入社手続きシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

入社手続きシステムの費用相場は、SaaSなら初期費用0〜30万円程度・月額数千円〜数十万円程度、独自開発なら500〜1,500万円程度が目安です。

ただし、価格は従業員数だけで決まるものではありません。入社前の情報収集、雇用契約、マイナンバー管理、社会保険・雇用保険の電子申請、給与・勤怠・採用管理との連携、セキュリティ審査まで含めるかで、必要な予算と導入期間は大きく変わります。この記事では、入社手続きシステムを導入または開発するときの費用内訳、価格帯、変動要因、見積もりの読み方、コストを抑える進め方を、2026年時点の公開情報と業務システムの相場から整理します。

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入社手続きシステムの費用を左右する全体像

入社手続きシステムの費用を検討する担当者

入社手続きシステムは、内定者や新入社員から情報を集めるだけのフォームではありません。本人がスマートフォンで入力し、人事担当者が確認・差し戻しを行い、確定した情報を雇用契約書や行政手続き、給与・勤怠の登録へつなげる業務基盤です。どこまでを一つの仕組みに含めるかを先に決めると、見積もりの比較がしやすくなります。

内定者の入力から行政手続きまでを一つの流れにします

対象になる業務は、内定承諾後の招待、氏名・住所・扶養家族・通勤経路・給与振込口座の収集、本人確認書類の提出、雇用契約や労働条件通知書の合意、入社後の社会保険・雇用保険の届出です。人事側には、必須項目のチェック、不備の差し戻し、未提出者へのリマインド、承認履歴、帳票作成、申請状況の確認が必要です。

採用管理から候補者情報を受け取り、確定した従業員マスタを給与・勤怠・ID管理へ渡す連携まで含めると、単なる入社書類の電子化から業務システム開発へ変わります。内定者がまだ社内アカウントを持っていない場合は、招待URL、本人認証、スマートフォン画面、問い合わせ対応まで設計対象になります。

SaaS・パッケージ・スクラッチで料金の発生方法が違います

SaaSは、初期費用を抑えて月額の従業員課金やプラン料金で利用する方式です。法改正や電子申請の更新をサービス提供会社に任せやすく、入社者が毎年増減する企業でも始めやすい選択肢です。パッケージは標準機能を自社環境や専用環境に合わせて導入し、ライセンス、導入支援、保守の費用が分かれることがあります。

スクラッチ開発は、独自の人事制度や複数法人の承認、既存基幹システムとの複雑な連携を実現しやすい一方、要件定義、設計、開発、テスト、移行、保守を自社で負担します。自社専用の画面を作ること自体ではなく、標準サービスでは吸収できない業務上の差分があるかを基準に選ぶことが大切です。

入社手続きシステムの費用相場はどのくらいですか?

入社手続きシステムの費用相場を比較する画面

結論として、標準機能を使うSaaSなら初期費用0〜30万円程度、月額2,000円程度から数十万円までが目安です。データ整備や操作研修を外部に任せると50〜300万円程度が加わることがあり、API連携や部分的なカスタマイズを含む開発は300〜1,000万円程度、専用のスクラッチ開発は500〜1,500万円程度が一つの推定レンジになります。これらは入社手続き専用の公的な平均価格ではなく、公開料金と類似する業務システムの見積傾向を組み合わせた目安です。

SaaSの初期費用と月額料金の目安です

SaaSを自社で設定する場合は、初期費用0〜30万円程度で始められるサービスがあり、月額は基本料金、従業員数、利用する機能によって変わります。たとえばfreee人事労務は、2026年に公開されている料金ページで5名利用時の月額をミニマム2,000円、スターター3,000円、スタンダード4,000円、アドバンス5,500円と示しています。6名以降はプランに応じて1人あたり月400〜1,100円が加わり、入退社手続きと社会保険の電子申請はスターター以上の機能です(出典: freee公式料金ページ、2026年8月確認)。

