鋳造業向けシステムの開発会社は、鋳込計画・配合・注湯履歴・型管理・品質トレーサビリティまで扱えるかで選ぶことが重要です。一般的な生産管理だけでなく、炉・溶湯・チャージ番号・ロットを結び付けられる会社が候補になります。
この記事では、鋳造専用システムから設備IoT、製造業向けのMES・生産管理基盤まで、株式会社riplaを含む6社を比較します。鋳造方式や工場規模、既存設備、目指すKPIに合わせた選び方、見積もり時の確認事項、2026年時点の費用の考え方も整理します。
▼全体ガイドの記事
・鋳造業向けシステム開発の完全ガイド
鋳造業向けシステムのパートナー選びが重要な理由

鋳造業のシステム選定では、機能数の多さよりも、現場のデータが正しい単位でつながるかを見極める必要があります。受注から造型、溶解、注湯、仕上げ、検査、出荷までの流れを理解しないまま導入すると、結局は紙やExcelへの二重入力が残ってしまいます。
鋳造特有の要件を理解しているかで導入効果が変わります
鋳造では、製品の個数だけでなく重量で原材料や溶湯を管理し、炉ごとの配合、材質分析、チャージ番号、湯温、注湯時刻を記録します。さらに、製品・ロット・型・炉・材料・作業者・検査結果を追跡できなければ、不良発生時の原因調査や顧客への説明に時間がかかります。砂型鋳造、生型、ダイカスト、鋳鋼、ロストワックスでは工程や設備も異なるため、候補会社に自社方式の導入可否を具体的に確認することが大切です。
設備連携と現場定着まで見積もる必要があります
候補会社を比べるときは、画面のデモだけでなく、古い炉や造型機、分析器、PLCからデータを取得できるかを確認します。ネットワーク化できない設備が残る場合の手入力やバーコード運用、オフライン時の復旧方法も重要です。富士電機の鋳造工場調査では、IoT活用の上位が見える化65.5%、遠隔・稼働監視48.3%、品質管理・改善48.3%でした。出典は富士電機「鋳造工場におけるIoTとデータ利用に関する意識調査」です。まず実績と品質データを集め、分析やAIへ段階的に進む方が現実的です。
株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
鋳造業向けの導入では、最初から製造現場のすべてを置き換えるのではなく、受注・生産計画・実績収集・品質記録のどこから始めるかを整理することが欠かせません。riplaは、業務ヒアリングで現場の困りごとと経営側のKPIをつなぎ、標準機能を使う領域と個別開発する領域を切り分ける相談相手になり得ます。工程進捗の見える化、帳票のデジタル化、既存システムとの連携など、段階導入を検討する企業に向いています。
得意領域・実績
riplaの紹介文で示されている営業・顧客・生産・販売管理などの基幹領域は、鋳造業で分断されやすい受注情報と製造実績を統合する土台になります。一方、鋳造専用パッケージのように配合計算や注湯履歴が標準搭載されているかは、個別要件として確認が必要です。鋳造固有の画面や設備連携を実現したい場合は、現状の帳票、マスタ、設備一覧を提示し、どこまでを標準、設定、追加開発で対応するかを初期提案で明確にしてもらうと安心です。
株式会社コスモサミット|鋳造専用の生産管理を重視する企業向け

株式会社コスモサミットは、鋳造業向け生産管理システム「REMACS-C」を提供する会社です。公式サイトでは、鋳造業に特化したシステムとして、受注から生産、品質、出荷までの管理を支援する機能が紹介されています。鋳造工程を前提に候補を絞り込みたい企業にとって、最初に確認しやすいベンダーです。
特徴と強み
REMACS-Cでは、造型・鋳込計画、重量・個数管理、配合計算、材質分析、受注生産、ガントチャート、品質情報、不良分析、EDIや分析器との連携など、鋳造で確認したい項目が明示されています。一般的な販売管理の製品に鋳造機能を後付けする場合と比べ、要件整理の出発点を鋳造現場に置きやすい点が特徴です。内示や確定発注、出荷指示を取り込み、二重入力を減らす考え方も、受注変動のある工場で検討しやすいポイントです。
得意領域・実績
砂型鋳造や受注生産など、鋳造固有の計画とトレーサビリティを優先したい企業に向いています。問い合わせ時は、自社の鋳造方式、炉の数、材質、チャージ番号の採番ルール、重量と個数の換算、分析器の機種、外注工程を伝え、標準機能で対応できる範囲を確認します。公開情報で鋳造専用機能が確認できても、自社の造型機や分析器への接続費、データ移行費、現地教育費は別見積もりになる可能性があるため、総額で比較する必要があります。
UBEマシナリー株式会社|ダイカスト設備と品質・予防保全をつなぐ

