IBM Db2のシステム開発会社は、業務要件の整理から既存資産の解析、データ移行、運用保守まで任せられるかで選ぶのが基本です。
Db2 LUW、Db2 for z/OS、Db2 for iでは必要な知識と移行方法が異なるため、まず自社の製品系統と対応範囲を確かめます。そのうえで、株式会社riplaを含む実在企業6社を3つの観点で比べます。
- Db2製品系統
- 移行・可用性
- クラウド・運用保守
▼全体ガイドの記事
・IBM Db2のシステム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
IBM Db2のシステム開発でパートナー選びが重要な理由

IBM Db2のシステム開発では、データベース単体の設定より、業務アプリケーションや既存プログラムを含めた全体設計が成否を左右します。ジョブや帳票、認証、バックアップ、障害時の切り替えも、その全体設計に入ります。
「Db2に対応できます」という説明からは、実際の移行や本番運用まで任せられるかは分かりません。そのため、依頼先の得意領域と自社の課題を照らし合わせて確かめることが大切です。
Db2を扱える会社と業務システムを完成させる会社の違い
Db2は、金融、製造、流通、公共などの基幹業務で長く利用されてきたエンタープライズ向けデータベースです。大量のトランザクションを処理しながら業務データの集計や分析にも使える一方、稼働基盤によって設計の前提が変わります。
たとえば、Db2 for z/OSではメインフレームのCOBOLやジョブ、Db2 for iではRPGやIBM iの運用資産、Db2 LUWではOS、仮想化、クラウド、コンテナとの組み合わせを確認する必要があります。既存システムの移行では、テーブルとデータに加えて周辺の仕組みも移すことになります。
移行では、SQLの互換性、ストアドプロシージャ、文字コードを洗い出します。さらに、バッチの実行順や外部連携、帳票、権限、監査ログまで確かめ、移行リハーサルで検証します。そのため、アプリ開発会社に加えて、Db2の管理、データ移行、ネットワーク、障害対応を一続きで扱える会社を選ぶことが重要です。
発注前のプラットフォームと非機能要件の整理
相談前には、Db2のエディションとバージョン、稼働OS、データ容量を整理しておきます。さらに、ピーク時のトランザクション数や連携先、停止可能時間、利用者数、月次・年次処理の集中時期も書き出しておくと、相談が進みやすくなります。
非機能要件を先に決めておかないと、見積書の金額だけで比べることになります。そうなると、必要な運用費や移行テスト費が後から追加されやすくなります。加えて、目標復旧時間(RTO)と目標復旧時点(RPO)、保管年数、個人情報の有無、監査要件を伝えると、提案の精度が上がります。
特に24時間365日稼働する基幹業務では、通常時の性能だけでなく、障害時の切り替えと復旧を確認します。HADR、バックアップ、ポイントインタイムリカバリー、待機系、災害対策サイトをどこまで構築するのか、監視通知を誰が受けるのか、夜間の一次対応を契約に含めるのかを明確にします。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みを持っています。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、業務の流れと経営課題を確かめてから、システムの形を考えられる点です。データベースやパッケージは、そのあとに決めていきます。Db2を継続利用する場合も、クラウドへ移行する場合も、入力・承認・集計・連携・保守の各工程を業務要件に合わせて整理できます。
既存システムの使いにくさをそのまま新環境へ再現せず、現場が定着しやすい画面や運用へ見直したい企業に向いています。また、要件定義から導入後の改善まで分けずに相談できる点も特徴です。
Db2そのもののライセンスや製品仕様については、IBMなどの専門パートナーと役割分担が必要になる場合があります。ただし、業務側の要件整理や周辺システムとの連携まで含めて、全体を設計できます。小規模な業務改善から基幹システムの再構築まで、必要な範囲を相談しながら進めたい場合にも適しています。
得意領域・実績
営業管理、顧客管理、生産管理、販売管理など、複数部門にまたがる業務システムの構築・導入を検討している企業が相談しやすい会社です。特定の製品導入だけでなく、現場の業務整理やデータの持ち方、権限設計、導入後の利用促進を一緒に考えたい場合にも候補となります。
Db2を使うことが決まっている案件では、Db2を含む基盤部分の専門会社と連携しつつ、業務アプリ側の要件と受入テストをまとめる役割を依頼する方法もあります。さらに、riplaに任せる領域と他社に任せる領域を最初に明確にすれば、責任分界点が曖昧になりにくく、全体最適の提案を受けやすくなります。
問い合わせ時は、Db2の対象エディション、既存データの量、連携先、希望する開発範囲を伝えたうえで、Db2の専門家やインフラ会社との協業体制を確認するとよいでしょう。
日本アイ・ビー・エム株式会社|Db2製品と大規模基盤を横断して支援

