Google Vertex AIのシステム開発会社は、モデルを呼び出す技術だけでなく、業務データを安全に接続し、評価・監視・改善まで本番運用できる会社を選ぶことが重要です。
本記事では、Google Vertex AIのシステム開発を委託・外注する企業向けに、株式会社riplaを最初に、実在する開発会社・コンサルティング会社・Google Cloud公式事例で関連性を確認できる5社を加えた計6社を紹介します。社内文書検索、RAG、予測、画像理解、業務エージェントなどの用途を想定し、各社の強み、向いている企業、発注前に確認したいポイントを整理します。
▼全体ガイドの記事
・Google Vertex AIのシステム開発の完全ガイド
Google Vertex AIのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

Google Vertex AIは、Geminiなどのモデル、RAG、検索、機械学習、評価、監視をGoogle Cloud上で組み合わせるための基盤です。2026年8月に公式ドキュメントを確認すると、従来のVertex AI関連ページはGemini Enterprise Agent Platformの名称で案内されるページへ移行していますが、既存のVertex AIという検索語やサービス資産がなくなるわけではありません。提案書では、Vertex AIとAgent Platformの対応関係、利用するモデルの提供状況、将来の移行方針を確認することが大切です。
モデルの性能より先に業務KPIを決めます
AIシステムでは、回答が自然に見えることだけを成功条件にすると、本番導入後に効果を説明できなくなります。問い合わせ対応なら一次回答率や有人引き継ぎ率、営業支援なら提案作成時間、需要予測なら予測誤差、画像検査なら見逃し率と確認時間のように、業務の数字へ落とし込むことが必要です。パートナーには、精度だけでなく、レイテンシ、1リクエスト単価、利用上限、回答拒否率まで評価できる設計を求めます。
データ・権限・運用の責任分界を確認します
社内文書を検索するRAGでは、文書を登録するだけでは不十分です。部署や役職ごとの閲覧権限を検索結果まで伝え、古い文書を除外し、回答の根拠と取得日時を表示し、誤回答時に有人対応へ切り替える必要があります。Google公式ドキュメントでは、生成AI機能についてデータ所在地、顧客管理暗号鍵、VPC Service Controls、Access Transparencyなどのセキュリティ制御が案内されていますが、利用できる制御はモデルや機能によって異なります。見積前に適用対象を確認します。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
Vertex AIを業務システムへ組み込む場合、モデル選定だけでなく、現場の業務フロー、既存データ、権限、画面、運用ルールを一つの要件にまとめる必要があります。riplaは基幹システムの構築・導入経験を踏まえて、AIを使う業務と使わない業務を切り分け、最初のPoCから本番定着までの計画を相談しやすい候補です。特に、AI導入を単独のチャット画面ではなく、営業・顧客・生産・販売などの既存業務へ組み込みたい企業と相性を確認しやすいです。
向いている企業と発注前の確認事項
社内に業務知識はあるものの、Vertex AIの設計とアプリ開発をまとめる人材が足りない企業や、PoCを実施した後に現場で使われるシステムへ育てたい企業に向いています。相談時は、利用するGeminiやRAGの技術、Google Cloudの構築範囲、データを学習・評価に使う条件、IAMと監査ログの担当、リリース後の保守体制を確認します。Vertex AI固有の実装実績や認定状況は案件ごとに提案時点で確認し、成果物、ソースコード、IaC、運用手順書の範囲まで合意してから発注します。
NTTデータ|大規模基幹・業界特化AIに強いグローバルSI

