食品製造業向けレシピ管理システム開発の完全ガイド

食品製造業向けレシピ管理システムは、商品・原料管理、製造・品質管理、ロット追跡の三つに分けて押さえると、工場のミスや属人化を抑える助けになります。

主な機能、導入形態、進め方、費用、開発会社の選び方の順に見ていきます。各テーマの詳細は関連記事で確認できます。

▼関連記事一覧
・食品製造業向けレシピ管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・食品製造業向けレシピ管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・食品製造業向けレシピ管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・食品製造業向けレシピ管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

食品製造業向けレシピ管理システムの概要

食品製造業向けレシピ管理システムは、商品と原材料、工程を結び付け、食品表示や原価、ロットまで一つのデータとして関連付けるシステムです。変更履歴や承認状態も追跡できるため、レシピを保存するだけの台帳とは役割が大きく異なります。

飲食店向けは、メニュー原価管理が中心です。一方で、食品工場では多段階配合や製造ロットまで扱います。

飲食店向けレシピ管理との違い

扱うデータと製造単位を比べると、飲食店向けと食品工場向けの違いが見えてきます。

  • 飲食店向け:1食分の材料、盛り付け、メニュー原価、店舗間共有が中心になります。
  • 食品工場向け:数百キログラム単位の所要量展開と、原料の受入ロットを扱います。
  • 工場で扱う情報:多段階配合や歩留まり、製造条件、賞味期限、出荷先との連携も対象です。

レシピを登録できるかだけでなく、工場の製造指図と品質保証に使えるかを確認します。

導入の目的と得られる効果

導入の目的は、レシピを紙から画面に移すことにとどまりません。紙やExcelでの管理では、製造現場や監査対応まで課題が連動します。

  • 製造ミスの抑制:配合、投入、表示の食い違いを減らします。
  • 原価の把握:原料単価、使用量、歩留まり、廃棄を組み合わせて見ます。
  • 判断の標準化:経験に頼っていた判断を揃え、監査や顧客からの問い合わせに短時間で答えられるようにします。

導入が向いている食品工場

商品構成や日々の管理に課題がある工場では、規模に応じた範囲から導入できます。

  • 商品数や変更が多い:複数商品、原料代替、仕入先変更が多い企業です。
  • 顧客や拠点が複数:OEMで規格・ラベルを変える企業や、多工場で同じ商品をつくる企業です。
  • 小規模工場:転記が多い、原価把握が月末になる、アレルゲン確認を目視に頼るなどの課題を抱える工場です。
  • 小さく始める場合:レシピ・原料・原価から導入する方法があります。

ポイント

候補を比べるときは、製造指図や品質保証に使えるかが判断の目安になります。飲食店向けのメニュー原価管理とは違い、多段階配合や製造ロットまで扱えるかで見分けられます。

食品製造業向けレシピ管理システムの主な機能

レシピ管理システムを中心に、配合、原価・在庫、品質記録、ロット追跡の4領域を結んだ図
業務範囲に応じて、共通データを使う領域が広がります。

必要な機能は、商品開発から経理まで、同じデータを使う範囲で決まります。全機能を一度に入れるより、まず今のボトルネックを起点に導入し、将来の連携に備えて余地を残しておきます。

商品・原料・多段階配合を管理する機能

商品から工程まで、配合と製造に使うマスタをまとめて扱います。

  • マスタ管理:商品、原材料、包装資材、仕入先規格書、添加物、アレルゲン、栄養成分、工程を登録して管理します。
  • 多段階配合:ソースや餡などの中間品を別レシピとして持ち、ほかの商品から参照します。
  • 数量展開:単位換算と製造数量から所要量を展開し、計量指示と発注量の計算をつなぎます。

単位換算では、キログラムやグラム、リットルに加えて、個数なども扱います。

原価・歩留まり・在庫を連動させる機能

原料単価が変わったときに、関連するレシピの標準原価を再計算できる仕組みが必要です。製造数量と歩留まりを考慮し、ロス率や副産物も含めて、標準原価と実績原価を比べられると判断が早まります。

