Kotlin Multiplatformのシステム開発費用は、技術名だけで一律に決まらず、共通化する範囲と業務システムの規模によっておおむね100万円台から8,000万円以上まで変動します。
AndroidとiOSの業務アプリを同時に整備したい企業にとって、Kotlin Multiplatform(KMP)は、認証や通信、データ処理などを共有しながら、各OSの使いやすい画面や端末機能を活かせる選択肢です。一方で、KMPを採用すれば自動的に半額になるわけではなく、要件定義、バックエンド、オフライン同期、端末検証、保守まで含めて見積もる必要があります。
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Kotlin Multiplatformのシステム開発費用を決める全体像

KMPは、AndroidやiOSなど複数のプラットフォームでKotlinのコードを共有するための技術です。Googleは2026年時点で、AndroidとiOSのビジネスロジック共有についてKMPを公式にサポートし、安定版かつ本番利用可能な技術として案内しています(出典: Google Android Developers「Kotlin Multiplatform」、2026年)。ただし、費用は「KMPを使うか」よりも「何を共通化し、何を個別に作るか」に左右されます。
KMPとCompose Multiplatformは費用の考え方が異なります
KMPは、ドメインルール、データモデル、入力チェック、APIクライアント、認証、同期処理などの共有ロジックを扱う仕組みです。Androidの画面はJetpack Compose、iOSの画面はSwiftUIやUIKitというように、画面を各OSに合わせて分ける構成もできます。画面をKotlinで共有するCompose Multiplatformは別の選択肢であり、UIまで共通化すると初期の設計検証やアクセシビリティ確認が増える場合があります。
したがって、見積書では「KMP対応一式」と書かれた金額だけを見ないことが重要です。共有モジュール、Android固有実装、iOS固有実装、Compose Multiplatformを使う画面、API、管理画面、テストを分けると、どの部分で費用が下がり、どの部分で追加費用が発生するのかを判断しやすくなります。
共通化で下がる費用と増える費用を分けて考えます
共通化によって、AndroidとiOSで同じ業務ルールを二重に実装する作業、仕様変更を2か所へ反映する作業、同じ計算ロジックを各OSで再テストする作業を減らせる可能性があります。特に在庫計算、承認条件、入力バリデーション、認証トークンの更新など、画面から独立した処理は共有効果を検討しやすい領域です。
一方で、KMP導入初期にはプロジェクト構成、Gradle、Xcode、iOS公開API、CI/CD、依存ライブラリの互換性を整える費用が必要です。カメラ、Bluetooth、プッシュ通知、MDM、位置情報、端末内暗号化などはOS固有の実装が残りやすいため、KMPの採用を理由にこれらの工数を削ると、後工程で追加費用になりやすいです。
Kotlin Multiplatformのシステム開発費用相場はいくらですか?

結論から言うと、Kotlin Multiplatformのシステム開発は、技術検証なら100万〜300万円、小規模な社内業務アプリなら500万〜1,000万円、中規模の業務システム連携なら1,500万〜3,000万円、大規模な基幹連携型なら3,000万〜8,000万円以上が一つの目安です。KMPだけの公的な国内価格統計はないため、以下は2025〜2026年の国内モバイルアプリ・BtoBアプリの公開見積もり例と、KMPの構成要件を組み合わせた推定レンジです。
技術検証と小規模アプリは100万〜1,000万円が目安です
技術検証、いわゆるPoCを目的に、認証、API通信、1つの主要画面、AndroidとiOSのビルド、基本的なテストまでを確認する場合は、100万〜300万円程度が目安です。期間は1〜2か月程度を想定しますが、既存アプリへの組み込み、複雑な認証基盤、オフライン同期まで検証する場合は、範囲を絞っても上振れします。PoCは本番アプリを完成させる予算ではなく、共有範囲と技術リスクを測る費用です。
5〜15画面程度のログイン、一覧、登録、簡易通知、管理画面を持つ社内向けアプリなら、500万〜1,000万円程度が一つの目安です。SIA株式会社が2026年に公開した相場では、業務システムと連携する本格的なiOSアプリは500万〜1,500万円、期間は3〜6か月と整理されています(出典: SIA株式会社「iOSアプリ開発の費用相場 2026年版」、2026年)。KMPの共有範囲が広い案件でも、APIや管理画面が新規なら、このレンジから大きく外れるとは限りません。
中規模から大規模は1,500万〜8,000万円以上に広がります