UBEマシナリー株式会社は、ダイカストマシンを軸にIoTソリューションを展開する会社です。品質情報管理システム「CastTrend」を発展させ、生産管理、品質管理、予防保全、遠隔保守に対応するシステム・サービスを提供しています。ダイカスト設備のデータを起点に、品質と設備状態を一緒に見たい企業に適した候補です。
特徴と強み
公式情報では、ダイカストマシンから収集した情報を、品質、生産、保全、遠隔保守の観点で活用する方向性が示されています。AI波形分析による異常・予兆検知や画像判定を検討できる点も、設備条件と不良の関係を見たい工場には有効です。ただし、砂型鋳造や鋳鋼を主力とする工場では、設備構成や工程が異なるため、CastTrendをそのまま適用できるとは限りません。
得意領域・実績
ダイカストマシンの稼働率、ショット条件、品質結果、保全履歴を結び付け、設備停止や不良の削減をKPIにしたい企業に向いています。見積もりでは、対象マシンのメーカー・型式・台数、取得可能な信号、既存ネットワーク、画像検査の有無、遠隔保守の運用ルールを整理して渡します。AIを使う場合は、良品・不良品の画像や波形をどれだけ蓄積できるか、再学習や判定精度の評価を誰が担うかまで確認しておくことが大切です。
新東工業株式会社|生型ラインの条件センシングと不良分析に強み

新東工業株式会社は、鋳造設備や生型プロセスに関する技術を持ち、「SINTO SMART FOUNDRY」などのIoTソリューションを提供しています。製造条件をセンシングしてデータ化し、工程別の品質監視や製品不良との紐付け、ばらつき分析につなげる考え方が特徴です。設備と製造条件の関係を現場改善に生かしたい企業が検討しやすい会社です。
特徴と強み
新東工業の公式情報では、生型鋳造の各製造工程で製造条件をセンシングし、蓄積したデータを品質不良の削減に活用する方向性が示されています。設備のサイクルタイムを可視化する仕組みもあり、24時間の稼働状況や工程ごとのばらつきを把握する用途に向きます。現場の大型画面で遅れや停止を共有し、改善活動を回しやすくする点も見逃せません。
得意領域・実績
生型ラインや鋳造設備と、砂の状態、造型条件、注湯、製品検査を関連付けたい企業に適しています。問い合わせ時は、センサーを設置したい工程、既存PLCの通信仕様、不良コード、製品と鋳造条件を結び付けるキー、必要なダッシュボードを提示します。新東工業の仕組みを生産管理全体の代替と考えるのではなく、鋳造設備のデータ収集・品質改善基盤として、ERPや販売管理との役割分担を確認すると判断しやすくなります。
株式会社テクノア|中小製造業の生産管理とAIカメラを段階導入

株式会社テクノアは、中小製造業向けの生産管理システム「TECHS」シリーズや、AI画像認識を利用した工場の見える化サービスを提供しています。鋳造専用システムではありませんが、製造業の受注・工程・実績を整えながら、現場データ収集やAIカメラを組み合わせたい企業にとって現実的な候補です。
特徴と強み
TECHSシリーズは、個別受注や多品種小ロットの部品加工業などを対象に、受注、部品表、工程、実績、在庫といった業務を管理する基盤です。テクノアのA-Eyeカメラのような実績収集・見える化と組み合わせることで、紙の日報から設備稼働や作業実績のデータ化へ段階的に進められます。IT専任者が少ない中小工場では、導入範囲を絞って定着させやすいかを確認することが重要です。
得意領域・実績
広島県のDX事例では、鋳物部品の機械加工・組立・販売を行う企業がTECHS-BKとA-Eyeカメラを連携し、設備稼働状況を可視化した事例が紹介されています。これは鋳造専業工場への全面導入実績と断定するものではありませんが、鋳物関連企業が生産管理と設備可視化を組み合わせた参考事例です。鋳造本工程まで対象にする場合は、配合、溶解、注湯、型、ロット、不良理由、重量と個数の換算が標準対応か追加開発かを必ず確認します。
東芝デジタルソリューションズ株式会社|MES・IoTデータ基盤を横断的に整える

