Joomlaのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Joomlaのシステム開発費は、サイトの規模、機能、移行・連携の範囲によって決まり、30万〜80万円から600万〜1,500万円以上まで幅があります。

費用の内訳やランニングコストの全体像は、Joomlaのシステム開発の完全ガイドでもあわせて確認できます。

▼全体ガイドの記事
・Joomlaのシステム開発の完全ガイド

Joomlaのシステム開発費を決める要素

JoomlaはPHPとデータベースを基盤とするオープンソースのWeb CMSです。ライセンス購入費は原則不要ですが、設計・開発・運用には費用が発生します。

複数部署が記事を登録・承認するサイトや、会員・顧客情報を扱うポータルは、単なるページ制作ではなく、業務システムとして見積もります。

Joomla本体が無料でも開発費が必要になる理由

サーバー設定、テンプレート制作、拡張機能の選定、権限設計、テスト、操作説明は、それぞれ別の作業です。投稿、承認、公開後の修正の担当を分ける場合は、その業務ルールをアクセス制御に反映します。

無料の拡張機能であっても、Joomlaのメジャーバージョン、PHP、データベース、テンプレートとの互換性を確認します。一方で、商用の拡張機能は、ライセンス、更新、サポートが有料の場合があります。

初期費用に加えて、毎年の更新費用と、提供元が終了した場合の代替策も評価します。

サイト制作と業務Webシステムの相場の違い

10〜30ページ程度の情報発信サイトは、標準機能と既存テンプレートを使えば、比較的短期間に構築できます。一方で、会員登録や権限、承認が加わると、データと権限の組み合わせが増えます。検索や通知、SSO、基幹連携も加わると、その組み合わせはさらに広がります。

そのため、ページ数だけで費用を判断するのは危険です。会計・在庫・顧客の正データを既存システムに置く疎結合の構成なら、Joomlaの役割を整理できます。

Joomlaだけでリアルタイム取引や複雑な基幹業務を担うと、独自開発とテストが増え、一般的なCMS構築の予算では収まりにくくなります。

Joomlaのシステム開発費用相場の目安

小規模サイトから基幹連携を含む案件まで、Joomlaの開発規模ごとの費用相場を4枚のパネルで示した図。
機能や連携の範囲が広がるにつれて、想定費用帯も上がります。

Joomla専用の2025〜2026年の公的な価格統計は確認できていません。以下の金額は、業務システムの相場、国内の公開価格、一般的なWeb開発の工数をもとにした推定レンジです。

金額は税別・税込の別、ページ数、移行データ、連携、保守の有無によって変わります。そのため、予算は初期の仮説として扱い、発注前に同じ前提のRFPで相見積もりを取ります。

小規模サイトの費用目安(30万〜80万円)

小規模サイトの見積額は、サイト規模や準備状況によって幅があります。

  • 対象:企業サイトや団体サイトの構築
  • 作業内容:初期設定、既存テンプレート調整、10〜30ページ程度のコンテンツ登録、基本の問い合わせフォーム、管理者向け操作説明
  • 費用目安:これらの作業で30万〜80万円程度
  • 公開価格例:インストール、マニュアル、講習、テンプレート、構築指導を含む63万円(税込)のパック

既存デザインを流用し、原稿や画像を発注者側で用意できれば、費用は下限に近づきます。一方で、オリジナルデザイン、原稿作成、撮影、複数言語、検索機能を含めると、80万円を超えることがあります。

同じ資料では、既存サイトの移行が10万5,000円から、保守が3万1,500円/月からとされています。

これは過去の公開価格で、現行版や現在の料金を保証するものではありません(出典:株式会社コンピュータ沖縄「Joomla導入支援サービスパック」)。

オリジナル・多言語サイトの費用目安(80万〜250万円)

オリジナル・多言語サイトの費用は、制作範囲と運用要件を確認して見積もる必要があります。

  • 価格帯:80万〜250万円程度
  • 対象例:テンプレート、移行、部署別権限、承認、多言語、検索、フォーム、解析

この価格帯には、誰がどの情報をいつ公開するかを決める運用設計も含まれます。ただし、翻訳、画像加工、アクセシビリティ対応、移行データのクレンジングは、別費用になる場合があります。

