湿度監視システムの発注では、センサーを設置するだけでなく、異常を検知して担当者が対応し、記録を監査や改善に使える範囲までを業務要件として定義することが成功の条件です。
本記事では、湿度監視システムを発注・外注・委託するときの進め方を、発注形態の選び方、RFPと要件整理、契約形態、費用相場、委託先の比較方法まで順に解説します。倉庫、工場、食品関連施設、研究室、サーバー室などで、手書き巡回やExcel記録からの移行を検討している担当者にも役立つ内容です。
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湿度監視システムを発注する前に整理する全体像

湿度監視システムは、温湿度センサー、通信、ゲートウェイ、データ保存、ダッシュボード、通知、帳票やAPI連携を組み合わせた業務システムです。発注時は「何を測るか」だけでなく、「異常が起きたときに誰が何分以内に何をするか」まで決める必要があります。
最初に防ぎたい損失と対象場所を決めます
まず、湿度を監視する目的を品質劣化の防止、カビや結露の抑制、設備故障の早期発見、監査用の証跡確保、巡回工数の削減などに分けます。たとえば食品倉庫なら保管品の品質維持、医薬品関連ならGDPやGMPに沿った環境記録、製造現場なら製品不良や設備停止の予防が主な目的になります。目的が違えば、必要な精度、測定間隔、データ保持期間、校正、通知方法も変わります。
対象場所は、倉庫の棚、冷蔵・冷凍設備、製造ライン、原料置場、研究室、サーバー室などを平面図に落とし込みます。金属棚の奥、出入口の近く、空調の吹出口、日射の当たる場所などは測定値が偏りやすいため、委託先に現地調査を依頼する項目として明記します。電源の有無、電波の届き方、防水・防塵、防爆の必要性も、見積もり前に確認することが大切です。
湿度以外に測る項目と測定条件を決めます
湿度だけを測ればよいとは限りません。温度、露点、CO2、気圧、WBGT、扉の開閉、電源状態などを組み合わせると、結露や換気不足、空調停止の兆候まで把握しやすくなります。一方で、不要なセンサーを増やすと機器費用、通信量、電池交換、保守対象が増えるため、発注要件には「必須」と「将来追加」を分けて記載します。
測定間隔は、日次巡回の代替であれば15分から60分程度、設備異常や品質リスクの早期検知であれば1分から5分程度が検討対象になります。短い間隔ほど電池寿命、通信費、保存容量、アラート処理の負荷が増えます。通常時は15分間隔で異常時だけ高頻度にするなど、目的に合わせた設計を委託先から提案してもらいます。
監視後の運用まで発注範囲に含めます
警報メールを送るだけでは、現場で使われる仕組みになりません。上限・下限、連続超過時間、復帰条件、一次対応者、エスカレーション先、夜間休日の連絡手段、対応結果の記録方法を決めます。メールに加えてSMS、電話、チャット、パトライトなどを使うかは、無人拠点や夜間稼働の有無で判断します。
センサー名、設置場所、校正期限、電池残量、最終受信時刻、通信状態を台帳で管理できると、故障や電池切れを見逃しにくくなります。委託先には、導入時の操作説明だけでなく、警報を無視しないための運用手順書、教育、問い合わせ窓口、障害時の復旧手順まで提案してもらいます。
湿度監視システムの発注形態はどれを選ぶべきですか?

