事故管理システムの開発会社は、対象業界、導入実績、既存業務との連携範囲で比べると選びやすくなります。なかでも、自社の報告から再発防止までを支えられる会社かどうかが大切です。
6社それぞれの得意領域に加えて、発注前の確認事項、費用と導入後KPIも紹介します。
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事故管理システムのパートナー選びが重要な理由

事故管理システムは、報告から原因分析、対策の承認、再発防止までを支える業務基盤です。そのため、会社を選ぶときは機能の数だけでなく、業務の流れを設計できるかを見ます。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
事故報告では、入力のしやすさと導入後の評価指標を一緒に設計しておく必要があります。集まる報告の中身は、入力項目や報告の手軽さで変わります。そこで、報告の粒度から効果の測り方まで、設計で確かめておきたい点を5つ挙げます。
- 分類:拠点ごとに記入の粒度が違うと、本社での集計時に転記が必要になりがちです
- 入力項目:多すぎると、軽微なヒヤリハットは報告されず、重大事故だけが後から見つかることもあります
- 報告のしやすさ:スマートフォンで写真を添付し、選択式中心で短時間に報告できると、事故の前兆も積み上がっていきます
- 報告件数:導入初期に増えた報告率は、異常共有の結果かもしれず、増加が失敗とは限りません
- 効果の指標:初動時間や重大事故の確認漏れ、対策期限の超過、類似事故の横展開などを指標に入れます
報告から改善までを支えられる開発会社を選ぶことが大切です。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、事故の対象範囲を次の3点で決めておきます。対象が変わると、必要な入力項目や権限も変わるためです。
- 事故の種類:労災、設備事故、交通事故、ヒヤリハットのうち、どれを扱うか
- 医療・保険の範囲:インシデントとアクシデントを分けて扱うか、受付や支払いまで管理するか
- 導入条件:対象業界、拠点数、利用者数、保存年限、現行帳票、連携先の6点
これらを1枚にまとめて各社に渡せば、見積もりを同じ条件で比べられます。
費用は初期設定だけでなく、データ移行、承認ルート、帳票、API連携、保守などに分けて確認します。小規模なSaaSなら月額で始められる一方、複数拠点、多言語、既存システム連携を含むと、個別開発が必要になる場合があります。
個人情報や健康情報を扱う場合は、契約に安全対策を盛り込む必要があります。対象は、アクセス権限、暗号化、監査ログ、委託先の監督です。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援する企業です。IT事業会社として社内DXを進めた経験を活かし、成果の創出から、システムが現場に定着するまで支えます。
営業、顧客、生産、販売管理など、幅広い基幹システムの構築と導入の実績があります。さらに、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制です。
特徴と強み
既存の業務システムや現場の運用と事故管理をつなぎ、導入後の定着まで相談したい企業に向く候補です。
現場の報告、上長の承認、安全部門の分析、対策担当者への通知を一つの流れに整理できます。また、部門ごとに見られる範囲も設計できます。
事故種別や重大度の定義がまだ固まっていなくても、現行の紙帳票やExcelをもとに要件を整理できます。
得意領域・実績
基幹業務にまたがる課題を整理したうえで、導入後の利用定着まで支援してほしい企業に向いています。勤怠、車両管理、設備保全、人事、BIなどと連携する場合は、どの情報を正とするか、いつ同期するかも検討できます。
独自の重大度判定や承認ルートがある場合は、標準機能に合わせる範囲と個別開発する範囲を分けておくと、将来の保守負担を抑えやすくなります。
株式会社日立ソリューションズ|大規模・グローバルな労災管理に対応

株式会社日立ソリューションズは、住友商事の労働災害管理システム「GENSAI」を構築しました。このシステムは、情報共有基盤「活文 Managed Information Exchange」をもとにしています。
住友商事の事例では、63カ国・125拠点の労災情報を同一の基準で管理し、過去事例の検索や再発防止に活用しています。グループ全体の安全情報を統合する案件の参考になる実績で、国内一拠点向けの製品とは対象の広さが異なります。