原料の入荷から使用、残量、廃棄までをロットと結び付けて管理すると、期限切れや過剰在庫の原因も確認できます。

食品表示・アレルゲン・品質記録を扱う機能

原材料や添加物の情報をもとに、食品表示や商品規格書、調理指示書、顧客提出用の帳票を作れます。確認したいのは、アレルゲンを原料から製品へ逆引きできることと、表示情報の版数や適用開始日を管理できることです。

変更前後を比べられるかも確認します。なお、AIによる点検や入力支援を使う場合も、最終確定は資格や権限を持つ担当者が承認します。

ロット追跡・設備連携・現場入力の機能

ロット追跡と機器連携では、検索の対象と、障害時のデータの扱いを決めておく必要があります。

  • 双方向検索:原料ロットから製品へ、製品から使用原料や出荷先へとたどれます。
  • 製造記録:指図や計量の実績、温度と時間、検査結果、逸脱、是正措置を、それぞれロットに結び付けます。
  • 設備連携:計量器やバーコード端末、ラベラーなどの設備から、販売管理や会計までの連携方式を確かめます。
  • 障害対応:通信が止まったときのデータの扱いと、再送の方法を決めます。

ポイント

どの機能を先に入れるかは、いま困っている工程が配合・原価・表示・ロットのどれかで決めると、導入の順番を組みやすくなります。

パッケージ・クラウド・オンプレミス・スクラッチの違い

標準パッケージ、クラウド型、オンプレミス型、スクラッチ開発の特徴を4枚のパネルで示す図
形態ごとに、業務への合わせ方や運用環境が異なります。

導入形態には、標準パッケージやクラウド型、オンプレミス型、スクラッチ開発があります。選ぶときは、価格に加えて、標準機能に業務を合わせられるか、設備や基幹システムとの連携が必要かで判断します。

選定の時点で、運用を担当できる人員がいるかも確かめます。

標準パッケージが向いている企業

食品工場に共通する業務を短期間で整えたい場合に、標準パッケージを検討できます。

  • 対象業務:レシピ、原価、在庫、製造日報、表示、ロットなどが対象です。
  • 導入前の確認:画面や帳票を見られるので、導入後の姿を想像しやすい点が利点です。
  • 標準外の要件:独自歩留まり計算、中間品、特定設備連携など。

標準外の要件では、追加開発の費用だけでなく、運用を変えた場合の費用も確かめておきます。

クラウド型の確認点

クラウド型は、拠点間でデータを共有しやすい一方で、運用面の確認も欠かせません。

  • 利用形態:自社でサーバーを持たず、複数拠点やタブレットで同じデータを使えます。
  • 運用負担:初期費用を抑えやすく、バックアップや更新をサービス側に任せられます。
  • 通信・障害:通信が不安定なときの入力方法とデータの保存場所、復旧目標を見ておきます。
  • 契約終了:データの返却と、月額料金の改定条件を契約前に確かめます。

オンプレミス型とスクラッチ開発を選ぶ場面

運用環境や独自の要件によって、オンプレミス型とスクラッチ開発を検討します。

  • オンプレミス型:閉域運用や設備連携、厳格な社内統制が必要な場合の選択肢です。
  • 自社の運用負担:サーバーの更新やバックアップ、パッチ適用、障害対応を自社で担うことになります。
  • スクラッチ開発:独自工程や特殊設備、複数基幹システムの一体化に適します。

スクラッチ開発では、要件定義の質と稼働後の保守体制が成否を左右します。

工場規模別の最初の導入範囲

一工場から多工場まで、商品数と業務範囲に合わせて、初回の対象を選びます。

  • 一工場・少数商品:原料、レシピ、原価、表示、日報を優先して導入します。
  • 商品・原料が多い:規格書、アレルゲン、改訂承認、所要量計算が対象になります。
  • 多工場・OEM:工場別のマスタや顧客別の帳票、ロット追跡、権限、既存システムとの連携を評価します。

