金属加工業向け生産管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

金属加工業向け生産管理システムの発注・外注は、価格だけでなく、材料単位、外注工程、金型、原価、現場実績までをRFPで定義し、標準機能と追加開発の境界を決めて進めることが成功の近道です。

切削、旋盤、プレス、板金、鍛造、熱処理、メッキなどを扱う企業では、同じ「生産管理システム」でも必要な機能が大きく異なります。この記事では、発注形態の選択、RFPと要件整理、契約形態、費用相場、委託先の選び方、見積比較、導入後のリスク対策まで、外注先に相談する前に整理すべきポイントを解説します。

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金属加工業向け生産管理システムを発注・外注する全体像

金属加工業向け生産管理システムの発注計画

発注・外注の目的は、単にソフトウェアを購入することではありません。見積、受注、材料手配、生産計画、社内加工、外注、検査、出荷、原価を同じ製番や品番でつなぎ、納期と採算を判断できる業務基盤を整えることです。最初に業務の境界を決めておくと、ベンダーごとの見積条件を比較しやすくなります。

発注前に決めるべきゴールです

最初に「システムを入れる」という表現を、改善したい業務と測定する指標に置き換えます。たとえば、進捗確認のために現場へ電話する時間を減らす、見積原価と実績原価の差を把握する、外注品の戻り予定を一覧化する、材料の在庫差異を縮める、といった具合です。KPIは納期遵守率、進捗確認時間、在庫差異、見積原価差異、月末締め工数など2〜5個に絞ると、導入効果を確認しやすくなります。

金属加工の現場では、月間の受注件数や品種数だけでなく、1案件あたりの工程数、社内と外注の比率、材料の単位、金型の有無が費用と難易度を左右します。経営者、生産管理、現場、購買、品質、経理から代表者を出し、意思決定者を1人決めておくことも発注条件の一部です。

金属加工特有の論点を外せません

一般的な在庫・工程管理だけでは、金属加工の実務を表現できないことがあります。鋼材をkgで購入して本や枚で払い出す、残材を別ロットとして再利用する、プレスの取数とサイクルタイムで生産数を計算する、熱処理やメッキの外注へ有償・無償支給する、といった処理を要件に含めます。プレスや鍛造では、金型の所有区分、所在、ショット数、耐用回数、メンテナンス履歴も必要です。

日立システムズの金属加工業向けFutureStageでも、外注工程を含む工程管理、社内加工と外注加工の切り替え、金型のショット数・メンテナンス管理、重量と本数・枚数などの単位換算が業種特有の論点として紹介されています。委託先には、自社の実際の帳票や材料ラベル、外注依頼書を見せ、画面上で同じ判断ができるかを確認します。

発注形態はどれを選べばよいですか?

発注形態を比較する金属加工会社

結論として、標準的な業務が多い会社は金属加工向けパッケージ、複数システムや独自工程をつなぐ会社はパッケージを中心にしたハイブリッド、競争力に直結する特殊計算だけが標準製品に合わない会社は限定的なスクラッチ開発が適しています。全機能をゼロから作るかどうかを先に決めず、Fit&Gapと小さな検証を行ってから発注範囲を確定します。

業界特化パッケージを選ぶケースです

受注・発注仕入・在庫・工程・原価などの基本業務を短期間で整えたい場合は、業界特化パッケージが候補です。TECHS-BKの公式価格ページでは、2026年6月9日更新情報として、Miniの初期費用63万円から月額2万1,000円から、Basicの初期費用84万円から月額3万2,000円から、Standardの初期費用88万円から月額3万5,000円からと掲載されています(出典:株式会社テクノア「TECHS-BK 価格・動作環境」、2026年)。税別の最小構成価格で、ハードウェア、対応機器、ユーザー数、オプションなどは別条件です。

パッケージの利点は、金属加工で使われる品番、工程、材料、原価の考え方があらかじめ用意され、デモで業務適合性を判断しやすいことです。一方で、標準にない帳票や独自の見積計算を安易に追加すると、アップデートや保守が複雑になります。標準運用へ変更できる業務と、追加開発すべき業務を経営層も含めて分けます。