発注形態は、既製クラウドの導入、機器を組み合わせた導入支援、個別開発、オンプレミスや買い切り型の構築に大きく分けられます。拠点数や特殊要件だけでなく、開始時期、社内の保守体制、データをどこまで自社で管理したいかを軸に選びます。
既製クラウドを導入する発注
1拠点から数拠点で、温湿度の記録、しきい値通知、履歴グラフ、CSV出力が中心なら、既製のクラウドサービスが候補になります。短期間で始めやすく、スマートフォンから複数拠点を確認でき、サーバーのアップデートを自社で行わずに済む点が利点です。機能が標準化されているため、導入前に測定間隔、データ保持期間、ユーザー数、通知数、API、通信断の検知方法を確認します。
既製品が向く場合でも、設置場所の電波調査、初期設定、校正、帳票設定、現場教育を自社だけで行う必要はありません。機器販売会社、通信事業者、SIerのどこに何を委託するのかを切り分け、機器費用と導入作業費を分けた見積もりを依頼します。
個別開発を委託する発注
既存のWMS、MES、ERP、品質管理システムと連携したい場合や、独自の承認・帳票・ワークフロー、設備制御まで必要な場合は、SIerや業務システム開発会社への個別委託が適しています。画面を作るだけでなく、センサーから業務システムまでのデータ連携、権限、監査ログ、バックアップ、障害時のデータ保持を一体で設計します。
個別開発では、センサーやゲートウェイを別会社から調達するケースもあります。発注先が機器の仕様変更や販売終了に対応できるか、別メーカーへ交換できるデータ形式か、通信契約を誰が持つかを確認します。データ所有権、API仕様、ソースコードや設定情報の引き渡し、サービス終了時のデータ返却も契約前に決めます。
小規模PoCから始める発注
要件が固まっていない段階で全拠点向けの大規模開発を発注すると、設置位置や誤警報の調整に追加費用が発生しやすくなります。まず1拠点、センサー数台から2週間から8週間程度のPoCを実施し、測定値の妥当性、電波、電池消耗、通知の気づきやすさ、夜間対応を確認します。期間は現場の変動を確認できる長さにし、休日や夜間も含めて検証します。
PoCの発注書には、検証する仮説と合格基準を入れます。たとえば記録漏れの削減、警報から一次対応までの時間、欠測率、通信断の検知時間、巡回時間の削減などです。PoC終了時に本番化の条件、追加開発の範囲、機器を本番へ流用できるかまで合意しておくと、検証費用が無駄になりにくくなります。
RFPと要件整理では何を伝えればよいですか?

RFPは、開発会社に希望を伝える資料ではなく、同じ条件で提案と見積もりを比較するための資料です。対象拠点、センサー数、測定対象、現在の運用、困っていること、必要な通知、連携したいシステム、予算と時期、セキュリティ制約を一つの資料にまとめます。詳細な実装を決め切る必要はありませんが、提案してほしい範囲と必須条件は明確にします。
現場とセンサーの要件を具体化します
拠点ごとに、建物の用途、部屋や棚の数、センサーの候補位置、温湿度の想定範囲、必要な精度、測定間隔、電源、電波、設置環境を記載します。冷蔵庫内、屋外、金属製の倉庫、防塵・防水が必要な場所では、一般的な室内向けセンサーをそのまま使えないことがあります。センサーの仕様書だけで判断せず、実際の場所で測定できるかを現地調査で確認します。
通信方式は、近距離のBLEやWi-Fi、広い倉庫や複数棟に向くLoRaWANなどのLPWA、電源や回線が限られる場所で検討されるLTE-Mなどを比較します。北海道の豆類倉庫におけるIIJの公開事例では、温湿度センサー13個を5台のゲートウェイで収集し、LoRaWANとモバイル閉域網を経由して業務システムへ連携しています。規模や環境によって適切な方式は変わるため、通信方式を指定し過ぎず、必要な到達率や復旧条件をRFPで示す方法もあります。
機能要件は警報後の行動まで書きます
機能要件には、現在値表示、履歴グラフ、上限・下限、連続超過時間、復帰通知、通信断通知、欠測表示、ユーザー権限、CSV出力、帳票、API連携を含めます。警報は「設定値を超えたら送る」だけでなく、誰へ、どの手段で、何回送り、未対応ならどこへエスカレーションするかまで定義します。
医薬品の保管や製造に関わる場合は、校正証明書、測定器台帳、操作履歴、変更管理、データの改ざん防止、バックアップ、バリデーションやベリフィケーションの支援範囲をRFPに含めます。JEMICは2026年の解説で、GDPでは温度計、温湿度計、データロガーなどの環境モニタリング機器が校正対象になると説明しています。すべての業界に同じ規制がかかるわけではないため、自社の顧客要求や品質規程も併記します。
非機能要件と受入基準も先に決めます
非機能要件には、稼働時間、表示や通知の応答時間、データ保持期間、バックアップ頻度、復旧目標、同時利用者数、暗号化、MFA、権限管理、監査ログ、脆弱性対応、問い合わせ時間帯を記載します。工場では、IoT機器を社内ネットワークやインターネットに接続することで、サプライチェーンを含む攻撃リスクが高まります。経済産業省は2025年4月に中小規模の製造事業者向けの工場セキュリティ解説書を公表しているため、IT部門だけでなく現場、OT、生産技術と責任範囲を確認します。
受入基準は、納品後に動けばよいという書き方を避けます。指定した場所での測定精度、決めた間隔でのデータ収集、通信断から通知までの時間、閾値超過から通知までの時間、復帰通知、CSV出力、権限、バックアップ復元をテスト項目にします。異常系を含めた受入テストをRFPと契約書に紐づけると、完成の定義が発注者と受託者でずれにくくなります。
湿度監視システムの契約形態と責任分界をどう決めますか?

