MDM・モバイル端末管理の費用は、端末台数、OSや所有形態、連携・運用の範囲によって、月額200〜500円前後から数千万円まで変わります。
金額は、ライセンス費に加えて、導入作業や端末費、連携費、運用費を足した全体で決まります。
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MDM・モバイル端末管理の費用相場を決める全体像
端末台数に月額単価を掛けるだけでは、総額はつかめません。費用は性質の違う5つに分けて見積もると、金額がどこで変わるかを比べやすくなります。
- 利用料:ライセンスの月額・年額料金
- 導入作業:初期設定や端末登録の費用
- 端末費:管理対象端末をそろえる費用
- 連携費:既存ID基盤や業務システムとの接続費
- 運用費:サポートや教育を含む継続費用
ライセンス費と導入費の分け方
継続利用の費用と導入時の作業費は性質が違うため、分けて比べると判断の材料がそろいます。
- ライセンス費:管理コンソールや端末管理機能の月額・年額料金
- 導入費:アカウント作成、端末登録、ポリシー設計など開始時の作業費
アプリ配信、テスト、操作説明も導入作業に含まれます。
初期設定や移行を外部に委託すると、ライセンスが安くても全体の費用が増える場合があります。
OPTiM Bizの公式料金例では、初期費用が4万5,000円/1契約です。月額料金は、Android・iOS・iPadOSが300円/台、Windows・macOSが500円/台です(出典:株式会社オプティム「OPTiM Biz」、2026年8月確認)。
ただし、この料金はサービス利用の基準です。社内ルールの整理や複数拠点の移行、端末ごとのキッティングが、自動的に含まれるわけではありません。
課金単位(端末かユーザーか)による総額の違い
利用状況に合う課金単位を選ぶには、端末課金とユーザー課金を比べることが欠かせません。
- 端末課金:管理対象の台数が基準で、共有端末に向く場合があります
- ユーザー課金:利用者単位で権限やアプリを管理する運用に向きます
同じ100台でも、1人が複数台を使う場合と、1台を複数人で共有する場合では、適した課金単位が異なります。
見積もりでは、端末数や利用者数に加えて、管理者数と予備機の扱いも分けて伝えます。
Microsoft Intuneの公式価格では、Plan 1は1ユーザーあたり月額1,199円相当です。Plan 2は月額599円のアドオンとして案内されています(出典:日本マイクロソフト「Microsoft Intuneのプランと価格」、2026年8月確認)。
Intuneは、Microsoft 365 E3やE5などに含まれる場合もあるため、既存契約との重複を確認せずに別途契約すると、必要以上の費用が生じるおそれがあります。
MDMの費用・コストの内訳
MDM導入では、端末を安全に使い始める作業と、その後の運用も見積もります。初期費用と継続費用を分け、自社で行う作業と委託する作業を区別すると、価格差を把握しやすくなります。
初期設定・キッティング・移行の費用
初期導入では、管理環境・端末・接続設定の3つの面で作業が発生します。
- 管理環境:テナント作成、管理者権限、パスコードや暗号化のポリシー
- 端末準備:アプリ配信、端末登録、台帳整備
- 接続設定:Wi-FiやVPNの構成
キッティングでは、端末へのアカウント登録などを済ませて、利用者へ渡せる状態にします。
台数や機種数が多いほど、工数は増えます。
既製SaaSを30台以下に標準設定する場合、初期費用は0〜30万円程度、期間は数日から1か月程度が推定レンジです。
30〜300台で1〜2種類のOSを標準導入する場合は、20〜150万円程度、2週間〜2か月程度が目安です。
ただし、この金額は公的な市場平均ではなく、ライセンスやキッティングなどを組み合わせた推定値です。端末登録や受入テストも、その計算に含めています。
SSO・人事・業務アプリ連携の費用
連携先と連携方法によって、設計する内容は変わります。連携先は次の2種類です。