この価格は市場全体の平均ではなく、具体的な公開価格の一例です。雇用契約、勤怠、給与、年末調整、マイナンバー、アウトソースなどを追加すると総額が変わるため、入社手続きだけを使いたいのか、労務全体を統合したいのかを分けて確認します。月額が安く見えても最低利用人数、年払い割引、初期設定、サポート、電子申請の対象範囲が別条件になっている場合があります。

連携やカスタマイズを含むと300万〜1,000万円程度です

採用管理から内定者の基本情報を受け取り、確定後に給与・勤怠・ID管理へ自動連携するような部分開発は、300〜1,000万円程度の推定レンジになります。連携先が1つでCSVを定時出力するだけなら下限に近づきやすく、複数のAPI、リアルタイム反映、エラー再送、項目変換、SSO、監査ログまで求めると上限を超えることもあります。

連携費用は「つなぐ本数」だけでなく、データの責任範囲で変わります。たとえば住所表記の統一、扶養家族の有無、外国籍の在留情報、法人・事業所コード、入社日と資格取得日の違いをどのシステムが正とするか決める必要があります。エラーが発生したときに人事担当者が再処理できる画面を作るか、開発会社への問い合わせで対応するかでも、開発工数と運用費用が変わります。

専用スクラッチ開発は500万〜1,500万円程度が目安です

入社手続き専用のスクラッチ開発は、500〜1,500万円程度の推定レンジで考えると比較しやすくなります。要件定義、画面設計、権限設計、スマートフォン対応、雇用契約、帳票、電子申請、操作ログ、テスト、データ移行、教育までを含む概算です。複数法人・多拠点、大量採用、複雑な承認、独自の労働条件、既存基幹との複雑な連携、厳格なセキュリティ審査が重なる場合は、1,500万円を超える見積もりも不自然ではありません。

一方で、入社手続きから在籍情報、給与、年末調整、退職までを一つの業務システムへ統合する場合は、1,500〜4,000万円程度の大きな計画になることがあります。この金額帯は入社手続き単体の市場価格ではなく、複数領域を含む業務システム刷新から推定した目安です。入社手続きだけを改善したい企業が、将来構想をすべて初期開発に入れてしまうと、費用と納期が膨らみやすいため注意が必要です。

入社手続きシステムの費用内訳は何ですか?

入社手続きシステムの見積内訳を確認する担当者

見積書は総額だけでなく、初期構築、データ整備、連携、テスト、教育、保守に分けて確認します。SaaSでも、使い始めるための設定や既存データの整理を外部へ委託すれば、月額以外の費用が発生します。スクラッチ開発では、開発費だけを見て判断せず、稼働後の改修や制度変更への対応費用まで含めて総保有コストを見ます。

要件定義・画面設計・ワークフロー設計の費用です

要件定義では、誰がいつ何を入力し、誰が確認し、どの条件で差し戻し、どの時点で給与や行政申請へ渡すかを整理します。内定者、人事、現場責任者、社労士、給与担当、情シスでは必要な画面と権限が異なります。ここを曖昧にしたまま開発へ進むと、後から「外国籍の場合も別項目が必要」「アルバイトは承認経路が違う」と判明して追加費用になりやすいです。

画面数だけでなく、入力チェック、添付ファイルの容量、本人同意、電子署名、通知、リマインド、差し戻し履歴、操作ログまで設計対象です。初期段階では、入社者を「新卒」「中途」「アルバイト」「外国籍」「扶養家族あり」など3〜5パターンに分け、代表的な業務フローをプロトタイプで確認すると、過剰な機能を抑えながら重要な例外を見つけやすくなります。

API・CSV連携とデータ移行の費用です

連携費用には、接続方式の確認、項目マッピング、認証、送受信、エラー処理、監視、テストが含まれます。採用管理から氏名と入社予定日を受け取り、入社手続きシステムで確定した住所や扶養情報を給与システムへ渡す場合、項目名と更新権限の整理が必要です。ID管理へ連携する場合は、入社日当日にアカウントを有効化する条件や、退職・取消時の停止条件も定義します。

