グローバルERP開発の費用は、対象国の数、業務範囲、連携とローカライズの範囲によって、初期費用で2,000万円から10億円超まで変わります。対象の広さで目安が段階的に分かれるため、まず自社の対象を決めて比べることが大切です。全体像は下の完全ガイドもご覧ください。
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グローバルERP開発の全体像と費用の考え方
グローバルERPは、海外拠点向けの会計ソフトに限らず、複数の国や法人の業務を共通のデータ基盤で管理する仕組みです。会計や販売、購買は同じ基盤で扱います。在庫や生産、人事も対象になります。
費用は、実際に使える状態まで移行する総投資として考えます。企画や業務の標準化、国ごとの差分の組み込みまで含めて、導入後の状態から見積もることが大切です。
グローバルERPにかかる費用の項目
費用項目は、次の4つの工程に分けて見ます。工程ごとに分けておくと、見積もりにどの範囲が含まれているかを確認しやすくなります。
- 企画・要件定義:共通プロセスと国別の差分を整理します。
- 製品・設定:ライセンス、設定、拡張の費用。
- 移行・連携:データ移行と外部システムとの接続。
- 展開・運用:テスト、教育、現地展開、保守。
海外展開では、国ごとの勘定科目と税計算、法定帳票を確認します。電子インボイスへの対応も必要です。さらに、多通貨の為替レートと会社間取引の扱い、内部取引消去、連結レポートの設計にも費用がかかります。
パッケージ導入とスクラッチ開発の費用の違い
標準化しやすい領域は、クラウドERPの標準機能で導入するほうが費用を抑えられます。ただし、標準機能に合わせる場合でも、業務の変更とデータクレンジングの費用がかかります。
- 標準機能:会計や購買を既存の機能に合わせて使う方式。
- スクラッチ:独自仕様をゼロから作る方式。
- ハイブリッド:不足機能をAPIや外部サービスで補う方式。
特殊な製造工程や独自の価格計算を本体に作り込むと、更新時の検証が増えます。そのため、ERPを核にして不足機能をAPIや外部サービスで補う構成も、現実的な選択肢になります。
グローバルERP開発の費用相場

企画段階では、対象国やユーザー数、業務モジュールを仮置きします。移行データ量と連携本数も同じように仮置きし、そのうえで費用をレンジで予算化します。
次の金額は、国内の基幹システム案件の目安に海外展開の作業を加えた推定です。個別製品の正式見積ではないため、RFP後の金額とは差が出る前提で利用してください。
1〜3カ国・財務中心の場合は2,000万〜6,000万円
対象は、1〜3カ国で会計・債権債務・固定資産などの財務を扱い、利用者が20〜50人程度の場合です。
- 初期費用:2,000万〜6,000万円程度が一つの目安。
- 年間費用:ライセンス等で1,000万〜3,000万円を仮置き。
- 期間:6〜12カ月が目安。
年間費用には、ライセンスのほか、クラウド利用料、保守、現地法令対応が含まれます。代表拠点の業務整理やマスターデータの品質が十分でない場合は、期間が長くなります。
海外法人では、日本本社の勘定科目をそのまま配るより、現地の仕組みに合わせて整理することが必要です。そのため、現地通貨と換算レート、税区分、支払条件を最初から確認します。法定帳票や銀行連携も、最初の段階から確認します。
財務だけに絞って販売や在庫は既存システムと連携する形にすると、初期投資を抑えられる場合があります。
3〜10カ国・複数業務の場合は8,000万〜3億円
対象は3〜10カ国で、財務に販売・購買・在庫を加える場合です。100〜300ユーザーの規模を前提に、共通テンプレートを作ったあとで国別ロールアウトを繰り返す進め方が適しています。
- 初期費用:8,000万〜3億円程度で見積もります。
- 年間費用:ライセンス等で4,000万〜1.6億円程度。
- 期間:12〜24カ月ほどになりやすい規模。
国数が増えると、例外の扱いも増えます。法人間取引、売上計上、在庫評価に加えて、関税や税務報告にも例外が出てきます。
