貸出管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

貸出管理システムの費用は、業務の種類、管理規模、連携範囲によって、初期0円から4,000万円以上まで幅があります。

業務の種類と管理規模を先に決めると、方式ごとの相場を比べやすくなります。全体像は貸出管理システム開発の完全ガイドもご覧ください。

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・貸出管理システム開発の完全ガイド

貸出管理システムの全体像と費用の見積もり

貸出管理システムは、物品台帳、予約、貸出を一つにまとめて管理する仕組みです。借りる人と物品の動きを、一つの仕組みで追えます。

  • 利用者:利用者ごとの貸出状況
  • 返却と延滞:返却の記録と、期限を過ぎた物品の管理
  • 紛失と修理・点検:紛失の記録と、修理や点検の履歴
  • 所在と返却予定:物品の所在、返却予定、次に貸せる状態の把握

見積もりの前に業務の種類を整理しておくと、必要な機能と予算の過不足を判断しやすくなります。

社内備品や工具を管理する内部貸出型

内部貸出型は、社員や部署がカメラや測定器、工具を借りるケースです。鍵やパソコンのほか、社用車や書類も対象になります。

請求の機能よりも、予約の重複を防ぐことや返却期限の通知が重視されます。

  • 所在と責任:拠点をまたぐ物品の所在と、紛失・故障が起きたときの責任を追えるかどうか。
  • 標準機能:台帳、予約、貸出、返却、通知、権限の範囲で足りるなら、既製のクラウドを使える可能性があります。

入力の手間が大きいと、導入後にまた紙や個人のExcelに戻ってしまうおそれがあります。たとえば、スマートフォンでQRを読み、貸出時に承認者を選び、返却時に状態を確認する流れにすると、受け渡しを短くできます。

費用には、ラベル、プリンター、読み取り端末、初期データの整形、操作教育も含めて考えます。

顧客向けレンタル業務型と契約・請求の範囲

顧客向けレンタル業務型は、レンタル商品、建設機械、イベント機材、撮影機材、福祉用具などを社外の顧客に貸し出すケースです。

レンタル業務型の見積もりでは、どこまでを管理の対象にするかと、既存システムとの分担を先に決めておく必要があります。

  • 管理範囲:予約・在庫のほか、見積、受注、契約期間、料金、延滞、配送、返却後の点検、修理、代替品、請求、入金まで扱う場合があります。
  • システム分担:機能を一体化するほど費用は上がります。既存の販売・会計・請求システムは残し、物品の状態と履歴に絞る方法もあります。
  • 見積条件:社内貸出か顧客向けレンタルか、また延滞時の処理方法を明記すること。

社内貸出とレンタル業務を同じ貸出管理として見積もると、不要な請求機能が入ったり、必要な契約機能が足りなかったりします。条件をそろえておけば、複数社の見積を比べやすくなります。

費用に影響する基本機能と追加機能

基本機能の中心は、物品台帳、予約、貸出です。返却と延滞通知もこれに含まれます。利用履歴、権限管理、利用者・部署・拠点も基本機能の範囲です。

  • 運用機能:状態管理、拠点間移動、棚卸し、紛失処理、写真、帳票、CSV入出力を、必要に応じて追加できます。
  • 連携・計測:SSO、社員マスタ、会計・購買・在庫・請求API、監査ログ、位置情報、RFID、ビーコンは、追加費用がかかりやすい機能です。

見積依頼には、誰がどの端末で、いつ何を入力し、どの通知を受けるかを書いておくと、見積もりの前提がそろいます。返却を利用者の申請で完了させるか、管理者が現物を確認してから完了させるかによって、画面や権限、履歴、テスト工数が変わります。

ポイント

業務の種類を先に分けると、必要な機能と予算の過不足が見えてきます。社内貸出かレンタル業務かで範囲が大きく変わるため、見積もりの条件をそろえてください。

貸出管理システムの費用相場の目安

標準クラウド、個別設定やAPI連携、スクラッチ開発の初期費用レンジを並べた横棒図
追加する業務範囲が広がるほど、初期費用の幅も大きくなります。

標準クラウドは初期0〜100万円程度、月額1万〜10万円程度が比較の出発点になります。一方、個別設定やAPI連携は初期100万〜500万円程度、小規模スクラッチは300万〜700万円程度が目安です。

