Jettyのシステムを発注するときは、まず業務範囲と責任分界を決め、RFPと要件をまとめます。そのうえで契約形態と工程を選んで進めると、提案や見積を比べやすくなります。
Jettyの全体像は、下に示す完全ガイドでも確認できます。
▼全体ガイドの記事
・Jettyのシステム開発の完全ガイド
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Jettyのシステムを発注する前に知る全体像

「Jettyのシステム」と調べても、Jettyだけで受発注や在庫管理ができるわけではありません。そのため発注時には、業務機能を担うJavaアプリと、通信を受け付けてアプリを動かすJettyを一つのシステムとして捉え、運用まで含めて委託範囲を決めます。
Jettyと業務アプリの担当範囲
Jettyが担う機能と、アプリ側で構築する機能は、次のとおり分けて考えます。
- Jetty:HTTPリクエストの受付、TLS設定、Servletの実行、セッション管理、WebSocket通信
- 業務アプリ:画面、業務ルール、データベース、帳票、外部API連携
業務アプリ側は、Spring BootやJakarta EEなどを使って別途構築します。
Eclipse Jetty公式ドキュメント(2026年)は、HTTP/1.1、HTTP/2、HTTP/3、WebSocketに対応すると説明しています。あわせて、JettyをWebサーバー・Servletコンテナとして位置づけ、スケーラブルでメモリ効率を重視する点も挙げています。
Jettyを採用しやすいシステム構成
Jettyは、新規の業務Webシステムや社内ポータルで候補になります。申請・承認システムやAPI基盤も、候補に挙がります。リアルタイム通知を含むダッシュボードも、Jettyを検討しやすい領域です。
Spring Bootでは、標準のTomcatからJettyへ依存関係を切り替え、実行可能JARやコンテナとして配布する構成が取れます。また、Spring Boot公式リファレンス(2026年)は、サーブレット型アプリがEmbedded TomcatとEmbedded Jettyから選べると説明しています。
発注時のJettyとJavaのバージョン確認
2026年時点では、Jetty 12.1.xと12.0.xが安定版で、どちらもJava 17が必要です。12.1.xはJakarta EE 11・10・9・8に、12.0.xはJakarta EE 10・9・8に対応します(出典:Eclipse Jetty公式ドキュメント、2026年)。
Jetty 11・10・9.4はEOLです。既存システムを発注する場合は、javax.servletからjakarta.servletへの移行が必要か、JSPや認証ライブラリに影響があるかを、RFPに記載します。
Jettyのシステムに合う発注形態の選び方
既製サービスに任せる範囲と開発会社へ委託する範囲を先に分けると、発注先と予算を絞りやすくなります。発注形態には、パッケージ・SaaSとスクラッチ開発があります。既存システム改修や、インフラを含む一括委託などもあります。
標準機能で足りる場合のパッケージやSaaS
業務が一般的で、Jettyを直接管理しない場合は、SaaSやパッケージを先に検討します。サーバーのパッチ適用やバックアップを自社で抱えずに済むこともあります。
ただし、利用料や初期設定費は発生します。独自の承認ルールや特殊な計算、複数の基幹連携があると、追加開発や運用上の制約が増えるため、標準機能に合わせて業務を変えられる範囲を確かめておきます。
独自業務が中心の場合のスクラッチとEmbedded Jetty
独自の業務フローに合わせる場合は、Spring Boot+Embedded Jettyで専用アプリを構築する方法が候補になります。既存のServletアプリやWARを活かすなら、Jettyをスタンドアロンのコンテナとして配置し、段階的に改修する方法もあります。
新規開発では、実行可能JARやDockerにまとめる形が取れます。既存資産を移行する場合は、Javaのバージョンと Servlet API の互換性をPoCで検証します。JSPや認証方式も、互換性を確かめる対象です。
一括委託と部分委託の責任範囲
要件定義から運用保守までを一社に一括で任せると、窓口を一本化できます。一方で、提案内容が見えにくくなることがあります。
