ゴルフ場管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ゴルフ場管理システムの発注・外注は、予約管理だけを導入するのか、フロント会計、会員管理、カート、レストランまでを一体化するのかで、費用も選ぶ委託先も大きく変わります。最初に業務範囲と導入目的を決め、標準機能で合わせる部分と自社固有の開発部分を切り分けることが、予算超過や現場で使われないシステムを防ぐポイントです。

本記事では、ゴルフ場管理システムを発注・外注する際の進め方を、発注形態の選択、RFPと要件整理、契約形態、費用相場、委託先選定、見積比較、移行まで順に解説します。公開価格が確認できる例と、個別見積もりになりやすい部分を分け、5年総額で比較する考え方も紹介します。

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ゴルフ場管理システムの発注・外注で最初に決めることは何ですか?

ゴルフ場管理システムの発注範囲を整理するイメージ

結論から言うと、発注前に決めるべきなのは製品名ではなく、「どの業務を、どのデータで、いつまでに、どの水準へ改善するか」です。ゴルフ場管理システムは予約台帳の置き換えにとどまらず、受付、スタート、精算、会員・顧客管理、売上分析、カート、レストランまで関係するため、範囲を曖昧にしたまま見積もりを取ると会社ごとの前提が揃いません。

導入目的と対象業務を一枚にまとめます

まず、現状の業務を「予約の入口」「フロント受付」「組み合わせ・スタート管理」「プレー後の精算」「会員・顧客対応」「レストラン・売店」「経理・経営分析」に分けて書き出します。楽天GORAやGDO、自社サイト、電話、旅行会社、会員経由の予約が別々に入っている場合は、予約枠、料金、人数、キャンセル、来場実績をどこで正とするかも決めます。二重入力や紙台帳が残る工程は、システム化の対象候補です。

目的は「省人化」だけで終わらせず、待ち時間、予約の取りこぼし、入力ミス、客単価、再来場率、ポータル依存度、売上の集計時間など、導入前後で測れる指標にします。たとえば「フロントの二重入力をなくす」「予約経路別の売上を翌営業日に確認できる」「繁忙日のセルフチェックインを可能にする」のように表現すると、必要機能と不要な追加開発を判断しやすくなります。

コース数・運営形態・既存機器を発注条件にします

18ホールか27ホール・36ホールか、単独コースかグループ運営か、会員制かパブリック制か、キャディ付きかセルフ中心かで、必要な料金ルールや権限、予約枠の管理方法が変わります。予約センターや本社から複数コースを操作する場合は、拠点別の権限と共通顧客マスタも要件に含めます。冬季休業や繁忙期の切替など、ゴルフ場固有の営業カレンダーも先に伝えます。

既存のサーバー、予約ポータル、自動精算機、カートナビ、レストランオーダー、決済端末、会計・給与システムを残すか交換するかも重要です。連携可否は「対応しています」という説明だけでなく、API、CSV、端末間通信のどれか、リアルタイムか、障害時に再送できるか、連携費が初期費用に含まれるかまで確認します。これが発注範囲と予算の境界になります。

ゴルフ場管理システムの発注形態はどれを選ぶべきですか?

クラウドやパッケージなど発注形態を比較するイメージ

発注形態は、標準クラウド・業界パッケージ、既存製品への追加開発、スクラッチ開発の順に自由度と負担が大きくなります。標準業務が多いゴルフ場では、予約・会員・フロント会計を成熟した製品で押さえ、差別化したい料金ルールや分析だけを追加するハイブリッド方式が現実的です。独自開発を前提にせず、業務を製品に合わせる範囲も含めて比較します。

標準クラウド・業界パッケージは早期導入に向きます

クラウドやゴルフ場向けパッケージは、予約、顧客、会員、フロント会計、コンペ、キャディ、売掛、分析など、共通する業務を短期間で整えやすい選択肢です。サーバーの購入・更新や法改正対応を自社で抱えにくく、複数拠点を同じ環境で運用しやすい点もメリットです。一方で、独自料金や古い周辺機器がある場合は、標準機能に合わせるのか、追加連携を行うのかを決める必要があります。

