自治体向け子育て支援システムの開発費は、対象業務、移行するデータの量、連携する範囲によって、500万〜3,000万円程度まで変わります。
金額の根拠は、費用の内訳、開発期間、見積もりの比べ方を見ると分かります。全体像は完全ガイドにまとめています。
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自治体向け子育て支援システムの対象範囲の分け方
自治体向け子育て支援システムという呼び方には、複数の業務レイヤーが含まれます。
見積もり前に対象範囲を分けないと、基幹とアプリの費用が混ざり、同じ金額でも比べられなくなります。そのため、レイヤーごとに対象範囲を分けて確認します。
基幹業務レイヤーが扱う認定・利用調整・給付
基幹業務の見積もりでは、処理する業務と連携情報を分けて確認します。
- 台帳と認定:子ども・保護者・世帯を管理し、教育・保育給付を認定します。
- 利用・給付:利用調整、保育料、利用者負担額、施設等利用給付を扱います。
- 管理・連携:給付費や徴収、還付、帳票、統計、監査ログに加え、住民記録・税・児童手当・福祉との接続も含みます。
- 連携情報:世帯、児童、所得、住所、きょうだい、在籍情報を対象にします。
初期費用は、標準準拠パッケージで導入するか、現行ベンダーのシステムを標準仕様に合わせて移行するかで変わります。
また、自治体独自の利用調整基準や減免、広域入所を残すと、追加開発や受入試験の工数が発生します。きょうだい同園や独自帳票を残す場合も、追加の工数が見込まれます。
住民向けレイヤーが支える検索・申請・状況照会
住民向けレイヤーは、情報提供から申請後の確認までを担います。主な機能は、見積もりの範囲に合わせて決めます。
- 情報提供:制度検索、保育所の空き情報、健診・予防接種のお知らせ、相談窓口案内。
- 申請・予約:プッシュ通知、電子申請、見学予約を扱います。
- 状況確認:申請状況の照会や差し戻し・追加書類の通知に対応します。
制度情報を自治体が一度登録し、複数のWebサイトやアプリへ配信すれば、重複入力を抑えられます。住民向けアプリを導入しても、認定・審査・給付が紙やExcelのままでは、職員の二重入力が残ります。
発注側は、画面の見た目だけでなく、申請データを基幹業務へどの形式で渡すかも決めておきます。さらに、差し戻しや追加書類の通知方法と、決定情報の保存先を費用と要件に含めます。
施設・相談支援レイヤーが扱う現場の記録と連携
施設・相談支援レイヤーは、現場の記録と組織間の連携を扱います。業務ごとに対象を分けて確認します。
- 相談支援:相談受付、アセスメント、サポートプラン、ケース記録、関係機関連携。
- 施設業務:保育施設への給付・監査・実績報告を扱います。
- 地域施設:放課後児童クラブや地域子育て支援拠点の利用・料金を管理します。
相談情報は機微性が高いため、担当課や職種ごとに権限を設計し、閲覧履歴と印刷・出力も厳密に制御します。
2026年、こども家庭庁は自治体業務と保育施設業務を標準化・電子化する「保育業務施設管理プラットフォーム」を整備しています。そのため、自前で作る前に国の基盤との重複を確認し、独自の相談支援や分析に投資を集中すると、過剰開発を避けられます(出典:こども家庭庁「保育業務施設管理プラットフォーム」に関する情報、2026年)。
自治体向け子育て支援システムの費用相場の目安

標準準拠パッケージの設定・小規模移行は500万〜1,500万円が目安です。
中規模自治体の基幹刷新は1,000万〜3,000万円程度、住民向けポータルやアプリの新規開発は500万〜2,000万円程度です。
この推定レンジは、公開契約額と業務システム開発の工数に基づきます。いずれも全国統一の公定価格ではありません。
金額は、人口や施設数、連携数によって変わり、移行量や個別仕様でも動きます。
小規模の設定・移行の目安額(500万〜1,500万円)
小規模導入の費用は、標準準拠パッケージと限定的なデータ移行を前提にします。
- 導入範囲:住民記録や税と必要な連携を対象とします。
- 作業内容:要件確認、設定、連携定義、帳票確認、データ抽出・変換を含みます。
- 稼働準備:テスト、研修、稼働支援まで行います。