パッケージと周辺開発を組み合わせるケースです

販売・会計は既存システムを残し、生産管理パッケージを導入してAPIやファイル連携でつなぐ方式は、現実的な選択肢です。現場の実績収集だけをタブレットやバーコード端末で補い、設備データはIoT基盤、帳票は別の出力サービスに分けると、基幹部分の改修を抑えられます。既存システムとの責任分界、連携頻度、エラー時の再送方法、マスタの正本をRFPに明記します。

複数工場や複数の加工方式がある場合は、全社を一度に統合するより、1工場または1ラインで共通マスタと連携方式を検証します。最初の範囲で材料ロット、外注戻り、原価計算まで確認できれば、次の工場へ展開する際の見積精度も上がります。

スクラッチ開発を限定するケースです

独自の加工計算、顧客ごとの複雑な受注変換、特殊設備とのリアルタイム連携など、標準機能では業務上の優位性を表現できない部分だけをスクラッチ開発にする方法です。金属加工の全機能を一から作る場合は、要件定義の不確実性、マスタ整備、テストデータ作成、移行、教育の負担が増えます。発注前に標準パッケージのデモとPoCを行い、追加開発の理由を1機能ずつ説明できる状態にします。

スクラッチを選ぶなら、納品後に自社で変更できる範囲、ソースコードや設計書の帰属、第三者保守の可否、脆弱性対応の責任者を契約に入れます。完成した画面ではなく、材料ロット不明、外注納期遅延、通信断、重複バーコードといった異常系の処理まで評価します。

RFPと要件整理はどこまで準備しますか?

RFPと要件を整理する打ち合わせ

RFPは、完成画面の細かな仕様を発注者だけで書き切る文書ではありません。現状の業務、解決したい課題、対象範囲、データ、非機能要件、納期、予算の考え方、提案してほしい事項を同じ条件で各社へ渡すための文書です。情報が少なすぎるRFPは提案会社の推測が増え、見積金額の差が要件差なのか会社差なのか分からなくなります。

現状業務を工程とデータで見える化します

まず、見積から受注、材料引当、切断、加工、熱処理、メッキ、検査、出荷、請求までの流れを1枚にします。工程ごとに「誰が」「何を見て」「何を入力し」「次の担当へ何を渡すか」を記録します。Excel、紙、ホワイトボード、メール、担当者の記憶で管理している箇所には、現在の帳票やサンプルデータを添付します。

データ一覧には、顧客図番、品番、製番、材料規格、板厚、取数、標準時間、設備、外注先、単位、単価、納期、不良理由、金型番号を含めます。kg、m、枚、本、個が混在する会社では、購入単位、在庫単位、使用単位、販売単位を分けて示します。データ項目を先に揃えると、委託先が作る画面だけでなく、移行費用やマスタ登録費用も比較できます。

機能要件は優先度と受入条件まで書きます

機能要件は「工程管理ができる」ではなく、「製番ごとに工程順、設備、標準時間、外注先を登録し、現場が完了数と不良数を入力すると仕掛数量と納期見込みが更新される」と書きます。材料なら、ロット番号を受入から出荷まで追跡できること、残材を次の受注へ引き当てられること、単位換算の丸め規則を確認できることが受入条件です。

要件には優先度を付けます。たとえば、納期回答と外注工程の可視化は稼働初日から必要、金型ショット数はプレスライン展開までに必要、AIによる負荷予測は将来検討というように分けます。必須・重要・将来の3段階で整理すると、見積比較時に安価な提案が機能を削った結果なのか、適切な段階導入なのか判断できます。

非機能要件と提案条件もRFPに入れます

非機能要件には、クラウドかオンプレミスか、利用拠点とユーザー数、稼働時間、バックアップ、復旧目標、アクセス権、監査ログ、通信断時の入力、端末の種類、既存システムとの連携、データ保管場所、保守窓口を記載します。工場内のWi-Fiが不安定なら、現場端末のオフライン運用や再送処理をデモで確認します。

提案依頼では、標準機能、設定、追加開発、連携、データ移行、教育、保守を分けた見積を求めます。プロジェクト体制、担当者の経験、想定スケジュール、発注者側の作業、前提条件、除外事項、追加費用が発生する条件も回答欄を設けます。候補会社が同じフォーマットで回答すれば、価格だけでない比較ができます。

契約形態は請負・準委任・SaaSのどれが適していますか?