公開情報の一例として、三和コンピュータのRound Masterは、標準導入メニューで初期費用0円、月額20万円を案内し、自社Web予約、アップデート、スマホアプリ、サポートを月額に含めています。ただし追加導入メニューは別見積もりであり、すべてのゴルフ場が同じ金額になるわけではありません(出典: 三和コンピュータ公式「Round Master」、2026年8月確認)。

追加開発・スクラッチは独自業務の優先順位が重要です

既存パッケージにない会員制度、複雑な料金・売掛、複数施設をまたぐ顧客統合、独自の収益分析などが経営上の強みになる場合は、追加開発やスクラッチ開発を検討します。自由度は高いですが、要件定義、画面・API設計、データ移行、機器連携、テスト、保守設計まで発注者側の判断が増えます。自社で業務を説明できる担当者が不足している場合は、開発会社に要件整理から委託する発注形態も選択肢です。

すべてをゼロから作るのではなく、業務のコアは標準クラウド、差別化領域はAPIや追加画面で補う方式にすると、導入時期と将来の保守範囲を抑えやすくなります。スクラッチを選ぶ場合は、開発会社が変わっても運用できるよう、ソースコード、設計書、API仕様、データ定義、テスト結果、バックアップ手順の納品範囲を契約書に明記します。

一括導入と段階導入を使い分けます

予約・フロント・会計・カート・レストランを一度に切り替えると、データ連携の確認箇所と現場教育が増えます。最初に予約・顧客・フロント会計を整え、次に自動精算機、カートナビ、レストラン、アプリ、分析を追加する段階導入なら、業務停止のリスクを分散できます。ただし段階導入では、最初の製品が将来の連携を妨げないか、顧客IDや予約番号を共通化できるかを先に確認します。

2025年には楽天グループが三和コンピュータと連携し、楽天GORAの提携ゴルフ場向けに、予約管理、フロント、会員・顧客管理、分析を含むクラウド型基幹システムを提供開始しました。予約ポータルと基幹業務を別々に扱わず、データ連携を前提に選ぶ流れが強まっている事例です(出典: 楽天グループ株式会社プレスリリース、2025年1月29日)。

発注前のRFP・要件整理はどのように進めますか?

RFPと要件を整理するイメージ

RFPは、開発会社へ同じ条件で提案と見積もりを依頼するための文書です。長い機能一覧を作るだけでなく、現状課題、対象範囲、前提条件、必須要件、提案を求める事項、評価基準、予算と希望時期を一つにまとめます。資料が整っていない場合は、RFP作成支援や業務ヒアリングを先に委託し、その成果物を各社への見積依頼に使います。

業務フローとデータ項目を先に書き出します

予約受付から来場、チェックイン、組み合わせ、スタート、飲食・物販、精算、退場、再来場促進までを業務フローにします。各工程で「誰が」「何を入力し」「どのデータを参照し」「次に何が起きるか」を記載すると、画面要件と権限要件が見えてきます。顧客ID、会員番号、予約番号、コース、時間枠、料金、決済ステータス、キャンセル理由、売上科目など、連携のキーになる項目は特に丁寧に整理します。

要件は「必須」「できれば欲しい」「将来検討」に分類します。必須要件には、予約枠の整合性、会員料金、売掛、インボイス、権限、バックアップ、障害時の代替運用など、導入後に止められない業務を置きます。AIレポートや高度な需要予測は、予約・売上・顧客データが整ってから活用する将来要件として分けると、初期発注の膨張を防げます。

連携・セキュリティ・運用要件をRFPに入れます

RFPには、既存機器と外部サービスの一覧、接続方式、データ連携の頻度、失敗時の再送、通信断のときの業務継続方法を記載します。クラウドの場合は、データセンターの所在、バックアップの世代と復旧目標、稼働監視、サポート受付時間、障害連絡の方法を確認します。オンプレミスを残す場合は、サーバー更新、保守終了、災害時の復旧、現地ネットワークの責任分界を明示します。