現地の承認権限が増えるぶん、テストシナリオも増えます。画面数だけでなく、承認の組み合わせでも増えていきます。
連携先は、販売管理や銀行、給与などに広がる場合があります。人事や物流、CRM、BIとつなぐ場合もあります。連携が増えるほど、APIの設計と障害時の再送制御も必要になります。
10カ国以上・製造や物流を含む場合は3億〜10億円超
対象は10カ国以上、500ユーザー以上で、製造や物流、連結まで扱う場合です。周辺システムまで対象にすると、企画予算はこのレンジで組みます。
- 初期費用:3億〜10億円超を企画予算のレンジに置く。
- 年間費用:ライセンス等は1.5億〜5億円超が目安。
- 期間:18〜36カ月以上を想定。
各国のプロジェクト管理や翻訳、現地キーユーザーの稼働も、予算に入れて考えます。移行リハーサルや並行稼働、監査対応は、システム開発費とは別に見積もります。
SAPが2025年11月に公開した事例では、日本郵船が本社と国内外の子会社など約350社の会計基盤を移行しています。SAP S/4HANA Cloud Public Editionへ移行し、2025年7月から運用を開始したと紹介されています。
ただし、これは個別企業の事例で、費用は公開されていません。法人が多い案件では、技術設定だけでなく標準化と展開管理が総投資を左右します。
グローバルERP開発の費用内訳

見積書の合計金額だけで比べると、安い提案が魅力的に見えがちです。現地展開や教育が別料金になっている場合、導入後に追加の費用が発生します。
データ移行が対象外だったり、法改正対応が保守契約に含まれなかったりする場合もあります。そのため、工程別に費用を分け、含まれる作業と含まれない作業をそろえて比べます。
企画・要件定義・業務標準化の費用
企画・要件定義・業務標準化は、初期費用の10〜15%程度を仮置きします。
- 対象範囲:国や法人、決算日などの範囲、通貨や会計基準の洗い出し。
- 業務範囲:業務プロセス、現行システム、連携先の整理。
- 統制範囲:権限とデータ保管場所の確認。
ここで「本社の標準」と「国別に残す例外」を決めます。決めないまま開発を始めると、後工程で仕様変更が連鎖しやすくなります。
国内の基幹システムだけなら、限定領域で数百万円〜1,500万円の目安があります。一方で、複数業務の場合は、1,500万〜4,000万円という目安が使われることもあります。
これはグローバルERP全体の価格ではなく、NotebookLMのリサーチノートによる国内案件の参考値です。
海外拠点を加える場合は、国別要件や翻訳、現地調整に加えて、展開の作業も加算します。
ライセンス・クラウド・保守のランニングコスト
公開価格を確認できる製品では、ユーザー数を掛けて、ライセンス費用の下限を試算できます。
- Finance:31,484円(ユーザー・月相当)。
- Finance Premium:44,977円(ユーザー・月相当)。
- 比較単位:月額ではなく、TCOで比べる。
日本向けDynamics 365 Financeの価格は、日本マイクロソフトの情報を2026年時点で確認しました。いずれも年払い相当で税別と表示されており、出典は日本マイクロソフト「Dynamics 365 Financeの価格」で、2026年8月に確認しています。
たとえば、Financeだけを50ユーザーで使うと、単純計算で年間約1,889万円です。Premiumでは約2,699万円になります。
この計算は製品価格の一例にすぎません。金額は、販売やサプライチェーン、人事、分析といった業務の範囲で変わります。追加環境やストレージ、連携基盤、導入支援の費用によっても左右されます。
SAPやOracleなど、契約条件、ユーザー区分、対象モジュールで個別見積になる製品もあります。また、月額単価だけで比べると、アップデートや為替変動の影響を見落とします。ライセンス、保守、為替変動も含めたTCOで比べてください。
データ移行・連携・テストにかかる費用
データ移行と連携は、初期費用の15〜30%程度を仮置きすることがあります。
