運用保守の委託先は、対応範囲・SLA・費用・引き継ぎ体制の4点を確認して選びます。運用保守は、システムのライフサイクル全体でコストの6割を占めるとも言われます。
紹介する6社は強みが異なるため、自社の規模や必要な信頼性に合う候補を絞り、見積もりと契約条件を比べるとよいでしょう。
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運用保守のパートナー選びの重要性

運用保守は、稼働後もシステムの価値を維持するための活動です。経済産業省の調査では、企業のIT支出における「従来システムの運用」と「新規構築」の割合は、全産業平均で約2対1とされています。
委託先の選択は、その後数年間のコストと安定性を左右します。そのため、運用保守費だけでなく、障害対応や改善提案まで含めた体制を見極めることが大切です。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
発注する側は、障害対応力を、検知から復旧までの時間と対応可能な時間帯で見極めます。
- 対応の速さ:深夜のサーバー停止を何分で検知し、何時間で復旧できるかの目安
- 事前の備え:復旧が遅れた場合の機会損失や信頼低下を避けるための、夜間・休日対応と予防保守
長期契約では、システムの特性や経緯が共有され、改善提案にもつながります。一方で、頻繁に乗り換えると引き継ぎ費用がかかり、ノウハウも蓄積されません。
たとえば、月額が安い委託先でも、移行に300万〜500万円かかれば、5年間のTCO(総保有コスト)が逆転する場合があります。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、運用と保守の対応範囲を分けて確認しておきます。運用は正常稼働を維持する定常業務で、保守は障害復旧や仕様変更に伴う改修を指します。
- 契約範囲:監視・バックアップ・障害対応・改修のうち、月額に含まれる作業
- 追加費用:範囲外となる作業と、発生時の料金
境界が曖昧なままだと、「対応範囲外」「追加費用が必要」といったトラブルの原因になります。そのため、見積書や提案書で対象を明文化しておきましょう。
SLA(サービスレベル合意)では、サーバー稼働率、障害時の応答・復旧時間、目標に届かない場合のペナルティを確認します。
契約形態も見ておく必要があります。監視や問合せ対応のような継続的なサービスは準委任、機能改修のように成果物が明確な作業は請負が一般的です。
株式会社ripla|コンサルから開発・運用まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援します。IT事業会社として社内DXを進めた経験を活かし、事業成果とシステムの定着を目指します。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。また、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応します。
特徴と強み
構築と運用保守を一貫して担うため、設計思想やシステムの経緯を踏まえた対応ができます。
- 調査・復旧:原因の究明と分析は全作業時間の約3割。システム理解を活かして短縮し、早期の立ち直りとコスト最適化につなげる
- 事業・文書化:社内DXの経験をもとに成果につながる使い方を助言し、属人化を防ぐための資料整備も支援する
後任への引き継ぎや将来のリプレイスを見据えて、持続可能な運用体制をつくります。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理など、停止すると業務が滞る基幹システムの構築・導入を重ねてきました。
- 上流からの関与:要件定義から参加し、運用時に想定する障害やボトルネックを設計に反映する
- 乗り換えの支援:保守費用の診断や、既存ベンダーからの移行設計への対応
割高な契約や、属人化したシステムの引き継ぎに悩む企業にも向いています。運用保守の進め方も紹介しています。
SCSK株式会社|開発と運用を連動させる大手SIer
SCSK株式会社は住友商事グループの大手システムインテグレーターです。システム開発から運用保守まで、幅広いITサービスを提供します。
アウトソーシングサービス「Prime IT Sourcing」では、開発と運用、常駐とリモートを連動させる総合力が強みです。
特徴と強み
自社データセンターを持つため、インフラからアプリケーションまで一体で運用できます。大規模システムを安定して稼働させる体制と実績もあります。
ミッションクリティカルな基幹システムにも対応します。また、常駐とリモートを組み合わせて、コストと品質のバランスを取れます。
得意領域・実績
SAPなどERPの運用保守に強く、製造業・流通業などで実績があります。さらに、クラウド移行支援やセキュリティ運用も提供します。
大規模システムを長期で運用したい大企業に向いています。一方で、小規模案件では体制や費用が過剰になっていないかを確認しておきましょう。
TISインテックグループ|運用改善まで踏み込むITサービス
TISインテックグループは、決済システムや金融分野に強い大手ITサービス企業です。グループ会社を通じて、一貫した運用管理を提供します。
対象業務の中心はオペレーションと監視で、サービスデスクや運用改善も手がけます。稼働後も継続して改善を提案することに力を入れています。
特徴と強み
TISは、運用を維持するだけでなく改善する視点も持っています。たとえば、運用データを分析して無駄な作業を減らし、自動化も提案します。
