食品工場向けの開発会社は、原料から出荷先まで追えるかを土台に、現場に合うか、既存システムとどう連携するか、導入後も支えられるかで比べます。
riplaと実在の5社の得意分野、2026年時点の費用の目安、商談で確かめる点を順に見ます。全体の流れは、下に示す完全ガイドにまとめています。
▼全体ガイドの記事
・食品製造業向け原材料トレーサビリティシステム開発の完全ガイド
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食品製造業向け原材料トレーサビリティシステムのパートナー選びが重要な理由

トレーサビリティは、原材料の入荷から出荷までの各工程を記録し、原料と製品のつながりを残す仕組みです。記録は、原材料の入荷、検品、保管、開封の順に始まり、計量、投入、仕掛品化、製品化を経て出荷まで続きます。バーコードを読み取るだけでは足りず、現場の作業まで含めて考える必要があります。
同じデータを使って、原料から製品をたどるトレースフォワードと、製品から原料へ戻るトレースバックを行います。会社選びを誤ると、稼働後に現場で入力が続かず、回収のときに必要な情報を探せなくなることがあります。
現場業務への適合
製品カテゴリによって、記録する工程の粒度は変わります。原料の小分けや液体のタンク投入、複数原料のブレンドといった作業を、開発会社と現場で一つずつ確かめます。
紙帳票をそのまま画面に置き換えるだけでは、二重入力や入力待ちが残ります。そのため、計量器やラベルプリンターは、作業の流れに合わせて設計します。ハンディターミナルとAndroid端末も、現場の動線に合わせて選びます。
誤投入や期限切れを、その場で警告できるかも確かめます。工程と機器に合った設計になっていて初めて、現場は使い続けられます。
連携範囲と総額の見極め
ここに示す金額は、公的に統一された相場ではなく、要件に応じた推定レンジです。対象範囲と導入方式によって金額は変わるため、その二つを踏まえて比べます。
- 対象範囲:工場内に限るか、仕入先・物流・卸・小売まで含めるか。
- SaaS:初期設定のみなら20万~60万円程度です。端末・ラベル・教育込みでは100万~500万円程度になります。
- 食品向けパッケージ:1工場への導入で300万~1,500万円程度です。
- 個別開発:複数工場やERP・WMS・MES連携込みの場合、1,000万~5,000万円程度です。
- フルスクラッチ:特殊工程を含む場合は、3,000万円~1億円超になることもあります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援します。IT事業会社として社内DXを進めた経験を活かし、ビジネス成果とシステムの定着の両方を支えます。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築と導入に実績があります。企業ごとの業務要件に合わせ、柔軟に対応できる体制を備えています。
特徴と強み
riplaは、既製品か個別開発かを先に決めず、現場の業務と経営の目的から必要な構成を整理します。まず、原材料の入荷から在庫、計量、投入までを現場の作業ごとに洗い出します。そのうえで、製造実績と出荷の流れも同じ一覧に加えます。
標準機能で足りる部分と、独自の配合や品質判定として残す部分を切り分けます。さらに、販売管理・生産管理・会計・WMSなど既存システムとの連携も検討します。
riplaは、段階的な導入計画を立てたい企業に、特に適しています。
得意領域・実績
1ラインや1工場から始めたい食品製造業にとって、相談しやすいパートナーです。全社・全拠点のデータをまとめるのは後の段階に回し、まず原料ロットから製品・出荷先を検索できる状態を作ります。効果を確かめてから、拡張していきます。
商談では、誤スキャンや通信断、ロットの分割・統合、回収対象の一括検索を実画面で確かめます。さらに、監査ログやデータ移行の方法も見て、自社の担当者が運用を続けられる設計かを評価します。
株式会社日立製作所|複数工場・サプライチェーンをつなぐ大規模基盤
日立製作所は、チェーントレーサビリティを大規模に構築した実績があります。原材料の入荷から製造、物流、倉庫保管までを一つにまとめて管理する仕組みです。全体最適や複数拠点のデータ活用を重視する食品メーカーの候補になります。
特徴と強み
