市場情報配信システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

市場情報配信システムの発注は、配信範囲とデータ権利を先に決め、要件整理、PoC、契約、開発の順に進めると、予算超過や障害を抑えやすくなります。

発注形態、費用相場、見積の比べ方、契約と委託先選定も扱います。全体像は市場情報配信システム開発の完全ガイドもご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・市場情報配信システム開発の完全ガイド

市場情報配信システムを発注する前に知るべき全体像

発注前には、画面の表示内容より先に、どの市場データを誰に届けるかを決めておく必要があります。

利用権利と配信品質も、あわせて先に定めます。

市場情報配信システムは、データ受信、リアルタイム処理、配信を担う基盤です。このほかに、次の機能を組み合わせます。

  • 正規化:受信した市場データを、社内で使う形式にそろえる処理
  • 履歴保存:過去のデータを残し、後から確かめられるようにすること
  • 権限管理:利用者ごとに、見せるデータや機能の範囲を分けること
  • 監視:配信の遅延や停止を見つけ、対応につなげる仕組み

一括で外注する場合でも、業務側が配信条件と責任分界を決めていなければ、見積金額だけでは各社の提案を比べられません。

配信システムと取引システムの発注範囲の違い

配信だけを任せる場合と、注文や売買まで含める場合とでは、求められる配信品質が大きく違います。

  • 投資情報の表示:株価、指数、出来高を投資情報サイトや社内ポータルに表示するなら、数秒程度の遅延を許容できる場合があります。
  • 板情報の活用:注文トリガー、ディーリング、リスク管理では、Tick単位の欠損防止、順序保証、再送、低遅延が必要です。
  • 取引所の売買:注文受付、マッチング、監視、三重化を含み、配信システムとは要件が異なります。

発注書には、市場データの二次配信か、取引執行を担うシステムかを明記します。

画面より先に決めるデータの権利と品質

確認項目は、データソース、利用範囲、データ品質の3つに分けて整理します。

  • データソース:取引所から直接受信するか、QUICKやLSEGなどからFeedを購入するかで、接続方法と利用料が変わります。
  • 利用範囲:再配信の許諾と保存可能期間が対象です。社内利用と外部配信では、契約が同じではありません。
  • データ品質:銘柄コード変更、上場廃止、企業アクション、訂正配信、時刻基準、欠損時の扱いを一つずつ確かめます。

確認を後回しにすると、完成した画面を公開できない、または想定外のデータ利用料が発生する恐れがあります。

ポイント

配信か取引かで要件が大きく違うため、市場データの権利と品質、対象の区分を先に決めておくと、見積の前提がそろいやすくなります。

市場情報配信システムの発注・外注の進め方と順番

まず、発注者と専門会社の担当範囲を分けておきます。目的、利用者、対象データ、許容遅延、外部配信の有無を決めておくと、提案と見積の前提がそろいます。

最終的な仕様は、先に断定しなくても構いません。

1. 目的・配信先・SLOの設定

利用先は、投資家向け画面やアプリ、社内分析から選びます。

ディーリングや注文トリガー、外部APIも候補になります。

  • 対象データ:市場と銘柄数を決めたうえで、株価・気配・約定・指数・企業アクションの範囲を整理します。
  • 利用規模:同時接続数と、平常時・ピーク時それぞれの更新量を決めておきます。
  • 性能目標:P50・P95・P99遅延、欠損率、再接続時間、復旧時間を定めます。

許容値は業務への影響から決めます。たとえば、投資情報サイトならP95で数秒以内、注文条件の判定ならミリ秒単位です。

arrowhead4.0は注文応答が約0.2ミリ秒です(出典:日本取引所グループ「システム概要(arrowhead)」)。さらに、情報配信は約0.5ミリ秒で、取引情報を三重化サーバで処理します。

上に挙げた数値は、要求性能の上限を考える参考値として見てください。一般企業が目指す基準そのものではありません。

2. データソースとライセンス条件の確認

候補となるデータソースごとに、利用できる受信方式と契約条件を整理します。

  • 接続方式:専用線・閉域網・API・WebSocket・FIX・マルチキャストのうち、使える方式を確かめます。
  • 利用条件:外部配信・派生データ・履歴保存・海外利用・検証環境の可否を見ておきます。
  • 契約責任:契約主体と、データベンダーへの申込担当を決めておきます。