湿度監視システムは、機器、通信、クラウド、アプリケーション、設置、校正、保守が連動するため、契約書で責任分界を曖昧にしないことが重要です。要件が固まっている開発と、検証しながら決める開発では適する契約が異なります。
請負契約は成果物と完成条件を固定します
請負契約は、設計書、設定済みの監視環境、画面、連携機能、マニュアルなどの成果物と、完成条件を定めて進める方法です。対象範囲と仕様が明確な本番構築に向きます。センサー台数、画面数、帳票、API、テスト範囲、納期、検収方法、瑕疵対応期間を明記し、仕様変更が発生した場合の追加見積もり手順も決めます。
請負契約で現地調査やPoCまで含める場合は、調査結果で仕様が変わる可能性を残したまま、全体の完成責任だけを固定しないよう注意します。先に調査・要件定義を別工程に分け、その結果をもとに本開発の請負契約を結ぶ方法も有効です。
準委任契約は検証と改善を進めやすくします
準委任契約は、一定期間の作業や専門知識の提供に対して、稼働時間や役割を定めて進める方法です。測定位置、通知条件、ダッシュボードの使い勝手などを現場と確認しながら改善するPoCや要件定義に向いています。成果物の完成を一括で約束する契約ではないため、作業内容、会議体、レビュー、報告、意思決定者を明確にします。
要件変更が多い案件では、請負よりも準委任のほうが柔軟に進む一方、作業の終わりが見えにくくなります。NotebookLMの調査では、業務システムのエンジニア単価を月額80万円から120万円程度とする一般論や、仕様変更が多い請負は準委任より1.3倍から1.5倍程度高くなる傾向が示されています。これは個別案件の確定価格ではないため、体制、稼働月数、成果物を分解して見積もります。
機器・通信・クラウドの責任分界を明記します
センサーが故障した場合、電池が切れた場合、ゲートウェイが停止した場合、通信回線が落ちた場合、クラウドが障害になった場合で、誰が一次切り分けをするかを決めます。センサーの交換、校正、予備機の保管、現地駆け付け、ログの保管、障害通知、復旧目標を、機器会社、通信会社、開発会社、自社のどこが担うか表にして合意します。
保守契約には、平日日中だけか、夜間休日も対象か、問い合わせの受付時間、重大障害の連絡方法、セキュリティパッチ、OSやブラウザの更新、クラウドのデータ保持、解約時のデータ返却を含めます。月額が安くても、障害時の切り分けが有償であれば、実際の運用費は増える可能性があります。
湿度監視システムの費用相場と開発期間

湿度監視システムの費用は、センサーの種類と台数、通信方式、拠点数、設置工事、校正、クラウド利用料、画面や帳票のカスタマイズ、既存システム連携、保守時間帯で大きく変わります。初期費用だけで判断せず、導入から5年間に必要な費用を同じ条件で比較することが重要です。
センサーと通信機器の価格を分けて見ます
公開価格の例では、クリマテック株式会社の2026年価格表に、小型温湿度ロガーが税込3万6,300円、一般的な温湿度センサーが税込11万3,300円から22万1,100円、高湿度向けの加温オプション付きが税込28万8,200円から30万4,700円と掲載されています。JCSS校正証明書の公開例は税込3万3,000円です(出典: クリマテック株式会社「価格表」、2026年確認)。機器単価は精度、測定範囲、環境耐性、出力方式、校正の有無で変わるため、これらは相場の断定ではなく公開価格の参考値です。
低価格のLPWA型サービスには、温湿度センサー付き通信装置が初期1万7,490円、クラウド・通信・設定などが1台あたり月額1,600円とされた公開例もあります。ただし掲載情報は2022年の価格で、設置費、カスタマイズ、現行プランの条件は別途確認が必要です。機器だけなら数万円から30万円程度、高精度センサーや校正を含めると1点あたり10万円から35万円程度を見込む場合がありますが、ゲートウェイ、回線、設置、予備機は別に計上します。
導入規模別の初期費用を見積もります