日立の公式発表では、サントリー食品との協創システムが、国内の清涼飲料工場約60拠点と倉庫約300拠点で運用を開始しました。拠点数には委託先も含まれます(出典: 株式会社日立製作所、2024年)。
システム間に分散したサプライチェーンの情報を集めることで、疑義が生じたときに影響範囲を把握しやすくします。将来的に取引先や卸売事業者との接続を見据える企業にとって、データ統合の参考になる事例です。
得意領域・実績
複数工場や外部倉庫、物流会社、原材料サプライヤーを横断したい大手食品メーカーに向いています。デジタルツインやIoT基盤のような大規模な構成を採る場合は、要件定義に時間をかける必要があります。
各拠点でロット番号、製造バッチ、出荷単位をそろえる必要があります。一方で、中小規模の1工場で始める場合は、必要な範囲に絞った構成や費用、導入後の現場支援を確認してください。
株式会社サトー|バーコード・計量器・端末で現場をDX化
サトーは、食品工場向けトレーサビリティソリューション「Trace eye FOOD-Pro」を提供しています。
原材料の入荷から製品出荷までを、バーコードやラベル、計量器で記録したい企業に適しています。現場で使う端末には、Android端末やハンディターミナルも含まれます。
特徴と強み
Trace eye FOOD-Proは、クラウド版とオンプレミス版から選べます。管理モジュールごとに段階的に導入することも、運用に合わせてデバイスを選ぶことも可能です。
原料入荷予定から製造指示、出荷までの記録を、一つの流れにまとめやすい点が特徴です。計量や投入、出来高も、同じ流れのなかで残せます。さらに、冷凍・チルドの現場では、水分やアルコールに対応したラベルも確認できます。
得意領域・実績
サトーの公式事例では、不二家が同製品と計量器を組み合わせました。加えて、Androidタブレット、ハンディターミナル、バーコードリーダーも組み合わせました。
この事例では、原料・工程管理の工数が25%削減されたと紹介されています(出典: 株式会社サトー、不二家導入事例)。
正常な計量だけでなく、期限や原料の取り違えをシステムが指示・警告できるかも大切です。作業者が短時間で扱える端末やラベル発行、通信障害時の復旧手順を、実機で確かめたい企業に向いています。
富士電機株式会社|在庫・MES・基幹システムとの連携
富士電機は、食品工場の在庫管理と製造実行、基幹システムの連携を組み合わせたい企業に向くベンダーです。原材料や資材、製品のロット情報を在庫データとつなぎ、問題が起きたときの原因や影響を分析します。
特徴と強み
富士電機の説明では、フードチェーンの各段階の情報を集めて関連付けます。そのうえで、トレースバックやトレースフォワード、蓄積したデータの分析までを行う構成です。
製造実行システム(MES)では、製造工程の状態把握や作業者への指示・支援を行う考え方も示されています(出典: 富士電機、食品トレーサビリティ)。
原材料の履歴に加えて、ラインや設備、作業実績も管理したい場合に検討できます。
得意領域・実績
紙やExcelで管理してきた在庫をデジタル化し、AS400など既存の基幹システムと連携したい企業に適しています。そのうえで、受入から払出、移動、棚卸しのどの段階でロットを確定するかを詰めます。
製造実績をMESやERPへ送る時点も、要件定義で決めておきます。工場全体の設備やネットワークまで依頼する場合は、停止できない時間帯での切り替え計画も確認してください。
株式会社内田洋行ITソリューションズ|食品業ERPによる生産・販売・原価の管理
内田洋行ITソリューションズは、食品業ERP「スーパーカクテルCore FOODs」を提供しています。販売、生産、原価といった業務単位から導入できる点が特徴です。
原料の入荷から製品の出荷までを、食品業務の基幹システムに組み込みたい中堅食品メーカーの候補になります。
特徴と強み
公式情報では、製品別の原料紐付けと製品出荷のロット管理を紹介しています。さらに、トレースバック・フォワード、賞味期限管理、ロット逆転防止も紹介されています。
原料ロットと製造日時を関連付け、さらに製造条件や品質検査とも結び付けます。問題が起きたときに、原因究明や影響範囲の特定につなげる構成です。
原価管理や販売管理も含めて、別々のシステムに分かれた情報を整理したい場合に、強みを活かせます。
得意領域・実績