特徴と強み
GENSAIは、入力から判定・通知までを一つのシステムで扱える製品です。
- 入力・言語:項目を定義して情報の粒度をそろえ、日本語と英語に対応します
- 判定・通知:独自基準による労災レベルの自動判定や、メール通知先の設定ができます
- 段階導入:2025年5月に入力・共有の標準機能を、同年9月に自動判定・集計機能を追加したと公表されています
この導入情報は同社が公表しています(出典: 株式会社日立ソリューションズ「住友商事が労働災害管理システムを構築」、2026年)。
標準機能から始めて段階的に広げる進め方を取り入れやすい点も特徴です。
得意領域・実績
海外拠点を含む複数の法人で安全基準をそろえ、事故情報を類似事例の横展開に生かしたい企業に向いています。
各国の法令上の事故定義と、グループ共通の基準が一致しないことがあります。その場合は、社内の基準をデータ項目と判定ルールに落とし込む必要があります。
問い合わせの際は、多言語の入力と通知、拠点別の閲覧権限、現地担当者への教育を確認します。人事や安全衛生データとの連携範囲は、どこまで対象にするかを早めに伝えると話が進めやすくなります。
株式会社日立ソリューションズ西日本|金融機関の事務事故の一元管理
株式会社日立ソリューションズ西日本は、金融機関などの事務リスク管理を支援するシステムを提供しています。製品には、「事務事故管理システム」と「オペレーショナルリスク報告管理システム」があります。
事務事故や事務ミスに加え、苦情・相談も含めて一元管理します。扱う範囲は、発生報告、顛末、承認、本部モニタリング、リスク分析、統計です。労災管理と比べると、金銭的な損失や顧客への影響、事務プロセスの改善を重視する案件に適しています。
特徴と強み
発生情報と顛末情報は分けて登録し、承認できます。そのうえで、原因や事故防止策、影響を受けた顧客なども、後から追跡できます。
登録項目を統一しておくと、報告書のばらつきを抑えられます。その結果、発生原因や傾向、損失額も分析しやすくなります。
画面や帳票の文言、ワークフローを利用者が定義できる簡単セットアップ版も案内されています(出典: 株式会社日立ソリューションズ西日本「オペレーショナルリスク報告管理システム」、2026年8月確認)。
得意領域・実績
金融機関での運用と、金融以外の業務へ広げるときの確認点を、4つの点で整理します。
- 対象:銀行、信用金庫、金融グループなどで、事務ミスや苦情・相談を横断して管理します
- 運用:営業店から本部へ報告し、主管部が承認したうえで、経営層が統計と損失額を確認します
- 金融以外:事故種別、顧客影響、損失額、原因分類、是正措置を、自社の業務に合わせられるかどうかです
- システム連携:勘定系や顧客管理システムとの連携の要否です
株式会社ソフトサービス|医療現場のインシデント報告を効率化
株式会社ソフトサービスは、医療現場向けの「インシデントアクシデント管理システム」を開発・提供しています。報告を集めて、医療安全に関する分析と対策を支えます。病院内の報告事務を軽くし、これまで報告されなかった事例も共有しやすくすることを目的としています。
特徴と強み
公式サイトでは、導入後に報告件数が3割増えた実績を紹介しています。また、リスクマネジメント業務の時間を半分以下に減らせる可能性も示しています。
ただし、この効果はすべての病院で保証されるものではありません。入力のしやすさと報告の網羅性を重視する設計の参考になります。
選択項目を中心に入力でき、Web型なので院内の複数の端末から利用しやすい点も特徴です(出典: 株式会社ソフトサービス「インシデントアクシデント管理システム」、2026年8月確認)。
得意領域・実績
病院で導入する場合は、利用部門や報告機能から患者情報と情報保護までの4点を見ておきます。
- 利用部門:医療安全部門、リスクマネジメント委員会、看護部などが対象で、報告から集計・対策まで効率化したい場合に向いています
- 報告機能:報告書の入力や承認、集計、グラフ化、Excel出力などの対応状況を見ます
- 患者情報:電子カルテや医事会計と連携する場合は、患者番号や病棟などの項目を見ておきます
- 情報保護:閲覧できる範囲と匿名化の方法を、見積もりの段階で確かめます
株式会社ベスピィ|5,000名規模の社内インシデントを共有管理
株式会社ベスピィは、5,000名以上の従業員が報告するインシデントを共有管理する社内システムの設計・開発実績を公開しています。
