貨物追跡システムの発注は、対象業務とデータを整理し、RFP(提案依頼書)で条件をそろえ、PoCで確かめてから段階的に導入する流れです。
まず発注対象を整理し、要件や契約、費用の順に考えていきます。委託先の比較と運用移行は、そのあとに説明します。全体像は、貨物追跡システム開発の完全ガイドもご覧ください。
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貨物追跡システムの発注対象
貨物追跡システムは、送り状番号、貨物ID、コンテナ番号などをキーにして、出荷から配達完了までを記録し、共有する仕組みです。車両位置を表示する動態管理とは、重なる部分もあります。一方で、貨物の状態、積み降ろし、検品、受領証跡までつなぐ点が異なります。
貨物単位・車両単位・屋内単位の切り分け
追跡単位は、問い合わせや配達証明を重視するか、車両の走行や倉庫内の所在を把握するかで選びます。
- 貨物単位:送り状番号やパレット番号ごとに出荷、輸送中、配達完了を追い、問い合わせや配達証明の材料になります。
- 車両単位:GPSやコネクテッドカーで現在地と走行履歴を把握し、配送進捗や停留時間の分析に使えます。
- 屋内単位:カメラ、マーカー、RFIDなどで、倉庫や工場内の置き場所を追う単位。
車両単位の追跡では、納品先付近への到着は分かっても、積載貨物や受領時刻までは分からない場合があります。一方で、貨物単位の追跡では、輸送中の位置や荷待ち時間を把握できないことがあります。そこで、貨物IDと車両、便、ドライバー、拠点を関連付けるデータモデルを、RFPに含めます。
必須機能と将来機能の分け方
日々の追跡に欠かせない機能は、初期要件で必ず入れておきます。これらは、貨物の登録から配達証明までと、閲覧範囲の管理を支えるものです。
- マスタ管理:貨物や伝票、荷姿、納品先、予定時刻、便、車両の基本情報を登録し、変更も扱います。
- イベント取得:バーコードやQRコードで読み取った配送状況の記録。
- 位置・例外表示:現在地、ETA(到着予定時刻)、遅延や温度逸脱の表示。
- 配達証明:受領サインや写真を添えたPODを保存します。
- 権限管理:荷主、元請、実運送会社、倉庫、納品先ごとの閲覧範囲の設定。
AI到着予測、積載率やCO2分析、温度・衝撃センサー連携は、将来機能として後から足せます。まずは入力の負荷を抑え、正確なイベントを集める設計にします。
さらに、通信圏外での一時保存と後からの同期、重複イベントや訂正の扱いも決めておきます。これらは、現場に定着するかどうかを左右します。
発注形態の選び方(SaaS・パッケージ・個別開発)
発注形態は、業務を標準化できる範囲や独自業務の重要性を見て選びます。連携の複雑さや導入時期も、判断材料になります。
標準機能が多いほど早く始められ、個別性が高いほど自由度が増します。ただし、費用・期間・保守負担も増えます。
SaaSは標準化できる範囲を短期間で始める選択肢
標準的な動態管理を早く始めたいなら、SaaSを候補に入れます。合うかどうかは、用途との一致と料金の仕組みで判断します。
- 用途:車両位置、配送実績、停留、荷待ち時間など一般的な業務に向いています。
- MOVO Fleet:車両1台単位の月額料金が基本で、初期費用は別途です。
- 公開価格:具体的な料金例を参考にできます。
リサーチノートでは、月額1,980円/台からの公開価格が確認されています。また、スマートフォン端末レンタルセットは、2025年5月時点で2,500円/台・月(税込)からです(出典: 株式会社Hacobu「MOVO Fleet 料金プラン」・リサーチノート、2026年8月確認)。
この価格は、動態管理サービスの一例で、導入条件によって変わります。複数運送会社との連携や基幹改修、地図APIは、総額に含まれていません。端末や通信、保存、サポートも、この価格の外にあります。
発注前には、API範囲とデータ出力を確かめます。契約台数や最低利用期間、解約時の返却形式も確認し、障害時のSLAも押さえます。
