Kotlin Multiplatformの開発費は、共通化する範囲、業務の規模、連携する要件によって、100万円台から8,000万円以上まで変わります。
相場は規模ごとに、内訳は工程ごとに分けて見ると、見積もりを比べやすくなります。全体像は、完全ガイドの記事もあわせてご覧ください。
▼全体ガイドの記事
・Kotlin Multiplatformのシステム開発の完全ガイド
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Kotlin Multiplatformのシステム開発費用を決める全体像
Kotlin Multiplatform(KMP)は、AndroidやiOSなど複数のプラットフォームでKotlinのコードを共有する技術です。
Googleは2026年時点で、AndroidとiOSのビジネスロジック共有を公式にサポートしており、本番利用できる安定版として案内しています(出典: Google Android Developers「Kotlin Multiplatform」、2026年)。
KMPの費用は、採用そのものより、共通化する範囲と個別に作る範囲に左右されます。
KMPとCompose Multiplatformの費用の考え方の違い
KMPでは、画面から独立した業務ロジックを共有できます。共有と個別に作る範囲は、次のように分かれます。
- 共有ロジック:ドメインルール、データモデル、入力チェック、API、認証、同期処理
- 画面:AndroidはJetpack Compose、iOSはSwiftUIやUIKitで個別に構築
- 画面の共通化:Compose MultiplatformでKotlinの画面を共有
UIまで100%共通化すると、初期の設計検証やアクセシビリティ確認が増える場合があります。
そのため、見積書では「KMP対応一式」の金額だけで判断せず、APIや管理画面、テストも分けて確認します。費用が下がる箇所と追加費用が出る箇所は、それぞれ見分けます。
共通化で下がる費用と増える費用の分け方
共通化で減る可能性があるのは、AndroidとiOSで同じ作業を二度行う部分です。共有したロジックなら、変更や確認を一度で済ませられることがあります。
- 二重実装:同じ業務ルールをAndroidとiOSで実装する作業
- 仕様変更:変更を2か所へ反映する作業
- 再テスト:同じ計算ロジックを各OSでテストする作業
たとえば、在庫計算、承認条件、入力バリデーションは、共有効果を検討しやすい領域です。認証トークンの更新も、この領域に含まれます。
一方で、導入初期にはプロジェクト構成、Gradle、Xcodeの整備費用がかかります。さらに、iOS公開API、CI/CD、依存ライブラリの互換性も整える必要があります。
カメラ、Bluetooth、プッシュ通知は、OS固有の実装が残りやすい機能です。MDMや位置情報、端末内暗号化も、同じ傾向があります。
KMPを理由に工数を削ると、後工程で追加費用が発生する可能性があります。
Kotlin Multiplatformのシステム開発費用相場

技術検証は100万〜300万円、小規模アプリは500万〜1,000万円が目安です。
中規模案件は1,500万〜3,000万円、大規模案件は3,000万〜8,000万円以上となります。
KMPだけを対象にした公的な国内の価格統計はありません。
本記事の金額は、2025〜2026年の国内モバイル・BtoBアプリの公開見積もり例と、KMPの構成要件を組み合わせた推定レンジです。
技術検証と小規模アプリの費用目安
費用は、検証対象やアプリの規模に応じて、次のように見積もります。
- PoC:認証、API通信、主要画面1つ、両OSのビルド、基本テストで100万〜300万円程度
- 小規模アプリ:ログイン、一覧、登録、簡易通知、管理画面など5〜15画面の社内向けアプリで500万〜1,000万円程度
PoCの期間は1〜2か月程度です。ただし、既存アプリへの組み込みや複雑な認証基盤、オフライン同期を検証すると、範囲を絞っても費用は上がります。
なお、PoCは本番アプリの完成費ではなく、共有範囲と技術リスクを測るための費用です。
SIA株式会社の2026年公開相場では、業務システム連携を含む本格的なiOSアプリは、500万〜1,500万円で、期間は3〜6か月です(出典: SIA株式会社「iOSアプリ開発の費用相場 2026年版」、2026年)。KMPの共有範囲が広い案件でも、APIや管理画面が新規なら、このレンジから大きく外れるとは限りません。
中規模から大規模の費用幅
中規模から大規模の案件では、機能や運用の範囲によって、次の費用幅になります。
- 中規模:20〜50機能、複数API、権限、通知、オフライン入力・同期キュー、監査ログ、端末管理を含み、1,500万〜3,000万円程度を見込むことがあります
- 大規模:複数拠点・システム、データ移行、厳格な監査、24時間運用、SLA、災害対策を含み、3,000万〜8,000万円以上となる可能性があります