- 移行対象:勘定科目や取引先、品目などの範囲。
- 移行条件:過去の期間と、明細または残高の範囲。
- 連携条件:頻度や再送、照合の担当者の確認。
為替と組織階層も移行対象に含め、重複や表記ゆれを直してから取り込みます。過去何年分を移行するか、明細を残すか残高だけにするかで、工数が変わります。
連携は本数だけでなく、リアルタイムか日次かも確認します。エラー時に再送できるか、誰が照合するかまで決めておきます。
テスト・教育・展開は20〜30%程度になる場合があります。検証では、多通貨の換算や締め処理、会社間取引を組み合わせて確かめます。税計算や権限も、同じ流れで検証の対象になります。
障害復旧と各国の法定帳票を含むシナリオテストも必要です。
現地の言語で操作を説明し、キーユーザーが問い合わせを一次受けできるようにします。この費用は、見積書で独立した項目として示してもらってください。
グローバルERPの費用が変動する要因
同じ製品でも、ERPの見積もりは企業ごとに大きく異なります。価格は国数だけでなく、複数の前提が組み合わさって決まるためです。
最初の概算では、対象法人やユーザー、業務をRFPに明記します。データ量と連携方式も、あわせて明記します。現地法令やセキュリティ要件、展開の順番も前提に含めます。
国数・法人数・ユーザー数の増加による費用の上昇
国数が増えると、税務や法定帳票、言語の条件が増えます。タイムゾーンや休日の条件も、そのぶん加わります。
法人が多い場合は、決算カレンダーや承認者も管理しなければなりません。
- 国数:支払慣行、データレジデンシー、現地支援の増加。
- 法人数:法人マスター、会社間取引、連結範囲の管理。
- ユーザー数:権限の区分に応じたライセンス試算。
ユーザー数はライセンス費用に直結します。ただし、全員にフルライセンスが必要とは限りません。
たとえば、経理担当や承認者、参照者、現場入力者といった区分ごとに、権限を分けて試算します。
モジュール・連携・カスタマイズの範囲による金額の差
財務だけに絞るのか、販売や購買、在庫まで統合するのかで範囲が変わります。生産やプロジェクト、人事まで広げると、さらに範囲が増えます。
独自帳票や特殊な承認フローを本体に追加すると、将来の更新検証費用も発生します。
- モジュール:業務範囲が広いほど、要件とテストが増える。
- カスタマイズ:開発費と更新検証費用。
- API連携:接続先ごとの監視と照合の設計。
API連携は、接続先が増えるほど、仕様調整や監視、障害対応が必要になります。データ照合も必要です。
2026年時点のクラウドERPでは、標準機能と拡張サービスを分けて考えます。
Microsoft LearnはDynamics 365 FinanceのGlobalization Studioについて説明しています。210超の国・地域を対象に、標準ローカライズと継続的な規制更新を提供する方針です。
出典はMicrosoft Learn「Dynamics 365 Finance – Globalization Studio」で、2026年2月更新です。
対象国に含まれることと、自社の業務・税務・帳票に適合することは別です。実データに近いシナリオで確認してください。
ローカライズ・セキュリティ・運用体制の費用
国別の税制や電子請求書、法定帳票を確認します。電子取引データの保存要件も対象で、国税庁は、電子取引で授受した取引情報の保存を案内しています。
- 法令対応:必要に応じた税務専門家や現地パートナーの追加。
- 保存設計:保存、検索、監査証跡を各国制度に合わせた設計。
- セキュリティ:権限や監視、復旧、委託先管理の確認。
出典は国税庁「電子帳簿保存法の概要」で、2026年8月に確認しています。
法改正への対応を誰が担うかも、ランニング費用に含めてください。
セキュリティでは、最小権限、職務分掌、多要素認証を確認します。特権ID管理やログ監視も対象です。さらに、バックアップと障害復旧、退職者アカウントの無効化も含めます。
