畜産業向け飼養管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

畜産業向け飼養管理システムは、個体や群の情報を給餌から出荷まで一つの流れで扱い、現場と経営の判断につなげる仕組みです。

  • 必要機能の見極め:自社の業務範囲と現場の運用を整理してから判断します。
  • 支援範囲の確認:対象業務への適合性を確かめます。
  • 機能と現場適性:候補サービスの機能を、現場での使いやすさと合わせて比べます。
  • 既存環境との接続:既存の設備やデータと、どう連携するかを確認します。
  • 稼働後のサポート:定着の支援と運用の条件を、事前に詰めておきます。

コンサルティングから個別開発まで対応する株式会社riplaを含む6社を、強みや公開価格の有無、畜種ごとの向き不向き、PoCの進め方、セキュリティやデータ返却の条件から比べます。

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・畜産業向け飼養管理システム開発の完全ガイド

畜産業向け飼養管理システムのパートナー選びが重要な理由

畜産業向け飼養管理システムの導入を検討する担当者

畜産現場のシステムは、一般的な顧客管理システムのように事務所の中だけで完結しません。牛舎や豚舎には、粉じんや雨水、温度変化のほかに、電波の弱い場所もあります。作業者の交代や個体識別番号の読み取りも含めて、こうした現場固有の条件を設計に反映する必要があります。

受託開発会社だけでなく、完成済みのサービスを提供するプロダクトベンダーも比べると、目的に合う候補を見つけやすくなります。

適切なパートナー選定が成否を分ける理由

飼養管理では、入力されたデータの正確さと継続性が分析結果を左右します。たとえば、繁殖予定日を管理したい牧場が入力項目の多いシステムを導入すると、忙しい時間帯に記録が後回しになります。その結果、紙や個人メモに戻る可能性もあります。

一方で、発情や分娩、治療、休薬などの履歴を見逃せない現場では、記録を簡略化しすぎると、食品安全や監査に必要な履歴が残りません。畜種と作業者、頭数を理解し、導入目的まで踏まえて設計できる会社を選ぶことが、定着の前提です。また、検証では、検知率の高さよりも、アラートを受けた人が実際に確認し、処置や給餌計画の改善につなげられるかを見る必要があります。

導入効果は、導入したかどうかだけでなく、導入前に決めた指標で確かめます。たとえば、見回り回数や記録にかかる時間、発情の見逃しは、導入の効果を示す指標になります。さらに、受胎率や疾病の発見までの日数、飼料費、出荷成績なども候補になります。

発注前に確認すべきポイント

発注前には、現在の紙台帳やExcelをサンプルとして見せ、個体マスタや耳標番号、導入・移動・淘汰の記録が、どこまで移行できるかを確かめます。繁殖や投薬、出荷の記録も、移行の対象として確認しておきます。過去データの表記揺れや欠損を整える作業は、画面開発とは別の費用になりやすい部分です。

センサーを使う場合は、設置場所やゲートウェイの台数、通信回線、電池交換を現地で確かめ、故障時の代替手順も決めておきます。提案書では、システム本体、機器、通信、初期設定を分けて記載してもらいます。データ移行、教育、保守も同じように区切ってもらうと、会社ごとの見積を比べやすくなります。

また、誰がどの情報を見られるかは、早い段階で決めておく必要があります。生産者や従業員に加え、獣医師や授精師などと共有する場合は、権限の範囲や操作履歴、データのダウンロードを事前に取り決めます。退会後の返却方法も、取り決めに含めておきます。

ポイント

現場固有の条件を設計に反映できるか、入力の負担や既存データの移行まで任せられるかを、会社選びの判断材料にしてください。

株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaのシステム開発支援

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。

営業・顧客・生産・販売管理などの基幹システムで、構築や導入の実績があります。また、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの強みは、先に業務と経営上の課題を洗い出し、その結果として必要なシステムを設計する進め方にあります。畜産業向け飼養管理システムでも、個体管理から出荷までのどこで損失が大きいかを確かめます。そのうえで、優先順位をつけて画面やデータ構造に落とし込めます。

