Jakarta EEのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Jakarta EEのシステム開発費用は、業務範囲と連携数、既存Java資産の移行難易度、可用性やセキュリティの要件によって大きく変わり、初期開発では300万円台から1億円超まで幅があります。

この記事では、Jakarta EEのシステムにかかる費用相場を、小規模・中規模・大規模の価格帯に分けて解説します。人件費、要件定義、設計、実装、テスト、クラウド、ライセンス、保守運用までの内訳と、見積金額が変動する理由、コストを抑える進め方も整理します。

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Jakarta EEのシステム開発費用はなぜ案件ごとに違うのですか?

Jakarta EEのシステム開発費用を検討する担当者

案件ごとに費用が違う最大の理由は、Jakarta EEが完成した業務パッケージではなく、Web画面、REST API、認証・認可、データベース、トランザクション、バッチなどを組み合わせて業務システムを構築するためです。同じJakarta EEを採用しても、1部門の申請画面と、全国拠点で使う受発注基盤では必要な工数がまったく異なります。

Jakarta EEは業務システムの土台となる標準仕様です

Jakarta EEは、旧Java EEを引き継ぐ企業向けJavaアプリケーションの標準仕様群です。画面を作るServletやPages、API連携のRESTful Web Services、データアクセスのPersistence、業務ロジックのCDI、トランザクション、セキュリティ、メッセージングなどを、アプリケーションサーバー上で動かすための共通ルールと考えると分かりやすいです。

そのため、仕様の利用料だけを支払えばシステムが完成するわけではありません。要件定義、画面やAPIの設計、データモデルの設計、実装、試験、デプロイ、運用設計までを含めたプロジェクト費用として考える必要があります。標準APIを活用できても、業務ルールや既存データの扱いは個別設計になるためです。

標準仕様の採用は将来費用にも影響します

Jakarta EE 11は2025年6月26日に一般提供され、Java SE 17以上を前提に、Java 21のVirtual ThreadsやJakarta Dataなどが追加されています。標準仕様と対応サーバーを選べば、特定ベンダーの独自機能に依存しすぎない設計を目指せますが、実際の移行性は利用するProfile、サーバー製品、ライブラリ、設定ファイルまで確認する必要があります。(出典: Eclipse Foundation「Jakarta EE 11 Release」、2025年)

2025年のEclipse Foundation調査では、回答者1,700人超のうちJakarta EEの利用者が58%、Springの利用者が56%、Jakarta EE 11の採用者が18%でした。これは市場全体のシェアではなく回答者ベースの調査ですが、企業向けJavaの標準仕様が現役で採用されていることを示す材料になります。長期運用を前提に、初期費用だけでなく、将来のアップデートやベンダー変更のしやすさも評価することが大切です。(出典: Eclipse Foundation「The State of Enterprise Java: 2025 Jakarta EE Developer Survey」、2025年)

Jakarta EEのシステム開発費用相場

業務システムの規模別費用相場

Jakarta EE専用の国内価格統計は公開されていないため、以下は業務システム全般の相場をもとに、Javaエンタープライズ開発で発生しやすい工程や品質要件を加味した初期予算の目安です。金額は税別の概算として扱い、要件定義後にWBSと工数で再計算してください。

小規模Web業務アプリは300万〜1,000万円程度です

1部門で利用する申請、顧客管理、在庫照会など、基本的な登録・検索・更新が中心のシステムなら、初期開発費は300万〜1,000万円程度が一つの目安です。期間は3〜6か月程度を想定し、画面数が限定され、外部連携や複雑な帳票が少ないことを前提にします。認証・認可、操作ログ、バックアップ、受入テストまで含めると下限を超えやすくなります。

オープンソースのJakarta EE対応サーバーを使えば、アプリケーションサーバーのライセンス費用を抑えられる場合があります。ただし、無償であることと運用費が不要であることは別です。脆弱性情報の確認、パッチ適用、障害時の調査、バックアップ復元の担当者を社内で確保できない場合は、保守契約や商用サポートを予算に含めます。

