マイクロサービスのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

開発会社は、Kubernetesを組めるかだけで選ぶと、判断を誤りやすくなります。そのため、設計から運用まで一貫して任せられるかを中心に比べます。

まず株式会社riplaを含む6社を、大規模基幹、AWSとコンテナの内製化、Kubernetesのセキュリティなどの得意分野に分けて紹介します。

▼全体ガイドの記事
・マイクロサービスのシステム開発の完全ガイド

  • 業務境界と段階移行の設計
  • データ整合性・Kubernetes・運用体制の比較
  • 自社の規模と体制に合う会社選び

マイクロサービスのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

マイクロサービスのシステム開発でパートナーを比較するイメージ

マイクロサービスは、モノリスを機械的に分割するだけでは効果が出にくい方式です。受注や在庫、決済などの業務の責任を、適切な境界で分けることが前提になります。

マイクロサービスの効果は、サービスごとのデータ所有者やAPI契約、障害時の復旧方法、チームの開発体制まで設計して、はじめて発揮されます。

適切なパートナー選定が成否を分ける理由

サービス数が増えると、ネットワーク障害やAPIのバージョン差異、分散トランザクション、監視対象やログ保存費の増加などが同時に起こります。たとえば、受注サービスが成功しても在庫サービスの更新に失敗する場合があります。そのため、再送しても二重計上しない冪等性や、処理を補償するSagaといった設計が必要になります。

アプリ開発会社に基盤だけを任せたり、インフラ会社に業務要件だけを任せたりすると、責任の範囲が曖昧になりやすいです。一方で、公開事例では、ミスミグループ本社が基幹システムをAWSへ段階移行し、マイクロサービス化によって開発スピードを3倍に向上させたと説明しています。

また、オンライン受注確定の応答時間は44%削減され、夜間バッチも5時間から2.5時間に短縮されています(出典: AWS「ミスミグループ本社、顧客時間価値を追求 基幹システムをマイクロサービス化」、2023年3月時点の事例)。ただし、これはクラウド移行、組織づくり、運用改善を含む個別事例であり、すべての企業に同じ効果が出るとは限りません。

発注前に確認すべきポイント

発注前には、業務一覧と業務間のデータの流れを自社で整理し、開発会社に共有しておく必要があります。共有する情報には、ピーク時のリクエスト数や許容停止時間、目標復旧時間があります。既存のERPや会計、認証基盤との連携も、あわせて伝えておきます。

そのうえで、サービス分割の理由や共有データを残す範囲、APIの認証・認可の方式を、提案書に書いてもらいます。監視やデータ移行、テスト環境、本番移行の手順なども、同じ提案書に含めてもらいます。

見積金額だけでなく、納品範囲も確認してください。ソースコードやIaC、コンテナイメージのほか、API仕様や運用手順書が含まれるかで、開発後に自社で行う作業が変わります。さらに、運用を自社へ移管するのか、24時間365日の監視を委託するのかによって、必要な体制とランニング費は大きく変わります。

ポイント

業務の境界とデータの持ち方、障害時の復旧まで設計できる会社かで比べます。基盤だけ、業務だけを別々の会社に任せると、責任の範囲が曖昧になりやすい点に注意してください。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaのシステム開発支援をイメージした画像

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスの成果創出とシステムの定着支援に強みを持っています。

営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。また、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの強みは、技術導入を目的にせず、業務上の成果から逆算してシステムを設計する点です。そのため、マイクロサービスを採用する場合も、まず業務機能を洗い出し、変更頻度や負荷の偏り、障害の影響範囲を確認します。そのうえで、マイクロサービス、モジュラーモノリス、既存パッケージを使い分けます。

サービス数を増やすこと自体をゴールにしないため、運用担当者が限られる企業でも現実的な構成を検討できます。また、既存システムを残しながら一部の業務を切り出す場合は、API連携や段階移行の範囲を整理し、初期段階で過剰な基盤投資を避けることが大切です。

企画から要件定義、開発、導入、定着支援まで一貫して相談できます。そのため、業務部門と情報システム部門の認識をそろえながら進めたい企業に合っています。

得意領域・実績

営業、顧客、生産、販売管理などの基幹業務での構築・導入実績をもとに、企業ごとの業務要件に合わせた支援が期待できます。特に、マイクロサービスを採用するか迷っている企業や、既存の業務システムを段階的に刷新したい企業、業務部門とIT部門をつなぐ伴走役を求める企業に向いています。