ポイント

候補を絞るときは、業務に合わせる度合いと社内の運用体制のどちらを優先するかを先に決めておくと、候補の比べ方がそろい、迷いが減ります。

導入・開発の進め方の6段階

まず現場の業務とデータを整理し、そのあとで製品を選びます。

レシピ移行、承認ルール、現場入力、設備接続も計画に含め、要件定義から稼働後の改善までを一続きで扱います。

▶ 詳細はこちら:食品製造業向けレシピ管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

1. 現状業務と課題の洗い出し

商品開発から出荷まで、業務を工程の順に書き出します。対象は、規格書の収集や配合承認、原料受入です。そのあとは計量、投入、製造と続き、最後に検査、在庫、表示までを押さえます。

各工程で、担当者や使うデータ、帳票、転記の回数を確認すると、Excelの重複や紙の保管場所、属人的な判断が見えてきます。

通常業務に加えて、原料の代替や規格変更、返品、回収、通信停止などの例外処理も記録します。

2. 初回リリースの範囲とKPIの設定

初回は、課題の大きい一工場・一製品群でパイロットを行い、そこから段階的に対象を広げていきます。

  • 第一段階:レシピの版管理、原価計算、食品表示の帳票を整えます。
  • 第二・第三段階:製造実績とロット追跡を加えたあと、設備や会計との連携に進みます。
  • 評価指標:検索時間、転記回数、承認日数、原価差異、棚卸し時間、回収対象の特定時間を、導入前後で比べます。

3. マスタと承認ルールの整備

マスタは、商品や原料、単位、仕入先のほか、規格、アレルゲン、添加物、工程、設備を含めて整えます。ロット番号の付け方も、あらかじめ決めておきます。

レシピの改訂者や確認者、承認者を決め、適用開始日や旧版を参照できるかも定めます。さらに、承認前のレシピが製造指図に使われないよう、制御を用意しておきます。

マスタが曖昧なままだと、入力データが揃わず、完成した画面を現場で使えない事態になりかねません。

4. データ移行と連携の設計

移行するデータの状態と、連携先ごとの正データを確かめ、登録の範囲を決めます。

  • 一括登録の可否:紙やExcelのレシピは、そのまま取り込めるとは限りません。
  • データ整理:表記の揺れや重複した原料、単位の違い、旧版と現行版の混在、空欄のアレルゲン情報を洗い出し、移行と廃棄の対象を決めます。
  • 連携設計:受注から生産計画、購買から原料入荷、計量器から投入実績、製造から品質記録、出荷から販売管理までの流れを整理します。
  • 正データ:連携ごとに、どのシステムのデータを正とするかを決めます。

5. 現場シナリオによる受入テスト

受入テストでは、画面が開くかを見るだけでなく、実際の製造を再現して、操作と例外処理を試します。

  • 製造シナリオ:通常レシピ、原料代替、歩留まりの異常、規格変更、ラベルの再発行、権限外の改訂、ロット回収を試します。
  • 障害時の動作:ネットワークが止まったときの扱いと、計量器データの再送を見ておきます。
  • 参加者と確認点:商品開発、品質保証、購買、製造、出荷の各担当者が、入力にかかる時間と誤操作の起こりやすさを確かめます。

6. 教育・並行稼働・改善

稼働後の混乱を抑えるため、記録の照合、役割別の教育、定期的な見直しを組み合わせます。

  • 並行稼働:初日から紙はなくさず、一定期間は新旧の記録を照合します。
  • 役割別の教育:レシピ登録や承認、製造指図、計量、品質記録、回収検索の手順書を作り、現場リーダーを一次窓口にします。
  • 稼働後の改善:入力漏れや差し戻し、原価差異、端末の使いにくさを月次で見直し、業務ルールと画面に反映します。

費用相場とコストの内訳(2026年時点)

費用は、商品数や工場数、ユーザー数によって変わるほか、マスタ移行量や帳票、設備連携の範囲でも変わります。HACCPやロット追跡の深さも、金額に影響します。公開価格と業務システム開発の市場目安は、分けて見ていきます。