多言語サイトでは、言語ごとのURL、翻訳ワークフロー、公開時期、検索エンジン向けの設定が必要になります。日本語と英語の2言語だけでも、記事、カテゴリ、メニュー、フォームの数が増えます。

ページ数を単純に2倍にした金額では、不足することがあります。そのため、翻訳費、入力費、Joomla側の言語設定、公開後の更新費を分けて確認します。

会員・社内ポータルの費用目安(250万〜600万円)

会員登録、ログイン、部署・役職ごとの制御を含み、ファイル管理、検索、申請・承認、通知、操作ログまで実装する場合は、250万〜600万円程度が目安です。

利用者が増えるほど、運用機能も必要になります。たとえば、パスワードの再発行、退職者の無効化、個人情報の削除、問い合わせ対応などです。

会員マスタや人事システムと連携する場合は、API仕様、認証、再送、データ不整合の扱いを設計します。あらかじめ、正とするシステム、同期頻度、失敗時の通知、個人情報の保管場所を決めておくと、見積もりの精度が上がります。

基幹連携を含む案件の費用目安(600万〜1,500万円以上)

基幹連携を含む案件は、機能と運用条件を踏まえて費用を見積もります。

  • 機能例:SSO、顧客・商品マスタ、予約・決済、基幹連携
  • 費用の目安:監査ログ、負荷試験、障害復旧設計を含めて600万〜1,500万円以上の場合があります

24時間運用、複数拠点、個人情報や機密文書の扱い、高い可用性が必要な場合は、その分の予算が加わります。具体的には、クラウド、冗長化、監視、バックアップ、セキュリティ診断の費用です。

Joomlaを管理・承認の基盤とし、取引処理や正データは別のサービスに分ける構成が現実的です。APIやバッチで責任範囲を分けると、CMSの更新や交換による影響を抑えられます。

要件が固まっていても、期間は6〜12か月程度を想定し、段階的なリリースを検討します。

ポイント

費用の目安は、サイトの規模と機能、移行・連携の範囲で大きく変わります。予算を決める前に、同じ前提のRFPで複数社から相見積もりを取り、含まれる範囲を並べて比べてください。

Joomlaのシステム開発費用の内訳

見積もりは、作業を一式にまとめるほど各社の金額を比べにくくなります。要件定義やデザイン、開発を分けてもらうと、同じ基準で比べられます。環境や拡張機能も別の項目にしてもらいます。移行、テスト、教育、保守も、項目として分けておくと比較の材料になります。「CMS構築一式」「連携一式」「移行一式」のように一式と書かれた項目は、作業範囲と成果物を確認します。

要件定義・情報設計・デザインの費用

要件定義とデザインは、開発の範囲と成果物を見極める工程です。

  • 要件:利用者、管理者、承認者、データ、公開範囲、通知、検索、連携、運用体制を整理
  • 成果物:画面一覧、サイトマップ、権限表、データ項目一覧、業務フロー、非機能要件

要件定義を省くと、開発の途中で仕様変更が増え、追加費用の原因になります。

デザイン費は、既存テンプレートの調整か新規制作かで変わります。また、スマートフォン対応、アクセシビリティ、ブランド、多言語、ログイン後の画面も、対象にする場合があります。

Joomla標準テンプレートを使い、独自性が必要なページだけをカスタムすると、品質と費用のバランスを取りやすくなります。

拡張機能・カスタム開発の費用

既存機能と独自開発のどちらを使うかで、開発や保守の負担が変わります。

  • 既存拡張機能:会員、フォーム、検索、イベント、予約、EC、通知に対応できる場合があります
  • 利用前の確認:ライセンス、Joomla 6・PHP対応、脆弱性情報、サポート、データ出力可否
  • 独自処理:コアを改変せず、コンポーネント、モジュール、プラグイン、テンプレートで実装
  • コア改変の影響:更新時の差分再適用が必要となり、長期保守費が増えます

安価な拡張機能を多く組み合わせると、更新のたびに互換性を確認する手間や、障害の切り分けにかかる費用が増えることがあります。

見積もりでは、ソース、テストコード、設計書、拡張機能一覧、更新手順が納品物に含まれるかを確認します。

データ移行・テスト・教育の費用

移行・テスト・教育は、データの状態と検証範囲に応じて工数を見積もります。

  • 移行対象:記事、カテゴリ、タグ、画像、添付、ユーザー、URL、メタ情報
  • データ品質:CSVは移しやすい一方、HTML直書きの画像、重複、文字化け、リンク切れ、廃止カテゴリは工数が増えます