日本アイ・ビー・エム株式会社は、Db2の製品やライセンス、設計思想を、IBM Cloud、IBM Z、IBM Powerとあわせて相談したい企業にとって、最初に確認しやすい候補です。
Db2のエディションやデプロイメント、バージョン変更について、製品公式の情報に基づいて検討できます。暗号化や監査、バックアップも、同じ情報をもとに確かめられます。
特徴と強み
IBMを選ぶメリットは、データベース製品だけでなく、稼働環境、サポート、関連ミドルウェア、クラウドの選択肢を同じ製品体系で検討できる点です。大規模なトランザクション処理や基幹系の可用性、監査や暗号化などの要件が厳しい案件でも、製品の前提を確認しやすくなります。
新規開発だけでなく、古いDb2環境のバージョンアップやモダナイゼーションの相談先としても検討できます。2026年時点では、IBM公式ページでDb2 12.1.4の管理コンソール「Db2 Genius Hub」やAIエディションが案内されています。
AIによる日常管理の支援が追加されても、既存アプリの互換性、権限、バックアップ、障害時の手順が自動で解決するわけではありません。そのため、新機能の採用可否は、運用担当者のスキルと監査要件まで含めて判断することが大切です。
得意領域・実績
IBM ZやIBM Powerを含む大規模基幹、Db2の製品選定、IBM Cloudを含むハイブリッド環境、ライセンスやサポート契約まで一体で検討したい企業に適しています。特に、現行資産の延命とクラウド移行を比べたい場合は、製品ロードマップや対応バージョンを確認しながら計画を立てられます。
業務アプリの細かな改善や現場定着を、どの体制で担当するかは提案ごとに確認が必要です。
問い合わせでは、Db2 for LUW、z/OS、iのどれを対象にするのかを最初に確認し、IBM本体とパートナー企業の役割分担、移行時の停止時間、ライセンス見積の前提を質問してください。
株式会社NTTデータ|大規模移行とエンタープライズ基盤の強み

株式会社NTTデータは、金融・公共などの大規模業務システムや、複雑な連携を含む基盤移行を検討する企業にとって候補になります。
公開情報では、IBM DB2を含むエンタープライズ基盤の技術支援や、データベース移行に関するサービス・事例を確認できます。
特徴と強み
NTTデータの強みは、データベースだけでなく、業務アプリ、ネットワーク、認証、運用、移行計画まで大規模案件の管理対象にできる点です。既存Db2を別の環境へ移す際は、機能の有無だけでなく、SQL、データ型、文字コード、性能、バックアップ、運用監視を比較しなければなりません。複数の専門チームを束ねて段階移行したい企業に適しています。
データベース移行の技術資料では、移行先候補の機能差だけでなく、可用性、アプリ開発、性能向上、SSL通信、ポイントインタイムリカバリー、監査などを比べる観点が示されています。
こうした観点は、Db2から他DBへ移す場合だけでなく、Db2のバージョンアップやクラウド移行でも活用できます。出典はNTTデータが公開するデータベース移行支援資料です。
得意領域・実績
長年稼働している基幹系を止めずに段階移行したい企業、金融・公共などの監査や可用性の要件が厳しい企業、現行資産の調査から切り替え訓練まで任せたい企業に向いています。大規模案件では、全体を管理する会社に依頼するか、特定工程の専門会社に依頼するかで、費用と責任範囲が変わります。
相談時には、Db2の稼働環境と現行アプリの言語、日次・月次バッチ、外部接続、許容停止時間を伝えてください。
見積書には、NTTデータが担当する範囲、再委託や協力会社の範囲、移行リハーサルの回数、性能試験の条件、切り戻し計画を明記してもらうことが重要です。
SCSK株式会社|IBM資産とデータ連携をまとめて整備

