自治体向け子育て支援システムの費用相場は、標準準拠パッケージの設定・小規模移行で500万〜1,500万円、中規模自治体の基幹刷新で1,000万〜3,000万円、住民向けポータルやアプリで500万〜2,000万円程度が目安です。対象業務、人口、施設数、既存システムとの連携、データ移行量、標準化対応の範囲によって大きく変わるため、金額だけでなく作業範囲と3〜5年の総保有コストで判断する必要があります。
子ども・子育て支援業務は、認定や利用調整、保育料・給付、施設管理、相談記録、住民への情報提供などがつながって成立します。本記事では、2026年時点の標準仕様と公開契約額を踏まえ、自治体向け子育て支援システムの費用内訳、価格帯、開発期間、金額が変動する要因、見積もりの比較方法、コストを抑えるポイントを実務向けに整理します。
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・自治体向け子育て支援システム開発の完全ガイド
自治体向け子育て支援システムの費用を考える前に、対象範囲を分けます

自治体向け子育て支援システムという呼び方には、実際には複数の業務レイヤーが含まれます。見積もりの前に対象範囲を分けないと、基幹システムの費用とアプリの費用が混ざり、同じ金額でも比較できなくなります。
基幹業務レイヤーは認定・利用調整・給付を処理します
基幹業務レイヤーは、子ども・保護者・世帯の台帳を中心に、教育・保育給付認定、保育所などの利用調整、保育料や利用者負担額、施設等利用給付、給付費、徴収、還付、帳票、統計、監査ログを処理します。住民記録、税、児童手当、福祉などの既存システムと、世帯、児童、所得、住所、きょうだい、在籍情報を連携することも重要です。
このレイヤーを標準準拠パッケージで導入するのか、現行ベンダーのシステムを標準仕様に合わせて移行するのかで、初期費用が変わります。特に自治体独自の利用調整基準、減免、広域入所、きょうだい同園、独自帳票を残す場合は、標準機能の設定だけでなく追加開発や受入試験の工数が発生します。
住民向けレイヤーは検索・申請・状況照会を支えます
住民向けレイヤーは、制度検索、保育所の空き情報、プッシュ通知、電子申請、申請状況の照会、見学予約、健診や予防接種のお知らせ、相談窓口の案内などを提供します。自治体が制度情報を登録し、複数のWebサイトやアプリへ配信する設計にすると、同じ情報を担当者が何度も入力する負担を抑えられます。
ただし、住民向けアプリを導入しても、裏側の認定・審査・給付が紙やExcelのままでは、職員の二重入力が残ります。画面の見た目だけでなく、申請データを基幹業務へどの形式で渡し、差し戻しや追加書類をどう通知し、最終的な決定情報をどのシステムに保存するかまで費用と要件に含めます。
施設・相談支援レイヤーは現場の記録と連携を扱います
こども家庭センターの相談受付、アセスメント、サポートプラン、ケース記録、関係機関との連携、保育施設への給付・監査・実績報告、放課後児童クラブや地域子育て支援拠点の利用・料金管理は、施設・相談支援レイヤーに含まれます。相談情報は機微性が高く、担当課や職種ごとの権限、閲覧履歴、印刷・出力の制御を厳密に設計する必要があります。
2026年には、こども家庭庁が給付・監査などの自治体業務と保育施設業務を標準化・電子化する「保育業務施設管理プラットフォーム」を整備しています。対象業務を自前で作る前に国の基盤と重なる範囲を確認し、自治体独自の相談支援や分析などに投資を集中させることが、過剰開発を避けるポイントです(出典:こども家庭庁「保育業務施設管理プラットフォーム」に関する情報、2026年)。
自治体向け子育て支援システムの費用相場はいくらですか?