NTTデータは、業界別の業務知識と大規模システムの設計・運用を組み合わせて検討したい企業向けの候補です。NTTデータグループは2025年8月、Google Cloudとのグローバルパートナーシップを発表し、業界特化型のエージェントAI、クラウドモダナイゼーション、厳格なセキュリティ要件やデータ主権への対応を強化すると説明しています。
特徴と強み
金融、製造、流通、医療、公共など、業界固有の規制や業務プロセスを含むプロジェクトでは、生成AIだけを切り出しても本番化できません。NTTデータは公式発表で、Google CloudのAI、データエンジニアリング、クラウドネイティブなモダナイゼーションを組み合わせ、複数業界向けのソリューションを展開するとしています。数千人規模のGoogle Cloud専門組織や、エージェント型AIの運用を含む構想を確認できる点が、大規模案件の比較材料になります(出典:NTT DATA GROUP「Google Cloudとグローバルパートナーシップを締結」、2025年)。
向いている企業と発注前の確認事項
既存の基幹システム、データセンター、複数クラウド、海外拠点を含めてAIを展開したい大企業に向いています。提案時には、Google Cloud上のどこまでをNTTデータが担当し、既存システムの改修やデータ移行をどの会社が担当するかを確認します。エージェントが業務操作を行う場合は、承認者、実行権限、失敗時のロールバック、監査証跡、モデル変更時の再評価をRFPへ書き込み、数千人規模の体制が自社案件に何人割り当てられるかまで聞くことが大切です。
NEC|認証・監査・業務データ連携を重視する企業向け

NECは、生成AIを既存の業務環境へ組み込み、認証、監査、データガバナンスまで確認したい企業の候補です。NECの2025年の働き方DX関連資料では、Vertex AI Search、Gemini、RAG、SSO、監査・ガバナンスを組み合わせた構成が紹介されています。資料に記載された構成と、自社のGoogle Cloud環境や認証基盤を照らし合わせて評価します。
特徴と強み
社内文書検索や問い合わせ対応のようなRAGシステムでは、検索精度だけでなく、利用者が見てよい情報だけを返す仕組みが重要です。SSOで利用者を認証し、文書の属性や部署情報を検索条件へ反映し、回答・根拠・操作履歴を監査できる構成であれば、全社展開の説明責任を持たせやすくなります。NECを比較する場合は、Vertex AI Searchと自社の文書管理・ID管理をどの範囲で連携できるかを具体的に確認します。
向いている企業と発注前の確認事項
大企業の社内ポータル、ナレッジ検索、コンタクトセンター、従業員支援など、利用者の属性と閲覧権限を厳密に扱う企業に向いています。確認事項は、文書の更新・削除を検索インデックスへ反映する時間、アクセス権変更の反映方法、根拠を表示できない回答の扱い、SSOや監査ログの連携方式です。RAGの精度評価では、部署別や文書種別別の正解率を出せるかも質問し、全体平均だけで判断しないようにします。
SCSK|PoCから本番・内製化まで伴走するGoogle Cloud支援

SCSKは、Google CloudのAIを試すだけでなく、業務実装、定着、内製化まで段階的に進めたい企業に向く候補です。公式の「Gemini 導入・活用 伴走支援サービス」では、要件定義・設計・導入・定着を一気通貫で支援し、Gemini、Vertex AI、Conversational Agentsなどを対象に、PoCから本番導入まで伴走すると説明しています。
特徴と強み
SCSKの公式サービスページでは、Google Cloud Premier Partnerとしての支援、国内大手20社超の導入実績、導入後の拡張・運用・内製化やスキルトランスファーへの対応を掲げています(出典:SCSK「Gemini 導入・活用 伴走支援サービス」、2026年確認)。AIの専門チームだけで運用を抱え込むのではなく、業務部門へ使い方を広げ、社内の開発・運用担当へ知識を移したい企業にとって比較しやすい情報です。
向いている企業と発注前の確認事項
AIの活用テーマがまだ絞り切れていない企業、PoCの結果を本番システムへ移す基準が定まっていない企業、導入後に内製化したい企業に向いています。提案時には、PoCの期間、対象ユーザーとデータソース、評価データセット、合格ライン、本番化の追加費用を分けて確認します。Google Cloudの利用料、アプリ保守、モデル評価、問い合わせ対応を月額のどの項目で請求するかを明細化してもらうと、予算超過を防ぎやすくなります。
日立製作所|製造・社会インフラなど高信頼領域のAI活用

