オムニチャネルシステム開発は、要件整理から始めて、システム選定、設計・開発、テストを経たのち、稼働と定着へ進みます。この順に進めると、現場に定着し、KPIの改善につながりやすくなります。
全体像は、オムニチャネルシステム開発の完全ガイドもあわせてご覧ください。
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オムニチャネルシステム開発の全体像

オムニチャネルシステムは、複数の販売・接客チャネルをつなぐ仕組みで、顧客と業務の情報をチャネルのあいだで共有します。
連携の対象は、店舗やECサイトのほか、自社アプリ、SNS、電話窓口です。さらに、楽天やAmazonなどの外部モールも含みます。
連携先には、コマース基盤やOMS、在庫・顧客基盤があります。加えて、POSやWMS、ERPのほか、決済や配送、分析基盤とも連携します。
マルチチャネルやOMOとの違い
販売窓口ごとに情報を分ける形と、接点をまたいで引き継ぐ形を比べると、用語の違いが見えてきます。
- マルチチャネル:店舗、EC、モールなど複数の販売窓口を持つ状態です。会員や価格、在庫、注文が窓口ごとに別々でも成り立ちます。
- オムニチャネル:どの窓口からでも同じ会員情報や購買履歴を確認でき、注文や在庫の状態を接点どうしで引き継げる形です。
- OMO:オンラインとオフラインの体験を融合させる考え方で、店舗受取や店舗からの発送は、その実現施策の一つです。
たとえば、ECで注文した商品を店舗で受け取る流れがあります。店舗スタッフが購入履歴を見て関連商品を提案することもできます。
目的は、顧客の利便性を高め、企業が在庫や接客データを活用することです。チャネル数を増やすこと自体は、目的ではありません。
商品・顧客・在庫・注文のデータ項目
店舗やECをまたいで注文と在庫を扱うには、共通化するデータの項目をそろえておく必要があります。
- 商品:商品コード、SKU、サイズ・色、価格、税区分、画像、販売期間
- 顧客:店舗・EC会員、アプリID、LINE識別子、同意状況、会員統合ルール
- 在庫:店舗、倉庫、取り寄せ、引当済み、返品待ちなどの区分
- 注文:受注、支払、引当、出荷、受取、キャンセル、返品の状態
データごとに「正」とするシステムを一つ決め、更新元と参照先を一覧にしておきます。たとえば、商品マスタはPIM、在庫はOMS、会計金額はERPを、それぞれ正とします。特に、API連携を増やしても、正のシステムが決まっていなければ、障害時に在庫や注文を判断できず、復旧が遅れるおそれがあります。
導入目的とKPIの先行設定
導入の目的は、売上の増加のほかにもあります。業務に近い指標を選び、何を改善するのかを明確にしておきます。
- 販売機会:店舗在庫の表示による売り逃しの削減
- 店舗受取:受取率の向上
- 在庫・出荷:在庫回転率の改善と出荷コストの削減
- 顧客対応:問い合わせ工数の削減と会員統合率の向上
たとえば、「全チャネルの統合」よりも、対象ブランドの10店舗で在庫表示の精度を高める、と決めるほうが具体的です。欠品によるキャンセルを減らす目標であれば、機能と検証方法を定めやすくなります。
経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円です(出典:経済産業省、2025年)。同じ調査では、2024年のEC化率は9.8%です(出典:経済産業省、2025年)。
市場が拡大するほど、店舗との相互送客や在庫活用まで含めて効果を測る必要があります。そのため、市場全体の伸びを自社の効果とみなさず、導入前の基準値と比べます。
オムニチャネルシステム開発の進め方
開発は6つのフェーズに分けて進めます。前半の3つは、要件整理、システム選定、設計・開発です。テスト以降は、現場での確認から稼働、定着へと、段階を追って進みます。
- テスト:現場シナリオによる確認
- 稼働:小規模な稼働と切り戻し条件
- 定着:KPIに基づく改善