施設数や独自の選考ルール、帳票が少ないほど、金額は下限に近づきます。
東京都北区の標準化に関わるシステム移行業務は1,427万8,000円でした。この金額は北区の対象範囲と契約条件に基づく個別例で、市区町村全体の平均ではありません。
標準化移行には現行調査、データ移行、検証、関係者調整も含まれます(出典:東京都北区「業者指定理由書」、2025年)。そのため、数百万円だけで終わると見込まないための材料になります。
中規模の基幹刷新の目安額(1,000万〜3,000万円)
中規模の基幹刷新では、業務統合と、移行・稼働準備の範囲が費用を左右します。
- 業務連携:子育て業務を統合し、住基・税・児童手当・福祉と接続します。
- 移行・稼働:数年分の移行、独自帳票、施設手続き、研修、年度切替、並行稼働を含みます。
- 追加要件:独自の利用調整や減免が多い場合、または相談・ケース管理を対象に含める場合は、3,000万円を超えることもあります。
習志野市では、2025年のデータ抽出プログラム作成業務が税込1,669万5,250円で契約されました。
同市の一覧には、標準準拠システム導入委託の4,478万1,000円も掲載されています。
これらは、人口やデータ品質、移行方式が異なる個別契約です(出典:習志野市「令和7年度契約状況一覧(業務委託)」、2025年)。そのため、全国相場を示す金額ではありません。データ抽出だけでも高額になることがあり、導入本体はさらに大きくなる場合があります。
住民向けポータル・アプリの目安額(500万〜2,000万円)
住民向けの開発費は、提供する機能の幅と、既存サービスをどこまで使うかで変わります。
- 基本機能:制度検索、年齢別案内、通知、アカウント、電子申請、状況照会。
- 画面対応:管理画面とアクセシビリティ対応も対象です。
- 既存活用:電子申請サービスや制度情報レジストリを使い、独自開発を抑えられます。
- 追加機能:基幹とのリアルタイム連携、本人確認、添付、決済、予約、多言語対応があると、上限を超える要因になります。
制度情報を一度登録して複数チャネルへ提供する考え方は、デジタル庁の子育て支援制度レジストリと整合します。
接続する場合は、API利用料、データ項目の変換、認証、運用作業も見積もります(出典:デジタル庁「子育て支援制度レジストリ」、2025年以降の公開情報)。
自治体向け子育て支援システムの費用内訳

見積書は「システム一式」でまとめず、工程別に確認します。対象工程は、企画・要件定義、設計・設定、開発・連携です。さらに、移行、テスト、研修・稼働支援も工程に含まれます。
工程とは別に、クラウドや機器、保守、制度改正対応も分けて見ます。
NotebookLMの調査ノートでは、要件定義10〜15%、設計15〜20%が目安です。
同ノートの工程比率は、開発30〜40%、テスト15〜20%、移行5〜10%です。ただし、比率は案件ごとに変わります。
業務範囲とFit & Gapを固める企画・要件定義費
要件定義では、現行業務と標準機能、外部連携を一緒に整理します。
- 現状把握:紙、Excel、メール、電話、個別ツールを洗い出します。
- 業務整理:申請・審査・認定、施設利用、給付・徴収、通知・監査の流れを整理します。
- 機能区分:標準仕様の必須機能、標準オプション、自治体独自機能を分けます。
- 連携設計:住基・税・児童手当・福祉・電子申請のデータ項目と責任分界を決めます。
要件定義を短くすると、後工程で現行帳票や例外的な減免に対応できない問題が起きます。また、年度更新の担当者が未定のままになることもあります。
RFPには、例外処理や締め処理、年度切替を記載します。通知やデータ保持も書き込み、そのうえで、障害時の代替運用も含めて必要な工数を確保します。
機能と外部接続の数で増減する設定・開発・連携費
設定・開発・連携費は、自治体独自の設定や外部接続の範囲を見て見積もります。
- 個別設定:パラメータ、帳票位置、利用調整、施設区分、加算・減免、通知文や承認経路。
- 追加開発:画面やAPI、バッチ、帳票、エラー処理や権限、ログ、テストケースが増えます。
- 連携条件:本数、正本、更新頻度、差分・全件連携、再送、個人情報の扱いを決めます。