東芝デジタルソリューションズ株式会社は、製造業向けのMeister Factoryシリーズを展開し、製造現場のIoT・AI活用や工程データの統合を支援しています。特定メーカーに限定せず設備データを収集し、製造プロセスの情報を一元管理する基盤を検討したい企業に適した候補です。鋳造専用パッケージではないため、鋳造固有機能は要件定義で適合性を見極めます。
特徴と強み
Meister Factoryシリーズでは、ヒト・モノ・設備などの5M1Eデータを統合管理し、工程や検査の情報を横断して扱う考え方が示されています。複数メーカーの設備や既存システムが混在する工場で、設備データを共通基盤に集め、歩留まり、稼働率、品質、エネルギーなどを同じ視点で分析したい場合に検討しやすくなります。現場画面を個別に作るハイブリッド構成を採る場合は、将来の保守担当とデータ所有権も確認します。
得意領域・実績
東芝の公開事例には、材料・部品製造など隣接する製造業の取り組みが含まれます。したがって、鋳造専業の導入実績として扱うのではなく、MES・IoT基盤の構築力を比較する候補として見るのが適切です。複数工場や複数ラインのデータを将来統合したい企業は、チャージ番号やロット番号を共通キーにできるか、検査成績書を自動発行できるか、ERP・品質管理・環境管理と接続できるかをデモで確認します。
鋳造業向けシステムのパートナー選びで確認するポイント

6社は同じ種類の会社ではありません。鋳造専用性を最優先するのか、設備データを集めるのか、中小工場の業務を早く整えるのか、複数拠点のMES基盤を作るのかで、適する相談先が変わります。以下の確認を行い、価格だけでは判断しないことが失敗を防ぎます。
実績は「鋳造専業」と「隣接製造業」を分けて確認します
実績を聞くときは、「製造業の実績があります」という説明だけで終わらせず、鋳造方式、対象工程、導入範囲、連携設備、導入後のKPIを確認します。コスモサミットは鋳造専用の機能が明示され、UBEマシナリーと新東工業は設備・工程データの活用を確認しやすい候補です。テクノアは鋳物部品企業の事例がある一方、東芝デジタルソリューションズは隣接製造業向けの基盤として評価するなど、公開事例の距離感を正しく読み取ることが大切です。
デモではチャージ番号から不良原因まで追えるかを見ます
デモでは、受注番号から製造指示、造型、炉、配合、チャージ番号、注湯条件、検査結果、出荷先までを一つの流れで見せてもらいます。次に、不良品を起点に対象ロット、材料、型、設備、作業者、検査値を逆引きできるかを確認します。重量と個数の単位変換、型の使用回数、再溶解材、外注工程、検査成績書の発行も、サンプルデータを使って操作してもらうと適合性が分かります。
見積もりは本体・連携・現地工事・保守を分けます
鋳造向けシステムの費用は個別見積もりが中心ですが、検討初期の推定レンジとして、受注・在庫・進捗を中心とした小規模導入は初期300万〜800万円、標準的な鋳造生産管理は800万〜2,000万円、炉や検査設備と連携するMES・IoT型は2,000万〜5,000万円、複数ライン・AI・環境データまで統合する場合は5,000万円〜1億円超が目安になります。これは定価ではなく、公開されている製造業システムやIoT導入の相場と鋳造固有要件を照合した推定です。
本体価格以外に、要件定義、設備インターフェース、ネットワーク分離、センサー、現地調整、データ移行、教育、並行稼働、予備端末、クラウド利用料、保守、AIの再学習費が発生します。2026年のデジタル化・AI導入補助金は、登録ITツールや申請要件を満たす導入が対象であり、任意のフルスクラッチ開発や設備改修が自動的に対象になるわけではありません。出典は中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領」です。交付決定前の契約や発注の扱いも含め、公式の公募要領を確認します。
OTセキュリティと導入後の運用体制を確認します
炉や造型機をネットワークにつなぐ場合は、事務系ITと工場OTを無条件に同一ネットワークへ接続しない設計が必要です。資産台帳、ゾーニング、アクセス権、多要素認証、バックアップ、ログ監視、リモート保守の承認と記録、障害時の手動継続手順を見積もりに含めます。経済産業省は2025年4月に中小規模の製造事業者向け「工場セキュリティの重要性と始め方」を公表しており、ベンダーへの質問票を作る際の基準にできます。出典は経済産業省、2025年です。
導入後は、システム部門だけでなく、製造、品質、生産管理、保全、経理の責任者を決めます。目標KPIは、納期遵守率、鋳造不良率、歩留まり、炉の稼働率、実績入力時間、在庫差異、トレーサビリティ調査時間、電力原単位などから3〜5個に絞ります。毎月KPIを確認し、入力項目を減らす改善も行うことで、現場が使い続けられる仕組みになります。
よくある質問(FAQ)