ここに示す数字は、公開料金と類似業務システムの開発相場を貸出管理の要件に当てはめた概算です。固定の価格を保証するものではありません。

標準クラウドの初期0〜100万円程度、月額1万〜10万円程度

標準クラウドは、提供会社が用意した台帳、貸出、返却、棚卸し、通知などを設定して使う仕組みです。小規模な社内備品管理で、標準機能と少量のデータ登録だけで足りるなら、初期費用を抑えられる可能性があります。

公開料金の例を見ても、月額や初期費用はプランと設定支援の範囲によって異なります。

  • ファインアセット:無料プランと月額1万円からの有償プランがあります。
  • Convi.BASEの月額:基本機能は月額55,000円からです。
  • Convi.BASEの初期費用:スタートプランは0円からです。

ファインアセットには資産数で料金が決まるプランもあります(出典: 中央システム株式会社「ファインアセット」公式サイト、2026年8月確認)。

Convi.BASEは棚卸し・貸出し・入出庫・5ユーザーの組み合わせで月額100,000円の例があります(出典: 株式会社コンビベース「Convi.BASE 価格」、2026年8月確認)。

設定作業を任せるプランは約90万円の例です。利用開始までは3営業日から1〜2か月とされています(出典: 株式会社コンビベース「Convi.BASE 価格」、2026年8月確認)。

標準クラウドでも、設定支援の範囲によって初期費用は変わります。そのため、月額だけでなく導入支援の内容も比べます。

個別設定やAPI連携を加えた場合の初期100万〜500万円程度

社員マスタやSSO、会計などとの連携には、要件の確認と接続の設計が必要です。在庫、購買、請求、勤怠との連携でも、同じ考え方で確認します。加えて、データの変換、エラー処理、テストも見積もりに入ります。

  • CSVの定期取り込み:連携先が1つで、CSVを定期的に取り込むだけなら、費用を抑えやすくなります。
  • リアルタイムAPI・双方向同期:複数拠点や異常時の再送まで含めると、連携だけで数十万〜100万円程度かかるケースがあります。

見積もりでは、クラウド利用料、初期設定、管理項目の設計を分けて考えます。台帳移行、権限、研修、API連携も、それぞれ別の行として示してもらうと、比べる際の手がかりになります。

特に、標準設定と追加開発の境界が曖昧だと、通知や対象拠点の追加で予算が膨らむおそれがあります。

スクラッチ開発の規模別の目安(300万〜4,000万円以上)

独自ルールや複雑な契約・料金計算、多拠点の在庫引当を備える場合は、スクラッチや大規模な個別開発が選択肢になります。配送、修理、代替品、請求まで一体化させたいときも、候補に入ります。

  • 小規模:内部貸出向けは300万〜700万円程度です。
  • 中規模:700万〜1,800万円程度です。
  • 大規模:レンタル業務や基幹連携を含む場合は1,800万〜4,000万円以上です。

この規模別の幅は、類似するCRM・業務システムの開発相場を貸出管理に当てはめた参考値です(出典: NotebookLMリサーチノート内の業務システム開発相場整理、2026年8月)。

費用は、要件定義、設計、開発、テストといった各工程と、データ移行、インフラ、教育、リリース後の保守を、どこまで含めるかで変わります。

類似業務システムの概算モデルでは、エンジニア単価を月額80万〜120万円程度と置いています。人数や期間が増えるほど費用も比例して増えやすいため、工程ごとの人月と担当範囲を確認する必要があります。

3年総額による比較

クラウドは、初期費用や周辺費用も含めた3年総額で比べます。

  • クラウドの月額:月額に加えて、追加ユーザー、オプション、容量、端末、教育、保守も総額に含めます。
  • クラウドの3年総額:初期0〜100万円程度、ラベル、プリンター、読み取り端末、データ移行を加えると、条件により50万〜500万円程度です。
  • スクラッチの比較:初期費用は大きくなりやすいものの、利用人数による月額課金がない場合や、既存システムに合わせて効率化できる場合があります。