1拠点でセンサー1台から5台、既製クラウドを使う構成は、初期5万円から50万円程度、月額2,000円から3万円程度、期間2週間から2か月程度が一つの目安です。設置、電波調査、初期設定、校正、帳票設定、教育まで委託する場合は上振れします。公開価格の機器を5台で試すだけなら、装置費は8万7,450円、通信・クラウドは月額8,000円という計算になりますが、実導入費はこの金額だけでは決まりません。
1拠点から5拠点、センサー10台から50台で、通知、帳票、API連携を追加する場合は、初期100万円から500万円程度、月額3万円から20万円程度、期間2か月から6か月程度のレンジが検討されます。工場や倉庫向けのオンプレミス・買い切り型は、初期200万円から800万円程度、保守年額20万円から100万円程度、期間3か月から8か月程度が目安です。複数拠点で既存のMES、WMS、ERPと連携するスクラッチ開発は、初期500万円から1,500万円程度、保守年額50万円から300万円程度、期間6か月から12か月以上になることがあります。
これらは、NotebookLMの調査ノートにある公開価格、業務システムの人件費、IoT監視の構成要素から整理した推定レンジです。センサー台数、拠点数、現地調査、精度、校正、既存システムの仕様、24時間保守の有無で変わるため、特定金額を発注価格として断定しないことが大切です。見積書では、要件定義、機器、通信、開発、設置、テスト、教育、保守を分けて提示してもらいます。
月額・保守・交換を含む5年総額で比べます
5年総額には、センサーとゲートウェイの購入費、通信回線、クラウド利用料、データ保存の追加費用、設置工事、校正、電池やセンサーの交換、予備機、保守、現地駆け付け、教育、サービス終了時のデータ移行を含めます。クラウド型は初期費用が低く見えても、センサー台数、ユーザー数、拠点数、API、保存期間で月額が変わることがあります。
オンプレミスや買い切り型は月額を抑えやすい一方、サーバー更新、バックアップ、脆弱性対応、障害監視を自社で担う場合があります。見積比較では、初期費用と月額を別々に比べず、同じデータ保持期間と同じ保守条件で5年間の合計を算出します。解約時にデータを取り出せるかも、費用と同じ重要な比較項目です。
湿度監視システムの委託先選定と見積比較のポイント

委託先は、センサー機器メーカー、通信・クラウド事業者、IoTに強い開発会社、業務システムのSIerに分けて考えると比較しやすくなります。「IoT対応」と書かれているかだけでなく、現地設置、通信設計、業務画面、既存システム連携、校正、保守をどこまで一貫して担当できるかを確認します。
自社に近い現場の導入実績を確認します
実績は、業種名や導入社数だけでなく、似た環境で何を実現したかを確認します。倉庫なら金属棚や複数棟での通信、食品なら冷凍冷蔵設備や帳票、医薬品なら校正とデータ完全性、工場ならOTネットワークと設備連携を質問します。可能であれば、センサーの設置から警報の一次対応、保守までの運用を説明できる担当者に提案してもらいます。
公開事例では、IIJが倉庫の温湿度データをLoRaWAN、ゲートウェイ、モバイル閉域網、クラウド、業務システムへ接続した構成を紹介しています。5台のゲートウェイと13個のセンサーを使い、オンプレミスでの検証後にMicrosoft Azureへ移行した事例です(出典: 株式会社インターネットイニシアティブ「株式会社山本忠信商店様の導入事例」、2026年確認)。このように、初期検証から本番運用への移行方法まで聞くと、提案の実現性を判断しやすくなります。
見積書は作業項目と前提条件をそろえて比較します
相見積もりでは、総額の安さだけで順位を付けないことが大切です。各社に、要件定義、現地調査、センサー、ゲートウェイ、通信、クラウド、画面、通知、帳票、API、設置、校正、テスト、教育、保守を分けて記載してもらいます。含まれない作業、前提となるセンサー数、想定する測定間隔、データ保持期間、追加変更の単価も確認します。