- 反映対象:所得変更、転居、出生、転園、世帯分離、支援措置なども扱います。
機能単価で判断する前に、安全な反映に必要な連携仕様と試験データを見積もりに含めます。
削ると本番障害を招くデータ移行・テスト費
移行と試験では、データの変換・照合と業務上の例外を確認します。
- 移行処理:抽出、項目マッピング、名寄せ、コード変換、欠損・重複確認を行います。
- 移行検証:マスキング、変換プログラム、リハーサル、本番移行後の照合を含めます。
- 保持範囲:過去5年分など、認定・給付履歴の期間と検索・帳票・監査に必要な項目を決めます。
- 業務テスト:きょうだい同園、転園、広域入所、所得変更、減免、差し戻しを試します。
- 追加確認:支援措置対象者、年度切替、給付額改定も対象にします。
習志野市の契約状況一覧(出典:習志野市「令和7年度契約状況一覧(業務委託)」、2025年)には、データ抽出プログラム作成業務の契約実績として1,669万5,250円が記録されています。そのため、移行費を小さく見積もらないための参考になります。
運用期間全体で見るクラウド・保守・制度改正対応費
運用費では、継続費と制度改正時の費用を分けて確認します。特に、制度改正対応は別費用になる場合もあります。
- 継続費:クラウドやネットワーク、バックアップや監視、ヘルプデスク、アカウント管理、脆弱性・障害対応、機器・ライセンス更新がかかります。
- 保守料:調査ノートの目安は初期開発費の15〜20%程度です。
- 課金方式:SaaSは月額、利用者数、施設数、データ容量などで異なります。
札幌市では、子ども・子育て支援新制度システムの給付費支弁台帳に関する制度改正対応業務が、2026年に277万6,400円で契約されました。東京都北区の別案件では、第一子保育料無償化に伴うマスタ更新が63万9,100円でした。そのため、初期構築費に制度改正が含まれるか、別費用なら算定方法と上限を契約前に確認します。
出典:札幌市「子ども未来局子育て支援部指名競争入札及び随意契約の結果」(2026年)、東京都北区「令和7年度随意契約一覧」(2025年)。
自治体向け子育て支援システムの開発期間と進め方
標準準拠パッケージの設定・小規模移行は4〜9か月が目安です。中規模の基幹刷新は9〜18か月程度です。
住民向けポータルやアプリは4〜10か月です。ただし、基幹から住民アプリまでをフルスクラッチで一体開発すると、18〜30か月以上かかる可能性があります。
年度切替に合わせる場合は、契約日から稼働日までだけで計算せず、移行リハーサルと職員研修を含めて逆算します。
現状調査と、標準仕様とのFit & Gapの先行実施
現状調査では、業務・標準仕様・調達条件を同じ前提で整理します。
- ヒアリング:業務主管課、情報政策課、調達担当、現場職員から聞き、業務フローとデータの正本を整理します。
- Fit & Gap:標準仕様書第2.0版と現行業務を照合し、機能・帳票・印字項目・レイアウトを確認します。
- RFP区分:必須、標準オプション、自治体独自、将来検討を分けます。
- 回答条件:移行やAPI、帳票、試験や研修、保守、制度改正、データ返却を揃えます。
こども家庭庁の標準仕様書では、第2.0版が2026年1月30日に公開され、機能要件などの資料は同年2月19日に更新されています(出典:こども家庭庁「標準仕様書(子ども・子育て支援)」、2026年)。
標準対応と独自拡張を混ぜると、提案会社ごとに「含む」の意味が変わります。そこで、条件を揃えて提案を依頼すると、価格と提案内容を比べられます。
標準パッケージの設定と、必要な部分だけの拡張
構成を決める際は、標準機能、独自機能、運用条件を合わせて比べます。
- 標準機能:認定、利用調整、給付、帳票、制度改正対応に標準パッケージを優先します。
- 独自機能:住民ポータル、独自施策、相談支援、分析をAPIや追加開発で補います。
- 提供方式:クラウドやLGWAN-ASP、自庁導入を比べ、サーバーや通信、バックアップや監視、復旧や更新、職員工数を含めます。
- 責任分界:国の基盤との接続時は自治体と提供者の責任、障害時の連絡経路をRFP・契約書に記載します。
全機能をスクラッチで作ると、制度改正のたびに設計・開発・試験が必要になります。さらに、長期の保守費とベンダーロックインのリスクも高まります。