- 認証基盤:Microsoft Entra ID、Google Workspace、Oktaなどと連携
- 業務システム:人事、資産管理、ヘルプデスクとAPI連携
認証基盤との連携は、入社・異動・退職に合わせた利用者や端末の状態変更に役立ちます。一方、API連携では、データ項目やエラー時の再処理を設計します。権限の境界や監査ログの保持も、あわせて決めます。
複数OS・SSO・ゼロタッチ登録を300〜1,000台へ展開する場合は、導入費が100〜500万円程度、期間が1〜4か月程度の推定目安です。さらに、MDMと業務アプリやAPIを連携すると、300〜1,000万円程度、3〜8か月程度まで広がる可能性があります。
SoftBankのBCDMでも、導入支援や初期構築のSE作業は個別見積もりです(出典:ソフトバンク「料金|MDM(デバイスマネジメント)」、2026年8月確認)。
ランニングコスト・運用代行・教育の費用
継続費用は、基本利用料と追加機能、端末や回線、運用支援の3つに分けて確認します。
- 基本・追加機能:ライセンス、SSO、多要素認証
- 端末関連:回線、端末交換、バックアップ、ログ保存
- 運用支援:サポート、運用代行、問い合わせ受付
BCDMの基本料金例は、iOS・Androidが月額300円/ID、Windows・Macが月額400円/IDです。紛失時リカバリーは月額200円/IDです(出典:ソフトバンク「料金|MDM(デバイスマネジメント)」、2026年8月確認)。
SSOや多要素認証は別料金の場合があるため、基本料金だけで年間予算を組むと、追加分が漏れるおそれがあります。
運用代行費は、委託する確認・対応の範囲で変わります。
- 端末管理:未登録端末の確認、アプリ配信、OS更新の検証
- 利用者対応:紛失時のロック・消去、問い合わせの一次受付
異動・退職・故障・交換の手順は、継続して見直す必要があります。月次会議や教育コンテンツも、必要に応じて予算に入れます。
端末台数・方式別のMDM導入費用相場

規模と方式ごとに、初期費用と期間の目安を並べました。ここに示す数値は、製品や開発会社が一律に提示する相場ではなく、推定レンジです。
端末購入費や通信料金は、この金額とは別に計上される場合があります。ライセンス料や税、最低契約数も、費用に含まれないことがあります。
30台以下の小規模導入の費用目安(0〜30万円程度)
小規模導入には、標準機能で作業を抑える方法と、要件に応じて事前に検証する方法があります。
- 標準導入:数台から30台程度なら、既製SaaSを使い管理者が端末を登録
- 事前検証:金融情報や個人情報、BYOD、複数OSの混在時はPoCや社内規程を整備
初期費用は0〜30万円程度、期間は数日〜1か月程度が推定目安です。
月額ライセンスや端末代は、初期費用とは別に加わります。回線や必要な認証オプションも、費用に上乗せされます。
台数だけで判断せず、紛失時の判断者、遠隔消去の承認手順、取得する端末情報を決めてから見積もりを依頼します。
30〜300台の標準導入の費用目安(20〜150万円程度)
30〜300台の見積もりでは、導入条件と、方式ごとの検証範囲をそろえて比べます。
- 導入条件:部署別ポリシー、アプリ配布先、端末所有者、ゼロタッチ登録
- 標準導入:初期費用20〜150万円程度、期間2週間〜2か月程度
- 登録方式:iOSのみか、iOS・Androidでアプリや証明書を分けるか
OS構成や配布方式によってテスト項目が変わるため、条件ごとに見積もりを分けて確認します。
100台の場合、公式料金例だけを単純計算すると、モバイルの基本ライセンスは月額3万〜12万円程度になるケースがあります。
OPTiM BizやBCDMの端末課金と、Intuneのユーザー課金では計算方法が異なります。初期設定や端末調達、回線の費用は、ライセンスとは別に積み上げます。研修や運用も、積み上げて見込みます。
300〜1,000台以上の導入費用(100〜500万円超)
大規模導入では、部署・拠点別のポリシーや利用者の入れ替えを設計し、予備機や問い合わせ窓口まで含めて考えます。費用と期間は、追加する範囲によって変わります。
