありますが、制度名、対象者、対象経費、申請期限、導入期限は年度と地域によって変わるため、先に自治体や事業事務局へ確認してください。
補助金の採択を前提に要件を膨らませず、通常予算で成り立つ最小構成を先に決めます。支援対象になった場合に追加する機器や連携は、別に計画します。
帳簿については、飼料安全法の対象業務で保存すべき事項と期間を確認します。要件には、帳簿を扱う機能を含めます。
- 検索
- 出力
- バックアップ
- 変更履歴
FAMICの資料に示された8年間の保存も、自社の対象範囲に照らして、開発会社と確認してください。
飼料管理システム開発の進め方まとめ

飼料管理システム開発は、機能を増やすことが目的ではありません。飼料の流れと現場の判断を正確につなぐプロジェクトです。
まず配合計算型、TMRセンター型、自動給餌・IoT型のどこから始めるかを決め、導入前の作業時間、在庫差異、飼料費、乳量・増体などの基準値を取ります。そのうえで、要件整理、方式選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズを順番に進めます。
最初の一歩:業務フローと小さな検証範囲
まずは、1農場・1畜舎・1配合ラインのPoCで、実際に使えるかを確かめます。全拠点を一度に変えるのは、その後です。
通信断、センサー故障、手動切り替え、ロット追跡、8年間の帳簿保存、データ返却までを早期に確認すると、本番後のやり直しを減らせます。
開発会社には、ソフトと機器・工事・保守を分けた見積もりを依頼し、同じ要件で複数社を比較してください。
導入後90日の効果測定と使われる形への改善
稼働後は、入力率だけでなく、現場の作業と成果に関わるKPIを定期的に見直します。
- 作業:作業時間、計量ミス
- 在庫と飼料:在庫差異、残飼、飼料費
- 成果:乳量・増体
現場で使われない項目は削ります。そのうえで、マスタ更新や障害対応の責任者をはっきりさせ、日々の改善に使えるシステムへ育てます。
飼料の品質、安全、収益性、省力化を同時に高めるには、技術導入と業務定着を一つの計画として扱うことが重要です。
▼全体ガイドの記事
・飼料管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
