製造指示システムの費用は、導入方式、工場や端末の規模、既存システム・設備との連携範囲によって変わり、初期費用は0〜60万円程度から1億円以上まで幅があります。
方式別の相場、費用の内訳、開発期間、コストを抑える進め方を説明します。全体像は製造指示システム開発の完全ガイドもご覧ください。
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製造指示システムの概要
製造指示システムは、受注や生産計画、BOM、在庫、工程の情報をもとに、現場へ製品や数量、仕様、工程、時期を伝える仕組みです。
製造の実績や品質の結果も回収します。
指示書をPDFで配るだけの仕組みに比べると、変更の承認者や最新版の受領、作業の完了時刻まで記録できます。
生産管理システムやMESとの違い
生産管理システムは、受注、所要量計算、購買、在庫、納期、原価など、計画と管理を広く扱います。
MESは計画系システムと工場の制御系・現場をつなぎ、工程実績、品質、設備データ、トレーサビリティを管理します。
製造指示システムは、両者の間にある指示と実績の流れに焦点を当てます。指示書の電子化だけで始める場合もあれば、生産管理やMESの一機能として導入する場合もあります。
費用に影響する主要機能
製造指示の費用は、必要な機能と現場で使う端末によって変わります。見積もりでは、次の機能範囲ごとに対象を分けて確認します。
- 指示と進捗:オーダー発行、指示書、工程の着手・完了・中断・保留。
- マスタ管理:品目、工程、設備、作業者、BOM、標準時間、版数。
- 現場入力:タブレット、バーコード、QRコード、ハンディ端末による実績収集。
- 品質と追跡:検査、不良・手直し、写真、ロット・シリアルの記録。
- 外部連携:在庫や会計とのAPI連携。
端末の種類によっては、通信環境の設計も別に必要になります。
機能を増やすほど、画面やデータ設計、テストの工数が積み上がります。
範囲を決める際は、指示書の電子化だけでなく、変更の版や承認、実績と品質の記録まで、一つの識別子で結べるかを確かめます。
日本ノーベルのFactory Conductorは、生産管理やMRP・ERPから計画やBOMを受け取り、現場へ送ります。製造後の日時や結果を上位システムへ戻す橋渡しとして説明されています。
製造指示システムの費用相場

費用は、標準機能だけで済むか、既存システムや設備と連携するかによって大きく変わります。
以下に示すのは、公開料金と一般的な業務システム開発の相場を、製造現場の端末・設備・テスト要件に照らした目安です。
ここに挙げる金額は、概算を比べる目安として利用してください。製造指示システム全体で決まった定価ではありません。
標準クラウド・SaaSの費用相場
標準クラウドは、初期費用と月額の条件を確認して見積もります。
- 初期費用:標準の指示・進捗機能で連携最小限なら0〜60万円程度。支援範囲で変動。
- 月額料金:1ユーザー数百〜数千円、または定額。契約条件で変わる。
契約前には、利用者数、拠点数、保存容量、サポート範囲を確かめます。
サイボウズの公式料金ページには、2026年8月時点のスタンダードコースが掲載されています。月額1,800円(1ユーザー)、最低契約数10ユーザー、初期費用0円です(出典: サイボウズ「kintone 料金」、2026年)。
この料金は基盤分だけです。製造指示アプリの設計や帳票、バーコード、権限は、別途見積もります。追加プラグイン、教育、データ移行も、別途見積もりの対象になります。
ローコード・小規模セミオーダーの費用相場
ローコードの見積もりでは、開発範囲と追加要件を分けて確認します。
- 初期開発:kintone等でオーダー、工程、実績、スケジューラ、帳票を作ると50万〜300万円程度。
- 追加開発:大量データ、設備接続、オフライン運用、厳格な追跡。
GROW工程管理は、公式案内で月額2.5万円からとされています。ただし、これは最低ユーザー数の場合のサービス料金です。kintone利用料や初期設定は、含まれるとは限りません。追加開発、端末、バーコード機器も、含まれないことがあります(出典: 株式会社アディエム「GROW工程管理」、2026年確認)。