結論として、標準準拠パッケージの設定・小規模移行は500万〜1,500万円、中規模自治体の基幹システム刷新は1,000万〜3,000万円、住民向けポータルやアプリの新規開発は500万〜2,000万円が一つの目安です。これらは全国統一の公定価格ではなく、公開契約額と業務システム開発の工数をもとに整理した推定レンジです。人口、施設数、連携数、移行量、個別仕様の多さによって、同じ分類でも金額は変わります。
小規模の設定・移行は500万〜1,500万円が目安です
対象業務を標準準拠パッケージで導入し、既存の住民記録や税システムと必要な連携を行い、過去データを限定的に移行するケースでは、500万〜1,500万円程度を目安にします。含まれる作業は、要件確認、パラメータ設定、連携定義、帳票確認、データ抽出・変換、テスト、操作研修、稼働支援などです。施設数が少なく、自治体独自の選考ルールや帳票が少ないほど下限に近づきます。
東京都北区が公表した子ども・子育て支援システムの標準化に関わるシステム移行業務は、契約金額が1,427万8,000円でした。この金額は北区の対象範囲と契約条件に基づく一例であり、市区町村全体の平均ではありません。ただし、標準化移行は単なるソフトウェア設定ではなく、現行調査、データ移行、検証、関係者調整まで含むため、数百万円だけで完了すると想定しないための材料になります(出典:東京都北区「業者指定理由書」、2025年)。
中規模の基幹刷新は1,000万〜3,000万円が中心です
複数の子育て関連業務を一体化し、住基・税・児童手当・福祉との連携、数年分のデータ移行、独自帳票、施設向け手続き、職員研修、年度切替、並行稼働まで含めると、1,000万〜3,000万円程度を想定します。自治体独自の利用調整や減免が多い場合、こども家庭センターの相談・ケース管理まで対象にする場合は、3,000万円を超えることもあります。
習志野市では、2025年の子ども・子育て支援システムのデータ抽出プログラム作成業務が税込1,669万5,250円で契約されています。また、同じ契約状況一覧には標準準拠システム導入委託が4,478万1,000円で掲載されています。データ抽出だけでも高額になり得ること、導入本体はさらに大きくなり得ることを示す個別例ですが、人口やデータ品質、移行方式が異なるため、そのまま相場と断定してはいけません(出典:習志野市「令和7年度契約状況一覧(業務委託)」、2025年)。
住民向けポータル・アプリは500万〜2,000万円が目安です
制度検索、子どもの年齢に応じた案内、プッシュ通知、アカウント管理、電子申請、申請状況照会、管理画面、アクセシビリティ対応を新規に開発する場合は、500万〜2,000万円程度を目安にします。既存の電子申請サービスや制度情報レジストリを活用できれば、独自にすべてを作るより抑えやすくなります。一方で、基幹システムとのリアルタイム連携、本人確認、添付書類、決済、予約、複数言語対応まで追加すると上限を超えやすくなります。
制度情報を一度登録して複数のチャネルへ提供する考え方は、デジタル庁の子育て支援制度レジストリとも整合します。既存の仕組みと接続する場合は、API利用料、データ項目の変換、認証、運用担当の作業を別に見積もる必要があります(出典:デジタル庁「子育て支援制度レジストリ」、2025年以降の公開情報)。
自治体向け子育て支援システムの費用内訳は何ですか?

