Kotlin Multiplatformのシステム開発会社は、AndroidとiOSで業務ロジックを共有しつつ、各OSの画面と端末機能を活かせるかで選びます。共通化する部分とOS固有の部分を分け、発注前に責任範囲を確かめます。
株式会社riplaを含む6社は、KMPの扱い方や共通化の範囲、海外発注や保守の条件で違いが出ます。そこで、3つの観点から各社を並べて見ていきます。
- KMPとCompose Multiplatformの違い
- 共通化の範囲とOS固有機能
- 海外発注・費用・保守
詳しくは、Kotlin Multiplatformのシステム開発の完全ガイドを参照してください。
AI駆動開発の基本や工程ごとの活用方法、費用・期間への影響については、無料ホワイトペーパー「【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
Kotlin Multiplatformのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

KMPは、Kotlinで書いたコードを複数の対象で共有するための仕組みです。対象には、Android、iOS、Webなどが含まれます。
また、共有する範囲は開発チームが決められ、業務ロジックだけを共有して画面はJetpack ComposeとSwiftUIで分ける構成も選べます。ただし、KMPを使えるかどうかより、共通化とOS固有実装の境界を設計できるかが成否を左右します。
共通化の判断が費用と品質に与える影響
業務システムでは、認証や権限、データモデルなどが、AndroidとiOSで同じ結果を返す必要があります。入力チェックやAPI通信、同期処理なども、同じ対象に含まれます。
一方で、端末機能や画面遷移は、OSの設計思想に合わせて実装する必要があります。通知やカメラ、Bluetooth、生体認証がその例で、端末内ストレージやアクセシビリティも含まれます。
すべてを共有したからといって安くなるとは限らず、共有し過ぎるとiOS側の操作性や保守性を損なう可能性があります。
業務要件と運用体制の確認範囲
倉庫や店舗で使うシステムでは、電波が途切れても入力を続けられるオフライン対応が要ります。さらに、再送や競合解決、端末交換時の復旧も必要です。
見積もりを比べるときは、KMPの実装費だけでなく、APIや管理画面、データ移行まで含まれるかを見ます。さらに、端末検証やストア申請まで含むかも確かめます。教育や監視、障害対応についても、同じ見積もりに入っているかを見ます。
KMPやKotlin、Xcodeなどのツールと依存ライブラリを、誰が更新するかも契約前に決めておくことが大切です。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築と導入の実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、技術の導入だけを目的にせず、現場業務の整理からシステムの定着までを一つの計画としてまとめられる点です。KMPを採用する場合も、まずAndroidとiOSで共通する業務ルールを抽出し、認証やAPI連携を共有候補にして、データモデルや入力検証も含めて整理します。
そのうえで、カメラや通知などの端末機能をOS固有の実装として切り分けるため、共通化率だけを追いかけない現実的な設計になります。
得意領域・実績
企業活動の中核にある基幹システムが対象で、業務要件に合わせた構築や導入を相談できます。
KMPによるモバイル側の開発に加えて、既存APIとの連携や管理画面、データ移行まで一緒に検討したい企業に向いています。利用部門への説明や運用設計も、相談の範囲に入ります。
発注時は「どこまでKMPで共通化するか」「iOS固有機能を誰が担当するか」「納品後に内製チームへどう引き継ぐか」を最初の相談で確認すると、見積もりの比較がしやすくなります。
Touchlab|KMPの導入判断と技術支援に強い専門会社

Touchlabは、Kotlin Multiplatformに特化した米国系の技術支援会社です。公式サイトでは、KMP Readiness Assessmentやチーム準備、変革ロードマップといったアドバイザリーサービスを案内しています。PoC開発も、そのひとつとして挙げられています。
大規模な既存アプリを一度に全面移行するより、依存ライブラリや開発体制を調べてから導入の可否を判断したい企業に適した候補です。
特徴と強み
Touchlabを検討する価値は、KMPを導入する前の技術的な不確実性を減らせる点です。
共有モジュールの設計やiOSとの連携、CI/CDなど、開発会社を決める前に整理したい論点を専門家へ相談できます。役割分担やライブラリの選定も、同じ相談の中で扱えます。
公式サイトでは、SKIEやKMMBridgeなどKMP関連のオープンソースツールも案内されています。
得意領域・実績
既存Androidアプリを持ち、iOS対応や共有ロジックへの段階移行を検討している企業に向いています。
発注前に、アドバイザリーだけを頼むのか、実装まで依頼するのかを分けて相談します。自社チームが実装してレビューを受ける形も、比べる選択肢になります。
日本語での要件定義や国内契約が契約に含まれるかは、必ず確認する必要があります。時差をまたぐ問い合わせや、個人情報を扱う業務システムのセキュリティレビューも、契約で確かめます。
IceRock Development|既存アプリのKMP移行と教育の支援

