KVMのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

KVMのシステム開発を依頼するなら、KVM単体の導入ではなく、仮想マシン、ストレージ、ネットワーク、監視、バックアップ、移行、保守まで設計できる会社を選ぶことが重要です。本記事では、株式会社riplaを最初に、実在する開発会社・ベンダーを計6社紹介します。

なお、ここでいうKVMはKeyboard・Video・Mouse切替器ではなく、Linuxカーネルに統合された仮想化技術「Kernel-based Virtual Machine」を指します。KVMはオープンソースですが、企業で使えるシステムにするには、ホストサーバーや共有ストレージ、可用性、セキュリティ、運用体制まで検討が必要です。各社の特徴、費用の考え方、発注前に確認すべきポイントを、2026年時点の公開情報をもとに整理します。

▼全体ガイドの記事
・KVMのシステム開発の完全ガイド

KVMのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

KVMのシステム開発パートナーを選ぶイメージ

KVMはLinux上で仮想マシンを動かす中核技術です。しかし、KVMだけをインストールしても、複数ホストの一元管理や障害時の切り替え、バックアップ、利用者ごとの権限管理まで自動的に整うわけではありません。企業がKVMのシステムと呼ぶ構成には、QEMU、libvirt、管理画面、仮想ネットワーク、ストレージ、監視、運用手順などが含まれます。

ソフトウェアと運用基盤を分けて考える必要があります

たとえば、単一の検証ホストであればKVMとQEMU、libvirtを組み合わせて数台のVMを動かせます。一方、本番環境でホスト障害に備える場合は、2台以上の物理ホスト、共有または分散ストレージ、冗長ネットワーク、ライブマイグレーション、障害時のVM再起動が必要です。Proxmox VE、OpenStack、OpenShift Virtualizationなどの管理層を使う場合も、製品を選ぶだけでなく、どの機能を誰が運用するかまで決める必要があります。

発注前に非機能要件を決める必要があります

KVMのシステムでは、VMの台数だけを伝えても適切な見積もりになりません。CPU使用率のピーク、メモリ容量、ストレージのIOPS、ネットワーク帯域、同時利用者数、許容停止時間、RPO・RTO、ログ保存期間、バックアップ世代を整理しておく必要があります。要件定義が曖昧なまま進めると、後からホストやストレージを追加し、設計変更費用と移行リスクが膨らみやすくなります。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaのシステム開発支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

KVMのシステム開発では、仮想化基盤だけを先に決めるのではなく、業務アプリケーションの停止条件、利用部門、データ連携、権限、運用担当者を整理することが大切です。riplaは、業務上の目的から要件を整理し、基幹システムや周辺業務との関係を踏まえて、必要な開発・導入範囲を考えたい企業が相談しやすい候補です。KVMを採用する場合も、仮想化基盤の担当会社と業務システムの担当会社を分けるのか、要件整理やプロジェクト管理を一社にまとめるのかを比較できます。

得意領域・実績

営業・顧客・生産・販売管理など、複数の業務を横断してシステムを見直したい企業に向いています。既存の物理サーバーやVMを新しい基盤へ移行する際は、インフラ会社だけでなく、業務側の優先順位やリリース手順を理解する会社が必要です。問い合わせ時には、KVM自体の構築経験だけでなく、要件定義、既存システム連携、テスト、利用部門への教育、運用定着までの役割分担を確認すると、自社に合う提案か判断しやすくなります。

株式会社NTTデータ|KVM仮想化基盤の管理・運用を支援

NTTデータのKVM仮想化基盤支援

株式会社NTTデータは、KVMを利用した仮想化基盤を管理する「Prossione Virtualization 1.0」を2025年7月31日に提供開始した企業です。複数ホスト上の仮想マシンを一覧で管理し、稼働中のVMを別ホストへ移動するライブマイグレーションなどを提供しています。KVMの導入そのものより、企業の仮想化基盤を長期的に管理・運用する体制まで求める場合に検討しやすい会社です。