マイクロサービスの相談では、システム構成だけでなく、サービスごとの責任者やデータの持ち方、リリースの承認フロー、開発後の運用担当者まで話し合うことが大切です。相談時には、対象業務と困っている処理、連携先を簡易RFPにまとめておくと、話が進めやすくなります。利用者数やピーク時間帯、希望する稼働時期も書き添えると、具体的な見積の前提がそろいます。

NTTデータ|大規模基幹とハイブリッドクラウドに強い総合SIer

大規模基幹システムとクラウドを連携するイメージ

NTTデータは、金融、公共、製造、流通など幅広い業界のシステム企画・開発・運用を手がける総合SIerです。

公式のクラウドサービス情報では、既存環境とプライベートクラウド、パブリッククラウドを組み合わせるハイブリッドクラウドを、企画から開発・運用までマネージドする方針が示されています。

特徴と強み

大規模基幹の更改では、すべてを一度にマイクロサービス化するのではなく、段階的な移行ロードマップが必要です。その際は、既存資産との接続やデータ移行、可用性、監査要件を考慮します。

NTTデータは、クラウドの選定や基盤設計、アジャイル開発、サービスマネジメントを組み合わせて提案できます。そのため、複数クラウドやオンプレミスをまたぐ環境を管理したい企業と比べやすいです。

一方で、大規模SIerへの発注では、提案範囲と実装範囲、一次請け・再委託の体制、プロジェクト管理費、運用の最低契約期間を確認する必要があります。RFPには、マイクロサービス化する業務と対象外の業務を明記し、アーキテクトが業務部門と直接議論できる体制かを確認してください。

得意領域・実績

NTTデータの公式情報では、利用者視点のクラウドネイティブシステムや、高い可用性とセキュリティに配慮した基盤、アジャイル開発を組み合わせる支援が紹介されています。特に、金融や公共のように停止許容度が低い業務や、既存の大型基幹と新しいサービスを連携させる案件では、業界要件と運用要件を同時に評価できる点が候補に挙がる理由になります。

相談時に確認したいのは、「どの業務境界をどの理由でサービス化するのか」「既存基幹とのデータ連携方式は何か」「障害時に業務を継続する設計はどうするのか」「内製チームへ何を引き渡すのか」です。自社と近い業界や規模、SLAの案件を提示できるかを見ておくと、判断の材料になります。公開事例の有無と合わせて確かめてください。

ポイント

大規模基幹を段階的に移す計画を示せるか、提案範囲と再委託の体制、最低契約期間を見積前に確かめられるかが判断の目安です。

TIS|AWS移行からクラウドネイティブ運用まで支援

AWS移行とクラウドネイティブ化を進めるイメージ

TISは、金融、産業、公共、流通サービスなど多様な業種のシステム開発を支援するIT企業です。

AWSの公式パートナー情報とTISの発表では、「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ」を展開しています。そのパッケージには、現行システムの評価やクラウド設計、移行、運用のほか、セキュリティとエンジニア向けトレーニングも含まれます。

特徴と強み

TISの特徴は、クラウド移行を単なるインフラの載せ替えで終わらせず、コンテナ化やサーバーレス化、IaCやCI/CDなどを組み合わせて、クラウドネイティブ化を進める点です。公式記事では、マイクロサービス化やコンテナ化を見据えた基盤設計のほか、CloudFormationによる自動化、CloudWatchによる監視の自動化が紹介されています。

TISの発表では、クラウド導入の評価、準備、移行、運用の4段階を整理し、ビジネス価値や対象業務を定義してから段階的に進める考え方が示されています。

段階的な進め方は、既存のWebSphereやVMware、ERPなどを残しながら、新しいサービスだけをクラウドネイティブ化したい企業にとって、移行シナリオを複数比べられる点が魅力です。

得意領域・実績

TISは、AWSへの移行とその後の運用までを同じ相談窓口で整理したい企業や、既存システムの評価から始めたい企業に向いています。社内エンジニアを育てながらクラウド活用を進めたい企業にも合っています。TISは2024年の発表で、AWS導入実績が500件を超えると説明しています(出典: TIS「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ」の発表、2024年)。

TISのAWS導入実績の数字は、同社全体の実績であり、マイクロサービスの案件数を示すものではない点に注意が必要です。

見積前には、マイクロサービスのアプリ開発がどこまで含まれるかを確認してください。AWSアカウントの所有者や監視・障害対応の受付時間、クラウド利用料と保守費の分け方も、合わせて確かめてください。AWS以外のクラウドを中心に使う場合や、業務設計を別会社に依頼する場合は、API仕様と責任の境界を誰が管理するかも決めておきます。