IceRock Developmentは、Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)の統合、移行支援、開発者向けトレーニングを公式に案内しているソフトウェア開発会社です。AndroidとiOSの複雑なビジネスロジックを共有したい案件や、Kotlinで作られたAndroidアプリからiOS対応を広げたい案件を想定しています。
公開ページには、技術支援だけでなく、共通コードを実装して既存アプリへ組み込むサービスも掲載されています。
特徴と強み
IceRockの公式ページでは、KMM統合の費用を7,000米ドルから、分析・計画を2〜5日、統合期間を2週間から6か月とする公開目安を示しています。ただし、これは同社のサービスページに掲載された例であり、日本の業務システム全体の費用相場ではありません。
API改修や管理画面、オフライン同期を含める場合は、個別見積もりが必要です。端末検証やデータ移行まで含める場合も、個別の見積もりで確かめます。
得意領域・実績
公式の事例ページでは、GetMegaについてAndroid側をもとに共通コードを作り、iOSアプリへ統合した事例が紹介されています。また、Footballcoについては、顧客チームが作成した共通ロジックを監査し、専門的なレビューを行った事例が掲載されています。
既存アプリを止めずに段階移行したい企業や、社内チームにKMPの知識を移したい企業は、実装範囲と教育範囲を分けて相談すると、適合性を判断しやすくなります。
appvanced KMP Agency|移行・新規開発・内製化を一体で支援

appvanced KMP Agencyは、Kotlin Multiplatformに特化したドイツ系の専門サービスです。
公式サイトでは、既存アプリのKMP移行や新規のクロスプラットフォーム開発を案内しています。ワークショップやコンサルティング、開発支援も、あわせて紹介されています。
KMPを導入して終わりではなく、チームへの知識移転や引き継ぎまで含めた進め方を検討したい企業に候補になります。
特徴と強み
同社は、既存アプリを機能単位で移行する段階的な進め方と、ゼロからKMPを使うグリーンフィールド開発の両方を公開しています。
さらに、企業向けSDKやデータフローを意識したサービスも案内されています。オフライン優先の同期や競合解決も、扱うテーマとして挙げられています。
倉庫・店舗・フィールドサービスのように、ネットワークが不安定な現場でデータを扱うシステムでは、共通化率よりも同期の正確性と再送設計を確認することが大切です。
得意領域・実績
新規開発と既存移行を同じ会社へ相談したい場合や、将来的に自社チームへ運用を戻したい場合に検討しやすい会社です。
公式サイトには、2022年のKMPプロジェクト開始から2025年のワークショップと企業向けSDKまでの歩みが掲載されています。2023年にはエンタープライズ案件、2024年にはKMPフロントエンドとKotlin Spring Bootの組み合わせも挙げられています。
発注時は、公開事例と自社の業務システムの類似点、担当者の経験、引き継ぎで受け取るものを具体的に確認します。
Kodein Koders|開発、アドバイザリー、トレーニングの提供