中規模案件の期間は6〜10か月程度が目安です。特に、複数拠点の商品、在庫、案件を既存基幹と連携すると、データ整合性の設計が費用を押し上げます。作業実績の連携が加わると、その分の設計も増えます。
KMP自体が高額なのではなく、費用が積み上がるのは、要件定義、バックエンド、ネットワークです。さらに、データ移行と教育が加わり、受入テストと運用設計も、費用の対象になります。
LASSICの2026年公開例では、機能規模やOSの範囲によって、50万円前後から300万円超まで幅があります(出典: LASSIC「モバイルアプリ開発費用の相場」、2026年)。また、開発手法、人月単価、保守費も、この幅を生む要因です。
既存アプリのKMP移行は300万〜1,500万円程度の検討レンジ
既存のAndroidまたはiOSアプリを段階移行する費用は、300万〜1,500万円程度が検討レンジで、期間は2〜12か月程度まで広がります。認証やAPIクライアントから切り出せば、小さく始められます。データモデルやバリデーションも、切り出しの対象になります。
既存コードの品質やテスト不足で、調査工数は変わります。ライブラリの対応状況やiOS実装の差分も、調査工数を左右します。
全画面を一度に書き換えるのは避け、まずは影響範囲が小さく両OSで同じ結果になる業務ルールから共有します。障害率、開発速度、テスト時間を計測し、次の機能の予算に反映すれば、導入効果を実績で評価できます。
Kotlin Multiplatformの費用内訳

開発費用には、共有コードのほかにも多くの作業が含まれます。要件定義、画面設計、OS固有機能は、それぞれ別に見積もります。
バックエンドや管理画面、テストも、分けて見積もります。申請やデータ移行も、個別に扱います。教育と運用設計は、別項目として見ます。
SIAの2026年情報では、工程ごとの割合は、企画・要件定義が10〜15%、UI/UXデザインが10〜20%、実装が40〜50%です。テストは15〜20%、申請・リリースは5%前後です(出典: SIA株式会社、2026年)。案件ごとの差はありますが、見積もりを読む出発点になります。
共通コード・OS固有コード・サーバーの分け方
見積もりでは、共有部分、OS固有部分、サーバー側の範囲を分けて見ます。
- 共通コード:業務ルール、データモデル、JSON・シリアライズ、API、認証を含みます。入力チェック、同期、単体テストも含みます。
- Android:Jetpack Compose、通知、端末ストレージ、バックグラウンド処理
- iOS:SwiftUIまたはUIKit、Keychain、通知、権限、App Store申請
- サーバー:API、データベース、管理画面、バッチ、監査ログ、権限管理
共通コードが多くても、両OSの接続確認と実機テストは必要です。さらに、業務データと連携するアプリでは、API、管理画面、データベースなどのサーバー側開発が総工数の半分近くを占める場合があると、SIAは説明しています。
KMPを採用するかどうかにかかわらず、バックエンドが既存か新規か、API仕様が固まっているかを、見積もりの前提として明記します。
QA・データ移行・リリース準備の工数
共有ロジックを使えても、両OSで正しく動くとは限りません。そのため、見積もりには次の検証と準備を含めます。
- QA:単体・API結合テスト、実機操作、通信断復帰、同期競合、権限拒否、紛失時削除
- 端末範囲:OSバージョン、スマートフォン・タブレット、画面サイズ、古い端末
- データ移行:既存の顧客・商品・在庫・案件・作業実績のデータクレンジングを行います。コード体系の統一、移行リハーサル、切り戻し計画も含みます。
- 業務標準化:KMP導入前に紙やExcel、電話、FAX、二重入力を洗い出し、マスタを整備します。
対象OSや端末の範囲を広げるほど、テストの工数は増えます。さらに、マスタが未整備のままでは、入力ミスや表記揺れを高速化しかねません。業務の標準化は、費用を抑えることにつながります。
初期費用とは別の年間保守費・運用費
保守、運用、サービス利用料は、初期費用とは別に見積もります。
- 年間保守:初期開発費の15〜20%程度が目安ですが、KMPの定価ではなく、SLAや対応時間で変わります。
- 技術更新:Kotlin、KMP、Compose、Gradleの更新に対応します。Xcode、Android Studio、外部ライブラリやOSの更新も含みます。
- 保守作業:脆弱性対応、ストア審査、障害調査、小規模改修などの作業
- 運用:24時間監視、休日対応、端末管理、ヘルプデスクは別途算出します。
- 利用料:クラウド、ログ、通知・地図に加え、Apple DeveloperやGoogle Playのアカウント管理、MDM、端末購入費の確認も必要です。
研究ノートの業務システム相場にある保守費率は、KMP固有の価格ではなく、計画の目安として扱います。また、初期費用だけでなく、3年程度の総保有コストを比べると、安く見える提案の条件を見分けられます。