この方式は、1工場・少数工程・受注生産の進捗管理から始めたい企業に合っています。
追加開発が必要になると、費用が膨らむことがあります。
大量データの高速処理や設備PLCとのリアルタイム接続が必要なら、PoCで拡張の上限を確かめてください。
通信断時のオフライン運用や厳格なシリアル追跡が要る場合も、PoCで確かめる必要があります。
パッケージ・MES・設備連携の費用相場
方式と連携範囲によって、初期費用の推定の目安は下に示すとおりです。
- パッケージ・クラウド:帳票、API、在庫・品質の一部で300万〜1,000万円程度。
- 複数工程・拠点:在庫・品質・原価の連携で1,000万〜5,000万円程度。
- 大規模MES:設備・PLC・IoT・ERP連携で5,000万円〜1億円以上。
これらは、一般的な業務システム開発の相場に、製造現場特有の事情を加味した推定です。
端末や設備接続のほか、移行と現地テストも見込んでいます。
個別見積となる製品も多くあります。たとえば、パナソニックのMESは、公式ページで導入実績とサポートを案内しています。
グループ内工場を含む約30工場で導入され、24時間365日のサポートがあります。
費用は、工場や対象範囲に応じて確認する必要があります(出典: パナソニック「MESソリューション」、2026年確認)。
価格を比べるときは、ライセンス費だけでなく、総額で見ることが欠かせません。現場調査や連携、教育も、その総額に入ります。保守や障害時の復旧も含まれます。
製造指示システムの費用内訳
見積書の金額は、画面開発のほかに、業務の整理、データ設計、既存システムとの連携を含みます。
端末・ネットワークや現地切替の費用も入ります。
教育や保守も、見積書に含まれます。
費用項目を分けて見ると、不要なカスタマイズや、後から追加される費用に気づきやすくなります。
要件定義・設計・実装・テストの人件費
開発費の中心は、担当者の工数です。その工数は、要件整理と設計、実装、テストの各工程に配分されます。
設計では、画面、データ、連携を、それぞれ形にします。
見積もりでは、工程ごとの配分を確かめます。
- 見積もり配分:各開発工程の担当工数の確認。
- テスト範囲:通常指示以外の現場シナリオも含める。
一般的な開発工程の配分の目安では、要件定義が10〜12%、設計・環境構築が22〜24%です。実装は48〜50%、テストは15〜17%程度とされています。
この比率は、案件ごとの標準配分ではありません。
実装に偏って要件定義やテストが極端に少ない見積もりは、見直しの材料になります。
テストでは、通常の指示に加えて、BOMの版違いや材料欠品、指示変更を試します。さらに、作業中断や不良・手直し、通信断、設備停止、ロット追跡も確かめます。
テストのシナリオを増やすほど工数は増えます。その一方で、稼働後の手戻りやライン停止のリスクを抑える費用でもあります。
連携・データ移行・端末の費用
見積もりでは、連携、データ移行、端末の費用を項目ごとに確認します。
- システム連携:接続先の範囲の特定
- データ移行:対象範囲と期間の決定
- 現場端末:機種と利用環境の確認
販売管理やERPとのAPI・CSV連携は、費用が増えやすい項目です。MRP、WMS、会計、品質管理との連携も、費用がかさみやすい部分です。
品目コードや製番、ロットの意味が連携先と異なると、変換ルールやエラー処理が必要です。在庫、工程、日付の意味がずれる場合も、変換が必要になります。
過去データは、重複や表記ゆれを整理したうえで、移行する時点を決めます。
端末やバーコード・QRコードリーダー、ラベルプリンターは、初期費用に含めます。無線LANや通信費、予備機、充電設備も、初期費用の対象になります。
現場の環境に合うかも確かめます。粉じんや温度、衛生の条件、手袋での操作に耐えるかを見ます。
画面の見やすさとオフライン時の再送も確かめ、設置場所や台数、故障時の交換、入力時間を候補ごとに比べます。
月額料金・保守・運用のランニングコスト
ランニングコストは、利用・基盤の費用と保守・運用の費用に分けて見積もります。
- 利用・基盤:契約単位と設備構成の確認
- 保守・運用:支援時間、更新、復旧条件の確認
利用・基盤の側には、クラウド利用料やユーザー・拠点・端末の追加料金が入ります。
