モノリシックのシステム開発費用は、単一業務なら300万〜700万円、複数業務を統合する中規模なら700万〜1,500万円、大規模な基幹刷新なら1,500万円以上を目安にします。
ただし、上記はモノリシック構成だけを対象にした公的な平均額ではなく、業務システムの公開相場に、モノリスで発生しやすい一体型のテスト、データ移行、外部連携、運用設計を加味した予算検討用のレンジです。この記事では、費用の内訳、規模別の価格帯、開発期間、金額が変わる要因、既存システムの刷新費用、見積もりの比較方法、コストを抑える進め方を整理します。
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モノリシックのシステム開発費用はどのくらいですか?

モノリシックのシステム開発費用は、対象業務と移行の有無で大きく変わります。新規に一つのアプリケーションとして作る場合と、既存モノリスをクラウドへ移す場合、機能を段階的に分割する場合では、同じ「モノリシックのシステム」でも必要な作業が異なります。なお、モノリシックとは1台のサーバーだけで動かす意味ではなく、複数の業務機能を一つのコードベースやデプロイ単位にまとめる構成を指します。
新規の小規模業務システムは300万〜700万円が目安です
対象が販売管理、顧客管理、申請管理など一つの業務で、基本的な登録・検索・更新、少数の帳票、ログインと役割別権限、外部連携が少ない場合は、初期開発費を300万〜700万円程度で検討します。期間は3〜4か月程度が一つの目安です。画面が少なくても、承認履歴、CSV入出力、締め処理、操作ログ、バックアップ、受入試験まで含めると、単純な画面制作より工数が増えます。
公開相場の比較材料として、SIA株式会社が2026年7月に公開したシステム開発費用の早見表では、小規模を100万〜300万円、中規模を500万〜1,000万円、大規模を1,000万円〜数千万円以上と整理し、人月単価を60万〜200万円程度としています(出典: SIA株式会社「システム開発の費用・相場 2026年版」、2026年)。この数字はモノリシック固有の統計ではありませんが、対象範囲を明確にするための市場ベンチマークとして使えます。
複数業務の中規模開発は700万〜1,500万円以上です
受発注、在庫、顧客、請求、帳票、権限、会計や倉庫とのAPI・CSV連携を一つのアプリケーションにまとめる場合は、700万〜1,500万円程度を初期開発費の目安にします。複数部署が利用し、部門ごとに承認経路や閲覧範囲が異なると、要件定義、権限設計、結合テスト、操作教育の工数が増えます。期間は5〜8か月程度が想定されますが、既存データの移行や稼働中システムとの並行運用があると、さらに長くなります。
全社基幹や大量データ、ERP・会計連携、監査ログ、高可用性、災害対策まで含む大規模案件では、1,500万円以上となり、5,000万〜1億円超に及ぶこともあります。モノリスは機能を一体でテストするため、機能数が増えるほど回帰試験の範囲が広がります。したがって「画面数×単価」だけで予算を作らず、夜間バッチ、異常系、移行リハーサル、障害復旧まで含めて見積もる必要があります。
既存モノリシックのシステム刷新費用はいくらですか?