ポイント

AWS移行から運用までを一つの窓口で任せたいなら候補になります。導入実績の数字は同社全体の値なので、マイクロサービスの件数としては読まないでください。

クラスメソッド|AWSコンテナと内製化を進めやすい技術パートナー

AWSコンテナと開発チームの内製化をイメージした画像

クラスメソッドは、AWSを中心にクラウド導入、アプリケーション開発、データ活用、運用支援を提供する企業です。

公式のAWSサービス支援ページでは、Amazon ECS、AWS Fargate、Amazon EKS、AWS Lambdaを対象に、コンテナやサーバーレスの導入・運用を支援しています。

特徴と強み

ECSやFargateは、Kubernetesの運用負担を抑えながらコンテナを動かしたい場合の選択肢です。一方、EKSはKubernetesの標準的なエコシステムを活用しやすい半面、クラスタやネットワーク、RBAC、アップグレード、監視の知識が必要です。

クラスメソッドの公式情報では、コンテナやサーバーレスによって、OSやミドルウェアの更新負担を減らせる点や、需要に応じてスケールできる点が説明されています。たとえば、マイクロサービスを小さく始めたい企業は、2〜3サービスのMVPをECSやFargateで構築し、運用の成熟度が上がってからEKSを検討する進め方も可能です。

最初からKubernetesを導入する場合は、誰がクラスタを更新し、誰が脆弱性やログを管理するのかを、契約前に決めておいてください。

得意領域・実績

AWSを標準のクラウドとして使い、新規サービスを短いサイクルで開発したい企業や、開発チームへ運用権限を段階的に移したい企業に合っています。コンテナやサーバーレスの技術選択を具体化したい企業にも、比べやすいです。

ECS、Fargate、EKS、Lambdaは、業務特性に応じて使い分けることが大切です。すべてをKubernetesに統一する必要はありません。

相談時には、AWS以外のクラウドやオンプレミスとの連携可否や、内製化トレーニング、運用監視の範囲を話し合います。AWSの技術支援に強くても、受発注や在庫などの業務設計は別途必要になる場合があります。そのため、業務アーキテクトの関与範囲を見積書で確かめることが大切です。

ポイント

ECSやFargateで足りるか、EKSの運用負担を引き受けられるかで選びます。Kubernetesを採るなら、クラスタの更新と脆弱性の管理を担う人を契約前に明確にしてください。

サーバーワークス|AWSの伴走支援と24時間365日の運用体制

AWSの監視とセキュリティ運用をイメージした画像

サーバーワークスは、AWSを専門領域とする企業です。構築や移行、運用代行、監視、セキュリティ支援を提供しています。

公式サービスページでは、AWS Premier Tier Services Partner、24時間365日の監視、エンタープライズのセキュリティ要件への対応を特徴に挙げています。

特徴と強み

マイクロサービスでは、アプリケーションの一部が動いていても、データベースやメッセージング、認証、外部APIのどこかが停止すると、業務が止まることがあります。そのため、監視や通知、一次切り分けを運用設計に組み込む必要があります。復旧手順やセキュリティ対応も、あわせて決めておきます。

サーバーワークスは、AWS運用代行・監視の公式情報で、監視だけのプランや、障害対応・オペレーションを含むプラン、個別オプションを示しています。また、AWSに特化することで、ECSやEKS、Fargate、CloudWatch、IAM、AWS Organizationsなどの組み合わせを標準化しやすい点も特徴です。

24時間365日の運用を自社だけで維持するのが難しい企業や、ペイメントカード情報など高いセキュリティ要件を持つサービスでは、発注側が監視の範囲とインシデント対応の責任を具体的に確認するとよいです。

得意領域・実績

AWSを中心としたマイクロサービスの運用基盤を整えたい企業や、移行後の監視やセキュリティまで任せたい企業、24時間365日の体制が必要な企業が候補になります。サーバーワークスの公開情報では、AWS運用の改善、コスト削減、セキュリティ、デジタル人材の育成などを支援領域として整理しています。

一方で、業務アプリの開発会社と別契約になる場合は、アプリ側の障害とAWS基盤側の障害を、誰が判定するかを決めておく必要があります。見積前には、分散トレースの保存期間やログの保管場所、通知先を確認してください。夜間のエスカレーションやクラウド利用料の上限管理も、同じ場で話し合います。