特徴と強み

NTTデータの公開発表では、Prossione VirtualizationはKVMを利用した基盤の管理を容易にし、システム主権の確保と長期安定運用を目指すサービスとして説明されています。KVMはOSSであるため、ソフトウェアの利用料だけでなく、専門人材、アップデート、障害対応、構成変更を誰が担うかが重要です。大規模な組織で複数ホストを一元管理し、運用窓口やサポート体制を整理したい場合に強みを活かせます。

得意領域・実績

既存の大規模仮想化基盤を見直したい企業、VMwareなどからの移行を含めて相談したい企業、OSSを採用しながら企業向けの支援窓口を確保したい企業に向いています。なお、NTTデータの公開情報では価格は個別見積で、導入するホスト数、ストレージ方式、移行対象、運用監視の時間帯によって条件が変わります。見積時は管理ソフトの費用と、設計・構築・移行・保守の費用を分けて確認してください。

株式会社日立製作所|高信頼な仮想化基盤の設計・移行を支援

日立製作所の仮想化基盤支援

株式会社日立製作所は、KVM、Hyper-V、OpenShiftなどを対象に、仮想化環境の検討、設計・構築、運用、既存環境からの移行を支援しています。公式の仮想化基盤ページでは、KVM自身の管理機能に加えて、GUIやライブマイグレーションを含めた一元管理、高信頼化、既存環境からの移行支援が案内されています。基幹系システムの停止リスクや長期保守を重視する企業の候補です。

特徴と強み

仮想化基盤は、ホストOSやVMが起動するだけでは本番品質になりません。ストレージ障害時の動作、バックアップからの復旧、パッチ適用中の業務継続、監視アラートの一次対応、障害原因の切り分けまで確認が必要です。日立製作所のようにインフラ、サーバー、ストレージ、運用の相談先をまとめやすい会社は、業務停止の許容時間が短い環境で比較対象になりやすいです。

得意領域・実績

自治体、金融、製造、公共など、安定稼働と監査対応を重視する企業に向いています。KVMを直接使うのか、OpenShift Virtualizationなどの管理層を採用するのか、既存の運用監視製品とどう接続するのかを設計段階で比較できます。大規模移行では、VMの変換可否だけでなく、Virtioドライバー、IPアドレス、時刻同期、アプリケーションライセンス、切り戻し手順を含む移行計画を提示してもらうことが大切です。

富士通株式会社|大規模なプライベートクラウド・サーバー集約に対応

富士通のKVMを用いたサーバー集約

富士通株式会社は、Red Hat Enterprise Linux KVMやRed Hat OpenStack Platformを利用したサーバー集約・プライベートクラウドの構築を検討できる企業です。公式に公開されている京都大学の事例では、Red Hat Enterprise Linux KVMと富士通のサーバーを採用し、400台以上の仮想サーバーを設定できる基盤を構築したと説明されています。多数のサーバーを集約し、災害対策や将来の拡張まで考える企業に適しています。

特徴と強み

富士通の事例では、複数の仮想化方式を比較したうえで、安定性、コストパフォーマンス、性能、消費電力、ストレージ性能などを総合評価して採用を決めています。この進め方は、KVMを最初から決め打ちせず、現行環境と候補製品を同じ評価項目で検証したい企業に参考になります。大規模基盤では、性能の平均値ではなく、ピーク時のCPU待ち、ストレージの遅延、障害時の再配置時間を測ることが重要です。

得意領域・実績

大学や研究機関のようにサーバーの種類が多い環境、企業データセンターの集約、複数拠点や災害対策を含む基盤整備に向いています。OpenStackなどを組み合わせる場合は、VMを作成する利用者、承認者、基盤管理者の権限を分け、セルフサービスの範囲と運用窓口を定義します。公開事例は個別案件の成果であり、同じ台数や性能を保証するものではないため、自社のVM台数とワークロードを使ったPoCを依頼してください。

日本電気株式会社(NEC)|RHELとKVMを組み合わせた導入を支援

NECのRHELとKVMによる仮想化基盤

日本電気株式会社(NEC)は、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)上のKVMを対象とするLinuxサービスセットを提供しています。KVMホストと複数のRHELゲストを組み合わせ、サーバーやOS、サポートをまとめて検討したい企業が候補にしやすいベンダーです。RHELを標準OSとして採用している企業や、OSライセンスと保守の窓口を整理したい企業に適しています。