見積もりには、件数に加えて、データ品質と変換ルールを明記します。

テストでは、表示、権限、承認、ログインから、検索、メール、連携、復元、負荷、脆弱性までを確認します。個人情報は、テスト用データを本番から分け、アクセスする担当者を限定します。

管理者向けの操作説明と運用手順書を整えておくと、公開後の問い合わせや属人化を抑えられます。

ポイント

見積もりは、要件定義から保守までを項目ごとに分けてもらうと比べやすくなります。「一式」と書かれた項目は、作業範囲と成果物の対応を見極める必要があります。

Joomlaのランニングコストの見込み

公開後は、サーバー、ドメイン、SSL、バックアップ、WAF、監視などの環境費に加えて、拡張機能のライセンス、Joomla・PHPの更新、問い合わせ、軽微な修正が発生します。

運用費を見込むには、まず運用担当者、障害時に何時間以内に対応するか、月額に含む作業範囲を決めます。

サーバー・ライセンス・バックアップの費用

公開後に必要な環境と契約を分けて、運用費を把握します。

  • サーバー・クラウド:小規模構成では月1万〜10万円程度の場合があります
  • 費用の変動:アクセス数、容量、転送量、WAF、冗長化、世代数、監視で変わります
  • ライセンス等:商用拡張機能やサポートは年数万円から数十万円程度の場合があります

会員情報や社内文書を扱う場合は、本番環境と検証環境を分け、復元テストを含むバックアップ費も計上します。

初年度だけの費用か、2年目以降も更新が必要かを、更新停止時の影響とあわせて見積もりに明記してもらいます。

ドメイン、メール、外部検索、CDN、監視も別契約になりやすいため、年間費用の一覧にまとめます。

保守・監視・軽微改修の費用

保守費は対応範囲によって変わるため、作業内容を分けて見積もります。

  • 保守費用:更新・監視・バックアップ・軽微改修を含み月5万〜30万円程度の推定
  • 下限の条件:更新作業だけなら下限に近づきます

脆弱性確認、検証環境での更新、障害の一次対応、月次報告、問い合わせ、コンテンツ更新まで含めると、上限に近づきます。個人情報や重要業務では、初期開発費の年15〜25%を保守費として確保する考え方もあります。

Joomla公式ロードマップによると、2026年時点で6.xの通常のバグ修正は2028年10月まで、セキュリティ修正のみは2029年10月までです(出典:Joomla公式ロードマップ、2026年8月確認)。

拡張機能やPHPの対応期間は、Joomla本体の期間とは別です。そのため、テンプレートと拡張機能の次期メジャーバージョンへの対応を、毎年の保守計画に含めます。

ポイント

運用費は、サーバーや保守の費用に加えて、障害時の対応時間と月額に含む作業範囲で決まります。初年度だけでなく、2年目以降の更新費用も含めて見積もります。

Joomlaの費用が変動する要因

ユーザー数や権限、外部連携、バージョン、運用体制の4要因がJoomlaのシステム開発費用につながる関係図。
ページ数以外の条件も、見積もりの前提に含める必要があります。

記事公開サイトと、個人情報を扱う会員ポータルでは、必要な工数が異なります。見積もりの差は、ページ数よりも権限、移行、連携、非機能要件、運用体制などで出やすいため、要因ごとに整理します。

ユーザー数・権限・データ量

利用者数や扱うデータに加え、権限設計も開発工数に影響します。

  • 権限設計:管理者1人の一律公開と、部署・役職・会員種別ごとの制限で設計・テスト量が異なります
  • 利用者管理:招待、退会、休職、異動、再設定、MFA、ログ確認を想定します

RFPには、利用者・管理者・グループの数と、1日あたりのログイン数を記載します。

データ量は、記事数や画像・動画・文書の容量で把握します。添付形式、保持年数、検索範囲も、あわせて確認します。古い記事を移すか、重複やリンク切れを直すかによって、工数が変わります。