顧客・会員情報を扱うため、権限分離、多要素認証、操作ログ、暗号化、委託先の管理、漏えい時の報告、解約時のデータ返却も要件にします。個人情報保護委員会のガイドラインは、組織的・人的・物理的・技術的な安全管理措置を示しています。カード決済を扱う場合は、カード情報を自社システムに保持しない方式や、不正利用対策を含め、経済産業省が2025年3月に案内した「クレジットカード・セキュリティガイドライン」改訂内容も確認します(出典: 個人情報保護委員会、2026年8月確認/経済産業省、2025年3月5日)。

提案評価の配点と前提条件を揃えます

提案を評価するときは、価格だけでなく、業務適合性、既存機器との連携、導入実績、データ移行、サポート、セキュリティ、拡張性、5年TCOを配点化します。たとえば、機能適合性と現場操作性を重くし、価格は一定の基準を満たした提案同士で比較します。安い提案でも、連携や移行が別費用であれば、最終的な導入負担は高くなるためです。

各社には、必須要件への適合を「標準」「設定変更」「追加開発」「対応不可」で回答してもらいます。できない機能を曖昧にしたまま契約すると、後から追加費用と納期延長が発生します。デモでは支援担当者の説明を聞くだけでなく、実際の予約変更、キャンセル、会員料金、返金、通信断からの復旧など、現場の例を操作して確認します。

契約形態と発注プロセスはどのように設計しますか?

契約と開発プロセスを確認するイメージ

契約は、成果物と完成条件が明確な部分を請負、要件が変わりやすい調査・企画・伴走を準委任に分けると整理しやすくなります。ゴルフ場管理システムでは、要件定義を準委任で進めて業務範囲を固め、その後の開発や設定を請負にする組み合わせがよく検討されます。契約名だけで判断せず、責任範囲、検収、変更手続き、瑕疵対応、再委託、知的財産、データ返却まで確認します。

請負契約は成果物と検収条件を明確にします

請負で発注する場合は、要件定義書、画面一覧、機能一覧、外部連携仕様、データ移行仕様、テスト計画、操作マニュアルなど、納品物を列挙します。検収条件には、どのデータを何件移行できれば合格か、予約の重複や料金計算がどうなれば合格か、障害時の処理をどのケースで確認するかを具体化します。「動けば納品」ではなく、現場担当者が受入テストを実施できる粒度にします。

追加要望が出たときの扱いも重要です。変更前後の仕様、追加工数、費用、納期、既存機能への影響を文書で承認する変更管理を設けます。口頭の依頼を積み重ねると、見積もりの前提が崩れ、納期と責任の所在が分からなくなります。定額範囲と別途見積もりの境界を、契約書または発注書の別紙に残します。

準委任契約は役割と時間の使い方を合意します

準委任は、要件整理、現場ヒアリング、プロジェクト管理、アジャイル開発のように、作業を通じて成果へ近づける業務に向きます。完成物の保証を請負と同じように期待すると認識違いになるため、担当者の役割、稼働時間、会議体、報告方法、意思決定の期限、成果物の扱いを決めます。発注者側にも、業務判断を行う責任者と現場代表を置きます。

企画と開発を一社に任せる場合でも、要件の承認者、予算の決裁者、現場テストの責任者を分けておくと、課題が表面化しやすくなります。委託先に丸投げするのではなく、週次の進捗、課題、リスク、意思決定事項を確認し、判断できない項目を次工程へ持ち越さない運営が必要です。

発注から本稼働までを段階で管理します

標準的な流れは、現状調査、RFP作成、候補選定、提案・デモ、見積比較、契約、要件定義、設定・開発、データ移行、受入テスト、操作研修、並行稼働、本番切替、運用改善です。標準クラウドは最短1か月程度を案内する製品もありますが、これは標準機能を前提にした期間です。既存データの整理、連携試験、研修、繁忙期回避を含めた実際の切替日とは分けて考えます。

各工程の出口条件を決めると、進捗を管理しやすくなります。現状調査の出口は業務フローと課題一覧、要件定義の出口は優先順位と画面・データ仕様、受入テストの出口は合否と残課題、本番切替の出口はバックアップとロールバック手順です。切替当日に問題が出た場合、紙や旧システムへ戻す条件と判断者も事前に決めます。