サーバーやバックアップも含まれます。
保守・運用では、監視や問い合わせ対応、障害復旧が対象になります。OSやミドルウェアの更新、脆弱性対応も含まれます。
スクラッチや大規模連携では、年間保守を初期開発費の15〜25%程度とする見積もりもあります。ただし、これは一般的な目安で、24時間運用や現地対応の有無によって変わります。
保守契約では、一次回答までの時間や代替手順の担当、データ復旧の保証範囲を確かめておきます。
工場が止まる時間帯にサポートがないと、生産停止の損失につながることがあります。
バックアップの保存期間や復旧テスト、担当者の退職時の引き継ぎも、TCOの一部です。
費用と開発期間が変動する要因

1ラインの電子指示と、複数工場のMESとでは、必要な品質や範囲が違います。
見積もりの差は、開発会社の単価だけでなく、対象範囲と例外処理の数からも生じます。
自社の条件を先に整理しておくと、複数社の金額を同じ前提で比べられます。
工場数・工程数・利用者数・データ量
まず、対象となる工場数やライン、工程数を確かめます。作業者や管理者の数、拠点間の権限も確認します。
1工場で数工程なら標準機能で収まりやすい一方、複数拠点で工程や帳票が異なると、マスタの共通化と拠点別の差分管理が必要になります。
製造オーダーの日々の件数や実績件数、写真・検査記録の容量、履歴の保存年数も、データベースやストレージの設計を左右します。
トレーサビリティと設備連携の粒度
追跡の単位と設備接続の方法によって、データ構造や入力機器、必要な設計が変わります。
- 追跡単位:ロット単位かシリアル単位かの選択。
- 追跡範囲:部品、工程、設備、作業者の紐付け。
- 設備接続:方式、頻度、時刻同期、異常時の安全動作。
1品ごとにバーコードを読み、部品投入、設備条件、検査結果、出荷までを保存する場合は、画面や読み取り機器、通信を設計します。
データ欠損時の再登録も、あらかじめ決めておきます。
設備・PLC・センサーと連携する場合は、接続方式やプロトコル、設備改修の可否を確かめます。取得頻度や時刻同期、異常時の安全動作も確認します。
日本ノーベルは、Factory Conductorが中規模工場から10ライン以上の大規模工場まで対応すると説明しています。
機能の選択や他システム連携、特別機能の追加も可能です(出典: 日本ノーベル「Factory Conductor」、2026年確認)。拡張性は便利ですが、個別見積の要因にもなります。
開発期間の目安
開発期間は、方式と対象範囲によって異なります。方式ごとの目安は下に示すとおりです。
- 標準クラウド:設定のみなら即日〜数週間。
- ローコード:小規模セミオーダーは1〜3か月。
- パッケージ:帳票やAPI連携を含め3〜6か月。
- 大規模構築:複数拠点で6〜12か月、MES等は12か月〜2年以上の可能性。
工場が多いほど、現場の調整や切替リハーサルにも時間がかかります。
期間を短くしたいなら、全機能を一度に入れず、1ライン・1工程で指示の受領から実績登録まで検証するとよいでしょう。
90日で測れるKPIとして、指示書作成を1件20分から5分以内にすること、変更伝達の漏れをなくすこと、ロット照会を半日から5分にすることを目標に決めます。
効果を確かめた範囲から、品質や在庫、原価、設備データへと広げると、予算と現場の負荷を管理しやすくなります。
製造指示システム開発の進め方
製造指示システムは、現行の紙やExcelをそのまま画面に置き換えるだけでは、現場に定着しにくいものです。計画は、現場観察と要件定義、データ設計、PoCの順で進みます。そのあとは、開発とテストを経て、教育と切替、保守へと続きます。
特に、指示変更と例外処理を先に扱っておくと、後からの追加費用を減らせます。
要件定義・企画フェーズの決定事項
要件定義では、現場業務を把握したうえで、指示ルールを決めていきます。
- 業務把握:例外を含む現場業務の洗い出し。
- 指示ルール:識別単位と変更管理の決定。
- 運用条件:通信断時の扱い、履歴、権限、記録の定義。
現場では、受注と生産計画から、材料払い出し、製造、検査を経て出荷までの流れを、実際の作業に沿って確かめます。