生産管理システム開発の契約を確認する担当者

契約形態は、要件が固まっているか、成果物を明確に定義できるか、発注者と委託先がどこまで一緒に検討するかで選びます。要件定義から本番稼働までをすべて同じ条件にせず、要件定義は準委任、仕様確定後の開発は請負、利用部分はSaaS契約という組み合わせも現実的です。法務・会計上の扱いは自社の専門家に確認します。

請負契約は成果物と変更ルールを定義します

請負契約では、仕様書、画面・帳票、連携仕様、テスト仕様、操作マニュアル、移行データ、納品物、検収条件を明示します。特に「完成」の定義を、画面が表示されることではなく、実データに近い受入シナリオを通過することにします。材料ロット追跡、外注戻り、再加工、不良、納期変更、原価差異など、通常系と異常系を受入条件に含めます。

開発途中で「この帳票も必要」「この顧客EDIも追加」となった場合の変更管理も重要です。追加費用、納期変更、優先順位の見直し、承認者、影響評価の手順を契約書や個別契約に入れます。固定価格だけを重視して変更がすべて別請求になる契約にすると、現場の学習で分かった必要要件を反映しにくくなります。

準委任契約は要件定義と伴走に向いています

準委任契約は、専門家が要件整理、現状分析、Fit&Gap、プロジェクト管理、運用設計などを支援する段階に向いています。金属加工の現場では、業務知識が発注者側にも委託先側にも完全には揃っていないことがあります。対話しながら論点を洗い出す期間を設けることで、開発開始後の手戻りを抑えられます。

ただし、準委任だから成果を定義しなくてよいわけではありません。月ごとの活動内容、作成する資料、会議体、検討テーマ、課題管理、報告方法を決めます。要件定義の終了条件として、業務フロー、機能一覧、優先度、連携一覧、移行方針、概算費用が承認される状態を設定します。

SaaS契約は利用条件と出口を確認します

SaaSを利用する場合は、月額料金だけでなく、ユーザー数、拠点数、保存容量、API、現場端末、バックアップ、障害時の連絡、サービスレベル、データのエクスポート、解約時の返却形式を確認します。クラウド環境でも、工場ネットワークや認証方式が自社の運用に合わなければ定着しません。

料金の見直し条件、料金改定の通知、アップデートの事前告知、旧バージョンの保守期間、委託先の再委託先、個人情報や機密図面へのアクセス権も確認します。経済産業省は2025年4月、中小規模の製造事業者向けに、工場セキュリティの重要性と始め方を解説する資料を公表しています。生産管理システムを工場のOT・IoTとつなぐ場合は、資産把握、ネットワーク分離、アクセス権、遠隔保守、バックアップを発注条件に含めます。

発注から稼働までの進め方を確認します

生産管理システムの導入工程

発注先を決めた後は、要件定義、設計・設定、開発・連携、テスト、移行、教育、本稼働、安定化の順で進めます。パッケージ導入でも、マスタと運用を決める作業は必要です。委託先に任せきりにせず、発注者側の承認ポイントを工程ごとに置きます。

要件定義では業務ルールを確定します

要件定義では、業務フロー、権限、品目・工程・設備・取引先・外注先のマスタ、見積と実績の原価項目、帳票、連携、移行データを決めます。金属加工では「材料を何kg購入し、何枚を切り出し、何個を完成品として計上するか」「外注へ何を支給し、戻り時にどのロットへ戻すか」を具体的に確認します。

この段階で代表的な案件を3〜5件選び、受注から出荷までのシナリオを作ります。単純な標準品だけでなく、短納期の割り込み、材料変更、工程追加、再加工、不良、外注遅延を入れます。委託先の説明が抽象的な場合は、実際の画面や帳票を使った業務シナリオに変えてもらいます。

