モノリシックのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

モノリシックのシステム開発は、要件整理から稼働後の定着まで、6つのフェーズを順に進めます。前の工程の成果物と判断基準をそろえてから次へ進むので、業務ルールを保ったまま効率よく構築できます。

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モノリシックのシステム開発の全体像

モノリシックの構成判断に使う変更頻度、障害許容度、利用規模、データ整合性、チーム体制の5軸を示す図。
業務と運用体制に照らして、5つの観点を並べて確認できます。

モノリシックのシステムは、顧客管理、受注、在庫といった業務機能を、一つのコードベースやプロセスで構築する方式です。請求と認証の機能も、同じ構成のなかに入ります。帳票やバッチも、その一部です。

機能どうしでデータベースやトランザクションを共有しやすく、業務ルールも一貫させやすいのが特徴です。一方で、機能を追加すると、その影響が全体に及びやすい構成でもあります。

「一つのシステム」と「一台のサーバー」の違い

モノリシックかどうかは、サーバーの数よりも、デプロイや変更の単位が一体かどうかで見ます。判断の際は、観点ごとに確認します。

  • サーバー構成:ロードバランサーの後ろに複数のアプリケーションサーバーを置く形もあり、一台とは限りません。
  • デプロイと変更:クラウド上のデータベースやバックアップを使っても、リリースの単位が一体ならモノリシックです。
  • 定義:複数の業務機能を、一つのコードベースで実行する構成を指します。

クラウドへ移しても、機能どうしの結合度は変わりません。そのため、顧客管理と受注のコードやデータアクセスがどこまで分かれているか、変更時に必要なテストの範囲、障害時に止まる業務を確認します。

IBM Thinkも、この構成をモノリシックとして説明しています(出典:IBM Think「モノリシック・アーキテクチャーとは」、2026年閲覧)。

採用可否を判断する5つの軸

構成は、技術の新しさだけで選ばず、業務と運用体制に照らして5つの軸で確認します。

  • 変更頻度:業務や画面が変わる頻度。
  • 障害許容度:許容できる停止時間の長さ。
  • 利用規模:利用者数と負荷の伸び。
  • データ整合性:一連の処理で整合性を保つ重要度。
  • チーム体制:開発・運用を担う人員。

変更が月に数回で、受注から請求までを同じトランザクションで処理する場合は、モノリシックやモジュラーモノリスが合理的です。

特定の機能だけが急増し、複数チームが毎日独立してリリースし、他の機能を止めずに障害対応したい場合は、APIやサービス単位の分離を検討します。

サービスを増やすと、監視、認証、ネットワーク、データ整合性、デプロイ管理の作業も増えます。そのため、小規模なチームで運用監視の担当者がいない場合は、先にモジュール整理や自動テストを行う方が改善につながりやすいです。

ポイント

構成を選ぶ前に、サーバーの台数よりも、デプロイや変更の単位が一体かどうかを見ます。そのうえで、変更頻度や障害許容度など5つの軸に照らして、業務に合うかを判断します。

モノリシックのシステム開発の進め方

要件整理、選定、設計・開発、テストの順に進むモノリシック開発の4フェーズを示す図。
境界や要件を早めに固める工程構成です。

開発は、要件整理から定着まで6つのフェーズで順に進みます。各フェーズには成果物と判断基準を置き、次の工程へ進む条件をあらかじめ合意しておきます。初期の業務整理や境界設計が不十分なまま実装に入ると、問題が総合テストや移行の段階に集中しやすくなります。

フェーズ1:要件整理で業務と現行資産の洗い出し

要件整理では、業務と現行資産の状態を、項目ごとに一覧にします。

  • 業務フロー:担当者、利用時期とデータ、承認、帳票、外部連携の流れ。
  • 現行資産:画面、夜間バッチ、CSV、権限、マスター、手作業の補正、障害時の代替手順。
  • 機能の扱い:現場への聞き取りをもとに分類した、「残す」「変える」「廃止する」の区分。
  • 要件と移行:非機能要件の数値化、連携の責任分界、移行条件。

使われていない機能をそのまま移すと、開発費もテストの範囲も膨らみます。

要件定義書には、利用者数、ピーク時の同時接続数、応答時間を数値で記載します。加えて、月間処理件数、許容停止時間、目標復旧時間、バックアップ保持期間も数値で書きます。

IPAの非機能要求グレードには、可用性、性能・拡張性、運用・保守性の項目があります。移行性やセキュリティも含めて、確認表に使えます(出典:IPA「非機能要求グレード」、2018年版)。