委託先との責任の分け方も、要件定義の時点で費用とあわせて決めておきます。経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0」でも、管理体制の整備の考え方が示されています。
セキュリティ対策は後から付けると高くなりやすいため、早い段階で設計します。
グローバルERP開発・導入の進め方

費用超過は、開発会社の技術力だけでなく、何をどの順番で決めるかが曖昧なことからも起きます。まず対象範囲と共通プロセスを定め、製品を実データで評価します。
代表拠点で検証してから国別に展開すると、変更の影響を小さくできます。全拠点を一斉に切り替える場合は、準備期間と教育負担を十分に見積もってください。
対象国・業務・成果指標の決定
企画では、対象国、法人、ユーザーを一覧にします。業務モジュールと決算日も、同じ一覧に含めます。
- 対象範囲:会計基準、現行システム、連携先の整理。
- 成果指標:決算日数、作業時間、データ鮮度の設定。
- 定着指標:予実差異の把握とユーザー定着率の測定。
目的を「最新のERPを入れる」とだけ置くと、標準機能に合わせにくくなります。その結果、カスタマイズが増える傾向があります。
MustとWantの切り分けと標準機能の実データ確認
法定要件や決算に関わる機能、受発注や在庫など、止められない機能はMustに分けます。高度な分析や特殊帳票など、代替手段があるものはWantにします。
- Must:法定要件や止められない業務。
- Want:高度な分析や特殊帳票。
- 確認方法:自社データに近いシナリオでのデモ。
デモでは、多通貨取引や会社間請求、締め処理を使います。返品や税、承認、障害復旧も含めて、自社のシナリオで確認してください。
対応方法は、標準機能や設定、外部拡張、業務変更のどれかに分類します。分類しておくと、各社の見積もりを同じ土台で比べられます。
代表拠点でのパイロットと段階展開
最初から全拠点を対象にせず、本社または代表的な拠点でテンプレートを作ります。マスター移行や並行稼働を一度経験し、受入テストと現地ユーザー教育も、同じ拠点で通します。
- 代表拠点:業務とデータが代表的な拠点の選定。
- 検証項目:移行、並行稼働、受入テストの経験。
- 展開資産:教育や設定の、次の国での再利用。
次の国で再利用できる資産が増えるぶん、展開単価を引き下げられます。
日本郵船の事例のような大規模展開でも、会計基盤と業務標準化を一体で進めています。パイロットは短期化のためだけでなく、展開単価を下げるための投資です。
稼働後のCoEと現地キーユーザーによる維持
稼働後に国別の要望をそのまま追加すると、共通テンプレートが崩れます。そこで本社側にCoE(Center of Excellence)を置き、各国のキーユーザーと運用します。
- 本社CoE:全体の変更と運用の判断。
- 現地ユーザー:国別の業務と問い合わせへの対応。
- 継続管理:法改正や権限、データ品質の確認。
アップデートや権限レビューの判断は、この体制で行います。マスター管理や法改正、障害対応、追加開発も、共通テンプレートを維持する形で判断します。
運用費用には、問い合わせ対応だけでなくデータ品質改善も含めます。監査証跡の確認も、稼働後の費用として見積もります。
グローバルERPの見積もりを取る際のポイント
相見積もりでは、合計金額だけでなく、同じ前提で比べられているかを確認します。「導入支援一式」や「現地対応一式」、「保守一式」といった表記は、分解してもらいます。
成果物や期間、担当者、追加費用の条件をそろえることが重要です。依頼側が前提をそろえるほど、価格差と体制差がどこから来ているかを判断できます。
RFPに記載する国・法人・データ・連携の前提
RFPには、対象国と法人、ユーザー数と権限、対象モジュールを記載します。移行するデータの期間や連携先、決算スケジュール、希望する稼働時期も書きます。
- 業務条件:取引量や法定帳票、通貨、言語。
- 移行条件:データの期間と連携先。
- 導入条件:決算スケジュールと希望時期。
グローバル共通プロセスと国別の差分は、別の欄にまとめます。MustとWant、残す既存システム、廃止する領域も、あわせて整理してください。