費用を抑えながらKotlin Multiplatformで開発する進め方

費用を抑えるには、共通化率だけを追うのではなく、技術リスクの高い箇所から小さく検証することが基本です。
初期段階では、業務と非機能要件を整理します。そのうえで、PoCでは共有範囲やiOS連携、端末機能を試します。ビルドや品質も確かめてから、本開発の予算を決めます。
要件定義とPoCによる共有効果の数値化
要件定義からPoCまでは、業務の把握から成功条件の決定まで、段階を追って確かめていきます。
- 業務と非機能要件:利用者、拠点、端末、OS、同時利用者数を整理します。
- 現場業務:紙やExcelの入力、承認、差し戻し、例外処理を観察します。
- PoC対象:ログイン、代表API、データ保存、エラー処理を試します。
- 高リスク機能:カメラ、Bluetooth、位置情報、プッシュ通知、オフライン同期から1つ以上を含めます。
- 成功条件:ビルドの成否だけでなく、処理速度や失敗時の復旧、テスト時間、担当者の保守可否の基準を定めます。
加えて、画面、帳票、外部システム、オフライン時間、保持期間も押さえ、RTO・RPO、監査ログ、個人情報も含めます。現場業務は、標準化しておくと、画面やAPIの作り直しを防げます。また、PoCでは、iOSへの共有モジュール公開、CIビルド、主要端末1〜2台も確かめます。
共通ロジックの先行設計と、UI・固有機能の段階実装
機能ごとに、共通コードとOS固有実装を分けます。あわせて、UIの方式も決めておきます。
- commonMain:ドメインルール、データモデル、バリデーション、APIクライアント、同期処理
- androidMain・iosMain:ストレージ、通知、カメラ、認証、生体認証
- 個別UI:Jetpack ComposeとSwiftUIやUIKitに分け、OS固有の操作性を確認
- 共通UI:Compose Multiplatformを機能単位で試し、段階的に拡大
- 担当範囲:認証・通信・入力チェックは共有し、生体認証・通知はOS別、管理画面はWebなど機能別に定義
共有率を一つの割合で約束するより、機能ごとに受入条件を決めたほうが、追加費用を管理できます。
テスト・リリース・保守の担当決定
開発前に、テスト、公開、運用それぞれの担当範囲を決めておきます。
- 品質確認:単体、両OS結合、API異常系を見ます。オフライン復帰、同期競合、権限、紛失時削除を確かめます。性能、アクセシビリティ、セキュリティも対象です。
- 情報保護:個人情報・営業情報・位置情報を扱う場合は、端末保存の暗号化、通信、ログ混入を確認します。認証期限や、退職者・紛失端末への対応も含めます。
- リリース:ストア申請、企業配布、MDM、段階公開、障害時のロールバック
- 納品と保守:ソース、設計書、テスト仕様、依存関係、SBOMを納品します。CI/CD、リリース・運用手順、KMPやXcodeの更新担当も含みます。
担当を決めておくことは、将来のベンダーロックインや予期せぬ保守費を抑えるうえで役立ちます。
費用の変動要因とKotlin Multiplatformのコスト最適化ポイント
KMPの費用は、画面数のほかに、データの複雑さや端末機能によっても変わります。さらに、セキュリティや対象OSも影響し、既存資産や開発会社の体制も関わります。
二重実装の削減の見込みと、KMPの導入・運用に必要な初期費用を分けて比べると、過度な期待や過小見積もりを防げます。
機能・端末・オフライン要件が費用に与える影響
見積もりでは、機能の複雑さと対応端末、OS固有実装を切り分けて見ます。
- オフライン同期:ローカルDB、同期キュー、再送、競合解決、時刻、失敗後の再開が必要
- 端末範囲:スマートフォン、タブレット、専用スキャナー、古いOSの対応範囲
- 端末機能:通知、位置情報、Bluetooth、カメラに対応します。生体認証、ファイル、バックグラウンド処理も含みます。
各機能は、KMPで共有する部分とOS固有の部分に分けて確認します。ログインや一覧だけのアプリと比べると、カメラ情報をオフライン保存して基幹へ同期するアプリは、設計が増えます。
機能名が「入力画面」でも、必要な設計によって費用が高くなる場合があります。端末構成を示すと、試験対象とOS固有機能の見積もり範囲を定められます。また、見積もり時に端末一覧と利用場所を添えると、後からの追加請求を減らせます。
共通化の対象の絞り込みと段階リリース
共通化と段階リリースは、次のように進めます。
- 共有範囲:UI全体ではなく、認証、通信、データ、計算、バリデーションから始める
- 段階導入:ネットワークやストレージなどから共有し、PoC結果を次の予算判断に使う
- 効果測定:共有ロジックの割合、既存テストの品質、チーム経験を確認して投資対効果を試算