各段階では、成果物と次へ進む条件を定めておきます。店舗・EC・物流・情報システムの代表者が同じ判断基準を持つことも大切です。
フェーズ1:要件整理での業務とデータの洗い出し
要件整理では、業務の現状と規模、成果物、次へ進む条件をそろえます。
- チャネルごとの現行業務の一覧
- 業務、システム、連携を洗い出した資料
- 対象範囲、優先KPI、データの正の合意
店舗販売やEC受注、モール注文、倉庫出荷に加えて、店舗受取や発送も業務フローに並べます。キャンセルや返品・交換、返金もフローに含めます。各業務について、担当者、画面、更新するデータを記録しておきます。
表計算や手作業で進めている箇所は、自動化の候補であると同時に、移行時のリスクにもなります。
成果物には、業務フローや現行システム一覧、連携一覧を含めます。さらに、データ項目表や非機能要件、優先順位表もそろえます。
店舗数や倉庫数、SKU数は、数字で示しておきます。注文数は月間とピーク時の両方を、モール数とあわせて押さえます。
既存のPOSやERP、WMSについては、製品名とAPIの有無も記録します。
対象範囲と対象外の範囲は、書面で合意しておきます。優先KPIとデータの正を決めることも、フェーズ1の完了条件です。
フェーズ2:SaaS・パッケージ・スクラッチの選定
選定では、SaaS・クラウド型、ECパッケージ、オープンソースとスクラッチ開発を比べます。初期費用に加えて、適合性と運用体制も見ます。
- SaaS:標準業務に合わせて早く始めたい場合
- パッケージ:業務差分を設定や拡張で吸収したい場合
- 個別開発:独自の在庫引当や商流が競争力になる場合
EC・OMS・CDP・連携基盤を組み合わせる構成も選択肢です。なお、すべてを一から開発する必要はありません。
比較表には、必須業務との適合度や、POSやWMSなどの業務システム、決済や配送との連携方式を記載します。
データ移行の支援範囲も確認します。障害監視やSLA、バージョンアップの扱いも比べます。解約時のデータ返却や、追加開発の単価も、提案ごとに比べます。
提案条件は、同じ表にまとめて確認します。
デモでは、正常な購入画面だけでなく、例外の場面も再現してもらいます。たとえば、店舗在庫が同時に売れた場合や、通信が途切れた場合、返品時に在庫を戻す処理を確認します。
店舗受取に来なかった場合の処理も確認します。そのうえで、例外時の業務とシステムの動きから、方式の適合性を判断します。
フェーズ3:例外処理まで含めた設計・開発
設計では、注文と在庫の例外処理、連携の方法、顧客データと権限を具体的に決めます。
- 注文状態:状態の移り変わりと例外条件の定義
- 在庫:販売可能在庫の計算方法と差異の補正
- 連携方式:データごとの方式と更新頻度
- 障害対応:再送、監視、復旧の手順
- 顧客データと権限:統合ルールと閲覧範囲
注文は、受注済みから支払済み・引当済み・出荷済みを経て、受取済みへ進みます。各段階へ進む条件を定めておきます。キャンセルできる時点、分割配送、返品商品の検品と在庫戻しの条件も、文章にして残します。
販売可能在庫から安全在庫などをどう差し引くかを決めます。引当済み、取り置き、返品待ちの扱いと、店舗の棚卸し差異を補正する運用も、あわせて設計します。
方式には、リアルタイムAPIや定時バッチ、イベント連携があります。注文受付や在庫引当は即時性が必要ですが、分析用の売上集計は夜間の連携でも運用できます。
エラー時の再送で同じ注文が二重に登録されないよう、重複防止やタイムアウトの扱いも決めておきます。監査ログと切り戻しの手順も定めると、稼働後の障害対応が安定します。
顧客データを統合するときは、同意情報の扱いも設計に含めます。メールアドレスだけで統合すると、家族共有や変更後の重複につながります。そのため、会員番号や電話番号、本人確認で判定し、統合後の代表IDと統合解除の手順も定めます。
権限は、店舗スタッフやEC運営、コールセンターなど、役割ごとに分けます。物流や管理者についても、個人情報や決済情報を必要以上に見せない構成にします。
フェーズ4:現場シナリオによるテスト