指示書や手書きの追記、口頭連絡は、記録の対象として洗い出します。指示変更や欠品、中断、手直しも、記録の対象として洗い出します。
指示の単位は、製番・ロット・シリアルから選びます。そのうえで、BOMの版数、変更の承認者、受領端末を決めます。
通信断への備えも、要件に含めます。紙やローカル入力、復旧後の再送の扱いを決めておきます。取消・差し戻しや保存期間、権限、監査ログも、要件に含めます。
曖昧なまま開発すると、見積もりの前提が崩れてしまいます。
設計・開発フェーズの進め方
設計・開発では、共通コードとデータの正本、画面、接続方式を決めます。
- データ設計:共通コードと既存システムの役割分担。
- 画面設計:管理者と現場の操作環境の分離。
- 設備連携:設備改修と代替接続の方法の比較。
品目とBOM、工程、設備は、共通コードで扱います。作業者や標準時間、在庫、検査規格、ロットも、同じ仕組みで扱います。販売管理やERPと製造指示システムのどちらを正とするかも、あらかじめ決めておきます。
責任の分け方が曖昧なまま二重入力を残すと、転記ミスや確認作業が続いてしまいます。
画面は、管理者向けに指示作成の画面を、現場向けに受領から検査までの操作画面を分けて設計します。
手袋をしたままでも押せるボタンか、バーコードや写真登録が問題なく使えるかを確かめます。入力エラーと操作時間も確認します。
設備は、無理に改修せず、CSVやゲートウェイから始める方法も比べます。
テスト・教育・リリースフェーズの確認事項
テスト、切替、教育は、順番に現場と一緒に確かめていきます。
- 指示の版、古い指示の再利用防止、実績・品質結果とロットの紐付きの試験
- 材料欠品、作業者の資格不足、設備停止、通信断、二重登録、指示変更後の再承認の現場検証
- マスタ、移行、端末、権限、バックアップ、復旧、教育のリハーサル
- 1ラインでの並行稼働と、入力時間・エラーの計測、その後の範囲拡大
連携先にテスト環境がない場合は、ダミーデータで境界条件を検証します。
切替の初日に紙へ戻す手順や、復旧後に再入力するデータも決めておきます。これは、工場を止めずに運用するための切替条件です。
製造指示システムのコストを抑える進め方
最も安い製品を選ぶだけでは、コストの最適化にはなりません。総額が下がるとは限らないからです。入力負荷や連携テストを削りすぎると、手戻りや二重入力、障害対応、追加開発が重なり、結果として総額が増えます。
将来必要な機能を見据えつつ、効果を測れる最小の範囲から投資するのが現実的です。
Fit to Standardによるカスタマイズの絞り込み
パッケージやクラウドでは、標準機能に合わせる業務と、独自性が競争力になる業務を分けて考えます。
帳票を細かく再現するより、事故や手戻りを減らす機能を優先するほうが、投資効果を社内に説明できます。版管理や受領確認、実績、品質、ロット追跡は、その機能にあたります。
カスタマイズには、画面の追加費だけでなく、権限や移行、テスト、マニュアル、将来の更新への影響も伴います。機能の境界を文書にしておくと、保守の引き継ぎや拠点追加の見積もりを、同じ条件で並べられます。
1ライン・1工程からの段階導入
段階導入では、対象ラインの選定、効果測定、将来連携の設計を組み合わせます。
- 損失を測りやすい1ライン(指示変更、転記ミス、進捗の見えにくさが目立つ現場)の選定
- 指示の発行から実績確認までをつなぎ、指示書作成時間や入力漏れ、変更伝達、納期遅延を導入前後で比較すること
- 将来の在庫・品質・設備・原価連携で使う識別子の統一
全工場を最初から対象にすると、現場ごとの差が要件に混ざり、開発期間と教育の負担が増えます。そのため、小さく始めて、効果と現場の負担を確かめます。
PoCで全機能を完成させる必要はありません。ただ、コード体系を後回しにすると、拠点展開のときにデータを作り直す費用が発生します。
小さく始めることは、将来のデータ設計を軽く見てよい理由にはなりません。
初期費用ではなくTCOでの比較
TCOで比べるときは、初期費用だけでなく、利用中と契約終了時の費用も同じ条件で並べます。
- 導入時:開発、移行、端末、教育、現地対応。
- 利用中:月額、保守、通信、追加開発。
- 契約終了時:データ返却の条件。