業務フローと画面一覧の件数が対応しているかを確かめます。あわせて、外部連携の送受信項目と責任分界を決めておきます。

データ移行では、対象期間と欠損データの扱いを決めておきます。現行コードを解析できない場合は、仕様を復元するための調査期間も計画に入れます。その際は、ログやSQLのほか、帳票や担当者の作業記録を手がかりにします。

フェーズ2:選定で構成と開発方式を比較

要件に合わせて、開発方式と構成を比べます。方式は大きく3つに分けられます。

  • 既製サービス:業務パッケージ、SaaS。
  • 一体型の開発:スクラッチ開発、クラウド上のモノリス。
  • 境界を意識した構成:モジュラーモノリス、段階的なリライト。

標準業務に合わせられるなら、SaaSやパッケージが候補になります。一方で、独自の承認や料金計算が競争力の核である場合は、標準に寄せると手作業が増えることがあります。

独自要件が少ないのに全面スクラッチを選ぶと、保守の負担が大きくなりがちです。

選定表では、初期費用と5年間の保守費を比べます。ユーザー追加、クラウド、ライセンスの費用も並べて比較します。データ移行、教育、契約終了時の引き継ぎ費も、同じ表に入れます。

変更頻度や障害の影響、連携の頻度が高い業務では、モジュール境界やAPIを設ける選択肢も検討します。一方で、会計処理や在庫引当のように、結合したままの方が安全な業務は一体で残せます。

ベンダーには、まず現行資産の解析と担当体制、同規模の移行実績を質問します。テスト計画、切り戻し、保守、成果物の引き渡し範囲についても聞きます。

要件定義から運用までの役割分担や、発注者が準備するデータと決裁者も、あわせて決めておきます。「一式で対応できます」という回答だけで決めず、中身を確かめることが大切です。

フェーズ3:設計・開発で境界と品質の土台づくり

設計・開発では、品質の土台となる要点を決めていきます。

  • 全体設計:業務機能、データモデル、権限、連携、バッチ、帳票、エラー処理、監視。
  • モジュール境界:顧客、受注、在庫、請求などに分け、呼び出しとデータアクセスの責任を決めます。
  • 品質確認:単体テストや回帰テスト、コードレビュー、静的解析を、開発の途中から行います。
  • 段階移行:一括で刷新する方法と、価値の高い業務から順に切り替える方法を比べます。

将来の分割候補を意識しておくと、機能追加によるコードの絡み合いを抑えられます。そのため、共通処理を利便性だけで一か所に集めないようにします。認証や監査ログは共通化する一方で、業務ルールは担当モジュールに閉じ込めます。

公開するインターフェースを明確にしておくと、機能を変えたときの全体への影響を早い段階で見つけられます。

段階移行の考え方の一つに、AWSのStrangler Figパターンがあります。プロキシやアダプターを使って旧システムと新機能を段階的に切り替え、停止のリスクを抑えるものです(出典:AWS Prescriptive Guidance「Strangler fig pattern」、2026年閲覧)。

段階移行中は、旧システムと新機能のデータ整合性や二重監視、切り戻しも設計します。モジュール境界を明確にしておけば、後から機能を追加する場合にも対応できます。

フェーズ4:テストで一体型ならではの影響範囲の検証

テストでは、一体型ならではの影響範囲を、観点ごとに確かめます。

  • 機能間:単体テストと結合テスト、受注から請求までの業務シナリオ。
  • 利用条件:権限ごとの操作と、外部連携の異常系。
  • 障害・移行:旧新経路での結果、再送時の二重登録、切り戻し後のデータ。

共有データベースやトランザクションは整合性を保ちやすい一方で、機能間に影響が広がります。単体テストだけで完了とせず、月末締めや大量CSVの取り込みを再現します。さらに、同時更新、通信断、重複送信の場面も再現します。

テストは項目数よりも、停止時の損失が大きい箇所を優先して進めます。対象には、主要業務の正常系と例外系が含まれます。権限は、管理者、一般利用者、拠点別の3つに分けて確かめます。ピーク時の応答時間と処理件数も、確認の対象です。

バックアップからの復旧、移行後の件数と金額の照合、障害時の切り戻しも確認対象です。加えて、脆弱性とログ監査も見ておきます。

旧機能と新機能が混在している間は、新旧どちらの利用経路でも結果が一致するかを確かめます。また、イベントやAPIの再送による二重登録や、ロールバック後のデータ欠損も確認します。