テストでは、業務の完了条件から障害時の動きまで、現場のシナリオで確かめます。
- テスト工程:単体から店舗業務リハーサルまでの段階
- 注文・在庫:複数チャネル注文と決済異常の検証
- 障害・期限:店舗受取期限や外部停止などの場面
- 受入体制:店舗や倉庫などの実務担当者の参加
- 業務シナリオ:返品など重要業務の処理
テストは、単体と連携、総合の各段階を経て、受入と店舗業務リハーサルへ進みます。確認の中心は、画面の表示に加えて、業務が完了するかどうかです。
複数チャネルから同じSKUに注文が入る場合や、在庫が不足する場合を試します。特に、決済だけが成功し、注文登録に失敗するケースも確認します。
店舗受取の期限超過やピーク時の負荷も検証します。外部APIの停止、ネットワーク断、データの再送も試します。
受入テストには、本部と店舗スタッフ、倉庫担当に加えて、コールセンターと経理が参加します。各テストでは、期待結果と担当者、証跡を記録します。未解決の重要度と再テスト日も残します。
返品・交換やクーポンの併用、ポイント付与も確認します。税や送料、予約商品、欠品連絡も対象です。売上計上や顧客対応に関わる処理は、業務責任者の承認を得てから進めます。
フェーズ5:小規模な稼働と切り戻し条件
本番移行は対象を絞って始め、計測結果と照合作業を確かめてから展開を判断します。
- 1ブランドと数店舗での、在庫表示と店舗受取の開始
- 結果が安定してからの、対象店舗やチャネルの追加
- 稼働判定の前に行う、移行データの件数と金額の照合
- 差異の担当者と、新旧システムの並行稼働の条件
- 切り戻し時の復旧方針
対象ブランドや店舗に絞り、カテゴリやモールへと段階的に広げます。段階を踏むと、問題の原因を切り分けやすく、現場の負担も抑えられます。計測する指標は、在庫精度や受取率、店舗作業時間、問い合わせ件数です。
照合では、会員数と商品数、SKU数、在庫数を日付単位で確認します。未出荷注文やポイント残高、売上合計も、同じ日付で突き合わせます。
旧側で注文を受ける最終時刻も、あわせて定めます。
切り戻し時は、データを戻す条件と、顧客への告知内容を事前に定めておきます。
フェーズ6:定着とKPIに基づく改善
稼働後も、現場で実際に使われているかを確かめます。店舗スタッフには、在庫確認と店舗受取、店舗発送、返品受付の手順を伝えます。
通信障害時の手作業は、短い手順書と研修で共有しておきます。
本部向けには、在庫差異や連携エラーを見るダッシュボードを用意します。未処理注文と会員統合の失敗も追えるようにし、毎日確認する担当者を決めます。
月次では、導入前と導入後のKPIを比べます。
- 店舗・在庫:店舗受取率、受取までの時間、在庫回転
- 販売・顧客対応:欠品キャンセル率、返品率、チャネル別粗利、問い合わせ工数
KPIが改善しないときは、画面を増やす前に、業務ルールや在庫バッファを見直します。スタッフ教育や商品データの品質も、確認の対象です。
AIレコメンドや自動応答を導入する場合も、まずはFAQや商品比較など、誤作動の影響を限定しやすい用途から始めます。
注文変更や返金は、人の承認を通し、操作ログを残しておきます。
オムニチャネルシステムの費用相場とコスト内訳

費用は、ECサイトの制作費だけでは判断できません。店舗数やSKU数、既存システムのAPI対応、連携先の数によって変わります。会員や注文の移行量、段階展開の有無も費用に影響します。
ここに示すのは、公開されているEC構築の相場に、連携・移行・店舗展開を加えた実務上の予算仮説です。個別案件の確定価格ではないため、RFPを作る前の目安として確認してください。
方式・規模別の初期費用と期間の目安
方式と統合規模ごとに、初期費用、月額費用、期間の目安を比べられます。連携や移行を含む費用は、予算仮説として見てください。
- ASP・SaaS:初期費用0〜100万円程度、月額数千円〜数十万円程度、立ち上げ即日〜2か月程度。
- 標準連携クラウド型:初期100〜800万円程度、月額数万円〜40万円程度、期間2〜6か月程度。