移行・受入試験・研修・年度切替の一体準備
稼働準備では、移行検証から問い合わせ体制まで順に整えます。
- 匿名化した実データで複数回リハーサルし、件数、金額、認定状態、施設情報、帳票を現行と照合します。
- 業務主管課が、申請から通知までの受入試験を開発会社任せにせず行い、合否基準を記録します。
- 管理者、担当者、施設、問い合わせ窓口ごとに研修し、年度更新・制度改正の手順も扱います。
- 問い合わせ台帳、優先度、代替手順、復旧目標を定め、稼働直後の対応に備えます。
問い合わせへの事前の備えは、緊急対応費や業務停止リスクの抑制につながります。
自治体向け子育て支援システムの費用変動要因

費用は、人口規模に加えて、対象業務や施設数、既存ベンダーを見て決まります。さらに、標準仕様との差分も確認します。
データ品質や連携先、セキュリティに加え、導入時期や運用体制も費用に影響します。そのため、要因を数量や条件に置き換えて、RFPに記載します。
処理量と利用者数に関わる人口・施設数・業務範囲
人口規模や提供方式、対象業務を数量と範囲に分けると、費用の要因を把握できます。
- 処理量:対象児童数、世帯数、年間申請件数、保育所・認定こども園・幼稚園などの施設数を整理します。
- 利用者数:施設アカウント数と職員数を見積もります。SaaSでは施設数や人数が月額料金に影響することがあります。
- 運用基盤:オンプレミス・自庁導入ではサーバー容量、バックアップ、端末、運用工数に影響します。
- 業務範囲:基幹、施設給付・監査、相談・ケース管理を分け、国の基盤との重複を確認します。
国の基盤が扱う給付・監査と、自治体独自の子育て相談を分けておくと、重複調達を避けられます。
移行費を左右する既存データの量と品質
移行費を見積もる際は、データの品質や保護方法、移行後の参照方法を決めておきます。
- 品質確認:世帯重複、旧住所、表記ゆれ、未使用コード、所得情報の欠損を調べます。
- 安全管理:検証環境への持ち込み、マスキング、権限、作業記録、廃棄方法を定めます。
- 移行範囲:全件、直近年度のみ、参照用別保管を比べ、監査・問い合わせの参照方法を決めます。
給付の再確認や情報公開に必要なデータも検討します。ただし、移行しない場合でも、参照する手段がなければ稼働後に追加開発が発生します。
セキュリティ費を変える個人情報・権限・監査要件
個人情報の種類に応じて、アクセス制御や認証、監査、復旧の要件を設計します。
- 対象情報:子ども・保護者・世帯、所得、相談記録、支援措置対象者を扱います。
- アクセス管理:職員・課・職種ごとの最小権限、認証強度、多要素認証を定めます。
- 保護・監査:暗号化、操作・閲覧・出力ログ、バックアップ、災害復旧、脆弱性対応を含めます。
相談情報のように担当者を限定するデータは、同じ台帳でも画面や帳票のアクセス範囲を分けます。また、後から要件を追加すると、認証基盤やネットワーク、ログ保存に加え、監査レポートの設計変更が生じます。
個人情報保護委員会の行政機関等向けガイドラインや特定個人情報のガイドラインを確認します。具体的な出典は、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)」等です。
再委託、事故報告、データ返却・消去も契約に反映します。
自治体向け子育て支援システムのコストの抑え方
コストを抑えるといっても、機能を一律に削るわけではありません。制度改正や本番障害につながる要件は残します。そのうえで、標準機能や国の基盤を活用します。
独自開発と運用方法は、保守や改修、職員の作業時間、ベンダー変更時の移行費まで含めて比べます。
標準仕様と既存サービスを先に使う独自開発の絞り込み
独自開発を絞る際は、標準機能と国の基盤で担える範囲を確認します。
- 標準機能:認定、利用調整、給付、帳票、共通台帳を活用します。
- 国の基盤:施設給付・監査や保活情報連携の対象範囲を確認し、自庁の担当範囲を絞ります。
- 独自機能:理由が明確なものに限り、将来標準化できる機能は保留します。