移行前にサンプルデータを抽出して変換後の表示を確かめると、費用を見積もる根拠になります。

外部連携・認証・非機能要件

連携先と必要な運用品質を整理しておくと、追加の工数を把握しやすくなります。

  • 連携先:SSO・IdP、顧客・商品・社員マスタ、メール、決済、検索。個別の設計・テストが必要
  • 工数条件:API標準化、仕様書、検証環境、リアルタイムか日次バッチか

複数の連携がある場合は、データの正とエラー時の責任者を決めます。非機能要件は、速度、同時接続、稼働時間です。復旧目標やバックアップ、監視も、非機能要件に入ります。ログや脆弱性診断、アクセシビリティも、非機能要件として確認します。

個人情報保護委員会のガイドラインでは、委託先の安全管理措置、再委託の事前報告と承認、必要に応じた監査が示されています(出典:同委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。

これらを契約やRFPに含めるほど、初期費用と保守費用は増えます。一方で、責任の範囲を明確にできます。

バージョン・拡張機能・セキュリティ対応

Joomlaはオープンソースですが、更新を自動的に任せられるとは限りません。

2025年の公式告知では、Scheduled TasksでSQLインジェクションが報告されました。影響を受けたのは、Joomla 4.1.0〜4.4.10と5.0.0〜5.2.3です。

解決策は4.4.11または5.2.4への更新です(出典:Joomla Security Centre、2025年2月)。この事例からも、本体と拡張機能の更新確認、検証、バックアップ、復旧手順が必要だと分かります。

  • 移行前の確認:テンプレートと拡張機能が現行版に対応しているか
  • 非対応の場合:代替選定、データ変換、画面再制作が必要です
  • 見積もり範囲:ライセンス変更、検証環境、回帰テスト、公開後の監視も含めます

ポイント

費用の差は、ページ数よりも権限、移行、連携、非機能要件、運用体制で出やすいものです。RFPにこれらを書いておくと、同じ条件で各社の金額を比べられます。

Joomlaのシステム開発の進め方

要件定義・企画、設計・環境構築・開発、テスト・移行・リリースの順で進むJoomlaの開発工程図。
企画からリリースへ、確認事項を段階ごとに引き継ぎます。

開発では、見た目より先に、情報、利用者、権限、運用の関係を整理します。会員や連携がある場合は、要件定義とテストに時間をかけることで、追加費用を抑えられます。

要件定義・企画フェーズで決める項目

企画段階では、情報をどこで管理するかと、利用者の要件から整理します。

  1. Joomlaで管理する情報と、別システムに置く正データを分けます。
  2. 利用者の種類、部署、権限、公開承認、検索条件、通知、移行対象、外部連携、公開希望日を一覧にします。

「誰が、何を、いつまでに、誰の承認で公開するか」を決めると、必要な拡張機能や独自処理を選びやすくなります。

MVP(Minimum Viable Product)として、最初に必要な機能と、公開後に追加できる機能を分けます。たとえば、記事管理、会員ログイン、基本検索に絞り、レコメンドや高度な分析を第2段階に回す例があります。

小さく始めることは、機能を捨てることではなく、成果を確認しながら投資する方法です。

設計・環境構築・開発フェーズ

開発に入る前に、実行環境と、テンプレート・拡張機能の選び方を決めます。

  • 環境:Joomlaの版、PHP、DB、Webサーバー、CDN・WAF、バックアップ、メール、検証環境
  • 選定軸:現行版対応、更新頻度、脆弱性、サポート、データ移行性

テンプレートと拡張機能は、機能の多さだけでなく、これらの選定軸で比べます。

開発では、管理画面の設定や画面テンプレート、独自のコンポーネントやプラグインを実装します。API連携やメール、ログ、エラー処理も、実装の対象になります。コア改変は避け、設定値とソースコードを管理します。

納品時に、構成図、アカウント一覧、拡張機能一覧、環境変数、更新手順を受け取っておくと、保守会社を変えるときに困りにくくなります。

テスト・移行・リリースフェーズ

公開前は、機能と表示を確認し、移行や切り替えの手順も整えます。

  • 機能テスト:役割別編集・承認・公開・削除、ログイン、通知、検索、リンク、画像、連携、復元
  • 表示確認:スマートフォンでの表示も対象に含めます

個人情報がある場合は、権限のない利用者がURLを直接入力しても閲覧できないことを確かめます。

まず少量のサンプルを移行し、発注者が表示、カテゴリ、URL、メタ情報を確かめてから、全件を移します。公開前には旧サイトと新サイトの差分を確認し、DNSの切り替え、公開停止時間、切り戻しの条件を決めます。