データ移行では、既存の従業員マスタ、過去の雇用契約、扶養情報、マイナンバーの取り扱いを分けて考えます。すべての履歴を移す必要がなければ、現行在籍者の必要項目だけを移行し、過去書類は保管ルールに従って別管理する方が安くなることがあります。移行前後の件数照合、文字コード、住所表記、重複、欠損を検証する工程を省くと、稼働後の人事業務が止まるため、費用を削りすぎないことが重要です。

保守・運用・制度改正対応の費用です

スクラッチ開発では、初期費用のほかに、サーバーやクラウド利用料、監視、バックアップ、問い合わせ、障害対応、脆弱性対応、OSやミドルウェアの更新、制度改正に伴う帳票変更が発生します。リサーチノートで整理した類似業務システムの目安では、保守・運用費は初期開発費の月5〜15%を年額へ読み替えて予算化しますが、これは契約内容で変わる推定値です。

SaaSはアップデートや基盤保守が月額へ含まれることが多い一方、個別の連携改修、導入支援、データ修正、追加の帳票、専用サポートは別料金になりやすいです。見積時には「月額に含まれる範囲」「解約時のデータ返却」「障害時の復旧目標」「法改正対応の範囲」「追加開発の単価」を書面で確認します。

入社手続きシステムの価格が変動する要因は何ですか?

入社手続きシステムの要件を整理する会議

同じ入社手続きシステムでも、年間の入社者数、繁忙期の集中度、法人・拠点数、雇用形態、既存システム、求めるセキュリティ水準が違えば見積もりは変わります。価格を下げるために機能を一律に削るより、費用へ影響する条件を分解し、初期リリースと将来拡張を分ける方が失敗しにくいです。

従業員数と入社ピークが月額と性能要件を変えます

従業員課金のSaaSでは、在籍人数、利用者数、管理者数、契約プランが料金に影響します。たとえば5名程度の小規模企業は最低料金で始められても、300名規模では1人あたりの課金とオプションの合計が月額数十万円になる場合があります。見積もりでは、現在の在籍人数だけでなく、年間入社者数、4月や10月のピーク、短期雇用者を課金対象に含むかを確認します。

ピーク時に数百人が一斉入力する企業では、招待メールの送信、ファイルアップロード、通知、承認キュー、外部連携が集中します。サービスの同時アクセス制限、通知上限、サポート体制、障害時の代替手段まで確認しないと、通常月の料金だけで選んだ後に追加プランが必要になる可能性があります。

マイナンバー・権限・監査ログが開発費を押し上げます

入社手続きでは、住所や給与口座だけでなく、マイナンバー、本人確認書類、雇用保険番号などの機微情報を扱うことがあります。人事担当者、現場責任者、社労士、給与担当、システム管理者で閲覧できる情報を分け、誰がいつ閲覧・編集・出力したかを記録する設計が必要です。暗号化、MFA、SSO、アクセス制御、バックアップ、削除証跡を求めるほど、設計・実装・審査の工数が増えます。

個人情報保護委員会は、人事労務管理サービスをクラウドで開発・利用する場合の安全管理措置や委託先監督について注意喚起を公表しています。特定個人情報についても、2025年6月一部改正の事業者向けガイドラインで、取り扱う事務の範囲、担当者、組織的・人的・物理的・技術的安全管理措置を明確にする考え方が示されています(出典: 個人情報保護委員会、2024年12月注意喚起・2025年6月改正ガイドライン)。認証マークの有無だけでなく、委託先・再委託先、データの所在、解約後の削除を契約で確かめます。

社会保険や雇用保険の電子申請まで一つの画面で完結させる場合は、対象手続き、電子証明書、申請者権限、添付書類、審査結果の受け取り、差し戻しへの対応を確認します。日本年金機構は健康保険・厚生年金保険の資格取得届を事実発生から5日以内と案内し、厚生労働省のe-Gov案内では雇用保険被保険者資格取得届を資格取得日の属する月の翌月10日までとしています(出典: 日本年金機構・厚生労働省、2026年8月確認)。システムには入社日からの期限計算と未完了アラートを持たせると、期限管理の実効性が高まります。