Kodein Kodersは、Kotlin Multiplatformを専門領域に掲げる欧州のテクノロジー会社です。
公式サイトでは、アドバイザリーやコンサルティング、トレーニングを提供しています。AndroidとiOSのモバイルアプリ開発も、同社の提供範囲に含まれています。KMPだけでなく、SpringやKtorを使ったバックエンド、DesktopやWebを含む複数フロントエンドの共有も扱う会社として紹介されています。
特徴と強み
開発を丸ごと委託するだけでなく、設計レビューや短期トレーニングを組み合わせたい企業に向いています。
公式サイトでは、Kotlinの言語仕様やコルーチン、Kotlin/Nativeを学ぶトレーニングを案内しています。KMPのインフラを扱う内容もあり、JetBrains認定のトレーニング提供者であることも説明されています。
自社のAndroid・iOSチームがすでに存在し、内製と外部支援を組み合わせたい場合に比較しやすい候補です。
得意領域・実績
既存システムをモダナイズしながら、共有ロジックを増やしたい案件で相談先になります。
特に、モバイルアプリだけでなくサーバーやWebまで含めて、データモデルや業務ルールの一貫性を検討したい場合に適しています。
海外会社へ依頼する際は、業務委託契約の準拠法や知的財産権、ソースコードの帰属を、見積もりと同時に確認します。個人情報の取扱いや、時差を含む障害対応、納品後の保守窓口も、同じ段階で確かめておきます。
Mirego|多様なプラットフォームでKMPを運用した実績

Miregoは、カナダのケベックとモントリオールを拠点とするデジタルプロダクト開発会社です。Kotlin公式のケーススタディでは、プロダクト戦略、デザイン、エンジニアリングを一体で支援する会社として紹介されています。
KMPの専門コンサルティング会社だけでなく、ユーザー向けデジタルサービスを企画・設計・開発する会社も比べたい場合に候補になります。
特徴と強み
MiregoのKMP活用で参考になるのは、iOSとAndroidだけに限定せず、共通のビジネスロジックを複数の配信先へ展開している点です。
Kotlin公式ケーススタディでは、TV5Unisについて、同じビジネスロジックを複数の端末で動かした事例が紹介されています。対象はWebやiPhoneとiPad、tvOS、Androidに加えて、Android TVやAmazon Fire TVまで広がっています。
対象OSが多い企業や、将来のデバイス展開まで見据えて設計したい企業は、アーキテクチャの考え方を確認すると参考になります。
得意領域・実績
同ケーススタディでは、MiregoがKMPを使ったプロジェクトを4件リリースし、継続保守していることも説明されています。また、共通コードと各プラットフォームの相互運用性、開発速度、他チームへの引き継ぎを利点として挙げる一方、Kotlin Multiplatformのバージョン間でライブラリ互換性に注意が必要だとしています。
業務システムでも、導入実績だけでなく、依存ライブラリ一覧、アップデート方針、保守担当者を確認することが重要です。
Kotlin Multiplatformのシステム開発会社を選ぶポイント

6社の並びは優劣を示すものではなく、支援の性格が異なる会社を比べるための候補です。国内の業務要件を整理して一気通貫で任せたいのか、KMPの技術判断だけを専門家へ依頼したいのか、既存アプリを移行したいのかで、適した委託先は変わります。
この3点をRFPや初回相談に入れると、会社名だけでなく提案の中身を比べられます。
実績と経験の確認範囲
「Kotlinに対応できます」と書かれていても、業務システムの経験があるかは分かりません。KMPの本番利用年数や、AndroidとiOSの両方を含む事例を確かめます。既存アプリの段階移行やオフライン同期、認証や権限の経験も、見ておく必要があります。API連携や端末検証の経験も、あわせて見ます。
可能であれば、似た業界の事例について質問します。画面数や利用者数、対象端末を聞くと、規模感がつかめます。障害対応や保守期間まで確かめると、運用の見通しも持てます。
共通化の設計で見る技術力と専門性
提案書では、commonMainに置く機能と、androidMainやiosMainに残す機能を分けて示してもらいます。UIをネイティブにする範囲や、Compose Multiplatformを使う範囲も、図か一覧で示すよう求めます。
KMPは共有ロジックを実装する仕組みで、Compose MultiplatformはUIも共有するための選択肢です。
2026年時点でも、GoogleはKMPの導入例として業務ロジック、データベース、ネットワークなどから段階的に共有する進め方を説明しています(出典: Google Android Developers、2026年)。
見積もりの内訳とプロジェクト管理
見積書は「KMP開発一式」とまとめず、要件定義、基本設計、共通コードを分けてもらいます。Android固有とiOS固有、バックエンドの実装も、それぞれ別の項目で確かめます。管理画面やテスト、データ移行などの内訳も、同じ粒度で示してもらいます。
相場解説では、費用は機能規模や対応OS、開発手法などで変わり、人月単価や運用保守費も要素になると整理されています(出典: LASSIC「モバイルアプリ開発費用の相場」、2026年)。KMPを採用しても要件定義やQAはなくならないため、共通化で減る費用と、基盤整備で増える費用を分けて確認します。両OSを対象にする場合は、端末検証やストア対応、運用監視まで含めた総額で判断します。
規模の目安として、技術検証は100万〜300万円、5〜15画面程度の社内業務アプリは500万〜1,000万円です。中規模のAPI連携・オフライン対応は1,500万〜3,000万円、大規模な基幹連携型は3,000万〜8,000万円以上になる可能性があります。これはKMP専用の公的統計ではなく、2026年公開のアプリ開発相場と業務システムの要件を組み合わせた推定です。
よくある質問

