ゴルフ場管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ゴルフ場管理システムの発注は、業務範囲と目的を決め、標準機能と独自開発を分けたうえで、委託先の見積もりを同じ前提で比べる順に進めます。この順で決めると、予算超過を防げます。

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ゴルフ場管理システムの発注・外注で最初に決めること

発注前に決めることは、どの業務を、どのデータで、いつまでに、どの水準へ改善するかです。製品名を選ぶのは、その後の話です。

対象は、予約台帳だけでなく、受付からスタート、精算まで広がります。会員・顧客管理や売上分析に加え、カートやレストランにも関係します。業務の広がりが大きいため、範囲が曖昧なまま見積もると、各社の前提が揃わず比べにくくなります。

導入目的と対象業務の一枚まとめ

発注側は、現状の業務を予約の入口、フロント受付、組み合わせ・スタート管理、プレー後の精算に分けて整理します。

  • 顧客対応:会員・顧客への対応と、レストラン・売店の業務
  • 経営管理:経理と経営分析、導入前後で測る指標
  • 予約経路:楽天GORA、GDO、自社サイト、電話、旅行会社、会員経由をもれなく洗い出す

予約枠や料金のほか、人数、キャンセル、来場実績も、どこを正とするかを決めておきます。二重入力や紙台帳が残る工程は、システム化の候補になります。

導入効果は、待ち時間や予約の取りこぼしを中心に測ります。入力ミスや客単価、再来場率も指標に使えます。さらに、ポータル依存度や売上集計時間も、導入前後で測ります。

目標は「省人化」の一言で終わらせず、必要な機能と不要な追加開発を判断できる表現で書きます。たとえば、予約経路別の売上を翌営業日に確認できることや、繁忙日にセルフチェックインを可能にすることが挙げられます。

コース数・運営形態・既存機器の発注条件

施設の運営条件と既存環境を伝えておくと、必要な機能や連携の範囲を、見積もりに反映してもらえます。

  • コースと運営:18・27・36ホールの別、単独運営かグループ運営か
  • 営業形態:会員制・パブリック制、キャディ付き・セルフ中心の別
  • 拠点と日程:複数コースを本社などから操作する場合は、拠点別の権限と共通の顧客マスタも要件に入れ、冬季休業や繁忙期の切替も伝えます。
  • 機器と連携:既存サーバー、予約ポータル、自動精算機、カートナビ、レストランオーダー、決済端末、会計・給与システムの継続か交換か
  • 接続条件:API・CSV・端末間通信の方式、リアルタイム性、再送の可否、連携費が初期費用に含まれるか

ポイント

発注前に、対象業務、目的、既存機器との連携範囲を決めておくと、各社の見積もりを同じ前提で比べられます。範囲が決まらないまま見積もりを取ると、金額の差が前提の違いによるものか判断しにくくなります。

ゴルフ場管理システムの発注形態の選び方

発注形態は、標準クラウド・業界パッケージ、既存製品への追加開発、スクラッチ開発の順に、自由度も負担も増えていきます。標準的な業務が多い施設では、予約・会員・フロント会計を成熟した製品で押さえ、独自の料金ルールや分析だけを追加する方法が現実的です。

発注側は、独自開発を前提とせず、業務を製品に合わせる範囲も含めて比べます。

標準クラウド・業界パッケージの早期導入

標準製品を選ぶときは、業務範囲と運用の負担、個別対応の要否を比べます。

  • 共通業務:予約、顧客、会員、フロント会計、コンペ、キャディ、売掛、分析を扱える範囲
  • 運用負担:サーバーの購入・更新や法改正対応を自社で抱えにくく、複数拠点を同じ環境で運用できる点が利点です。
  • 個別対応:独自の料金や古い周辺機器を、標準機能に合わせるか追加で連携するかの判断
  • 公開価格例:Round Masterは初期費用0円、月額20万円です。

公開価格は標準メニューの例です(出典:三和コンピュータ公式「Round Master」、2026年8月確認)。月額には、自社Web予約やアップデート、スマホアプリ、サポートが含まれます。一方で、追加導入は別見積もりになり、全施設が同額になるとは限りません。