ゴルフ場管理システムの費用相場とコストの内訳

ゴルフ場管理システムの費用とTCOを確認するイメージ

ゴルフ場管理システムの費用は、対象業務、コース数、ユーザー数、既存機器、データ移行、カスタマイズ、サポート条件で変わります。公開価格が少ないため、以下は公開実績と類似する業務システムの相場から整理した目安です。正式な予算は、同じRFPを複数社へ渡し、標準機能と追加費用を分けた見積もりで確認します。

導入形態別の費用レンジを把握します

予約・顧客管理に絞ったSaaSや予約システムは、初期費用0〜50万円、月額1〜20万円程度が一つの目安です。ゴルフ場基幹クラウドの標準導入は、初期費用0〜300万円、月額20〜50万円程度を目安にします。前者は公開価格がないサービスも多く、下限を市場平均とみなしてはいけません。後者の上限側は、コース数、標準外設定、サポート、利用者数などによる推定です。

標準パッケージに予約ポータル、会計、決済、自動精算機、カート、レストランなどを連携する場合は、初期費用300〜1,000万円程度を目安にします。データ変換、API開発、現地設定、機器試験、研修が増えるためです。複数コース、独自料金、会員制度、分析までをスクラッチで構築する場合は、1,000〜3,000万円以上となる可能性がありますが、これは業務範囲から算出する推定レンジであり、特定金額を保証するものではありません。

グレインの2026年の導入事例では、36ホールの早来カントリー倶楽部が、サーバー移送リスク、老朽化による更新負担、予約センターとの運用を背景にクラウドへ移行し、初期費用を約80%削減したと紹介されています。これは個別事例であり、他施設の費用を示す平均値ではありませんが、初期費用だけでなくサーバー更新や運用負担を含めて比較する重要性を示しています(出典: 株式会社グレイン「早来カントリー倶楽部」、2026年6月公開)。

初期費用と月額以外のコストを洗い出します

見積書では、要件定義、初期設定、画面・機能開発、API連携、データ移行、端末・自動精算機、ネットワーク工事、テスト、研修、稼働立会いを分けて確認します。月額には、利用料、保守、アップデート、バックアップ、サポートのどこまでが含まれるかを見ます。決済手数料、予約ポータルの送客・掲載手数料、SMSやLINEの配信費、端末の通信費は別に発生することがあります。

オンプレミスでは、サーバー、OS、保守、バックアップ、交換部品、現地対応、将来のバージョンアップを見込みます。クラウドではサーバー費が月額へ含まれていても、追加ユーザー、追加コース、データ容量、個別連携、解約時のデータ出力に費用がかかる場合があります。価格表にない項目を「別途」とまとめず、単価または算定方法を確認します。

5年TCOで投資判断をします

比較には、5年TCOを使うと判断しやすくなります。計算式は「初期導入費+月額費用×60か月+端末・工事+追加連携+データ移行+保守・更新+決済・予約手数料」です。導入後に発生するサーバー交換、法改正対応、現地訪問、教育、旧システムの並行利用も含め、同じ条件で各社へ提示してもらいます。

Round Masterの公開例では、標準導入の初期費用0円、月額20万円という料金が示されています。単純計算では5年間のサービス利用料は1,200万円ですが、税、端末、追加導入、個別連携などを含まないベンチマークです。見積比較では、このように「公開価格で含まれる範囲」と「自社に追加される範囲」を分離すると、安く見える提案の見落としを減らせます。

委託先選定と見積比較で確認すべきポイント

ゴルフ場管理システムの委託先を比較するイメージ

委託先は、会社名や営業資料の印象だけでなく、ゴルフ場の業務を理解し、実際のデータと機器をつないで稼働させられるかで選びます。フル基幹を提供する会社、クラウド移行に強い会社、予約・集客に特化した会社、カートや自動精算機など周辺機器との連携に強い会社では、得意領域が異なります。