テストの確認を省くと、リリース直後ではなく、月次処理や締め処理の段階で障害が発覚します。

フェーズ5:稼働での移行と切り戻しの実施

稼働前に移行条件を決めておき、切り替え当日は、手順ごとに時刻を決めて進めます。

  1. 利用停止。
  2. 最終バックアップ。
  3. 差分データ移行。
  4. 整合性確認。
  5. 利用者テスト。
  6. 開始宣言。
  7. 監視強化。

移行の対象と変換ルール、担当者をあらかじめ決めておきます。さらに、実施時間や照合方法、承認者も決めます。

本番に入る前に、テスト環境と本番相当の環境でリハーサルし、所要時間とエラー件数を測ります。

顧客コードの統合や商品マスターの重複は、早期に見つけないと業務に大きく影響します。過去取引の欠損や、日付・金額の桁違いも、早い段階での発見が欠かせません。

切り戻しの条件は、数値で決めておきます。例として、決済失敗件数、応答時間、照合差分、復旧見込み時間などがあります。

旧システムは一定期間参照できるようにしておきます。そのうえで、問い合わせ窓口と責任者を明確にします。

フェーズ6:定着での運用と改善の仕組みづくり

稼働後は、利用者と管理者が使い続けられるよう、運用と改善の流れを整えます。

  • 利用・管理:操作研修と権限設定。
  • 日常運用:問い合わせ受付、障害時の連絡網、月次の手順。
  • 効果測定:ログイン率、処理時間、手戻り・問い合わせ・障害の件数、月次締め時間。
  • 改善管理:要望を緊急度と業務効果で並べ替え、モジュール単位でリリースします。

画面が動いたからといって、開発が完了したとは限りません。現場がExcelや手作業に戻る場合、原因は機能不足のほか、入力負担、承認ルール、教育、評価制度にあることもあります。

稼働後は、30日、60日、90日などの節目を設けて、利用状況と業務の変化を確かめます。

全体を毎回リリースするリスクを抑えるため、モジュール単位で設計・テスト・リリースできる運用へ近づけます。

ポイント

次の工程へ進むかは、前の工程の成果物と判断基準がそろったかで決めます。初期の業務整理や境界設計が甘いと、問題がテストや移行に集中するため、要件整理の段階で材料をそろえておきます。

モノリシックのシステム開発の費用相場と内訳

新規開発の小規模300万〜700万円、中規模700万〜1,500万円、大規模1,500万円以上の費用目安を比較する図。
対象範囲が広がるにつれて、費用の目安も上がります。

モノリシック固有の公的な平均費用は確認できません。そのため、この記事の金額は、2026年公開の業務システム相場に一体型のテストや移行工数を加えた記事上の目安として見てください。

金額は、利用者数や画面数、外部連携、データ量で変わります。さらに、可用性や既存資産の状態によっても変わります。この金額は予算を組むときの幅として使い、正式な見積もりは現行調査のあとに取ります。

新規開発の費用目安(300万〜1,500万円以上)

新規開発では、単一業務の基本機能から複数部署の業務統合まで、対象範囲によって費用が変わります。

  • 小規模:1業務の基本的な登録・検索・帳票で300万〜700万円。
  • 中規模:受発注・在庫・顧客管理に、APIやCSV連携を含み700万〜1,500万円。
  • 大規模:大量データ、ERP連携、監査ログ、高可用性を含み1,500万円以上。

公開されている相場では、単一業務のカスタムシステムが100万〜500万円、複数業務の基幹システムが1,000万〜3,000万円以上とされています(出典:Cataly Design「業務システム開発の費用相場」、2026年)。

対象範囲が異なるので、この数字をそのまま比べないでください。

期間の目安は、小規模で3〜4か月、中規模で5〜8か月、大規模で8〜12か月、または1〜2年以上です。ただし、要件定義を短くしても、テストや移行が短くなるとは限りません。

複数業務を一体で作ると、業務間の例外処理や権限確認が増えます。そのため、期間は画面数だけでなく、業務シナリオ数を基準に見積もります。

既存モノリスの刷新費用の幅(500万円〜数億円以上)

既存システムの刷新費は、現状を活かす移行か、構成を大きく変える再構築かで幅が出ます。

  • 小規模:クラウドリフトやモジュール整理は500万〜1,500万円程度。
  • 中規模:リライト、API化、データ移行、段階リリースを含み1,500万〜5,000万円程度。
  • 大規模:基幹再構築や段階的なマイクロサービス化は5,000万円〜数億円以上。