- 300〜1,000台:複数OS・SSO・ゼロタッチ登録は100〜500万円程度、1〜4か月程度
- API連携:業務アプリ連携は300〜1,000万円程度、3〜8か月程度の場合があります
- 独自環境:独自管理画面、閉域、オンプレミス、冗長化、監査対応は800〜3,000万円程度、6〜12か月程度
- 製品開発:フルスクラッチは3,000万円〜1億円超、12〜24か月以上
既存端末から移行する場合は、旧環境の台帳と新環境の識別子を対応させる工数もかかります。
MDMの費用が高くなる主な変動要因

価格は端末台数だけでは決まりません。端末の条件や既存システム、運用体制が複雑になるほど、設計・テスト・教育の工数が増えます。
見積もりを見るときは、総額だけでなく、どの要因が含まれているかを確認します。
iOS・Android・Windows・Macの混在
OSや端末ごとに登録と連携の方式が異なるため、見積もりの条件も分けて整理する必要があります。
- iPhone・iPad:Apple Business Managerと自動登録で標準化しやすい場合があります
- Android:Android Enterpriseやゼロタッチ登録の対応可否
- Windows等:Entra IDやIntuneとの連携、端末ごとの制御・配信方式
Macや業務用ハンディ端末が加わると、検証と例外対応が増えます。共有端末やキオスク端末も、検証の対象が広がります。
見積もりでは「スマートフォン100台」とまとめず、OSごとの台数と共有端末の台数を分けて伝えます。
OSのバージョンやメーカー、アプリ配布方法、通信が不安定な現場の有無を伝えると、後の追加費用を抑える助けになります。
会社支給・COPE・BYODの違い
所有形態によって、管理する範囲と利用者への配慮が変わります。
- 会社支給:端末全体を管理対象にし、紛失時のロックやワイプを明確に設計しやすい
- COPE:会社所有端末の業務領域と私用領域の境界を決めます
- BYOD:個人情報を過剰取得せず、私物端末全体を消去しない規程を用意します
BYODは端末購入費を抑えられる一方で、プライバシー設計や利用規程の整備が増えるほか、問い合わせや機種差への対応も必要になります。
調達時の検討対象には、MDMサーバーやエージェント、悪意あるアプリ、盗聴が含まれます。物理アクセス、バックアップ、BYOD方針も、検討対象に入ります。
IPAは調達時のセキュリティ要件を整理しています(出典:IPA「IT製品の調達におけるセキュリティ要件リスト活用ガイドブック第2.1版」、2026年)。
セキュリティ・ログ・運用体制の要件
必要なセキュリティ機能と対応体制を先に決めると、費用に影響する要件が見えてきます。
- 機能・保存:多要素認証、条件付きアクセス、証明書、操作承認、監査ログの長期保存
- 紛失対応:24時間365日の対応を求めるほど、ライセンスや運用費が増えます
- 運用担当:アラート確認、ワイプ承認、利用者への連絡時間を決めます
個人情報保護委員会の通則編ガイドラインは、事業規模やデータの性質・量などのリスクに応じて、必要かつ適切な安全管理措置を講じる考え方を示しています(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年6月時点)。
MDMの価格だけで予算を組むと、管理者教育や委託先監査が漏れるおそれがあります。利用目的の通知やログ確認も、予算の検討に含めます。
MDM・モバイル端末管理の導入・開発の進め方

導入は、製品の契約と端末登録だけでは完了しません。まず現状を整理して、必要な管理ルールを決めます。そのうえで代表機種を検証し、段階的に展開します。
導入を段階的に進めると、後から高額な作り直しになるリスクを抑えられます。
要件定義での端末・利用者・情報の棚卸し
要件定義では、端末の情報や利用形態、管理機能、取得する情報の範囲を洗い出します。
- 端末・契約:台帳、機種・OS、所有者、部署、拠点、回線、アプリ、保存データ、既存契約
- ライフサイクル:会社支給・COPE・BYODごとに、紛失・故障・交換・異動・退職時の停止や削除、通知先を決定