見積書は「システム一式」ではなく、企画・要件定義、設計・設定、開発・連携、データ移行、テスト、研修・稼働支援、クラウドや機器、保守・制度改正対応に分けて確認します。工程ごとの比率は案件で変わりますが、NotebookLMの調査ノートで整理した目安では、要件定義10〜15%、設計15〜20%、開発30〜40%、テスト15〜20%、移行5〜10%です。
企画・要件定義費は業務範囲とFit & Gapを固める費用です
企画・要件定義では、現行の紙、Excel、メール、電話、個別ツールを棚卸しし、申請、審査、認定、施設利用、給付・徴収、通知、監査の業務フローを整理します。標準仕様書の必須機能、標準オプション、自治体独自機能を区分し、住基・税・児童手当・福祉・電子申請とのデータ項目や責任分界を決めます。
ここを短縮すると、後工程で「現行帳票が再現できない」「例外的な減免を処理できない」「年度更新の担当者が決まっていない」といった追加要望が発生します。RFPには画面一覧だけでなく、例外処理、締め処理、年度切替、通知、データ保持、障害時の代替運用まで記載し、要件定義の工数を適切に確保します。
設定・開発・連携費は機能と外部接続の数で増減します
標準パッケージを採用しても、自治体ごとのパラメータ設定、帳票の印字位置、利用調整ルール、施設区分、加算・減免、通知文、承認経路には設定作業が必要です。標準機能で足りない部分を追加開発する場合は、画面、API、バッチ、帳票、エラー処理、権限、ログ、テストケースが一緒に増えるため、機能単価だけで判断しません。
連携では、インターフェースの本数だけでなく、データの正本、更新頻度、差分連携か全件連携か、エラー時の再送、個人情報の扱いを確認します。住基から基本情報を取り込むだけでなく、所得変更、転居、出生、転園、世帯分離、支援措置などのイベントを安全に反映する必要があるため、連携仕様と試験データを見積もりに含めます。
データ移行・テスト費は削ると本番障害につながります
移行費には、対象データの抽出、項目マッピング、名寄せ、コード変換、欠損・重複の確認、マスキング、変換プログラム、移行リハーサル、本番移行、移行後の照合が含まれます。過去の認定履歴や給付履歴をどこまで保持するかでデータ量と検証範囲が変わるため、「過去5年分」など期間だけでなく、検索・帳票・監査に必要な項目を定義します。
テストでは、正常系だけでなく、きょうだい同園、転園、広域入所、所得変更、減免、差し戻し、支援措置対象者、年度切替、給付額の改定を想定します。習志野市の公開契約では、データ抽出プログラム作成だけで1,669万5,250円となっており、移行作業を小さく見積もる危険性を示しています(出典:習志野市「令和7年度契約状況一覧(業務委託)」、2025年)。
クラウド・保守・制度改正対応費は運用期間全体で考えます
初期費用のほかに、クラウド利用料、ネットワーク、バックアップ、監視、ヘルプデスク、アカウント管理、脆弱性対応、障害対応、機器やライセンスの更新が発生します。調査ノートで整理した一般的な目安では、年間保守費は初期開発費の15〜20%程度ですが、SaaSの月額課金、利用者数課金、施設数課金、データ容量課金など料金体系が異なるため、契約条件で確認します。
制度改正対応も別費用になることがあります。札幌市では、子ども・子育て支援新制度システムの給付費支弁台帳に関する制度改正対応業務が2026年に277万6,400円で契約されています。また、東京都北区の別案件では第一子保育料無償化に伴うマスタ更新が63万9,100円でした。初期構築費に制度改正対応が含まれるのか、含まれない場合の算定方法と上限を契約前に確認します(出典:札幌市「子ども未来局子育て支援部指名競争入札及び随意契約の結果」、2026年、東京都北区「令和7年度随意契約一覧」、2025年)。
自治体向け子育て支援システムの開発期間と進め方はどうなりますか?

開発期間の目安は、標準準拠パッケージの設定・小規模移行で4〜9か月、中規模の基幹刷新で9〜18か月、住民向けポータルやアプリで4〜10か月です。フルスクラッチで基幹から住民アプリまで一体開発すると、18〜30か月以上になる可能性があります。年度切替に合わせる場合は、契約日から稼働日までではなく、データ移行リハーサルと職員研修を含めた逆算が必要です。
現状調査と標準仕様とのFit & Gapを先に行います