20〜50機能、複数のAPI、権限、プッシュ通知、オフライン入力、同期キュー、監査ログ、端末管理を含む中規模案件では、1,500万〜3,000万円程度を見込むことがあります。期間は6〜10か月程度が目安です。利用拠点が複数あり、商品・在庫・案件・作業実績などのマスタやトランザクションを既存基幹と連携する場合は、アプリの画面数だけでなくデータ整合性の設計が費用を押し上げます。
複数拠点、複数システム、データ移行、厳格な監査、24時間運用、SLA、災害対策まで含む大規模案件は、3,000万〜8,000万円以上となる可能性があります。これはKMPが高額という意味ではなく、要件定義、バックエンド、ネットワーク、データ移行、教育、受入テスト、運用設計が企業システムの費用として積み上がるためです。LASSICが2026年に整理したモバイルアプリの公開見積もり例でも、機能規模・OS範囲・開発手法・人月単価・運用保守費によって、50万円前後から300万円超まで幅があると説明されています(出典: LASSIC「モバイルアプリ開発費用の相場」、2026年)。
既存アプリのKMP移行は300万〜1,500万円程度から検討します
既存AndroidアプリやiOSアプリをKMPへ段階移行する場合は、300万〜1,500万円程度が一つの検討レンジです。期間は2〜12か月程度まで広がります。認証、APIクライアント、データモデル、バリデーションなどを切り出すだけなら小さく始められますが、既存コードの品質、テスト不足、ライブラリの対応状況、iOS側の実装差分によって調査工数が変わります。
移行案件では、全画面を一度に書き換える計画を避けることが大切です。まず影響範囲が小さく、両OSで同じ結果になる業務ルールを共有し、リリース後の障害率、開発速度、テスト時間を計測します。その結果を次の機能の予算に反映すると、KMP導入効果を推測でなく実績で評価できます。
Kotlin Multiplatformの費用内訳は何ですか?

開発費用は、KMPの共有コードだけで構成されません。要件定義、画面設計、共通ロジック、Android固有機能、iOS固有機能、バックエンド、管理画面、テスト、ストア申請、データ移行、教育、運用設計を分けて考えます。SIAの2026年公開情報では、企画・要件定義10〜15%、UI/UXデザイン10〜20%、実装40〜50%、テスト15〜20%、申請・リリース5%前後という配分が示されています(出典: SIA株式会社、2026年)。案件ごとに差はありますが、見積書を読む際の出発点になります。
共通コード・OS固有コード・サーバーを分けて確認します
共通コードには、業務ルール、データモデル、JSONやシリアライズ、API通信、認証、入力チェック、同期処理、単体テストなどが含まれます。Android側にはJetpack Composeや通知、端末ストレージ、バックグラウンド処理を、iOS側にはSwiftUIまたはUIKit、Keychain、通知、権限、App Store申請を計上します。共通コードが多くても、両OSでの接続確認と実機テストは必要です。
業務システムでは、API、データベース、管理画面、バッチ、監査ログ、権限管理が大きな割合を占めることがあります。SIAも、業務データと連携するアプリではAPI、管理画面、データベースなどのサーバー側開発が総工数の半分近くを占める場合があると説明しています。KMPを採用するかどうかにかかわらず、バックエンドが既存か新規か、API仕様が固まっているかを見積もりの前提に明記します。
QA・データ移行・リリース準備を削らないことが重要です
KMPでは、同じ共有ロジックを使えることと、両OSで正しく動くことは別の問題です。AndroidとiOSでの単体テスト、APIの結合テスト、実機の画面操作、通信断からの復帰、同期の競合、権限拒否、端末紛失時のデータ削除まで検証します。対象OSのバージョン、スマートフォンとタブレットの種類、画面サイズ、古い端末の扱いを広げるほどテスト工数は増えます。
既存の顧客、商品、在庫、案件、作業実績などを移行する場合は、データクレンジング、コード体系の統一、移行リハーサル、切り戻し計画を費用に含めます。マスタが未整備のままアプリだけを作ると、入力ミスや表記揺れを高速化するだけになりかねません。KMP導入前に紙、Excel、電話、FAX、二重入力の業務を棚卸しし、標準化することが結果的なコスト最適化につながります。
初期費用と別に年間保守費・運用費を見積もります
リリース後は、Kotlin、KMP、Compose、Gradle、Xcode、Android Studio、外部ライブラリの更新、OSの仕様変更、脆弱性対応、ストア審査、障害調査、小規模改修が発生します。研究ノートの業務システム相場では、初期開発費の15〜20%程度を年間保守費の目安としていますが、これはKMPの定価ではなく、SLAや対応時間によって変わる計画値です。24時間監視、休日対応、端末管理、ヘルプデスクを含む場合は、別の運用費として算出します。
また、クラウドのサーバー費、ログ保管費、プッシュ通知や地図などの外部サービス料金、Apple DeveloperやGoogle Playのアカウント管理、MDM、端末購入費も確認します。見積もりを比較するときは、初期開発費だけでなく、3年程度の総保有コストを並べると、安価に見える提案の条件を見抜きやすくなります。