パッケージやクラウド拡張は独自要件との折衷案
標準機能と独自業務の差分を分けたい企業には、パッケージやクラウドを基盤に追加開発する方法が合います。その構成は、おもに四つの要素からなります。
- 標準機能:追跡画面と基本イベントはSaaSで持ちます。
- 連携:受注・在庫・WMS・TMSのデータ変換を追加する構成もあります。
- 追加開発:特殊貨物の温度判定や取引先向けの公開画面に限って、追加する例もあります。
- 契約条件:APIの版管理やテスト環境、双方がどこまでを受け持つかを契約に記し、カスタマイズ範囲も示します。
標準機能が更新されたとき、追加開発した部分が壊れないかを確かめる必要があります。権限とデータ同期の扱いも、必要になる場合があります。さらに、監査ログや障害時の再送処理も求められることがあります。
スクラッチ開発の使いどころ(差別化業務と複雑な連携)
業務を標準サービスに合わせて変えにくい場合に、スクラッチ開発を検討します。
- 対象業務:複数社・海外拠点のID統合、特殊な配達証明、独自の遅延判定、深い基幹連携が対象になります。
- 発注理由:標準機能では解消できない業務上の損失を説明できることが判断材料です。
- PoC:1拠点・1路線・1運送会社で検証し、問い合わせ件数、電話時間、定刻到着率、荷待ち時間、POD取得率の変化を測ります。
業務に合わせて設計できる一方で、発注の範囲は要件定義から運用監視まで広がり、データ移行、テスト、教育も含まれます。そこで、PoCで改善を確かめてから全社開発へ進むと、過剰投資を抑えやすくなります。
貨物追跡システムの外注の進め方
外注は、現状と目的を整理したうえで、RFPで条件をそろえて提案を受ける順に進めます。荷主と配車担当、倉庫の作業を、共通要件にまとめます。ドライバーや納品先の作業も、同じ要件に含めます。
現状と目的の数値化
導入目的と現状を対応させるには、測定する指標と問い合わせの原因を先に整理しておきます。
- 業務量:問い合わせ件数、電話時間、Excel転記の量を押さえます。
- 配送状況:荷待ち、誤配、再配達、配達証明の取得率が対象です。
- 問い合わせ原因:到着予定、積み忘れ、協力会社の報告遅れを調べ、必要な機能を決める材料にします。
2025年4月から、荷主や物流事業者などに物流効率化の努力義務が施行されました。また、2026年4月からは、一定規模以上の事業者に中長期計画や定期報告などが求められています。
国土交通省のポータルは、荷待ち・荷役等時間の短縮や積載効率の向上を示しています。
(出典: 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータル、2026年)
法令への対応も、荷待ち時間や輸送実績を測れる要件として、RFPに記載しておきます。
RFPの提案条件と比較条件
RFP(提案依頼書)には、会社背景を書いたうえで、対象拠点や車両台数、月間貨物数を示します。利用者や地域、現行システムに加え、自社便・傭車の割合も記します。希望時期と予算の考え方は、あわせて書いておきます。
イベントは、出荷済みや集荷、輸送中、拠点到着の段階から定義します。持ち出しや配達完了、遅延、不在、破損も、イベントとして定義します。さらに、発生時刻と場所、入力者、訂正方法も決めておきます。
提案会社には、回答を観点ごとに分けてもらいます。
- 標準機能と設定:標準で提供する範囲と、設定で対応する範囲。
- 個別開発:追加で作る部分と、発注側が用意するデータ。
- 費用:初期費用と月額費用に分けた内訳。
- 単価:API・端末・通信・地図の単価。
- 作業単価:移行・教育・保守・追加改修の単価。
各項目をそろえておけば、比較漏れを防げます。
PoCの対象と成功条件
PoCは、発注判断の不確かさを減らすための検証です。1拠点、1路線、数十台程度から範囲を選び、本番に影響する点を確かめます。たとえば、貨物ID連携や圏外からの再同期、荷主共有、配達証明が対象になります。