SCSK株式会社は、IBMメインフレームの導入・更改や基盤構築、バージョンアップ、保守・運用に加えて、Db2を含むデータ連携を一体で検討したい企業に適した候補です。
SCSKの公開情報では、IBMメインフレームのソリューションやシェアードホスティングに加え、IBM Db2 Databaseを対応ミドルウェアとして扱う情報が確認できます。
特徴と強み
IBM資産を維持しながら、周辺の業務システムやクラウド、データ連携基盤を整えたい企業にとって、基盤と連携を別会社へ分けずに相談できることが強みです。既存のメインフレームやDb2 for iを残しつつ、API連携、ファイル連携、データ活用を追加する場合は、業務の停止を抑えながら段階的に改善しやすくなります。
2026年に公開されたSCSKのIBMメインフレーム関連資料では、長年培った運用・保守ノウハウを活用して、インフラ管理の負担軽減とメインフレーム・トランスフォーメーションを支援する方向性が示されています。新規開発だけでなく、運用体制の再設計やホスティングまで含めて比べたい企業にとっては、確認する価値があります。
得意領域・実績
既存IBM資産の更改、Db2と周辺システムの連携、メインフレームの運用保守、クラウドやホスティングを含むインフラ整備を検討する企業に向いています。特に、データを新しい分析基盤へ連携したい一方で、基幹業務の安定稼働を優先したい場合に相談しやすい会社です。
Db2 LUWで新規に小規模な業務アプリだけを作る案件では、SCSKの大規模基盤・運用サービスが必要以上に大きくなる可能性があります。
問い合わせでは、Db2の対象環境、保守時間、連携製品、現行ベンダーとの役割分担、最小構成での見積可否を確認してください。
富士通株式会社|サーバー基盤とDb2の動作検証の重視

富士通株式会社は、富士通サーバー上でDb2 for Linux, UNIX and Windowsを稼働させる構成や、サーバー、仮想化、バックアップ、運用保守を含むインフラ更改を比べたい企業にとって候補になります。
富士通の公開ページでは、IBM Db2の対応OS、サーバー製品、インストール実績に関する情報が掲載されています。
特徴と強み
アプリケーションの設計だけでなく、サーバーの型式、OS、仮想化ソフト、ストレージ、バックアップまで含めて構成を固めたい場合に強みを発揮します。Db2は同じ製品名でも、OSやドライバー、サーバー構成によって確認事項が変わります。
検証環境を用意し、接続、インストール、性能、バックアップを事前に確認できる体制は、インフラ更改の不確実性を減らします。一方、富士通の公開情報では、Db2の対応情報とあわせて、各製品・OSの詳細やサポート範囲は問い合わせで確認するよう案内されています。
掲載情報をそのまま自社環境へ適用できると判断せず、対象バージョン、サポート期間、障害時の責任範囲、性能検証の条件を個別に確認してください。
得意領域・実績
オンプレミスのDb2環境を更改したい企業、富士通のサーバー製品を標準基盤として利用している企業、インフラの設計・構築・保守をまとめたい企業に向いています。既存システムのアプリを大きく変えずに、サーバー、OS、ストレージ、バックアップの世代を更新したい場合にも候補になります。
新規アプリの業務設計や画面開発が主目的であれば、富士通に加えて業務アプリに強い会社を組み合わせる選択肢もあります。
見積時には、Db2の導入設定とアプリ改修を誰が担当するのか、性能試験のデータ量、バックアップからの復旧試験、将来のクラウド移行方針を確認してください。
日本電気株式会社(NEC)|Db2を含む高可用性クラスタを設計

日本電気株式会社(NEC)は、CLUSTERPRO Xを使ったHAクラスタや、障害時の業務切り替えを重視する企業にとって比較の候補になります。
NECの公開ガイドには、CLUSTERPRO XとDB2を組み合わせた構築手順や、DB2のデータベース監視に関する資料があります。
特徴と強み
CLUSTERPRO Xは、障害を監視し、健全なサーバーへ業務を引き継ぐHAクラスタリングソフトウェアです。Db2を止めないための冗長化、サーバー障害の監視、フェイルオーバー、遠隔地を含む災害対策を具体的に検討しやすい点が強みです。
データベースの設計だけでなく、OS、共有ディスク、ネットワーク、監視、切り替え後の復旧手順まで詰める必要があります。ただし、公開されているDb2資料は基盤・クラスタ構築の内容が中心です。Db2を使う業務アプリの全面開発や既存業務の再設計まで同じ体制で対応できるかは、案件ごとに確認が必要です。
高可用性の要件がある場合は、RTOとRPO、障害検知から切り替えまでの時間、手動介入の有無、定期的な切り替え訓練を提案書に入れてもらいます。
得意領域・実績
販売管理、在庫管理、金融系など、停止が事業へ直結するDb2システムで、HAクラスタや障害対策を優先したい企業に適しています。オンプレミスだけでなくクラウド環境のHA構成も検討できます。
ただし、採用するクラウド、Db2のエディション、共有ストレージの方式によって設計が変わるため、環境を先に固定しないことが大切です。相談時には、通常時の性能要件と障害時の目標を分けて伝えると、話が具体的に進みます。
二重化の範囲や費用を決めるには、「高可用性にしたい」という表現よりも、具体的な目標が欠かせません。Db2のデータ保護、アプリサーバーの切り替え、ネットワーク経路、バックアップ、災害対策サイトのうち、どこまで含めるかを図にして確認すると、提案の比較がしやすくなります。
キンドリルジャパン株式会社|クラウド移行と24時間運用の重視