住民向け制度情報は、独自アプリに閉じ込めず、制度情報レジストリや既存の電子申請基盤との接続を検討します。接続すると、利用料やAPI変更、認証、運用責任も発生します。そのため、無料と決めつけず、5年間の利用料と担当者の作業を含めて比べます。
基幹・住民・相談の段階導入と効果確認
導入効果とデータの一貫性を保つため、段階ごとに進め方を決めます。
- 基幹の標準化とデータ連携を整えます。
- 住民向け申請・状況照会を導入し、共通ID、API、権限、データモデルで二重台帳を防ぎます。
- 相談支援や分析を追加し、各段階の効果測定に進みます。
- 問い合わせ件数、審査時間、二重入力、帳票作成時間、オンライン申請率を測ります。
- 施設の差し戻し、制度情報の到達率、重大インシデントも測定します。
効果が確認できない機能を追加し続けず、KPIを次の投資判断に使えば、予算の説明にもつながります。
初期費用を含む3〜5年のTCO比較
初期費用だけでなく、3〜5年の総額と契約終了後のデータ返却・移行可能性まで比較します。
- 導入費:ライセンス、設定、開発、移行、研修を含めます。
- 利用費:月額・年額料、クラウド、通信、バックアップを含めます。
- 継続・終了費:保守、制度改正、施設・アカウント追加、職員工数、データ返却費。
- 比較条件:年数、対象業務、データ量、施設数、サポート時間や障害対応、更新・制度改正の扱い。
- 将来性:標準仕様への追随、データ出力、API公開、担当者の継続性、変更時の移行可能性。
初期費用が低くても、利用者課金や改修単価が高ければ、数年後に総額が逆転する可能性があります。
自治体向け子育て支援システムの見積もりの取り方
依頼時は、自治体名や対象業務、人口を伝えます。対象児童数や施設数、年間申請件数も示します。既存システムや移行対象年数も添えます。
稼働希望日や標準仕様との差分、必要な帳票を示します。連携先や研修対象者も提示します。前提が揃わないと、会社間の比較ができません。
情報が足りないまま安い提案を選ぶと、後から追加費用が発生することがあります。
同じ資料での要件と前提条件の提示
各社の見積もりを揃えるため、RFPに業務要件と前提条件を整理します。
- 業務・データ:対象範囲、利用者区分、業務フロー、画面・帳票一覧、データ項目、連携方式。
- 運用・安全:認証、ログ、バックアップ、障害時の継続、導入教育、保守窓口。
- 標準・独自要件:第2.0版への適合範囲、標準オプション、独自要件の実現方法を回答対象にします。
- 未確定事項:調査範囲と契約後の協議範囲を分け、仮定条件を明記します。
仮定条件を明記した提案は、金額が高く見えても、後から予算が膨らみにくい傾向があります。
複数社の価格と対応範囲の比較
価格だけでなく、対象レイヤーに必要な導入実績と運用条件を比較します。
- 提供方式:標準準拠パッケージ、クラウド・LGWAN-ASP、自庁導入を確認します。
- 連携実績:移行の経験や、住基・税・児童手当・福祉との接続も比べます。
- 業務実績:基幹、施設給付、児童手当、周辺業務、相談支援、住民フロントを確認します。
- 提案条件:標準との差、独自帳票、年度更新、制度改正料、データ返却、障害時対応を質問します。
- 体制・類似性:担当体制、再委託先、認証、サポート時間、類似自治体の規模を確かめます。
発注側は、基幹や施設給付連携、児童手当や周辺業務など、対象レイヤーに強い会社を候補に挙げます。
追加費用と契約終了時の条件
追加料金の条件と契約終了時のデータ取扱いを、事前に明確にします。
- 追加費用:利用者・施設増、制度改正、帳票・API仕様変更、再移行、時間外や現地支援、追加研修。
- 契約管理:作業単価、変更手順、承認者、納期影響、瑕疵対応、サービス水準や障害報告。
- 委託・情報:再委託、秘密保持、個人情報の扱いを契約で定めます。
- 終了時:標準形式、CSV、API、返却期限・費用、削除証明を定めます。
特定の会社だけが扱える形式で保存すると、将来の変更が難しくなります。そのため、データ返却の期限と費用、削除証明も確認し、契約終了後も業務を続けられる状態を確保します。
よくある質問
見積もりで質問が多いのは、初期費用や移行費、保守費、制度改正対応費の境界です。予算化やRFP作成の前に確認したい疑問に答えます。
自治体向け子育て支援システムの費用は一律で決まっていますか?