顧客数や端末数の数え方も、あらかじめ確かめておきます。RFPに書いておくと、責任の押し付け合いを防げます。

QUICK Feedは、国内株式を中心に、専用線などを通じて市場データをリアルタイムにPush配信します。

全量の約定情報と二重化構成、開発環境やハイトラフィックテストも案内しています(出典:株式会社QUICK「QUICK Feed」)。

専用線の開通、サーバー構築、受信プログラムの開発とテストを含む通常の導入期間は6〜10か月です(出典:株式会社QUICK「QUICK Feed」)。

データベンダーの導入期間は、開発会社の工数とは分けて見積もります。

3. PoCから始める段階的な開発とリリース

全市場、全データ、全顧客向けの本番環境を最初から作ると、費用とリスクが膨らみます。そのため、PoCから段階的に進めます。

  1. 1市場と限定データで、受信、正規化、キャッシュ、APIまたはWebSocket配信、基本の履歴保存を確かめます。
  2. 実データか同等のテストデータを使い、欠損、順序逆転、重複、訂正、更新量の増加、通信断からの再送を再現します。
  3. 測定結果を踏まえて、二重化、権限管理、課金、複数市場、災害対策サイト、監査ログを追加します。

社内利用で品質を確かめてから外部配信へ広げると、ライセンス条件とサポート体制を段階ごとに確認できます。

そのうえで、外注先には、各段階の成果物、受入条件、次工程へ進む判断基準を示してもらいます。

ポイント

最終仕様を決め切る前に、目的や許容遅延、ライセンス条件を固めておくと、予算超過を抑えやすくなります。PoCで小さく確かめてから、本開発の契約に進みます。

発注形態(パッケージ・クラウド・スクラッチ)の選び方

方式は、短納期、独自業務への適合、自社で担える運用範囲を踏まえて選びます。

市場データの受信と配信は外部サービスに任せ、銘柄マスタ、権限、顧客向け画面だけを開発する方法もあります。この方法では、全機能を自社で作らず、差別化したい領域に開発費を配分します。

パッケージ・共同利用型が向く業務と短納期

パッケージ・共同利用型は、金融業務や市場データ接続を想定しており、制度変更、監視、障害対応を組み込みやすい方式です。業務を標準機能に合わせられれば、フルスクラッチより導入を短縮できる場合があります。

パッケージ・共同利用型では、独自データ項目、特殊な配信ルール、既存システムとの細かな連携が制約になることがあります。

クラウド・マネージドFeedの拡張性と運用負担

クラウド型やマネージドFeedは、次の観点で比べます。

  • 拡張性:初期設備投資を抑えやすく、利用者数やアクセス量に合わせて拡張できます。
  • 運用負担:受信、ストリーム処理、コンテナ、APIゲートウェイ、監視を任せられ、自社の負担を軽くできます。
  • 費用とリスク:従量課金、データ利用料、リージョン障害、ネットワーク遅延、国外保存の可否を見ておきます。
  • 利用条件:RFPには、寄り付きやニュース時のピーク更新量、同時接続数、保存期間、バックフィル頻度を書いておきます。

平常時の費用が安くても、ピーク配信や履歴読み出しでは費用が増える場合があります。そのため、クラウド費用の上限アラートも確かめておきます。

データの削除方針と、環境を移行できる形式も決めておきます。

フルスクラッチに必要な独自要件と長期運用の体制

フルスクラッチは、独自要件と長期運用を担えるかどうかで判断します。

  • 実現しやすい要件:独自の正規化、特殊な権限や課金、証券業務との統合、超低遅延。
  • 自社に残る責任:Feed仕様変更、銘柄マスタ更新、障害時の再送、監査ログ、脆弱性対応の長期維持。
  • 併用方式:データベンダーのFeedを使い、正規化、権限、配信、画面は自社やSI会社が担います。

スクラッチでは、運用担当者や当番体制、内製化計画、保守契約まで含めて発注します。

併用方式では、接続仕様とデータ品質を専門ベンダーに任せます。こうすると、顧客体験や業務差別化に関わる部分を、自社で制御できます。

ポイント

定型業務に合わせられるか、運用をどこまで自社で担えるかで、方式は絞られます。独自要件が多い場合は、スクラッチの運用責任まで含めて判断します。

市場情報配信システムの費用相場と見積の内訳

小規模PoC、実運用、複数市場、取引所級の4区分について、初期開発費と期間を並べた図。
対象範囲が広がるにつれて、費用と開発期間の目安も大きくなります。

公的な開発費統計が少ないため、この節で示す費用の目安は、2025〜2026年の一般的な人月単価に、金融データ連携、高可用性、性能試験の工数を加えた概算です。正式価格ではなく、要件定義後に使う初期レンジです。