キンドリルジャパン株式会社は、大規模インフラ運用やクラウド移行、データベースのマネージドサービスを重視する企業にとって候補になります。
AWSのAmazon RDS for Db2紹介ページでは、KyndrylがDb2マネージドサービスのプロバイダーとしてAWSと連携していることが紹介されています。
特徴と強み
クラウド上のDb2を運用し、プロビジョニング、バックアップ、パッチ適用、監視、可用性、障害対応を標準化したい企業に向いています。Amazon RDS for Db2はMulti-AZやクロスリージョンのバックアップなどを利用できるため、インフラ運用の負担を減らしながらDb2を継続したい場合に検討しやすい選択肢です。
ただし、Db2の総額を見るには、AWSの利用料に加えて、ライセンス費用なども考える必要があります。AWS公式では、RDS for Db2の料金にDb2ライセンス費用は含まれず、BYOLまたはAWS Marketplace経由の時間課金を選ぶ仕組みと説明されています。
クラウド移行では、コンピューティング、ストレージ、バックアップ、通信、ライセンス、運用サービスを分けて比較してください。
得意領域・実績
大規模なDb2環境をAWSへ移行したい企業、24時間運用や多地域の災害対策を重視する企業、社内にDb2とクラウドの両方を運用できる人材が少ない企業に適しています。既存ライセンスを持ち込むのか、AWS Marketplaceで時間課金するのかを比較し、移行後の運用を自社で担うのか、マネージドサービスへ委託するのかを決めるとよいでしょう。
国内の日本語サポート、契約主体、再委託先、対応時間、障害時のエスカレーション、Db2のアプリ改修範囲は、必ず個別に確認してください。公開情報でパートナー関係が確認できても、同じ業界や同じDb2エディション、同じ規模の事例があるかは別に確かめる必要があります。提案時には、匿名化された類似事例と担当体制を示してもらうことが重要です。
IBM Db2のシステム開発会社を選ぶ3つのポイント

6社は、Db2の対象環境と得意な工程、必要な運用体制で選び分けます。新規の業務アプリを作りたいのか、古いDb2資産を移行したいのか、止められない基幹を冗長化したいのかで、適した相談先は変わります。
提案書を比べるときは、実績の範囲、技術力、体制と契約の3点を見ると判断しやすくなります。
実績と経験の確認範囲(対象プラットフォーム)
「Db2の実績がある」と言われたら、Db2 LUW、z/OS、iのどれを扱った実績かを確かめます。どの工程を担当したのかも、新規開発・バージョンアップ・移行(他DBからの移行、Db2からの移行を含む)・データ連携・運用保守ごとに分けて聞くとよいでしょう。
実績の社名を公開できない場合でも、業界、データ量、利用者数、停止時間、担当範囲を匿名化して説明できる会社は、比較しやすくなります。また、移行前に小さなデータセットで接続と性能を検証するPoCを提案しているかも、確かめておきたい点です。
現行資産の解析方法も確かめます。DDLやSQLを読むだけでなく、アプリケーションやジョブ、帳票まで棚卸しする計画があるかを見ます。連携ファイル、文字コード、権限、監視設定も対象に入っているかを見ます。
技術力と専門性の非機能要件による評価
Db2の技術力は、SQLの知識だけでなく、バックアップやリストア、HADRといった可用性の仕組みまで含めて評価します。暗号化や監査、性能チューニング、障害対応も、同じ基準で見ます。RTOとRPOを数字で提示し、その達成に必要な構成と試験方法を説明できるかも確かめます。
高可用性を提案された場合は、障害の検知から切り替え、切り戻し、復旧後の整合性確認までの手順を示してもらう必要があります。
2026年のDb2 12.1では、TLS 1.0・1.1や一部の古い暗号方式が継続利用できない変更があり、TLS 1.2・1.3、証明書のホスト名検証、FIPSモードなどの確認が必要です(出典:IBM「What’s changed in Db2 12.1」、2026年8月確認)。古いクライアントや証明書が残る環境では、アップグレード後に接続できない場合もあるため、同じ試験計画で確かめます。
プロジェクト管理体制と契約範囲の確認
要件定義から運用までの責任者が誰なのか、業務アプリ、Db2、インフラ、ネットワーク、セキュリティの担当がどの会社なのかを確認します。特に大規模案件では、複数社の協業が一般的です。
そのため、障害が起きたときの一次窓口、原因切り分け、再委託先への連絡、復旧判断の責任者を、契約書や運用設計書に記載しておく必要があります。個人情報を扱う場合は、アクセス権限と暗号化を要件にします。さらに、ログ監視、識別・認証、委託先・再委託先の管理も、要件として盛り込みます。
個人情報保護委員会のガイドラインでも、委託先の選定基準、契約上の安全管理条項、再委託の報告・承認、定期監査などを確認する考え方が示されています。価格とあわせて、誰がどのデータへアクセスするのかも、提案書に書いてもらうとよいでしょう。
IBM Db2のシステム開発にかかる費用と期間の目安