Kotlin Multiplatformのシステム開発を発注する担当者から、特に質問されやすい内容をまとめました。技術選定だけでなく、費用、既存アプリとの関係、保守体制も合わせて確かめる必要があります。
Kotlin MultiplatformとCompose Multiplatformは同じですか?
KMPとCompose Multiplatformは、別の役割を持つ仕組みです。
Kotlin Multiplatformは、ロジックやデータ、通信などのコードを複数のプラットフォームで共有するための仕組みです。一方、Compose Multiplatformは、KotlinでUIまで共有するためのフレームワークです。
業務システムでは、まず共有ロジックとネイティブUIを組み合わせ、画面の共通化は必要な範囲だけ検証する構成が現実的です。
Kotlin Multiplatformなら開発費用は必ず安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。
共通ロジックが多い案件では、二重実装や二重保守を減らせる可能性があります。その一方で、KMPの技術検証やiOSとの相互運用、CI/CDなどで、初期費用が増える場合もあります。
見積もりは、共通コードと各OSの実装、バックエンドに分けてもらいます。QAや保守も別に示してもらうと、導入後の総保有コストを比べやすくなります。
既存のAndroidアプリをKotlin Multiplatformへ移行できますか?
移行できますが、全機能を一度に移す必要はありません。
認証やAPI通信、データモデルなど、AndroidとiOSで共通しやすい機能からPoCを行います。バリデーションや同期処理は、依存ライブラリやiOS側の公開APIを確かめながら、段階的に移します。
既存アプリの利用を止めずに進めるため、旧実装と共通モジュールの切り替え方法、ロールバック、リリース後の障害対応まで計画に入れます。
個人情報を扱う業務システムでもKMPを利用できますか?
利用できますが、KMPを採用すること自体が安全性を保証するわけではありません。
端末内の保存データや暗号化、認証・認可を、要件として決めておきます。通信やOSとの連携、コード品質も、要件に含めます。リバースエンジニアリング対策やプライバシーも、書き出しておきます。
OWASP MASVSは、モバイルアプリのストレージや暗号、認証などを扱う標準です。ネットワークや耐タンパー性、プライバシーなども、その対象に含まれます(出典: OWASP Mobile Application Security Verification Standard、2026年参照)。
まとめ

Kotlin Multiplatformのシステム開発会社を選ぶときは、KMPに対応しているかだけでなく、業務要件を整理し、共有ロジックとOS固有機能を適切に分け、リリース後まで責任を持てるかを確認します。
今回紹介した株式会社ripla、Touchlab、IceRock Development、appvanced KMP Agency、Kodein Koders、Miregoの6社は、支援の得意分野や契約形態が異なります。そのため、自社の状況に合わせて比べることが大切です。
発注前には、対象OSや利用者、画面と業務フローを整理します。既存APIやオフライン要件、端末機能を、同じ資料に書き出します。権限や監査ログ、データ移行に加えて、保守SLAも、あらかじめ決めておきます。
PoCでは、認証やAPI、ローカルDBを小さく検証します。同期やエラー処理、CIビルドも、同じ段階で試します。見積書では、共通コードやAndroid固有、iOS固有を分けてもらい、バックエンドやQA、運用も別に示してもらいます。
技術の新しさではなく、業務成果と長期運用まで含めて納得できるパートナーを選ぶことが、KMP導入を成功させる近道です。
あわせて、Kotlin Multiplatformのシステム開発の完全ガイドも参考にしてください。
▼開発を相談する前に読みたい無料ホワイトペーパー
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