食品業務の標準機能を活用しつつ、自社の商習慣や既存システムに合わせて導入したい企業に向いています。公式事例には、原料から製品までの追跡をシステム化し、販売データも活用した事例があります。
商談では、配合や小分け、返品などの例外処理を確かめます。再加工や預かり在庫も対象に含めます。標準機能で足りるか、追加開発が必要かも確認してください。追加開発が保守に与える影響も、あわせて確かめてください。
日本電気株式会社(NEC)|プロセス製造のロット・品質情報の細かな管理
日本電気(NEC)は、生産管理システム「FlexProcess」で、食品や化学などのプロセス製造における在庫・ロット・品質情報を管理します。
工程が連続し、サブロットや有効期限、品質状態を細かく扱う工場にとって、検討しやすい選択肢です。
特徴と強み
FlexProcessの公式情報では、ロットやサブロット、有効期限・賞味期限を管理できるとされています。在庫状態や属性も含め、原材料から製品までの在庫を扱えると説明されています。
同じ生産ロットを時間ごとに分けるサブロット管理や、期限が近い在庫の検索は、連続工程や多段階製造で役立ちます。品質判定や保留、使用可否を追跡情報と結び付けたい企業にも適しています。
得意領域・実績
原材料の受入に加えて、製造バッチの分割や混合を管理したい場合に候補になります。再加工や品質検査、廃棄まで含めたい場合にも、候補の一つです。
食品・化学・素材製造業を中心に、国内外370社以上への導入実績があります(出典: 日本電気株式会社、FlexProcess特長ページ)。
食品工場での類似工程や、現場端末との接続、MESやERPとの役割分担を確かめます。導入後の運用保守体制も、自社の規模に合わせて確認してください。
食品製造業向け原材料トレーサビリティシステムのパートナー選びのポイント

候補会社を3社程度に絞るときは、製品名の多さより、原材料・工程・出荷の情報を何分で検索できるかを基準にします。RFPとデモでは、下の観点を一つずつ確かめます。
- 自社業務との適合性:会社の得意領域と自社の課題が重なっているか。
- 機能と開発範囲:標準機能と個別開発の境界がはっきりしているか。
- 導入後の運用:現場が使い続けられる体制になっているか。
自社と似た工程での実績と経験
「食品業界に実績がある」と聞いたら、まず食品の種類や工場数、SKU数を確認します。ロットの分け方や計量・投入方法、既存設備も、具体的に見ていきます。
液体調味料や菓子、食肉、冷凍・チルドでは、業務上の例外が異なります。そのため、自社に近い工程での導入経験を確かめてください。
商談では、製品ロットから使用原料を表示する画面と、原料ロットから影響する製品・出荷先を表示する画面を見ます。両方向の検索を比べると、実務への合い方が見えてきます。
標準機能・連携・現場端末の範囲の切り分け
品目やロット、期限などの基本情報を、標準機能で対応できるかを確かめます。在庫や配合、製造実績、出荷履歴も、どこまでが標準機能かを見ていきます。
追加開発の費用は、見積書で工程ごとに分けてもらいます。対象工程には、要件定義や設計、実装、テストが入ります。さらに、データ移行や教育、保守も含まれるため、どの工程に費用が発生するかを確認します。
バーコードやQRコードに加えて、計量器やラベルプリンターを接続する場合は、費用を確かめます。RFIDや温度・湿度センサーを加える場合も、費用の内訳を見ます。機器費、交換費、ネットワーク費は、システム費と分けて比べます。
導入後の管理体制と障害対応
導入後のサポート体制は、費用や機能と並べて比べておきたい項目です。障害が起きたときに現場がどう動けるかも、ここで見えてきます。
- サポート体制:問い合わせ窓口、障害時の復旧目標、バックアップ頻度、監査ログの保管期間はどうなっているか。
- 管理情報:権限管理や再委託先、データの保管場所の扱い。
- 障害対応:通信断や停電でも生産を止めない紙の代替手順と、復旧後に記録を戻す方法を、デモで確かめます。
経済産業省は2025年、中小規模の製造事業者向けに工場セキュリティの解説書を策定しました。IoT化した工場では、サイバー攻撃が生産停止や取引先への被害につながる可能性があります(出典: 経済産業省、2025年)。
よくある質問
食品製造業で導入を検討する際は、費用だけでなく、法令や取引先監査、現場運用との関係も気になるところです。よくある疑問に順に答えます。
食品製造業向け原材料トレーサビリティシステムの費用はいくらですか?