現場の入力負担と管理者の分析、外部専門家との共有を、一つの業務の流れとしてまとめたい企業に向いています。パッケージの標準機能は、自社の飼養ルールや既存の販売・会計・在庫管理と合わないことがあります。

riplaは、既存業務の洗い出しから定着支援まで、同じ視点で一貫して検討できます。そのため、SaaSの導入と個別開発を組み合わせるハイブリッド構成も相談しやすいパートナーです。

得意領域・実績

基幹システムに幅広く対応してきた経験を活かし、部署をまたぐデータ連携まで考えられる点が特徴です。畜産現場では、個体や群の情報を、飼料在庫や出荷、売上、作業実績とつないで初めて経営判断に役立ちます。そのため、将来の連携範囲まで含めて相談したい企業に適しています。

一方で、特定のセンサーや検知サービスをすぐに使いたい場合は、機器ベンダーの標準サービスと比べながら検討することが大切です。riplaに相談するときは、対象畜種や頭数、拠点数、現在の帳票、導入したい時期を伝えます。連携したい機器や測定したいKPIも伝えると、スクラッチ開発や既存サービス連携、段階導入のどれが適切かを整理しやすくなります。

ポイント

業務の洗い出しから定着支援まで同じ視点で任せたい場合は、一気通貫で支援できる会社が候補になります。特定の機器をすぐに使いたい場合は、機器ベンダーの標準サービスと比べてください。

株式会社ファームノート|牛群全体の記録と分析を始めやすいクラウド

牛群管理クラウドを利用する畜産現場

株式会社ファームノートは、酪農・肉牛生産者向けのクラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」を提供する企業です。

公式ページでは、スマートデバイスで日々の飼養記録を入力し、個体データを分析・共有できるサービスとして案内されています。牛の個体管理から牛群分析まで、まず記録をまとめたい牧場の比較候補になります。

特徴と強み

個体の登録や予定管理から、記録の一覧、既存データの取り込みまで、日々の牛群管理に使う機能が次のように並んでいます。

  • 個体管理:個体の登録や検索、予定管理、通知を備えています。
  • 記録の管理:活動履歴や個体リスト、牛群リスト、レポート、権限管理に対応しています。
  • 既存データの活用:検定データや家畜改良センターのデータの取り込みも、公式ページで確認できます。

牛のタイプに合わせて見る情報を変えられる点も特徴です。たとえば、酪農では搾乳や繁殖成績、肉牛では日増体量や出荷・肥育成績、繁殖雌牛では繁殖成績を見る形になります。

料金が公開されていることも、比較するうえでのメリットです。2026年8月に公式料金ページを確認したところ、個体管理プランは1~49頭で月額4,000円、50~99頭で月額8,000円です。

牛群管理プランは1~49頭で月額6,500円、100~149頭で月額19,500円、250~299頭で月額39,000円で、300頭以上は問い合わせとなっています(出典: 株式会社ファームノート公式料金ページ、2026年8月確認)。

得意領域・実績

個体・牛群の管理を中心に、酪農、肉牛繁殖、肉牛肥育などの経営形態で使いたい企業に向いています。公式製品ページでは累計380,000頭の牛を管理していると案内されており、利用規模の広さを確認する一つの材料になります(出典: 株式会社ファームノート公式製品ページ、2026年8月確認)。

30日間の無料トライアルも案内されているので、作業者がスマートフォンで入力できるか、管理者が必要な牛をリスト化できるかを試したうえで判断しやすいサービスです。

ただし、豚や鶏の群管理や独自設備の制御、複数の基幹システムをまたぐ個別連携が主目的の場合は、標準機能で足りるかを確かめてください。センサー連携、データ出力、過去のExcel移行、獣医師や授精師との権限共有が自社プランに含まれるかを問い合わせます。月額以外の初期設定や教育、機器費も合わせて比べることが大切です。

ポイント

まず牛群の記録をまとめたいなら比較候補になります。豚や鶏の群管理や独自設備の制御が主目的なら、標準機能で足りるかを確かめてください。

デザミス株式会社|牛の行動データを活用するU-motion

牛の行動データを収集するセンサー活用

デザミス株式会社は、牛の行動をセンサーで収集し、クラウド上で飼養管理に活用する「U-motion」を提供しています。公開情報では、採食や飲水、起立、横臥、反芻などの行動を把握し、健康状態や発情などの兆候を確かめるサービスとして紹介されています。経験や勘に頼るより、個体ごとの変化を継続的に見たい牧場に適した候補です。