既存モノリスの刷新では、新しい画面やAPIを作る費用だけでは足りません。現行コードの解析、仕様書の復元、不要機能の整理、データクレンジング、旧システムとの並行稼働、切り戻し計画、現場教育が追加されるためです。特に担当者しか分からない業務ルールがソースコードや帳票に埋め込まれている場合、現行調査の費用を削ると、後工程の手戻りとして高くつきます。
小規模なクラウドリフトは500万〜1,500万円程度です
既存のアプリケーション構造を大きく変えず、サーバーや実行環境をクラウドへ移すクラウドリフトであれば、500万〜1,500万円程度を一つの推定レンジに置けます。既存コードが読め、連携先が少なく、停止時間を確保でき、データ変換が限定的な案件は下限に近づきます。ただし、クラウド上で冗長化、監視、バックアップ、脆弱性対策、負荷試験まで整備する場合は、単純なサーバー移設より費用が上がります。
この金額は公開されたモノリス刷新の全国平均ではなく、新規業務システムの相場と、既存資産に対する移行作業を組み合わせた記事用の推定です。正式な見積もりでは、現行ソース、データベースの種類と容量、バッチ数、外部接続、停止可能時間を開発会社に開示し、調査フェーズを先に契約する方法が安全です。
リライト・リビルドや段階分割は1,500万円〜数億円以上です
複数業務を対象にしたリライト、API化、データ移行、段階リリースを含む刷新は、1,500万〜5,000万円程度が一つの推定レンジです。全社基幹を再構築し、旧システムと新システムを長期間並行稼働させる場合や、24時間運用、厳格な性能・監査要件がある場合は、5,000万円〜数億円以上になることもあります。期間も8〜12か月では収まらず、1〜2年以上の計画になる場合があります。
AWSのPrescriptive Guidanceは、モノリスを一括で置き換えるビッグバン移行には変革リスクと業務中断のリスクがあり、機能単位で段階的に切り出すStrangler Figパターンを選択肢として示しています。段階移行は停止リスクを下げやすい一方、旧新システムの接続、経路制御、データ整合性、二重監視が一時的に必要です。そのため、分割すれば必ず安くなるのではなく、リスクを小分けにするための追加費用も含めて比較します。
モノリシックのシステム費用の内訳は何ですか?

「開発一式」と書かれた見積書は、価格が安く見えても比較しにくいものです。モノリシックのシステムでは、要件定義、設計、実装、試験、移行、環境構築、教育、保守を工程別に分け、どこまでが初期費用に含まれるかを確認します。2026年公開のSIAの解説でも、人件費は月単価と作業月数で算出し、サーバー、クラウド、ライセンス、テスト環境などの諸経費を別に考える整理が示されています。
要件定義・現行資産分析・設計の費用です
要件定義では、受発注、在庫、請求、顧客管理などの業務フロー、利用者と権限、締め処理、例外処理、帳票、バッチ、外部連携を整理します。刷新案件では、ソースコード、データベース定義、ジョブ管理、ログ、障害履歴、運用手順を読み解き、現行仕様を復元します。資料が整っていれば短くできますが、現場の属人運用や未文書化のルールが多いほど調査工数が増えます。
設計では、画面や帳票だけでなく、データモデル、トランザクション境界、権限、監査ログ、バックアップ、障害復旧、監視、外部接続を決めます。モノリシックでは機能間の呼び出しが同じプロセス内で完結しやすい反面、境界が曖昧なまま実装すると後で変更影響が広がります。初期費用を抑えるためにも、業務モジュールとデータ責任の境界を設計段階で明確にします。
実装・外部連携・環境構築の費用です
実装費は、業務ロジック、画面、帳票、API、CSV入出力、バッチ、認証、権限、操作履歴などの開発工数で決まります。外部連携は接続先の本数だけでなく、通信方式、データ形式、送受信タイミング、再送、タイムアウト、エラー通知、接続先の試験環境まで確認します。会計、ERP、倉庫、決済、メール、BIなど複数の連携を一つのリリースにまとめるほど、調整と総合テストの工数が増えます。
環境構築では、開発・検証・本番環境、データベース、ロードバランサー、コンテナや仮想マシン、バックアップ、監視、ログ保管、CI/CD、アクセス制御を整備します。クラウドを使えば機器購入を抑えやすい一方、常時稼働、通信、ストレージ、バックアップ、監視の月額料金が発生します。見積書では、初期構築費とクラウドの継続費を分けて確認します。
テスト・データ移行・教育の費用です
モノリシックのシステムは、一つの変更が他の業務に影響する可能性があるため、テスト範囲を狭く見積もれません。単体テスト、結合テスト、総合テスト、性能テスト、セキュリティテスト、受入テストに加え、月次締め、年度更新、異常データ、権限違反、外部連携停止、バックアップからの復旧も確認します。テスト費が極端に少ない見積もりは、対象範囲と合格基準を必ず質問します。
データ移行では、旧システムのテーブルと新システムの項目を対応づけ、文字コード、外字、住所表記、重複、欠損、過去履歴を確認します。移行リハーサルを複数回行い、件数と金額を突合し、切替後の業務で旧データを検索できるか検証します。操作教育、マニュアル、問い合わせ窓口、稼働直後の立会いを含めるかどうかも、初期見積もりの比較項目です。
保守・運用・ライセンスの費用です
稼働後は、クラウドやサーバー、データベース、監視、バックアップ、SSL証明書、ミドルウェア、ライセンス、脆弱性対応、障害対応、問い合わせ、法改正や業務変更への改修費が発生します。保守費の目安として、初期開発費の年15〜25%程度、または月額で初期費用の5〜15%程度とされることがありますが、契約内容によって幅があります。夜間監視、休日対応、現地訪問、復旧時間の保証が含まれるかを分けて確認します。
特にモノリシックでは、フレームワークやOSの更新が全体リリースに影響する場合があります。保守契約で、脆弱性の調査、依存ライブラリの更新、バックアップ復元テスト、性能劣化の監視、ソースコードと設計書の引渡しをどこまで担保するかを明記します。初期費用だけでなく、3年程度の総保有コストで比較すると、安すぎる提案の抜け漏れを発見しやすくなります。
モノリシックのシステム開発はどのように進めますか?