中規模業務システムは1,000万〜5,000万円程度です

複数部門が利用し、REST API、承認ワークフロー、定期バッチ、帳票、データベース連携、基幹システムとの接続を含む場合は、1,000万〜5,000万円程度を見込むことが多いです。開発期間は6〜12か月程度が目安ですが、部門ごとの業務差異やデータ移行のリハーサルが多いと、さらに長期化します。

この規模では、アプリケーションだけでなく、開発・検証・本番環境、CI/CD、監視、ログ保管、権限管理までが見積対象になります。画面の数だけでなく、1つの業務フローに何種類の権限分岐があるか、1日に何件のデータを処理するか、障害時に何分以内の復旧が必要かを確認しないと、見積の比較ができません。

大規模・基幹システムは5,000万円〜1億円超です

高可用性、複数拠点、大量データ、複数の外部システム連携、監査証跡、24時間運用、災害対策まで必要な基幹システムでは、5,000万円〜1億円超の予算になる可能性があります。開発期間は12か月から2年以上に及ぶことがあり、要件定義だけで数か月を要するケースもあります。

このレンジでは、業務アプリの実装費よりも、移行計画、性能試験、障害復旧試験、セキュリティ診断、教育、運用引継ぎ、プロジェクト管理の費用が大きくなることがあります。特に停止できないシステムでは、旧環境と新環境を並行稼働させる期間や、切り戻し手順の検証が必要になるため、単純な画面数では予算を判断できません。

既存Java EEからの移行は500万〜5,000万円超です

既存Java EEからJakarta EEへ移行する場合、費用は500万〜5,000万円超まで広がります。対象アプリが小さく、依存ライブラリとサーバーが対応済みなら比較的抑えられますが、javax.*からjakarta.*への名前空間変更、XML設定、認証方式、JPAやメッセージングの互換性を一つずつ確認する必要があります。

移行費用を見積もるときは、ソースコードの置換作業だけで判断しないことが重要です。単体テストが不足している場合はテストの追加、古いライブラリが残っている場合は依存関係の更新、処理結果の差異が出る場合は回帰テストとデータ検証が必要になります。最初に棚卸しと小規模な移行検証を行うと、予算のブレを小さくできます。

Jakarta EEのシステム開発費用の内訳

Jakarta EEのシステム開発費用の内訳

見積書では、開発費を一つの総額にせず、工程と対象範囲を分けて確認します。リサーチノートで整理した業務システムの配分を目安にすると、要件定義10〜12%、設計・環境構築22〜24%、実装48〜50%、テスト15〜17%程度です。案件の難易度によって変わるため、比率を固定価格の根拠にせず、各工程の成果物と工数を確認してください。

要件定義・企画の費用

要件定義では、業務フロー、利用者と権限、画面、帳票、API、バッチ、データ移行、運用時間、障害時の目標を整理します。費用は10〜12%程度を目安にできますが、現行システムの資料が少ない、部門ごとに業務が違う、経営層と現場で要望が異なるといった場合は、調査と合意形成の工数が増えます。

Jakarta EEを採用するかどうかも、要件定義の段階で技術名だけから決めないことが大切です。既存Java資産を生かせるか、Web Profileで足りるか、Core ProfileやPlatform相当の機能が必要か、アプリケーションサーバーの商用サポートが必要かを、非機能要件と一緒に判断します。

設計・環境構築の費用

設計・環境構築では、画面やAPIの詳細設計だけでなく、データベース、トランザクション境界、認証・認可、監査ログ、メッセージング、バッチ再実行、バックアップ、CI/CD、監視まで決めます。クラウドやコンテナを使う場合は、ネットワーク、秘密情報、イメージ管理、ログ保管、スケール条件も対象です。

費用配分は22〜24%程度を一つの目安にできますが、高可用性や災害対策を求める案件では設計費が増えます。Oracle WebLogic Serverのようにクラスタリングや監視、コンテナ、Kubernetes対応を備える製品を使う場合でも、要件に合わせた構成設計と運用手順の作成は別途必要です。製品の機能があることと、設計が自動で完了することは同じではありません。