追加開発・スクラッチと独自業務の優先順位

独自業務の重要度と、社内で要件を整理できる力を見て、追加開発の範囲を決めます。

  • 検討する業務:独自の会員制度、複雑な料金・売掛、複数施設の顧客統合、独自分析が強みなら、追加開発やスクラッチの候補になります。
  • 発注者の役割:自由度が高い分、要件定義、画面・API設計、移行、機器連携、テスト、保守設計の判断が、発注者側に増えます。
  • 要件整理:説明できる担当者が足りない場合は、要件整理の段階から開発会社に委託する方法があります。
  • ハイブリッド:業務の中核を標準クラウドに置き、差別化の領域をAPIや追加画面で補う組み合わせで、導入時期と保守範囲を抑えられます。
  • 納品物:スクラッチでは、ソースコード、設計書、API仕様、データ定義、テスト結果、バックアップ手順を契約書に明記します。

一括導入と段階導入の使い分け

一括にするか段階にするかは、切替時の負担と将来の連携条件を踏まえて選びます。

  • 一括導入:予約・フロント・会計・カート・レストランを同時に切り替えると、連携の確認と現場教育が増えます。
  • 段階導入:予約・顧客・フロント会計から始め、自動精算機、カートナビ、レストラン、アプリ、分析を順に加えると、停止のリスクを分散できます。
  • 先行確認:将来の連携を妨げないことと、顧客IDや予約番号を共通化できることを確かめます。
  • 導入事例:楽天GORA提携施設向けの提供例

2025年1月29日、楽天グループは三和コンピュータと連携し、クラウド型基幹システムの提供を始めました。その事例には、予約管理やフロント、会員・顧客管理、分析が含まれます(出典:楽天グループ株式会社プレスリリース、2025年1月29日)。

ポイント

標準で足りる業務は標準製品に任せ、独自の業務だけを追加開発やスクラッチで補うと考えます。導入の進め方は、切替時の負担と将来の連携条件を見て、一括か段階かを選びます。

発注前のRFP・要件整理の進め方

RFPに整理する業務フローや必須要件、連携条件、提案評価の項目を示す図。
要件と評価条件を同じ文書に揃える構成です。

RFPは、開発会社に同じ条件で提案と見積もりを依頼するための文書です。機能一覧に加えて、現状の課題、対象範囲、前提条件をまとめます。

RFPには、必須要件や評価基準、予算、希望時期に加えて、提案依頼事項も記載します。資料が十分でない場合は、RFP作成支援や業務ヒアリングを先に委託します。そのうえで、完成したRFPを各社への見積依頼に使います。

業務フローとデータ項目の書き出し

業務とデータ、要件の優先度を一緒に整理しておくと、画面や権限、発注範囲を決めやすくなります。

  • 業務フロー:予約受付から、来場、チェックイン、組み合わせ、スタート、飲食・物販、精算、退場、再来場促進までの流れ
  • 工程情報:各工程の担当者、入力内容、参照データ、次の動き
  • 連携キー:顧客ID、会員番号、予約番号、コース、時間枠、料金、決済ステータス、キャンセル理由、売上科目を一覧にします。
  • 必須要件:予約枠の整合性、会員料金、売掛、インボイス、権限、バックアップ、障害時の代替運用を含めます。
  • 将来要件:「できれば欲しい」と「将来検討」に分けたうえで、AIレポートや需要予測は、予約・売上・顧客データが整ってから扱います。

RFPに入れる連携・セキュリティ・運用要件

接続、障害対応、情報管理の条件はRFPに書き、各社の提案を同じ基準で確認します。

  • 外部連携:機器・サービス、接続方式、頻度、失敗時の再送、通信断時の継続方法
  • クラウド運用:データセンター、バックアップ世代・復旧目標、監視、サポート時間、障害連絡の各条件
  • オンプレミス運用:サーバー更新、保守終了、災害復旧、現地ネットワークの責任分界
  • 個人情報:権限、多要素認証、ログ、暗号化、委託先、漏えい報告、解約時の返却を取り決めます。
  • カード決済:カード情報を持たない方式と、不正利用への対策