公開後は、アクセス・エラーログ、メール、検索、主要フォームを監視し、問題が起きた場合に切り戻せるようにします。

Joomlaの見積もりを取るときのポイント

相見積もりでは、同じ前提で比べられる資料を各社に渡します。まず、目的と利用者、ページ・データ量を整理します。現行版や連携、希望時期も、同じ資料に書き出します。予算と保守の条件も加え、機能要件と非機能要件を分けます。

RFPに書くべき前提と成果物

RFPには、サイトやプログラムだけでなく、前提、非機能要件、成果物も含めます。そうすると、各社の提案を同じ条件で比べられます。

  • 基本情報:現行サイトURL、Joomlaの版、ページ数、記事・画像・添付ファイルの件数
  • 利用要件:ユーザー・部署数、権限、言語、検索、フォーム、連携、希望公開日
  • 非機能要件:表示速度、稼働時間、バックアップ、復旧目標、ログ保存、脆弱性診断、保守窓口、操作研修
  • 成果物1:要件定義書、画面・データ設計書、権限マトリクス、テスト仕様書、移行結果
  • 成果物2:操作マニュアル、運用手順、ソースコード、拡張機能ライセンス、バックアップ・復元手順

見積もりの「一式」と成果物が対応しているかを確認し、検収の条件も先に決めます。

金額だけで開発会社を選ばない方法

発注先を比べるときは、実績に加えて、担当体制や委託管理も確認します。

  • 確認する実績:現行版移行、拡張機能、外部連携、テスト、保守、セキュリティ、内製支援
  • 担当体制:Joomla、PHP、DB、認証、インフラの知識と再委託の有無

提案の場では、担当者の実際の役割や体制について質問します。

個人データを委託する場合は、選定基準、情報へのアクセス範囲、再委託の承認、監査、事故報告、データの返却と削除を契約に含めます。

障害対応が別料金で、更新の対象外になり、ソースも未納品という場合は、初期費用が安くても長期の総コストが高くなることがあります。そのため、初期費用と年間費用に加えて、3年程度の運用費を比べます。

ポイント

相見積もりは、目的から保守までを同じ前提で書いたRFPを各社に渡して行います。提案の金額だけでなく、成果物と保守の範囲も並べて判断してください。

Joomlaのシステム開発コストを抑える方法

コストを抑えるには、更新、障害、改修、引き継ぎを含めた総コストを見て、必要な品質を保つことが基本です。安い会社へ発注することは、その一部にすぎません。

標準機能と信頼できる拡張機能を活用し、独自開発を絞ると、費用と保守性のバランスを取りやすくなります。

初期リリースの範囲と段階開発

最初から全機能を入れず、公開に欠かせない機能と追加候補を分けて、段階的に計画します。

  • 初期:記事管理、権限、検索、問い合わせ、基本計測に絞ります
  • 追加機能:高度なレコメンド、複雑なダッシュボード、複数連携は利用状況を見て判断します

成果と予算を段階ごとに区切ると、使われない機能への投資を避けられます。

後で追加する機能のデータや権限の設計は、初期の段階で考えておきます。APIやデータ項目を拡張できる作りにすると、追加改修の手戻りを抑えられます。

段階開発の境界と、将来に備えて初期に行う設計を、見積もり上で分けて示します。

既存テンプレート・拡張機能の再利用

既存資産は、デザインと機能の両面から再利用する範囲を検討します。

  • 画面設計:差別化の必要がない画面は検証済みテンプレートや標準レイアウトを使い、トップや重要導線は独自デザインにします
  • 拡張機能:現行Joomla・PHP対応、脆弱性情報、更新履歴を確認します

導入前には、将来のデータ移行とライセンス更新も確認します。

既存サイトでは、アクセス解析、問い合わせ数、社内利用状況を見て、残すページ、統合するページ、廃止するページを分けます。

移行対象を絞ると、変換、確認、リダイレクトの工数や、公開後に管理するものを少なくできます。

発注者側の準備による見積もり工数の削減

発注前に分かっている情報を整理しておくと、見積もりの条件をそろえられます。

  • 事前情報:現行URL、ページ一覧・移行件数、画像・文書容量、ユーザー・部署、権限、連携先、希望日、社内運用担当
  • 準備担当:原稿、画像、翻訳を用意する担当を決めます