最初に業務主管課、情報政策課、調達担当、現場職員へのヒアリングを行い、業務フローとデータの正本を整理します。次に、こども家庭庁の「子ども・子育て支援システム標準仕様書」第2.0版の機能要件、帳票要件、印字項目、帳票レイアウトと現行業務を照合します。第2.0版は2026年1月30日に公開され、機能要件などは同年2月19日に掲載資料が更新されています(出典:こども家庭庁「標準仕様書(子ども・子育て支援)」、2026年)。
RFPでは、必須、標準オプション、自治体独自、将来検討を分けます。標準対応と独自拡張を混ぜると、提案会社ごとに「含む」の意味が変わります。データ移行、API、帳票、試験、研修、保守、制度改正、データ返却まで同じ前提で回答してもらうことで、価格と提案内容を比べやすくなります。
標準パッケージを設定し、必要な部分だけ拡張します
基幹業務の認定、利用調整、給付、帳票、制度改正対応は標準パッケージを優先し、住民ポータル、独自施策、相談支援、分析など差別化が必要な部分をAPIや追加開発で補う方式が現実的です。全機能をスクラッチで作ると、制度改正のたびに設計・開発・試験を行うことになり、長期的な保守費とベンダーロックインのリスクが高まります。
クラウド、LGWAN-ASP、自庁導入を比較するときは、サーバー費だけでなく、ネットワーク、バックアップ、監視、障害時の復旧、セキュリティ更新、担当職員の運用工数を含めます。国の基盤と接続する場合は、自治体側の責任範囲、サービス提供者の責任範囲、障害時の連絡経路をRFPと契約書の双方に落とし込みます。
移行・受入試験・研修・年度切替を一体で準備します
本番稼働前には、実データを匿名化した移行リハーサルを複数回行い、件数、金額、認定状態、施設情報、帳票出力を現行システムと照合します。受入試験は開発会社任せにせず、業務主管課が実際の申請から通知までを操作し、業務上の合否基準を記録します。
研修は管理者向け、担当者向け、施設向け、問い合わせ窓口向けに分け、年度更新や制度改正時の手順を含めます。稼働直後に問い合わせが集中するため、問い合わせ台帳、優先度、代替手順、復旧目標を決めておくと、追加の緊急対応費や業務停止リスクを抑えやすくなります。
自治体向け子育て支援システムの費用が変動する要因は何ですか?

同じ自治体向け子育て支援システムでも、人口規模だけで金額は決まりません。対象業務、施設数、既存ベンダー、標準仕様との差分、データ品質、連携先、セキュリティ要件、導入時期、運用体制を同時に確認します。見積もりの上下を説明できるように、各要因を数量や条件に変換してRFPへ記載します。
人口・施設数・業務範囲が処理量と利用者数を決めます
対象児童数、世帯数、年間申請件数、保育所・認定こども園・幼稚園などの施設数、施設側のアカウント数、職員数を整理します。SaaSでは利用者数や施設数が月額料金に影響することがあり、オンプレミスや自庁導入ではサーバー容量、バックアップ、端末、運用担当の工数に影響します。
基幹だけか、施設給付・監査まで含めるか、相談・ケース管理まで含めるかでも価格帯は変わります。国の保育業務施設管理プラットフォームが扱う給付・監査業務と自治体独自の子育て相談を切り分けることで、同じ機能を重複して調達する可能性を下げられます。
既存データの量と品質が移行費を左右します
旧システムに同一世帯の重複、旧住所、表記ゆれ、未使用コード、欠損した所得情報が残っていると、移行前のクレンジング費が必要です。個人情報を含むため、検証環境への持ち込み方法、マスキング、アクセス権限、作業者の記録、廃棄方法も見積条件に含めます。
「全件移行」「直近年度だけ移行」「参照用に別保管」では費用も業務上の利便性も異なります。過去データを移行しない場合でも、監査、問い合わせ、情報公開、給付の再確認に必要なデータをどう参照するかを決めなければ、稼働後に追加開発が発生します。
個人情報・権限・監査要件がセキュリティ費を変えます
子ども・保護者・世帯、所得、相談記録、支援措置対象者の情報を扱うため、職員・課・職種ごとの最小権限、認証強度、多要素認証、通信・保存時の暗号化、操作・閲覧・帳票出力ログ、バックアップ、災害復旧、脆弱性対応を確認します。相談情報のように担当者を限定するデータは、同じ台帳に保存する場合でも画面や帳票のアクセス範囲を分けます。
セキュリティ要件を後から追加すると、認証基盤、ネットワーク、ログ保存、監査レポートの設計変更が発生します。個人情報保護委員会の行政機関等向けガイドラインや特定個人情報のガイドラインを確認し、委託先の再委託、インシデント報告、データ返却・消去まで契約条件に反映します(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)」等)。
自治体向け子育て支援システムのコストを最適化するポイントは何ですか?