成功条件には、到着予定通知の精度や問い合わせ件数の減少、入力時間を置きます。イベント連携率やPOD取得率も、判定の指標にします。
そのうえで、測定期間と対象便、導入前の数値は、RFPと契約書に定めます。合格ラインと本番移行の条件も、同じ書類に書いておきます。
RFP・要件整理で決める項目

要件では、画面より前に、データの受け取り時点、閲覧者、正とする状態を決めます。特に、複数社の異なるコードや報告時刻を共通イベントに変えるルールは、費用と運用負荷を左右します。
貨物IDとイベント定義
貨物とイベントの定義では、IDの対応関係と状態、連携時の例外処理をそろえておきます。
- IDと履歴:貨物ID、送り状、注文、コンテナ、パレット番号を洗い出します。複数伝票や分納、積み替え、返品の親子関係も定めます。
- イベント:出荷、集荷、積込、輸送中の段階を定義します。拠点到着、持ち出し、受領、例外も定義し、場所、時刻、取得手段、証跡、訂正権限の観点で決めます。
- 連携処理:API、CSV、EDIを使う場合は、再送や重複、遅延受信を決めます。時差やコード変換、保存期間も決めます。
国土交通省は、物流情報標準ガイドラインをver3.00へ改訂しました。利用手引きには、その意義と準拠手順が示されています(出典: 国土交通省「物流情報標準ガイドライン」ver3.00および利用手引き、2025年)。
将来、荷主や運送会社を追加する可能性があるなら、個別の変換を増やさない設計を提案条件に入れます。
非機能要件と現場条件の数値化
非機能要件は、言葉だけでは現場の受け止めがずれるため、数値で書いておきます。
- 性能と稼働:更新間隔、位置精度、同時接続数、応答時間、稼働時間。
- 障害と復旧:バックアップ、復旧目標、障害通知。
- 監査と認証:監査ログと認証。
「リアルタイム」のような表現だけでなく、位置の間隔、イベント反映秒数、圏外で保存する時間を指定します。
現場では、端末や電池、車載方法、バーコードのほか、手袋での操作や外国語も確かめます。通信圏外や紛失への備えも、同じく見ます。
運転中は操作せず、荷役の際に短く記録できることを重視します。そのうえで、試作画面に対する現場の評価を、受入れ条件にします。
権限・セキュリティ・位置情報の扱い
荷主、元請、実運送会社、倉庫、納品先のすべてに、同じ情報を見せるとは限りません。
- 権限と記録:会社・拠点・案件・貨物の状態ごとに、閲覧や登録、訂正、出力を分けます。変更履歴も残します。
- 安全対策:APIキーやMFA、通信時と保存時の暗号化、紛失端末の無効化、復旧訓練を要件として盛り込みます。
通則ガイドラインでは、連続して蓄積された位置情報によって個人を識別できる場合、個人情報に該当し得るとされています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年)。
そのため、ドライバーの位置と端末IDを結び付けるなら、発注条件として、利用目的や取得範囲、保存期間を決めます。さらに、委託先や従業員への説明、退職・契約後の削除も条件に加えます。
契約形態の使い分け(請負・準委任・SaaS)
契約は、要件の確定度や成果物の明確さ、発注後の改善範囲で選びます。企画から運用までを一つの契約にまとめず、段階ごとに責任と取り分を分けると、変更と費用を管理しやすくなります。
請負契約の完成条件と検収基準
請負契約は、合意したシステムや機能を完成させて検収する形に合っています。
- 納品物:画面、API、帳票、端末アプリ、移行データ、操作マニュアルを明記します。
- 検収条件:受入テストの項目、再修正の期限、検収の成立条件。
- 要件変更:曖昧な一括請負では、連携や例外処理が追加費用になりやすいため、要件定義を先行させる方法もあります。
- 発注側の準備:データや接続環境、協力会社のテスト参加、端末貸与、仕様開示の有無を見ます。