データ利用料、専用線、クラウド、監視、保守、制度変更対応は、開発費とは分けて確認します。

初期開発費の幅(500万円〜3億円以上)

開発費と期間は、対象規模や配信品質の条件によって変わります。次の数値は、類似システムからの推定です。

  • 小規模PoC:1市場・限定銘柄で、遅延を許容する社内画面やAPI。500万〜1,500万円、3〜6か月です。
  • 実運用:Feed接続、正規化、キャッシュ、WebSocket、二重化、監視、負荷試験を含みます。1,500万〜4,000万円、6〜10か月です。
  • 複数市場:外部配信、権限、課金、Tick履歴、災害対策が入り、4,000万〜1.5億円、9〜18か月です。
  • 取引所級:注文単位データ、大規模配信、0.5ミリ秒級低遅延、専用網、三重化、厳格な障害試験を含み、3億円以上、2〜4年程度になる可能性があります。

取引所級の構成は、一般的な投資情報サイトに必ず必要になるわけではありません。

ランニングコストの積み上げ方

運用費は開発費とは別に、初年度と2年目以降の総額で見積もります。

  • 主な運用費:データ料、外部配信料、回線、クラウド、監視、バックアップ、保守、診断、制度変更対応。

JPXの2026年1月以降の料金例では、「約定値段のみ」の外部配信の契約料と基本料の合計が、月額で1年目と2年目は38万円、3年目は47万円、4年目は57万円です(出典:日本取引所グループ「現物市場に係る相場情報料プロモーション料金」)。

この料金は特定の情報範囲についてのJPXの料金例であり、全市場・全データの料金ではありません。また、最良気配や注文単位情報、端末料、他のデータベンダーの料金は別条件になります。

見積書の工程別・費目別の確認

見積書は工程と費目に分けたうえで、削られている作業や費用の抜けを確かめます。

  • 上流工程:概算比率10〜20%。要件定義、データ契約確認、プロジェクト管理。
  • 開発工程:概算比率20〜30%。Feed接続、受信、正規化、銘柄マスタ、リアルタイム処理、API、画面。
  • 基盤・検証:概算比率15〜25%。履歴、インフラ、冗長化、性能・障害・セキュリティ試験。
  • 移行・定着:概算比率10〜20%。移行、教育、運用、保守。

人件費が開発費の大きな割合を占める場合は、総額の安さだけでなく、どの工程が削られたかを見ます。

工程別の概算比率は、上の項目に示したとおりです。

保守費は初期開発費の年15〜25%程度を仮置きします。データ料金、回線、クラウド、制度変更対応は、別建てにします。

ポイント

初期開発費は対象規模で大きく変わるため、まず対象範囲を決めてから比べます。運用費は開発費とは別に、初年度と2年目以降の総額で見ると、比較のずれが小さくなります。

RFP・要件整理と相見積もりの比較ポイント

RFPに記載する条件領域として、データ、性能、可用性、運用・安全を並べた図。
4領域の条件をそろえると、各社の見積前提を比較しやすくなります。

RFPは、機能一覧に加えて各社の見積前提をそろえる文書です。目的、対象業務、データソースを記したうえで、契約、性能、可用性の条件と、予算と予定を書きます。セキュリティ、運用、移行の条件も、各社の見積前提を左右するため、あわせて書いておきます。

  • セキュリティ:認証、権限分離、暗号化、監査ログ、脆弱性管理
  • 運用:報告の方法、保守窓口、国外利用の可否
  • 移行:内製移管、切替方式・訓練

未確定の事項は、提案してほしい項目として明記します。そうしておくと、会社ごとに異なる前提で見積もられることを防げます。

RFPに書くデータ・性能・運用の条件

RFPに書く条件は、データ、性能、可用性、運用の4つの領域に分けて整理します。

  • データ:市場、銘柄数、項目、更新頻度、受信方式、再配信、保存、訂正・再送、コード変換。
  • 性能:利用者数、同時接続数、P50・P95・P99遅延、ピーク更新量、欠損率、再接続・復旧時間。
  • 可用性:停止許容時間、二重化、災害対策、切替方式・訓練、バックアップ、監視・アラート。
  • 運用・安全:認証、権限分離、通信・保存の暗号化、監査ログ、脆弱性管理、報告、再委託、国外利用、内製移管、保守窓口。

金融庁のガイドラインは、外部委託先の評価や役割分担、責任、監査権限を契約で定める考え方を示しています。あわせて、再委託の手続きとサービス水準も契約で定めるとされています(出典:金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」)。