実装・テストの費用

実装費は全体の48〜50%程度になりやすく、画面数よりも業務ルールの複雑さ、権限分岐、外部連携、例外処理、データ量に左右されます。Jakarta Persistenceでデータベースを扱う場合も、単純なCRUDだけなら工数を抑えやすい一方、履歴管理、排他制御、集計、性能要件が加わると設計と検証が増えます。

テスト費は15〜17%程度を目安にできますが、基幹システムでは単体・結合・総合テストに加えて、性能、脆弱性、障害復旧、バックアップ復元、移行リハーサル、ユーザー受入を計画します。認証や決済、個人情報を扱う場合は、正常系だけでなく権限外アクセス、セッション、ログ、暗号化、異常終了時の再処理も確認する必要があります。

クラウド・ライセンス・保守の費用

初期開発費とは別に、アプリケーションサーバーの商用ライセンスやサポート、Javaランタイム、データベース、クラウド、監視、バックアップ、脆弱性対応、問い合わせ窓口の費用が発生します。保守運用は初期開発費の年15〜25%程度、または月15万〜80万円程度を目安にできますが、24時間365日対応やSLAを付けると上振れします。

クラウドの料金は、アプリケーションの利用料だけでなく、データベース、ログ、通信、バックアップ、監視を足して考えます。例えばAWS App Runnerの東京リージョンでは、稼働中コンテナの料金が0.081米ドル/vCPU時間、0.009米ドル/GB時間、待機中のメモリ料金が0.009米ドル/GB時間と掲載されています。0.5 vCPU・1GBを1台で30日稼働させる単純計算では、稼働中の計算資源だけで約65米ドルですが、データベースやログは含まれません。(出典: Amazon Web Services「AWS App Runner Pricing」、2026年確認)

Jakarta EEの見積もりを作る手順

Jakarta EEのシステム開発見積もりを作成する手順

見積もりを依頼する前に、業務とシステムの境界を明確にします。技術名だけを伝えて「Jakarta EEで作ってください」と依頼すると、会社ごとに含める範囲が変わり、安い見積もりが本当に安いのか判断できなくなります。

業務範囲と非機能要件を先に定義します

最初に、対象業務、利用者数、拠点数、画面、帳票、API、バッチ、データ量、外部システム、移行対象を一覧化します。次に、応答時間、同時利用者数、稼働時間、復旧目標、バックアップ世代、監査ログ、認証方式、個人情報の有無を加えます。ここが曖昧なままだと、機能追加よりも非機能要件の後出しで費用が膨らみます。

小規模なPoCを行う場合は、画面1つだけでなく、REST API、データベース接続、認証、監査ログ、デプロイ、障害時のログ確認まで含めます。Jakarta EEのProfileとサーバー製品が要件に合うかを先に確認できるため、本開発に入ってからの技術的な手戻りを抑えられます。

工程別のWBSと前提条件をそろえます

複数社から見積もりを取るときは、要件定義、基本設計、詳細設計、実装、単体テスト、結合テスト、総合テスト、移行、リリース、保守の項目を同じ順番で提示してもらいます。各項目に人月、単価、期間、成果物、担当範囲、除外事項を記載してもらうと、総額だけでは分からない差を比較できます。

人月単価は、担当者の役割と経験によって変わります。リサーチノートで確認した一般的な目安では、フリーランスが月50万〜80万円、中小開発会社が月80万〜120万円、大手SIerが月150万〜200万円程度ですが、これはJakarta EE専用の公定価格ではありません。PM、上級SE、セキュリティ、データ移行、夜間リリースの専門性が加わると、単価と工数の両方が変わります。

契約方式と追加費用の条件を確認します

請負契約か準委任契約か、要件変更をどのように扱うか、受入条件を誰が決めるかを契約前に確認します。請負契約で機能範囲が曖昧なままだと、発注後に仕様変更として追加費用が発生しやすくなります。反対に、準委任契約でも成果物、稼働時間、会議体、品質確認の方法を曖昧にすると、予算管理が難しくなります。