比較表には、初期費用や月額、保守、端末、通信の欄を設けます。データ移行や教育、追加開発、現地対応、契約終了時のデータ返却も、同じ表に並べます。
5年間使う場合、月額が安くても、利用者の追加やAPI、保存容量、サポート時間によって総額が高くなることがあります。反対に、初期費用が高くても、標準機能が多く運用を簡素にできる場合もあります。
RFPには、製造指示のサンプルやBOMの版違い、指示変更を盛り込みます。欠品や通信断、不良・手直し、ロット追跡も記載し、各社に同じ条件で回答を依頼します。
見積もりの前提や対象外、追加単価、納期、保守の範囲、障害時の責任の分け方を明記しておくと、予算のずれを抑えられます。
見積もりの確認ポイント

複数社の見積もりを比べるときは、金額だけでなく、要件と前提が同じかを確かめます。業務知識や端末、連携について質問し、移行や教育、保守の範囲も分けて聞くと、対象範囲の違いがつかめます。
要件とサンプルデータの準備
見積もりの条件を揃えるために、資料や規模の数値、例外ケース、検証用データを用意します。
- 業務資料:現行帳票、記録、エラー時の手順。
- 規模・環境:件数、工場、利用者、設備、保存期間。
- 例外検証:BOM改訂中、欠品、交代、設備未着、完成後の品質問題を候補会社に確認。
現行の指示書や作業要領書、BOM、工程表は、そろえて渡します。実績記録や検査記録、エラー時の手順も含めます。
月間のオーダー数や工場・ライン・工程数、利用者数、設備台数を伝えます。既存システムや履歴の保存期間、通信環境も共有します。数値が不明なら、暫定値と調査方法を示し、見積もりの前提に含めてもらいます。
画面デモで確かめきれない部分は、サンプルデータを使った短い検証を依頼します。実データで試すと、入力負荷と追加費用の見込みが明確になります。
開発会社・製品の選び方
候補は、得意領域や実績・機能、費用対効果の観点で比べます。
- 得意領域:クラウド、ローコード、パッケージ、MES、設備連携。
- 実績・機能:近い工場での実績と要件の適合。
- 見積条件:候補各社への同じ前提の提示。
確認したいのは、製造業での同規模の実績と、指示変更や版管理への対応です。加えて、端末・設備連携とロット・シリアル追跡の対応を確かめます。段階導入や保守・セキュリティも、あわせて確かめます。
日立のFactRiSM導入事例では、紙記録の電子化によるヒューマンエラーの低減や、トレースバック・トレースフォワードの迅速化が紹介されています(出典: 株式会社日立製作所「FactRiSM 提案・導入事例」、2026年確認)。
価格を公開していない製品には、工程やライン数、端末数、連携先を伝えて、同じ条件で概算を依頼します。近い業種や工程での導入効果も確かめておくと、費用対効果を判断しやすくなります。
見積もりに含めるセキュリティ・法令・復旧
見積もりには、情報保護と生産継続、法令対応、復旧の対策を含めます。
- 安全性:情報保護と生産継続の対策の整合。
- 工場環境:ネットワーク構成と責任の分界の確認。
- 復旧・記録:復旧計画とデータ管理要件の確認。
製造指示やレシピ、品質情報は、機密性だけでなく、生産継続と安全にも関係します。
経済産業省は、工場システムのリスクを踏まえたガイドラインを公開しています(出典: 経済産業省「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」、2022年・2024年・2025年)。
ガイドラインでは、工場の重要度やゾーン、責任分界、バックアップ・復旧などを検討するよう示されています。
見積もりでは、認証や多要素認証、最小権限を確かめます。ログ(閲覧・出力・変更・承認)や暗号化、脆弱性対応、OTネットワーク分離も確認します。バックアップと復旧目標も、見積もりに入れます。
電子取引や請求関連のデータでは、経理システムとの境界で、訂正・削除の履歴や検索性、保存期間も見ておきます。運用と復旧の費用は、あらかじめ確保しておきます。
よくある質問
製造業の担当者から寄せられることの多い、費用と導入範囲の質問をまとめました。工場数や工程、既存システム、設備連携、トレーサビリティの要件に沿って、答えを整理しています。
製造指示システムは最低いくらから導入できますか?