特徴と強み

U-motionのような行動モニタリング型のサービスは、見回りをした時点の状態だけでなく、日中や夜間を含めた行動の変化を扱える点が特徴です。そのうえで、アラートを確認した担当者が実際に牛を見て、体調や繁殖の判断を行う運用を組み立てると、見回りの優先順位をつけやすくなります。健康や発情の兆候を把握したいものの、全頭を同じ頻度で観察するのが難しい現場に向いています。

ただし、センサーを導入する場合は、タグの装着方法や電池、通信範囲を確かめます。ゲートウェイや故障・紛失時の交換、アラートの通知先も確認してください。

まず、対象牛の頭数と設置区画を絞ったPoCを行います。検知精度だけでなく、アラートを見た後の確認時間や対応率も測ると、導入効果を現実的に評価できます。

得意領域・実績

酪農や肥育など、牛の行動変化を飼養管理や繁殖管理に活かしたい企業が比較しやすいサービスです。また、デザミスの公式情報では、2025年にも肥育・酪農の導入事例が公開されており、2026年には繁殖牛への対応開始も案内されています(出典: デザミス株式会社「製品・導入事例」「U-motionイヤタグセンサー、繁殖牛への対応を開始」、2026年8月確認)。

対象畜種が自社と合うかは、現在の提供範囲を必ず確かめてください。

U-motion単体で解決したいのか、既存の個体台帳や給餌、出荷、経営分析と連携したいのかで、必要な構成が変わります。さらに、センサーデータの閲覧だけでなく、CSVやAPIによる取り込みや出力、データの所有権、契約終了後の返却、獣医師との共有範囲も確かめておくと、将来のシステム統合で困りにくくなります。

株式会社コムテック|発情・繁殖管理に特化した牛歩シリーズ

牛の発情と繁殖を管理するセンサー

株式会社コムテックは、牛の発情発見と繁殖向上を中心に、牛歩シリーズを展開する企業です。公式サイトでは、Darwin、牛歩Web、牛歩10などを案内しており、和牛・乳牛を扱う事業者向けのサービスとして位置づけています。飼養管理全体を一から作るよりも、繁殖の見逃しや管理の負荷といった明確な課題を解決したい企業が検討しやすいベンダーです。

特徴と強み

牛歩シリーズは、足や首に装着するタイプなどのセンサーを使い、発情のタイミングを把握する考え方が中心です。公式サイトでは、牛歩Webを大規模農場向けのWeb管理ソリューション、牛歩10を発情前後の牛を管理する表示版タイプとして紹介しています。繁殖担当者が毎日の確認対象を絞り、授精のタイミングを検討しやすくする用途に向いています。

センサー型では、個体との紐付けや装着・回収の方法を導入前に確かめることが大切です。電池や読み取り範囲、通知方法も、事前に押さえておきます。発情検知だけを導入する場合でも、授精記録や妊娠確認、分娩予定などをどこに残すかを決めておくと、後で別システムへ移行する際のデータ欠損を抑えられます。

価格については、公式サイトで一律の料金表を確認しにくいため、頭数と方式ごとの初期費用や保守費を問い合わせてください。

得意領域・実績

肉牛繁殖や酪農で、発情検知と繁殖成績の改善を優先したい牧場に適しています。さらに、公式サイトでは、2025年10月17日に子牛の疾病対策から発情検知まで管理できるDarwinの発売開始を告知しています(出典: 株式会社コムテック公式サイト、2026年8月確認)。

自社の課題が繁殖だけなのか、健康や給餌、出荷まで含むのかを見極めてください。必要なら、牛群管理サービスや個別開発と組み合わせる前提で比べます。

大規模農場で複数の作業者が使う場合は、スマートフォンでの閲覧権限、履歴の保存、既存の個体番号との連携、通信障害時の扱いを確かめます。特に、デモでは通知が届くかどうかだけでなく、通知を見た後に担当者がどの画面で授精や処置の記録を残すかまで実演してもらうと、現場への適合性を判断しやすくなります。