設計・設定では標準と追加を分けます

設計・設定では、標準画面をどの業務で使い、どの帳票や連携を追加するかを確定します。標準機能へ業務を寄せられる部分は設定で対応し、競争力や法令・顧客要求に関係する差分だけを追加開発にします。追加する場合も、将来のアップデートで壊れない方式か、外部連携へ切り出せるかを確認します。

現場入力は、入力項目を増やすほど正確になるとは限りません。着手・完了、数量、不良理由、停止理由、実作業時間など、経営判断に必要な項目を優先します。バーコードやタブレットの操作を実際の作業服・手袋・騒音・移動距離で試し、入力が止まる場所を改善します。

テスト・移行・教育を発注範囲に含めます

テストは、機能単体、連携、業務シナリオ、性能、権限、障害復旧、受入の順に行います。テストデータには、材料ロットが不明な入荷、同一品番の材料変更、外注先からの数量不足、再加工、不良廃棄、納期変更を含めます。実データを使う場合は、図面や顧客情報の取り扱いを事前に定めます。

移行では、過去データをすべて持ち込むのか、現行受注と有効なマスタだけにするのかを決めます。品番や工程の重複を整理せずに移行すると、検索結果と原価集計が不安定になります。教育は操作説明会だけでなく、現場リーダーをキー・ユーザーにして、問い合わせと改善要望を一次受けする体制まで含めます。

費用相場とコストの内訳を把握します

生産管理システムの費用を見積もる担当者

金属加工業向け生産管理システムの費用は、ソフトウェア料金だけでは決まりません。パッケージまたはSaaSの利用料に、要件定義、設定、追加開発、連携、データ移行、端末、ネットワーク、教育、保守が加わります。したがって、複数社の見積は同じ作業範囲に揃え、初期費用と5年間の総保有コストを分けて比較します。

公開価格は比較の起点として使います

公開価格は、発注額をそのまま保証するものではありませんが、見積の前提を確認する起点になります。テクノアのTECHS-BKは、公式ページでMini、Basic、Standardの初期費用と月額利用料を最小構成価格として示しています。税別で初期63万〜88万円、月額2万1,000円〜3万5,000円というレンジです(出典:株式会社テクノア「TECHS-BK 価格・動作環境」、2026年)。ユーザーアカウント数、オプション、ハードウェア、対応機器で価格が変動するため、自社条件で再見積を取ります。

個別受注型のTECHS-Sについては、OBCの公式情報で基本システムのスタンドアロン構成が税抜150万円からと掲載されています。これは機能範囲や構成が異なる製品の公開例であり、金属加工会社の導入総額を示すものではありません。さらに、Asprova APSはパッケージ価格がオープンプライスで、操作教育、導入コンサルティング、システムインテグレーションなどを含めて費用が決まると案内されています。

導入支援と連携を含むレンジで考えます

リサーチノートの公開価格と業務システムの調査整理を踏まえると、標準パッケージを1工場で導入し、マスタ整備、現場端末、販売・会計連携、教育まで含める場合は、初期費用300万〜1,500万円程度が編集上の目安です。ただし、金属加工専用の一律相場ではなく、ユーザー数、外注工程、移行データ、EDI、カスタマイズ、支援体制によって変わります。見積書には、このレンジのどこに位置するのかと理由を説明してもらいます。

複数工場、ERP・会計・販売・EDI・設備との連携、厳格なロット追跡、個別原価、全社マスタ統合まで行う場合は、1,000万〜5,000万円程度のレンジを想定することがあります。全社基幹を大規模にスクラッチ置換する案件では5,000万円〜1億円以上もあり得ますが、これは要件と体制が大きく異なるため、特定金額として断定できません。まずは1ラインのMVPで投資対効果を測ります。

ランニングコストと見えない工数を含めます

ランニングコストには、月額利用料やサーバー費用だけでなく、保守、問い合わせ、バックアップ、脆弱性対応、端末交換、通信費、追加ユーザー、帳票変更、法改正対応が含まれます。リサーチノートでは、保守運用費を初期開発費の年15〜25%程度とするQ&A上の目安も整理されていますが、契約範囲やSaaSの料金体系で変わります。年間費用として提示してもらい、初期費用と分けて比較します。