見積書には、クラウド利用料、商用サポート、データ移行、脆弱性診断、性能試験、教育、運用引継ぎ、リリース立会いが含まれるかを明記してもらいます。含まれない項目を「別途」とだけ書かず、想定する数量と算定方法まで確認できれば、発注後の予算差異を抑えられます。

Jakarta EEの費用が変動する主な要因

Jakarta EEの費用を左右する要因

費用を左右する要素は、Jakarta EEを使うかどうかだけではありません。業務の複雑さ、既存資産、連携方式、品質水準、運用責任の分担が重なるほど、必要な工程と専門人材が増えます。

業務ルールと権限の複雑さ

単純な登録・検索・更新と、承認経路が部門や金額、取引先の状態で変わる業務では、同じ画面数でも工数が違います。締め処理、取消、再計算、履歴、代理承認、権限変更、監査対応があると、業務ロジックとテストケースが増えます。要件定義では画面数だけでなく、業務ルールの分岐数と例外処理を記録してください。

外部連携とデータ移行の難易度

外部連携が増えると、API、ファイル、メッセージング、専用プロトコルなどの方式ごとに、認証、タイムアウト、再送、重複排除、障害通知を設計します。リアルタイム連携だけでなく、夜間バッチや手動再実行の運用も必要になるため、連携本数と1日あたりの処理量を見積書に記載します。

データ移行では、移行対象の抽出、名寄せ、コード変換、欠損補完、クレンジング、移行リハーサル、件数照合、業務部門の確認が発生します。古いJava EEアプリからの移行では、ソースコードを動かすだけでなく、過去データの意味と新しい業務ルールをそろえる必要があるため、移行専門の工数を別建てにするのが安全です。

可用性・性能・セキュリティの要求水準

月間稼働率、復旧時間、同時接続数、ピーク時の処理量、レスポンス時間を高く設定すると、冗長化、負荷分散、キャッシュ、性能チューニング、障害復旧試験が必要になります。個人情報や決済情報を扱う場合は、暗号化、秘密情報管理、最小権限、脆弱性診断、監査ログ、インシデント対応まで含めて見積もります。

Jakarta SecurityのAPIを採用しても、システム全体の安全性が自動的に保証されるわけではありません。認証・認可の方式、ID基盤との連携、セッション管理、WAFやネットワーク分離、依存ライブラリの更新責任を要件と契約に落とし込むことで、後から発生するセキュリティ対応費を抑えられます。

実行基盤とサポートの選択

GlassFish、WildFly、Open Liberty、Payara、Oracle WebLogic Serverなど、Jakarta EE対応の実行基盤にはそれぞれ、対応する仕様、サポート範囲、運用方法、商用契約が異なります。無償のコミュニティ版を使うか、商用サポート付きの製品を使うかで、ライセンス費用だけでなく、障害時の調査時間と社内の運用負担も変わります。

例えばPayara Qubeの公式料金ページでは、従量課金が0.005米ドル/vCPU分、Standardが月432米ドル、Premiumが月3,300米ドルと掲載されています。これは特定のマネージド基盤の料金例であり、アプリケーション開発費やデータベース費用を含む総額ではありません。料金改定、為替、利用量、サポート範囲があるため、発注時点の公式見積で確認してください。(出典: Payara Services「Payara Qube Pricing」、2026年確認)

Jakarta EEのシステム開発費用を抑えるポイント

Jakarta EEのシステム開発コストを最適化する方法

コスト削減で重要なのは、単価を下げることより、作り直しと運用負担を減らすことです。必要な品質を維持しながら、標準機能を使う範囲、後回しにする機能、再利用する資産、運用を自動化する範囲を決めます。

標準APIとFit to Standardを優先します

Jakarta EEの標準APIや選択したProfileで実現できる機能は、独自の仕組みを増やさずに使います。独自機能を追加すると、初期実装だけでなく、アップデート、テスト、ドキュメント、担当者交代のコストも増えるためです。業務上の差別化につながらない細かな画面仕様は、標準的な入力や承認の流れに合わせることで、見積の予測性を高められます。