継続的なコストの最適化に取り組みながら、クレジットカード決済など止められないシステムを支えてきました。また、高可用性が必要な領域でも実績があります。
得意領域・実績
金融・決済・保険など、信頼性が求められる業種を中心に実績があります。さらに、サービスデスクや監視センターを自社で運営し、24時間365日の体制を構築できます。
運用改善によるコスト削減や、高可用性が欠かせない基幹業務を重視する企業に向いています。
株式会社BSNアイネット|地域密着のトータルITサポート
株式会社BSNアイネットは、新潟を拠点とする総合ITサービス企業です。コンサルティングからアウトソーシングまで、幅広く支援します。
- 構築面:システムインテグレーション、セキュリティマネジメント
- 周辺・外部委託:ネットワーク・パッケージソリューション、アウトソーシング
特徴と強み
自社データセンターを持ちながら、地域密着のサポートを提供します。大手SIerより顔の見える距離で相談したい地方・中堅企業に向いています。
アウトソーシングからセキュリティまで一括して対応できるため、専任のIT担当者を多く抱えられない企業も相談できます。
得意領域・実績
地域企業向けの基幹・業務システムの構築と運用に実績があります。また、ITサービスの地域別の利用傾向では、地方は大都市より修理復旧サービスのニーズが高いとされています。
地域特性を踏まえた保守を重視し、地元での迅速な対応や長期的な信頼関係を求める企業に適しています。
株式会社NTTデータ|大規模公共・金融システムの運用
株式会社NTTデータは国内最大手のシステムインテグレーターです。官公庁・金融機関・大企業の社会インフラとなる大規模システムを多く手がけます。
構築から長期の安定運用まで担い、停止が許されないシステムの運用保守で実績があります。
特徴と強み
社会インフラ級のミッションクリティカルなシステムを支えてきた実績と、品質管理体制が強みです。また、SLAの設計・運用にも知見があります。
高稼働率を契約で保証する大規模運用にも対応します。グローバル拠点を活かして、24時間365日の監視や自動化、AIOpsにも取り組んでいます。
得意領域・実績
金融機関の勘定系や公共分野の社会基盤など、高い信頼性が必要な領域を得意とします。大規模で複雑なシステムを長期で運用したい大企業や官公庁に向いています。
案件の規模や費用が大きくなる傾向もあります。一方で、中小規模のシステムでは、自社の規模と必要な信頼性に合うかを比べてみましょう。
運用保守パートナー選びのポイント

どの会社が合うかは、自社の規模・予算・必要な信頼性によって変わります。そのうえで、提案を比べるときは価格だけで決めないよう、実績とSLA、費用の妥当性、契約形態と引き継ぎ体制の3つの観点で見ることが大切です。
実績とSLAの確認方法
自社と同じ業種・規模の運用実績を確認し、SLAの保証水準を比べます。大阪市のガイドラインでは、SLAの目安となる数値が例示されています。
- 稼働率・応答:サーバ・アプリ99.8%以上、応答達成率93%
- 重大障害・通知:年2回まで、発生後30分以内に100%通知
- 電話応答:ヘルプデスク応答率97%以上
SLAは目標値だけでなく、未達時のペナルティや改善勧告も確認しておきます。提案の場で対応を質問し、回答が曖昧な会社は慎重に検討しましょう。
費用の妥当性とコスト構造の評価
相見積もりだけでは適正な費用を判断しきれない場合は、作業報告書やサーバーログから実稼働時間を確認します。
- 監査:提示額と実態が合うかの照合
- 内訳:ほとんど発生しない作業に多額の費用がかかっていないかの確認
価格の配点を全体の20点以下に抑えると、安さだけが売りの低品質なベンダーを除けます。さらに、評価を「○5点・△2点・×0点」のように差をつけると、採点のばらつきを抑えられます。運用保守の費用相場の記事も参考にしてください。
契約形態と引き継ぎ体制の確認
監視や問合せ対応のような継続サービスは準委任、機能改修のように成果物が明確な業務は請負が一般的です。
準委任契約では、印紙税の観点で収入印紙が不要となるケースが多く、実務上の利点もあります。
- 対象範囲:保守の対象に何を含めるか
- 費用:金額の決め方と、支払い方式
- 終了の条件:免責事項と契約解除の条件
こうした項目を契約書に明記しておけば、後から「対象外」と言われる事態を防ぎやすくなります。
乗り換え時は、新しい担当者(1.0人月)に現行の担当者が週2日程度加わる体制が効果的とされます。移行には2ヶ月程度のOJTを見込んでおきましょう。
ベンダー選定には一般に4〜6ヶ月かかるため、契約満了の6ヶ月前には動き始めます。運用保守の発注・外注方法も参考になります。
まとめ
ここまで紹介した各社を比較しました。コンサルから開発・運用まで支援するripla、大手SIer、地域密着型など、各社の強みは異なります。
大規模で高い信頼性が必要なら大手SIer、相談しやすさや地域対応を重視するなら中堅企業も候補です。そのうえで、自社の規模と求める品質に合わせて選びます。
実績とSLA、費用の妥当性、契約形態と引き継ぎ体制の3つの観点で比較しましょう。特に、SLAのペナルティや契約範囲を文書で明確にしておくことは、後のトラブル防止に役立ちます。
運用保守は、システムを長く健全に保つための投資です。価格以外も含めて、総合的に判断してください。
全体像は運用保守の完全ガイドでも確認できます。
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