- 遅延時の扱い:前提条件が満たされない場合の、スケジュール変更と費用精算の取り決め。
準委任契約の向く範囲(不確実な要件定義や伴走)
準委任は、専門家の知見や作業を受けながら進める契約です。
- 対象作業:要件定義や現状調査、PoC、アジャイル開発、運用改善が対象になります。
- 契約内容:仕様が変わりうる段階では、人員や期間、会議体、成果物を決めておきます。
- 作業管理:月次計画、レビュー資料、課題一覧、意思決定期限、追加作業の承認を、事前に決めておきます。
- 契約の組合せ:要件定義やPoCは準委任、仕様確定後の開発と受入れは請負にする組み合わせもあります。
準委任の完成責任は、請負契約と同じ意味では扱わないようにします。
SaaS契約の利用条件と解約時の扱い
SaaS契約では、利用料金と障害対応、解約時のデータの扱いを見ておきます。
- 課金単位:月額が車両、端末、ユーザー、貨物件数のどれを基準にしているか。
- 月額の範囲:初期設定や移行、API、地図、端末、通信のほか、サポートが月額に含まれるか。
- 障害対応:停止通知、復旧目標、バックアップ、連絡窓口を、SLAか個別契約で定めているかどうか。
- データ出力:履歴や受領証明、操作ログ、マスタの形式、期限、費用の決め方。
- 解約条件:所有権や二次利用、再委託、海外リージョン、削除証明の扱い。
貨物追跡システムの費用相場

費用は、追跡対象や車両・貨物数、拠点によって変わります。連携先や端末、証跡、サポートの範囲でも、差が出ます。専用の一律価格は少ないため、公開SaaS価格と開発相場は分け、計画用のレンジとして見ます。
小規模PoCから大規模連携までの推定レンジ
既存Q&Aの相場と公開SaaS価格をもとにした計画用の推定です(出典: NotebookLM Q&A「業務システム全般_1」およびリサーチノート、2026年8月、計画用の推定)。
規模別の目安は次のとおりです。ただし、正式な見積ではありません。
- 小規模PoC・MVP:初期費用は300万〜800万円、期間は2〜4か月程度です。
- 中規模運用:複数拠点を想定し、初期費用は800万〜2,000万円、期間は4〜8か月程度です。
- 大規模案件:初期費用は2,000万〜5,000万円超、期間は8〜18か月程度になる可能性があります。
- 既存Q&Aの参考値:部分刷新は300万〜700万円、複数領域の刷新は1,500万〜4,000万円で、エンジニア単価は月額80万〜120万円です。
中規模運用は、複数拠点で、貨物IDやバーコード、ETA、POD、協力会社ポータル、API連携を含む想定です。
小規模PoC・MVPは1拠点・数十台で、スマートフォンやGPS、基本ステータス、CSV、管理画面を含む想定です。
大規模案件は、WMS・TMS・ERP連携や数百〜数千台、温度センサー、監査、冗長化まで含む想定です。ただし、これらは貨物追跡専用の統計ではありません。端末や通信、API、教育、保守は、別途確かめます。
初期費用・月額費用・保守費用の内訳
見積もりは初期・月額・保守に分け、費用項目と変動要因を見ます。
- 初期費用:企画・要件定義、UI・構成設計、アプリ・管理画面、API、端末設定が含まれます。移行、テスト、教育、リリース支援も含まれます。
- 費用構成の目安:要件定義約10%、設計10〜20%、開発40〜60%、テスト10〜20%を仮置きできます。
- 月額費用:利用人数や台数、サービス内容で変わります。
- 保守費用:スクラッチ開発費の年5〜15%程度で試算する場合があります。
月額は、ユーザーや車両、貨物数、保存期間によって変わります。地図・通知・API利用量や、端末・通信・サポートの範囲でも変わります。
SaaSでは、月1,980円/台からの例があります。ただし、初期費用やオプションが別になる場合があります。
「開発一式」の項目は、含まれる機能と作業に分解してもらいます。保守費は、24時間監視や端末交換の有無で変わります。そのため、提案の前提を確かめておきます。
費用対効果の測り方