- 必須機能:登録・解除、パスコード、暗号化、アプリ配信、OS更新、遠隔ロック・ワイプ、権限、監査ログ
- 情報取得:位置情報やカメラ等の利用目的・対象を明文化し、不要な高機能プランを避けます
情報取得の対象は、位置情報やカメラのほか、USBやBluetoothなどにも及びます。スクリーンショットやアプリ一覧も、対象に含まれます。
PoCでの代表機種と紛失対応の検証
PoCでは、代表機種の登録・接続と紛失対応を実機で確かめます。
- 対象機種:iPhone、Android、Windows、Mac、業務用端末を少数台ずつ用意
- 機能検証:ゼロタッチ登録、アプリ配信、証明書、VPN、OS更新、通信断からの復旧
- 例外対応:非準拠端末やBYODの個人領域保護を確認
- 紛失対応:遠隔ワイプの承認・復旧を試し、私物領域の誤消去を防ぎます
- 操作計測:管理者の日常操作時間、新入社員1人の登録、端末交換1台、ロック所要時間、アプリ更新成功率を記録
効果の基準を数字で決めておくと、価格だけでなく運用の負荷も含めて製品を比べられます。
段階展開と運用指標の見直し
展開の順序と運用の確認項目をそろえておくと、例外や導入後の課題を把握できます。
- 展開順:情報システム部門、現場の代表部署、全社の順に進めます
- 運用準備:初期化、交換、退職、異動、紛失、故障の手順書と担当・窓口を整備
- 責任範囲:製品ベンダーとSIerの分担を決めます
- 月次確認:未登録・非準拠端末、古いOS、未使用アプリ、管理者権限、ログ欠損、未完了ワイプ
- 効果測定:管理台数だけでなく、初期設定・紛失時の初動時間、棚卸し精度、問い合わせ件数、退職者の削除漏れ
数値が改善しないときは、プランを増やす前に、運用手順のどこで詰まっているかを確認します。
MDMのコストを抑える5つのポイント
機能を削りすぎると、紛失対応や退職者の権限削除が手作業に戻り、別のセキュリティ費用や人件費がかかります。
予算は、リスクに直結する機能に振り向け、標準機能で足りる部分は作り込まないことが大切です。
標準SaaSと既存ライセンスの確認
標準機能と独自開発の境界を決めると、費用を大きく分けて考えられます。
- 標準SaaS:端末登録、ポリシー配布、アプリ管理、遠隔ロック・ワイプで足りる場合に活用
- 既存契約:Microsoft 365、Google Workspace、キャリア法人契約の管理機能を確認
- 独自開発:業務フロー、資産台帳、ヘルプデスク、レポート、承認など業務に近い領域へ集中
低レイヤーの端末制御を自前で再実装すると、OS更新や認証、証明書への対応が続きます。さらに、プッシュ通知やメーカー差分への継続対応も必要になります。
管理対象と高機能プランの段階化
端末の用途やリスクに応じて、共通の要件と追加機能を分けて考えます。
- 対象別の設定:管理職、店舗・現場の共有端末、検証用端末、BYODで必要なポリシーを分けられる場合があります
- 共通要件:端末台帳、パスコード、暗号化、アプリ配布、遠隔ロック・ワイプ、退職時の無効化
- リスク対応:条件付きアクセス、多要素認証、ログ長期保持、リモートサポートを必要に応じ追加
- 更新時の見直し:例外数・管理手順の複雑化を確認し、利用率の低いオプションを評価
端末ごとに設定を分ける場合は、管理ルールや操作手順が複雑になりすぎないかを確認します。
ゼロタッチ登録と自動化による作業時間の削減
端末を1台ずつ手作業で設定すると、台数に応じて人件費が増えます。そのため、登録と設定を自動化して作業を抑えます。
- 登録方式:Apple Business Manager、Android Enterpriseのゼロタッチ登録、Windowsの自動登録
- 作業削減:初期設計費がかかっても、入社・端末交換の反復作業を減らせる可能性があります
- 割り当て:部署・役職・端末用途に応じてアプリやポリシーを適用し、例外を確認
- 復旧手順:自動化に失敗した場合の手動対応を用意します
作業時間だけでなく、設定ミスが減ったかどうかも効果として評価します。
月額ではなく3年程度のTCOでの比較