費用対効果は、削減できる人件費だけで算出しません。納期回答の高速化、赤字案件の早期発見、在庫差異の縮小、顧客監査に出す資料の作成時間、特定社員への問い合わせ集中の減少も効果です。導入前の基準値を記録し、稼働後3か月、6か月、12か月でKPIを確認します。

委託先の選定と見積比較で見るべきポイント

委託先の提案と見積を比較する会議

委託先は、知名度や見積総額だけでなく、自社と同じ加工方式・受注形態・規模の導入経験、担当者の業務理解、データ移行力、現場定着の支援力で選びます。金属加工の導入実績がある会社でも、切削中心とプレス中心では確認項目が違います。候補を3〜5社程度に絞り、同じRFPと同じ業務シナリオで提案を受けます。

同業実績は社名より内容を確認します

導入実績を聞くときは、「製造業に何社」ではなく、切削・旋盤・板金・プレス・鍛造のどれか、個別受注か量産か、外注・支給品があるか、金型・残材・単位換算を使ったかを確認します。実際の導入企業に近い業務シナリオを見せてもらい、担当者がどの判断をシステムに落としたのかを尋ねます。導入効果も、単なる「効率化」ではなく、数値と測定方法を確認します。

テクノアの導入事例では、山口技研が月約2,500件、受注数量1〜2個が中心の超多品種少量生産で、進捗確認工数を年間1,200時間削減し、納期遵守率97%を実現したと紹介されています(出典:株式会社テクノア「株式会社山口技研様 導入事例」)。自社と規模が違っても、入力方法、図面への注意事項、実作業時間、見積と実績の比較をどう運用したかは、委託先の力量を見極める材料になります。

見積は作業項目と前提条件を横並びにします

見積比較では、初期ライセンス、月額、要件定義、設定、カスタマイズ、API・EDI、移行、端末、教育、テスト、稼働支援、保守を分けます。作業単価だけでなく、何人月・何日を想定しているか、発注者が準備するマスタやデータは何か、訪問回数と交通費は含むかを見ます。安い見積が移行・教育・受入テストを除外していないか確認します。

比較表には、標準・設定・追加開発の区分、将来アップデートへの影響、納品物、検収条件、追加変更の単価、保守開始時期、解約時のデータ返却を記載します。口頭で「対応できます」と言われた機能は、標準か追加か、今回の見積に含むか、受入条件は何かを文書に残します。

導入後の支援体制を選定条件にします

稼働日は完成日ではなく、現場が使い始める日です。問い合わせ窓口、障害の優先度、回答時間、リモート保守の方法、休日対応、バージョンアップ、マスタ変更、帳票追加の料金を確認します。プロジェクト担当者が稼働後も支援するのか、別部署や別会社へ引き継ぐのかも、契約前に聞きます。

導入直後は、入力漏れや誤った単位、外注先への発注忘れが起きやすくなります。稼働後1〜3か月の安定化期間を設け、日次の課題確認、週次のKPI確認、月次の改善会議を行います。現場の要望をすべて個別改修にせず、運用変更、マスタ修正、設定変更、追加開発に分類すると、費用をコントロールできます。

発注・外注で起きやすい失敗をどう防ぎますか?

システム導入のリスクを確認するチーム

失敗の多くは、機能不足だけでなく、要件の曖昧さ、データの品質、現場運用、責任分界の見落としから起きます。発注時点で「誰が何を決めるか」「何をもって完成とするか」「稼働後に誰が直すか」を決めると、問題が起きたときの切り分けが容易になります。

機能を増やしすぎる失敗を避けます

現場の要望をすべて盛り込むと、開発費、テスト量、教育負担が増え、稼働時期が遅れます。まず納期と採算に直結する1工程を対象にし、材料・工程・実績・不良のデータを正しく集めます。その後、外注、金型、原価、設備連携を順番に広げます。AIやIoTも、品番・工程・実績・不良コードが整ってから効果を検証します。