費用だけでなく、削減できる業務時間と物流品質も見ます。
- 比較指標:問い合わせや電話時間、荷待ち、誤配、再配達を、導入前後の同じ期間で比べます。
- 品質指標:定刻到着やPOD取得、連携成功率を、導入前後で並べて見ます。
- 効率化目標:ドライバー1人当たり年間125時間の拘束時間短縮や、荷待ち・荷役等時間の短縮が示されています。
- 記録の活用:特定の事業者に限らず、時間記録は改善計画の根拠になります。
- 費用とKPI:データ取得を減らすと、必要な記録が残らない場合があります。RFPには料金と指標を示し、削減案で失うデータを確かめます。
委託先と見積書の比較ポイント
知名度や価格も見ますが、委託先は、追跡単位や協力会社、データ取得、既存連携への理解で比べます。PoCから運用まで担えるかも確かめます。提案画面よりも、例外対応と体制の具体性に注目します。
物流実績と実際の開発体制
貨物追跡や動態管理、倉庫、配車、POD、温度管理の経験範囲を尋ねます。特に、傭車や協力会社、通信障害、分納、返品、破損を扱った実績は、要件漏れを見つけるのに役立ちます。
営業担当だけでなく、要件責任者やPM、連携、インフラ・セキュリティ、運用支援の体制も確かめます。再委託先が担う工程や、障害・遅延の責任、稼働後の支援担当は、事前に明確にしておきます。
同じWBSと前提条件での見積書比較
同じRFP、データ例、PoC範囲をもとに、各社へ見積もりを依頼します。各社の見積もりは、区分をそろえて比べます。
- 作業区分:要件定義、設計、開発、連携、テストに分けた内訳。
- 付帯作業:移行、教育、PM、リリース、保守の内訳。
- 対象区分:標準、設定、追加開発、対象外の区分。
「将来対応」と書かれた部分は、今回の費用に含まれない範囲として確かめます。価格差が出た場合は、その理由を前提の違いから探します。
前提の違いとして、API数や保存期間、端末・利用者数、地図課金を見ます。さらに、移行件数やテストデータ、教育、休日対応も確かめます。初期費用だけでなく、3年程度の総額と変更単価で比べると、発注後の予算超過を抑えやすくなります。
データ所有権・SLA・解約条件
データの所有・利用権と外部提供は、まず確かめます。さらに、ログ保存から再委託先までも、項目ごとに見ます。
- ログ保存:残す範囲と期間。
- 出力形式:取り出せる形式と方法。
- 終了時の削除:解約後のデータの消し方。
- 再委託先:データを預ける先の会社。
貨物履歴や配達証明は、解約後も必要になる場合があります。そのため、取り出せる状態にしておきます。
SLAでは稼働率に加えて、障害検知や一次回答、復旧、再送、端末交換、サポート時間を見ます。電話やチケットの扱い、休日・夜間の追加料金も明確にします。
「セキュリティ対応済み」という答えに加え、認証、権限、暗号化、脆弱性対応、バックアップ復旧テストを質問します。
発注後のテスト・受入れ・運用移行

受入れには、画面の確認だけでなく、実貨物や通信、協力会社の報告、例外処理、納品先との共有を含めます。そこで、テストデータと合格基準を事前に定め、感覚だけの修正を防ぎます。
イベントと例外を中心にした受入れテスト
正常な出荷から配達までの流れに加えて、未積載や積み替え、分納、返品を試します。さらに、誤配や遅延、不在、破損、温度逸脱の例外を試します。通信断や端末紛失、イベント重複も、あわせて試します。
イベントの順序が前後しても表示が崩れないか、訂正履歴が残るかを確かめます。権限のない会社に位置情報が見えないかも、あわせて見ます。受入れ条件は、貨物IDにイベントと証跡が結び付き、担当者が判断できることです。
たとえば、配達完了時に受領者、時刻、位置、サインまたは写真を保存し、指定時間内に荷主ポータルに反映させるシナリオを設けます。
教育・移行・問い合わせ窓口の準備
ドライバーや協力会社が使わなければ、イベントは蓄積されません。そのため、荷役のタイミングに沿った短い手順を示し、配車、倉庫、管理者、荷主ごとに、画面と例外対応を教育します。