ファーマーズサポート株式会社|カメラAIの非接触型スマート畜産

畜舎のカメラ映像を活用したAI分析

ファーマーズサポート株式会社は、カメラ映像をAIで解析するスマート畜産管理システム「MOOVIE」を提供しています。公式の製品紹介では、カメラと通信機器を設置し、手持ちのスマートフォンやタブレットで利用する非接触型の仕組みと説明されています。そのため、牛にセンサーを装着する作業を減らし、映像とAI通知で分娩や発情の兆候を確認したい企業に向いています。

特徴と強み

MOOVIEは、黒毛和牛向けの分娩予兆検知システムと発情検知システムを展開し、共通の専用アプリでカメラ映像の確認や個体登録を行えると案内されています。非接触型のため、首輪や耳タグを装着する作業を避けたい現場や、すでに監視カメラの設置環境がある現場で検討しやすい方式です。

カメラAIは、撮影範囲や照明、遮蔽物によって結果が変わります。夜間の画質や牛房のレイアウト、通信回線も影響します。デモ動画を見るだけでなく、自社の牛舎で一定期間試し、通知の遅れや誤検知、確認作業の負荷を記録してください。

AIが示す結果は最終判断ではなく、現場の確認を促す情報として扱います。そのうえで、異常時の手動対応もあわせて設計すると安全です。

得意領域・実績

分娩事故の予防や発情の確認を目的に、牛への装着物を増やさず見守りを効率化したい企業に適しています。農林水産省のスマート農業技術カタログや九州農政局の取組事例でも、MOOVIEを含むAI・カメラによるスマート畜産の活用が紹介されています。公式ページで確認できる製品範囲は牛向けのため、豚や鶏への適用や個体管理の深さは個別に問い合わせてください。

費用を比べるときは、カメラ本体や通信機器、設置工事を分けて見積してもらいます。月額サービスや通信料、保守も、別々に示してもらうと比べやすくなります。

既存の飼養管理システムへ通知や個体情報を取り込めるか、データを保存する期間や、解約時に映像や判定履歴を返却できるかも確かめると、将来のシステム刷新に備えられます。

株式会社リモート|分娩監視に強いモバイル牛温恵

分娩監視を支援する畜産システム

株式会社リモートは、遠隔監視システムを事業とし、分娩・発情監視通報システム「モバイル牛温恵」を提供しています。母牛の温度変化を監視し、分娩のおよそ24時間前や1次破水時などにスマートフォンへメールで知らせる仕組みとして、公式情報やNTTドコモビジネスの製品紹介で案内されています。夜間の見回り負担や分娩時の駆け付け判断を改善したい肉牛繁殖農家が、比較しやすいサービスです。

特徴と強み

モバイル牛温恵は、分娩監視という目的が明確なため、飼養管理全体を一度にデジタル化する前の第一歩として検討できます。分娩予定の母牛にセンサーを取り付け、通知を受けた担当者が現地を確認する流れを整えると、経験者の勘に頼っていた夜間対応を標準化しやすくなります。

温度センサー方式を選ぶ場合は、装着方法やセンサーの回収、電池を確認してください。通信や異常通知の扱いも、あわせて確かめます。

株式会社リモートの公式会社概要では、2025年4月1日時点の従業員数を11名と記載し、1か月無料お試しキャンペーンも案内しています(出典: 株式会社リモート公式会社概要、2026年8月確認)。ただし、実際の料金や対象地域、導入支援の範囲は問い合わせが必要です。無料期間を使える場合も、分娩通知までの時間や誤通知、担当者の対応率、事故発生数などを、事前に定めて評価してください。

得意領域・実績

肉牛繁殖で、分娩前後の見回りと通報を重視する企業に向いています。農林水産省のスマート農業技術カタログでは、モバイル牛温恵を分娩監視システムとして掲載し、九州農政局の導入事例でも活用が紹介されています。発情や給餌、出荷、獣医師との情報共有まで一つの画面で管理したい場合は、別の牛群管理サービスや個別開発と役割分担を確認してください。

このサービスを含む特化型ベンダーを選ぶときは、単独製品の効果だけでなく、個体番号や分娩結果を将来の飼養管理データへ移せるかが重要です。そのため、APIやCSVの有無、データの保持期間、契約終了後の出力形式を確かめておくと、導入後に別製品へ乗り換えても記録が孤立しにくくなります。