給与・勤怠・採用管理との連携は、業務効率を高める一方で費用が膨らみやすい箇所です。既存製品に標準コネクタがあれば設定費用に収まることがありますが、独自システムとのAPI開発、複数法人のコード変換、リアルタイム連携、連携障害の監視まで含めると追加開発になります。最初からすべてを自動化せず、二重入力が最も多い経路から段階的に連携する方法も有効です。

入社手続きシステム開発・導入の進め方と期間

入社手続きシステムの導入計画を作成する担当者

導入期間の目安は、SaaSの標準機能だけなら2週間〜2か月、データ整備・連携・研修まで含めると2〜4か月程度です。部分開発は3〜6か月、スクラッチ開発は6〜12か月程度が推定されます。4月入社に合わせる場合は、前年秋に業務整理と予算化、冬に選定・設定、年明けにテストと案内を始めると、繁忙期直前の混乱を避けやすくなります。

最初に業務フローとMUST要件を整理します

まず現状を「内定承諾」「入社前の情報収集」「雇用契約」「入社日」「社会保険・雇用保険」「給与・勤怠連携」「入社後フォロー」に分解します。紙、Excel、メール、給与ソフトへ同じ情報を転記している箇所を洗い出し、入力時間、不備率、差し戻し回数、期限超過、問い合わせ件数を現状値として記録します。

MUST要件には、スマートフォン入力、招待と認証、必須項目チェック、添付書類、差し戻し、電子契約、権限、操作ログ、期限アラートなどを置きます。WANT要件には、採用管理との自動連携、IDの自動発行、外国籍対応、分析ダッシュボードなどを置きます。MUSTとWANTを分けるだけで、初期開発に不要な機能が混ざりにくくなります。

代表的な入社者でプロトタイプと受入テストを行います

全機能が完成するまで現場へ見せないと、入力しにくい画面や人事が処理できない例外が後から見つかります。新卒、中途、アルバイト、外国籍、扶養家族ありなどの代表パターンを使い、内定者が迷わず入力できるか、人事が不備を差し戻せるか、確定情報が帳票へ正しく反映されるかを早期に確認します。

受入テストでは、正常系だけでなく、未提出、重複入力、期限切れ、添付漏れ、承認者不在、入社日変更、内定取消、連携先の停止を試します。テストの観点と合格条件を先に決めると、納品直前の追加修正を抑えられます。SaaSでも、自社の運用ルールに沿ったテストを行う費用と担当者の時間を見込むことが必要です。

期限を決めた並行運用で本番移行します

初回の入社シーズンは、一定期間だけ旧運用と新システムを並行させると安心です。ただし、二重入力を無期限に続けると現場の負担が増え、どちらが正しいデータか分からなくなります。並行期間、確認する項目、旧運用を終了する条件、障害時の代替手順をあらかじめ決めておきます。

稼働後は、一人あたりの入力時間、不備率、差し戻し回数、行政申請の完了時間、期限超過、問い合わせ、紙の使用枚数を月次で比較します。SmartHRの公開事例では、オープンハウスグループが800名規模の入社手続きをペーパーレス化し、人事工数を51%削減し、ID・パスワードに関する問い合わせを月1件程度へ減らしたと紹介されています(出典: SmartHR導入事例、2026年8月確認)。自社でも同じ効果を断定せず、導入前の数値と比べて投資効果を判断します。

見積もりを取る際のポイントとコスト最適化

入社手続きシステムの見積もりを比較する会議

見積もりの安さだけでなく、何が含まれていないかを比べることが重要です。業務フロー、対象人数、ピーク人数、既存システム、電子申請の範囲、データ移行、テスト、教育、保守の条件を同じ資料で複数社へ渡すと、価格差の理由が見えやすくなります。