この幅は、全国統計ではなく公開相場をもとにした目安です。現行解析や並行稼働、移行リハーサル、回帰テストが加わるケースを想定しています。

マイクロサービス化では、サービス間通信、監視、デプロイ、データ整合性の管理が増えます。そのため、分割数に応じて安くなるとは限りません。変更頻度の低い機能まで分けると、運用費や障害対応費が増える可能性もあります。

比較するときは、初期費だけでなく総保有コストで判断します。総保有コストには、5年間の保守、クラウド、監視、ライセンス、教育、移行中の二重運用を含めます。

見積もりの内訳(工程・移行・保守)

見積もりは工程ごとに確認します。その際、リサーチで示された配分目安も参考になります。

  • 要件定義:10〜12%。
  • 設計・環境構築:22〜24%。
  • 開発:48〜50%。
  • テスト:15〜17%(出典:NotebookLM Q&A「業務システム全般_13」、2026年)。

見積もりは、要件定義、現行資産分析、基本・詳細設計、環境構築、実装の各工程に分けて確認します。

テストでは、単体・結合・総合テストに加え、性能・セキュリティ試験も確認します。さらに、データ移行、教育、リリース、安定化支援、保守の費用も見ておきます。

テスト費が極端に少ない場合は、影響範囲の評価が十分かを確かめてください。

運用費には、計算資源やデータベース、ストレージ、バックアップが含まれます。加えて、監視、ログ保管、ライセンス、脆弱性・法改正対応、問い合わせ対応も入ります。

保守費は、初期開発費の年15〜25%程度が目安です。ただし、夜間監視の有無、障害対応の時間帯、SLA、含まれる改修量によって変わります。月額保守と追加見積もりの範囲は、契約書に記載します。

ポイント

費用は、新規開発か既存システムの刷新かで幅が大きく変わります。比べるときは、初期費だけでなく5年間の総額で見ます。

モノリシックのシステムの見積もりを取る際のポイント

金額だけで比べると、要件定義や移行、テストが抜けた提案が安く見えることがあります。同じRFPで複数社から提案を受け、工程や成果物をそろえて比べます。

要件と前提のRFPへの落とし込み

RFPには、対象業務、利用者と拠点、画面・帳票・バッチを書きます。加えて、マスター、外部連携、現行データの件数と保持期間、希望稼働時期も記載します。移行、教育、保守、契約条件もRFPに含め、各社に同じ前提で提案を受けます。

非機能要件は、「速い」「止まらない」といった言葉ではなく、数値で書きます。

  • 性能:通常時・ピーク時の応答時間と同時利用者数。
  • 稼働・復旧:稼働時間と復旧時間。
  • 保全:バックアップ頻度とログ保持期間。

モノリス特有の前提として、機能を分ける単位と共有データの範囲、リリース単位を明記します。さらに、全体回帰テストの方法、止めたくない業務、将来API化したい領域も書いておきます。

刷新案件では、見積もりの精度が、現行資料をどこまで開示できるかで左右されます。対象には、現行ソースコードや設計書、SQL、ジョブ定義、監視設定、契約中のライセンスが含まれます。

複数社の工程・体制・成果物の比較

各社の提案では、工程や体制、成果物の観点で確認します。

  • 見積もり比較:同じRFPで少なくとも2〜3社から提案を受け、工程別の金額と工数を比べます。
  • 工程・体制:現行解析の人月、テストの種類と項目数、移行リハーサルの回数、担当者の稼働。
  • 作業と成果物:納品物と、低額提案に含まれない作業や発注者側の負担を表にまとめる。
  • 開発実績:Web制作だけでなく、現行資産の解析、業務システムの移行、API連携、性能試験、24時間運用、障害対応の経験。
  • 契約前の確認:提案・実装・保守の担当者、交代時の引き継ぎ、再委託先、ソースコード・IaC・設計書の帰属。

セキュリティ・移行・契約の抜け漏れ防止

見積もりや契約では、セキュリティと保護の要件を確かめます。

  • アクセス制御:最小権限、管理者権限の分離、多要素認証。
  • データ保護:通信・保存データの暗号化、監査ログの改ざん防止、依存ライブラリの脆弱性対応。
  • 個人情報:利用目的、委託先管理、保存・削除、漏えい時の報告手順。