金額は税別か税込か、初期費用の範囲、保守の有無によって異なります。そのため、月額だけで比べるのは避けます。

▶ 詳細はこちら:食品製造業向けレシピ管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

▶ 詳細はこちら:食品製造業向けレシピ管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

クラウド型の月額費用

公開プランの料金は、利用上限や追加費用とあわせて確認します。

  • プラン例:初期費用0円、月額9,800円または14,800円。
  • 利用上限:レシピ数、工場数、ログイン数、作業者数に上限が設けられ、機能の追加は見積もりになる場合があります。
  • 機能別料金例:基本月額2,000円、配合・表示作成月額10,000円、原価計算月額5,000円、計量器連携月額3,750円。
  • 利用対象:月額数千円から数万円のサービスは、小規模工場向けです。

機能別料金は、各サービスの公開価格表を2026年に確認した情報です。マスタ整備、端末、通信の費用は、別にかかる場合もあります。さらに、帳票変更や教育、追加ユーザーの費用が加わることもあります。

1か月の料金だけでなく、初期費用と36か月分の利用料を合算して比べます。

パッケージ導入の費用相場

パッケージ型は、ライセンスや利用料に初期設定やマスタ移行、帳票改修を加え、教育や保守まで含めた総額で見ます。

  • 初期費用の市場目安:市場の目安として、一般的な業務システムでは200万〜800万円程度です。
  • 年間保守:導入費の10〜15%程度が一つの目安です。
  • 追加範囲:多工場への展開や連携、法令帳票、計量器やラベラーとの連携を加えると、500万〜2,000万円規模になる可能性があります。
  • 公開料金例:買い取り89万円、クラウド構築費9万円、保守月額1万円の構成例もあります。

市場の目安は、生産管理システムの費用相場に関する公開解説を2025〜2026年に確認したものです。公開料金例は、機能範囲やユーザー数、工場数に制限があるため、食品工場全体の導入費とは限りません。

見積書は、ライセンスや導入支援、データ移行などの項目ごとに分けてもらいます。

スクラッチ開発の費用相場と期間

費用は開発範囲で変わり、期間も導入形態や連携先によって異なります。

  • 費用目安:スクラッチや大規模カスタムは1,000万円〜数千万円。
  • 統合範囲の例:HACCP、ロット、生産計画・在庫、設備連携では1,000万〜4,000万円程度の推定例があります。
  • 期間の目安:標準クラウドは数週間〜2か月、パッケージは3〜6か月、複数工場などの個別開発は6〜18か月程度。

推定レンジは、特定の案件の契約価格ではなく、食品工場の類似機能から見た市場目安です。

3年総額で比較するときの計算方法

3年総額は、導入形態ごとに発生する費用を、同じ条件で足し合わせて求めます。

  • 導入・運用費:初期費用、月額または保守費、端末費、通信費、バックアップ費。
  • 導入支援費:データ移行費、教育費、追加改修費。
  • 継続費用:パッケージの保守や、クラウドのユーザー追加料金も含めて数えます。

たとえば、初期100万円、月額10万円、端末・教育など50万円の場合、3年総額は510万円になります。計算は、100万円+10万円×36か月+50万円です。比べるときは、同じ期間と機能範囲にそろえます。

ポイント

比較するときは、3年間の総額を同じ条件でそろえられるかを先に確かめ、月額の安さだけで候補を外さないことが目安になります。

開発会社・ベンダーの選び方とRFPの作り方

「食品業界に強い」という説明に加えて、自社の製品群と工程に近いデモや導入事例を確認します。

レシピ登録から、承認、計量、ロット回収、ラベル再発行、障害時の復旧まで、同じシナリオで各社を比べます。

食品製造業の実績の確認

業種名だけでなく、自社の要件に近い業務の実績と効果の前提を確認します。

  • 対象業務:多段階配合、歩留まり、アレルゲン、食品表示、原料・製品ロット、HACCP記録。
  • 自社要件との一致:賞味期限、OEM・多工場、計量器・ラベラー連携の経験。
  • 効果の前提:数値の対象工場・業務、比較期間、前提条件を確かめます。