発注では、開発会社だけでなく、データベンダーやクラウド事業者も含めたサードパーティ管理が必要です。

見積の前提条件の横並び比較

相見積もりでは、各社が置いた性能と構成の前提を一覧にして比べます。

  • 遅延条件:数秒の許容か、Tick単位の保証かの違いを見ます。
  • 構成:単一構成か、二拠点構成かを比べます。
  • 含有費目:データ料金、専用線、クラウド、監視、試験、保守、制度変更対応が含まれるかを照合します。

同じリアルタイム配信でも前提は各社で異なるため、除外費目は別欄に分けて書きます。低額な見積では、遅延データ・画面のみ・単一障害点・試験省略・データ料金の別契約がないかを確認します。

一方で、高い見積では、過剰な冗長化や不要な全量Tick保存がないかを確認します。比較表には、金額、要件への適合、追加費用の条件、受入試験の責任者を記録しておきます。

提案書の実証方法の評価

技術構成だけでなく、品質の実証方法と実績の確認内容も評価します。

  • データ試験:欠損、重複、順序逆転、訂正を再現します。
  • 障害試験:時刻ずれ、通信断、サーバー障害、寄り付きの更新急増を試します。
  • 合格基準:試験データ量、同時接続数、合格ライン、測定箇所を明確にします。
  • 実績確認:「金融に強い」という説明に加えて、接続先、データ項目、配信先、許容遅延を匿名化したうえで確かめます。

二重化や、障害・制度変更への対応も確認します。許可が得られれば、運用担当者に聞き取りを行い、検証環境のデモを見せてもらいます。さらに、過去の障害報告の形式やFeed仕様変更の通知方法を確かめ、支援力を見極めます。

契約形態と委託先選定の確認点

要件定義・PoC、基準確定後の開発、リリース後の3段階に準委任、請負、保守契約を対応させた図。
契約を工程ごとに分けると、責任と成果物を整理しやすくなります。

要件定義、PoC、設計・開発、保守の各段階で、責任と成果物を整理します。契約は、成果物の明確さ、変更の必要性、発注者の管理体制に応じて選びます。

準委任と請負の違い(成果物・責任・変更の扱い)

契約は、成果物と完成基準の明確さ、要件変更の有無、発注者の管理体制に応じて選びます。契約の種類によって、成果物の扱いと責任の範囲も変わります。

  • 請負:成果物の完成に対価を払い、要件、納期、受入、瑕疵、遅延を定めます。変更時は変更契約が必要です。
  • 準委任:要件定義、設計、ベンダー調整、内製支援などを依頼します。準委任では委託先は完成責任を負わず、成果物の完成責任は発注者側に残ります。
  • 段階契約:要件定義・PoCは準委任、基準確定後の開発は請負、リリース後は保守契約とする方法があります。

契約書には、成果物、ソースコードや設計書の権利、第三者ライセンスを記載します。データ利用権も、ここで明確にしておきます。再委託、秘密保持、監査についても、契約で取り決めておきます。

障害連絡、SLA、終了時のデータ返却と引継ぎも、契約で定めます。

委託先の金融実績とデータ契約の対応範囲

委託先候補は、SI会社・データベンダー・クラウド事業者・パッケージ提供会社に分けて検討します。

NRI・NTTデータ・SCSK・富士通などの金融SI会社は、基幹連携、証券業務、長期運用を要件定義から保守まで一括で相談しやすい候補です。

QUICKは国内株式などのFeed、LSEGはグローバルなリアルタイム配信基盤を提供します。なお、供給会社と開発会社では契約範囲が異なります。

候補の対応力は、次の観点で確認します。

  • 接続と品質:市場データ接続、仕様変更通知、開発データ、性能試験。
  • 運用と継続:二重化、DR、欠損・訂正・再送、担当者の継続性、保守費。
  • 契約と移管:金融セキュリティ、利用許諾の分担、内製移管。

1社に全てを任せる場合でも、データベンダーを含めた三者会議を設定しておきます。また、障害の原因がFeed、ネットワーク、アプリのどこにあるかを切り分ける仕組みも、委託先に確認します。

契約前に決める責任分界と運用体制

障害対応と再委託の責任は、契約前に運用フローへ落とし込んでおきます。

  • 障害時の役割:データ未着、配信遅延、画面不具合、顧客利用不可ごとに担当と期限を決めます。
  • 運用目標:月次稼働率に加え、欠損率、P99遅延、訂正反映、障害通知、復旧時間をSLAなどに含めます。
  • 再委託管理:委託先名、担当範囲、アクセス権、保存場所、監査、終了時の削除方法を確認します。