モノリスでは、認証やデータベースへのアクセスが一つのアプリケーションに集まりやすいので、これらを要件に含めます。

個人情報を扱う場合は、個人情報保護法と関連ガイドラインに沿って確かめます(出典:e-Gov「個人情報の保護に関する法律」、2026年閲覧)。

契約では、仕様変更、検収、不具合対応、SLAを明記します。保守終了時の引き継ぎとOSSライセンスも、契約に入れます。引き渡し範囲には、ソースコード、設計書、テスト仕様、データ定義を含めます。

クラウド費やライセンス費の値上げ、法改正、OSやフレームワークのサポート終了について、誰が負担するかで将来の予算は変わります。

ポイント

価格の安さだけで選ぶと、要件定義や移行、テストを欠いた提案を採ってしまうことがあります。同じRFPで複数社から工程と成果物をそろえて提案を受け、契約前に担当体制や引き渡し範囲まで確かめます。

モノリシックのシステム開発でよくある質問

新規開発や既存システムの刷新でよく出る疑問を取り上げます。どの構成が優れているかよりも、業務の変更頻度やデータ整合性、障害許容度、チーム体制を前提に判断することが大切です。

モノリシックとマイクロサービスはどちらが良いですか?

どちらが常に優れているとは言えず、業務と組織に合う方を選ぶことになります。変更頻度が低く、データ整合性を一つのトランザクションで守りたい場合は、モノリシックが適しています。

特定の機能を独立して拡張・リリースしたい場合は、サービス分割が合う場面です。迷う場合は、モジュラーモノリスで境界を整理してから、効果の大きい機能を段階的に分ける方法が現実的です。

モノリシックのシステムはクラウドに移行できますか?

移行できます。構造を大きく変えずに移すクラウドリフトは、停止のリスクを抑えながら、バックアップや監視、冗長化を改善できる方法です。

コードの結合やリリースの課題は、クラウドへ置いた後も残ることがあります。移行後にモジュール整理や自動テスト、API化も計画に入れると、投資効果を判断しやすくなります。

小規模なモノリシックのシステムはいくらかかりますか?

基本的なCRUD、少数の帳票と権限、少ない外部連携の小規模案件では、初期開発費300万〜700万円程度が目安です。

現行データ移行、複雑な承認、個人情報、高い可用性、複数拠点の運用が加わると増額します。そのため、クラウド、ライセンス、保守、教育、追加改修を含む5年間の総額で比べます。

既存モノリスを一気に作り直すべきですか?

全面刷新を決める前に、現行システムの業務価値とリスクを診断してください。安定したコア業務はそのまま残し、変更の多い画面や外部連携から段階的に移行すると、停止や移行のリスクを抑えられることがあります。

全面再構築でも、現行資産の解析や移行リハーサル、並行稼働、切り戻し条件は、先に計画しておきます。こうしておかないと、単なる画面の作り直しになりかねません。

ポイント

モノリシックが合うかは、変更頻度とデータ整合性の守り方で決まります。特定機能を独立してリリースしたい場合は、分割を検討します。

まとめ

モノリシックのシステムは、業務機能を一体で扱うため、業務ルールとデータ整合性を保ちやすい構成です。適切な範囲であれば、開発と運用をシンプルに進められます。

構成は、変更頻度、障害許容度、データ整合性、規模、チーム体制から決めます。モノリスを無条件に選ぶことも、マイクロサービスへ急いで分割することも避けます。

6フェーズでの判断と成果物の確認

要件整理で業務と現行資産を洗い出したうえで、選定ではスクラッチやSaaS、パッケージ、クラウド、モジュラーモノリスを比べます。設計・開発では、境界と品質の土台を作ります。

続くテストでは、一体型の影響範囲を検証します。稼働時には移行と切り戻しを行い、定着の段階では教育、運用、改善を仕組みにします。成果物、責任者、完了条件を合意しておくことが、後戻りや予算超過を防ぎます。

最初の一歩は現行業務とデータの洗い出し

発注前に、業務フロー、利用者、画面、帳票、バッチを一覧にします。外部連携、データ件数、許容停止時間も、同じ一覧に加えます。そのうえで、残す・分ける・捨てるを決めます。

非機能要件と移行・保守の条件をRFPにまとめ、工程と成果物が分かれた見積もりを複数社から取ります。現行システムの価値を残し、将来の変更に耐える境界を作ることが、成功への近道です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。