ただし、現場の重要な業務を無理に標準へ合わせると、手作業やExcelへの転記が増えて別の費用が発生します。Must、Should、Couldのように優先順位を付け、初期リリースで必須の機能と、利用状況を見て追加する機能を合意しておくことが現実的です。

既存資産の再利用とPoCで手戻りを減らします

既存のJavaコード、データモデル、認証基盤、テスト資産、CI/CD設定を再利用できれば、実装費を抑えられる可能性があります。ただし、再利用できるかを確認せずに「流用できる」と決めると、古いライブラリやベンダー固有APIが後で問題になります。依存関係、テストの有無、ライセンス、性能を小さな範囲で確認してください。

PoCでは、最も難しい連携や性能が懸念される処理を先に動かします。例えば既存Java EEアプリの一部をJakarta EE対応サーバーへ移し、javax.*からjakarta.*への変更、認証、DBアクセス、バッチ再実行までを確認します。早い段階で技術的な障害を見つければ、本開発後の大幅な作り直しを避けられます。

段階導入と移行単位を小さくします

既存システムを一度に全面移行するのではなく、利用者や業務領域、API単位で移行する方法があります。先に参照系や影響範囲の小さい業務を移し、運用手順と監視を整えたうえで、受発注や決済など重要な領域へ広げます。段階導入は期間が伸びる場合もありますが、リスクと手戻りを分散できるため、総費用の予測がしやすくなります。

段階導入では、旧システムとのデータ同期、二重入力、切り替え条件、切り戻し方法を先に決めます。移行単位を小さくするだけでは費用は下がらないため、各段階で何を廃止し、何を再利用し、どの運用を自動化するかを決めることがポイントです。

運用自動化と責任分界を見積もります

CI/CD、ログ集約、メトリクス監視、バックアップ、脆弱性スキャン、依存ライブラリ更新を自動化すると、リリースや点検の手作業を減らせます。クラウドのマネージドサービスを使えば、サーバー構築や一部の運用を減らせる一方、データベース、通信、ログ、バックアップ、監視は別料金になるため、月額の上限と利用量を試算します。

自社が担当する範囲と、開発会社やクラウド事業者が担当する範囲を、契約と運用設計書に記載します。障害の一次受付、夜間連絡、パッチ適用、証明書更新、バックアップ復元、脆弱性対応の責任者が不明だと、安い初期見積もりでも保守開始後の追加費用が増えるためです。

開発会社へ見積もりを依頼するときの確認ポイント

Jakarta EEの開発会社へ見積もりを依頼する際の確認項目

見積もりの安さだけでなく、Jakarta EEを使った業務システムを最後まで運用できる体制があるかを確認します。技術者数の多さより、対応するProfileやサーバー、Javaのバージョン、移行、運用、セキュリティを同じ案件で扱えるかが重要です。

対応バージョンと実行基盤を確認します

「Java対応」だけでは情報が足りません。Jakarta EE 11か、どのProfileか、Java 17・21のどちらを使うか、WebLogic、WildFly、Open Liberty、Payaraなどのどの実行基盤か、TCKや互換性をどのように確認するかを質問します。Java EE 7・8からの移行なら、javax.*の変更、依存ライブラリ、XML設定、認証、JPA、メッセージングの実績も確認します。

Oracle WebLogic Serverの公式情報では、Jakarta EE対応、DockerやKubernetesでの稼働、Standard EditionとEnterprise Editionのクラスタリング差などが示されています。こうした製品機能を使う場合は、必要なエディション、ライセンス、サポート期間、冗長化構成を見積書で分けてもらうと、将来の費用を比較しやすくなります。(出典: Oracle「Oracle WebLogic Server Editions」、2026年確認)

移行・クラウド・保守の経験を確認します

既存資産がある場合は、移行前診断、変換、テスト、段階リリース、切り戻しまでの実績を確認します。新規開発でも、コンテナ、Kubernetes、クラウド、データベース、認証基盤、メッセージングを一体で設計した経験があるかを確認してください。実績紹介が「Java開発」だけの場合は、対象製品と担当範囲を追加で聞くことが大切です。