Jettyのコア部分を専門会社に、業務アプリと国内運用をSIerに分けて任せる方法もあります。その場合は、障害時の一次対応をどの会社が担うかを、契約書で決めておきます。
発注者に業務知識がある場合は、RFPと受入テストを自社で担い、開発と基盤だけを外注すると、費用と主導権のバランスを図れます。
発注前のRFPと要件の整理

見積の精度は、技術力だけでなく、発注者が前提をそろえられるかで変わります。RFPは完成仕様書ではなく、前提をそろえるための資料です。
まず、目的、対象業務、現状の課題を書きます。次に、希望納期と予算の考え方を示します。既存資産と運用体制も加えると、会社ごとの提案を比べられます。
業務の流れで書く業務要件
RFPには、利用者の役割、申請・承認の流れ、例外処理を書きます。管理マスタや帳票、検索条件も含めます。CSV入出力と既存システムとの連携も記載します。
業務の流れは、業務シナリオとして示します。たとえば、営業担当が外出先で登録し、上長が当日中に承認し、会計システムへ連携する、という流れです。そうすると、必要な機能とテスト条件が明確になります。
非機能要件とセキュリティ要件の数値化
性能・運用の条件と、セキュリティの条件は、数値や期限で要件として書きます。
- 性能・運用:利用状況や復旧に関する目標
- セキュリティ:対策内容とパッチ適用期限
性能・運用要件では、同時利用者数とピーク時のリクエスト数を決めます。応答時間、稼働時間、復旧目標は、数値で示します。
データの保持期間、バックアップの頻度、アクセスログの保管期間を、RFPで具体的に定めます。さらに、TLS、認証・認可、管理画面の接続制限は、セキュリティ面の条件として書きます。
秘密情報の保管、脆弱性診断、パッチ適用期限も明記します。実際に、2026年7月にも、12.0.x・12.1.x対象の複数のCVEと修正版が掲載されました(出典:Eclipse Jetty Security Reports、2026年)。
OSSの利用料は無料でも、更新判断と適用試験を担う作業は有償です。そのため、誰が担当するかを要件に含めます。
RFPの納品物と発注者側の協力事項
納品物には、ソースコードや構成図、設定ファイルを含めます。加えて、Jetty・JDK・ライブラリのバージョン表とテスト結果を求めます。運用手順と障害対応手順も、納品物の一部にします。
データ移行仕様や脆弱性診断結果を具体化します。SBOMとライセンス一覧も含めます。発注者側は、マスタの提供と業務担当者のレビューを担います。
移行データのクレンジングや受入テストへの参加者も、RFPに記載しておきます。協力の範囲が曖昧だと、データ準備や仕様確認が遅れ、それが追加費用につながります。
契約形態と段階的な開発の進め方
請負契約は仕様を固定して納品物を受け取る契約で、準委任契約は専門人材の作業時間を確保する契約です。段階契約では、要件整理やPoCだけを先に委託します。
Jettyのバージョン移行や既存アプリの互換性が分からない案件では、全工程を最初から請負にすると、前提が変わったときに追加請求や納期遅延に直結しやすくなります。
工程ごとの請負契約と準委任契約の使い分け
画面やAPIの仕様、データモデルを合意できる実装工程は、請負契約と相性があります。受入条件も合意できることが前提になります。
一方で、要件定義と構成検証は、準委任や短期PoCが使いやすい工程です。運用設計と既存システム調査も、準委任の対象として切り出せます。
契約書では、成果物の定義と検収基準、知的財産権を確認します。再委託と秘密保持、障害対応も、契約条項として押さえます。仕様変更の扱いや終了時の引き継ぎも、契約書に書いておきます。
要件定義から移行までの工程分け
安全に進めるには、現状調査から段階リリースまでを工程に分けます。そのうえで、各工程の完了条件と次へ進む判断者を決め、レビュー記録を残しておきます。
- 現状調査と要件定義
- 非機能要件と脅威分析
- JettyとJavaの構成を試すPoC
- 基本設計
- 実装と単体テスト
- 結合・総合テスト
- 移行リハーサル
- 段階リリース
移行リハーサルを本番直前まで省くと、文字コードや日付、マスタ重複の不具合を見つけにくくなります。権限データの欠落も、本番直前では見落としやすい問題です。
検収条件と仕様変更のルール
検収では、画面表示だけでなく業務シナリオと権限を確認します。加えて、連携エラーと性能も見ておきます。バックアップからの復旧と、障害時の再実行も検収の対象です。