- ECパッケージ:初期300〜1,500万円程度(出典:Shopify Japan)、月額10〜30万円以上、期間4〜8か月程度。
- 中規模統合:初期500〜3,000万円程度、月額20〜100万円程度、期間6〜12か月程度。
- 大規模案件:複数ブランド・基幹刷新・高トラフィック・海外拠点を含む場合、初期3,000万円から数億円、12〜18か月以上となることがあります。
標準連携クラウド型は、外部サービス費が別途加わります。連携や移行が少なければ下限に近づく一方で、店舗業務の個別対応が多いと上限を超える可能性があります。
中規模案件では、ECと複数店舗の統合に加えて、POSやOMS・WMS、会員・ポイントまで含めた予算仮説として考えます。
月額には、保守や外部サービスの費用も加わります。
連携費用やオムニチャネル費用は、公的な統計ではありません。公開されているEC構築の相場に、店舗・在庫・注文・会員の連携を加味した推定です。
Salesforceの公開記事では、小規模ECは無料〜100万円、中規模は100〜500万円としています(出典:Salesforce Japan)。同記事では、大規模・カスタマイズを500〜1,000万円以上としています(出典:Salesforce Japan)。
各相場は範囲や前提が異なるため、数字を単純に足し算することはできません。見積書に含まれる対象範囲を確認します。
見積書での連携・移行・テストの内訳
EC画面の制作費以外にも費用が発生するため、見積もりでは作業範囲ごとの内訳を確認します。店舗数や連携対象が増えると、データ変換やエラー処理、総合テスト、現場リハーサルの費用が膨らみます。
- 企画・利用:要件定義・業務設計、ライセンス、サブスクリプション
- 開発・連携:画面・フロント開発、POS・ERP・WMS・モール・決済・配送との接続
- 移行・展開:商品・顧客・在庫・注文の移行、テスト、店舗展開
- 運用・教育:監視、保守、セキュリティ、マニュアル作成、教育
「連携一式」「移行一式」「テスト一式」と書かれている場合は、対象件数と完了条件を確かめます。在庫連携では、API開発に加えて、更新頻度や欠品時の扱いも確認します。
再送や棚卸し差異の補正、監視通知が含まれるかも見ます。移行では、データクレンジングや会員の重複判定、SKU変換を確認します。
移行リハーサルや本番照合、移行後の問い合わせ対応は、分けて確認します。そうすると、見積の抜けや追加費用を把握できます。
月額費用と社内負担を含むTCO
月額料金に加えて、導入後の運用費と社内工数も含めて、TCOを比べます。
- 利用料と運用関連費を含むTCO
- 契約期間別に見たShopify Plusの公式料金
- 社内工数と並行運用を含む総保有コスト
- 初期費用、12か月の運用費、追加開発、社内工数を合算した額。3年程度のTCOで比べると、方式の違いを読み取れます。
ランニングコストには、プラットフォームやクラウド、外部アプリが含まれます。加えて、API・iPaaSや監視、保守、セキュリティ診断も対象です。決済手数料や配送サービス、バックアップ、追加ストアも確認します。
Shopify Plusの公式料金は、標準的な設定・統合の場合、3年契約で月額36万8,000円です。一方、1年契約では月額39万8,000円からです(出典:Shopify Japan「Shopify Plusの価格」、2026年確認)。
テーマやアプリ、データ移行、カスタム開発は別途かかります。全体の費用は、料金表の金額に、社内のプロジェクト管理や店舗研修の費用を加えて考えます。
商品マスタの整備や問い合わせ対応、旧システムとの並行運用も対象です。二重入力や手作業のデータ修正が続くと、その分だけ総保有コストが膨らみます。
オムニチャネルシステムの見積もりを取るポイント

相見積もりでは、同じ条件で比べられるRFPを用意します。会社ごとに前提が違えば、金額だけで提案の差を読み取ることはできません。
安い提案には、移行や保守が含まれていない場合があります。一方で、高い提案には将来の拡張が含まれていることもあります。