費用をコントロールするには、いきなり実装へ入らず、業務とデータの境界を先に決めることが重要です。新規開発でも刷新でも、現行調査、要件定義、非機能要件の数値化、方式比較、設計、実装、テスト、移行リハーサル、リリース、安定化という順で進めます。工程の順序を飛ばすと、安く見えた初期見積もりが追加改修や納期延長として膨らみやすくなります。
現行業務とデータを棚卸しします
最初に、誰が、いつ、どのデータを使い、どの判断をしているかを業務フローで可視化します。画面一覧だけでなく、手作業のExcel、メール承認、夜間バッチ、帳票、手入力の補正、外部システムとの受け渡しまで確認します。利用者数、ピーク時の同時アクセス、年間のデータ増加量、許容停止時間、復旧目標もこの段階で数値にします。
既存モノリシックの刷新では、現行コードを機能単位に分類し、変更頻度、障害件数、データ依存、業務の重要度を記録します。残す機能、整理する機能、廃止する機能を分けると、全面再構築ではなく段階移行を選べるようになります。現行資産の解析費用を「無駄な調査」と考えず、過剰な作り直しと移行失敗を避けるための投資として予算化します。
モノリス・モジュラーモノリス・分割方式を比較します
変更頻度が低く、データ整合性を優先し、少人数で一貫した運用を行う業務では、モノリシックのシステムが合理的な場合があります。一方、特定機能だけ負荷が高い、部署ごとにリリースしたい、障害を局所化したい場合は、モジュラーモノリスや一部のAPI化を比較します。多数の小さなサービスを作ると、監視、認証、ネットワーク、データ整合性、デプロイ管理が増えるため、マイクロサービス化を前提に費用を決めないことが大切です。
モジュラーモノリスは、一つのデプロイ単位を保ちながら、顧客、受注、在庫、請求などのコード、API、テスト、データアクセスを分ける考え方です。初期の運用負担を抑えつつ、将来分割する候補を作れるため、費用と変更性のバランスを取りやすくなります。見積もりでは、単に「モノリス構築」と書かず、モジュール境界、データの所有者、将来の切り出し可能性を成果物に含めるか確認します。
非機能要件と移行リハーサルを先に決めます
可用性、性能、拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティを数値で定義します。例えば、平日日中の同時利用者数、検索の応答時間、月末の一括処理時間、目標復旧時間、バックアップ保持期間、監査ログの保存期間、障害時の通知方法を決めます。IPAの非機能要求グレードは、こうした要求を整理するための参照材料です(出典: IPA「非機能要求グレード2018」関連資料)。
移行では、テスト環境で本番相当のデータを変換し、件数、金額、残高、履歴、権限を突合します。切替当日に初めて移行するのではなく、リハーサルを行って所要時間とエラーを記録し、失敗時に旧システムへ戻す条件を決めます。旧新の二重運用が発生する場合は、どちらを正とするか、更新をどの経路で受けるか、終了条件を契約に書きます。
モノリシックのシステム費用が変動する要因は何ですか?