月額1万〜10万円を36か月使うと、ソフトウェア部分の合計は36万〜360万円になります。

クラウドの総額は、公開月額と導入費を組み合わせた試算で、利用者数や物品数によって変わります。

スクラッチは、初期開発費と保守の費用に加えて、次の費用を3年分並べて比べます。

  • クラウド基盤:クラウド環境を運用する費用
  • 監視:稼働状況を見守る作業
  • 障害対応:障害が起きたときの修正と復旧
  • OS・ミドルウェア更新:基盤となるソフトウェアの更新
  • 機能追加:後から加える機能の開発と軽微な改修

また、社内の管理工数や棚卸し時間が減る効果も、費用対効果を判断する材料になります。

ポイント

費用相場は、標準クラウド、個別設定やAPI連携、スクラッチのどれを選ぶかで大きく変わります。初期費用と月額を出発点にし、設定支援や連携の範囲を含めた3年総額で判断してください。

貸出管理システム開発の費用内訳

要件定義と設計からテスト・教育・保守まで、導入総額を4層で示す図
見積項目を工程ごとに分けると、抜けや重複を見つけやすくなります。

システムの見積金額には、ソフトウェアの開発費以外も含まれます。

導入総額には、対象物品の棚卸し、現行データの整形、タグの発行と貼付、端末の購入、利用者教育、保守まで含めて考えます。

見積項目を工程ごとに分けておくと、削れる部分と削ってはいけない部分を判断しやすくなります。

要件定義と設計の費用

見積もりの前に業務要件とデータ設計の論点を整理しておくと、後からの仕様変更を抑えやすくなります。

  • 社内貸出の要件:貸出対象、利用者、拠点、予約単位、承認者を確認します。返却期限と延滞、紛失への対応、修理、点検、棚卸し、廃棄の扱いも含みます。
  • レンタル業務の要件:契約期間と料金、延長、割引の条件を整理します。請求締め、配送、返却後の検品も含めます。
  • データ設計:物品IDと管理番号、利用者IDの持ち方を決めます。拠点、状態、貸出期間、返却予定日を含みます。履歴、添付ファイル、操作ログも扱います。

例外処理を確認しないままだと、開発中や稼働後に仕様変更が増え、追加費用が発生しやすくなります。

複数台をセットで貸すか、消耗品を数量で管理するか、点検中の物品を検索から除くかによって、データ構造と画面が変わります。そのため、項目を増やしすぎず、将来の追加に備えた設計にしておくと、後の費用を抑えられます。

データ移行、タグ、端末の費用

移行データの状態と、現場で使うタグや端末を確認したうえで見積もる必要があります。

  • データ移行:重複管理番号や表記ゆれ、廃棄済み・所在不明の物品を整理します。項目対応、欠損補完、テスト・本番移行、差分確認も行います。
  • 移行作業:物品ごとの写真や保証情報の登録は、点数が少なくても工数が増えます。
  • タグと端末:QR・バーコードはラベル類と読取端末、RFIDはタグとリーダーが要ります。

QR・バーコードの場合は、プリンターや予備ラベル、スマートフォンやハンディターミナルも用意します。RFIDでは、アンテナの設置と電波の確認も加わります。

金属工具や液体に近い物品は読み取り性能が変わるため、全件を発注する前に、代表的な物品で試しておきます。判断するときは、タグの単価に加えて、貼付、交換、再発行、棚卸しの作業も含めます。

開発、インフラ、保守、教育の費用

開発費に加えて、運用基盤、品質確認、教育と保守の範囲も見積もります。

  • 実装・インフラ:アプリの実装費と、運用環境・保護・復旧の費用を含めます。
  • セキュリティ:SAML・OIDCのSSO、拠点別権限、履歴保存期間、管理者操作の監査ログを扱う場合は、セキュリティとテストの工数も見積もります。
  • テスト:予約重複、返却期限、延滞通知、貸出禁止期間を確認します。紛失や権限逸脱、通信切断、重複登録も対象です。
  • 教育・保守:マニュアル、管理者研修、問い合わせ対応、並行運用を初期費用に含めます。保守の障害修正、更新、軽微な改修、復旧、休日夜間対応の範囲も確認します。