日立|エンタープライズの信頼性と分散トランザクション制御

エンタープライズシステムのデータ整合性をイメージした画像

日立は、社会インフラやエンタープライズシステムで培った開発・運用の知見を持つ企業です。

公式のHitachi Microservices Platformでは、マイクロサービス開発に必要な通信制御や横断的な機能を部品化し、分散トランザクションを管理する製品群を提供しています。

特徴と強み

受注や在庫、決済のように複数サービスが一つの業務処理に関わる場合は、部分的な障害が起きてもデータの整合性を守る設計が必要です。分散トランザクションでは、すべての処理が同時に成功するか、失敗時にどの処理を戻すかを決めることが論点になります。

日立の公式情報では、通信制御や複数サービスにまたがるトレース・ログ出力を共通機能として扱う点が示されています。さらに、分散環境でもオンプレミスと同等の整合性を目指す、分散トランザクション制御が説明されています。

決済や在庫引き当てのように不整合が直接損失につながる業務では、Saga、補償処理、冪等性、再送、タイムアウトを要件定義の段階で決めておく必要があります。

得意領域・実績

高い可用性や監査性、データ整合性が求められる基幹システムを扱う企業や、オンプレミスからクラウドへ段階移行したい企業、複数サービスにまたがる更新処理を重視する企業が候補になります。日立の公開情報には、マイクロサービス向けのフレームワークや分散トランザクション管理、運用時の分散トレースに関する説明があります。

一方で、製品や基盤の適用には、対象業務とデータモデルの詳細な整理が必要です。相談時には、HMPなどの製品をどこまで適用するか、既存のトランザクション処理とどう接続するかを確認してください。さらに、クラウドの実行基盤やライセンス、保守、障害時の復旧手順も確かめておきます。

高信頼性が必要な領域ほど、機能一覧よりも非機能要件と運用設計を比べることが大切です。

ポイント

分散トランザクションの扱いと、障害時の復旧手順を非機能要件として比べられるかが判断の目安です。機能の一覧だけでは、業務の整合性を守れるかは判断しにくくなります。

マイクロサービスのシステム開発会社を選ぶポイント

開発会社を比較して選定するイメージ

6社を比べるときは、自社の業務境界や移行の難しさ、運用体制、セキュリティ要件に照らして評価します。知名度やクラウド認定の数は、その判断を補う材料として見ておくとよいです。

マイクロサービスでは、アプリケーションのコードよりも、組織と運用を含む設計の差が本番後に表れやすいです。

実績と経験の確認方法

実績は、「マイクロサービスを導入した」と言えるかだけでなく、どの業務をどの単位に分けたのか、何サービスを稼働させたのか、どのような移行手順を採ったのかまで確かめます。受発注や在庫、顧客など自社に近い業務の例があれば、サービスの境界やデータの持ち方、外部連携、障害時の復旧を説明してもらいます。

可能であれば、公開事例だけでなく、匿名化した構成図や移行前後のKPI、運用引き継ぎ資料のサンプルも確認します。開発速度や応答時間、障害件数などの数字は、トラフィックやチーム人数によって意味が変わります。そのため、自社の条件に置き換えた試算を依頼してください。

技術力と専門性の評価

技術評価では、Kubernetesを使えるかだけでなく、ECSやサーバーレスを含めた選択肢を比べられるかを見ます。APIゲートウェイや認証・認可、メッセージブローカーなどを、自社の非機能要件に合わせて設計できるかも確かめます。加えて、CI/CDやIaC、ログ・メトリクス・分散トレースの設計も見ておきます。

セキュリティでは、サービス間認証や秘密情報管理、脆弱性スキャンを確認します。SBOMや監査ログ、ゼロトラスト、APIのレート制限、証明書更新なども押さえます。OWASPのMicroservices Security Cheat Sheetも、マイクロサービスの認証・認可や通信、秘密情報、監視などを検討する際の参考になります。

技術提案に、検知後の対応や修正期限、再発防止まで含まれているかを確認してください。

プロジェクト管理体制の確認

マイクロサービスでは、サービスごとの開発チームが独立して動くため、全体アーキテクト、プロダクト責任者、セキュリティ責任者、運用責任者の役割を、あらかじめ明確にしておきます。定例会議の参加者や意思決定の期限、API変更の承認方法、障害時の指揮命令系統が曖昧だと、個別のサービスは完成しても全体のリリースが止まります。