同じ業務システムでも、見積もりが数倍になることがあります。主な差は、対象業務の広さ、利用者数とデータ量、既存資産の状態、外部連携、データ移行、性能・可用性、セキュリティ、保守体制です。相見積もりを取る前に、これらの前提条件を同じ資料で伝えると、価格ではなく作業範囲の違いを比較できます。
機能範囲・利用者数・データ量で工数が変わります
販売、購買、在庫、請求、会計、顧客、ワークフローを統合するほど、業務ルールと権限の組み合わせが増えます。利用者数が多い場合は、同時アクセス、検索性能、セッション管理、帳票の一括出力、負荷試験が必要です。データ量が多い場合は、インデックス設計、アーカイブ、バックアップ、復旧時間、移行時間も変わります。
機能数が少なくても、業務上の例外が多いシステムは安くなりません。返品、取消、分割、差額、締め後の修正、権限者による承認、外部連携の失敗時処理などは、通常フローとは別のテストケースを必要とします。見積もり依頼時には、主要な業務フローだけでなく、例外処理の代表例も共有すると、後からの追加費用を抑えやすくなります。
外部連携・データ品質・移行範囲が費用を押し上げます
会計、ERP、倉庫、決済、勤怠、メール、BIなどの連携先が増えると、仕様調整、認証、接続試験、障害時の再送、データの重複防止が必要になります。API連携でも、相手先のレート制限や停止時間、バージョン変更への対応を確認します。ファイル連携では、文字コード、改行、項目順、ファイル名、到着遅延、再取込の扱いが費用に影響します。
移行する過去データの年数を増やすほど、変換ルールと検証量が増えます。古いデータをすべて新画面に移すのではなく、現行業務で参照する期間、法令や監査上保持する期間、別媒体で保存する期間を分けると、移行費を抑えられる場合があります。ただし、保存方法を変えると検索性や復元性に影響するため、業務部門と法務・監査部門の合意が必要です。
可用性・性能・セキュリティ要件が金額を左右します
停止が許されない業務では、アプリケーションサーバーやデータベースの冗長化、バックアップサイト、監視、障害通知、復旧訓練が必要になります。ピーク時の応答時間を保証する場合は、負荷試験とチューニングの工数も必要です。モノリス全体を冗長化する設計は分かりやすい一方、特定機能だけを個別にスケールしにくいため、ピーク負荷の業務を特定して設計します。
個人情報や機密情報を扱う場合は、最小権限、管理者権限の分離、多要素認証、通信・保存データの暗号化、監査ログ、脆弱性診断、バックアップ保護を要求します。IPAのIT製品調達向けセキュリティ要件リストや個人情報保護委員会のガイドラインを参照し、誰がどの操作を記録し、どの期間保管し、漏えい時にどう報告するかをRFPに書きます。後から追加すると、設計と試験のやり直しになりやすい項目です。
モノリシックのシステムの見積もりで確認すべきことは何ですか?