データと現場定着を後回しにしないようにします

古い品番、重複した工程名、単位の違う材料、担当者しか分からない略称が残ったままでは、新システムへ移行しても正しい集計になりません。データ移行の前に、品番・材料・工程・設備・外注先の責任者を決め、登録ルールと変更承認を定めます。移行対象を絞り、テスト環境で件数と金額を照合してから本番へ移します。

現場定着には、入力を依頼するだけでなく、入力した情報が納期回答、材料手配、外注依頼、負荷調整、評価に役立つことを伝えます。入力画面を現場の動線に置き、教育では実際の製品とバーコードを使います。導入後に入力率、未完了件数、不良理由の記録率を確認し、使われない機能を見直します。

よくある質問(FAQ)

金属加工業向け生産管理システムのよくある質問

発注前によく寄せられる疑問を、費用、期間、パッケージ選定、スクラッチ開発の観点から回答します。実際の金額や期間は、対象拠点、ユーザー、工程、データ、連携、契約条件によって変わるため、自社の前提を添えて確認します。

金属加工業向け生産管理システムの発注費用はいくらですか?

公開価格の例では、TECHS-BKの初期費用は最小構成で63万〜88万円、月額は2万1,000円〜3万5,000円です(税別)。ただし、導入支援、データ移行、端末、教育、連携、オプション、保守を含む導入総額は別に見積もられます。1工場の標準導入で300万〜1,500万円程度を編集上の目安にできますが、個別案件の保証額ではありません。

発注してから稼働するまで何か月かかりますか?

標準SaaSは数日から数週間、パッケージ導入は2〜6か月、連携やカスタマイズを含む場合は6〜12か月、複数拠点や大規模なスクラッチ開発は12〜24か月以上が目安です。これはリサーチノートに整理された一般的なレンジで、要件定義の期間、マスタ品質、発注者の意思決定速度、現場テストの範囲で変動します。最初から全工場を対象にせず、1ラインのMVPを設定すると短期間で検証できます。

金属加工向けパッケージとスクラッチ開発はどちらがよいですか?

受注、材料、工程、外注、原価など共通業務を早く整えるなら、金属加工向けパッケージが基本です。特殊な加工計算や設備連携など、競争力に直結する差分だけは追加開発や周辺システムで補います。デモ、Fit&Gap、PoCで標準機能を確認してから判断すると、不要なスクラッチ化を避けやすくなります。

小規模な会社でもRFPを作る必要がありますか?

必要です。ただし、分厚い提案書を作る必要はありません。現状の工程図、困っていること、代表案件、材料・外注・金型の管理方法、対象ユーザー、連携先、希望時期、予算の考え方、必須機能を数ページに整理し、候補会社が同じ条件で提案できるようにします。RFP作成自体を準委任で支援してもらう方法もあります。

まとめ:金属加工業向け生産管理システムは要件と契約を整えて外注します

金属加工業向け生産管理システム発注のまとめ

金属加工業向け生産管理システムを発注するときは、最初に受注形態、加工工程、材料単位、外注範囲、金型管理、原価管理、既存システムとの連携を整理します。業界特化パッケージ、ハイブリッド、限定的なスクラッチ開発を比較し、標準機能と追加開発を分けます。RFPでは、機能要件だけでなく、移行、教育、セキュリティ、バックアップ、保守、検収条件まで同じ形式で提示します。

発注前に比較条件をそろえます

見積は初期費用だけでなく、月額、導入支援、端末、データ移行、連携、教育、保守を含めた総額で確認します。同業実績は社数ではなく、切削・プレスなどの加工方式、個別受注・量産、外注・支給品、材料単位、金型、KPIの改善内容で比較します。候補会社には、実際の代表案件と異常系を使ったデモを依頼し、発注者側の作業と委託先の責任範囲を文書化します。

最初は1工程のMVPから始めます

全工場を一度に変えるのではなく、納期や採算に直結する1工程・1ラインから始め、材料、工程、実績、不良、外注戻りのデータを実務で確認します。導入後は納期遵守率や進捗確認時間などのKPIを測り、効果と課題を次の展開へ反映します。要件、費用、契約、現場運用を一つの発注計画として整えれば、金属加工の実態に合うシステムを無理なく外注しやすくなります。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。