仕様変更のときは、変更の内容と影響範囲を記録します。さらに、追加工数や納期、費用も書き添え、発注者と受託者が承認する流れを作ります。口頭の追加要望は、請負契約でも完成条件をめぐる争いになりやすいので注意が必要です。
Jettyのシステム発注にかかる費用相場と内訳

Jettyは、Eclipse Public License v2またはApache License v2で商用利用・配布できるOSSです。通常、商用ライセンス購入費は発生しません(出典:Eclipse Jetty公式ドキュメント、2026年)。
無料になるのは、実行基盤のライセンス部分です。業務アプリ、人件費、データ移行は、別に見積もります。
さらに、クラウドや監視、セキュリティ診断の費用が加わります。保守と商用サポートも、別の項目として見積もります。
規模別の初期費用の推定レンジ
要件と連携数を含めた推定として、規模ごとの初期費用を見比べます。
- 小規模・社内向け:300万〜800万円
- 中規模の業務Web:800万〜2,000万円
- 基幹連携・高可用性を含む案件:2,000万〜1億円超
この推定は、Jetty専用の公定価格ではなく、編集上の目安です。認証、監査ログ、負荷試験の費用を含みます。さらに、クラウド構築や既存DB連携、移行まで見込んだ目安です。
2026年公開の国内開発会社の相場情報では、単一業務のカスタムシステムは100万〜500万円です。一方、複数業務を統合する基幹システムは、1,000万〜3,000万円以上とされています(出典:Cataly Design「業務システム開発の費用相場」、2026年)。
別の相場情報では、小規模スクラッチ開発が100万〜300万円、中規模が300万〜800万円、中〜大規模が800万〜数千万円です(出典:ノーコード総合研究所「業務システム開発の費用相場」、2026年)。Jetty案件では、Java基盤と非機能要件をどこまで含めるかで、一般的な相場から上下します。
工程別の見積と追加要因
工程ごとに費用項目を分けると、見積の範囲を比べやすくなります。
- 要件・設計:要件定義、基本設計、詳細設計
- 開発・テスト:実装、単体テスト、結合テスト、総合テスト
- 導入・管理:移行、導入、プロジェクト管理
2026年の相場情報では、人月単価は一般に60万〜120万円程度で、開発費の60〜80%を人件費が占めます(出典:ノーコード総合研究所、2026年)。
単価は会社や職種、契約条件によって異なります。何人が何か月関わるのかという見積の前提も、あわせて比べます。
Jetty固有の追加要因には、旧Jettyの更新、Java 8・11からJava 17への移行、javaxからjakartaへの変更があります。HTTP/2・HTTP/3やWebSocketの負荷試験も、費用に含まれます。
TLSと鍵管理、リバースプロキシは、追加要因になります。ログ監視、CVE対応、24時間運用も、見ておく項目です。見積に「その他」や「一式」とある場合は、作業と完了条件を分解してもらいます。
初期費用とランニングコストの分け方
小〜中規模のクラウドでは、利用料や監視、ログ保管に加えて、バックアップや証明書、保守も見込みます。この範囲で、月額5万〜50万円程度が推定レンジになります。
24時間監視や複数ゾーンの冗長化があり、さらに商用サポートやデータ量の増加が加わると、月額50万〜数百万円になる可能性があります。
金額は契約内容と構成によって変わります。「Jettyの保守費」とひとまとめにせず、脆弱性監視、パッチ適用、障害対応を分けて提示してもらいます。OS・JDK更新、アプリ改修、クラウド実費も、同じ形式で示してもらいます。
委託先の選定と見積比較で確認するポイント
Java開発に加えて、Jettyのバージョン管理やクラウド・ネットワークを説明できる会社を選びます。データ移行や運用引き継ぎ、脆弱性対応も説明できるかを確かめます。
Jettyの直接の実績が公開されていなくても、Spring Bootやコンテナの経験があれば候補になります。その場合は、採用理由と担当者の経験を提案時に確かめます。
面談で確認する委託先の実績と運用体制
提案依頼の場では、技術経験、運用対応、実績の範囲を確かめます。
- 更新・構築経験:Jetty 12、Java 17とJakarta、Spring BootのEmbedded Jetty
- 試験・運用経験:HTTP/2・WebSocket試験、DockerやKubernetes運用
- 脆弱性対応:CVE発生時の連絡方法と修正時間