要件表と前提条件をそろえて見積もりを依頼します

依頼資料には、従業員数、年間入社者数、繁忙期、法人・拠点数、雇用形態、外国籍や扶養家族の有無、利用者と権限、対象手続き、既存システム、連携方式、必要な帳票、保管期間、セキュリティ要件を記載します。特に「電子申請に対応してほしい」だけでは、どの届出をどこまで自動化するかが分からないため、対象手続きと担当者の作業を具体化します。

見積書は、要件定義、画面・帳票、ワークフロー、連携、認証・権限、移行、テスト、教育、導入支援、保守、追加改修に分けてもらいます。準委任と請負のどちらか、仕様変更の扱い、成果物と検収条件、納期遅延時の扱いも確認します。要件変更が多い段階で固定価格へ無理に押し込むと、予備費や変更管理費が高くなることがあるため、段階ごとの契約が適する場合があります。

標準機能と段階導入で初期費用を最適化します

コストを抑える第一歩は、標準機能で変えられない業務だけをカスタマイズすることです。入力画面の見た目や通知文面のように運用で吸収できる差分まで独自開発すると、初期費用だけでなく将来の保守費用も増えます。まずは入社情報の収集、本人同意、差し戻し、期限管理、社会保険・雇用保険の手続きなど、期限と正確性に直結する機能を優先します。

次に、フェーズを分けます。フェーズ1ではSaaSの標準機能とCSV連携で入社手続きを電子化し、フェーズ2で採用管理や給与・勤怠とのAPI連携、フェーズ3でID自動発行や分析を追加します。初期の評価指標を達成してから拡張するため、使われない機能へ先に投資するリスクを抑えられます。無料トライアルや小規模なPoCを使える場合は、代表的な入社者で操作時間と不備率を測ってから本契約へ進みます。

価格だけでなく運用支援とデータの出口を確認します

安いサービスでも、社内で設定できず、問い合わせが集中して稼働しなければ投資効果は出ません。導入支援の範囲、管理者向け研修、内定者向け案内テンプレート、問い合わせ窓口、繁忙期のサポート、障害時の連絡方法を確認します。公開事例の削減率は参考になりますが、自社の採用数、紙運用、担当者数、連携状況を当てはめて効果を見積もる必要があります。

将来の乗り換えや契約終了も、最初の見積もりで確認します。CSVで従業員情報や契約書を出力できるか、データの形式と返却時期、バックアップの保管、削除証跡、再委託先の開示、個人番号を含むデータの扱いを契約書で確かめます。導入時の価格だけでなく、5年間の月額、支援、追加開発、移行、解約を含む総額で比較すると、長期的なコストを判断しやすくなります。

費用と同時に確認したいセキュリティ・法務要件

入社手続きシステムのセキュリティを確認する担当者

入社手続きシステムは、入力の便利さだけでなく、情報を誰がどの目的で扱うかを設計する必要があります。費用を抑えるために権限やログを後回しにすると、稼働後の追加改修や監査対応で高くつくことがあります。個人番号を扱う範囲を狭くし、必要な担当者だけがアクセスできる構成を先に決めます。

アクセス制御・ログ・バックアップを見積条件に入れます

確認項目は、通信・保存時の暗号化、MFAやSSO、管理者と一般担当者の権限分離、閲覧・編集・出力のログ、ログの保存期間、バックアップ、障害時の復旧目標、脆弱性対応、端末制御です。人事担当者がマイナンバーを見られる必要がないなら、情報を分離して扱えるサービスや画面設計を選びます。管理者権限を一人に集中させず、異動や退職時に権限を即時変更できる運用も必要です。

クラウドサービスでは、データセンターの所在、国外移転、再委託先、監査報告書、事故発生時の連絡、解約後の削除と証跡を確認します。これらは機能一覧に表示されないことが多いため、セキュリティチェックシートと契約条件で回答を得ます。回答に時間がかかる企業では、選定期間そのものが長くなるため、早い段階で情シス・法務を参加させることが結果的に導入費用の抑制につながります。