安い見積もりに、電波調査や夜間テスト、通信断時のローカル保存、校正、バックアップ復元、管理者教育が含まれていないことがあります。反対に、高い見積もりが過剰なカスタマイズや不要な高精度機器を含む場合もあります。RFPの同じ要件番号に対して、各社の対応可否、代替案、追加費用、納期への影響を並べると比較が公平になります。
発注前にデータと運用の出口を確認します
委託先へは、サービス終了時にデータをCSVや標準形式で返却できるか、センサー交換時に過去データを引き継げるか、API仕様を公開できるかを質問します。クラウドを別会社へ移行する可能性、買い切り機器の修理期限、メーカー撤退時の代替機器、通信会社を変更する場合の作業も確認します。ベンダーロックインを完全に避けられなくても、移行の条件を契約書に残すことでリスクを下げられます。
提案説明では、正常系の画面だけでなく、センサー故障、電池切れ、通信断、クラウド障害、停電、誤警報、担当者不在をどう扱うかを説明してもらいます。担当者が「測定値は見られます」と答えるだけでなく、「欠測を表示し、通信断を知らせ、復旧後にデータを補完し、未対応の警報を上位者へ連絡します」と運用まで語れるかが、委託先選びの重要な評価ポイントです。
外注後に湿度監視を定着させる運用方法

システムを導入しても、警報が多すぎたり、対応者が決まっていなかったりすると、現場は通知を見なくなります。外注の成果を業務改善につなげるには、運用開始後に警報の妥当性、欠測、対応時間、巡回時間、品質事故の件数を定期的に見直します。
警報ルールとエスカレーションを調整します
導入直後は、しきい値を厳しくし過ぎると誤警報が増え、緩くし過ぎると品質リスクを見逃します。上限・下限に加え、何分連続したら警報にするか、短時間の復帰をどう扱うか、同じ警報をまとめるかを実測データで調整します。現場の担当者が対応できる通知数に抑え、重大度ごとに一次対応と管理者通知を分けます。
警報を受けたときは、現場確認、測定器の確認、空調や扉の確認、製品への影響判断、復旧、記録、再発防止までの手順を決めます。システム上で対応結果を残せない場合は、別の品質記録とひも付けます。外注先には、導入後1か月、3か月、6か月などのレビュー会を依頼し、実際の警報ログから改善提案を受けます。
校正・電池・機器台帳を定期管理します
湿度センサーは設置して終わりではなく、校正期限、校正方法、交換基準、電池残量、ファームウェア、設置位置を管理します。校正が必要な業種では、証明書の保管と測定器台帳の更新を運用に組み込みます。校正や交換の時期をダッシュボードに表示し、期限が近づいたら管理者へ通知できると、記録の有効性を維持しやすくなります。
センサー交換時は、旧機器の最終データ、新機器の識別子、設置場所、校正状態、交換日時を記録します。過去のグラフが別の機器に見えてしまうと、監査や原因分析で混乱します。交換作業を自社で行うのか委託先に依頼するのか、予備機を何台持つのか、交換後の疎通確認を誰が行うのかを保守契約に含めます。
導入効果を数値でレビューします
導入効果は、システム稼働の有無だけでなく、巡回時間、手書きや転記の漏れ、警報から対応までの時間、欠測率、誤警報数、廃棄や不良の件数、監査資料を作る時間で評価します。PoCで測った値を本番後も追い、費用に見合った改善が出ているかを確認します。数字が悪い場合は、機器の問題だけでなく、設置位置やしきい値、担当者のルールも見直します。
AIによる結露予測や品質劣化予測は、欠測やセンサー故障を正しく扱い、十分な履歴データが蓄積されてから検討します。最初から高度な分析を発注するより、まず測定、保存、通知、対応記録を安定させるほうが導入効果を出しやすくなります。将来の分析を見据え、データの時刻、単位、センサーID、場所、校正状態を一貫して保存することが重要です。
湿度監視システムのよくある質問(FAQ)

発注前に多い疑問を、実際の選定や運用に結び付けて回答します。費用や方式は一律に決まらないため、自社の目的、拠点、精度、保守体制に照らして判断します。
湿度監視システムは既製品と個別開発のどちらがよいですか?