見積もりを比べるときは、最安値を選ぶのではなく、同じ条件で工程と成果物を並べます。イー・ジーシステム株式会社が2026年6月に公開した解説でも、費用は人月単価、必要工数、付帯費用の組み合わせで決まり、要件定義の精度によって倍以上動くことがあると説明されています(出典: イー・ジーシステム株式会社「システム開発の費用相場と見積書の読み方 2026年版」、2026年)。
工程・人月・成果物が分かれているか確認します
要件定義、現行調査、基本設計、詳細設計、環境構築、実装、単体テスト、結合テスト、総合テスト、性能・セキュリティ試験、データ移行、教育、リリース支援、保守を分けてもらいます。各工程の人月、担当職種、期間、前提条件、納品物が分かれば、要件変更時の増減を試算できます。「開発一式」「テスト一式」だけでは、何が含まれるか判断できません。
成果物として、要件定義書、画面・帳票一覧、データ項目定義、API仕様、権限一覧、テスト計画・結果、移行計画、運用手順、障害対応手順、ソースコード、IaCや環境設定を確認します。著作権や翻案権、OSSのライセンス、第三者部品、保守終了時の引継ぎも契約に含めます。納品物が曖昧だと、別会社へ保守を移すときの追加費用が発生しやすくなります。
同じ前提で2〜3社を比較します
相見積もりでは、同じ業務範囲、利用者数、データ移行年数、連携先、稼働時期、非機能要件、保守条件を提示します。会社ごとに前提が違うまま総額だけを比較すると、安い提案が機能を含んでいない、テストや移行が別料金、保守が短時間対応という可能性を見落とします。2〜3社程度に絞り、提案説明で不明点を質問すると比較しやすくなります。
開発会社には、モノリスの現行解析、データ移行、API連携、性能試験、セキュリティ、24時間運用、障害対応の実績を確認します。マイクロサービスを勧められた場合は、分割後の通信、監視、データ整合性、チーム体制、月額基盤費まで提示してもらいます。単に「最新技術だから」という理由ではなく、変更頻度、障害許容度、組織体制、予算、データ整合性の5軸で方式を比較します。
安すぎる見積もりは含まれない作業を確認します
安い見積もりには、要件定義、データ移行、性能試験、セキュリティ診断、ユーザー教育、稼働後の立会いが含まれていないことがあります。モノリスでは、本番リリース後に一つの不具合が複数業務へ波及しやすいため、テスト工程を削りすぎると障害対応費や業務停止の損失が増えます。安さの理由を「対象範囲を絞った結果」なのか「必要工程を後回しにした結果」なのかに分けて質問します。
追加費用が発生する条件も確認します。利用者数やデータ量の増加、帳票追加、連携仕様の変更、OSやクラウドの指定、休日切替、現場立会い、仕様変更、納期短縮がどの単価で計算されるかを契約に記載します。準委任か請負か、検収条件、瑕疵対応、仕様変更の承認方法を整理すると、予算超過の原因を追跡しやすくなります。
モノリシックのシステム開発費用を抑える方法は何ですか?

コスト最適化の基本は、品質を下げることではなく、作る範囲と順序を整理することです。すべての機能を一度に作り直すより、業務価値の高い範囲からMVPを作り、利用状況を見ながら拡張します。モノリシックのシステムでも、最初からコードと業務モジュールの境界を意識すれば、将来の変更費用を抑えやすくなります。
必須機能と後回しにできる機能を分けます
機能を「法令・契約上必須」「業務継続に必須」「効率化に有効」「将来検討」に分類します。初回リリースでは、受注登録、在庫引当、請求、権限、監査ログなど中核業務と、最低限の外部連携に絞り、分析画面や細かな自動化は第二段階に回す方法があります。後回しにした機能は削除するのではなく、前提条件と追加時期をロードマップに残します。
パッケージやSaaSで標準機能を利用できる業務は、スクラッチ開発との比較を行います。標準に合わせられる範囲が広ければ初期開発費を抑えやすい一方、独自カスタマイズを重ねるとアップデート費や保守費が増えます。初期費用だけでなく、導入支援、月額利用料、ユーザー追加、データ連携、解約時のデータ返却まで含む3年程度の総額で判断します。
既存資産を再利用し自動テストを整備します
既存の業務ルール、データ定義、帳票テンプレート、認証基盤、共通部品を再利用できれば、ゼロからの作り直しを避けられます。ただし、古いコードをそのまま持ち込むのではなく、利用実態、脆弱性、保守性、ライセンスを確認します。再利用するものと作り直すものを現行調査で判定し、見積もりに明記します。
テスト自動化では、業務上重要な登録、計算、締め処理、権限、連携、移行後照合を優先します。自動テストの初期整備には費用がかかりますが、モノリス全体を毎回手動で確認する工数を削減し、改修時の回帰リスクを下げます。CI/CDやコードレビューも、リリース事故を減らし、長期の保守費を抑えるための投資です。
段階移行で停止リスクと二重コストを管理します
既存モノリスを一度に廃止せず、顧客管理や申請など境界を作りやすい機能から新システムへ移し、経路を切り替える方法があります。AWSのガイダンスでは、旧システムを残したまま新機能を段階的に追加するStrangler Figパターンが説明されています。全面停止を避けやすい反面、移行中は旧システムと新システムの接続、データ同期、監視、問い合わせ窓口が増えます。
段階移行を選ぶときは、機能ごとの費用、終了条件、旧環境の縮小時期を明確にします。移行したのに旧環境を無期限に残すと、基盤費と保守費が二重にかかります。最初にPoCや小さなパイロットを行い、移行難易度、性能、運用負担、データ整合性を確認してから本体の計画を確定すると、過大な投資を避けやすくなります。
モノリシックのシステム費用に関するよくある質問

ここでは、費用相場を調べる担当者からよく寄せられる疑問に回答します。金額は対象範囲と前提条件で変わるため、回答のレンジをそのまま発注額とせず、概算予算を作る起点として利用します。
モノリシックのシステムはマイクロサービスより安いですか?