見積依頼書には、業務範囲や対象チャネル、データ量を記載します。非機能要件や導入スケジュール、成果物、保守条件も加えます。
RFPに書く店舗・商品・注文の具体条件
見積条件は、数値と採用する業務でそろえます。まずは、店舗・倉庫・商品・注文の情報と、既存システムの情報をまとめます。
- 規模:店舗数・店舗コード、倉庫数、商品・SKU数、月間注文数、繁忙期のピーク、モール数
- 利用システム:POS・ERP・WMS・会員・ポイント・決済・配送サービス
- データ:現行データの形式と件数
- 業務範囲:店舗受取・店舗発送・取り寄せ・予約・分割配送・返品・キャンセル・クーポン・ポイント・欠品連絡
採用しない機能も、「対象外」と明記します。対象範囲をそろえると、見積もりのぶれを抑えられます。
非機能要件では、営業時間や目標応答時間、ピーク時の同時アクセスを指定します。障害の検知時間と復旧目標も、あわせて決めます。
バックアップや監査ログ、権限の扱いも決めます。脆弱性への対応や、個人情報の保管場所、データの暗号化も、要件に含めます。顧客情報を統合する場合は、利用目的と委託先も確認します。
アクセス権限や保存期間、削除・訂正の手順も確認します。「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(出典:個人情報保護委員会、2026年)は、2026年6月に一部改正されました。そのため、契約と設計の時点で最新の通則編を確認します。
開発会社の実績と責任範囲
同業・同規模の導入実績に加えて、要件定義から保守までの責任者を確認します。会社の種類によって、得意な範囲は異なります。
- EC制作会社:ECサイトの制作
- 製品ベンダー:自社製品の提供
- 総合SIer・実装パートナー:システムの統合と実装
商品・在庫・注文・顧客のデータ設計や、POSやWMSとの接続、店舗展開も比べます。障害時の一次窓口や休日対応、保守SLAも確認します。
比較表を作り、提案書の記載と契約書から、どこまでを誰が受け持つかを照らし合わせます。
導入事例では、売上だけでなく、導入前の課題や、正としたシステムも確認します。さらに、どの順番で展開したかも確かめます。
2025年のSCSKとアークランズの事例では、店舗と自社EC、楽天やYahoo、Amazonにまたがる商品と在庫を、一つにまとめて管理しています。同事例では、リアルタイム引当を行う構成が公表されています(出典:SCSK「アークランズとSCSKが協働し、顧客起点のビジネス強化に向け、ECシステム基盤を再構築」、2025年)。
自社の店舗数や業務に近い条件で、課題をどう解いたかを質問します。条件の近さを踏まえて、実績を評価します。
契約前に確認したい失敗リスク
費用や稼働後のトラブルにつながる条件は、契約や要件整理の前に確かめておきます。
- 運用リスク:要件の追加、データ品質、連携仕様、店舗への定着、在庫差異、どこまでを誰が受け持つか
- 契約条件:変更の管理、追加開発の単価、データクレンジングの担当、停止時の代替運用
- 着手前確認:発注前に見るAPI仕様とデータサンプル
- 決済設計:決済情報の管理方法とPCI DSSの適用範囲
- 情報保護:要件に含める必要な管理項目
切り戻しの判断者や保守時間、復旧目標も、契約前に決めておきます。必要な自己評価や委託先の管理も、見積もりに含めます。
個人情報や決済、権限、監査ログは、要件整理の段階で関係者を交えて決めます。後から追加すると手戻りが生じやすいので、早めに固めておきます。
カード情報を自社で保持するか、決済代行会社のトークン化やホスト型画面を使うかは、設計の段階で決めます。PCI DSSの適用範囲は構成によって変わるため、決済事業者とセキュリティ担当に確認します。
オムニチャネルシステム開発でよくある質問
費用や期間は要件で変わります。判断の出発点を押さえておくと、開発会社との話が具体的になります。
小規模な企業でもオムニチャネルシステムを導入できますか?