日立製作所は、製造、社会インフラ、現場データ、既存設備などを含む高信頼なシステムで、生成AIと業務データを組み合わせたい企業の候補です。日立とGoogle Cloudは2024年5月、複数年にわたる戦略的アライアンスを発表し、GeminiやVertex AIを活用して企業の課題解決を支援する新組織や、Google Cloud Center of Excellenceを設立する取り組みを説明しています。
特徴と強み
製造現場の画像検査、設備保全、品質管理、社会インフラの異常検知では、AIの回答が間違った時の影響が大きくなります。日立の公式発表では、AIとクラウドを活用した企業向け支援に加え、専門組織やマネージドサービス力を強化する方針が示されています。モデルを更新するたびに精度を再評価し、現場の承認や安全側の制御を組み込むような設計を相談しやすい点が比較材料になります。
向いている企業と発注前の確認事項
停止できない設備、熟練者の判断、品質保証、現場の安全要件を含む企業に向いています。発注前には、オフラインや低遅延が必要な箇所、クラウドへ送ってよいデータ、推論結果の保存期間、現場での再確認者、障害時の手動運転を定義します。Vertex AIの学習・推論基盤と、設備側・業務側のシステムをどのインターフェースで接続するか、保守契約にモデル再学習やデータラベル付けが含まれるかを確認します。
電通デジタル|マーケティング・顧客体験の生成AI活用

電通デジタルは、生成AIをマーケティング、顧客理解、コンテンツ制作、営業支援へ活用したい企業の候補です。Google Cloud公式事例では、新たなAIサービスブランド「∞AI」の開発プラットフォームにVertex AIなどを採用した事例が紹介されています。公式事例によると、Vertex AIを使ったプロジェクトでは、2年以上かかる想定の開発を約半年でリリースしたと説明されています。
特徴と強み
電通デジタルの事例では、∞AI Ads、∞AI Chat、∞AI Contents、∞AI Chat for Sales、外部システムやデータをつなぐ∞AI Marketing Hubが紹介されており、モデル単体ではなく複数の顧客接点を束ねる考え方が示されています。公式事例では、∞AI Adsが100社以上で採用され、Vertex AIを使わなければ2年以上かかるプロジェクトを約半年でリリースしたとされています(出典:Google Cloud「株式会社電通デジタルの導入事例」、2024年事例、2026年確認)。顧客データ、広告、コンテンツ、営業活動を横断するAI活用を検討する際の具体的な比較材料です。
向いている企業と発注前の確認事項
広告、EC、コンテンツ、営業支援など、顧客接点のデータを成果へつなげたい企業に向いています。提案時には、マーケティング施策の企画とシステム開発の責任者を分け、データ利用目的、個人情報の取り扱い、生成物の著作権確認、ブランドガイドライン、有人レビューの範囲を確認します。短期リリースの実績だけで判断せず、リリース後のプロンプト・モデル更新、効果測定、月次の利用料管理まで含めた体制を質問します。
Google Vertex AIのシステム開発会社を選ぶ5つのポイント

6社を比較するときは、知名度やモデル名の多さではなく、自社の業務課題を本番運用へ移せるかを見ます。最低でも、課題とKPI、データと権限、技術と評価、費用と契約、運用と内製化の5点を同じ質問票で確認すると、提案内容の違いを比較しやすくなります。
実績と経験は自社の業務に近い事例で確認します
「生成AIの導入実績がある」という表現だけでは、社内検索、画像検査、営業支援、予測モデルのどれに強いか分かりません。自社に近い業界、データ量、ユーザー数、既存システム、セキュリティ要件を持つ事例を示してもらい、PoCから本番までの期間、運用開始後のKPI、障害時の対応を確認します。実績の公開が難しい場合でも、匿名化した構成図や役割分担、テスト計画を提示できる会社を選びます。
技術力はRAG・権限・評価の実装範囲で見ます
技術評価では、モデルの回答例だけでなく、データ取り込み、チャンク分割、メタデータ、アクセス制御、根拠表示、回答拒否、プロンプトインジェクション対策、評価データセット、ログ、モデル更新を確認します。Google公式のゼロデータ保持に関する説明でも、利用するサービスや設定によってデータの扱いが変わるため、営業資料の「安全」という一言で済ませないことが重要です。CMEK、VPC Service Controls、データ所在地、監査ログを自社要件に適用できるか、構成図と設定一覧で確認します。
費用・契約・運用体制をRFPに落とし込みます
開発費は、AIモデルの利用料だけで決まりません。一般的な業務システムの相場を基礎にすると、技術検証・小規模PoCは300万〜800万円、業務部門向けMVPは800万〜2,000万円、複数部門の本番システムは2,000万〜5,000万円程度が一つの検討レンジですが、これは公的な一律相場ではなく、データ整備・評価・セキュリティ・連携工数を含めた編集上の推定です。正式見積では、初期開発、Google Cloud従量課金、データ整備、評価、監視、保守を分けます。
Google公式料金ページでは、2026年8月時点でVertex AIの料金ページがAgent Platformの料金へ移行しています。例えばGemini 2.5 Flashは標準料金で入力が100万トークンあたり0.30ドル、出力が2.50ドル、Gemini 2.5 Proは入力1.25ドル、出力10ドルです(出典:Google Cloud「Agent Platform の料金」、2026年確認)。また、Gemini 2.5 FlashなどのGoogle検索グラウンディングには1日1,500件、Gemini 2.5 Proには1日10,000件の無料枠があり、超過時は1,000件あたり35ドルと案内されています(出典:Google Cloud「Agent Platform の料金」、2026年確認)。料金はモデル、リージョン、エンドポイント、契約で変わるため、取得日と単位を見積書に記載します。
よくある質問(FAQ)