一律の定価はありません。
- 標準準拠パッケージ:設定・小規模移行は500万〜1,500万円です。
- 基幹刷新:中規模自治体では1,000万〜3,000万円が推定レンジです。
- 住民向け機能:ポータルやアプリは500万〜2,000万円程度です。
金額は、対象業務や人口、施設数によって変わり、連携や移行量、独自要件でも動きます。
パッケージとフルスクラッチはどちらが安いですか?
標準準拠パッケージを基礎に必要な部分だけ拡張すると、初期費用と制度改正対応を抑えやすくなります。
一方で、独自業務や既存連携が多いと、設定・開発・移行費が増えます。そのうえで、3〜5年TCO、データ返却、ベンダー変更のしやすさも比べます。
年間保守費は初期費用の何割を見込めばよいですか?
調査ノートの一般的な目安は、年間保守費が初期開発費の15〜20%程度です。
SaaSの月額利用料やクラウド、ネットワークは、別契約になる場合があります。監視やヘルプデスク、制度改正、現地支援も、別契約になることがあります。そのため、固定費と従量費、改修費を分けて確認します。
データ移行費を抑えるために何を準備すればよいですか?
現行データは、項目や件数、コード表を早めに整理します。年度区分や重複・欠損、保持する過去期間の整理も、移行費の見積もりに関わります。
全件移行はせず、稼働に必要な情報と参照用データを分けます。そのうえで、匿名化データで抽出・変換・照合を試すと、見積もりの精度を高められます。
まとめ
費用の目安は、標準準拠パッケージの設定・小規模移行が500万〜1,500万円です。中規模の基幹刷新は1,000万〜3,000万円、住民ポータル・アプリは500万〜2,000万円です。
公開契約額では、東京都北区の標準化移行が1,427万8,000円、習志野市のデータ抽出が1,669万5,250円でした。札幌市の制度改正対応は277万6,400円です。いずれも個別実績で、全国相場ではありません。
予算化での初期費用・移行・保守・制度改正の分け方
見積書は、要件定義、設定・開発、連携の工程に分けます。移行、テスト、研修も、それぞれ別の工程として見積もります。さらに、クラウドや機器、年間保守、制度改正、データ返却も確認します。
対象業務は、基幹、住民フロント、施設・相談の3層で整理します。そのうえで、標準仕様や国の基盤と重なる機能を切り分けると、必要な投資が見えてきます。
3〜5年TCOと業務効果を並べた発注判断
発注判断では、導入時の費用だけでなく、運用や導入後の効果も確認します。
- 費用と移行:3〜5年の総額、制度改正への追随、データ移行の安全性を比べます。
- 運用と将来性:住民・施設・職員の負担、セキュリティ、将来のベンダー変更可能性を評価します。
- 業務効果:窓口・電話件数、審査時間、二重入力、オンライン申請率などをKPIに定めます。
導入後の効果検証まで計画し、自治体に合うシステムを選びます。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