不明な項目は空欄にせず、調査費用または概算の前提として明記します。
製品会社と導入支援会社の比較の観点
製品ベンダーと導入支援会社は役割が異なるため、知名度だけで判断せず、現地法人の有無や言語対応も含めて比べます。
- 対応範囲:製品や業界、国、言語の範囲。
- 実績:同規模の導入事例と認定資格。
- 運用条件:保守窓口とデータの扱い。
各社の提案は、設計書の扱いまで含めて同じ条件で比べます。日本郵船のような大規模事例があっても、自社で同じ成果が得られるとは限りません。
提案会社が担当した範囲と、成果の再現条件を質問します。
契約方式と追加費用の条件
契約方式と追加費用の条件を先に確認すると、稼働後の想定外コストを抑えられます。要件変更をいつ追加費用とするか、納期遅延時の扱いも確認します。
- 契約条件:請負・準委任、単価、上限。
- 成果物:受入基準と設計書の範囲。
- 将来費用:法改正や為替、ユーザー増減。
契約上は、設定資料やテスト仕様書、移行用スクリプトを確認対象にします。データの所有権と引き渡し条件は、契約前に決めておきます。将来費用には、クラウドの更新も含まれます。
現地サポートの時間帯が契約に含まれるかも確認します。
グローバルERPのコストを最適化するポイント
コスト最適化は、機能を削ることとは違い、作り直しが少なくなるよう設計を整えることです。
作り直しの可能性が高い領域を見極め、標準化できる部分は共通化します。再利用できるテンプレートと運用ルールを残すことも大切です。
初期費用や年間費用、5年TCO、業務変更の効果を、同じ表で比べてください。安く見える提案の中にも、将来費用が膨らむ条件が隠れていることがあります。
標準機能の優先とカスタマイズの例外管理
共通プロセスを標準機能に寄せると、設計、開発、テストの重複を減らせます。アップデート対応の重複も減るので、将来の保守性を保てます。
- 業務の慣れ:標準業務への寄せ替え。
- 法定要件:例外としての管理。
- 差別化要件:外部拡張での疎結合。
例外は、法定要件、競争力に直結する独自業務、現場の慣れに分けて考えます。単なる慣れであれば業務を変え、法定要件や差別化要件は外部拡張にします。
国・業務の段階導入と再利用できる資産
本社と代表拠点で財務テンプレートを作り、段階的に業務を広げます。各フェーズの勘定科目、権限設計、移行ルールを、次の国で再利用します。
- 第1段階:本社と代表拠点での財務の整備。
- 第2段階:販売、購買、在庫への拡大。
- 第3段階:製造や高度な分析への拡大。
テストケースと教育資料も、段階導入で得た資産として引き継ぎます。
国ごとに別々の設計を作ると、同じ作業を繰り返すことになり、導入単価が下がりません。
データ品質の事前整備と移行リハーサル
移行直前にデータを整えると、欠損や重複のたびに設計とテストが止まります。品目や在庫、固定資産に加えて、為替と組織階層の責任者も、あらかじめ決めておきます。
- 責任者:勘定科目や取引先の担当者。
- 変換ルール:サンプルデータによる確定。
- 照合:件数や金額、残高、税額の照合。
移行リハーサルは複数回行い、会社間取引も旧システムと照合します。これは、本番切替時の手戻りと追加作業を減らすことにつながります。
AI機能の評価と権限・監査・データ品質
クラウドERPのAIや自動化は、請求書処理や照合、予測を効率化する可能性があります。問い合わせ対応にも役立つことがあります。
- 対象データ:利用範囲と品質。
- 人の確認:承認者と確認手順の決定。
- 統制:監査ログと変更管理。
誤ったマスターや不十分な権限設定があると、誤仕訳や情報漏えいの影響が広がります。
評価では、AIの利用料だけでなく、承認や監査ログも含めて見ます。
モデルやルールの変更管理も含めて、費用対効果を判断してください。
グローバルERP開発のよくある質問(FAQ)
グローバルERPの費用は、製品名よりも対象国や業務範囲で決まります。導入前によく寄せられる質問に、予算と進め方の観点から答えます。
グローバルERPは最低いくらから導入できますか?