実装は、画面、API、データベースが中心です。通知、権限、ログ、スマートフォン対応、管理者機能も含まれます。

クラウド環境、バックアップ、監視、脆弱性対応を用意します。認証、メール配信、ログ保存、障害時の復旧手順も含みます。

ポイント

見積金額にはソフトウェアの開発費以外も含まれるため、データ移行、タグや端末、教育、保守まで並べて比べてください。工程ごとに分けておくと、削れる部分と削ってはいけない部分の見当がつきます。

費用が変動する要因とコスト最適化

貸出管理システムの費用に影響する管理点数、拠点数、利用者数、連携範囲を示す図
見積もりでは4つの条件をそろえると、各社の前提を比べやすくなります。

管理点数が100点か1万点か、1拠点か全国の複数拠点かによって、必要な仕組みは異なります。そこで、自社の規模に合わせて、業務上の損失が大きい部分を優先し、現場が使わない複雑さは避けます。

タグ方式、連携範囲、データ移行、セキュリティ要件は、早い段階で比べておきます。

管理点数、拠点数、利用者数による価格の違い

クラウドは、登録物品数、ユーザー数、オプション、データ容量によって月額が決まることがあります。点数が増えると、初期登録やタグ貼付に加えて、棚卸し、検索、履歴保存、バックアップの要件も変わります。

拠点が増えると、拠点別権限、在庫移動、拠点間予約、配送、通信環境、問い合わせ窓口の設計が必要です。そのため、単にユーザーを追加する場合より費用が上がる可能性があります。

申請者は全社員、承認者は部門管理者、物品の操作は倉庫担当者など、役割を分けておくと、ライセンスや権限を広げずに済みます。見積もりを依頼する際は、登録利用者数、同時利用者数、管理者数、ゲストや取引先の扱いを分けて伝えます。

QR、バーコード、RFIDの現場条件による選び方

タグ方式は、物品数と受け渡し方法に合わせ、読み取り性能と現場作業も含めて選びます。

  • QR・バーコード:ラベルを安価に用意しやすく、スマートフォンで1点ずつ読み取れます。少数で現物確認できる現場なら十分な場合があります。
  • RFID:複数物品をまとめて読み取れ、棚卸しやゲートでの持出確認で力を発揮します。
  • 比較・検証:現場作業を比較し、代表物品でPoCを行ってから拡大する方法もあります。

貸出・返却や棚卸しの時間、読み取り漏れの確認、タグの再発行、端末の充電、教育を比べます。代表的な100〜300点または1拠点でPoCを行い、成功率と作業時間を測ります。

RFIDでは、タグの種類、金属や液体、距離、電波干渉、リーダーの位置を検証する必要があります。PoCの対象範囲と本番展開の追加費用は、見積書で分けて示してもらいます。

連携、セキュリティ、保守の範囲

連携するデータの正本はどれか、扱う情報にどの保護策が必要かを、最初に決めておきます。社員・取引先名、貸出履歴、拠点、位置情報を扱うなら、保護の範囲を早い段階で固めておく必要があります。

  • マスタ・在庫連携:ID基盤との連携と、物品状態を管理するシステムを決めます。
  • 会計・請求連携:契約期間、延長、日割り、割引、返却遅延のルールが加わるため、費用が増えやすくなります。
  • 情報保護:権限と、通信・保存データの保護を定めます。操作ログ、バックアップ、保存期間、委託先、退職者の無効化も含みます。

社員・取引先マスタを二重に管理すると、退職者や異動者が貸出可能なまま残ってしまいます。在庫・購買連携では、貸出中、返却済み、修理中、廃棄済みの状態を、どのシステムで管理するかを決めます。

セキュリティを後から付けると、認証方式やログ設計をやり直すことになりがちです。そのため、初期要件に含めておきます。保守費用を抑える場合でも、脆弱性対応と障害復旧は削らないようにします。