費用を抑えながらKotlin Multiplatformで開発する進め方

費用を抑える基本は、要件を曖昧にしたままKMPの共通化率だけを追わず、技術リスクの高い箇所から小さく検証することです。初期段階で業務と非機能要件を整理し、PoCで共有範囲、iOS連携、端末機能、ビルド、品質を確かめてから、本開発の予算を確定します。
要件定義とPoCで共有効果を数値化します
最初に、利用者、拠点、端末、対象OS、同時利用者数、主要画面、帳票、外部システム、オフライン時間、保持期間、RTO・RPO、監査ログ、個人情報の有無を整理します。現場の業務を観察し、紙やExcelで行っている入力、承認、差し戻し、例外処理を洗い出すことも必要です。技術要件だけでなく、業務の標準化を先に行うことで、後から画面やAPIを作り直すリスクを減らせます。
PoCでは、ログイン、代表的なAPI、データ保存、エラー処理、iOSへの共有モジュール公開、CIビルド、1〜2台の主要端末を対象にします。カメラ、Bluetooth、位置情報、プッシュ通知、オフライン同期など費用変動が大きい機能を1つ以上入れると、本番見積もりの精度が高まります。PoCの成功条件を「ビルドできた」だけにせず、処理速度、失敗時の復旧、テスト時間、担当者が保守できるかまで定義します。
共通ロジックを先に設計し、UIと固有機能を段階実装します
本開発では、commonMainにドメインルール、データモデル、バリデーション、APIクライアント、同期処理を置き、androidMainとiosMainにストレージ、通知、カメラ、認証、生体認証などを置く設計が基本になります。UIはAndroidをJetpack Compose、iOSをSwiftUIやUIKitに分ける方式から始めると、OS固有の操作性やアクセシビリティを確認しやすいです。画面まで共通化する場合は、Compose Multiplatformを機能単位で試してから広げます。
見積もりでは、共通コードの機能一覧と、各OSに残す機能一覧を別々に作ります。例えば認証、通信、入力チェックは共有し、端末の生体認証や通知はOS別、管理画面はWebで開発するという具合です。共有率を一つのパーセントで約束するより、機能ごとの担当範囲と受入条件を定めるほうが、追加費用の発生箇所を管理しやすくなります。
テスト・リリース・保守の担当を開発前に決めます
テスト計画では、共有ロジックの単体テスト、AndroidとiOSの結合テスト、APIの異常系、オフライン復帰、同期競合、権限設定、端末紛失時の削除、性能、アクセシビリティ、セキュリティを分けます。個人情報、営業情報、位置情報を扱う場合は、端末保存の暗号化、通信、ログへの情報混入、認証の有効期限、退職者や紛失端末への対応を非機能要件に含めます。
リリース前には、App StoreとGoogle Playの申請、企業向け配布、MDM、段階公開、障害時のロールバックを確認します。納品物にはソースコード、設計書、テスト仕様、依存関係一覧、SBOM、CI/CD設定、リリース手順、運用手順を含め、誰がKMPやXcodeなどの更新を担当するか契約書に明記します。これが将来のベンダーロックインと予期せぬ保守費を抑えるポイントです。
費用の変動要因とKotlin Multiplatformのコスト最適化ポイント

KMPの費用は、画面数だけでなく、データの複雑さ、端末機能、セキュリティ、対象OS、既存資産、開発会社の体制によって変わります。KMPの採用で削減できる可能性がある二重実装と、KMPの導入・運用に必要な初期費用を分けて比較することが、過度な期待と過小見積もりを防ぎます。
機能・端末・オフライン要件が費用を大きく左右します
ログインや一覧表示だけのアプリと、カメラで読み取った情報をオフラインで保存し、通信復旧後に基幹システムへ同期するアプリでは、必要な設計が大きく異なります。オフラインでは、ローカルDB、同期キュー、再送処理、競合解決、時刻の扱い、途中失敗からの再開を設計するため、機能名が「入力画面」でも費用は高くなります。
対応端末をスマートフォンだけにするか、タブレットや専用スキャナーまで広げるか、古いOSを残すかでも検証費用が変わります。プッシュ通知、位置情報、Bluetooth、カメラ、生体認証、ファイル保存、バックグラウンド処理は、KMPで共通化できる部分とOS固有の部分を機能ごとに確認します。見積もり依頼時に端末一覧と利用場所を添えるだけでも、後からの追加請求を減らしやすくなります。
共通化の対象を絞り、段階リリースで投資を分散します
最初からUIまで100%共通化するのではなく、認証、通信、データ、計算、バリデーションなど、両OSで同じ結果が求められる領域から始めます。Kotlin公式も、ネットワークやストレージなどの孤立したモジュールから共有し、段階的に共有範囲を広げる方法を案内しています(出典: Kotlin Multiplatform公式ドキュメント、2026年)。この進め方なら、iOSの操作性を損なわず、PoCの結果を次の予算判断に使えます。