特徴と強み

NECの公開資料には、RHELのKVMハイパーバイザーと4ゲストを組み合わせた製品が掲載されています。2025年8月時点の公式資料では、2ソケット・1年の希望小売価格が税別205,200円、月間保守料金が17,100円とされています(出典: NEC「Linuxサービスセット RHEL KVM」2025年8月)。ただし、これは特定の製品構成の価格であり、サーバー本体、ネットワーク、ストレージ、構築、バックアップ、ゲストOSの条件を含むKVMのシステム全体の費用ではありません。

得意領域・実績

既存のNECサーバー、RHEL、業務システムを一体で調達・保守したい企業に向いています。サポート対象のホストOS、ゲストOS、CPUソケット、ゲスト数は製品条件によって異なるため、Windows VMを含む場合や、PCIパススルー、SR-IOV、ライブマイグレーションを使う場合は、事前に対応可否を確認してください。NECの公式説明でも、サイジングやミドルウェアの動作、ライセンスは導入前の十分な検証が必要とされています。

アプライドテクノロジー株式会社|Proxmoxと共有ストレージで費用を抑えた構成

アプライドテクノロジーのProxmox仮想化基盤

アプライドテクノロジー株式会社は、Proxmox VEとSynology NASを利用した仮想化基盤の構築事例を公開している企業です。Proxmox VEはKVMを利用する管理基盤の一つで、Web画面からVMを管理し、クラスタや高可用性、バックアップなどを組み合わせられます。大手ベンダーの包括的な基盤だけでなく、中小規模のオンプレミス環境で費用と運用性のバランスを検討したい企業に向く候補です。

特徴と強み

公式事例では、VMwareのライセンス変更による負担を背景に、ProxmoxとSynologyの高速SSD共有ストレージを組み合わせ、費用を抑えながら操作性と性能の改善を目指した構成が紹介されています。既存のWindows Serverベースのストレージからの見直しや、VMware代替を検討する企業にとって、具体的な構成イメージを持ちやすい点が特徴です。導入前には、機器の保守期間、ストレージ障害時の交換方法、バックアップ先、復旧時間を確認します。

得意領域・実績

中小企業の社内サーバー、開発・検証環境、複数の小規模VMを一つの基盤へ集約したい企業に適しています。公開事例はProxmoxとSynology NASの構成例であり、すべてのKVM移行や24時間365日の運用保守を意味しません。既存VMの変換、Windowsライセンス、HA構成、遠隔監視、障害時の駆け付け、将来の拡張性は、問い合わせ時に自社要件を示して個別に確認してください。

KVMのシステム開発パートナー選びのポイント

KVMのシステム開発会社を比較するポイント

会社を比較する際は、KVMというキーワードを扱えるかだけでなく、仮想化基盤を業務で止めずに運用できるかを確認します。大規模ベンダーと地域のインフラ会社では得意な規模や支援方法が異なるため、自社のVM台数、ゲストOS、予算、運用人材、希望稼働日を前提に、同じ要件で提案を依頼することが大切です。

実績と経験の確認方法

実績を確認するときは、「KVM対応」と書かれているかだけで判断せず、どの方式で何台のVMを扱い、どの範囲を担当したかを聞きます。単一ホストの構築、Proxmoxのクラスタ化、OpenStackによるIaaS、OpenShift Virtualization、既存VMwareからの移行では必要な知識が異なります。可能であれば、匿名化した構成図、移行手順、障害訓練の内容、納品された運用手順書のサンプルを確認してください。

技術力と専門性の評価

技術評価では、ハードウェア仮想化支援、Virtio、仮想ネットワーク、VLAN・VXLAN、CephやZFSなどのストレージ、バックアップ、監視、自動化を確認します。管理プレーンは業務ネットワークやインターネットから分離し、MFA、RBAC、最小権限、操作ログ、パッチ管理を組み合わせる必要があります。NIST SP 800-125A Rev.1でも、VMの分離、デバイスアクセス制御、ライフサイクル管理、管理プレーン、仮想ネットワークなどがハイパーバイザーのセキュリティ観点として扱われています(出典: NIST、2024年)。