契約では、準委任と請負の範囲や成果物、受入基準、追加変更の単価を確認します。あわせて、クラウド利用料や保守時間、SLA、データとソースコードの所有権、契約終了時の移管も見ておきます。そのうえで、業務価値の高い1領域からPoCまたはMVPを始め、KPIと運用負荷を見てから拡張するのが現実的です。

よくある質問

マイクロサービスのシステム開発について相談するイメージ

マイクロサービスのシステム開発会社を選ぶ前に、費用、会社の選び方、Kubernetesの必要性を押さえておきます。そのうえで、自社の業務規模と運用体制を前提に、導入するかどうかを判断することが大切です。

マイクロサービスのシステム開発費用はいくらですか?

マイクロサービス専用の標準価格はありません。費用は、サービス数や既存連携、データ移行、可用性などのほか、セキュリティや24時間運用の有無でも変わります。目安として、2〜3サービスのPoC・MVPは500万〜1,200万円、3〜8サービスの実用MVPは1,000万〜2,500万円、中規模業務システムは2,000万〜5,000万円程度を試算の起点にできます。

上記は、業務システムの開発費に基盤、テスト、運用設計を加味した編集上の推定で、公開されたマイクロサービス専用の相場ではありません。クラウド利用料や監視、ログ、保守などは、初期開発費とは別にかかります。

脆弱性対応や内製化教育も含めて、初期費用と3年間のTCOを分けて見積もってください。

マイクロサービスならKubernetesを必ず使うべきですか?

必ずしもKubernetesを使う必要はありません。サービス数が少なく、AWSを中心に始める場合は、ECSやFargateを選ぶ方法があります。処理頻度が低い機能はLambdaなどのサーバーレスにすると、クラスタ運用の負担を抑えられます。

一方、複数クラウドで同じ実行基盤を使いたい、サービス数が多い、チームがKubernetesの運用に習熟している、といった場合は、EKSやGKEなどが候補になります。選ぶ際は、必要な可搬性や運用スキル、可用性、予算を基準に考えます。

どのような企業がマイクロサービスに向いていますか?

事業や機能の変更頻度が高く、チームごとに独立して開発・リリースしたい企業や、機能ごとに負荷の偏りがある企業、段階的に既存システムを置き換えたい企業に向いています。さらに、障害の影響を一部に限定したい企業にも効果が期待できます。

反対に、小規模で変更が少ないシステムや、運用担当者が不足しているシステム、業務データの境界がまだ整理できていないシステムでは、モジュラーモノリスやパッケージの方が安全な場合があります。まずは、業務の変化頻度と運用体制を診断し、採用しない選択肢も含めて提案してもらってください。

まとめ

マイクロサービスのシステム開発を成功させるまとめのイメージ

マイクロサービスのシステム開発会社を選ぶ際は、Kubernetesやクラウドの知識だけでなく、業務境界やデータ整合性、移行計画に加えて、セキュリティや監視、運用移管まで確かめることが重要です。

riplaは、業務成果から逆算する伴走型の候補として整理しました。他の5社は、NTTデータが大規模基幹とハイブリッドクラウド、TISがAWS移行と運用という切り口です。クラスメソッドはAWSコンテナと内製化、サーバーワークスはAWS伴走と24時間運用、日立はエンタープライズの高信頼性と分散トランザクションに焦点を当てています。

簡易RFPと導入判断の作成

まずは、変更頻度が高く事業価値が明確な1領域を選び、PoCまたはMVPで検証します。全社の業務を一度に分けるより、この順番のほうが現実的です。

業務一覧や対象範囲、既存連携、ピーク負荷を、1枚の簡易RFPにまとめます。SLAや希望時期、内製化の方針も書き添えて、複数社へ同じ条件で相談します。そのため、提案内容と見積を並べて比べられます。

初期費用と運用を含めた比較

判断には、開発費だけでなく、クラウド利用料や監視、ログ、保守を含むTCOを使ってください。セキュリティ診断や脆弱性対応、データ移行、内製化教育も含めて見ておくと、後の負担を見通せます。

マイクロサービス化の価値は、業務の変化に追従しながら安全にリリースし、障害時にも復旧できる状態をつくることにあります。サービスの数を増やすこと自体は、目的になりません。

▼全体ガイドの記事
・マイクロサービスのシステム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。