1〜3カ国、財務中心、20〜50ユーザー程度であれば、初期費用は2,000万〜6,000万円が目安になります。
- 年間費用:ライセンス等で1,000万〜3,000万円を企画段階の目安にする。
- 変動要因:法定要件や連携、移行難易度。
- 開始方法:連結会計やBIからの開始。
変動の幅は、対象国の法定要件、既存システムとの連携、データ移行の難易度で決まります。導入総額は、公開価格からは断定できません。
海外拠点が少ない企業は、連結会計やBIから始める方法も含めて検討します。
グローバルERPはパッケージとスクラッチのどちらを選ぶべきですか?
各国で共通化したい会計、購買、販売は、標準機能を優先するクラウドERPが比較しやすいです。独自業務が競争力や法令に直結する場合は、APIや拡張サービスで補完します。
- 標準機能:共通領域の比較に向く方式。
- 拡張サービス:独自業務をAPIなどで補う方式。
- スクラッチ:ライセンス以外の費用も残る方式。
スクラッチでも、要件定義や開発、テストは必要です。法改正への対応や保守も、必要になります。
セキュリティの費用もかかるため、ライセンスがなくなっても、費用がすべて消えるわけではありません。
初期費用と月額費用はどのように比較すればよいですか?
初期導入やライセンス、クラウド、保守を5年間で合算し、TCOとして比べます。初期費用と月額費用を別々に並べると比べにくくなるためです。
- 導入費:連携、教育、現地サポートの費用。
- 継続費:保守、アップデート、追加ローカライズ。
- 効果:決算日数や手作業削減の効果。
ライセンスの公開価格がある場合も、利用者区分と追加モジュールを確認してください。
海外拠点が少なくてもグローバルERPを導入する意味はありますか?
海外拠点が1〜2カ国でも、連結決算に時間がかかる場合は検討する価値があります。会計定義が拠点ごとに異なる場合や、為替や在庫を把握できない場合も、検討の対象になります。
- 検討理由:会計定義や為替を統一したい場合。
- 在庫の把握:タイムリーに在庫を見たい場合。
- 代替案:連結会計、BI、SaaS連携からの開始。
取引量やユーザー数が少なく、課題が顕在化していない場合は慎重に判断します。その場合は、連結会計やデータ基盤、BI、既存業務SaaSの連携から始める方が合う場合があります。
導入目的と改善指標を先に決めて判断してください。
まとめ
グローバルERPの費用は、1〜3カ国・財務中心なら初期2,000万〜6,000万円です。3〜10カ国・複数業務では8,000万〜3億円、10カ国以上では3億〜10億円超が目安です。
これは製品の定価ではなく、設定や移行、連携を含めた概算です。ローカライズやテスト、教育、展開も含めて見積もった金額です。
初期費用ではなく5年TCOでの判断
費用を抑えるには、対象国と業務の優先順位を決め、標準機能を中心に共通テンプレートを作ります。データ品質と現地定着へ、先に投資します。
- 標準化:共通テンプレートと現地定着への投資。
- TCO:モジュールや連携、保守、更新。
- AI評価:権限や監査、人の承認。
公開価格がある製品も、総額で比べることが大切です。初期費用と年間費用、5年TCOを同じ表に並べると、違いが分かりやすくなります。さらに、AIや自動化の機能も、利用料だけでなく、権限、監査証跡、人の承認まで含めて評価します。
見積もりの前提条件と追加費用の確認
RFPには、国と法人、ユーザー、モジュールを明記します。データや連携に加えて、法定要件やセキュリティ、稼働時期も記載します。
- 前提条件:提案の土台となる条件の統一。
- 提案比較:製品会社と導入支援会社への同条件の依頼。
- 契約確認:成果物、所有権、追加変更の単価。
提案を受けたあとは、契約方式や設計書の引き渡しも確認します。
現地サポートや法改正、アップデート、追加変更の単価も確認してください。自社の規模と課題に合う範囲から始め、段階的に広げることが現実的です。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