発注者側の準備が進むほど、開発会社の調査や確認の工数が減り、見積もりの不確かさを下げられます。

要件は、無理に詳細化しなくても構いません。不明点は未決定として示し、選択肢と概算の差額を提案してもらいます。

発注者だけで決めると、運用できない仕様や過剰な機能が入ることがあります。そのため、現場と開発会社を交えて、費用と業務効果を判断します。

Joomlaのシステム開発費用に関するよくある質問

Joomlaの費用は、CMSが無料かどうかだけでは決まりません。相談時によく寄せられる質問に、価格と運用の観点から答えます。

Joomlaは無料ですか?

Joomla本体はオープンソースで、原則としてライセンス購入費は不要です。一方で、サーバーやテンプレート、拡張機能には費用がかかります。デザインや移行も、費用の対象です。さらに、開発やテスト、保守も必要です。

無料であることと、企業が安全に運用できる総費用が安いことは、別に考えます。

Joomlaのシステム開発には何か月かかりますか?

小規模サイトは1〜2か月、オリジナル・多言語サイトは2〜4か月、会員・社内ポータルは4〜8か月、外部連携を含む業務Webシステムは6〜12か月以上が目安です。

期間は、移行データの品質、承認の速さ、連携先との調整、テスト環境の準備によって変わります。発注者側の確認期間も、工程に含めて考えます。

Joomlaの保守費用は毎月いくらですか?

更新・監視・バックアップ・軽微改修を含む保守は、月5万〜30万円程度の推定レンジです。

保守費は、サーバー費のほかに、どこまで作業を含むかで変わります。Joomla本体と拡張機能の更新、検証環境、脆弱性確認は、その範囲に入る作業です。障害対応や問い合わせ、コンテンツ更新も、含めるかを決めます。

重要業務では、復旧目標と対応時間をSLAとして定めます。

古いJoomlaから現行版へ移行できますか?

移行できる可能性はあります。ただし、現行版に対応しないテンプレートや拡張機能は、代替の選定や再開発が必要です。

まず記事やカテゴリ、画像、添付をサンプル移行し、ユーザーやURL、メタ情報も同様に試します。表示・権限・検索を確認してから、全件を移します。

旧版のまま本番データを直接更新せず、バックアップと切り戻しの計画を用意します。

まとめ

Joomlaの開発費は、規模や機能によって異なります。小規模サイトは30万〜80万円、オリジナル・多言語サイトは80万〜250万円が目安です。

会員・社内ポータルは250万〜600万円が目安です。外部API・基幹連携を含む業務システムは、600万〜1,500万円以上が目安です。

金額は固定ではなく、要件、ページ・データ量、権限の条件で変わる推定レンジです。移行や拡張機能、連携の条件も加わります。テスト、セキュリティ、保守の範囲も、金額を左右します。

費用相場を読むときの要点

下限に近い見積もりは、標準テンプレート、少ない移行データ、基本権限、限定保守が前提の場合があります。

会員、承認、多言語、連携、脆弱性診断、24時間監視を加えるほど、価格帯は上がります。金額と、含まれる範囲を並べて確認します。

見積もりと運用をつなげる要点

初期費用と月額費用を別々に比べず、3年程度の総コストと業務成果を並べて判断します。そうすると、Joomlaを長く安全に使える発注先を選びやすくなります。

  • 運用条件:更新、バックアップ、障害対応、互換性、担当引き継ぎをRFPで確認
  • 総コスト:初期費用、年間ライセンス、サーバー、更新、監視、バックアップ、障害対応、軽微改修
  • 確認材料:公式ロードマップのサポート期限、拡張機能の互換性、2025年の脆弱性事例、個人情報を扱う委託先・再委託先の管理

現行URLやJoomlaの版、ページ数、移行データを整理します。そのうえで、利用者・部署、権限を書き出します。連携先や公開日、予算、保守要件も、同じ資料に含めます。

機能を初期リリースと将来の追加機能に分け、同じ条件のRFPで複数社に相談すると、提案の妥当性と長期の運用を比べられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。