Db2専用の国内公的統計は確認できないため、ここでの金額は、業務システム一般の相場にDb2のライセンス、移行、HA・DR、性能試験を加味した企画段階の推定です。
この数字は正式な見積ではなく、RFPを作る前の予算取りに使うものです。費用は、データ量、利用者数、既存資産の複雑さ、停止可能時間、クラウドかオンプレミスかによって大きく変わります。
初期費用の幅(100万円台から数億円まで)
Db2へ接続するPoCや小規模な業務アプリなら、環境構築、基本画面、接続確認、初期性能確認を含めて100万〜500万円程度が一つの目安です。1部門の販売・在庫・会計システムを新規構築する場合は、要件定義、DB設計、アプリ、データ連携、受入テストを含めて500万〜1,500万円程度が想定されます。
いずれも個別条件に基づく推定で、ライセンスや運用費は別に見積もる必要があります。さらに、中規模の基幹サブシステムは1,500万〜5,000万円程度、Db2のクラウド移行やモダナイゼーションは3,000万〜1億5,000万円程度です。また、大規模なz/OS・IBM i資産を含む刷新は、1億〜5億円以上になることがあります。
9〜24か月、または1〜3年以上の期間になる案件では、現行調査と移行リハーサルを初期フェーズに分け、後工程で想定外の作業が膨らまないようにします。
クラウド料金の内訳(Db2ライセンスと運用費)
IBM公式のDb2 Database SaaSは、専用計算資源の構成で月額USD630からと案内されています(出典:IBM「Db2 Database Pricing」、2026年8月確認)。これは構成や地域、税、ストレージ、IOPSによって変動する価格の目安であり、開発費や運用委託費を含む総額ではありません。
AWSのRDS for Db2では、AWSのインスタンス、ストレージ、バックアップ、通信、Multi-AZなどの料金に加え、Db2ライセンスをBYOLまたはAWS Marketplaceの時間課金で用意します(出典:AWS「Amazon RDS for Db2 Pricing」、2026年8月確認)。
無料プランも開発・評価向けで、容量や接続数、本番サポートの条件が異なります。そのため、クラウドの見積書では、初期構築費、月額インフラ費、Db2ライセンス費、監視・保守費、将来の増設費を分けて記載してもらうと比べやすくなります。
2026年時点で確認したいDb2の最新動向

Db2は従来型のエンタープライズデータベースでありながら、クラウド、コンテナ、AIを組み合わせた運用へ広がっています。
新機能を取り入れる際は、製品の新しさだけでなく、既存アプリや運用手順、監査証跡、担当者のスキルが追随できるかを確かめてください。
Db2 12.1.4のAIを使った管理機能
IBM公式ドキュメントでは、Db2 12.1.4でDb2 Genius Hubを通じたAIによる日常管理支援が案内されています。
バックアップやリカバリー、ヘルスチェック、性能最適化などの定型作業を支援する方向性が示されています。ただし、AI機能を有効にしても、運用設計は別に必要です。
そのため、誰が提案を承認するのか、変更履歴をどう残すのか、誤った判断をどう防ぐのかを決めておく必要があります(出典:IBM「Highlights of Db2 12.1.4」、2026年8月確認)。
古い接続方式と委託先の管理の見直し
Db2 12.1では、古いTLSや暗号方式、証明書、認証、権限の扱いに変更があります。そのため、バージョンアップ前に、アプリケーションのJDBC・ODBCドライバー、接続プール、外部連携、LDAP、証明書の有効期限を一覧にしておきます。
開発会社へ依頼する場合は、接続試験の対象と合格条件をRFPに書いておきます。また、IPAの「情報セキュリティ10大脅威2026」では、組織向けの脅威として、サプライチェーンや委託先を狙った攻撃、AIの利用をめぐるサイバーリスク、システムの脆弱性を悪用した攻撃などが挙げられています(出典:IPA、2026年)。
Db2のアクセス権限や監査ログに加えて、委託先・再委託先のアカウント、リモート接続、作業証跡まで、契約と運用の両方で管理します。
IBM Db2のシステム開発会社に関するよくある質問