標準クラウドの設定だけなら、初期0〜60万円程度から検討できる場合があります。月額利用料、アプリ設定、端末、帳票、教育、既存システム連携は別費用となることがあり、総額は要件で変わります。
小規模企業では、1ラインで指示と進捗から始め、効果を確認して広げる方法が現実的です。
パッケージとスクラッチ開発はどちらが安いですか?
標準機能が業務に合えば、パッケージやクラウドは初期開発を抑えやすく、導入期間も短くなりやすいです。
特殊工程や厳格な品質要件、既存設備との密な連携が競争力に直結する場合は、ハーフ・スクラッチやスクラッチが合うことがあります。
初期費用だけでなく、カスタマイズや更新、保守、将来の拠点追加まで含むTCOで判断します。
製造指示システムの開発には何か月かかりますか?
標準機能の設定は即日〜数週間、ローコードの小規模開発は1〜3か月、パッケージと連携を含む中規模導入は3〜6か月が目安です。
複数拠点で品質・原価、設備・PLC、ERPまで扱う場合は、6〜12か月以上かかる可能性があります。その際は、現場ヒアリングやデータ移行、並行稼働、教育、切替リハーサルも計画に入れます。
クラウド型でも工場のセキュリティ対策は必要ですか?
必要です。クラウドに移しても、現場端末や無線LAN、設備、取引先との接続は残るからです。
認証や権限、ログ、バックアップ、通信断時の代替手順を設計します。経済産業省の工場システム向けガイドラインも参考にしながら、システム会社との責任の分け方や障害時の復旧、サプライチェーンの連絡体制を契約前に確かめます。
まとめ
費用の目安は、標準クラウドで初期0〜60万円程度、ローコードの小規模セミオーダーで50万〜300万円程度です。パッケージやAPI連携を含む中規模導入では、300万〜1,000万円程度になります。
複数工程や複数拠点で在庫、品質、原価を扱う場合は、1,000万〜5,000万円程度です。MESとして設備・PLC・IoT・ERPまで接続すると、5,000万円〜1億円以上となる可能性があります。
金額は、工場数や端末数、データ量、追跡単位、既存システムとの責任の分け方によって変わります。固定価格ではないため、ここに挙げた金額は比べるための目安です。
見積もりでは、初期開発費に加えて、要件定義や連携・移行、端末、教育、保守を見ます。そのうえで、バックアップや復旧、将来の追加拠点まで含めたTCOで比べます。
1ラインのPoCでは、指示変更や受領確認、実績、品質、ロット追跡を検証します。指示書の作成時間や変更伝達の漏れ、実績入力率、納期遅延、不良率、照会時間を測っておくと、費用対効果を社内で説明しやすくなります。
現場が使い続けられる範囲から段階的に広げることが、費用を抑えて製造指示を定着させるポイントです。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