月額料金だけでなく、初期から解約までの費用を同じ条件で比較します。
- 追加料金:初期設定、キッティング、運用代行、サポート、OS更新検証、API連携
- 既存機能:既存ライセンスやキャリア契約の機能で追加契約を避けられる場合があります
- 比較項目:初期費、月額・年額、課金単位、最低契約数、オプション、端末・回線、支援・教育・運用代行
- 利用期間:更新、解約時のデータ取り出し、端末更新、人員入れ替えを含め3年程度のTCOを比較
費用の差を説明するときは、比較表の項目ごとに条件をそろえます。
独自開発の範囲(業務上の差別化部分)
独自開発の適用領域は、事業目的と保守範囲を確認して決めます。
- フルスクラッチ:MDM基盤、管理者ポータル、マルチテナント、各OSの管理、課金、監査、サポートを継続整備
- 費用・期間:3,000万円〜1億円超、12〜24か月以上になり得ます
- 適用判断:MDMを自社サービスとして提供する目的がなければ、既製MDMと必要なAPI連携を検討
- 開発範囲:端末制御はOS公式・既存MDMのAPIに任せ、管理画面、業務アクセス、資産・人事・ヘルプデスク連携、社内レポートに限定
見積もりには、OS互換性や更新時の保守、障害・脆弱性対応を含めるよう依頼します。契約終了時のデータ移行も、対象に入れてもらいます。
MDMの見積もりを取る際のポイント
複数社の見積もりを比べるには、どの会社にも同じ条件を伝える必要があります。ベンダー、通信会社、導入SIer、受託開発会社では、担当範囲が異なるためです。
各社の見積もりで、誰が何を提供するのかをそろえて確認します。
RFPに載せる台数・OS・所有形態・連携先
RFPでは、端末構成、連携・運用条件、情報保護の範囲を明確にします。
- 端末・利用者:台数、OS、所有形態、拠点数、利用者数、管理者数、業務アプリ
- 連携・運用:既存ID基盤、人事・資産管理、ログ保持期間、データ所在地、導入希望日
- 対応水準:紛失時に5分以内か当日中かなど、SLAを具体化
- 情報保護:取得情報、BYOD対象、遠隔ワイプ範囲、承認者、教育対象を明示
未定の項目がある場合は、要件定義やPoCを先に行う提案と、その費用を別枠で示してもらいます。そうすると、仮定を含む概算を本番の費用と取り違えずに済みます。
一式表記と追加費用の条件
「一式」という表記や追加条件は、項目ごとに確認すると費用の範囲がはっきりします。
- 作業範囲:「導入一式」「運用支援一式」を端末登録、ポリシー、アプリ登録、キッティング、テスト、研修に分解
- 数量・担当:データ移行、問い合わせ、月次レポートの数量、単価、回数、担当者
- 追加条件:OS・端末・拠点の追加、API変更、ログ保存延長で費用が生じる条件
- 対応費:夜間・現地対応、24時間サポート、端末交換、契約途中の変更課金
金額の幅だけでなく、費用が増える条件もつかんでおくと、予算超過を防ぐ助けになります。
製品ベンダーとSIerの役割の違い
候補先ごとに、提供範囲と導入支援の実例を照らし合わせて、契約上の役割を見分けます。
- 製品ベンダー:MDMの機能やライセンスを提供
- 通信会社:端末・回線・運用窓口をまとめることがあります
- SIer・受託開発会社:要件定義、設定、連携、業務アプリ開発、運用設計を担うことが多い
- 導入事例:メディックスのBCDM導入事例も参考になります
メディックスはBYODを廃止し、BCDM搭載の社用スマートフォンを導入しました。あわせて、スマートデバイス研修も行いました。
メディックスは動画によるセキュリティ教育も実施しています(出典:ソフトバンク「株式会社メディックス導入事例」、2025年8月)。
この事例から、ライセンスに加えて、端末方針や教育、利用者支援の設計が必要だと分かります。そのため、製品保有者、導入支援者、契約後の一次窓口を分けて確認します。
MDM・モバイル端末管理のよくある質問
MDMの費用を検討するときに、よく寄せられる質問を並べました。ライセンス価格だけでなく、台数や運用体制、開発範囲も合わせて判断します。
MDMは何台から導入すると費用対効果が合いますか?