はい、導入は可能です。対象を絞れば、小規模な企業でも取り組めます。
- 対象:1ブランドと数店舗に絞った範囲
- 用途:店舗在庫表示や店舗受取などの用途
- 方式:SaaSや標準APIの組み合わせ
- 見積条件:店舗数、SKU数、注文数、既存システムとの連携可否
- 進め方:対象範囲を小さくした見積もりと、検証しやすいユースケースからの開始
店舗とECの在庫は本当にリアルタイムで連携できますか?
リアルタイムに近い連携は設計できますが、完全な同時反映を保証できるとは限りません。
- 反映精度:POSの更新頻度と通信状態で変わる精度
- 在庫変動:取り置き、棚卸し差異、返品処理、連携エラーの再送方式の影響
- 在庫設定:販売可能在庫に設ける安全在庫
- 欠品対応:更新遅延や欠品時の表示、注文後に不足が判明した場合の連絡手順
開発期間はどれくらいかかりますか?
開発期間は、連携の範囲やデータの状態で変わるため、規模別の目安と延びる要因を確認します。
- EC中心のSaaS:即日〜2か月程度
- 標準的な店舗・在庫連携:2〜6か月程度
- 複数店舗とOMS・WMS・会員基盤の統合:中規模案件で6〜12か月程度
既存データの品質が低い場合や、APIがない場合、店舗教育を全店同時に行う場合は、期間が延びます。旧システムへの切り戻しが必要な場合も、延びる要因になります。
見積書では開発に加えて、要件整理や移行リハーサル、受入テストを分けて確認します。店舗展開や稼働後の安定化期間についても、分けて見ます。
オムニチャネル化でAIも同時に導入すべきですか?
AIの同時導入は、必須ではありません。顧客、商品、在庫、注文のデータを統合したあとに検討できます。
利用目的と権限を整理したうえで、FAQや商品検索、商品比較、在庫照会などから検証します。影響範囲を限定しやすい用途が適しています。
返金や注文変更、会員情報の変更は、慎重に扱います。人の承認や上限、操作ログ、誤処理を戻す手順を用意してから、自動化を検討します。
まとめ
開発では、ECサイトの制作だけでなく、店舗・EC・モール・倉庫・顧客窓口をまたぐ業務とデータを整えます。商品・顧客・在庫・注文の正も、決めておきます。
店舗受取や在庫表示など、優先KPIに直結するユースケースから、段階的に進めます。投資対効果を確かめながら、対象を広げていけます。
着手前のチェック項目
着手前に確認する項目を4組にまとめておくと、提案と見積もりの前提を比べやすくなります。
- 目的・範囲:目的とKPI、対象ブランド・店舗・チャネル
- データ:商品・顧客・在庫・注文の正、現行データの件数と品質
- 連携・業務:POS・ERP・WMS・決済の連携可否、返品・キャンセル・欠品時の業務
- 運用・移行:個人情報と権限、移行・テスト・切り戻しの責任者
各項目の条件と担当を具体化してから、開発会社に相談します。
次の一歩となる業務フローと質問票の作成
開発会社に相談する前に、業務の現状と規模を整理しておきます。
- 現行業務の流れと、対象規模・データ条件の整理
- 標準機能、追加開発、社内運用の違いの整理と、同条件での複数社への相談
- 設計・移行・教育・保守まで支援できる体制の選定
現行の受注・在庫・出荷・受取・返品を、一枚の業務フローに描きます。店舗数・SKU数・注文数と、連携先、データの正も記入します。
選んだ支援体制が設計からデータ移行、現場教育、保守まで伴走すると、稼働後に使われるシステムにつながります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