記録、しきい値通知、履歴、CSV出力が中心で、業務を標準機能に合わせられるなら既製クラウドが向いています。既存のWMS、MES、ERPとの連携、独自帳票、承認、監査ログ、設備制御が必要なら個別開発を検討します。要件が不明確な場合は、数台のPoCで現場条件を確認してから本番方式を決めると安全です。
湿度監視システムの発注費用はいくらですか?
既製クラウドを1拠点で小規模に導入する場合は、初期5万円から50万円程度、月額2,000円から3万円程度が目安になります。通知、帳票、API連携を含む1拠点から5拠点の構成は初期100万円から500万円程度、既存システムと連携するスクラッチ開発は初期500万円から1,500万円程度になることがあります。これは機器台数、設置、校正、通信、保守を含む範囲で変わる推定レンジなので、同じ前提で複数社から見積もりを取得します。
湿度センサーの校正は必ず必要ですか?
一律に同じ校正が必要とは限りませんが、医薬品のGDPやGMP、顧客監査、社内品質規程で求められる場合は、校正方法、周期、証明書、トレーサビリティを要件に含めます。食品、製造、サーバー室などでも、測定結果を品質判断や監査に使うなら、校正の要否と許容差を品質部門に確認します。JEMICの2026年解説では、GDPの環境モニタリング機器として温湿度計やデータロガーが挙げられています。
RFPがなくても湿度監視システムを発注できますか?
発注はできますが、対象場所、センサー数、測定間隔、通知先、データ保持、現行運用を整理した簡易RFPがあると、提案と見積もりの比較がしやすくなります。要件を決め切れない場合は、要件定義や現地調査だけを先に委託し、結果をもとに本番開発を発注します。最低限、必須機能、予算の上限、希望時期、セキュリティや校正の制約は伝えます。
まとめ

湿度監視システムの発注は、センサーやクラウドを安く購入する作業ではありません。防ぎたい品質事故や業務負担を定義し、測定場所、精度、間隔、通信、警報、対応手順、校正、監査証跡、保守までを一つの業務要件として整理することが出発点です。
発注時に押さえる要点
既製クラウド、オンプレミス、個別開発のどれを選ぶ場合も、最初から全拠点へ展開せず、PoCで現場の電波、誤警報、電池、夜間対応を確かめます。RFPでは機能だけでなく、通信断、欠測、センサー故障、停電、クラウド障害、データ返却を記載します。見積もりは初期費用だけでなく、通信、クラウド、校正、交換、保守、移行を含めた5年総額で比較します。
次に行うこと
次のステップは、対象拠点の図面と現行の記録方法を集め、守りたい品質基準と警報後の対応者を決めることです。そのうえで、センサー数、測定間隔、通知、帳票、連携、校正、保守の条件を簡易RFPにまとめ、現地調査とPoCを含む提案を複数社へ依頼します。価格だけでなく、異常時に人が動ける運用と、将来のデータ移行まで説明できる委託先を選ぶことが、湿度監視を定着させる近道です。
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・湿度監視システム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