導入実績の効果は、そのまま自社で得られるとは限りません。

デモと提案内容の比べ方

同じサンプルと現場操作を使い、候補各社の提案をそろえた条件で比べます。

  • サンプル条件:完成品、中間品、代替・アレルゲン原料、歩留まり、製造数量、ラベル情報。
  • 業務の実演:所要量計算、原価更新、版改訂、承認、製造指図、ロット検索。
  • 現場操作:タブレットの操作数やバーコード読み取り、誤投入の防止、通信断時の扱いを、実機で確かめます。

契約・保守・データ返却の確認

契約前に、導入作業や稼働後の支援、解約時のデータの扱いを、文書で明確にしておきます。

  • 見積もり範囲:要件定義、設計、開発、テスト、移行、教育、稼働支援。
  • 保守・更新:窓口、対応時間、障害優先度、復旧目標、バックアップ、セキュリティ更新、法令・表示変更、改修単価。
  • 解約時:データ形式や返却期限、削除証明、停止後の閲覧の可否を、契約書に記載します。

RFPに入れる最低限の項目

RFPでは、現場の規模や必要機能、導入条件を整理し、要件ごとの実現方法を明確にします。

  • 工場・製品情報:工場・部門、商品・原料数、完成品と中間品、単位、製造数量、歩留まり。
  • 機能・連携:原価、表示、アレルゲン、ロット・期限、HACCP、権限・承認、既存システム、設備。
  • 導入条件:データ移行、ユーザー数、希望時期、予算上限。必須と希望を分けて記載します。

標準機能、設定、追加開発、代替運用のどれで実現するか、提案側に示してもらいます。

▶ 詳細はこちら:食品製造業向けレシピ管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

ポイント

会社を選ぶときは、提案書の印象より、同じシナリオで動かした結果と自社に近い実績がそろっているかを優先すると、判断がぶれにくくなります。

導入後の定着・HACCP・セキュリティで失敗しない方法

レシピとロットの記録を、利用者の権限、承認と認証、データ保護、委託先管理で守る図
日々の記録は、権限設定から委託先の管理まで連動します。

機能が充実していても、入力が複雑で現場に定着しなければ、効果は出にくくなります。食品工場では安全や品質の記録が多いため、使いやすさと、変更履歴を残す統制の両方が必要です。

HACCP記録とレシピ・ロットの結び付け

厚生労働省は、HACCPを入荷から出荷まで危害要因を把握し、重要工程を管理して安全性を確保する衛生管理手法と説明しています(出典:厚生労働省「HACCP(ハサップ)」)。

  • 保存する記録:衛生管理計画、原料受入、調合比率、加熱・冷却の温度と時間。
  • 品質管理記録:CCP監視、検査結果、逸脱、是正措置、検証、教育記録。
  • 追跡情報:レシピの版数、製造ロット、担当者、承認者、入力時刻を結び付け、変更履歴をたどれるようにします。
  • 検索・出力:PDFにするだけでなく、検索や絞り込み、証跡の出力ができる形で蓄積します。

権限管理・バックアップ・委託先管理の設計

担当業務ごとに権限を分け、内部統制と委託先の運用を確かめます。

  • 利用者の権限:商品開発、品質保証、工場長、製造、購買、閲覧者の役割で分けます。
  • 承認と認証:レシピの登録や改訂、承認、適用を一人だけで完結させないようにし、多要素認証の有無も確かめます。
  • データ保護:暗号化や端末紛失への備え、操作ログ、バックアップの世代数、復元テスト、退職者の利用停止を見ていきます。
  • 委託先管理:再委託、障害通知、脆弱性対応、データ削除の条件を確かめます。

AI機能を使うときの人手承認の必要性

AIは候補を示す役目に使い、食品安全や顧客提出情報の確定には、担当者の承認を入れます。

  • 補助できる業務:原料情報の整理、類似レシピ検索、表示項目の抜け漏れ候補。
  • 人が確定する情報:アレルゲン、配合比率、法定表示、原価、顧客提出情報。
  • 承認記録:参照したマスタと根拠を残し、担当者の確認と承認を記録します。