個人情報の扱いについては、個人情報保護委員会のガイドラインが、組織的・人的・物理的・技術的な安全管理措置を示しています(出典:個人情報保護委員会、2026年8月確認)。

発注側は、RFPの要件確認に、経済産業省が2025年3月に案内した「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の改訂内容も含めます(出典:経済産業省、2025年3月5日)。

提案評価の配点と前提条件の統一

評価基準と、各社に求める回答の形式を先にそろえ、提案の前提の違いを見つけられるようにします。

  • 評価項目:価格、業務適合性、機器連携、実績、移行、サポート、安全性、拡張性、5年TCOに配点をつけます。
  • 配点と費用:機能適合性と現場操作性を重く見て、連携費と移行費も含めた条件で価格を比べます。
  • 適合回答:「標準」「設定変更」「追加開発」「対応不可」のいずれかで回答を求め、曖昧なまま契約して追加費用や納期延長になるのを防ぎます。
  • デモ確認:予約変更、キャンセル、会員料金、返金、通信断からの復旧を、現場の例で操作して確かめます。

ポイント

RFPには、業務フロー、外部連携、セキュリティ、運用の要件を書き、提案の評価基準も同じ文書にそろえます。資料が足りない段階では、要件整理を先に開発会社へ委託する方法もあります。

契約形態と発注プロセスの設計

現状調査から候補選定、契約、移行テストを経て本番切替と運用改善へ進む工程図。
各工程の出口条件を決めて引き継ぎます。

成果物と完成条件が明確な部分は請負に、調査・企画・伴走のように変わりやすい部分は準委任に分けると、整理しやすくなります。さらに、要件定義を準委任で進めて範囲を固め、その後の開発や設定を請負にする組み合わせも検討されます。

契約名だけでなく、責任範囲、検収、変更手続きを確認します。加えて、瑕疵対応、再委託、知的財産、データ返却の扱いも押さえます。

請負契約の成果物と検収条件

納品物と合格条件、追加や変更の扱いを、契約の中で具体的に決めます。

  • 納品物:要件定義書、画面・機能一覧、外部連携・移行仕様、テスト計画、操作マニュアル
  • 検収条件:移行件数、予約重複、料金計算、障害処理の合格基準を、現場が試験できる粒度で決めます。
  • 変更管理:仕様の差分、工数、費用、納期、既存機能への影響を、文書で承認します。
  • 契約範囲:口頭の依頼による前提・納期・責任の混乱を防ぐため、定額の範囲と別途見積もりの境界を契約書などに残します。

準委任契約の役割と時間の使い方

準委任は、作業を通じて成果に近づける業務に向いています。完成物の保証を請負と同じように期待すると認識がずれやすいため、役割と意思決定の進め方を先に合意しておきます。

  • 向く業務:要件整理、現場ヒアリング、プロジェクト管理、アジャイル開発など
  • 委託先との合意:担当者の役割、稼働時間、会議体、報告、決定期限、成果物
  • 発注者の体制:業務判断の責任者と現場代表を置き、要件承認、予算決裁、現場テストの責任者を定めます。
  • 進捗管理:丸投げを避け、週次で進捗、課題、リスク、決定事項を確認して、未決の項目を次の工程へ持ち越さないようにします。

発注から本稼働までの段階管理

発注から稼働までは、次の工程で進めます。標準クラウドには最短1か月程度の製品もあります。ただし、それは標準機能を前提とした期間です。

  1. 現状調査とRFP作成
  2. 候補選定、提案・デモ、見積比較
  3. 契約、要件定義、設定・開発
  4. データ移行、受入テスト、操作研修
  5. 並行稼働、本番切替、運用改善

実際の切替日は、データ整理や連携試験、研修、繁忙期の回避を含めて決めます。製品の案内期間とは別に考えます。

工程ごとに出口の条件を決めておきます。たとえば、現状調査では業務フローと課題一覧、要件定義では優先順位と画面・データ仕様が目安になります。

受入テストでは合否と残課題、本番切替ではバックアップとロールバック手順を出口にします。また、切替時に問題が出たときに紙や旧システムへ戻す条件と、戻すかを判断する人も、事前に決めておきます。