コスト最適化は、機能を一律に削ることではありません。制度改正や本番障害につながる要件を残し、標準機能や国の基盤と重なる部分を活用し、独自開発の範囲と運用方法を整理することが基本です。初期費用だけでなく、導入後の保守、改修、職員の作業時間、ベンダー変更時の移行費まで比較します。
標準仕様と既存サービスを先に使い、独自開発を絞ります
標準仕様に含まれる認定、利用調整、給付、帳票、共通的な台帳機能を独自開発しないことが、長期費用を抑える基本です。施設給付・監査や保活情報連携など国が整備する基盤の対象範囲も確認し、自庁システムの担当範囲を必要最小限にします。標準仕様から外れる理由が明確な機能だけを追加開発とし、将来標準化できる機能は保留にします。
住民向けの制度情報は、自治体独自のアプリに閉じ込めるのではなく、制度情報レジストリや既存の電子申請基盤との接続可能性を検討します。ただし、利用料、API仕様変更、認証、データ連携の運用責任が発生するため、「無料で使える」と判断せず、5年間の利用料と担当者の作業を含めて比較します。
基幹・住民・相談を段階導入し、効果を確認します
すべての機能を同時に稼働させるのではなく、まず基幹の標準化とデータ連携を整え、次に住民向け申請・状況照会、最後に相談支援や分析を追加する段階導入が考えられます。段階を分ける場合は、共通ID、API、権限、データモデルを最初に設計し、後から追加するシステムが二重台帳にならないようにします。
各段階で、窓口・電話の問い合わせ件数、審査時間、二重入力の件数、帳票作成時間、オンライン申請率、施設からの差し戻し、制度情報の到達率、重大インシデント件数を測定します。効果が確認できない機能を追加し続けず、KPIをもとに次の投資を判断すると、予算の説明もしやすくなります。
初期費用ではなく3〜5年TCOで比較します
TCOには、初期のライセンス・設定・開発・移行・研修費、月額または年額の利用料、クラウド・ネットワーク・バックアップ費、保守費、制度改正対応、追加施設やアカウントの費用、職員の運用工数、契約終了時のデータ返却費を含めます。初期費用が低いサービスでも、利用者課金や改修単価が高いと数年後に総額が逆転する可能性があります。
見積比較シートには、同じ前提の年数、対象業務、データ量、施設数、サポート時間、障害対応、バージョンアップ、制度改正の扱いを記載します。価格の安さだけでなく、標準仕様への追随、データエクスポート、API公開、担当者の継続性、ベンダー変更時の移行可能性も評価すると、将来の選択肢を残せます。
自治体向け子育て支援システムの見積もりを取る際のポイントは何ですか?

見積もりを依頼するときは、自治体名や対象業務だけでなく、人口、対象児童数、施設数、年間申請件数、既存システム、移行対象年数、稼働希望日、標準仕様との差分、必要な帳票、連携先、研修対象者を提示します。情報が不足したままの概算は会社ごとの前提が異なり、安い提案を選んだ後に追加費用が発生しやすくなります。
要件と前提条件を同じ資料で渡します
RFPには、対象業務の範囲、利用者区分、業務フロー、画面・帳票一覧、データ項目、連携方式、認証、ログ、バックアップ、障害時の業務継続、導入教育、保守窓口を記載します。とくに「標準仕様第2.0版への適合範囲」「標準オプションの扱い」「独自要件の実現方法」を回答様式にしておくと、価格と機能の差を確認しやすくなります。
自治体側で決められない項目を無理に確定する必要はありませんが、未確定事項を一覧化し、見積もりに含む調査範囲と、契約後に別途協議する範囲を分けます。仮定条件が明記されている提案は、金額が高く見えても後から予算が膨らみにくい傾向があります。
複数社を価格だけでなく対応範囲で比較します
比較する会社には、標準準拠パッケージ、クラウド・LGWAN-ASP、自庁導入、データ移行、住基・税・児童手当・福祉連携、施設給付、相談支援、住民向けフロントの得意領域があります。基幹に強い会社、施設との給付連携に強い会社、児童手当や周辺業務に強い会社など、対象レイヤーに合わせて候補を選びます。