AIの提案を製造指図やラベルに直接反映させない、段階的な運用から始めます。

よくある質問(FAQ)

検討の段階では、移行や規模、クラウドの安全性について質問が多く出ます。導入期間や補助制度についても、よく質問を受けます。

答えは製品数や工程によって変わるため、判断基準を先に決めておくと、営業資料やデモを比べやすくなります。

Excelや紙のレシピを移行できますか?

移行はできますが、全件をそのまま取り込めるとは限りません。重複や単位、商品コード、旧版、空欄のアレルゲンや規格情報を整理し、現行版と履歴を分けて登録します。まずは、販売中または製造頻度の高い商品に絞り、移行後に原本と計算結果を照合します。

小規模工場でも導入するメリットはありますか?

あります。原価計算や表示の確認、ロット管理、日報の集計に時間がかかるなら、対象を絞って導入すれば効果を期待できます。

無料または月額数千円から始められる公開サービスもあります。そのうえで、ユーザー数や工場数、レシピ数の上限を確かめ、将来の商品数に耐えられるかを見ます。

食品製造業向けレシピ管理システムをクラウドで使っても安全ですか?

安全性は、契約内容と実際の運用によって判断します。クラウド型かどうかだけでは、安全とも危険とも言い切れません。

  • アクセス・保護:多要素認証や暗号化、権限管理、操作ログが備わっているかを確かめます。
  • 復旧体制:バックアップや復旧テスト、障害時の連絡体制を見ておきます。
  • データ・委託先:返却の条件、委託先の管理、情報を外部で処理する範囲、AI入力の学習利用の有無を、導入前に確認します。

導入には何か月かかりますか?

導入期間は対象範囲と導入形態で異なり、準備工程を省くと稼働後の手戻りが増えます。

  • 標準機能・一工場:数週間〜2か月程度で稼働できる場合があります。
  • パッケージ導入:マスタ移行、帳票改修、教育を含めて3〜6か月が目安です。
  • 個別開発:設備、ERP、多工場を含む場合は6〜18か月程度です。
  • 計画に含める工程:要件定義、データ整備、受入テスト、並行稼働。

補助金を使って導入できますか?

制度の対象になるかどうかは公募ごとに異なるため、導入を決める前に条件を確かめます。

  • 公募条件:制度名、募集時期、対象経費、申請者の条件を見ます。
  • 契約・発注時期:交付決定の前に行った契約や発注、支払いが対象外になる制度もあります。
  • 申請準備:公募要領と申請スケジュールを、先に確かめておきます。

申請を支援する事業者がいても、制度の対象になることまでは保証されません。

まとめ:業務全体から選ぶ食品製造業向けレシピ管理システム

選ぶときは、商品から工程までの配合情報と、表示や原価、在庫、品質、ロットを、一貫して扱えるかを確かめます。飲食店向けの原価管理と、食品工場向けの生産・品質管理を混同しないことが、最初の判断になります。

多段階配合・表示・ロット・HACCPの評価

候補は、同じサンプルを使って、多段階配合や所要量計算、歩留まりを確かめます。原価や食品表示、アレルゲン、改訂承認も、同じ条件で見ます。加えて、HACCP記録や双方向のロット追跡、計量器やラベラーとの連携も対象にします。

公開価格がある場合でも、3年総額で比べます。その際は、ユーザー数や工場数、レシピ数に加え、帳票、移行、保守まで含めます。

小さく始める導入と現場の承認・改善

導入範囲は一工場・一製品群のパイロットから始め、現場が無理なく入力できるか確かめます。

  • 承認と証跡:レシピ改訂や表示確定は人が承認し、原料ロットから製品ロットまで記録します。
  • 継続改善:入力時間や転記ミス、原価差異、回収対象の特定時間を見直し、品質と利益の改善に役立てます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。