初期開発では、サービス間通信、分散トレーシング、複数デプロイ、データ同期を設計しなくてよい分、モノリシックのシステムが安くなりやすいです。ただし、規模が大きくなり、全体テストや一括リリースの負担が増えると、変更コストが上がる場合があります。変更頻度、負荷の偏り、障害許容度、運用チームの成熟度を比較し、モジュラーモノリスや一部API化も含めて判断します。
モノリシックのシステム開発期間はどれくらいですか?
小規模なら3〜4か月、中規模なら5〜8か月、大規模なら8〜12か月以上が一つの目安です。既存システムの刷新では、現行調査、データ移行、並行稼働、年度や繁忙期の切替制約が加わるため、1〜2年以上になる場合があります。期間を短くするには、機能を削るだけでなく、意思決定者を決め、受入基準と移行リハーサルを早期に確定します。
開発費以外にどのような費用がかかりますか?
クラウドやサーバー、データベース、ライセンス、監視、バックアップ、脆弱性対応、障害対応、保守改修、操作教育、データ移行、稼働後の立会いなどが発生します。特に既存モノリスでは、現行資産の解析、データクレンジング、移行リハーサル、旧新システムの並行運用を初期費用に含めるか確認します。保守費は初期開発費の年15〜25%程度という目安もありますが、SLAと対応時間によって変動します。
見積もり依頼前に何を準備すればよいですか?
業務フロー、対象機能、利用者数、データ量、外部連携先、帳票、権限、ピーク時間、停止可能時間、移行対象年数、希望時期、予算上限を整理します。既存システムなら、ソースコード、DB定義、画面・帳票一覧、ジョブ一覧、障害履歴、運用手順、契約とライセンスも用意します。資料が不足していても、調査フェーズの見積もりを依頼すれば、推測による一式見積もりを避けやすくなります。
まとめ

モノリシックのシステム開発費用は、単一業務の新規開発で300万〜700万円、複数業務の中規模開発で700万〜1,500万円、大規模な基幹刷新で1,500万円以上を目安にします。既存システムのクラウドリフトは500万〜1,500万円程度、リライトや段階的な分割は1,500万〜5,000万円程度、大規模刷新は5,000万円〜数億円以上という推定レンジで考えます。
総額ではなく内訳と変動要因で判断します
これらはモノリシック固有の公的平均ではなく、2026年公開の業務システム相場、モノリス刷新で発生する現行解析・移行・一体型テスト、クラウドや保守の条件を組み合わせた予算検討用の目安です。実際の金額は、機能範囲、利用者数、データ品質、連携数、可用性、セキュリティ、運用体制で変わります。要件定義、設計、実装、テスト、移行、保守を分けた見積もりを取り、安さではなく抜け漏れと総保有コストを比較します。
まず現行資産と業務範囲を整理して相談します
新規開発なら必須機能と後回しにできる機能を分け、刷新なら現行コード、データ、連携、障害、運用を棚卸しします。そのうえで、モノリスを継続するのか、モジュラーモノリスに整えるのか、クラウドへ移すのか、段階的に分割するのかを比較します。費用だけで方式を決めず、業務の安定性と将来の変更費用を含めて判断することが、無理のないシステム投資につながります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