運用については、障害受付の時間帯、SLA、パッチ適用、脆弱性情報の通知、バックアップ復元、月次報告、Javaやサーバーのサポート期限を質問します。開発会社がアプリだけを担当し、基盤やデータベースは別会社が担当する場合は、障害時の連絡経路と切り分けの責任を明確にします。

同じ前提で複数社の見積もりを比較します

複数社へ依頼するときは、同じ要件一覧、画面・API・帳票の数、データ量、連携方式、運用時間、品質基準を渡します。各社の提案で方式が違う場合は、初期費用、月額費用、5年程度の保守・クラウド費用、移行費用を分けて比較すると、目先の価格だけに引っ張られません。

価格が大幅に低い見積もりでは、要件定義、テスト、移行、監視、教育、保守のどれが含まれていないかを確認します。高い見積もりでも、性能試験や24時間対応が不要なら、要件を見直すことで適正化できます。安さを競うのではなく、必要な品質を満たすための費用と、削ってよい範囲を分けることが重要です。

よくある質問

Jakarta EEのシステム開発費用に関するよくある質問

Jakarta EEの費用は、技術仕様の利用料だけでは決まりません。ここでは、発注前に特に質問されやすい費用と選定のポイントを回答します。

Jakarta EEを使うとシステム開発費用は安くなりますか?

Jakarta EEを使っただけで費用が安くなるわけではありません。標準APIや既存のJava資産を再利用できれば実装や将来の移行にかかる工数を抑えられますが、要件定義、テスト、運用、サポートの費用は別に発生します。業務範囲と品質要件をそろえて比較することが大切です。

Java EEからJakarta EEへの移行費用はどのくらいですか?

小規模なアプリであれば500万円未満に収まる可能性もありますが、一般的な初期予算の目安は500万〜5,000万円超まで幅があります。javax.*からjakarta.*への変更だけでなく、依存ライブラリ、サーバー、認証、データベース、回帰テスト、データ移行の範囲で変わるため、最初に対象資産の棚卸しとPoCを行ってから見積もります。

クラウドの月額費用は開発費に含まれますか?

見積書の扱いによって異なるため、開発費と月額のクラウド費用を分けて確認してください。アプリケーション実行基盤のほか、データベース、ストレージ、通信、ログ、監視、バックアップ、商用サポートが発生する可能性があります。開発・検証・本番・待機系の環境数と、通常時・ピーク時の利用量を使って月額を試算します。

Jakarta EEの開発会社は何を基準に選べばよいですか?

対応するJakarta EEのバージョンとProfile、実行基盤、Java EEからの移行、データ移行、クラウド、認証・認可、性能試験、運用保守の実績を確認します。RFPには技術要件だけでなく、障害対応の時間帯、脆弱性対応、サポート期限、追加費用の条件も入れ、同じ前提で複数社を比較してください。

まとめ

Jakarta EEのシステム開発費用のまとめ

Jakarta EEのシステム開発費用は、小規模Web業務アプリで300万〜1,000万円程度、中規模業務システムで1,000万〜5,000万円程度、大規模・基幹システムで5,000万円〜1億円超が目安です。既存Java EEからの移行は500万〜5,000万円超まで幅があり、対象資産、互換性、回帰テスト、データ移行で金額が変わります。

費用は技術名ではなく範囲と品質で決まります

見積もりでは、要件定義、設計、実装、テスト、移行、クラウド、ライセンス、保守を分け、業務範囲、連携数、データ量、可用性、セキュリティ、運用責任を前提条件としてそろえます。標準APIや既存資産を活用し、PoCと段階導入で手戻りを減らすことが、初期費用と長期コストの両方を適正化するポイントです。

発注前に要件と責任分界を整理します

まずは、現在の業務フロー、利用者と権限、画面・API・帳票、外部連携、データ移行、非機能要件を一覧にしてください。そのうえで、Jakarta EE 11を含む対応バージョン、実行基盤、Javaバージョン、保守窓口、クラウド料金の前提を開発会社へ確認すると、自社に合った予算と提案を比較しやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。