重要なインシデントについて、役員の改善指示から対策、経過報告、承認までをシステム化した事例です。業界専用の既製パッケージよりも、独自の報告・承認・連携の要件に合わせたWebシステムを開発したい場合の候補になります。
特徴と強み
制作実績では、システム設計・開発・デザインのほか、他社システム連携とアカウント管理を機能として挙げています。
利用者が多い場合は、報告者、部門管理者、役員、対策担当者ごとに閲覧範囲と承認権限を分けて設計することが求められます。また、重要度に応じて通知先を変えたり、対応状況を一覧で追ったりする仕組みも相談できます。
得意領域・実績
事故のほか、情報セキュリティ、品質、顧客対応、業務上のヒヤリハットなど、社内の幅広い事象を一元管理したい企業に向いています。従業員マスタ、認証基盤、ワークフロー、グループウェアと連携する場合は、発行・異動・退職に伴う権限の変更を確認します。
5,000名超の実績は参考になります。ただし、自社の同時アクセス数や拠点数、添付容量、通知量を示したうえで、性能と運用体制を評価してもらうことが大切です。
株式会社アドソフト|保険代理店の事故受付から支払いまで管理
株式会社アドソフトは、保険代理店向け事故管理システムの開発実績を公開しています。事故受付、進捗、保険金支払い、安全管理を一括で管理し、契約者への報告資料も出力します。労災や医療の事故報告とは違い、受付後の顧客対応と保険金業務を続けて管理したい企業に適した実績です。
特徴と強み
事故受付の情報を保険契約者の情報と紐付け、対応の進捗や支払い状況を社内で共有できます。
受付、査定、顧客担当、管理者が同じ情報を参照できると、電話やメールでの確認を減らせます。さらに、報告資料も同じ情報から作れます。
保険会社とのデータ授受、契約者への通知、個人情報の保管期間は、案件ごとに異なります。そのため、標準機能と追加開発の境界がどこにあるかを、事前に確かめてください。
得意領域・実績
保険代理店や保険仲立人、事故対応を行う企業などで、受付から支払い、顧客報告までを一つの流れで管理したい場合に候補になります。受付窓口が複数ある場合は、Webフォーム、電話、紙からの入力をどう統合するかを整理します。
事故後の安全管理も扱う場合は、原因や再発防止策の記録項目を追加します。支払い管理だけで終わらないKPIを設計しておくと、効果を測りやすくなります。
事故管理システムのパートナー選びのポイント

6社は同じ「事故管理」でも、対象の業界と目的が異なります。労災なら安全衛生と多拠点管理、金融なら事務リスクと損失分析を重視します。医療なら報告の網羅性と患者情報、保険なら受付から支払いまでの業務連携を重視します。
候補会社を絞るときは、業界に合わせた観点をRFPに盛り込みます。
実績と経験を確認する方法
業界名が合っているかだけでなく、自社との業務の近さも確かめておきます。実績を尋ねるときは、5つの観点で見ます。
- 業務の近さ:自社に近い事故分類、利用者、承認階層、帳票での経験があるかを見ます
- 導入規模:導入企業の業界、拠点数、利用者数、報告件数を尋ねます
- 入力・改善:スマートフォン入力の有無と、導入後にどう改善してきたかを聞きます
- 開発の進め方:標準機能のあとに独自判定や集計を追加した経験の有無です
- 業務シナリオ:画面デモで登録からクローズまで確かめ、重大事故の通知、代理承認、期限超過、再発防止策、監査ログも見て運用を把握します
技術力と専門性を評価するポイント
入力端末や権限、連携、データ保護を、自社の利用環境と扱う情報に合わせて確認します。
- 入力・連携:スマートフォンやレスポンシブWeb、写真・動画・音声、オフライン一時保存、SSO、APIへの対応を見ます
- 保護・運用:役割ごとの権限、暗号化、バックアップ、監査ログ、履歴の保存年数の設定です
- 機微情報:けがの程度や患者情報、契約者情報について、閲覧できる範囲と分析データの匿名化を確かめます
個人情報保護委員会のガイドラインでは、委託先の安全管理措置を事前に確認することが望ましいとされています。また、契約に安全管理や取扱状況の把握を盛り込むことも望ましいとされています。
出典として、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」を参照しています(2026年8月確認)。
クラウドを使う場合は、保存場所や再委託先、障害時の連絡、データの返却・削除、脆弱性への対応を、どこまで誰が受け持つかも確認してください。