Db2の会社選びでは、製品の機能だけでなく、費用、移行、セキュリティ、運用体制まで確認する必要があります。発注前によくある質問に、それぞれ答えていきます。
Db2を使った新規システム開発はできますか?
できます。Db2は、業務アプリケーション、ERP、基幹業務、データ連携基盤のバックエンドとして利用できます。
新規開発では、まずDb2のエディション、利用環境、ライセンス、将来のデータ量を決めます。そのうえで、バックアップと可用性を決め、Java、.NET、ODBC、RESTなどの接続方式を設計します。
既存のDb2をクラウドへ移行する際の注意点は何ですか?
データだけでなく、アプリやSQL、ストアドプロシージャ、ジョブ、帳票まで移行対象に含めることが大切です。文字コードや外部接続、バックアップ、監視、障害時の手順も対象に入れます。
IBM CloudやAWS RDS for Db2では、データベース料金に加えてライセンス、ストレージ、通信、運用費が発生するため、現行環境とのTCOを比較してください。停止可能時間と切り戻し条件も、契約前に決めておきます。
Db2のシステム開発費用はどのくらいですか?
小規模なPoCや業務アプリなら100万〜500万円、1部門の新規構築なら500万〜1,500万円、中規模の基幹サブシステムなら1,500万〜5,000万円程度が企画段階の目安です。Db2のクラウド移行は3,000万〜1億5,000万円、大規模な基幹刷新は1億〜5億円以上になる場合があります。
相場は推定であるため、見積ではライセンス、データ移行、HA・DR、性能試験、保守を分けて確認します。
開発会社へ最初に聞くべき質問は何ですか?
最初に、対象プラットフォーム、類似案件の担当範囲、現行資産の解析方法を聞いてください。続けて、移行リハーサルの回数、RTO・RPO、24時間運用の有無、再委託先、見積に含まれない作業を尋ねると、比べやすくなります。
Db2の製品知識だけでなく、業務要件定義からアプリ開発、データ移行、インフラ、セキュリティ、運用保守まで、誰が担当するのかを確認します。そうすると、会社間の比較がしやすくなります。
まとめ|Db2を扱える範囲と業務システム全体の責任範囲での選び方

IBM Db2のシステム開発会社は、知名度や価格だけでなく、Db2 LUW・z/OS・iのどれを扱えるか、現行資産の解析から移行・運用まで対応できるかで選びます。
株式会社riplaは業務要件の整理から開発・定着まで一気通貫で相談したい企業に、日本アイ・ビー・エムは製品と大規模基盤を重視する企業に向いています。NTTデータは大規模移行、SCSKはIBM資産との連携を重視する企業に、富士通はサーバー基盤、NECはHAクラスタ、キンドリルはクラウド運用を重視する企業に適しています。
現行環境と発注範囲を1枚にまとめる作業
最初の相談では、Db2のエディションとバージョン、稼働基盤、データ量を1枚にまとめます。連携先や利用者数、停止可能時間、RTO・RPO、個人情報の有無も、同じ紙に書き添えておくと話が進みやすくなります。
そのうえで、要件定義・アプリ開発・データ移行・インフラ・セキュリティ・運用保守のどこまでを任せるかを決めます。範囲が決まれば、6社から比べやすい提案を受けられます。
業務側からDb2システム全体を見直す場合の相談先
Db2の専門会社に業務要件や現場定着まで任せるのが難しい場合や、既存システムを移すだけでなく業務プロセスも改善したい場合は、riplaのようにコンサルティングから開発まで支援する会社へ相談する方法があります。
必要に応じてIBMや基盤会社、クラウド運用会社と連携し、責任分界点を明確にした体制を作ることが、長く使えるシステムにつながります。
▼全体ガイドの記事
・IBM Db2のシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