ゴルフ場管理システムの費用相場とコストの内訳

導入時、月額・従量、オンプレミス、クラウドに分けた費用項目の図。
利用形態ごとに見積もり項目を確認できます。

費用は、対象業務やコース数、ユーザー数によって変わります。既存機器やデータ移行の有無によっても変わり、カスタマイズやサポート条件も費用を動かす要因です。

公開価格は少ないため、ここに示す数字は、公開実績と類似業務システムの相場から整理した目安です。同じRFPを複数社に渡し、見積もりを比べて確かめます。そのうえで、見積もりでは標準機能と追加費用を分けて、正式な予算を決めます。

導入形態別の費用レンジ

導入形態ごとの目安を比べ、公開例の限界や個別の条件も確認します。

  • SaaS・予約管理:予約・顧客管理に絞ったサービスの目安は、初期費用0〜50万円、月額1〜20万円程度です。
  • 基幹クラウド:標準導入の目安は、初期費用0〜300万円、月額20〜50万円程度です。
  • 標準パッケージ連携:予約ポータル、会計、決済、自動精算機、カート、レストランとの連携がある場合、初期費用300〜1,000万円程度が目安です。
  • スクラッチ開発:複数コースや独自の料金・会員制度・分析を含む場合、1,000〜3,000万円以上になる可能性があります。

SaaSなどは非公開の価格も多いため、下限を市場平均とはみなせません。基幹クラウドの上限は、コース数や利用者数を踏まえ、標準外の設定とサポートを加えた推定です。

連携費用は、データ変換やAPI開発によって増えます。現地設定や機器試験、研修も、連携費用を押し上げる要素です。ただし、金額は業務範囲からの推定で、特定の額を保証するものではありません。

グレインの2026年事例では、36ホールの早来カントリー倶楽部がクラウドへ移行しました。背景には、サーバー移送のリスク、老朽化による更新の負担、予約センターの運用がありました。さらに、初期費用を約80%削減したと紹介されています。

これは個別事例であり、平均値ではありません。サーバー更新や運用負担も比べる必要があることを示す事例です(出典:株式会社グレイン「早来カントリー倶楽部」、2026年6月公開)。

初期費用と月額以外のコスト

見積書では、初期費用と月額のほかに、利用形態ごとに発生する費用を分けて書いてもらいます。

  • 導入時:要件定義、初期設定、画面・機能開発、API連携、データ移行、端末・精算機、工事、テスト、研修、稼働立会い
  • 月額・従量:利用料、保守、更新、バックアップ、サポートの包含範囲と、決済・予約手数料、SMS・LINE配信費、端末通信費の扱い
  • オンプレミス:サーバー、OS、保守、バックアップ、交換部品、現地対応、将来の更新の見込み
  • クラウド:追加のユーザーやコース、容量、個別連携、解約時の出力費を確認します。サーバー費が月額に含まれることもあります。
  • 価格条件:価格表にない項目を「別途」で済ませず、単価と算定方法を確認する

5年TCOによる投資判断

5年間に発生する費用を同じ条件でそろえると、導入形態ごとの投資額を比べられます。

  • 計算式:初期導入費+月額費用×60か月+端末・工事+追加連携+データ移行+保守・更新+決済・予約手数料です。
  • 追加費用:サーバー交換、法改正対応、現地訪問、教育、旧システムとの並行利用も含めた見積もり
  • 公開例:Round Masterは初期0円、月額20万円で、単純計算の5年利用料は1,200万円です。
  • 比較条件:公開例には税、端末、追加導入、個別連携が含まれていないため、価格の内外を分けて比べます。