法定期限を守れるワークフローにします

健康保険・厚生年金保険の資格取得届は事実発生から5日以内、雇用保険被保険者資格取得届は資格取得日の属する月の翌月10日までが基本です。入社者が集中する企業ほど、本人の入力待ち、人事の確認、社労士の確認、電子申請の完了を別々に管理すると期限を見失いやすくなります。入社日を起点に締切を自動計算し、担当者と管理者へ段階的に通知する設計が有効です。

ただし、システムが期限を表示しても、雇用形態や資格取得日の判断を自動で正しく行えるとは限りません。試用期間、研修期間、複数事業所勤務、扶養の有無などの例外を業務ルールとして整理し、判断が必要なケースは人事担当者へ止める仕組みにします。自動化の範囲と人が確認する範囲を分けることが、安全性と開発費のバランスを取るポイントです。

よくある質問(FAQ)

入社手続きシステムの疑問を確認する担当者

ここでは、入社手続きシステムの費用を検討するときに寄せられやすい質問へ回答します。公開価格はサービスや契約条件で変わるため、以下の金額は判断の起点として使い、最終的には自社の人数・機能・連携範囲で見積もりを取得します。

入社手続きシステムはSaaSと開発のどちらが安いですか?

標準的な入社手続きであれば、初期費用と導入期間を抑えやすいSaaSが安くなりやすいです。独自の承認、複数法人、基幹連携、厳格な権限などが必要なら、SaaSの追加開発費と専用開発費を比較し、5年間の月額・保守・移行費用を含めて判断します。

従業員数が少なくても導入する価値はありますか?

あります。入社者が少なくても、住所や口座の転記、書類の差し戻し、期限管理を減らせるため、担当者が一人で人事・給与・総務を兼任している企業ほど効果が出る場合があります。freee人事労務のように5名からの公開料金を示すサービスもあるため、紙・郵送・入力にかかる時間と月額を比較し、必要な機能だけで小さく始めます。

マイナンバーを扱う場合は費用が大きく変わりますか?

変わる可能性があります。マイナンバーを取り扱う事務の範囲を定め、担当者を限定し、アクセス制御、ログ、暗号化、削除、委託先監督などを実装・確認するため、標準機能だけでは足りない場合に追加費用が発生します。不要な画面へ個人番号を表示しない、保存期間を決めるなど、扱う範囲を狭くすることがコストとリスクの両方を抑えます。

入社手続きシステムの開発期間はどのくらいですか?

SaaSの標準設定なら2週間〜2か月程度、データ整備・連携・研修まで含めると2〜4か月程度が目安です。部分開発は3〜6か月、スクラッチ開発は6〜12か月程度の推定です。4月入社に間に合わせる場合は、要件やセキュリティ審査の期間も考え、前年秋から準備を始めると余裕を持ちやすいです。

まとめ

入社手続きシステムの導入費用をまとめる担当者

入社手続きシステムの費用は、SaaSなら初期0〜30万円程度・月額数千円〜数十万円程度、連携やカスタマイズを含む部分開発なら300〜1,000万円程度、専用スクラッチ開発なら500〜1,500万円程度が目安です。これらは確定価格ではなく、従業員数、入社ピーク、機能、電子申請、既存システム連携、セキュリティ要件、移行範囲によって変わる推定レンジです。

自社の業務量と将来拡張に合う方式を選びます

短期間で紙やメールの転記をなくしたい場合はSaaSを中心に比較し、独自の承認や既存基幹との連携が競争力・統制上不可欠な場合だけ部分開発やスクラッチを検討します。最初からすべてを作るのではなく、MUST要件を決め、代表的な入社者で試し、KPIを確認しながら段階的に広げると、初期費用と失敗リスクを抑えられます。

総額と運用条件をそろえて比較します

見積もりを取るときは、初期費用だけでなく月額、導入支援、データ移行、API・CSV連携、教育、保守、制度改正対応、解約時のデータ返却まで同じ条件で比較します。入社日からの法定期限、マイナンバーの安全管理、委託先・再委託先、障害時の復旧も確認し、費用と業務品質の両方で納得できる入社手続きシステムを選ぶことが重要です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。