- 実績の範囲:担当範囲、利用者数、連携数、障害対応、引き継いだ納品物
- 役割分担:Jettyのコア部分と業務アプリ・国内運用の分け方
WebtideのようなJettyのコア開発・商用サポートの専門企業と、国内の業務SI会社では、受け持てる範囲が異なります。国内の窓口や業務理解、24時間運用の必要性に応じて、委託先の分担を考えます。
前提条件をそろえた見積の比較
初期費用だけでなく、要件定義の範囲や画面数・API数、テストの種類を同じ条件で比べます。移行データ件数、インフラ構築、監視は、項目ごとに書き出します。ドキュメントと保守期間も、見積の項目として並べます。
A社が負荷試験と運用手順を含み、B社が別途とする場合、総額だけで比べると判断を誤ることがあります。そのため、固定費と従量費を分け、別途費用と発注者の作業も別々に見ます。
同じRFPで3社程度から提案を受けると、差が見えてきます。
ベンダーロックインと運用リスクへの対策
ソースコードや設定、ビルド手順を受け取らないと、担当会社を変えにくくなります。依存ライブラリやSBOM、テスト結果も、受け取る対象に加えます。監視設定と障害対応手順も、運用を引き継ぐうえで欠かせません。
RFPと契約書には、リポジトリの所有権や第三者ライセンス一覧を明記します。バージョンアップ時の責任と、脆弱性対応の通知期限も書きます。再委託先と、終了時のデータ返却や引き継ぎも、契約に入れます。
発注者側も、Jetty・JDKのサポート期限を台帳で管理し、年1回以上、更新計画を見直します。
よくある質問(FAQ)
Jettyの発注では、ライセンス、会社選び、費用の考え方についての質問が多く寄せられます。検討の初期によくある疑問に答えます。
Jettyは無料なのでシステム開発費も安くなりますか?
Jetty本体はOSSなので、商用ライセンス購入費を抑えられる可能性があります。ただし、システム全体が無料になるわけではありません。
業務アプリやデータベース、クラウドの費用が必要です。認証やテストの費用も、別にかかります。そのほか、監視と脆弱性対応、保守の費用もかかります。
無料だからといって予算を下げず、運用を含む総保有コストで判断します。
Jettyの実績がない会社へ発注しても問題ありませんか?
Jettyの直接実績が公開されていなくても、Spring BootやJavaの経験があれば候補になります。コンテナやクラウド、業務システム運用の経験も、候補を見極める材料になります。
担当者がJetty 12やJava 17、Jakarta移行を説明できるかを確かめます。負荷試験とCVE対応についても、説明を求めます。短期間のPoCで、技術リスクを見極めることもできます。
公開実績だけでなく、納品物と保守責任を具体的に示せるかで判断します。
Jettyのシステム開発費用はどのくらいですか?
規模別の目安は、小規模・社内向けが300万〜800万円、中規模が800万〜2,000万円です。基幹連携や高可用性を含む場合は、2,000万〜1億円超が推定レンジになります。
Jetty固有の定価ではなく、業務機能や外部連携、移行を含む目安です。テストやクラウド、保守も含めた前提で見ます。RFPで前提をそろえて、複数社を比べます。
まとめ
Jettyは業務パッケージではなく、業務アプリとWeb実行基盤を一体で計画するものです。まず発注形態を選び、そのうえでRFPに業務要件と非機能要件をまとめます。さらに、Jetty・Javaのバージョンと移行、セキュリティ、納品物も、RFPに記載します。
発注を成功させるための責任分界と更新計画
費用はライセンスだけでなく、開発工数やデータ連携、性能試験によって変わります。加えて、クラウドや監視、保守の範囲も費用を左右します。
EOLの旧版を使うリスクやCVEへのパッチ適用を、見積と契約に含めます。障害時の一次対応と、契約終了時の引き継ぎも、契約で決めておきます。
最初にまとめる業務範囲と委託範囲
最初から詳細仕様を完璧にそろえる必要はありません。
- 業務範囲:現状の業務フロー、利用者、連携先、運用水準、希望時期、既存Java資産
- 開発手順:必要に応じたPoCと、その後の本開発の発注
- 委託先選定:Jettyの技術選定と業務システムの定着を両立できる委託先
- 発注者の参加:業務担当者によるレビューと受入テスト、外注後の手戻りの抑制
▼全体ガイドの記事
・Jettyのシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