段階導入と補助制度による初期負担の分散

コストを抑える場合は、全機能を作り込まず、返却漏れと所在不明を減らす最小構成から始めます。

  • 初期導入:1拠点と代表物品で台帳、予約、貸出・返却、期限通知、権限、基本レポートを使います。
  • 段階追加:利用率や返却期限超過率を確認し、棚卸し、点検、複数拠点、RFID、API連携、レンタル請求を優先順に加えます。各段階で予算上限と評価指標を決めます。
  • 補助制度:2026年通常枠の補助率は1/2以内、条件により2/3以内です。

補助額は5万円以上150万円未満、または150万円以上450万円以下と案内されています。

ソフトウェア購入費、最大2年分のクラウド利用料、導入設定、研修、保守サポートなどが対象になり得ます(出典: 独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠」、2026年8月確認)。

補助の対象になるかどうかは、対象ITツール、申請時期、交付決定前の契約・支出などの要件に左右されます。そのため、補助金を前提に製品を選ばず、公式情報と支援事業者で確認します。

ポイント

価格を左右するのは、管理点数や拠点数、利用者数、タグ方式、連携範囲、セキュリティ要件です。最小構成から始めて段階的に広げると、初期負担を抑えながら必要な範囲を判断できます。

貸出管理システムの見積もりを取る際のポイント

自社の条件をそろえて依頼すると、価格の妥当性を判断できます。管理対象、業務の流れ、利用人数、拠点、データ件数を、同じ資料で各社に渡します。連携先、タグ方式、希望時期、保守水準も、同じ資料に書きます。

対象範囲、前提、除外項目、追加費用の条件を比べ、そのうえで金額を判断します。

要件一覧と現行データの事前準備

候補となる会社に、業務要件と現行データの両方を伝えると、見積もりの前提をそろえられます。

  • 業務要件:貸出対象の種類と点数、利用者と権限、拠点数、貸出頻度、予約単位、承認の有無を整理します。
  • 運用項目:返却期限、延滞通知、紛失・故障、点検を書き出します。棚卸し、移動、廃棄、帳票、通知先も含めます。
  • レンタル業務:契約、料金、延長、配送、請求、入金を加えます。修理と代替品も含め、紙・Excel・メール・チャットでの現行業務を、例外処理込みでフローにします。
  • 台帳サンプル:数十件分で、品名、型番、管理番号、カテゴリ、購入日、保管場所を含みます。状態、写真、保証期限、貸出可否、利用履歴も必要です。

サンプルには、返却期限超過、修理中、所在不明、セット品、同じ型番の複数台、消耗品も含めます。欠損や重複を伝えておくと、移行費用の追加を防げます。

同じ条件と内訳による複数社の見積比較

各社に同じ条件を渡し、対応範囲と実際の操作性を比べます。

  • 見積内訳:要件定義、設計、標準設定、個別開発、API連携を分けてもらいます。移行、タグ・端末、テスト、教育、リリース、保守も、項目ごとに示してもらいます。
  • 方式別の費用:クラウドとスクラッチで、初期費用・運用費・解約条件を分けて確認します。
  • 機能と操作性:標準機能と追加開発の境界を確認します。登録、予約、貸出、返却を、実物に近いデータで試します。延滞、修理、棚卸し、権限変更も同様に試します。

クラウドは、月額基本料、ユーザー追加、オプション、容量を確認します。サポートや解約時のデータ返却も見ておきます。

スクラッチは、開発、インフラ、ライセンスを分けて考えます。保守、改修単価、障害対応、バックアップも、別々に示してもらいます。

入力にかかる時間、エラー時の復旧、履歴検索、スマートフォンでの使いやすさを確かめておくと、導入後の運用コストの見通しも立てられます。

導入期間とPoCの範囲の見積への計上

導入期間は方式や作業範囲で異なり、拠点展開や現場準備も日程に影響します。

  • 期間の目安:標準クラウドは数日〜2か月、CSV移行や運用設計を含む導入は1〜4か月、小規模スクラッチは3〜6か月です。
  • 長期化の条件:多拠点、RFID、既存システム連携、全件タグ貼付、教育、並行運用があれば、6か月以上になる可能性があります。
  • PoCの確認:代表物品で予約、貸出、返却、延滞、紛失を試します。権限変更、通信切断も試し、入力時間、読み取り成功率、返却処理漏れ、問い合わせ数を測ります。