畜産業向け飼養管理システムのパートナー選びのポイント

畜産業向けシステムの比較検討

6社は同じ種類の会社ではなく、得意領域もそれぞれ異なります。riplaを除く5社は、牛群管理、行動センサー、発情検知、カメラAI、分娩監視に強みを持ちます。6社には、繁殖特化のサービスや、業務要件に合わせて個別開発する会社も含まれます。

比べる観点は、実績と経験、技術力と専門性、プロジェクト管理体制の3つです。知名度よりも、自社の課題への適合性と導入後の運用可能性を評価できます。

実績と経験の確認方法

実績は導入社数だけでなく、自社と似た畜種、頭数、作業体制で使われているかを確認します。たとえば、酪農と肉牛繁殖では見る指標そのものが異なり、肉牛肥育では日増体量や出荷成績が中心になります。養豚では群単位の給餌や環境、出荷ロットが、養鶏では鶏舎単位の環境と生産性が中心です。

可能であれば、同じ畜種の導入事例を紹介してもらい、導入前の課題や現場の入力方法を確かめてください。定着までの期間や、導入後に測ったKPIも確認します。事例の数字は、何を分母にした結果なのかも見ます。

発情検知率だけでなく、アラート後の確認率や授精までの時間、受胎率などを見ます。見回り時間や疾病発見の早さなど、業務に結び付く指標も対象です。数値をそのまま自社に当てはめるより、1棟・1群のPoCで再現する計画を提案できる会社を高く評価すると、導入後の期待値を調整しやすくなります。

技術力と専門性の評価

技術面では、画面からクラウドの業務データベース、機器(センサーやカメラ、ゲートウェイ)、通知、分析ダッシュボードまでのどこを担当するかを確かめます。畜舎で通信が途切れる場合に、データを一時保存して後から同期できるか、個体番号の読み取りに対応できるか、写真や帳票を残せるかも重要です。

SaaSの標準機能と外部サービス連携、スクラッチ開発の境界を、提案書に明記してもらいます。また、動物用医薬品や投薬履歴を扱う場合は、飼養衛生管理基準と電子指示書の運用を確かめます。

農林水産省によると、畜産分野の電子指示書システムは2025年4月1日から運用が始まり、指示書、医薬品の使用記録、販売記録などをシステム上で管理できます(出典: 農林水産省「電子指示書システムの利用申請をお考えの皆様へ」、2026年3月30日更新)。そのうえで、既存サービスとの連携の可否や、誰が最終承認するかを要件に含めてください。

プロジェクト管理体制の確認

開発体制では、現場ヒアリングや要件定義、機器設置、データ移行、教育、保守を誰が担当し、誰が責任を持つかを確かめます。営業担当だけでなく、畜産業務に詳しい担当者や技術者、導入後のサポート担当が加わる体制なら、現地の例外処理を早期に洗い出せます。さらに、複数拠点へ展開する場合は、最初の牧場で得た改善を標準化し、拠点ごとの差異を吸収する計画も必要です。

費用と期間の目安も、要件に合わせて段階ごとに示してもらいます。なお、公開価格と個別見積の推定は性質が違うため、混同しないように注意してください。

  • 導入期間の目安:既存SaaSは2週間から2か月、センサーを含むPoCは数週間から3か月程度です。
  • 開発期間:最低限の個別開発で6か月から12か月程度が、一般的な検討レンジです。
  • 費用の目安:PoCは50万円から300万円程度、個別開発は300万円から2,000万円程度という推定があります。
  • 費用の幅:機器や設置、データ移行の有無で大きく変わるため、総保有コストで比べてください。

クラウドやIoT機器を使う場合は、初期パスワードの変更や通信の暗号化、脆弱性対応などをRFPに含めます。端末紛失時の無効化や権限、操作ログ、バックアップ、障害時の手動運転も盛り込みます。農林水産省が2026年1月に更新した飼養衛生管理基準では、家畜所有者が守るべき衛生管理が示されています。

IPAの「IT製品の調達におけるセキュリティ要件リスト」も2026年2月6日に更新されており、IoT連携の調達条件を作る際の参考にしてください(出典: 農林水産省・IPA公式情報、2026年確認)。

ポイント

知名度ではなく、同じ畜種の事例、技術の境界、体制と費用の総額で比べると、自社に合う候補を絞り込みやすくなります。

畜産業向け飼養管理システムについてよくある質問

飼養管理システムの導入に関する相談

導入担当者から寄せられやすい質問を、まとめて回答します。料金だけでなく、現場で続けられるか、既存データを失わないか、法令や衛生管理に対応できるかという観点で答えます。

畜産業向け飼養管理システムの費用相場はいくらですか?