提案時には、標準との差分、独自帳票、年度更新、制度改正の料金、データ返却、障害時の代替運用、担当者体制、再委託先、セキュリティ認証、サポート時間を質問します。ベンダーが実施した類似自治体の範囲を確認し、人口規模や業務量が自団体とどの程度近いかを見極めます。
追加費用と契約終了時の条件を確認します
追加費用が発生する条件として、利用者数・施設数の増加、制度改正、帳票変更、API仕様変更、データ再移行、時間外対応、現地支援、追加研修を確認します。契約書では、作業単価、変更管理の手順、承認者、納期への影響、瑕疵対応、サービスレベル、障害報告、再委託、秘密保持、個人情報の取扱いを明確にします。
自治体の業務データを特定の会社だけが扱える形式で保存すると、将来のベンダー変更が難しくなります。標準データ形式、CSVなどでのエクスポート、APIの仕様、データ返却の期限と費用、削除証明の要否を確認し、契約終了時にも業務を継続できる状態を確保します。
よくある質問

自治体向け子育て支援システムの見積もりでは、初期費用、移行費、保守費、制度改正対応費の境界が質問になりやすいです。ここでは、予算化やRFP作成の前に確認しておきたい代表的な疑問へ回答します。
自治体向け子育て支援システムの費用は一律で決まっていますか?
一律の定価は決まっていません。標準準拠パッケージの設定・小規模移行は500万〜1,500万円、中規模の基幹刷新は1,000万〜3,000万円、住民向けポータルやアプリは500万〜2,000万円程度が推定レンジですが、対象業務、人口、施設数、連携、移行量、独自要件によって変わります。
パッケージとフルスクラッチはどちらが安いですか?
初期費用と制度改正対応の負担を抑えやすいのは、標準準拠パッケージを基礎にして必要な部分だけ拡張する方式です。ただし、自治体独自の業務や既存システムとの連携が多い場合は、設定・追加開発・移行の費用が増えるため、初期費用だけでなく3〜5年TCO、データ返却、ベンダー変更のしやすさを比較します。
年間保守費は初期費用の何割を見込めばよいですか?
調査ノートで整理した一般的な目安は、年間保守費が初期開発費の15〜20%程度です。ただし、SaaSの月額利用料、クラウド・ネットワーク、監視、ヘルプデスク、制度改正対応、現地支援が別契約になる場合があるため、保守率だけでなく、年間の固定費・従量費・改修費を項目別に確認します。
データ移行費を抑えるために何を準備すればよいですか?
現行システムのデータ項目、件数、コード表、年度区分、重複や欠損の状況、保持したい過去期間を早めに整理します。全件移行ではなく、現行稼働に必要な情報と参照用に保管する情報を分け、匿名化したデータで抽出・変換・照合の試験を行うと、見積もりの精度を高められます。
まとめ

自治体向け子育て支援システムの費用は、標準準拠パッケージの設定・小規模移行で500万〜1,500万円、中規模の基幹刷新で1,000万〜3,000万円、住民向けポータルやアプリで500万〜2,000万円程度が目安です。公開契約額には、東京都北区の標準化移行1,427万8,000円、習志野市のデータ抽出1,669万5,250円、札幌市の制度改正対応277万6,400円などがありますが、いずれも個別案件の実績であり、全国相場ではありません。
予算化では初期費用・移行・保守・制度改正を分けます
見積書は、要件定義、設定・開発、連携、データ移行、テスト、研修、クラウド・機器、年間保守、制度改正対応、データ返却に分けて確認します。対象業務を基幹、住民フロント、施設・相談の3層で整理し、標準仕様と国の基盤に重なる機能を切り分けると、必要な投資が見えやすくなります。
3〜5年TCOと業務効果を並べて発注判断につなげます
最終的には、初期価格の低さではなく、3〜5年の総額、制度改正への追随、データ移行の安全性、住民・施設・職員の業務負担、セキュリティ、将来のベンダー変更可能性を比較します。窓口・電話件数、審査時間、二重入力、オンライン申請率などのKPIを定め、導入後に効果を検証できる計画まで含めて、自治体に合うシステムを選定します。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