SaaSや食品向けパッケージ、個別開発の費用に加えて、マルトモの事例も紹介します。
- SaaS:初期設定のみで導入する場合は20万~60万円程度です。端末・ラベル・教育も含めると、100万~500万円程度を見込みます。
- 食品向けパッケージ:1工場への導入は300万~1,500万円程度です。
- 個別開発:既存ERPとの連携や複数工場の統合を含むと、1,000万~5,000万円程度になる場合もあります。
- マルトモの初期費用:1,000万~1,500万円と報告されています。
- マルトモのランニング費用:100万円以下という報告です。
マルトモの事例は、農林水産省の令和6年度調査に掲載されています(出典: 農林水産省、令和6年度食品トレーサビリティ先進的優良事例調査)。
食品製造業は必ず専用システムを導入しなければなりませんか?
すべての食品製造業に同じ製品やIT導入の義務が課されるとは、一律にはいえません。対象品目や食品表示、HACCPの記録、米や牛などの個別制度によって、条件が異なります。
取引先監査や輸出先の要件によっても、必要な記録や保存期間は変わります。また、農林水産省は、食品トレーサビリティを、食品の移動を把握できることと説明しています。
発注側は、自社の事業範囲と取引条件を確認し、必要な記録の細かさを決めてください。
小規模工場はどこから導入を始めればよいですか?
1工場または1ラインに対象SKUを絞り、原材料の入荷から出荷までをつないで試すPoCから始める方法があります。
模擬回収を行い、原料ロットから対象製品と出荷先を何分で特定できるかを測ります。あわせて、入力時間や誤投入件数がどう変わるかも確かめます。
効果を確認したら、別ライン、別工場、ERPや取引先との連携へと、段階的に広げていきます。そうすることで、初期費用と現場の負担を抑えやすくなります。
まとめ
食品製造業向け原材料トレーサビリティシステムは、原材料ロットから製品、出荷先まで追跡し、問題が起きたときに影響範囲を短時間で特定する仕組みです。
会社選びでは、現場の入力方法や計量器・ラベルとの接続、既存システムとの役割分担、障害時の運用の続け方を、具体的に比べます。
導入規模と課題に合わせた6社の使い分け
riplaは、業務の整理から開発・定着まで一貫して相談したい企業に向いています。日立は複数工場やサプライチェーンに強く、サトーはバーコード・計量・現場DXに強みがあります。
富士電機は在庫・MES・基幹連携、内田洋行ITソリューションズは食品業ERPが得意です。NECはプロセス製造のロット・品質管理に強みがあります。自社の課題を具体的に再現できる会社を、候補として残します。
模擬回収を基準にしたRFPと見積もりの比較
相見積もりでは、原料ロットから製品・出荷先を追う検索と、製品から原料へ戻る検索を、デモで確認します。ロットの分割・統合、期限切れ警告、通信断からの復旧、監査ログも対象です。
初期費用だけでなく、端末やラベル、データ移行を含めた総額で比べます。教育や保守、追加開発も含めて考えます。現場を観察し、小さなPoCから始めたうえで、食品の安全性と業務効率の両方を高められるパートナーを選びます。
▼全体ガイドの記事
・食品製造業向け原材料トレーサビリティシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