Kotlin公式は、段階的に共有範囲を広げる方法を案内しています(出典: Kotlin Multiplatform公式ドキュメント、2026年)。
JetBrainsが2026年に紹介した事例では、Blackstoneは業務ロジックの約90%を共有し、コード統合から6か月で実装速度が50%向上しました。
また、DuolingoはiOSとWeb展開で6〜12人月を削減したとされています(出典: JetBrains Blog「Helping Decision-Makers Say Yes to Kotlin Multiplatform」、2026年)。これらは個別事例であり、同じ削減率を保証するものではありません。
セキュリティと運用の標準化
情報保護と技術更新は、開発の段階から運用設計に含めます。
- 端末の情報保護:認証、認可、暗号化、鍵管理を押さえます。ログや通信、改ざん、紛失、退職者の停止も対象です。
- セキュリティ要件:OWASP MASVSのストレージ、暗号、認証、ネットワーク、プラットフォーム
- 更新管理:KMP、Kotlin、Compose、Gradle、Xcode、外部ライブラリの検証環境と担当の決定
OWASP MASVSの耐タンパー性やプライバシーも、RFPに含めておくと、要件漏れによる作り直しを抑えられます。
技術更新を保守契約から外すと、OSサポート期限やストア要件が変わったときに、緊急の費用が膨らむ可能性があります。また、ソースコードと依存関係の一覧を納品し、内製チームが小さな修正を行える状態にしておくと、長期のコストを抑えられます。
Kotlin Multiplatformの見積もりを取る際のポイント
見積もりの精度は、発注者が前提条件をどれだけ整理するかで変わります。技術名だけの依頼では、会社ごとに共通化範囲やテスト条件が異なるため、価格を比較できません。
RFPには、業務や機能、端末の条件を書きます。データ、品質、保守の条件も加えます。そのうえで、同じ前提で複数社に依頼します。
RFPの共通化範囲と非機能要件の書き方
RFPでは、機能・端末・データと、非機能要件を分けて整理します。
- 業務範囲:OS・バージョン、端末、利用者数、拠点、画面を示します。機能とAPIの本数も入れます。
- 既存資産:既存システム、マスタ、帳票、ファイル、通知
- 端末機能:カメラ、バーコード、Bluetooth、位置情報、オフライン時間
- 品質・性能:認証、権限、監査ログ、暗号化を求めます。データ保持、バックアップ、RTO・RPO、同時利用者数、許容応答時間も示します。
- 共通化範囲:KMPで共有する機能とOSごとに作る機能を一覧にする
UIは、SwiftUIとJetpack Composeに分けるか、Compose Multiplatformを使うかを決めておきます。既存Androidを段階移行する場合は、その旨も明記します。
未確定の要件は「提案範囲」として別に見積もってもらい、確定後に追加費用が発生する条件も記載してもらいます。
価格だけでなく見積もりの粒度と開発体制の比較
見積もりを比べるときは、作業範囲と開発体制を同じ観点で見ます。
- 作業項目:要件定義、設計、共有コード、両OS、CMP、APIが含まれるかを見ます。
- 見積もり条件:「一式」の成果物と除外項目、人月単価の確認
- 開発体制:KMP経験、両OSのレビュー、実機テスト、障害時の連絡先を比較
- 海外のKMP専門会社:PoCや移行支援に強みがある一方、日本語や国内契約、個人情報の扱い、時差、保守体制を確認します。
- 国内の受託会社:業務整理や運用支援に強い場合がある一方、公開されたKMP本番事例、iOS相互運用、更新担当の確認が必要です。
見積もりでは、管理画面、テスト、移行に加えて、CI/CD、申請、教育、保守の扱いも確かめます。
会社名や技術名だけで選ばず、同規模の業務システムを要件定義から保守まで説明できるかで比べます。
追加費用・納品物・保守責任の契約前確認
契約前には、追加費用と変更管理を確かめます。納品物と障害対応も、同時に確認します。
- 追加費用:画面・対象端末の追加、API仕様変更、オフライン要件の追加、セキュリティ基準の変更、審査差し戻し、OS更新対応
- 変更管理:承認者、管理方法、納期への影響、再見積もり単価
- 納品物:ソース、設計書、API仕様、データモデル、テスト結果、端末対応表が含まれます。
- 運用と障害対応:CI/CD、操作マニュアル、リリース手順、切り分け方法、緊急時の修正担当
納品物には、依存ライブラリ、脆弱性対応方針、CI/CD設定、操作マニュアル、リリース手順も含めます。
共有コードの不具合は、両OSに影響することがあります。そのため、障害の切り分け方法と、緊急時にAndroidとiOSのどちらを誰が直すかを確認します。
よくある質問(FAQ)
Kotlin Multiplatformの費用や発注について、寄せられやすい質問に答えます。金額の前提や見積もり時の確認事項も整理します。
Kotlin Multiplatformなら開発費用は必ず安くなりますか?