プロジェクト管理体制の確認

プロジェクト管理では、要件定義、基本設計、詳細設計、構築、移行、テスト、教育、運用開始後の保守を誰が担当するかを明確にします。見積書は一式価格だけでなく、サーバー・ストレージ・ネットワーク、ライセンス、設計、構築、移行、バックアップ、監視、教育、保守に分けてもらうと比較しやすくなります。PoCから始める場合は、性能、バックアップからの復旧、ホスト障害、ネットワーク断、パッチ適用、ロールバックを合否条件に設定してください。

よくある質問

KVMのシステム開発に関するよくある質問

KVMのシステム開発では、費用、Windows VM、運用体制について質問が多く寄せられます。KVMのソフトウェアが無償で利用できる場合でも、システム全体の価格やサポートの要否は構成によって変わるため、以下のように分けて考えると判断しやすくなります。

KVMは無料で使えますか?

KVMはLinuxカーネルに統合されたオープンソースの仮想化技術で、KVM本体の利用料が不要な構成は可能です。ただし、サーバー、ストレージ、バックアップ、監視、設計・構築、人材、商用OSのサブスクリプション、保守の費用は発生します。無料という言葉だけで判断せず、初期費用と月額・年間保守を含めた総保有コストで比較してください。

KVMでWindowsの仮想マシンを動かせますか?

WindowsのVMを動かせる構成はありますが、動作することと、業務利用でサポートされることは別です。Windows Serverのライセンス条件、Virtioドライバー、バックアップ製品、アプリケーションの認証、GPUや特殊デバイスの要件を事前に確認します。NECの公式資料でも、仮想環境上のミドルウェアやアプリケーションについて、技術面とライセンス面を製品提供元へ確認するよう案内されています。

KVMだけで高可用性を実現できますか?

KVM単体に、複数ホストを自動で監視してVMを再起動する高可用性機能が一式で備わっているわけではありません。Proxmox VE、OpenStack、OpenShift Virtualizationなどの管理層と、冗長ホスト、共有・分散ストレージ、ネットワーク、監視、復旧手順を組み合わせて実現します。高可用性を求める場合は、障害発生時の目標復旧時間と、実際に復旧訓練を行う頻度まで提案に含めてください。

まとめ

KVMのシステム開発会社6選のまとめ

KVMのシステム開発では、株式会社ripla、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所、富士通株式会社、日本電気株式会社、アプライドテクノロジー株式会社のように、業務要件、規模、運用体制の異なる会社を比較することが大切です。riplaは業務要件から開発・定着まで一気通貫で相談したい企業、NTTデータはKVM基盤の管理・運用、日立製作所は高信頼な設計・移行、富士通は大規模集約、NECはRHELとKVMの一体導入、アプライドテクノロジーはProxmoxを使った費用重視の構成を検討しやすい候補です。

まずは自社要件を整理します

問い合わせ前に、物理・仮想サーバーの台数、ゲストOS、CPU・メモリ・ストレージ使用量、ピーク負荷、停止可能時間、RPO・RTO、移行対象、バックアップ、監視、予算、希望稼働日を整理します。単一ホストの検証なのか、2〜3台のHAクラスタなのか、数十台以上の移行を含むのかで、費用も期間も大きく変わります。各社に同じ資料を渡し、設計、機器、構築、移行、テスト、教育、保守を分けた見積もりを比較してください。

代表VMでPoCを実施します

KVMを採用すること自体を目的にせず、サーバー集約、ライセンス・保守費の最適化、データ主権、可用性、運用負荷のどれを改善したいのかを決めます。重要度の低い代表VMで性能、互換性、バックアップ・リストア、ホスト障害、ネットワーク分離、パッチ適用を検証し、合格条件を満たしてから本番へ段階的に移行すると、想定外の停止を抑えやすくなります。

▼全体ガイドの記事
・KVMのシステム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。