鋳造業向けシステムの導入前には、専用システムの必要性、費用、AIの始め方について質問が多く寄せられます。判断を急がず、自社の工程とデータの状態を基準に考えることが大切です。
鋳造業では一般的な生産管理システムだけでは不十分ですか?
一般的な生産管理システムでも受注、在庫、工程、原価を管理できますが、配合計算、炉・溶湯、注湯履歴、チャージ番号、型の使用履歴まで標準で扱えるとは限りません。鋳造固有の要件が多い企業は、専用パッケージか、標準基盤に専用画面・設備連携を追加する方式を比較します。
鋳造業向けシステムの費用はいくらですか?
導入範囲によって大きく変わりますが、受注・在庫・進捗の小規模導入は300万〜800万円、鋳造生産管理は800万〜2,000万円、設備IoTやMES連携は2,000万〜5,000万円程度が初期検討の推定レンジです。設備改修、センサー、データ移行、教育、保守は別費用になりやすいため、見積書の内訳を分けて比較します。
鋳造工場はいきなりAI画像検査を導入すべきですか?
いきなりAI画像検査を導入するより、まず実績・品質データを正しく集め、良品と不良品のラベルを整えることをおすすめします。データが蓄積できたら、画像判定、異常検知、予兆保全、配合や計画の支援へ段階的に進み、精度だけでなく現場の確認時間や不良率の変化で効果を評価します。
まとめ

6社の比較結果
鋳造専用性ならコスモサミット、ダイカスト設備の品質・保全ならUBEマシナリー、生型ラインのデータ活用なら新東工業が候補になります。中小製造業の業務と見える化を段階導入するならテクノア、複数設備・複数工程を横断するデータ基盤なら東芝デジタルソリューションズ、業務整理から柔軟に開発方針を組み立てるならriplaを比較します。
導入の第一歩
最初の相談では、工程図、帳票、設備一覧、品質データ、現場の困りごと、目標KPIを共有します。会社ごとに同じ条件でデモと概算見積もりを依頼し、標準機能、追加開発、設備連携、運用保守の範囲を並べると、価格だけでは分からない適合性を比較できます。
鋳造業向けシステムの会社選びでは、会社名の知名度や初期費用だけでなく、鋳造方式への適合性、炉・造型機・分析器との連携、重量と個数の管理、チャージ番号から不良までの追跡、現場入力の定着を確認します。株式会社riplaは業務整理から開発・導入までを相談できる候補、コスモサミットは鋳造専用の生産管理、UBEマシナリーはダイカスト設備、新東工業は生型・設備IoT、テクノアは中小製造業の段階導入、東芝デジタルソリューションズはMES・IoT基盤というように、役割を分けて比較すると自社に合うパートナーを絞り込めます。
まずは現状の工程図、帳票、設備一覧、品質記録、目標KPIをまとめ、2〜3社に同じ条件で相談します。最初から全社最適を目指すのではなく、1ラインや1工程でPoCを行い、実績収集と品質トレーサビリティを定着させてからAIや予兆保全へ広げることが、投資効果と現場運用の両方を高める進め方です。
▼全体ガイドの記事
・鋳造業向けシステム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