費用が必ず下がるとは限りません。認証、通信、データ、業務ルールを共有できれば、二重実装や二重保守を減らせる可能性があります。
一方で、導入時の環境整備やiOS連携、OS固有機能は費用として残ります。両OSの実機テストや保守体制の費用もかかります。そのため、共有による削減額と初期費用を分けたうえで、3年程度の総保有コストで判断します。
SwiftやiOSエンジニアがいなくてもKMPのシステムを開発できますか?
iOSの画面や端末機能には、SwiftUIやUIKit、Keychainを理解する担当者が必要です。さらに、通知や権限、App Store申請も、担当者が理解している必要があります。KMPで業務ロジックを共有しても、iOS固有の実装は残ります。
社内に人材がいない場合は、iOS設計やレビュー、障害対応まで含む開発会社を選びます。内製化に向けて、ドキュメントと教育も契約に含めておきます。
既存のAndroidアプリをKotlin Multiplatformへ移行するといくらかかりますか?
共有モジュールを小さく切り出す移行は、300万〜1,500万円程度で検討します。期間は2〜12か月程度まで幅があります。
費用は、既存コードのテスト量やAPIとデータ層の分離しやすさによって変わります。採用ライブラリやiOS側の有無、移行中のサービス継続も、費用に影響します。
まずは、認証や通信など一つの機能をPoCで試し、品質と工数を実測してから全体移行の見積もりを更新します。
KMPとCompose Multiplatformはどちらを選べばよいですか?
費用とリスクを抑えて段階導入するなら、KMPで業務ロジックを共有し、UIをAndroidとiOSのネイティブ技術に分ける構成が検討しやすいです。一方で、画面の見た目や動作を広くそろえるなら、Compose Multiplatformを候補にします。
アクセシビリティやOS固有の操作、既存デザインはPoCで確認し、端末機能も同じ検証で確かめます。対象OSや体験、人材を踏まえ、保守計画も含めて決めます。
まとめ
KMP開発費用は、PoCで100万〜300万円、小規模な社内業務アプリで500万〜1,000万円が目安です。また、中規模の業務システム連携では1,500万〜3,000万円、大規模な基幹連携型では3,000万〜8,000万円以上が一つの目安です。
既存アプリの移行は300万〜1,500万円程度から検討できます。これらはKMP専用の公的統計ではなく、公開相場と要件から組み立てたレンジです。
費用判断で先に確認する共通化範囲と業務要件
KMPは、認証や通信、データ、入力チェック、同期などの重複を減らせる可能性があります。一方で、UIや端末機能、バックエンドを不要にする技術ではありません。QA、セキュリティ、保守も、引き続き必要です。
オフライン入力や監査ログ、基幹連携がある業務システムでは、画面数だけでなく、業務と非機能要件を整理します。端末管理やデータ移行も、同じ整理の対象です。
PoCと分解見積もりによる投資判断
納得できる投資判断に向けて、要件の整理と検証を順に進めます。
- 分解見積もり:共通コード、OS固有、バックエンドを分けます。管理画面、テスト、移行、CI/CD、申請、保守も分けて、複数社へ同条件のRFPを出します。
- PoC:不確かな技術を1〜2か月で検証し、共有効果や品質、速度、将来の保守担当を確かめたうえで、本開発へ進みます。
- 投資判断:安さだけで見ず、業務標準化と長期運用を含めた評価
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