ポイント

見積もりは、初期費用と月額だけでなく、5年間の総額を同じ条件で比べます。公開価格は参考にとどめ、標準機能と追加費用を分けて予算を決めます。

委託先選定と見積比較で確認すべきポイント

委託先は、会社名や営業資料の印象だけでなく、ゴルフ場の業務を理解し、データと機器をつないで稼働させられるかで選びます。

得意な領域は、会社ごとに異なります。フル基幹やクラウド移行、予約・集客、カートや自動精算機などのうち、どれに強いかを比べるときに確かめます。

ゴルフ場固有の実績と現場理解

導入実績は、自社の運営条件との近さと、導入先での実際の対応を見て判断します。

  • 類似条件:18・27・36ホール、会員制・パブリック制、キャディ付き・セルフ
  • 周辺業務:予約センターの有無、飲食・宿泊との連携、冬季休業、オンプレミスからの移行実績
  • 導入先の声:切替負担、サポート応答、追加費用、現場定着について、導入先の担当者に聞く

東京システムハウスの事例では、ゴルフ場レストランの業務効率化と、昼食客単価の前年比130円増が紹介されています(出典:東京システムハウス「ダイナックパートナーズ」導入事例、2023年7月公開)。

ただし、これは当該事例の公表値で、自社に同じ効果が出るとは限りません。そのため、待ち時間、注文処理時間、客単価、入力件数を導入前に測り、比べておきます。

見積書の比較の単位と前提

各社の作業範囲と前提を同じ単位にそろえると、金額に含まれていない項目が見えてきます。

  • 費用項目:初期、月額、追加開発、連携、移行、機器、工事、保守、研修、サポート、決済・予約手数料ごとに分けて書く
  • 作業数量:標準機能の価格が安く見えても、移行や現地立会いが別紙になっていないか、作業の単位と数量を確かめる
  • 契約条件:最低利用期間、値上げ、解約、データ出力の費用を、5年TCOに含める
  • 機能適合:標準、設定、追加開発、別製品、対応不可の区分を比較表に記し、料金、会員、団体・コンペ、予約連携、売掛、返金、会計連携は、デモと書面で確かめる
  • 前提作業:カート・精算機、障害時の再処理、発注者が用意するデータ・設定、現地ネットワーク工事の扱い

サポート体制とデータの出口

障害が起きたときの対応力と、契約が終わったあとにデータを持ち出せる条件を確かめます。

  • 障害窓口:電話の受付時間、土日祝の対応、重大障害の連絡、一次切り分け
  • 復旧体制:復旧目標、代替運用、バックアップの復元テスト、現地訪問の条件
  • 提供例:三和コンピュータは、24時間365日の電話受付、VPN、国内データセンターを案内しています。自社の営業時間や障害の想定に照らし合わせます。
  • 返却データ:顧客、会員、予約、売上、ポイント、同意履歴の形式
  • 出力条件:CSVのほか、画像・添付・ログも対象か、費用、期間、契約終了後の保管日数を確かめます。返却できない契約では、乗り換えや事業承継の選択肢が狭まります。

ポイント

委託先は、ゴルフ場の業務への理解と導入実績、見積もりの前提のそろい方で比べます。障害時の対応とデータの返却条件は、契約前に書面で確かめておきます。

導入・データ移行・現場定着で失敗しない進め方

発注先が決まったあとも、成否はデータの整備と現場での受け入れで決まります。たとえば、古い顧客マスタの重複や、住所・電話番号の表記揺れを整理します。

料金マスタや商品・売上科目も整理したうえで、退会会員や過去予約を、移行の対象と保管のみの対象に分けます。移行の前に件数や合計金額を確認し、会員数と予約数も同じように確かめます。移行後には、同じ集計結果になるかを照合します。

移行リハーサルと受入テストの複数回実施

移行とテストは段階を分けて行い、実際の業務を担当する人が受入条件を確かめます。

  • 移行段階:サンプル移行、全件リハーサル、本番前の最終移行
  • 予約・精算試験:通常予約、キャンセル、変更、複数組、会員料金、割引、売掛、返金、レストラン合算
  • 障害・連携試験:決済失敗、通信断、重複送信に加えて、外部連携の再送や一時停止後の復旧
  • 現場受入:画面の見た目ではなく業務シナリオで記録し、受付や予約、経理、レストラン、支配人など役割別に操作する
  • 検収記録:操作時間、迷った箇所、権限エラー、帳票不足を洗い出し、合格条件と未解決課題を検収につなげる