何台からという一律の基準はありません。数台でも遠隔ロック、退職者の停止、業務アプリ配布、BYODのプライバシー保護が必要なら、標準SaaSを小さく導入する価値があります。
小規模導入の初期費用は0〜30万円程度、期間は数日から1か月程度が推定レンジです。
まずは必要な範囲でPoCを始める方法もあります。
MDMの導入とMDM開発では費用がどれくらい違いますか?
既製MDMの導入設定は、数日〜数か月、初期費用0〜500万円程度の推定レンジで検討するケースがあります。
MDM基盤自体のフルスクラッチ開発は、3,000万円〜1億円超、12〜24か月以上の規模です。
一方で、多くの企業では端末制御を既製SaaSに任せ、独自開発を業務アプリや人事・資産管理とのAPI連携に限定すると、保守費用を抑えやすくなります。
BYODなら端末代を削減できますか?
会社が端末を購入する費用は、削減できる可能性があります。一方で、ライセンス費や業務領域の分離、利用規程の整備は残ります。プライバシー説明や問い合わせ、退職時の解除費用も残ります。
個人端末全体を消去しない設定と、会社が取得する情報の範囲を明確にしておきます。そのうえで、端末代だけでなく3年程度のTCOと、利用者の受け入れやすさを比べます。
MDMの月額費用以外に何を予算化すべきですか?
月額費用以外では、端末代や回線、初期設定を予算に入れます。キッティングと既存端末からの移行も、予算に含めます。
SSO・多要素認証や業務アプリ、API連携も、予算化の対象です。
教育や運用代行、ログ保存、問い合わせ対応も含めます。なかでも、契約終了時のデータ移行は見落とされやすいため、現地・夜間対応や端末交換と合わせて、必要性と単価を確認します。
まとめ:月額だけでなく運用を含めた費用比較
標準SaaSのライセンスは、月額200〜500円前後の公式料金例から検討できます。
端末数やOS、所有形態、連携が加わると、初期費用は数十万円から数千万円まで広がります。キッティングや教育、運用代行まで含めると、その幅はさらに広がります。
これらは製品共通の確定した相場ではなく、要件に応じた推定レンジです。
標準機能・連携・フルスクラッチの使い分け
使い分けは、標準機能で足りるかどうかと、業務に差別化の要素があるかどうかで考えます。
- 標準機能で足りる場合:SaaSを選び、閉域や高度な統制が必要なら専用環境を検討
- 業務フローに差別化の要素がある場合:API連携を加える
- MDM自体を事業化する場合:フルスクラッチを検討
- 端末制御を自社で再実装する前:OS公式の管理機能と既存MDMの範囲を確認
見積もり前に整理する5つの条件
見積もりを依頼する前に、5つの条件を整理しておきます。
- 台数・OS:端末台数とOSの構成
- 所有形態:会社支給、BYODなど端末の持ち方
- 連携先:既存ID基盤、業務アプリや連携先
- 紛失対応・情報取得:紛失時の対応時間、会社が取得する端末情報、ログ保持期間
- RFP記載事項:問い合わせ担当、予算上限、導入希望日
条件をそろえて複数社へ依頼し、初期・月額・追加費用と運用範囲を同じ粒度で比べると、納得できるMDM選びにつながります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