費用と導入後KPIの確認
事故管理システムの費用は、公開料金のあるSaaSと個別開発で大きく異なります。
運送業向けSafeDrive AIは、月額9,800円、19,800円、29,800円の税抜プランを公式サイトで案内しています。機能は、ドライバー数やAI音声記録、管理者ダッシュボード、月次報告書PDF、複数拠点などによって異なります。
小規模な運送業向けSaaSの公開価格の一例です。この価格はSafeDrive AI公式サイトを参照しています(2026年8月確認)。
受託開発で、事故分類、承認、帳票、既存API連携、データ移行を含む場合は、一般的な業務システムの工数から、次の推定レンジが目安になります。
- 小規模:300万〜700万円程度
- 中規模:700万〜1,800万円程度
- 大規模:1,800万〜4,000万円以上
この数字は、要件の複雑さから算出した目安です。事故管理システムだけを対象にした、公的な価格統計ではありません。
見積書は、要件定義から移行までの工程と、教育、保守、追加連携の費用に分けて比べます。また、導入後は、報告件数、一次確認までの時間、重大事故の通知漏れ、対策の期限内完了率、類似事故の横展開数、再発率をKPIにします。
入力のしやすさは、報告完了までの平均時間や写真の添付率で確かめられます。報告件数が増えたときは、それを事故の増加と決めつけず、報告しやすさや未然防止の事例も併せて評価します。
よくある質問(FAQ)
業界や規模を問わず、相談されることの多い質問をまとめました。
候補会社には、自社の事故の定義と現行のフローを伝えます。そのうえで、標準機能で対応できる範囲と、個別開発が必要な範囲を分けて確認してください。
事故管理システムとは何ですか?
事故管理システムは、事故、労災、インシデント、ヒヤリハットを報告し、原因分析や対策、承認、再発防止を管理するためのシステムです。事故の定義は業界によって異なるため、労災、交通、医療、金融、保険のどれを扱うかを先に選びます。
事故管理システムの開発費用はいくらですか?
小規模なSaaSは、月額1万円前後から始められる例があります。一方、複数拠点の権限や帳票、既存システム連携、データ移行を含む場合は、個別見積もりになります。
受託開発の費用は、入力画面、承認段階、外部連携、テスト、教育、保守の範囲によって変わります。そのため、初期費用だけでなく3年間の総保有コストで比べることが大切です。
AIで事故原因や重大度を自動判定できますか?
報告書の下書き、類似事例の検索、傾向の分類、再発防止案の提示などは、AIで検討できます。ただし、重大度や原因をAIだけで確定すると、誤判定が安全上の判断に影響するおそれがあります。
安全担当者が出力を確かめる役割を担い、利用データの匿名化や学習利用の有無、ログの保存、誤りを訂正する手順を設計しておく必要があります。
まとめ
おすすめの開発会社は、順位よりも、自社の事故の種類や業界、拠点数、既存システム、承認・帳票の要件との適合で決まります。
ここまでは、株式会社ripla、株式会社日立ソリューションズ、株式会社日立ソリューションズ西日本を取り上げました。株式会社ソフトサービス、株式会社ベスピィ、株式会社アドソフトも対象に含めています。
自社に合う会社を選ぶ考え方
10〜30人程度の単一拠点で早く始めたい場合は、公開料金のあるSaaSを試し、現場での入力が定着するかを確かめます。一方、複数拠点や既存API連携、独自の重大度判定がある場合は、SIerや個別開発会社に要件定義から相談します。
医療、金融、グローバル案件では、業界実績に加えて、個人情報の扱いや監査ログ、多言語対応を比べます。権限の設計と委託先の管理、障害時のSLAは、特に確かめたい点です。
まず整理したいRFPの項目
候補会社へ同じ条件を提示できるよう、相談前に次の要件を整理します。
- 事故と報告:事故種別、報告者、入力端末、必須項目、添付、重大度
- 対応フロー:承認者、通知条件、対策期限、完了証跡、帳票
- システム要件:連携先、保存期間、権限
報告件数や初動時間、対策完了率、再発率などの導入後KPIも決めておくと、導入そのものが目的化するのを防げます。
候補会社には、同じ業務シナリオで提案と見積もりを依頼します。そのうえで、標準機能、設定、個別開発、保守を分けて比較してください。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