ゴルフ場固有の実績と現場理解を確認します

実績は導入社数だけでなく、自社に近い条件で確認します。18ホール・36ホール、会員制・パブリック制、キャディ付き・セルフ、予約センターの有無、レストランや宿泊との連携、冬季休業、既存オンプレからの移行など、類似する導入事例を聞きます。可能であれば、導入先の担当者へ、切替時の負担、サポートの応答、追加費用、現場定着まで確認します。

ベンダーが公開する効果数字は、自社にも同じ効果が出ると断定せず、測定条件を確認します。東京システムハウスの導入事例では、ゴルフ場レストランの業務効率化と、昼食客単価の前年比130円アップが紹介されていますが、これは当該事例の公表値です。自社では、待ち時間、注文処理時間、客単価、入力件数などを導入前に測り、比較できる状態にします(出典: 東京システムハウス「ダイナックパートナーズ」導入事例、2023年7月公開)。

見積書は同じ単位と前提で比較します

見積比較では、各社の金額を初期費用、月額、追加開発、連携、移行、機器、工事、保守、研修、サポート、決済・予約手数料に分解します。標準機能を安く見せて、データ移行や現地立会いを別紙へ移している提案もあるため、作業単位と数量を確認します。月額が安くても最低利用期間、値上げ条件、解約費、データ出力費があれば、5年TCOに入れます。

比較表には、見積金額だけでなく「標準機能」「設定」「追加開発」「別製品」「対応不可」を記載します。特に、料金計算、会員料金、団体・コンペ、予約サイト連携、売掛、返金、会計連携、カート・自動精算機、障害時の再処理は、デモと書面の両方で確認します。提案書の前提に「発注者が用意するデータ」「発注者が行う設定」「現地で必要なネットワーク工事」が含まれているかも見ます。

サポート体制とデータの出口を確認します

繁忙日の受付停止や決済障害は、売上と顧客体験に直結します。電話受付の時間、土日祝の対応、重大障害の連絡方法、一次切り分け、復旧目標、代替運用、バックアップからの復元テスト、現地訪問の条件を確認します。三和コンピュータは24時間365日の電話受付やVPN・国内データセンターを案内していますが、他社と比較するときは、自社の営業時間と障害シナリオに当てはめます。

クラウドを解約したときに、顧客、会員、予約、売上、ポイント、同意履歴をどの形式で返却できるかも重要です。CSV出力だけで十分か、画像・添付・ログも対象か、出力費用と期間はどうか、契約終了後に何日保管されるかを確認します。データを返却できない契約は、将来の乗り換えや事業承継の選択肢を狭めます。

導入・データ移行・現場定着で失敗しない進め方

ゴルフ場管理システムを現場へ定着させるイメージ

発注先が決まった後も、導入の成否はデータ整備と現場受入で決まります。古い顧客マスタの重複、住所や電話番号の表記揺れ、退会会員、過去予約、料金マスタ、商品・売上科目を整理し、移行対象と保管対象を分けます。移行前に件数、合計金額、会員数、予約数を確認し、移行後に同じ集計結果になるか照合します。

移行リハーサルと受入テストを複数回行います

データ移行は本番一回で済ませず、サンプル移行、全件移行のリハーサル、本番前の最終移行に分けます。受入テストでは、通常の予約だけでなく、キャンセル、変更、複数組、会員料金、割引、売掛、返金、レストラン合算、決済失敗、通信断、重複送信を確認します。予約サイトやカートなど外部システムとの連携は、正常系だけでなく再送や一時停止後の復旧まで試験します。

テスト結果は画面の見た目ではなく、現場の業務シナリオで記録します。受付担当、予約担当、経理、レストラン、支配人など、役割ごとに操作してもらい、操作時間、迷った箇所、権限エラー、帳票の不足を洗い出します。受入テストの合格条件と未解決課題の扱いを契約上の検収にもつなげます。

研修と切替後の改善を発注範囲に含めます

操作研修は、一度の説明会だけでなく、役割別の短い教材、実機を使った演習、繁忙日を想定したリハーサル、問い合わせ先の周知まで行います。パソコンに不慣れなスタッフがいる場合は、画面の操作手順だけでなく、エラー時に何を確認し、誰へ連絡するかを明記します。現場のキーパーソンを各部門に置くと、切替後の問い合わせを集約しやすくなります。