JetBrainsが2026年に紹介した事例では、Blackstoneが約90%の業務ロジックをKMPで共有し、コード統合から6か月で実装速度が50%向上した例や、DuolingoがiOSとWeb展開で6〜12人月を削減した例が示されています(出典: JetBrains Blog「Helping Decision-Makers Say Yes to Kotlin Multiplatform」、2026年)。これらは個別企業の事例であり、自社で同じ削減率を保証するものではありません。共通化できる業務ロジックの割合、既存テストの品質、チーム経験を確認してから投資対効果を試算します。
セキュリティと運用を後付けせず標準化します
個人情報や営業情報を端末に保存する場合は、認証、認可、暗号化、鍵管理、ログ、通信、アプリの改ざん対策、端末紛失、退職者のアカウント停止を最初から設計します。OWASP MASVSのストレージ、暗号、認証、ネットワーク、プラットフォーム、耐タンパー性、プライバシーの観点をRFPに落とすと、セキュリティ要件の抜けによる作り直しを抑えられます。
さらに、KMP、Kotlin、Compose、Gradle、Xcode、外部ライブラリのバージョンを管理し、更新の検証環境と担当者を定めます。技術の更新を保守契約から外すと、OSのサポート期限やストア要件が変わったときに、緊急対応として費用が膨らむ可能性があります。ソースコードと依存関係の一覧を納品し、内製チームが小さな修正を行える状態にすることも、長期コストを抑える方法です。
Kotlin Multiplatformの見積もりを取る際のポイント

見積もりの精度は、発注者がどれだけ前提条件を整理できるかで変わります。「AndroidとiOSの業務アプリをKMPで作りたい」という技術名だけの依頼では、会社ごとに共通化の範囲やテストの含め方が異なるため、価格を比較できません。RFPに業務、機能、端末、データ、品質、保守の条件を書き、同じ前提で複数社に依頼します。
RFPには共通化範囲と非機能要件を具体的に書きます
RFPには、対象OSとバージョン、想定端末、利用者数、拠点、画面と機能、APIの本数、既存システム、マスタ、帳票、ファイル、通知、カメラ、バーコード、Bluetooth、位置情報、オフライン時間を記載します。認証方式、権限、監査ログ、暗号化、データ保持、バックアップ、RTO・RPO、同時利用者数、許容応答時間も、費用を左右する重要な情報です。
さらに、KMPで共有したい機能と、OSごとに作る機能を一覧化します。UIをSwiftUIとJetpack Composeで分けるのか、Compose Multiplatformを採用するのか、既存Androidを段階移行するのかも明記します。要件が未確定な部分は「提案範囲」として別見積もりにし、確定後の追加費用がどの条件で発生するかを記載してもらいます。
価格だけでなく見積もりの粒度と体制を比較します
比較表では、要件定義、設計、共有コード、Android、iOS、Compose Multiplatform、API、管理画面、テスト、データ移行、CI/CD、ストア申請、教育、保守を行単位で並べます。「一式」の金額があった場合は、含まれる成果物と除外項目を確認します。人月単価だけでなく、担当者のKMP経験、iOSとAndroidの両方をレビューできる体制、実機テストの方法、障害時の連絡先を確認することが重要です。
海外のKMP専門会社は、PoCや移行支援に強い一方、日本語での要件整理、国内契約、個人情報の取り扱い、時差、保守体制を確認する必要があります。国内の受託会社は業務整理や運用支援に強い場合がありますが、公開されたKMP本番事例、iOSの相互運用、ライブラリ更新の担当を質問します。会社名や技術名だけで選ばず、同じ規模の業務システムを要件定義から保守まで説明できるかを比較します。
追加費用・納品物・保守責任を契約前に確認します
追加費用が発生する条件として、画面追加、対象端末追加、API仕様変更、オフライン要件の追加、セキュリティ基準の変更、ストア審査の差し戻し、OSアップデート対応を確認します。要件変更の承認者、変更管理の方法、納期への影響、再見積もりの単価を決めておくと、開発途中の判断がしやすくなります。
納品物には、ソースコード、設計書、API仕様、データモデル、テスト結果、端末対応表、依存ライブラリ、脆弱性対応方針、CI/CD設定、操作マニュアル、リリース手順を含めます。KMPでは共有コードの不具合が両OSに影響することがあるため、障害の切り分け方法と、緊急時にAndroid・iOSのどちらを誰が直すかも確認します。
よくある質問(FAQ)

Kotlin Multiplatformの費用や発注について、検索者から寄せられやすい質問に回答します。金額は前提条件で変わるため、回答のレンジと、見積もり時に確認すべき項目をあわせて整理します。
Kotlin Multiplatformなら開発費用は必ず安くなりますか?