J:COMは全国28拠点、9,000点以上の撮影機材を対象に、約6か月の導入作業を経て2024年3月に運用を開始しました(出典: 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス「J:COM株式会社様導入事例」、2026年8月確認)。

同事例では20拠点の棚卸し時間が111時間から56時間へ約50%短縮したと公開されています(出典: 株式会社日立システムズエンジニアリングサービス「J:COM株式会社様導入事例」、2026年8月確認)。

拠点ごとのルールを統一することや、タグの貼付、データの整備、現場教育も、期間を左右します。測定結果をもとに、本番導入の条件と追加費用を決めます。

ポイント

見積もりの比較では、要件一覧と現行データを各社に同じ条件で渡すことが出発点です。金額だけでなく、対象範囲、除外項目、追加費用、導入期間とPoCの結果をそろえて判断してください。

貸出管理システムの費用に関するよくある質問

費用は、社内備品か顧客向けレンタルか、標準クラウドか個別開発か、タグや連携の範囲によって変わります。よくある質問に対して、金額の見方と判断の基準を簡潔にまとめました。

貸出管理システムはクラウドとスクラッチのどちらが安いですか?

標準的な社内貸出なら、初期0〜100万円程度、月額1万〜10万円程度から始められるクラウドのほうが初期負担を抑えやすいです。

独自の契約や料金、配送、修理、基幹連携が不可欠なら、初期300万〜4,000万円以上の個別開発も検討の候補になります。判断の材料は、3年総額と業務削減効果です。

貸出管理にRFIDを使うと費用はいくら増えますか?

追加費用は、タグの種類と点数によって変わるため、一律の金額では示せません。RFIDを入れると、機器の準備から現場での作業まで、複数の場面で費用が加わります。

  • リーダーやアンテナ:タグを読み取る機器の購入
  • 設置:リーダーやアンテナを現場に据える作業
  • 電波検証:現場での電波の状態を確認する作業
  • 連携開発:既存システムとのつなぎ込みの開発
  • 貼付工数:タグを物品に貼る作業の工数

金属や液体を含む物品や、棚・ゲートの構造によって、読み取り性能は異なります。そのため、代表物品でPoCを行い、QRやバーコードと作業時間を比べて決めます。

Excelの台帳を移行すると追加費用がかかりますか?

追加費用が発生する可能性があります。一方、標準化され、重複や欠損が少ないCSVであれば、自社で移行できる場合もあります。

紙台帳の入力、写真の紐付け、管理番号の再採番、複数ファイルの統合、現物確認まで頼むと工数が増えます。件数と状態を共有したうえで、自社作業とベンダー作業を分けて見積もります。

貸出管理システムに補助金は使えますか?

2026年のデジタル化・AI導入補助金では、対象ITツールとして登録され、要件を満たすソフトウェアや導入支援であれば、通常枠の対象になり得ます。

補助率や上限、クラウド利用期間、導入設定・研修・保守の扱いは、制度と申請類型によって変わります。契約や発注の前に、公募要領とIT導入支援事業者へ確認します。

補助金が使えるという理由で、不要な機能を含む製品を選ばないようにします。

まとめ:貸出管理システムの初期費用と運用総額を分けた検討

標準クラウドは初期0〜100万円程度、月額1万〜10万円程度、個別設定・連携は初期100万〜500万円程度、スクラッチは300万〜4,000万円以上が目安です。

これらは、公開料金と類似業務システムの要件に基づく幅です。管理点数、拠点、利用者、タグ、移行によって変わります。API、契約・請求、保守範囲も、金額に影響します。

まず、内部貸出型かレンタル業務型かを分けます。そのうえで、台帳、予約、貸出・返却、期限通知、権限を最小構成として整理します。

QR・バーコード・RFID、システム連携、点検・棚卸し、契約・請求の優先順位を付け、初期費用から保守までを含む3年総額で比べます。

実物を使ったPoCと段階導入を組み合わせると、現場で使われない機能への投資を抑えつつ、返却漏れや所在不明が減る効果を確かめられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。