金融庁のガイドラインの外部委託管理を参考に、再委託の連鎖まで把握しておきます。

障害時は、受付、一次切り分け、ベンダー連絡の担当と期限を決めておきます。その後の対応も、暫定対応から再発防止まで、一連の流れとして確かめておきます。

発注者側にも、障害訓練や脆弱性対応の承認、権限レビュー、契約更新を担う責任者を置きます。

ポイント

成果物が明確でない段階は準委任、完成基準が決まった開発は請負と、段階で契約を分けると判断しやすくなります。委託先は、障害時の責任分界と再委託の範囲まで比べて選びます。

市場情報配信システムの発注・外注でよくある質問

費用・開発期間・データベンダーとの契約・外注範囲について、発注の判断に関わる質問を取り上げます。

市場情報配信システムの外注費用はいくらですか?

小規模PoCや限定的な社内配信は500万〜1,500万円、実運用のFeed接続と二重化は1,500万〜4,000万円が目安です。

複数市場、外部配信、DRを含む場合は、初期開発費の推定で4,000万〜1.5億円です。データ利用料、専用線、クラウド、保守、制度変更対応は別途です。

開発会社と市場データベンダーは別々に探すべきですか?

必ず別々に探す必要はありませんが、役割と契約範囲を分けて比べます。

一般的には、データベンダーがFeed、品質、配信許諾、制度変更情報を担い、開発会社が受信、正規化、連携、画面、運用を担います。一括で相談する場合も、料金区分と三者の障害責任を確認します。

RFPを作成できない段階でも外注先に相談できますか?

相談できます。その際は、目的、利用者、対象データを整理しておきます。提案の前提をそろえるため、配信の条件も伝えておきます。

  • 配信先:画面、API、社内分析など、データを届ける先
  • 希望時期:いつ頃までに使い始めたいかの目安
  • 許容遅延:数秒程度か、ミリ秒単位かといった許容の範囲
  • 外部配信の有無:社外の利用者へデータを届けるかどうか

要件定義やPoC支援を提案してもらうとよいでしょう。要件が曖昧なまま固定価格を求めると追加費用が生じやすいため、初回の契約は要件定義や調査として切り出すと安全です。

準委任と請負のどちらで発注すればよいですか?

要件や方式を検証する段階は準委任、成果物と受入基準が確定した開発は請負が基本です。Feed仕様やライセンスはPoCで確かめ、その結果を踏まえて次の契約を判断すると、リスクを抑えられます。

契約書には、成果物・責任分界・変更手続き・知財・再委託・保守を記載します。

まとめ:市場情報配信システムの発注を成功させる進め方

発注側は、対象が取引所の売買システムか、市場データの二次配信かを分けます。そのうえで、データソース・利用許諾・再配信条件・許容遅延を決め、ピーク更新量、欠損処理、保存期間、権限、DR、監査ログも決めます。

定型業務はパッケージ、運用負担と拡張性はクラウド、独自要件はスクラッチが向くかを比べます。組み合わせるハイブリッドも選択肢になります。

発注前のRFPと比較基準の統一

RFPには、機能、性能、データ契約を記載します。運用、セキュリティ、再委託、受入試験の条件も、各社で前提をそろえておきます。

  • 運用:障害対応や保守の範囲と、担当の体制
  • セキュリティ:認証、権限、暗号化、監査ログの扱い
  • 再委託:再委託先の範囲と、その管理の方法
  • 受入試験:欠損や訂正の試験を含む、受け入れの確認手順

相見積もりでは、総額に加えて、データ料金・回線・クラウド・保守・制度変更対応の範囲を照合します。

単一障害点、欠損や訂正の試験、障害時の責任分界も比べます。そのうえで、PoCの結果を本開発の条件に反映します。

専門会社への要件整理からの相談

市場情報配信システムは、データ契約・金融業務・低遅延処理・インフラ・セキュリティにまたがります。

発注者だけで仕様を作り切れない場合は、次の条件をまとめて専門会社へ相談します。

  • 利用条件:目的と利用者、対象データと配信先。
  • 導入条件:希望時期、許容遅延。

要件定義やPoCで成果物を作り、データ品質と配信SLOを起点に条件をそろえると、予算超過や公開後の障害を防ぎやすくなります。

▼全体ガイドの記事
・市場情報配信システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。