送り状やマスタを移行するときは、欠損や重複、コード変換、保持期間を確かめます。移行後に旧履歴を誰が見られるかも、あらかじめ決めておきます。
本番後の窓口や障害連絡、改善要望の優先順位、月次KPIレビューは、契約と運用設計に含めます。こうすると、開発会社任せを防げます。
小規模導入からKPIによる拡張判断
全社展開では、端末配布や協力会社の調整、データ品質、問い合わせが重なります。そのため、代表拠点と路線から始めます。
問い合わせや電話時間、荷待ち、定刻到着を、導入前後で比べます。誤配やPOD取得、連携率も、あわせて比べます。改善しない機能は、データ不足や運用、操作、連携遅延のどれが原因かで分けて見直します。
また、拡張するときは、入力負荷と運用費が許容範囲に収まるかを確かめます。拠点、運送会社、貨物種類を追加したときの増分は、見積書に記載してもらいます。月額や端末、教育、サポートがどれだけ増えるかが分かると、段階導入を管理しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
発注では費用だけでなく、標準化する業務と独自業務、データ責任、現場での継続利用も見ておきます。外注前によくある質問を取り上げます。
貨物追跡システムはSaaSとスクラッチ開発のどちらが良いですか?
標準的な位置や進捗、停留時間を早く把握したい場合は、SaaSが合います。一方で、複雑なID統合や特殊貨物、独自POD、深い基幹連携が必要なら、個別開発を検討します。
PoCでSaaSの標準化範囲と追加開発が必要な差分を確かめてから決める方法もあります。
RFPにはどこまで細かく要件を書けば良いですか?
対象拠点や車両、貨物数、利用者、イベントまで書くと、比較しやすくなります。連携先や通信、例外、権限、保存期間、受入れ基準も書いておくと役立ちます。
未確定の事項は、提案会社に検証してほしい論点と分けて示します。そのうえで、要件定義やPoCの中で詰めていきます。
見積金額が会社ごとに大きく違うときは何を見れば良いですか?
初期費用に加えて、標準・追加開発・対象外の区分と、API数、端末・通信を並べます。さらに、移行やテスト、教育、保守、地図・通知の従量課金も並べて、全体を見渡せるようにします。
前提条件、変更単価、3年程度の総額を同じ表で比べます。金額差の理由も、会社側に説明してもらいます。
位置情報やドライバー情報を外注先へ渡しても大丈夫ですか?
外注先へ渡す前に、利用目的や取得データ、保存期間、権限、再委託、終了時の削除を定めたうえで、安全管理措置を確かめます。
位置情報が個人を識別できる形で蓄積される場合は、個人情報に該当し得ます。そのため、法務・プライバシー担当と相談し、従業員への説明や規程の整備も、発注に含めます。
まとめ
発注時は、貨物・車両・屋内の追跡単位を分けたうえで、問い合わせや配送品質、荷待ち、配達証明などの目的を数値にします。そのうえで、必要な方式をSaaS、拡張、スクラッチから選びます。
発注前のRFPと費用の前提
RFPには、貨物IDやイベント、連携先、端末・通信を書きます。更新間隔や権限、セキュリティ、データ所有権も、同じRFPに記載します。受入れ基準と保守体制も含めます。
初期費用と月額費用は、分けて考えます。
- API・地図:利用量に応じて費用が変わりやすい項目。
- 端末・通信:月額に含まれるかどうかを分けて見る項目。
- 移行・教育・保守:費用の範囲を分けて示してもらう項目。
公開価格と個別開発の推定レンジも、混ぜずに扱います。
小さく検証してから拡張する進め方
委託先は、物流の例外への対応や協力会社との連携、開発体制、障害対応、データ返却の観点で選びます。次に、1拠点・1路線のPoCで入力負荷とKPIを検証し、効果と運用費を見ながら拡張します。
▼全体ガイドの記事
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