Google Vertex AIのシステム開発では、会社選びと同時に、費用、期間、データの安全性、PoCの進め方を整理する必要があります。ここでは、発注前に特に質問されやすいポイントへ直接回答します。
Google Vertex AIのシステム開発費用はいくらですか?
小規模な技術検証なら300万〜800万円程度、業務部門向けのMVPなら800万〜2,000万円程度が検討レンジですが、正式な相場ではありません。対象データの量、既存システムとの連携、ユーザー数、権限設計、評価・監視、保守の有無によって大きく変わります。モデルのAPI料金と開発会社への委託費を分けて見積もることが重要です。
社内文書検索にはVertex AIのRAGが向いていますか?
社内規程、マニュアル、FAQ、製品資料などを根拠付きで検索したい場合、RAGは有力な選択肢です。ただし、文書を登録するだけでは安全な検索にならず、アクセス権の伝播、更新・削除の反映、根拠表示、回答拒否、評価データセット、有人引き継ぎを設計する必要があります。機密情報を扱う場合は、Google Cloudのセキュリティ制御と自社の個人情報・秘密情報の規程を照合します。
PoCから本番導入へ進む基準は何ですか?
本番化の基準は、回答精度だけでなく、業務KPI、根拠提示率、回答拒否率、レイテンシ、1回あたりの費用、権限違反がないこと、障害時の有人対応が決まっていることです。代表的な正解データと失敗ケースを用意し、業務部門が合格ラインを承認してから、本番ユーザーを段階的に増やします。PoCの成果物として、評価結果、未解決課題、運用費、リスク、次の開発範囲を残すと、継続投資を判断しやすくなります。
まとめ

Google Vertex AIのシステム開発会社を選ぶときは、モデルの機能や会社の知名度だけでなく、業務データを安全に本番運用できる設計力を確認します。株式会社riplaは、コンサルティングから開発、基幹システムの構築・導入まで一気通貫で相談しやすい候補です。大規模基幹や業界特化ならNTTデータ、認証・監査を重視するならNEC、PoCから内製化まで伴走してほしいならSCSK、高信頼な製造・社会インフラなら日立製作所、マーケティングや顧客体験なら電通デジタルを比較します。
6社へ同じRFPを渡して比較します
比較の精度を高めるには、対象業務、利用者、データソース、連携システム、想定ユーザー数、KPI、セキュリティ要件、PoC期間、予算上限を同じ資料で渡します。そのうえで、誰が要件定義を行うか、誰がデータを整えるか、どの成果物を納品するか、稼働後に誰がモデルと費用を監視するかを確認します。
まずは小さな業務でPoCを始めます
いきなり全社展開を目指すのではなく、1部門・1業務・1〜2個のデータソースから始め、3か月程度で品質、費用、権限、現場の使いやすさを検証します。PoCの結果を踏まえて、既製サービス、Vertex AIを使ったRAG、カスタムモデル、フルスクラッチのどこまで必要かを判断すると、過剰な開発を避けながら本番化を進められます。
▼全体ガイドの記事
・Google Vertex AIのシステム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