必ず安くなるわけではありません。認証、通信、データ、業務ルールなどを共有できれば二重実装や二重保守を減らせる可能性がありますが、導入初期の環境整備、iOS連携、OS固有機能、両OSの実機テスト、保守体制の費用は残ります。共通化による削減額と、初期導入費を分けて3年程度の総保有コストで判断します。
SwiftやiOSエンジニアがいなくてもKMPのシステムを開発できますか?
iOSの画面や端末機能を扱う場合は、SwiftUI、UIKit、Keychain、通知、権限、App Store申請を理解する担当者が必要です。KMPで業務ロジックを共有しても、iOSの固有実装を完全になくせるわけではありません。社内に人材がいない場合は、iOSの設計・レビュー・障害対応まで含めた開発会社を選び、将来の内製化に向けたドキュメントと教育を契約に含めます。
既存のAndroidアプリをKotlin Multiplatformへ移行するといくらかかりますか?
小さく共有モジュールを切り出す移行なら300万〜1,500万円程度を検討し、期間は2〜12か月程度まで幅を持たせます。既存コードのテスト量、APIやデータ層の分離しやすさ、採用ライブラリ、iOS側の有無、移行中もサービスを継続するかによって変わります。まず認証や通信など一つの機能をPoCし、品質と工数を実測してから全体移行の見積もりを更新する方法が安全です。
KMPとCompose Multiplatformはどちらを選べばよいですか?
費用とリスクを抑えて段階導入するなら、まずKMPで業務ロジックを共有し、UIはAndroidとiOSのネイティブ技術に分ける構成が検討しやすいです。画面の見た目や動作を広くそろえたい場合はCompose Multiplatformを候補にしますが、アクセシビリティ、OS固有操作、既存デザインシステム、端末機能の対応をPoCで確認します。対象OS、ユーザー体験、社内人材、保守計画を比較して決めます。
まとめ

Kotlin Multiplatformのシステム開発費用は、PoCで100万〜300万円、小規模な社内業務アプリで500万〜1,000万円、中規模で1,500万〜3,000万円、大規模で3,000万〜8,000万円以上が一つの目安です。既存アプリの移行は300万〜1,500万円程度から検討できますが、いずれもKMP専用の公的統計ではなく、公開相場と要件から組み立てたレンジです。
費用判断では共通化範囲と業務要件を先に確認します
KMPは、認証、通信、データ、入力チェック、同期などの重複を減らせる可能性がある一方、iOSとAndroidのUI、端末機能、バックエンド、QA、セキュリティ、保守を不要にする技術ではありません。特にオフライン入力、監査ログ、基幹連携、端末管理、データ移行がある業務システムでは、画面数だけで判断せず、業務と非機能要件を整理します。
PoCと分解見積もりで、納得できる投資判断につなげます
発注前は、共通コード、Android固有、iOS固有、バックエンド、管理画面、テスト、移行、CI/CD、ストア申請、保守を分けたRFPを作り、複数社から同じ条件で見積もりを取得します。技術的に不確かな部分は1〜2か月のPoCで検証し、共有効果、品質、開発速度、将来の保守担当を確認してから本開発へ進みます。KMPを安さの理由としてではなく、業務の標準化と長期運用まで含む投資として評価することが大切です。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