研修と切替後の改善の発注範囲

研修と切替の条件、稼働後の指標を発注範囲に含め、現場で改善できる体制を整えます。

  • 研修:役割別の教材、実機演習、繁忙日のリハーサル、問い合わせ先の周知
  • 現場支援:操作に不慣れなスタッフ向けに、エラー時の確認事項と連絡先を示します。部門ごとにキーパーソンを置きます。
  • 切替:繁忙期を避けて旧運用と並行し、二重入力を終える日と、旧システムを参照専用にする条件を定めます。
  • 効果測定:待ち時間、予約取込エラー、決済失敗、問合せ件数、入力時間、再来場、客単価を定期的に確認し、追加開発の優先順位を見直します。
  • 分析機能:AI・経営ダッシュボードは、データの品質を整えてから導入する

グレインは、2026年9月の正式提供を予定しており、毎朝のAIレポートや対話型分析を案内しています(出典:株式会社グレイン公式サイト、2026年8月確認)。

予約・売上・顧客データの定義と、何に使うかの判断を先に決めておくと、誤った分析や過度な期待を防げます。

よくある質問(FAQ)

発注では、費用、既存運用との適合、移行、サポート、データの扱いが、よく問題になります。よくある疑問に答えます。

ゴルフ場管理システムはパッケージとスクラッチのどちらがよいですか?

標準業務が多く、短期間で安定稼働させるなら、ゴルフ場向けクラウドや業界パッケージが向きます。

独自の会員制度や料金、複数施設の統合、分析が競争力の中心なら、標準製品への追加開発を優先します。また、適合しない部分だけをスクラッチで作ると、自由度と保守性のバランスを取りやすくなります。

予算はどの段階で決めればよいですか?

機能を細かく決める前に、初期費用と月額の上限を決めておきます。さらに、連携・機器、移行・研修、5年TCOの上限も決めます。

公開価格を参考に、標準クラウド、パッケージ連携、スクラッチの複数のシナリオを作ります。そのうえで、予算内に収めるため、削る項目も整理します。

同じRFPで複数社から前提別の見積もりを取り、予算は一社だけに先に伝えないようにします。

既存の自動精算機やカートナビはそのまま使えますか?

使えるかどうかは、機器のメーカーや型番、通信方式によって変わります。基幹システムの対応や保守契約も、判断の材料になります。

機器一覧と連携仕様を委託先へ渡し、標準連携、追加開発、交換のどれかを、書面で回答してもらいます。

交換費だけでなく、設置工事や通信の費用も比べます。保守や予備機、障害時の手作業も、比較の対象に入れます。

クラウドのゴルフ場管理システムは安全ですか?

クラウドだから安全、オンプレミスだから安全とは、一概には言えません。権限や認証、暗号化を確認するほか、ログ、バックアップ、脆弱性対応も見ます。

データセンターや委託先の管理に加えて、障害からの復旧と解約時のデータ返却も、責任分界とあわせて確認します。

決済情報を扱う場合は、カード情報を保持しない方式や不正利用対策を、契約の前に要件として決めておきます。

まとめ

発注では、予約、フロント、会計、会員の業務を対象にするかを決めます。さらに、カート、レストラン、分析まで対象を広げるかも決めます。決めた業務とデータを、RFPにまとめます。

標準クラウドや業界パッケージを含め、発注形態を業務適合性と導入時期で比べます。追加開発とスクラッチも、同じ基準で比べます。

見積もりは、初期費用や月額に加えて、連携や移行、研修を含めて比べます。保守や決済手数料に加え、サーバー更新やデータ出力も、5年TCOに含めます。

公開価格は参考値として使い、個別事例の削減率や効果を自社にそのまま当てはめません。

契約では、請負と準委任の役割を明確にします。納品物や検収、変更管理に加えて、障害対応とデータ返却の条件も決めておきます。

移行リハーサルと現場受入を行い、並行稼働を経て、繁忙期を避けて切り替えます。改善の指標は、待ち時間や入力ミス、予約の取りこぼしです。客単価や再来場、復旧時間も、指標として使います。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。