本番切替は繁忙期を避け、旧運用との並行期間を設けます。並行稼働では二重入力が長引かないよう終了日を決め、旧システムを参照専用にする条件を定めます。切替後は、待ち時間、予約取り込みエラー、決済失敗、問い合わせ件数、入力時間、再来場や客単価などを定期的に確認し、追加開発の優先順位を見直します。

AIや経営ダッシュボードは、データ品質が整った後に段階的に導入します。グレインは2026年9月の正式提供予定として、毎朝のAIレポートや対話型分析を案内しています。便利さだけを先に評価せず、予約・売上・顧客データの定義を揃え、誰がどの判断に使うのかを決めてから追加することが、誤った分析や過度な期待を防ぎます(出典: 株式会社グレイン公式サイト、2026年8月確認)。

よくある質問(FAQ)

ゴルフ場管理システムの発注に関する質問へ回答するイメージ

ゴルフ場管理システムの発注では、費用だけでなく、既存運用との適合性、移行、サポート、データの扱いがよく問題になります。ここでは、発注前に特に多い疑問へ直接回答します。

ゴルフ場管理システムはパッケージとスクラッチのどちらがよいですか?

標準業務が多く、短期間で安定稼働させたい場合は、ゴルフ場向けクラウドや業界パッケージが向いています。独自の会員制度、料金、複数施設の統合、分析が競争力になる場合は、標準製品に追加開発を組み合わせる方法を優先し、それでも適合しない部分だけをスクラッチで作ると、自由度と保守性のバランスを取りやすくなります。

予算はどの段階で決めればよいですか?

詳細な機能を決める前に、初期費用、月額、連携・機器、移行・研修、5年TCOの上限を社内で決めます。公開価格を参考にしつつ、標準クラウド、パッケージ連携、スクラッチの複数シナリオを作り、何を削れば予算内になるかを整理します。予算だけを先に一社へ伝えるのではなく、同じRFPで複数社から前提別の見積もりを取ることが重要です。

既存の自動精算機やカートナビはそのまま使えますか?

使えるかどうかは、機器のメーカー、型番、通信方式、対応する基幹システム、保守契約によって決まります。委託先へ機器一覧と連携仕様を渡し、標準連携、追加開発、交換のどれに該当するかを書面で回答してもらいます。交換費だけでなく、設置工事、通信、保守、予備機、障害時の手作業まで含めて比較します。

クラウドのゴルフ場管理システムは安全ですか?

クラウドだから安全、オンプレミスだから安全とは一概に言えません。アクセス権限、認証、暗号化、ログ、バックアップ、脆弱性対応、データセンター、委託先管理、障害時の復旧、解約時のデータ返却を、責任分界とともに確認します。決済情報を扱う場合は、カード情報を保持しない方式や不正利用対策を含め、契約前に要件化します。

まとめ

ゴルフ場管理システムの発注計画をまとめるイメージ

ゴルフ場管理システムの発注・外注では、最初に予約、フロント、会計、会員、カート、レストラン、分析のどこまでを対象にするかを決めます。次に、現状業務とデータをRFPへ整理し、標準クラウド・業界パッケージ・追加開発・スクラッチを、自社の業務適合性と導入時期で比較します。

見積もりは初期費用や月額だけでなく、連携、端末、移行、研修、保守、決済手数料、サーバー更新、解約時のデータ出力まで含めた5年TCOで比べます。公開価格は参考ベンチマークとして使い、個別事例の削減率や効果を自社へそのまま当てはめないことが大切です。

契約では、請負と準委任の役割、納品物、検収、変更管理、障害対応、データ返却を明確にします。導入後は移行リハーサル、現場受入、並行稼働、繁忙期を避けた切替を行い、待ち時間、入力ミス、予約取りこぼし、客単価、再来場、復旧時間などの指標で改善を続けると、発注したシステムを経営成果へつなげやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。