クラウド型の牛群管理サービスでは、頭数に応じた月額料金が公開されている例があります。たとえば、株式会社ファームノートの公式料金ページでは、個体管理プランが1~49頭で月額4,000円、牛群管理プランが1~49頭で月額6,500円です。

センサーやカメラを含む場合は、機器やゲートウェイ、通信、設置、保守が加わります。個別開発や複数拠点連携は要件による幅が大きいため、ソフトウェア本体だけでなく導入後の月額まで含めて見積を取ってください。

電波が弱い畜舎でも利用できますか?

利用できるかどうかは製品ごとに異なるため、現地の通信状況を確かめて判断します。スマートフォンやタブレット側に入力内容を一時保存し、通信復旧後にクラウドへ同期できる方式なら、電波が弱い場所でも運用しやすくなります。

また、通信断の間に重複登録や同期エラーが起きた場合の扱い、センサーのデータをゲートウェイが保持できる時間、障害時に紙へ切り替える手順まで確かめてください。

紙台帳やExcelのデータを移行できますか?

移行できる範囲は、元データの形式や個体番号の整合性、日付や単位の表記によって決まります。加えて、製品側の取り込み機能も影響します。

まず代表的な帳票とExcelを提示し、どの項目をそのまま取り込めるかを決めます。欠損や重複をどこで補正するか、移行後に誰が確認するかも決めておきます。

全履歴を一度に完璧に移すより、現役個体と直近の繁殖・投薬・出荷の記録を優先する方法も現実的です。過去データは、検索用に段階的に移すこともできます。

AIの通知だけで給餌や投薬を自動判断できますか?

AIの通知は、現場が確認すべき対象を絞るための補助情報として使い、給餌や投薬などの重要な判断を無条件に自動で実行する設計は避けてください。そのため、センサー異常やカメラの遮蔽、通信障害、誤検知が起きた場合に備え、人が確認して承認するHuman-in-the-Loopの運用を用意します。

特に、投薬では、獣医師の指示や使用記録、休薬期間、操作履歴を追えることを要件にします。異常時はシステムを止めて手動で継続できるフェイルセーフを設定してください。

ポイント

料金や通信、データ移行、AIの判断に関する質問は、いずれも導入後の運用に行き着きます。回答を比べるときは、現場で続けられるかを基準にしてください。

まとめ

畜産業向け飼養管理システムの導入計画

畜産業向け飼養管理システムを選ぶときは、会社の知名度や機能の多さより、自社の条件を基準に比べてください。自社の畜種や頭数、作業フローに加えて、通信環境や既存データ、導入後のKPIも確かめます。

株式会社riplaは、業務整理から個別開発や定着支援まで一気通貫で相談したい企業に向いています。

ファームノート、デザミス、コムテック、ファーマーズサポート、リモートは、それぞれ異なる強みを持つ候補です。得意な領域は、牛群管理、行動センサー、繁殖、カメラAI、分娩監視と分かれています。

課題を一つに絞った比較

最初から全牧場や全畜種のデータを統合するのではなく、最も損失が大きい課題を一つ選びます。発情の見逃しや分娩監視、疾病発見、給餌のばらつき、紙入力の削減などが候補です。

候補会社には、1棟または1群でのPoC、データ移行、現場教育、導入後の測定方法を含む提案を求めてください。公開価格があるサービスを相場の起点にしつつ、機器・通信・設置・保守を含む総額で比べることが重要です。

RFPに盛り込む運用・安全性・出口条件

発注時のRFPには、個体・群管理から出荷までの必要範囲を書きます。加えて、オフライン対応や権限、監査ログ、バックアップ、センサー故障時の手動運転も記載します。API・CSVの有無や、契約終了後のデータ返却まで含めます。

現場が無理なく使い続けられる導入計画を立て、候補会社と同じ条件で比べることで、導入後に使われないシステムになるリスクを抑えられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。